JP6226592B2 - Led表示装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、LEDを電気機器等の「表示装置」として使用する場合は、長寿命化の方が重要視される場合がある。特許文献1のようなLED照明システムでは、寿命の観点からすれば、LEDの寿命を十分に生かし切れてないという問題があった。
図1は、実施の形態1によるLED表示装置の概略構成を示すブロック図である。
図1(a)に示すように、LED表示装置は、LED表示部1と、LED表示部1を制御する制御部2と、制御に必要なデータを記憶する記憶部3とを有している。
LED表示部1は、LED4と、LED4に電流制御用の抵抗5を介して正電源電圧(Vcc)が印加される電源端子6と、電流ドライバ7を有している。
制御部2は、LED表示部1に供給する駆動電流、すなわち順電流を制御するためのCPUとタイマ機能を有し、LED4の点灯時間を計測してLED4の輝度を所定の明るさに制御する。
記憶部3は、記憶デバイスとして、バッテリとSRAM,MRAMの組み合わせや、スーパーキャパシタとSRAMの組み合わせ等が用いられる。この記憶部3には、LED4の輝度・点灯時間の特性データ等が記憶されている。
図1(b)は、LED表示部1に供給される順電流のデューティ制御の一例を示すもので、詳細は後述する。
図2は、LED4の輝度・点灯時間の特性を示す特性図である。なお、図中ではLED4を駆動する順電流をIFと略している。
図2では、順電流が5mA,10mAの場合を例にあげて、縦軸を輝度、横軸を点灯時間で表し、各LEDの輝度・点灯時間の特性曲線を示している。
また、順電流値にほぼ反比例して寿命時間が延びる。素子によって多少は異なるが、おおよそ順電流を半分にすると寿命時間は2倍になる。順電流が10mAでは寿命が約10万時間に対し、5mAでは約20万時間となっている。
また、図4は、人間の明暗の感覚と輝度の関係を説明する説明図である。図4に示すように、一般的な人間の明暗の感覚は、輝度がある閾値を超えると、明るさの度合いはほとんど判断できない。例えば、図4の場合であると、輝度が20mcd/m2以下になると暗いと感じ、40mcd/m2を越えると明るいと感じる。その間は徐々に明暗が変わることになる。
したがって、この場合、LEDの輝度は、40mcd/m2以上に設定しても明るいと感じるだけであり、寿命の観点から考えた場合には、40mcd/m2以上の輝度は寿命を短くするだけで、あまり意味がない。よって、20〜40mcd/m2に初期輝度を設定することで、最も寿命を延ばすことができる。本願発明は、上記のような考え方を基になされたものである。
本願発明は、LEDの輝度・点灯時間の特性を考慮し、LEDの駆動電流(順電流)と寿命時間の相関を利用して、LEDの輝度を安定させながら寿命を延ばすようにした点に特徴を有するので、以下、この動作について説明する。
下段のグラフは、本願の順電流と点灯時間との関係を示す図である。なお、使用するLED4は、順電流が10mAのとき輝度が100mcd/m2のもので説明する。
図に示すように、順電流の初期値を定格順電流の50%の5mAとし、輝度を100mcd/m2の50%の50mcd/m2でスタートする。順電流が5mAの場合は、点灯時間が約1万時間を越えると輝度の低下度合いが大きくなり始める。そこで、輝度を寿命輝度以下に低下させないように、約1万時間経過後から順電流を徐々に増加させるように制御する。LED4の輝度・点灯時間の特性データと寿命時の輝度は記憶部3に記憶されているので、特性データのカーブと逆方向のカーブで順電流値を定格順電流に向けて増加させて行けば輝度はほぼ初期値を維持できることになる。
本願の場合は途中から順電流を5mAより増加させているので、50mcd/m2の輝度を維持しながら、寿命は20万時間には達しないものの少なくとも15万時間程度以上は確保できる。
すなわち、順電流が10mAのLEDを、最初から10mAで使用すれば、図中に一点鎖線で示すような輝度曲線をたどり、約10万時間で寿命となるが、本願の場合は、実線で示すようになり、寿命を1.5倍〜2倍近くまで延ばすことが可能となる。
輝度・点灯時間の特性データは、順電流によりほぼ決まるので、予め、複数の順電流の特性データを記憶させておけばよい。
LED4の順電流制御は、例えば、図1(b)に示すようなデューティ制御により、デューティ比を変えることで調整可能である。図は5mAの順電流を得る場合を示している。デューティ制御の1サイクルの周期はちらつき防止のため100Hz以上が望ましい。
LED4の寿命特性は、LEDの構成材料(チップ、封止樹脂、蛍光体等)と、発光波長によっても異なり、また寿命劣化の要因として、LEDチップ自身の光学特性劣化、封止樹脂の透過率の低下、蛍光体の特性変化等があげられるため、特性カーブは、図2や図5のような単純なカーブにならない場合がある。
そのような場合は、予め、実際に使用するLEDの上記劣化を考慮した特性カーブを入手しておき、その特性カーブを記憶部3に記憶させて、上記と同様な制御を行えば、さらに精度の高い補正が行える。
また、使用温度条件によって、輝度も若干ではあるが変化するため、温度データにより輝度変化分を補正して電流制御すれば、さらに輝度安定化を図ることが可能である。
Claims (4)
- LEDを有するLED表示部と、タイマ機能を有し前記LED表示部の点灯を制御する制御部と、前記LEDの輝度・点灯時間の特性データを記憶する記憶部とを備え、
前記制御部において、前記LEDの初期輝度が定格順電流の初期値に対応する寿命時の輝度近傍となるように順電流の初期値を設定し、前記タイマ機能で計測した前記LEDの点灯時間から前記特性データを参照して輝度の低下度合いを推測し、前記寿命時の輝度以下とならないように、前記順電流を増加させる電流制御が行われることを特徴とするLED表示装置。 - 請求項1記載のLED表示装置において、
前記LEDの輝度・点灯時間の特性データとして、実際に使用されるLEDの固有データが用いられていることを特徴とするLED表示装置。 - 請求項1または請求項2に記載のLED表示装置において、
前記制御部は、前記LEDの輝度を複数に切り換える機能を有し、切り換えるそれぞれの前記輝度における順電流と点灯時間の積の積算データと、前記特性データとから、前記輝度の低下度合いを推測することを特徴とするLED表示装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のLED表示装置において、
前記制御部は、さらに温度計測手段を有し、前記記憶部には前記LEDの温度補正データが記憶されており、前記温度計測手段から得られる温度情報により前記特性データを温度補正するように構成されていることを特徴とするLED表示装置。
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