JP2019208453A - ビール様発泡性飲料及びビール様発泡性飲料ののどのひっかかりを増強する方法 - Google Patents

ビール様発泡性飲料及びビール様発泡性飲料ののどのひっかかりを増強する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、発泡性飲料において、エキス分を増大させることなく、のどへのひっかかりを増大させる方法、及び当該方法により得られる発泡性飲料を提供する。【解決手段】ヒドロキシ酸エステル類の濃度(質量)に対する甘味度の比([甘味度]/[ヒドロキシ酸エステル類の濃度(ppm)])が0.5以上30以下である、発泡性飲料、甘味度が0.5以上30以下である、前記記載の発泡性飲料、前記ヒドロキシ酸エステル類の濃度が、11ppm以下である、前記いずれかに記載の発泡性飲料、及び、ヒドロキシ酸エステル類の濃度(質量)に対する甘味度の比([甘味度]/[ヒドロキシ酸エステル類の濃度(ppm)])を0.5以上30以下に調整する、発泡性飲料ののどのひっかかりを増強する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、甘味料を含む発泡性飲料において、エキス分を増大させることなく、のどへのひっかかりを増強させた発泡性飲料に関する。
炭酸ガスを含有する発泡性飲料のうち、甘味度の低い飲料は、炭酸刺激による爽快さと甘すぎない味で止渇感・ドリンカビリティー(飽きずに何杯も飲み続けられる性質)に優れている。なかでも、ビールや発泡酒等のビール様発泡性飲料は、独特の苦味や香味を有しており、ドリンカビリティーと共に「のどへのひっかかり」を備えている。こののどへのひっかかりが、ビール様発泡性飲料の優れたドリンカビリティーには重要である。
一方で、近年の消費者の健康志向から、低カロリーや低糖質のビール様発泡性飲料に対する需要も高まっている。麦芽等の原料の使用量を抑えることによって、ビール様発泡性飲料のカロリーや糖質含有量を低減させることができる。また、アルコール濃度を低減させたローアルコールビールや、アルコールを含まないノンアルコールビールに対する需要も拡大している。
甘味度が低く、かつ低カロリーの発泡性飲料は、ドリンカビリティーには優れるものの、味ボリュームの少なさから旨味やコクに乏しい。特にノンアルコール発泡性飲料は、アルコールを含有する発泡性飲料よりも味が全体的に薄く感じられる傾向にあり、平たんな味になりやすい。一般的に、香味に厚みを付与するためにエキス分を増大させたり、砂糖などの甘味料を用いて甘酸バランスを整えることが行われている。しかしながら、低カロリー化の要請からエキス分を増大させることは難しい。また、甘味度を向上させると、旨味やコクは改善できるものの、甘味が強くなりすぎると、爽快さやのどへのひっかかりが損なわれやすい。
一方で、飲料に各種添加剤を配合することによって香味を改善する方法が一般的に行われている。例えば、特許文献1には、天然香料類、エステル類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、フェノール類、エーテル類、ラクトン類、炭化水素類、含窒素及び/又は含硫化合物類、酸類、苦味料、酸味料、甘味料、及び辛味料からなる群より選ばれる1種以上が、ビールの持つアルコール感、香味、コク感、清涼感、爽快感といった風味を改善するための香味付与剤となることが開示されている。また、特許文献2には、ヒドロキシ酸エステル類を添加することにより、炭酸飲料の炭酸刺激を増強する方法が開示されている。特許文献3には、クアシン、アブシンチン、ナリンジン、ゲンチオリゴ糖、ペプチド、ミネラル、及びカラメルからなる群より選択される1種以上の苦味物質と、クエン酸トリエチル及びクエン酸トリブチルからなる群より選択される1種以上の刺激物質とを含有させることにより、ホップを原料として用いずに製造された非発酵ビール様発泡性飲料合に、ビールらしい苦味が付与できることが記載されている。
特開2015−27309号公報 特開2013−94129号公報 特開2016−082895号公報
本発明においては、発泡性飲料において、エキス分を増大させることなく、のどへのひっかかりを増大させる方法、及び当該方法により得られる発泡性飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、甘味料を含む発泡性飲料において、ヒドロキシ酸エステル類を配合し、かつヒドロキシ酸エステル類の濃度(質量)に対する甘味度の比を特定の範囲内に調整することにより、エキス分を増大させることなく、のどへのひっかかりを増大させられることを見出し、本発明を完成させた。
本発明に係る発泡性飲料、及び発泡性飲料ののどのひっかかりを増強する方法は、下記[1]〜[10]である。
[1] ヒドロキシ酸エステル類の濃度(質量)に対する甘味度の比([甘味度]/[ヒドロキシ酸エステル類の濃度(ppm)])が0.5以上30以下である、発泡性飲料。
[2] 甘味度が0.5以上30以下である、前記[1]の発泡性飲料。
[3] 前記ヒドロキシ酸エステル類の濃度が、11ppm以下である、前記[1]又は[2]の発泡性飲料。
[4] 前記ヒドロキシ酸エステル類が、クエン酸トリエチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリブチル、酒石酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、リンゴ酸ジブチル、乳酸アミル、乳酸ブチル、乳酸エチル、乳酸イソアミル、乳酸イソブチル、乳酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸2−メチルブチル、及び乳酸プロピルからなる群より選択される1種以上である、前記[1]〜[3]のいずれかの発泡性飲料。
[5] 真正エキスが2.0質量%以下である、前記[1]〜[4]のいずれかの発泡性飲料。
[6] 20℃における炭酸ガス含有量が3.0ガスボリューム以上である、前記[1]〜[5]のいずれかの発泡性飲料。
[7] アセスルファムカリウムを含有する、前記[1]〜[6]のいずれかの発泡性飲料。
[8] ビール様発泡性飲料である、前記[1]〜[7]のいずれかの発泡性飲料。
[9] アルコール濃度が1容量%未満である、前記[1]〜[8]のいずれかの発泡性飲料。
[10] ヒドロキシ酸エステル類の濃度(質量)に対する甘味度の比([甘味度]/[ヒドロキシ酸エステル類の濃度(ppm)])を0.5以上30以下に調整する、発泡性飲料ののどのひっかかりを増強する方法。
本発明により、甘味料を含む発泡性飲料であって、エキス分を増大させることなく、のどへのひっかかりに優れた発泡性飲料が得られる。特に、甘味料を含む発泡性飲料がビール様発泡性飲料の場合には、本発明により、甘味と苦味のバランスがよく、ビールらしい香味とのどへのひっかかりに優れており、ドリンカビリティーに優れたビール様発泡性飲料が得られる。
本発明及び本願明細書において、「発泡性飲料」とは、炭酸ガスを含有する飲料を意味する。本発明に係る発泡性飲料は、アルコール飲料であってもよく、アルコール含量が1容量%未満であるいわゆるノンアルコール飲料又はローアルコール飲料であってもよい。また、麦芽を原料とする飲料であってもよく、麦芽を原料としない飲料であってもよく、発酵工程を経て製造される飲料であってもよく、発酵工程を経ずに製造される飲料であってもよい。
本発明及び本願明細書においては、「ビールらしさ」とは、製品名称・表示にかかわらず、香味上ビールを想起させる呈味のことを意味する。つまり、ビールらしさを有する発泡性飲料(ビール様発泡性飲料)とは、発泡性飲料のうち、アルコール含有量、麦芽及びホップの使用の有無、発酵の有無に関わらず、ビールと同等の又はそれと似た風味・味覚及びテクスチャーを有し、高い止渇感・ドリンカビリティーを有する飲料を意味する。ビール様発泡性飲料としては、具体的には、ビール、麦芽を原料とする発泡酒、麦芽を使用しない発泡性アルコール飲料、ローアルコール発泡性飲料、ノンアルコールビール等が挙げられる。その他、麦芽を原料とし、発酵工程を経て製造された飲料を、アルコール含有蒸留液と混和して得られたリキュール類であってもよい。アルコール含有蒸留液とは、蒸留操作により得られたアルコールを含有する溶液であり、例えば、原料用アルコールであってもよく、スピリッツ、ウィスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、テキーラ、ジン、焼酎等の蒸留酒等を用いることができる。
本発明及び本願明細書において、「のどへのひっかかり」とは、「飲料がのどを通る際に感じる、のどにグッとくる感覚」を意味する。
本発明に係る発泡性飲料は、甘味料を含む。甘味料としては、ショ糖、ブドウ糖、果糖、異性化液糖、及び高甘味度甘味料を例示することができるが、これらに限定されるものではない。これらの甘味料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。高甘味度甘味料としては、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ネオテーム、ステビア、及び酵素処理ステビアを例示することができる。本発明に係る発泡性飲料に含有させる甘味料は、発泡性飲料が目的とするカロリーや風味に応じて適宜選択することができる。例えば、高甘味度甘味料の使用により、低カロリー又は無糖の発泡性飲料を調製することができる。また、ショ糖等の糖類の使用により、有糖発泡性飲料を調製することができる。本発明に係る発泡性飲料における甘味料の含有量は、発明の効果が発揮される範囲で適宜設定することができる。本発明に係る発泡性飲料に含まれる甘味料としては、より低カロリー化が図れることから、高甘味度甘味料であることが好ましく、アセスルファムカリウム、ネオテーム、アスパルテーム、スクラロース、ステビア、及び酵素処理ステビアからなる群より選択される1種以上がより好ましく、のどへのひっかかりを損なわずにコクを付与しやすいことからアセスルファムカリウムがさらに好ましい。
甘味度とは、甘味の強さを示す尺度であり、ショ糖1質量%(20℃)の甘味の強さを1とした場合の相対比である。飲料の甘味度は、まず、当該飲料に含まれる各甘味成分の量(重量濃度)を、当該甘味成分の甘味度に基づいてショ糖の相当量に換算し(ショ糖甘味換算量)、次いで当該飲料に含まれる全ての甘味成分のショ糖甘味換算量を総計することによって求めることができる。なお、各種甘味成分の甘味度は、公知の砂糖甘味換算表(例えば、マクマリー有機化学(第7版)988頁)から求めることができる。
甘味が強すぎる場合、コクや旨味は強くなるものの、ドリンカビリティーが低下し、のどへのひっかかりも低下する。このため、本発明に係る発泡性飲料の甘味度は、60以下であることが好ましく、45以下であることがより好ましく、30以下であることがさらに好ましく、20以下であることがよりさらに好ましい。一方で、甘味度が小さすぎると、発泡性飲料の種類やそのほかの原料成分によっては、味のバランスが崩れてしまうおそれがある。例えば、本発明に係る発泡性飲料がビール様発泡性飲料の場合、甘味度は、0.5以上が好ましく、2以上がより好ましく、2.5以上がさらに好ましい。なお、甘味度とは、1g/Lのショ糖水溶液の甘味の強さを1とした時のその他の甘味料溶液の甘さの程度をいう。
本発明に係る発泡性飲料は、ヒドロキシ酸エステル類を、ヒドロキシ酸エステル類の濃度(質量)に対する甘味度の比([甘味度]/[ヒドロキシ酸エステル類の濃度(ppm)])が0.5以上30以下となるように含有する。ヒドロキシ酸エステル類をその飲料中の濃度が甘味度に対して特定の範囲内となるように添加することにより、味のバランスに対する影響を抑えつつ、のどへのひっかかりを増強させることができる。本発明に係る発泡性飲料の[甘味度]/[ヒドロキシ酸エステル類の濃度(ppm)]は、0.5以上30以下であればよいが、味のバランスの点から、0.6以上30以下が好ましく、0.6以上20以下がより好ましく、0.6以上15以下がさらに好ましい。
本発明に係る発泡性飲料が含有するヒドロキシ酸エステル類としては、クエン酸トリエチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリブチル、酒石酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、リンゴ酸ジブチル、乳酸アミル、乳酸ブチル、乳酸エチル、乳酸イソアミル、乳酸イソブチル、乳酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸2−メチルブチル、及び乳酸プロピルからなる群より選択される1種以上であることが好ましく、クエン酸トリエチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリブチル、酒石酸ジエチル、及びリンゴ酸ジブチルからなる群より選択される1種以上であることがより好ましく、クエン酸トリエチル、クエン酸トリプロピル、及びクエン酸トリブチルからなる群より選択される1種以上を含むことがさらに好ましい。
ヒドロキシ酸エステル類の含有量が過剰になると、ヒドロキシ酸エステル類が有する苦味が発泡性飲料に影響するおそれがある。このため、発泡性飲料中のヒドロキシ酸エステル類の含有量は、0.1ppm以上11ppm以下であることが好ましく、0.1ppm以上10ppm以下であることがより好ましく、0.2ppm以上10ppm以下であることがさらに好ましく、0.5ppm以上10ppm以下であることがよりさらに好ましい。
適度な苦味により、発泡性飲料ののどへのひっかかりが増大される。このため、本発明に係る発泡性飲料は、苦味料を含有している発泡性飲料であることが好ましく、ビール様発泡性飲料であることがより好ましい。本発明に係る発泡性飲料が含有する苦味料としては、イソα酸、テトライソα酸、β酸の酸化物、マグネシウム塩、カルシウム塩、ナリンジン、クワシン、キニーネ、モモルデシン、クエルシトリン、テオブロミン、カフェイン、ゴーヤ、センブリ茶、苦丁茶、ニガヨモギ抽出物、ゲンチアナ抽出物、キナ抽出物等が挙げられる。これらの苦味料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
原料としてホップ又はホップ加工品を用いることにより、イソα酸を含む発泡性飲料を製造できる。ホップには、イソα酸の前駆物質であるα酸が含まれている。原料として用いるホップとしては、生ホップであってもよく、乾燥ホップであってもよく、ホップペレットであってもよい。また、原料として用いるホップ加工品としては、ホップから苦味成分を抽出したホップエキスであってもよい。また、イソ化ホップエキス、テトラハイドロイソフムロン、ヘキサハイドロイソフムロン等のホップ中の苦味成分をイソ化した成分を含むホップ加工品であってもよい。本発明に係る発泡性飲料としては、イソ化ホップエキスを含有するものが特に好ましい。
本発明に係る発泡性飲料が苦味料を含む場合、苦味料の含有量は、発泡性飲料の種類や呈味質に応じて適宜調整することができる。例えば、ビール様発泡性飲料の場合、苦味価が8BU以上であることが好ましく、8BU以上30BU以下であることがより好ましく、8BU以上24BU以下であることがさらに好ましく、10BU以上20BU以下であることがよりさらに好ましく、12BU以上18BU以下であることが特に好ましい。
本発明及び本願明細書において、苦味価とは、イソフムロンを主成分とするホップ由来物質群により与えられる苦味の指標であり、ビール様発泡性飲料をはじめとする飲料の苦味価は、例えばEBC法(ビール酒造組合:「ビール分析法」8.15 1990年)により測定することができる。具体的には、サンプルに酸を加えた後イソオクタンで抽出し、遠心分離処理後に得られたイソオクタン層の、純粋なイソオクタンを対照に測定した275nmにおける吸光度に定数(50)を乗じた値(BU)である。
本発明に係る発泡性飲料が含む炭酸ガス圧は特に限定されるものではなく、発泡性飲料の種類や求める製品品質に応じて適宜調整することができる。十分な炭酸刺激があるほうが、のどへのひっかかりやドリンカビリティーがより高くなる。このため、本発明に係る発泡性飲料の炭酸ガス圧としては、20℃における炭酸ガス含有量が2.3ガスボリューム(GV)以上であることが好ましく、3.0GV以上であることがより好ましく、3.0GV以上5.0GV以下であることがさらに好ましく、3.0GV以上4.4GV以下であることがよりさらに好ましい。
本発明に係る発泡性飲料のエキス分としては、低カロリー化の要請に応えられる点から、真正エキスが2.0質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下であることがより好ましい。なお、本発明に係る発泡性飲料の真正エキス(質量%)は、改訂BCOJ(Brewery Convention of Japan)分析法((財)日本醸造協会発行)に記載の方法(8.4)に基づいて測定することができる。
本発明に係る発泡性飲料は、アルコール飲料であってもよいが、ヒドロキシ酸エステル類によるのどへのひっかかり増強効果がより十分に発揮されることから、発泡性飲料のアルコール濃度は、1容量%以下好ましく、0.5容量%未満がより好ましく、0.05容量%未満がさらに好ましく、0容量%のノンアルコール発泡性飲料がよりさらに好ましい。本発明に係る発泡性飲料としては、特に、アルコールを原料として含有していないノンアルコールビール様発泡性飲料が好ましい。
本発明に係る発泡性飲料が容器詰飲料である場合、本発明に係る発泡性飲料を充填する容器としては、特に限定されるものではない。具体的には、ガラス瓶、缶、可撓性容器等が挙げられる。可撓性容器としては、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の可撓性樹脂を成形してなる容器が挙げられる。可撓性容器は、単層樹脂からなるものであってもよく、多層樹脂からなるものであってもよい。
本発明に係る発泡性飲料がビール様発泡性飲料の場合、甘味料と少なくとも1種のヒドロキシ酸エステル類を、飲料の[甘味度]/[ヒドロキシ酸エステル類の濃度(ppm)]を前記特定の範囲内となるように含有させる以外は、一般的な発酵ビール様発泡性飲料や非発酵ビール様発泡性飲料と同様にして製造できる。
本発明に係る発泡性飲料は、麦芽を原料として製造された飲料であってもよく、麦芽を原料とせずに製造された飲料であってもよい。麦芽を原料として製造された飲料には、麦芽に由来する各種物質が多く含まれており、麦芽を原料とせずに製造された飲料よりも呈味成分を多く含む。エキス分を低く抑えたまま、のどへのひっかかりを増強できるという本発明の効果がより十分に発揮されることから、本発明に係る発泡性飲料は、原料とした麦芽の量が少ない方が好ましく、麦芽を原料とせずに製造された飲料がより好ましい。
発酵工程を経て製造される発酵ビール様発泡性飲料は、一般的には、仕込(発酵原料液調製)、発酵、貯酒、濾過の工程で製造することができる。
まず、仕込工程(発酵原料液調製工程)として、穀物原料及び糖質原料からなる群より選択される1種以上の発酵原料から発酵原料液を調製する。具体的には、発酵原料と原料水とを含む混合物を加温し、澱粉質を糖化して糖液を調製した後、得られた糖液を煮沸し、その後固体分の少なくとも一部を除去して発酵原料液を調製する。
まず、穀物原料と糖質原料の少なくともいずれかと原料水とを含む混合物を調製して加温し、穀物原料等の澱粉質を糖化させて糖液を調製する。糖液の原料としては、穀物原料のみを用いてもよく、糖質原料のみを用いてもよく、両者を混合して用いてもよい。穀物原料としては、例えば、大麦や小麦、これらの麦芽等の麦類、米、トウモロコシ、大豆等の豆類、イモ類等が挙げられる。穀物原料は、穀物シロップ、穀物エキス等として用いることもできるが、粉砕処理して得られる穀物粉砕物として用いることが好ましい。穀物類の粉砕処理は、常法により行うことができる。穀物粉砕物としては、麦芽粉砕物、コーンスターチ、コーングリッツ等のように、粉砕処理の前後において通常なされる処理を施したものであってもよい。本発明においては、用いられる穀物粉砕物は、麦芽粉砕物であることが好ましい。麦芽粉砕物を用いることにより、ビールらしさがよりはっきりとした発酵ビール様発泡性飲料を製造することができる。麦芽粉砕物は、大麦、例えば二条大麦を、常法により発芽させ、これを乾燥後、所定の粒度に粉砕したものであればよい。また、本発明において用いられる穀物原料としては、1種類の穀物原料であってもよく、複数種類の穀物原料を混合したものであってもよい。例えば、主原料として麦芽粉砕物を、副原料として米やトウモロコシの粉砕物を用いてもよい。糖質原料としては、例えば、液糖等の糖類が挙げられる。
本発明に係る発酵ビール様発泡性飲料としては、原料の全量に対する麦芽の使用比率が66質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましく、麦芽を原料として使用していないことが特に好ましい。なお、麦芽使用比率は、酒税法の規定に則り測定される。
当該混合物には、穀物原料等と水以外の副原料を加えてもよい。当該副原料としては、例えば、ホップ、食物繊維、酵母エキス、果汁、苦味料、着色料、香草、香料等が挙げられる。また、必要に応じて、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ等の糖化酵素やプロテアーゼ等の酵素剤を添加することができる。
糖化処理は、穀物原料等由来の酵素や、別途添加した酵素を利用して行う。糖化処理時の温度や時間は、用いた穀物原料等の種類、発酵原料全体に占める穀物原料の割合、添加した酵素の種類や混合物の量、目的とする発酵ビール様発泡性飲料の品質等を考慮して、適宜調整される。例えば、糖化処理は、穀物原料等を含む混合物を35〜70℃で20〜90分間保持する等、常法により行うことができる。
糖化処理後に得られた糖液を煮沸することにより、煮汁(糖液の煮沸物)を調製することができる。糖液は、煮沸処理前に濾過し、得られた濾液を煮沸処理することが好ましい。また、この糖液の濾液に替わりに、麦芽エキスに温水を加えたものを用い、これを煮沸してもよい。煮沸方法及びその条件は、適宜決定することができる。
煮沸処理前又は煮沸処理中に、香草等を適宜添加することにより、所望の香味を有する発酵ビール様発泡性飲料を製造することができる。例えば、ホップを煮沸処理前又は煮沸処理中に添加し、ホップの存在下で煮沸処理することにより、ホップの風味・香気成分、特に苦味成分を効率よく煮出することができる。ホップの添加量、添加態様(例えば数回に分けて添加するなど)及び煮沸条件は、適宜決定することができる。
煮沸処理後に得られた煮汁には、沈殿により生じたタンパク質等の粕が含まれている。そこで、煮汁から粕等の固体分の少なくとも一部を除去する。粕の除去は、いずれの固液分離処理で行ってもよいが、一般的には、ワールプールと呼ばれる槽を用いて沈殿物を除去する。この際の煮汁の温度は、15℃以上であればよく、一般的には50〜100℃程度で行われる。粕を除去した後の煮汁(濾液)は、プレートクーラー等により適切な発酵温度まで冷却する。この粕を除去した後の煮汁が、発酵原料液となる。
次いで、発酵工程として、冷却した発酵原料液に酵母を接種して、発酵を行う。冷却した発酵原料液は、そのまま発酵工程に供してもよく、所望のエキス濃度に調整した後に発酵工程に供してもよい。発酵に用いる酵母は特に限定されるものではなく、通常、酒類の製造に用いられる酵母の中から適宜選択して用いることができる。上面発酵酵母であってもよく、下面発酵酵母であってもよいが、大型醸造設備への適用が容易であることから、下面発酵酵母であることが好ましい。
さらに、貯酒工程として、得られた発酵液を、貯酒タンク中で熟成させ、0℃程度の低温条件下で貯蔵し安定化させた後、濾過工程として、熟成後の発酵液を濾過することにより、酵母及び当該温度域で不溶なタンパク質等を除去して、目的の発酵ビール様発泡性飲料を得ることができる。当該濾過処理は、酵母を濾過除去可能な手法であればよく、例えば、珪藻土濾過、平均孔径が0.4〜1.0μm程度のフィルターによるフィルター濾過等が挙げられる。
発酵工程を経ずに製造される非発酵ビール様発泡性飲料は、一般的には、各原料を混合する方法(調合法)によって製造できる。例えば、具体的には、各原料を混合することにより、調合液を調製する調合工程と、得られた調合液に炭酸ガスを加えるガス導入工程と、により製造することができる。
まず、調合工程において、原料を混合することにより、調合液を調製する。調合工程においては、炭酸ガス以外の全ての原料を混合した調合液を調製することが好ましい。各原料を混合する順番は特に限定されるものではない。原料水に、全ての原料を同時に添加してもよく、先に添加した原料を溶解させた後に残る原料を添加する等、順次原料を添加してもよい。また、例えば、原料水に、固形(例えば粉末状や顆粒状)の原料及びアルコールを混合してもよく、固形原料を予め水溶液としておき、これらの水溶液、及びアルコール、必要に応じて原料水を混合してもよい。さらに、原料水に原料を加熱したものを入れてもよく、調製した調合液を加熱してもよい。
原料としては、苦味料、酸味料、甘味料、カラメル色素、香味料、エタノール(原料アルコール)、消泡剤、乳化剤、多糖類、水溶性食物繊維、タンパク質若しくはその分解物等が挙げられる。
苦味料、甘味料としては、前記で挙げられたものを用いることができる。
酸味料としては、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、リン酸、乳酸、アジピン酸、及びフマル酸等の有機酸が挙げられる。
香味料としては、ビール抽出物、ビール香料、ホップ香料等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系消泡剤等が挙げられる。
乳化剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート等が挙げられる。
多糖類としては、でんぷん、デキストリン等が挙げられる。デキストリンは、でんぷんを加水分解して得られる糖質であって、オリゴ糖(3〜10個程度の単糖が重合した糖質)よりも大きなものを指す。
水溶性食物繊維とは、水に溶解し、かつヒトの消化酵素により消化されない又は消化され難い炭水化物を意味する。水溶性食物繊維としては、例えば、大豆食物繊維(可溶性大豆多糖類)、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、ガラクトマンナン、イヌリン、グアーガム分解物、ペクチン、アラビアゴム等が挙げられる。
本発明に係る非発酵ビール様発泡性飲料としては、固形原料の全量に対する麦芽の使用比率が66質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましく、麦芽を原料として使用していないことが特に好ましい。なお、麦芽使用比率は、酒税法の規定に則り測定される。
調合工程において調製された調合液に、不溶物が生じた場合には、ガス導入工程の前に、当該調合液に対して濾過等の不溶物を除去する処理を行うことが好ましい。不溶物除去処理は、特に限定されるものではなく、濾過法、遠心分離法等の当該技術分野で通常用いられている方法で行うことができる。本発明においては、不溶物は濾過除去することが好ましく、珪藻土濾過により除去することがより好ましい。
次いで、ガス導入工程として、調合工程により得られた調合液に炭酸ガスを加える。これにより、非発酵ビール様発泡性飲料を得る。炭酸を加えることによって、ビールと同様の爽快感が付与される。なお、炭酸ガスの添加は、常法により行うことができる。例えば、調合工程により得られた調合液、及び炭酸水を混合してよく、調合工程により得られた調合液に炭酸ガスを直接加えて溶け込ませてもよい。
炭酸ガスを添加した後、得られた非発酵ビール様発泡性飲料に対して、さらに濾過等の不溶物を除去する処理を行ってもよい。不溶物除去処理は、特に限定されるものではなく、当該技術分野で通常用いられている方法で行うことができる。
次に実施例及び参考例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。
<「のどのひっかかり」の官能評価>
以降の実験において、飲料の「のどのひっかかり」の官能評価は、次のようにして実施した。
具体的には、10名の訓練されたビール専門パネルにより、下記の評価基準に基づいて、1.0〜3.0までの0.1刻みの21段階で評価した。各サンプルの評価点は、10名の訓練されたビール専門パネルの評価点の平均値とした。
1.0点…基準液1(20℃における炭酸ガス含有量が3.0GVの炭酸水)と同程度ののどのひっかかり
2.0点…基準液2(1Lの水にデキストリン25g、リン酸0.7g、アセスルファムカリウム0.03gを溶解させた液に、イソ化ホップエキスを苦味価が17BUとなる量を添加し、さらに20℃における炭酸ガス含有量が3.0GVとなるように炭酸ガスを溶解させた液)と同程度ののどのひっかかり
3.0点…基準液3(1Lの水にデキストリン25g、リン酸0.7g、アセスルファムカリウム0.03g、クエン酸トリブチル15ppmを溶解させた液に、イソ化ホップエキスを苦味価が17BUとなる量を添加し、さらに20℃における炭酸ガス含有量が3.0GVとなるように炭酸ガスを溶解させた液)と同程度ののどのひっかかり
<「苦味の強さ」の官能評価>
以降の実験において、飲料の「苦味の強さ」の官能評価は、次のようにして実施した。なお、「苦味の強さ」とは、液を口に含んだ際にクエン酸トリブチル由来の苦味を感じる最高点での苦味の強さと定義した。
具体的には、10名の訓練されたビール専門パネルにより、対照サンプルと比較して評価した。苦味の強さの評価は、1点が対照サンプルに比べて苦味が弱い、2点が苦味の強さが対照サンプルと同等である、3点が対照サンプルに比べて苦味が強い、とした。各サンプルの評価点は、10名の訓練されたビール専門パネルの評価点の平均値とした。各サンプルの評価点が1.5点以下又は2.5点以上の場合に、当該サンプルは対照サンプルと差があると判断した。
[実施例1]
アルコールを全く含有せず、甘味料としてアセスルファムカリウムを含有するノンアルコールビールにおけるクエン酸トリブチル濃度の影響を調べた。
まず、デキストリン25g、カラメル(「カラメルS−7」、池田糖化工業社製)0.3g、リン酸0.7g、及びアセスルファムカリウム0.03gを1Lの水に混合したものに、イソ化ホップエキス(John I. Haas, Inc製)を最終的に得られるノンアルコールビールの苦味価が17BUとなるように添加して清澄なベース液を調製した。
このベース液に、表1及び2に示す濃度となるようにクエン酸トリブチル(TBC)を溶解させ、さらに、20℃における炭酸ガス含有量が3.0GVとなるように炭酸ガスを溶解させることによってノンアルコールビール(試験サンプル1〜10)を製造した。このベース液に、20℃における炭酸ガス含有量が3.0GVとなるように炭酸ガスを溶解させた液を対照サンプルのノンアルコールビールとした。
製造されたノンアルコールビールについて、のどのひっかかりと苦味の強さの官能評価を行った。
Figure 2019208453
Figure 2019208453
各サンプルの評価結果を表1及び2に示す。クエン酸トリブチル濃度が5ppm以下である試験サンプル1〜6は、苦味の強度は対照サンプルとほぼ同程度(評点が2.4以下)であり、試験サンプル7及び8も、苦味の強度の評点が2.5であり、対照サンプルよりやや苦味が強くなった程度にすぎず、これらの試験サンプルでは、クエン酸トリブチルによる苦味の影響はほとんどなかった。しかし、[甘味度]/[TBC濃度(ppm)]が0.6〜30である試験サンプル2〜8では、のどのひっかかりが顕著に増大しており、また、ビールらしさも良好であった。一方で、クエン酸トリブチル濃度が12ppm以上である試験サンプル9及び10は、のどのひっかかりはクエン酸トリブチル濃度依存的に増強されていたが、苦味が強すぎて味のバランスが崩れていた。
[実施例2]
アルコールを全く含有せず、甘味料としてショ糖を含有するノンアルコールビールにおけるクエン酸トリブチル濃度の影響を調べた。
まず、デキストリン25g、カラメル(「カラメルS−7」、池田糖化工業社製)0.3g、リン酸0.7g、及びショ糖6.0gを1Lの水に混合したものに、イソ化ホップエキス(John I. Haas, Inc製)を最終的に得られるノンアルコールビールの苦味価が17BUとなるように添加して清澄なベース液を調製した。
このベース液に、表3及び4に示す濃度となるようにクエン酸トリブチル(TBC)を溶解させ、さらに、20℃における炭酸ガス含有量が3.0GVとなるように炭酸ガスを溶解させることによってノンアルコールビール(試験サンプル1〜10)を製造した。このベース液に、20℃における炭酸ガス含有量が3.0GVとなるように炭酸ガスを溶解させた液を対照サンプルのノンアルコールビールとした。
製造されたノンアルコールビールについて、のどのひっかかりと苦味の強さの官能評価を行った。
Figure 2019208453
Figure 2019208453
各サンプルの評価結果を表3及び4に示す。クエン酸トリブチル濃度が0.5ppm以下である試験サンプル1〜3は、苦味の強度は対照サンプルとほぼ同程度(評点が2.4以下)であり、試験サンプル4〜8も、苦味の強度の評点が2.5であり、対照サンプルよりやや苦味が強くなった程度にすぎず、これらの試験サンプルでは、クエン酸トリブチルによる苦味の影響はほとんどなかった。しかし、[甘味度]/[TBC濃度(ppm)]が0.6〜12である試験サンプル3〜8では、のどのひっかかりが明らかに増大しており、また、ビールらしさも良好であった。一方で、クエン酸トリブチル濃度が12ppm以上である試験サンプル9及び10は、のどのひっかかりはクエン酸トリブチル濃度依存的に増強されていたが、苦味が強すぎて味のバランスが崩れていた。
[実施例3]
アルコールを全く含有せず、甘味料としてアセスルファムカリウムを含有し、さらにクエン酸トリブチルを含有するノンアルコールビールにおけるアセスルファムカリウム濃度の影響を調べた。
まず、デキストリン25g、カラメル(「カラメルS−7」、池田糖化工業社製)0.3g、リン酸0.7g、及びクエン酸トリブチル(TBC)5ppmを1Lの水に混合したものに、イソ化ホップエキス(John I. Haas, Inc製)を最終的に得られるノンアルコールビールの苦味価が17BUとなるように添加して清澄なベース液を調製した。
このベース液に、表5及び6に示す甘味度となるようにアセスルファムカリウムを溶解させ、さらに、20℃における炭酸ガス含有量が3.0GVとなるように炭酸ガスを溶解させることによってノンアルコールビール(試験サンプル1〜10)を製造した。このベース液に、20℃における炭酸ガス含有量が3.0GVとなるように炭酸ガスを溶解させた液を対照サンプルのノンアルコールビールとした。
製造されたノンアルコールビールについて、のどのひっかかりの官能評価を行った。
Figure 2019208453
Figure 2019208453
各サンプルの評価結果を表5及び6に示す。[甘味度]/[TBC濃度(ppm)]が0.5〜30である試験サンプル3〜9では、のどのひっかかりが明らかに増大しており、また、ビールらしさも良好であった。一方で、甘味度が150以上の試験サンプル1及び2では、甘味が強すぎて、のどのひっかかりは感じられなかった。また、甘味度が2の試験サンプル10は、甘味が弱く、味のバランスが悪かった。
[実施例4]
アルコールを全く含有せず、甘味料としてショ糖を含有し、さらにクエン酸トリブチルを含有するノンアルコールビールにおけるアショ糖濃度の影響を調べた。
まず、デキストリン25g、カラメル(「カラメルS−7」、池田糖化工業社製)0.3g、リン酸0.7g、及びクエン酸トリブチル(TBC)5ppmを1Lの水に混合したものに、イソ化ホップエキス(John I. Haas, Inc製)を最終的に得られるノンアルコールビールの苦味価が17BUとなるように添加して清澄なベース液を調製した。
このベース液に、表7及び8に示す甘味度となるようにショ糖を溶解させ、さらに、20℃における炭酸ガス含有量が3.0GVとなるように炭酸ガスを溶解させることによってノンアルコールビール(試験サンプル1〜8)を製造した。このベース液に、20℃における炭酸ガス含有量が3.0GVとなるように炭酸ガスを溶解させた液を対照サンプルのノンアルコールビールとした。
製造されたノンアルコールビールについて、のどのひっかかりの官能評価を行った。
Figure 2019208453
Figure 2019208453
各サンプルの評価結果を表7及び8に示す。[甘味度]/[TBC濃度(ppm)]が0.5〜30である試験サンプル1〜7では、のどのひっかかりが明らかに増大しており、また、ビールらしさも良好であった。一方で、甘味度が2の試験サンプル8は、甘味が弱く、味のバランスが悪かった。
本発明に係る発泡性飲料、及び発泡性飲料ののどのひっかかりを増強する方法は、下記[1]〜[]である。
[1] ヒドロキシ酸エステル類の濃度(質量)に対する甘味度の比([甘味度]/[ヒドロキシ酸エステル類の濃度(ppm)])が0.5以上30以下であ
甘味度が0.5以上30以下であり、
前記ヒドロキシ酸エステル類の濃度が11ppm以下である、発泡性飲料。
] 前記ヒドロキシ酸エステル類が、クエン酸トリエチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリブチル、酒石酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、リンゴ酸ジブチル、乳酸アミル、乳酸ブチル、乳酸エチル、乳酸イソアミル、乳酸イソブチル、乳酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸2−メチルブチル、及び乳酸プロピルからなる群より選択される1種以上である、前記[1]いずれかの発泡性飲料。
] 真正エキスが2.0質量%以下である、前記[1]又は[2]の発泡性飲料。
] 20℃における炭酸ガス含有量が3.0ガスボリューム以上である、前記[1]〜[]のいずれかの発泡性飲料。
] アセスルファムカリウムを含有する、前記[1]〜[]のいずれかの発泡性飲料。
] ビール様発泡性飲料である、前記[1]〜[]のいずれかの発泡性飲料。
] アルコール濃度が1容量%未満である、前記[1]〜[]のいずれかの発泡性飲料。
] ヒドロキシ酸エステル類の濃度(質量)に対する甘味度の比([甘味度]/[ヒドロキシ酸エステル類の濃度(ppm)])を0.5以上30以下に調整する、発泡性飲料ののどのひっかかりを増強する方法。
甘味度とは、甘味の強さを示す尺度であり、ショ糖1g/L(20℃)の甘味の強さを1とした場合の相対比である。飲料の甘味度は、まず、当該飲料に含まれる各甘味成分の量(重量濃度)を、当該甘味成分の甘味度に基づいてショ糖の相当量に換算し(ショ糖甘味換算量)、次いで当該飲料に含まれる全ての甘味成分のショ糖甘味換算量を総計することによって求めることができる。なお、各種甘味成分の甘味度は、公知の砂糖甘味換算表(例えば、マクマリー有機化学(第7版)988頁)から求めることができる。
本発明に係るビール様発泡性飲料、及びビール様発泡性飲料ののどのひっかかりを増強する方法は、下記[1]〜[]である。
[1] ヒドロキシ酸エステル類の濃度(質量)に対する甘味度の比([甘味度]/[ヒドロキシ酸エステル類の濃度(ppm)])が0.5以上30以下であ
甘味度が0.5以上30以下であり、
前記ヒドロキシ酸エステル類の濃度が11ppm以下であ
前記ヒドロキシ酸エステル類が、クエン酸トリエチル、クエン酸トリプロピル、及びクエン酸トリブチルからなる群より選択される1種以上であるビール様発泡性飲料。
] 真正エキスが2.0質量%以下である、前記[1]のビール様発泡性飲料。
] 20℃における炭酸ガス含有量が3.0ガスボリューム以上である、前記[1]又は[2]ビール様発泡性飲料。
] アセスルファムカリウムを含有する、前記[1]〜[]のいずれかのビール様発泡性飲料。
] アルコール濃度が1容量%未満である、前記[1]〜[]のいずれかのビール様発泡性飲料。
] ヒドロキシ酸エステル類の濃度(質量)に対する甘味度の比([甘味度]/[ヒドロキシ酸エステル類の濃度(ppm)])を0.5以上30以下に調整し、
前記ヒドロキシ酸エステル類が、クエン酸トリエチル、クエン酸トリプロピル、及びクエン酸トリブチルからなる群より選択される1種以上であるビール様発泡性飲料ののどのひっかかりを増強する方法。

Claims (10)

  1. ヒドロキシ酸エステル類の濃度(質量)に対する甘味度の比([甘味度]/[ヒドロキシ酸エステル類の濃度(ppm)])が0.5以上30以下である、発泡性飲料。
  2. 甘味度が0.5以上30以下である、請求項1に記載の発泡性飲料。
  3. 前記ヒドロキシ酸エステル類の濃度が、11ppm以下である、請求項1又は2に記載の発泡性飲料。
  4. 前記ヒドロキシ酸エステル類が、クエン酸トリエチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリブチル、酒石酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、リンゴ酸ジブチル、乳酸アミル、乳酸ブチル、乳酸エチル、乳酸イソアミル、乳酸イソブチル、乳酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸2−メチルブチル、及び乳酸プロピルからなる群より選択される1種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
  5. 真正エキスが2.0質量%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
  6. 20℃における炭酸ガス含有量が3.0ガスボリューム以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
  7. アセスルファムカリウムを含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
  8. ビール様発泡性飲料である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
  9. アルコール濃度が1容量%未満である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
  10. ヒドロキシ酸エステル類の濃度(質量)に対する甘味度の比([甘味度]/[ヒドロキシ酸エステル類の濃度(ppm)])を0.5以上30以下に調整する、発泡性飲料ののどのひっかかりを増強する方法。
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