JP2019173499A - 車両用ドアロック装置 - Google Patents

車両用ドアロック装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019173499A
JP2019173499A JP2018065636A JP2018065636A JP2019173499A JP 2019173499 A JP2019173499 A JP 2019173499A JP 2018065636 A JP2018065636 A JP 2018065636A JP 2018065636 A JP2018065636 A JP 2018065636A JP 2019173499 A JP2019173499 A JP 2019173499A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lock device
door lock
vehicle door
bracket
holding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018065636A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7004163B2 (ja
Inventor
進介 高柳
Shinsuke Takayanagi
進介 高柳
武史 多田
Takeshi Tada
武史 多田
翔太 中野
Shota Nakano
翔太 中野
敏嗣 小田
Toshitsugu Oda
敏嗣 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Kiko Co Ltd
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Aisin Kiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, Aisin Kiko Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2018065636A priority Critical patent/JP7004163B2/ja
Publication of JP2019173499A publication Critical patent/JP2019173499A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7004163B2 publication Critical patent/JP7004163B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Lock And Its Accessories (AREA)

Abstract

【課題】車両のドアへの組付性を損ねることなく、駆動ケーブルのアウタケーシングをより堅固に保持できる車両用ドアロック装置を提供する。【解決手段】アウタケーシング70に設けられたフランジ73bの一部が嵌挿された第1孔24eが形成されたメインブラケット21と、フランジ73bの他部が嵌挿された第2孔25eが形成されフランジ73bに対し一側でメインブラケット21と共に車両のドアに締結されるサブブラケット25と、フランジ73bに対し他側でメインブラケット21及びサブブラケット25の相対回動を許容する支承部26と、メインブラケット21に取着され、支承部26における前記回動を許容するようにサブブラケット25と係合する係合突部、並びにフランジ73bが第1及び第2孔24e,25eに嵌挿された状態でサブブラケット25を保持する保持突部87を有する保持部材80とを備える。【選択図】図10

Description

本発明は、車両用ドアロック装置に関するものである。
従来、車両のドアを半ドア状態又は全閉状態で保持可能なラッチ機構と、半ドア状態にあるドアを全閉状態まで閉作動させるべくラッチ機構を作動させるアクチュエータとを備えた車両用ドアロック装置が知られている。こうした車両用ドアロック装置は、ラッチ機構及びアクチュエータの間に配索される駆動ケーブルを備える。この駆動ケーブルは、ラッチ機構及びアクチュエータの間を連結するワイヤ及び該ワイヤが摺動自在に挿通されたアウタケーシングを有する。アウタケーシングの各先端部は、ラッチ機構及びアクチュエータの各々を支持する適宜のブラケットに取着されている。このような構成にあって、ドアが半ドア状態にあるときにアクチュエータによってワイヤがアウタケーシング内で引っ張られると、ラッチ機構が作動してドアが全閉状態まで閉作動する。
ここで、アクチュエータによってワイヤが引っ張られるとき、該ワイヤが最短経路をとろうとすることで弛みがなくなり、その経路が通常時よりも短くなる。このため、アウタケーシングは、ワイヤに対して相対的に長さが余る状態になって、例えばブラケットとの取付部にワイヤの先端側に向かう方向の押出力が付与される。このため、アウタケーシングとブラケットとの取付部をより堅固に保持することが求められている。
例えば特許文献1に記載された車両用ドアロック装置では、ラッチ機構を支持する第1ブラケット(ベース)と、該第1ブラケットに対向する第2ブラケット(サブベース)とを備える。そして、第2ブラケットには係止部が設けられており、アウタケーシングの先端部(ケーシングキャップ)には係止部に係止される被係止部が設けられており、第1ブラケットにはアウタケーシングを押える押え部が設けられている。この場合、係止部及び押え部の協働でアウタケーシングがより堅固に保持されている。
特開2004−244892号公報(第[0033]−[0038]段落、第9−11図)
ところで、特許文献1では、第1ブラケット及び第2ブラケットの締結によってアウタケーシングを予め保持しておき、これとは別に第1ブラケット等(車両用ドアロック装置)をドアに組み付ける必要がある。この場合、第1ブラケット及び第2ブラケットの締結工程と、第1ブラケット等のドアへの組付工程とが必要になり、製造工数の増大を余儀なくされる。
一方、第1ブラケット及び第2ブラケットを共締めでドアに締結することで、第1ブラケット及び第2ブラケットの締結工程を省略することも考えられる。しかしながら、この場合には、アウタケーシングの保持が不安定な状態で第1ブラケット等をドアに締結することになり、例えば係止部からアウタケーシングが外れるなどして作業が煩雑になる可能性がある。特に、第1ブラケット等が目視できない状態でそれらをドアに締結する場合には、作業がいっそう煩雑になる可能性がある。
本発明の目的は、車両のドアへの組付性を損ねることなく、駆動ケーブルのアウタケーシングをより堅固に保持できる車両用ドアロック装置を提供することにある。
上記課題を解決する車両用ドアロック装置は、ラッチ機構及びアクチュエータの間を連結するワイヤ及び該ワイヤが摺動自在に挿通されたアウタケーシングを有し、前記アクチュエータの動力を前記ラッチ機構に伝達する駆動ケーブルと、前記アウタケーシングに設けられたフランジの一部が係合されて該フランジの前記駆動ケーブルの長手方向に沿う移動を規制する第1被係合部が形成される第1ブラケットと、前記フランジの他部が係合されて該フランジの前記移動を規制する第2被係合部が形成され、前記フランジに対し一側で前記第1ブラケットと共に車両のドアに締結部材にて締結される第2ブラケットと、前記フランジに対し他側で前記第1及び第2ブラケットの間に介設され、それら第1及び第2ブラケットの相対回動を許容する支承部と、前記第1及び第2ブラケットのいずれか一方である第1部材に取着され、前記支承部における前記回動を許容するようにいずれか他方である第2部材と係合する係合部、並びに前記フランジが前記第1被係合部及び前記第2被係合部に係合された状態で前記第2部材を保持する保持部を有する保持部材とを備える。
この構成によれば、前記ドアへの組付けに先立って、前記第1部材に前記保持部材を取着するとともに、前記保持部で前記第2部材を保持させることなく前記係合部を前記第2部材と係合させる。この段階では、前記第2ブラケットは、前記支承部において前記第1ブラケットに対する回動が可能である。続いて、該当の前記ラッチ機構又は前記アクチュエータに前記駆動ケーブルの前記ワイヤを連結し、前記第1被係合部及び前記第2被係合部に前記フランジを係合させつつ前記第2ブラケットを回動させて、前記保持部で前記第2部材を保持させる。これにより、前記フランジが前記第1及び第2被係合部に係合された状態で前記アウタケーシングが前記第1及び第2部材(第1及び第2ブラケット)に保持される。そして、前記ドアへの組付け時、前記締結部材にて前記第1及び第2ブラケットを前記ドアに共締めすれば、前記フランジが前記第1及び第2被係合部に係合された状態で前記アウタケーシングがより堅固に保持される。このように、前記ドアへの組付けに先立って前記アウタケーシングが前記第1及び第2部材(第1及び第2ブラケット)に保持されていることで、前記ドアへの組付性をより向上できる。
上記車両用ドアロック装置について、前記支承部は、前記第1及び第2部材のいずれか一方に形成された支承孔と、前記第1及び第2部材のいずれか他方に突設され、前記支承孔に回動自在に遊挿される支承片とを有することが好ましい。
この構成によれば、前記支承部は、前記第1及び第2部材(第1及び第2ブラケット)のいずれか一方及び他方にそれぞれ一体に設けられた前記支承孔及び前記支承片であることで、部品点数の増大を抑制できる。
上記車両用ドアロック装置について、前記支承孔及び前記支承片は、前記第1部材及び前記第2部材にそれぞれ設けられており、前記係合部は、前記支承部における前記回動の遊びを縮小するように前記支承孔に挿入された係合突部であることが好ましい。
この構成によれば、前記係合突部が前記支承孔に挿入されて前記支承部における前記回動の遊びが縮小されることで、該回動をより安定化できる。
上記車両用ドアロック装置について、前記係合部は、前記第2部材に形成された係合凹部に挿入されて前記支承部における前記回動を案内する係合突部であることが好ましい。
この構成によれば、前記係合凹部及び前記係合突部による極めて簡易な係合構造によって、前記支承部における前記回動を案内できる。
上記車両用ドアロック装置について、前記保持部は、前記第2部材に形成された保持孔に挿通された保持突部であることが好ましい。
この構成によれば、前記保持孔及び前記保持突部による極めて簡易な係合構造によって、前記第2部材を前記保持部材に保持できる。
上記車両用ドアロック装置について、前記第1部材には、取付凹部が形成されており、
前記保持部材には、前記取付凹部に対向して取付片が突設されており、前記保持部材は、前記取付片が前記取付凹部に挿入されて該取付凹部を係止することで前記第1部材に取着されることが好ましい。
この構成によれば、前記取付凹部及び前記取付片による極めて簡易な係合構造によって、前記保持部材を前記第1部材に取着できる。
上記車両用ドアロック装置について、前記保持部材には、前記第1部材の外形に合わせて第2取付片が突設されており、前記保持部材は、前記第2取付片が前記第1部材を乗り越えて該第1部材を係止することで前記第1部材に取着されることが好ましい。
この構成によれば、前記第1部材及び前記第2取付片による極めて簡易な係合構造によって、前記保持部材を前記第1部材に取着できる。
上記車両用ドアロック装置について、前記締結部材は、前記第1及び第2ブラケットのいずれか一方に溶着されたナットと、前記ナットに締め付けられるボルトとを有することが好ましい。
この構成によれば、前記ナットは、前記第1又は第2ブラケットに溶着されていることで、前記締結部材によって前記第1及び第2ブラケットを前記ドアにより円滑に共締めできる。
本発明は、車両のドアへの組付性を損ねることなく、駆動ケーブルのアウタケーシングをより堅固に保持できる効果がある。
車両用ドアロック装置の第1の実施形態が適用されるドアについてその構造を示す側面図。 同実施形態の車両用ドアロック装置についてそのロアクローザの構造を示す正面図。 同実施形態の車両用ドアロック装置についてそのロアクローザの構造を示す斜視図。 (a)、(b)は、同実施形態の車両用ドアロック装置についてそのロアクローザの作用を示す斜視図。 メインブラケットを示す斜視図。 アクチュエータを示す背面図。 同実施形態の車両用ドアロック装置についてそのアッパクローザの構造を示す正面図。 同実施形態の車両用ドアロック装置についてそのアッパクローザの構造を示す斜視図。 同実施形態の車両用ドアロック装置についてそのアッパクローザの作用を示す斜視図。 (a)〜(c)は、図2の10A−10A線、10B−10B線、10C−10C線に沿った断面図。 同実施形態の車両用ドアロック装置についてその駆動ケーブルの保持工程の第1段階を示すもので、(a)〜(d)は、正面図、平面図、後上方からの斜視図、前下方からの斜視図。 同実施形態の車両用ドアロック装置についてその駆動ケーブルの保持工程の第2段階を示すもので、(a)〜(d)は、正面図、(a)の12B−12B線に沿った断面図、後上方からの斜視図、前下方からの斜視図。 同実施形態の車両用ドアロック装置についてその駆動ケーブルの保持工程の第3段階を示す後上方からの斜視図。 同実施形態の車両用ドアロック装置についてその駆動ケーブルの保持工程の最終段階を示す後上方からの斜視図。 (a)、(b)は、車両用ドアロック装置の第2の実施形態についてその駆動ケーブルの保持構造を示す正面図、背面図。 同実施形態の車両用ドアロック装置についてその駆動ケーブルの保持工程の第1段階を示す正面図。 同実施形態の車両用ドアロック装置についてその駆動ケーブルの保持工程の第2段階を示す斜視図。 ケーブル取付部を示す正面図。 (a)、(b)は、保持部材の取着されたサブブラケットの平面図、正面図。 (a)、(b)は、保持部材の平面図、正面図。
(第1の実施形態)
以下、車両用ドアロック装置の第1の実施形態について説明する。なお、以下では、車両の前後方向を「前後方向」といい、車両の高さ方向上方及び下方をそれぞれ「上方」及び「下方」という。また、車室内方に向かう車両の幅方向内側を「車内側」といい、車室外方に向かう車両の幅方向外側を「車外側」という。特に、車両のドアについては、基本的に閉止状態と見なしてその方向をいう。
図1に示すように、車両のボデー1の側部には、その中央部にセンターピラーを有しない、いわゆるピラーレス型の開口2が形成されるとともに、該開口2に合わせてスイングドア11及びスライドドア12が前後方向に並設されている。すなわち、スイングドア11は、その前縁部に設けられたドアヒンジ(図示略)によりボデー1に回動自在に連結されており、ドアヒンジを中心に回動することで前席側の乗降口となる開口2の前部を開閉する。一方、スライドドア12は、適宜の支持部材(図示略)によりボデー1に前後方向に移動自在に連結されており、前後方向に移動することで後席側の乗降口となる開口2の後部を開閉する。
スイングドア11は、その下部を構成するドア本体13を備える。このドア本体13は、ドアアウタパネル及びドアインナパネル(図示略)が結合されてなる袋状の構造体である。また、スイングドア11は、ドア本体13の上端部に取着されたドアフレーム14を備える。このドアフレーム14は、ドア本体13の後部に固着されて上方に延びる略筒状の立柱部14aを有するとともに、ドア本体13の前部に固着されて後方斜め上方に延び立柱部14aの上端部に接続される略弓形の上縁部14bを有する。なお、立柱部14aは、ドア本体13内まで車両の高さ方向に連通している。
ドア本体13には、操作ハンドル15が揺動可能に連結されている。また、ドア本体13には、その内部空間において、操作ハンドル15に連係されたリモコン(リモートコントローラ)16が設置されている。
ドア本体13の後部下端(スイングドア11の後部下端)には、その内部空間において、ロアクローザ20が設置されている。このロアクローザ20は、開口2の下端でボデー1に設けられたストライカSTLと係合することでスイングドア11を全閉状態又は半ドア状態(閉止状態)で保持するロアラッチ機構30を有する。ロアラッチ機構30は、オープンケーブルC1を介してリモコン16に接続されており、操作ハンドル15の操作力がリモコン16及びオープンケーブルC1を介して伝達されることで、スイングドア11の閉止状態での保持を解除する。
また、ロアクローザ20には、アクチュエータ40が設けられている。ロアクローザ20は、ロアラッチ機構30においてアクチュエータ40に連携されている。ロアラッチ機構30は、ECU(電子制御装置)90によりアクチュエータ40が駆動制御されることで、半ドア状態にあるスイングドア11が全閉状態まで閉作動するように作動する。なお、アクチュエータ40は、キャンセルケーブルC2を介してリモコン16に接続されており、操作ハンドル15の操作力がリモコン16及びキャンセルケーブルC2を介して伝達されることで、スイングドア11の閉作動を中止すべくその出力を停止する。
一方、立柱部14aの上端(スイングドア11の後部上端)には、その内部空間において、アッパクローザ50が設置されている。このアッパクローザ50は、開口2の上端でボデー1に設けられたストライカSTUと係合することでスイングドア11を全閉状態又は半ドア状態(閉止状態)で保持するラッチ機構としてのアッパラッチ機構60を有する。アッパラッチ機構60は、オープンケーブルC3を介してリモコン16に接続されており、操作ハンドル15の操作力がリモコン16及びオープンケーブルC3を介して伝達されることで、スイングドア11の閉止状態での保持を解除する。
また、アッパラッチ機構60は、駆動ケーブルC4の一端に接続されている。この駆動ケーブルC4は、立柱部14a内を下方に延びて他端がロアクローザ20のアクチュエータ40に接続されている。アッパラッチ機構60は、ECU90によりアクチュエータ40が駆動制御されることで、該アクチュエータ40の動力が駆動ケーブルC4を介して伝達されて、半ドア状態にあるスイングドア11が全閉状態まで閉作動するように作動する。つまり、ロアクローザ20のアクチュエータ40は、アッパクローザ50の駆動用のアクチュエータとして兼用されている。
次に、ロアクローザ20について説明する。
図2及び図3に示すように、ロアクローザ20は、例えば金属板からなるベースプレート31を有する。このベースプレート31は、スイングドア11の下端面に沿って広がってこれに締結される底壁31a及び該底壁31aの車内側端から起立する縦壁31bを有して略L字形状を呈している。そして、ベースプレート31には、底壁31a及び縦壁31bの間に跨って略スリット状のストライカ入出部31cが形成されている。このストライカ入出部31cは、スイングドア11の閉作動時にストライカSTLが進入するように配置されている。
ロアラッチ機構30は、ベースプレート31の底壁31aに軸支された互いに平行な一対の回転軸33,34と、回転軸33に対して回動可能に連結されたラッチ35と、回転軸34に一体回動可能に連結されたポール36とを有する。
ラッチ35には、ストライカ入出部31cの配置に合わせて略U字状の係合凹部35aが形成されている。そして、ラッチ35は、係合凹部35aを挟んでその一側及び他側(図3において時計回転方向及び反時計回転方向の側)にそれぞれ第1爪部35b及び第2爪部35cを形成する。周方向において、第1爪部35bの先端部の第2爪部35cから離間する端面及び第2爪部35cの先端部の第1爪部35bに対向する端面は、フルラッチ係合面35d及びハーフラッチ係合面35eをそれぞれ形成する。ラッチ35は、ベースプレート31に一端の掛止されたラッチ付勢ばね(図示略)の他端が掛止されることで図示時計回転方向に回動する側に付勢されるとともに、樹脂ボデー(図示略)に設置されたラッチストッパ(図示略)に当接することで当該方向への回動が規制され、所定の初期回動位置(以下、「アンラッチ位置」という)に保持される。なお、ラッチ35は、回転軸33を挟んで第2爪部35cの反対側に略アーム状の連動片35fを突出する。
一方、ポール36は、回転軸34からその径方向一側(図3の左下側)に延出する略鉤爪状の係合片36aを形成する。このポール36は、ポール付勢ばね(図示略)により図示反時計回転方向に回動する側、即ち係合片36aを図示下側に移動させる側に付勢され、所定の初期回動位置に保持される。なお、回転軸34のポール36から離間する側の先端には、ポール駆動レバー37が一体回動するように連結されている。
ここで、ロアラッチ機構30の基本的な動作について説明する。
スイングドア11が開放されている状態では、アンラッチ位置に保持されるラッチ35は、ボデー1に固着されたストライカSTLに係合凹部35aを対向させる。つまり、係合凹部35aは、ストライカ入出部31cと共にスイングドア11の閉作動に伴うストライカSTLの進入経路を開放している。また、所定の初期回動位置に保持されるポール36は、係合片36aを第2爪部35cの前方に配置する。なお、このときのロアラッチ機構30の状態をアンラッチ状態(解除状態)という。
次に、スイングドア11の閉作動に伴い、係合凹部35a内にストライカSTLが進入したとする。この際、ストライカSTLにより係合凹部35aの内壁面が押圧されることで、ラッチ35は、ラッチ付勢ばねに抗して図示反時計回転方向に回動し、ハーフラッチ係合面35eに係合片36aが係止されることで回り止めされる(図4(a)参照)。このとき、スイングドア11は、係合凹部35aにおいてストライカSTLと係合してこれを抜け止めする半ドア状態にある。このときのロアラッチ機構30の状態をハーフラッチ状態といい、ラッチ35の回動位置をハーフラッチ位置という。
続いて、スイングドア11の更なる閉作動に伴い、係合凹部35a内にストライカSTLが更に進入したとする。この際、ストライカSTLにより係合凹部35aの内壁面が押圧されることで、ラッチ35は、ラッチ付勢ばねに抗して図示反時計回転方向に更に回動し、図3に示すように、フルラッチ係合面35dに係合片36aが係止されることで回り止めされる。このとき、スイングドア11は、係合凹部35aにおいてストライカSTLと係合してこれを抜け止めする全閉状態にある。このときのロアラッチ機構30の状態をフルラッチ状態(係合状態)といい、ラッチ35の回動位置をフルラッチ位置という。
また、ハーフラッチ状態又はフルラッチ状態において、ポール36がポール付勢ばねに抗して図示時計回転方向に回動すると、係合片36aによるハーフラッチ係合面35e又はフルラッチ係合面35dの係止が解除される。このとき、ラッチ35は、例えばシール部材の反発力などでスイングドア11が開作動し始めることに伴い、係合凹部35a内から退出するストライカSTLにより係合凹部35aの内壁面が押圧されることで、図示時計回転方向に回動する。そして、スイングドア11は、係合凹部35aにおけるストライカSTLとの係合を解除して開放可能となる。
なお、ロアラッチ機構30は、ポール駆動レバー37においてオープンレバー(図示略)を介して前述のオープンケーブルC1に連携されている。そして、操作ハンドル15が操作されると、その操作力がリモコン16及びオープンケーブルC1及びオープンレバーを介してポール駆動レバー37に伝達されることで、該ポール駆動レバー37と共にポール36が前述の回動をするように構成されている。
図2及び図3に示すように、ロアクローザ20は、縦壁31bの上端部においてベースプレート31に締結されて上方に向かって広がる、例えば金属板からなる第1ブラケット及び第1部材としてのメインブラケット21を有する。メインブラケット21は、ベースプレート31とは別にスイングドア11に締結されている。図5に併せ示すように、このメインブラケット21は、略扇状の第1取付部22を有するとともに、該第1取付部22から前方斜め上方に突出する略三角形の第2取付部23を有し、更に第1取付部22の上端から後方に延出する略舌片状のケーブル取付部24を有する。
メインブラケット21には、前述のアクチュエータ40が設置されている。このアクチュエータ40は、電動モータ41と、該電動モータ41の回転軸の回転を減速する減速機構42とを有しており、該減速機構42においてメインブラケット21の第2取付部23に締結されている。この減速機構42は、ウォームギヤと、例えばリングギヤ、サンギヤ及びキャリアをそれぞれ固定軸、入力軸及び出力軸とする適宜の遊星歯車装置とを内蔵している。
また、図6に示すように、アクチュエータ40は、減速機構42の車内側にキャリアと一体回転する出力ギヤ43を有する。さらに、アクチュエータ40は、出力ギヤ43の前方斜め下方で該出力ギヤ43の軸線と平行な軸線周りに回動自在に連結された、例えば樹脂製の略アーム状のキャンセルレバー44を有する。アクチュエータ40は、キャンセルレバー44において前述のキャンセルケーブルC2に接続されている。このキャンセルレバー44は、減速機構42のリングギヤと係合・離脱可能な適宜のキャンセル部材に連結されている。キャンセルレバー44は、操作ハンドル15の操作力が前述のように伝達されると、軸線周りに回動してキャンセル部材及びリングギヤの係合状態を解除する。このとき、リングギヤが回転自在になってキャリアと共に出力ギヤ43の回転が停止、即ちアクチュエータ40の出力が停止するようになっている。つまり、アクチュエータ40は、その内部で電動モータ41の出力伝達経路を遮断可能となっている。
図2及び図3に示すように、アクチュエータ40は、メインブラケット21の第1取付部22において減速機構42の軸線と平行な軸線周りに回動自在に連結された、例えば金属板からなるクローズレバー45を有する。このクローズレバー45は、その軸線を中心とする前方に向かう径方向(即ち減速機構42等に近付く方向)に延びる略鎌状の第1レバー突片46を有するとともに、後方に向かう径方向に延びる略二又状の第2レバー突片47を有する。
第1レバー突片46の外周部には、出力ギヤ43と噛合するセクタギヤ部46aが形成されている。従って、出力ギヤ43が回転すると、これに連動してクローズレバー45が回転する。
第2レバー突片47の先端部には、その図示時計回転方向に先行する側の端面から略直角に起立する押圧片47aが形成されている。この押圧片47aは、その図示時計回転方向の回動軌跡上にハーフラッチ位置にあるラッチ35の連動片35fが配置されるようになっている(図4(a)参照)。従って、クローズレバー45が図示時計回転方向に回転すると、押圧片47aに連動片35fの押圧されるラッチ35は、図示反時計回転方向に回動してフルラッチ位置に到達する(図4(b)参照)。
また、第2レバー突片47の先端部には、その図示反時計回転方向に先行する側で略鍵穴状のケーブル引込み孔47bが形成されている。そして、第2レバー突片47の先端部には、例えば金属板からなる略三角形のケーブル引込みプレート48が締結されている。このケーブル引込みプレート48は、第2レバー突片47に締結される基端部に対して先端部が車外側に変位するように曲成されており、該先端部において第2レバー突片47との間に車両の幅方向の隙間を形成する。この先端部には、ケーブル引込み孔47bと同心の略円形のケーブル引込み孔48aが形成されている。ケーブル引込みプレート48は、第2レバー突片47と協働してケーブル引込み部49を構成する。
アクチュエータ40は、クローズレバー45のケーブル引込み部49において前述の駆動ケーブルC4に接続されている。
すなわち、メインブラケット21のケーブル取付部24には、その車外側から重ねられる状態で、例えば金属板からなる第2ブラケット及び第2部材としてのサブブラケット25が取着されている。このサブブラケット25は、ケーブル取付部24の外形に合わせて略舌片状に成形されている。一方、駆動ケーブルC4のアウタケーシング70は、ロアクローザ20側の先端部71がケーブル取付部24及びサブブラケット25の間に挟持された状態で長手方向に沿う移動が規制されている。そして、アウタケーシング70に摺動自在に挿通されたワイヤ75のアウタケーシング70から露出するロアクローザ20側の端末76は、ケーブル引込み孔47b等と同心の略円柱状に成形されている。ワイヤ75の端末76は、両端がケーブル引込み孔47b及びケーブル引込み孔48aに回動自在に嵌挿されることでケーブル引込み部49(クローズレバー45)に連結されている。そして、クローズレバー45が図示時計回転方向に回動すると、アウタケーシング70からワイヤ75がロアクローザ20側に引き込まれる。
次に、アッパクローザ50について説明する。
図7〜図9に示すように、アッパクローザ50は、立柱部14aの上端部に載置されるハウジング61を備える。このハウジング61は、例えば金属板からなるメインプレート62と、該メインプレート62と略平行にその前方に配置された例えば金属板からなるサブプレート63と、それらメインプレート62及びサブプレート63の間に挟まれた樹脂ボデー64とを有する。そして、ハウジング61には、サブプレート63及び樹脂ボデー64の間に亘って略スリット状のストライカ入出部61aが形成されている。このストライカ入出部61aは、スイングドア11の閉作動時にストライカSTUが進入するように配置されている。
なお、メインプレート62には、その下端から前方に起立する略L字状のケーブル取付部62aが形成されている。前述の駆動ケーブルC4のアウタケーシング70は、アッパクローザ50側の先端部72がケーブル取付部62aに保持された状態で長手方向に沿う移動が規制されている。
アッパラッチ機構60は、樹脂ボデー64に収容されたラッチ65及びポール66を有する。ラッチ65及びポール66は、樹脂ボデー64を貫通する状態でメインプレート62及びサブプレート63の間に架け渡された互いに平行な一対の支持軸67,68にそれぞれ軸支されている。両支持軸67,68は、車両の高さ方向に並設されている。
ラッチ65には、ストライカ入出部61aの配置に合わせて略U字状の係合凹部65aが形成されている。また、ラッチ65は、支持軸67を挟む係合凹部65aの反対側で周方向に並ぶ一対の突部65b,65cを有する。図示反時計回転方向に先行する側に配置された一方の突部65bの当該方向に先行する端面はフルラッチ係合面65dを形成し、他方の突部65cの当該方向に先行する端面はハーフラッチ係合面65eを形成する。ラッチ65は、ハウジング61に一端の掛止されたラッチ付勢ばね(図示略)の他端が掛止されることで図示反時計回転方向に回動する側に付勢されるとともに、該ハウジング61に設置されたラッチストッパ(図示略)に当接することで当該方向への回動が規制され、所定の初期回動位置(アンラッチ位置)に保持される。なお、ラッチ65は、支持軸67を中心とする一の径方向(図7において右方)に鉤爪状の連動片65fを突出する。
一方、ポール66は、支持軸68からその径方向一側(図7の左側)に延出する略鉤爪状の係合片66aを形成する。また、ポール66は、支持軸68からその径方向他側(図7の左下側)に延出する略アーム状の被押圧部66bを形成する。このポール66は、ポール付勢ばね(図示略)により図示時計回転方向に回動する側、即ち係合片66aを上方に移動させる側に付勢され、所定の初期回動位置に保持される。
なお、アッパラッチ機構60(ラッチ65、ポール66)の基本的な動作は、符号及び方向が異なることを除けばロアラッチ機構30と同様であるため、その説明を省略する。
メインプレート62には、ポール66等の下方で支持軸67の中心線と平行に中心線の延びる支持軸51が設けられるとともに、該支持軸51には、例えば金属板からなるリリースレバー52が軸支されている。このリリースレバー52は、支持軸51を中心とする径方向に延びる略アーム状の接続部52aを有するとともに、図示時計回転方向の回動軌跡上にポール66の被押圧部66bが位置する押圧部52bを有する。
アッパラッチ機構60は、接続部52aにおいて前述のオープンケーブルC3に接続されている。そして、操作ハンドル15が操作されると、その操作力がリモコン16及びオープンケーブルC3を介して伝達されることで、リリースレバー52が図示時計回転方向に回動する。そして、押圧部52bに被押圧部66bの押圧されるポール66が図示反時計回転方向に回動する。このとき、アッパラッチ機構60がハーフラッチ状態又はフルラッチ状態にあれば、係合片66aによるハーフラッチ係合面65e又はフルラッチ係合面65dの係止が解除される。そして、スイングドア11は、係合凹部65aにおけるストライカSTUとの係合を解除して開放可能となる。
また、樹脂ボデー64には、その後縁部に沿って車両の高さ方向に連通するガイド部64aが形成されるとともに、該ガイド部64aには、その連通方向にスライダ55が摺動自在に配置されている。このスライダ55は、例えば金属板からなり、ガイド部64a内に位置する略長尺状の本体部55aを有するとともに、該本体部55aの下端に接続されてガイド部64aから露出する略四角筒状の接続部55bを有する。アッパラッチ機構60は、接続部55bにおいて前述の駆動ケーブルC4(ワイヤ75)に接続されている。従って、前述のようにワイヤ75がロアクローザ20側に引き込まれると、スライダ55はガイド部64aに沿って下方に移動する。なお、スライダ55には、サブプレート63に一端の係止された引張コイルスプリング56の他端が掛止されている。スライダ55は、引張コイルスプリング56により上方(即ちワイヤ75の引込み方向とは逆方向)に移動する側に付勢されるとともに、ガイド部64aの終端に当接することで当該方向への移動が規制され、所定の初期位置に保持される。
スライダ55には、本体部55aの範囲で前後方向に連通する略四角形の長孔55cが形成されている。スライダ55が初期位置にあるとき、長孔55cは、ラッチ65がアンラッチ位置及びフルラッチ位置の間を移動する際に連動片65fの移動軌跡を開放する。そして、ラッチ65がハーフラッチ位置にあるとき、長孔55cには連動片65fが挿通される(図9参照)。従って、ラッチ65がハーフラッチ位置にある状態でスライダ55がガイド部64aに沿って初期位置から下方に移動すると、長孔55cの上端の内壁面に連動片65fの押圧されるラッチ65は、図示時計回転方向に回動してフルラッチ位置に到達する。このとき、スイングドア11は、半ドア状態から全閉状態になるまで閉作動する。
なお、ロアクローザ20側へのワイヤ75の引込みが終了すると、スライダ55はフルラッチ位置にあるラッチ65を残置したまま引張コイルスプリング56に付勢されて初期位置に復帰する。このとき、長孔55cは、ラッチ65がフルラッチ位置からアンラッチ位置へと移動する際の連動片65fの移動軌跡を開放することはいうまでもない。
次に、スイングドア11が閉作動に伴い半ドア状態に到達したときの作用について総括して説明する。このとき、ロアラッチ機構30及びアッパラッチ機構60は共にハーフラッチ状態にある(図4(a)、図9参照)。なお、車両用ドアロック装置は、ロアラッチ機構30及びアッパラッチ機構60の少なくとも一方がハーフラッチ状態又はフルラッチ状態にあることを検知する適宜の検知部材(図示略)を備えており、前述のECU90は、当該検知部材の検知結果に基づいてスイングドア11が半ドア状態又は全閉状態にあることを検知する。そして、ECU90は、スイングドア11が半ドア状態にあることが検知されると、全閉状態まで閉作動させるべくアクチュエータ40の駆動を開始する。
アクチュエータ40の駆動に伴い電動モータ41が一方向に回転すると、該回転が減速機構42及び出力ギヤ43を介してクローズレバー45に伝達されて、該クローズレバー45が一方向(図4(a)において時計回転方向)に回動する。このとき、押圧片47aに連動片35fを押圧されるラッチ35は、図示反時計回転方向に回動してフルラッチ位置に到達する(図4(b)参照)。そして、フルラッチ位置に到達したラッチ35は、フルラッチ係合面35dにポール36の係合片36aが係止されることで回り止めされ、ロアラッチ機構30がフルラッチ状態になる。
同時に、クローズレバー45が一方向に回動すると、ケーブル引込み部49によりワイヤ75がロアクローザ20側に引き込まれ、引張コイルスプリング56の付勢力に抗してスライダ55がガイド部64aに沿って下方に移動する。このとき、長孔55cの内壁面に連動片65fの押圧されるラッチ65は、図示時計回転方向に回動してフルラッチ位置に到達する。そして、フルラッチ位置に到達したラッチ65は、フルラッチ係合面65dにポール66の係合片66aが係止されることで回り止めされ、アッパラッチ機構60がフルラッチ状態になる。
以上により、スイングドア11が全閉状態になる。
ECU90は、前述の検知部材の検知結果に基づいてスイングドア11が全閉状態にあることが検知されると、アクチュエータ40の駆動を停止するとともに、電動モータ41を逆方向に回転させるべくアクチュエータ40の駆動を開始する。
アクチュエータ40の駆動に伴い電動モータ41が逆方向に回転すると、該回転が減速機構42及び出力ギヤ43を介してクローズレバー45に伝達されて、該クローズレバー45が逆方向(図4(b)において反時計回転方向)に回動する。このとき、押圧片47aから連動片35fの解放されたラッチ35は、アンラッチ位置までの回動軌跡が開放される(図3参照)。
同時に、クローズレバー45が逆方向に回動すると、スライダ55はフルラッチ位置にあるラッチ65を残置したまま引張コイルスプリング56に付勢されてアッパクローザ50側にワイヤ75を引き込みつつ初期位置に復帰する。このとき、長孔55cの内壁面から連動片65fの解放されたラッチ65は、アンラッチ位置までの回動軌跡が開放される(図7参照)。
なお、スイングドア11が半ドア状態又は全閉状態にあるときに操作ハンドル15が操作されると、その操作力が前述の態様でポール36,66に伝達されて係合片36a,66aによるハーフラッチ係合面35e,65e又はフルラッチ係合面35d,65dの係止が解除される。これにより、スイングドア11が開放可能となる。
次に、駆動ケーブルC4のアウタケーシング70の保持構造について説明する。
図10(a)〜(c)及び図11(a)〜(d)に示すように、メインブラケット21のケーブル取付部24は、略四角板状の本体部24aと、略三角板状の先端部24bと、本体部24aに対して先端部24bが車内側に変位するようにそれらの間を接続する段差24cとを有する。
本体部24aには、その前後方向中間部において、車内側に向かって凹む略部分円筒状の第1ガイド溝24dが車両の高さ方向に連通するように形成されている。また、本体部24aには、第1ガイド溝24dの車両の高さ方向中間部において該第1ガイド溝24dを前後方向に横切るように、第1被係合部としての略四角形の第1孔24eが車両の幅方向に貫通形成されている。なお、第1ガイド溝24dの内径は、第1孔24eの上方の方が下方よりも大きく設定されている。
さらに、本体部24aには、第1孔24eの前方で支承孔24fが車両の幅方向に貫通形成されている。この支承孔24fは、四角形の後端が車両の高さ方向両側に拡開された略T字形状を呈する。また、本体部24aには、第1孔24eの後方斜め上方で取付凹部としての略四角形の取付孔24gが車両の幅方向に貫通形成されている。さらに、本体部24aには、取付孔24gの下方で取付凹部としての略四角形の取付溝24hが切り欠かれている。
先端部24bには、略円形のボルト挿通孔24jが車両の幅方向に貫通形成されている。
図10及び図14に示すように、サブブラケット25は、ケーブル取付部24の車外側で該ケーブル取付部24にならうように成形されており、略四角板状の本体部25aと、略三角板状の先端部25bと、本体部25aに対して先端部25bが車内側に変位するようにそれらの間を接続する段差25cとを有する。
本体部25aには、その前後方向中間部において、車外側に向かって凹む略部分円筒状の第2ガイド溝25dが車両の高さ方向に連通するように形成されている。また、本体部25aには、第2ガイド溝25dの車両の高さ方向中間部において該第2ガイド溝25dを前後方向に横切るように、第2被係合部としての略四角形の第2孔25eが車両の幅方向に貫通形成されている。さらに、本体部25aには、第2孔25eの後方斜め上方で略円形の保持孔25gが車両の幅方向に貫通形成されている。
なお、第2ガイド溝25dは、その内径が第1ガイド溝24dの内径と同等に設定されており、該第1ガイド溝24dを含む円筒上に位置するように配置されている。第2ガイド溝25dの内径は、第2孔25eの上方の方が下方よりも大きく設定されていることはいうまでもない。第2孔25eは、その形状が第1孔24eの形状と同等に設定されており、該第1孔24eの車外側に対向配置されている。
また、サブブラケット25は、本体部25aの後端の車両の高さ方向中間部から車内側及び前方に順次延出する略L字状の支承片25fを有する。サブブラケット25は、支承片25fが車外側から支承孔24fに遊挿されることで、ケーブル取付部24(メインブラケット21)に対する車両の高さ方向に延びる軸線周りの回動が許容されている。支承孔24f及び支承片25fは支承部26を構成する。なお、サブブラケット25は、支承片25fの先端が車両の高さ方向両側に拡幅されて抜け止め部25kを形成する(図11(d)参照)。車両の高さ方向において、抜け止め部25kの寸法は、支承孔24fの拡開部の開口幅よりも若干小さく設定されている。つまり、抜け止め部25kは、当該拡開部の位置で支承孔24fに挿脱可能であるとともに、それ以外の位置で支承孔24fに挿脱不能である。
先端部25bには、ボルト挿通孔24jと略同心の略円形のボルト挿通孔25jが車両の幅方向に貫通形成されている。そして、先端部25bには、その車外側でボルト挿通孔25jと略同心のナット27が、例えば溶接に結合されている。このナット27の内径は、ボルト挿通孔24j,25jの内径よりも小さく設定されている。
図10及び図12(a)〜(d)に示すように、ケーブル取付部24及びサブブラケット25の間には、樹脂製の保持部材80が介設されている。この保持部材80は、第1ガイド溝24d等を挟む両側で本体部24a,25aにならって広がる前後一対の介設部81,82を有するとともに、本体部24aの上方で両介設部81,82同士を前後方向に接続するガイド壁83を有する。このガイド壁83は、第1ガイド溝24dよりも若干大きい内径を有して車内側に向かって凹む略部分円筒状に成形されている。また、保持部材80は、本体部24aの下端で両介設部81,82同士を前後方向に接続するワイヤガイド壁84を有する。このワイヤガイド壁84は、車内側に向かって凹む略部分円錐台状に成形されており、少なくともワイヤ75の外径と同等の内径を有して下方に向かうに従って徐々に拡開されている。
なお、両介設部81,82には、第1孔24eの配置に合わせてそれら介設部81,82の離間距離を前後方向に拡大する凹部81a,82aが形成されている。
一方の介設部81には、支承片25fが挿入された支承孔24fの拡開部側でこれに挿入された上下一対の係合部としての略棒状の係合突部85が車内側に向かって突設されている。また、介設部81には、両係合突部85の間で支承孔24fに挿入された略鉤爪状の取付片86が車内側に向かって突設されている。保持部材80は、支承孔24f及び支承片25fの間の前後方向の隙間(即ち支承部26における回動の遊び)が両係合突部85によって縮小された状態で、支承孔24fを貫通する取付片86の先端が支承孔24fの周縁に係止されることでケーブル取付部24に取着されている。このとき、両係合突部85は、支承片25f(及び抜け止め部25k)が支承孔24fの拡開部側に移動することを抑制するようにサブブラケット25と係合することで、支承部26における前述の回動(ケーブル取付部24及びサブブラケット25の相対回動)を許容する。
他方の介設部82には、取付孔24g及び取付溝24hにそれぞれ対向して上下一対の略鉤爪状の取付片82b,82cが車内側に向かってそれぞれ突設されている。保持部材80は、取付孔24g及び取付溝24hを貫通する両取付片82b,82cの先端が取付孔24g及び取付溝24hの周縁にそれぞれ係止されることでケーブル取付部24に取着されている。
また、介設部82には、本体部25aの上縁及び下縁に沿って上下一対の略リブ状の支持壁82d,82eが車外側に向かってそれぞれ突設されている。保持部材80は、両支持壁82d,82eにて本体部25aを車両の高さ方向に挟み込むことで当該方向にサブブラケット25を位置決めする。さらに、介設部82には、保持孔25gに対向して保持部としての略円筒状のスナップフィット式の保持突部87が車外側に向かって突設されている。保持部材80は、保持孔25gを貫通する保持突部87の先端で保持孔25gの周縁を係止することでサブブラケット25を保持する。
図10及び図13に示すように、駆動ケーブルC4のアウタケーシング70の先端部71には、エンドキャップ73が装着されている。このエンドキャップ73は、第1及び第2ガイド溝24d,25dの内径と同等の外径を有する段付き略円筒状の被覆部73aを有するとともに、該被覆部73aの長手方向中間部に突設された外向きのフランジ73bを有する。被覆部73aのフランジ73bよりも上方及び下方の内径は、アウタケーシング70の外径及びワイヤ75の外径とそれぞれ同等に設定されている。フランジ73bは、その直径が第1孔24e等の前後方向の開口幅よりも小さく設定されており、軸線方向の寸法が第1孔24e等の車両の高さ方向の開口幅と同等に設定されている。そして、エンドキャップ73のフランジ73bは、その一部及び他部が第1及び第2孔24e,25eにそれぞれ嵌挿されている。
アウタケーシング70の先端部71は、フランジ73bが第1及び第2孔24e,25eに嵌挿された状態で、被覆部73aが第1及び第2ガイド溝24d,25dにおいてケーブル取付部24及びサブブラケット25に挟持・保持されている。このとき、保持部材80(両介設部81,82)は、両本体部24a,25aにおいてケーブル取付部24及びサブブラケット25に挟まれる。換言すれば、両介設部81,82は、第1及び第2ガイド溝24d,25dが同一の円筒上に位置するように両本体部24a,25aの車両の幅方向の離間距離を規定している。
このような構成にあって、アウタケーシング70をケーブル取付部24等に保持する際には、図11に示すように、まず、ケーブル取付部24の支承孔24fにサブブラケット25の抜け止め部25kを車外側から支承孔24fの拡開部(後部)に挿通した後に支承片25fを支承孔24fの前端まで移動させて該支承孔24fとの間に前後方向の隙間を形成する(第1段階)。このとき、サブブラケット25は、支承部26における車両の高さ方向に延びる軸線周りの回動が許容されている。つまり、サブブラケット25は、支承部26を支点にケーブル取付部24に対して開閉自在となる。
続いて、図12に示すように、サブブラケット25をケーブル取付部24に対して開いた状態で、保持部材80の取付片82b,82cを車外側から取付孔24g及び取付溝24hにそれぞれ挿入・係止するとともに、係合突部85及び取付片86を車外側から支承孔24fに挿入・係止して、保持部材80をケーブル取付部24に取着する(第2段階)。このとき、サブブラケット25は、両係合突部85により支承片25f(及び抜け止め部25k)が支承孔24fの拡開部側に移動することが抑制されることで、ケーブル取付部24からの脱落が抑制された状態で、支承部26における前述の回動が許容される。
続いて、図13に示すように、サブブラケット25をケーブル取付部24に対して開いた状態で、エンドキャップ73のフランジ73bの一部(車内側部)を第1孔24eに嵌挿させつつ、被覆部73aの一部(車内側部)を第1ガイド溝24dに密着させる(第3段階)。
続いて、図14に示すように、サブブラケット25をケーブル取付部24に対して閉じて、エンドキャップ73のフランジ73bの他部(車外側部)を第2孔25eに嵌挿させつつ、被覆部73aの他部(車外側部)を第2ガイド溝25dに密着させる(最終段階)。このとき、サブブラケット25は、本体部25aが両支持壁82d,82eの間に挟まれるとともに、保持孔25gに保持突部87が挿入・係止されることで、保持部材80に保持される。これにより、フランジ73bが第1及び第2孔24e,25eに嵌挿された状態でアウタケーシング70がケーブル取付部24及びサブブラケット25、並びに保持部材80に保持、即ち仮保持(仮組み)される。
本実施形態の組付時の作用について説明する。なお、車両用ドアロック装置は、スイングドア11への組付け前の状態(即ち車両工場等への納入状態)では駆動ケーブルC4がアッパクローザ50に予め接続されているとともに、ロアクローザ20との接続が分離されている。そして、ロアクローザ20に先立ってアッパクローザ50がスイングドア11に取着されることで、該アッパクローザ50から垂れ下がる駆動ケーブルC4がドアフレーム14の立柱部14aを通ってドア本体13内に進入するように構成されている。一方、ロアクローザ20のメインブラケット21には、予め保持部材80が取着されるとともに、前述の態様でサブブラケット25が回動自在(開閉自在)となっている(図12参照)。
この状態で、駆動ケーブルC4のアウタケーシング70を前述の態様でケーブル取付部24等に保持させる(図13及び図14参照)。なお、駆動ケーブルC4のワイヤ75は、アウタケーシング70をケーブル取付部24等に保持した状態で、その端末76をクローズレバー45のケーブル引込み部49に連結する。ただし、ケーブル取付部24等によるアウタケーシング70の保持に先立って、端末76をクローズレバー45のケーブル引込み部49に連結してもよい。
その後、ドア本体13内でロアクローザ20を所定の組付位置に配置・固定する。このとき、ロアクローザ20は、ドア本体13内に概ね隠れるものの、スイングドア11のパネル(例えばドアインナパネル)18に形成された略円形のボルト挿通孔18aに対向してナット27のねじ孔等が開口するように構成されている。ケーブル取付部24等は、車内側からボルト挿通孔18a等に挿通されたボルト28のねじ部がナット27に締め付けられることで、スイングドア11に固定される。ボルト28は、ナット27と共に締結部材29を構成する。そして、このように締結部材29にてケーブル取付部24及びサブブラケット25をパネル18(スイングドア11)に共締めすることで、フランジ73bが第1及び第2孔24e,25eに嵌挿された状態でアウタケーシング70がより堅固に保持される。
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態では、スイングドア11への組付けに先立って、メインブラケット21(ケーブル取付部24)に保持部材80を取着するとともに、保持突部87でサブブラケット25を保持させることなく両係合突部85をサブブラケット25と係合させる。この段階では、サブブラケット25は、支承部26においてメインブラケット21に対する回動(開閉)が可能である。続いて、アクチュエータ40(クローズレバー45)に駆動ケーブルC4のワイヤ75を連結し、第1及び第2孔24e,25eにフランジ73bを嵌挿させつつサブブラケット25を回動させて(閉じて)、保持突部87でサブブラケット25を保持させる。これにより、フランジ73bが第1及び第2孔24e,25eに嵌挿された状態でアウタケーシング70がメインブラケット21及びサブブラケット25に保持(仮保持、仮組み)される。そして、スイングドア11への組付け時、締結部材29にてメインブラケット21及びサブブラケット25をスイングドア11(パネル18)に共締めすれば、フランジ73bが第1及び第2孔24e,25eに嵌挿された状態でアウタケーシング70がより堅固に保持される。このように、スイングドア11への組付けに先立ってアウタケーシング70がメインブラケット21及びサブブラケット25に保持されていることで、スイングドア11への組付性をより向上できる。
(2)本実施形態では、支承部26は、メインブラケット21及びサブブラケット25にそれぞれ一体に設けられた支承孔24f及び支承片25fであることで、部品点数の増大を抑制できる。
(3)本実施形態では、両係合突部85が支承孔24fに挿入されて支承部26における前記回動の遊びが縮小されることで、該回動をより安定化できる。
(4)本実施形態では、保持孔25g及び保持突部87による極めて簡易な係合構造によって、サブブラケット25を保持部材80に保持できる。
(5)本実施形態では、取付孔24g及び取付片82b、又は取付溝24h及び取付片82cによる極めて簡易な係合構造によって、保持部材80をメインブラケット21に取着できる。加えて、支承孔24f及び取付片86による極めて簡易な係合構造によって、保持部材80をメインブラケット21に取着できる。この場合、支承孔24fを流用したことで、例えば本体部24aに新たに取付孔を形成しなくてもよい。
(6)本実施形態では、ナット27は、サブブラケット25に溶着されていることで、締結部材29によってメインブラケット21及びサブブラケット25をスイングドア11(パネル18)により円滑に共締めできる。
(7)本実施形態では、アウタケーシング70は、先端部71に設けられたフランジ73bが保持部材80と干渉することなく第1及び第2孔24e,25eに嵌挿されることで、その長手方向に沿う移動が規制されている。従って、保持部材80の強度に関わらず、アウタケーシング70を好適に保持できる。特に、アウタケーシング70は、フランジ73bがその略全周に亘って第1及び第2孔24e,25eの内壁面に対向していることで、その長手方向に沿う移動をより堅固に規制できる。
(8)本実施形態では、締結部材29によるメインブラケット21及びサブブラケット25のスイングドア11(パネル18)への共締めは、ロアクローザ20の固定にもともと必要な工程であるため、これによって組付工数が増加することはない。
(第2の実施形態)
以下、車両用ドアロック装置の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の駆動ケーブルC4のアウタケーシング70の保持構造を変更した構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。第2の実施形態の構成のうち第1の実施形態と同様の機能を有する構成については、十の位以降の符号を第1の実施形態と同一にしている。
図15(a)、(b)及び図18に示すように、メインブラケット21に準じたメインブラケット121のケーブル取付部124は、本体部124aと、先端部124bと、段差124cとを有する。
本体部124aには、第1ガイド溝124dが形成されるとともに、第1被係合部としての第1孔124eが貫通形成されている。
また、本体部124aには、第1孔124eの前方で略四角形の支承孔124fが車両の幅方向に貫通形成されている。さらに、本体部124aには、第1孔124eの後方斜め下方で略円形の保持孔124gが車両の幅方向に貫通形成されるとともに、第1孔124eの前方斜め下方で略四角形の係合孔124mが車両の幅方向に貫通形成されている。
先端部124bには、略円形のボルト挿通孔124jが貫通形成されている。
図15及び図19(a)、(b)に示すように、サブブラケット125は、ケーブル取付部124の車外側で該ケーブル取付部124にならうように成形されており、本体部125aと、先端部125bと、段差125cとを有する。
本体部125aには、第2ガイド溝125dが形成されるとともに、第2被係合部としての第2孔125eが貫通形成されている。
サブブラケット125は、本体部125aの後端の車両の高さ方向中間部から車内側及び前方に順次延出する略L字状の支承片125fを有する。サブブラケット125は、支承片125fが車外側から支承孔124fに遊挿されることで、ケーブル取付部124(メインブラケット121)に対する車両の高さ方向に延びる軸線周りの回動が許容されている。支承孔124f及び支承片125fは支承部126を構成する。
図17に示すように、先端部125bには、ボルト挿通孔125jが貫通形成されている。そして、先端部125bには、ナット27が結合されている。
図15に示すように、ケーブル取付部124及びサブブラケット125の間には、樹脂製の保持部材180が介設されている。図19及び図20(a)、(b)示すように、この保持部材180は、第2ガイド溝125d等を挟む両側で本体部124a,125aにならって広がる前後一対の介設部181,182を有するとともに、本体部125aの上方で両介設部181,182同士を前後方向に接続するガイド壁183を有する。このガイド壁183は、第2ガイド溝25dよりも若干大きい内径を有して車外側に向かって凹む略部分円筒状に成形されている。また、保持部材180は、本体部125aの下端で両介設部181,182同士を前後方向に接続するワイヤガイド壁184を有する。このワイヤガイド壁184は、ワイヤ75の外径よりも大きい内径を有して車外側に向かって凹む略部分円筒状に成形されている。
両介設部181,182の各々には、上下一対の第2取付片としての略鉤爪状の取付片186が車外側に向かって突設されている。保持部材180は、これら取付片186の本体部125aを乗り超える先端が該本体部125aの上縁及び下縁に係止されることでサブブラケット25に取着されている。なお、両介設部181,182には、第2孔125eの配置に合わせてそれら介設部181,182の離間距離を前後方向に拡大する凹部181a,182aが形成されている。
一方の介設部181には、係合部としての略二又鉤爪状の係合突部185が車内側に向かって突設されており、他方の介設部82には、保持孔124gに対向して保持部としての略円筒状のスナップフィット式の保持突部187が車内側に向かって突設されている。図15に示すように、保持部材180は、係合孔124mを貫通する係合突部185の先端が係合孔124mの周縁を係止するようにケーブル取付部124と係合することで、支承部126における前述の回動(ケーブル取付部124及びサブブラケット125の相対回動)を許容する。つまり、サブブラケット125は、保持部材180を介してケーブル取付部124に連結されている。また、保持部材180は、保持孔124gを貫通する保持突部187の先端で保持孔124gの周縁を係止することでケーブル取付部124に保持される。
図17に併せ示すように、アウタケーシング70の先端部71は、フランジ73bの一部及び他部が第1及び第2孔124e,125eにそれぞれ嵌挿された状態で、被覆部73aが第1及び第2ガイド溝124d,125dにおいてケーブル取付部124及びサブブラケット125に挟持・保持されている。
このような構成にあって、アウタケーシング70をケーブル取付部124等に保持する際には、図19に示すように、保持部材180に予めサブブラケット125を前述の態様で取着する。そして、ケーブル取付部124の支承孔124fにサブブラケット125の支承片125fを車外側から挿通しつつ、係合孔124mに保持部材180の係合突部185を車外側から挿通する。このときの係合突部185及び係合孔124mの係合によって、図16及び図17に示すように、サブブラケット125は、支承部126における車両の高さ方向に延びる軸線周りの回動が許容されている。つまり、サブブラケット125は、支承部126を支点にケーブル取付部124に対して開閉自在となる。
続いて、サブブラケット125をケーブル取付部124に対して開いた状態で、エンドキャップ73のフランジ73bの一部(車内側部)を第1孔124eに嵌挿させつつ、被覆部73aの一部(車内側部)を第1ガイド溝124dに密着させる。
続いて、サブブラケット125をケーブル取付部124に対して閉じて、エンドキャップ73のフランジ73bの他部(車外側部)を第2孔125eに嵌挿させつつ、被覆部73aの他部(車外側部)を第2ガイド溝125dに密着させる(図15参照)。このとき、サブブラケット125は、保持孔124gに保持部材180の保持突部187が挿入・係止されることで、ケーブル取付部124に保持される。これにより、フランジ73bが第1及び第2孔124e,125eに嵌挿された状態でアウタケーシング70がケーブル取付部124及びサブブラケット125、並びに保持部材180に保持、即ち仮保持(仮組み)される。
本実施形態の組付時の作用については前記第1の実施形態と同様である。ドア本体13内でロアクローザ20を所定の組付位置に配置・固定した状態で、締結部材29にてケーブル取付部124及びサブブラケット125をパネル18に共締めすることで、フランジ73bが第1及び第2孔124e,125eに嵌挿された状態でアウタケーシング70がより堅固に保持されることはいうまでもない(図14参照)。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における(1)、(2)、(4)、(6)〜(8)の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、係合孔124m及び係合突部185による極めて簡易な係合構造によって、支承部126における前記回動を案内できる。
(2)本実施形態では、サブブラケット125(上端、下端)及び取付片186による極めて簡易な係合構造によって、保持部材180をサブブラケット125に取着できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・前記第1の実施形態において、ケーブル取付部24の外形に合わせて保持部材80に取付片186に準じた取付片(第2取付片)を突設してもよい。そして、保持部材80は、当該取付片がケーブル取付部24を乗り越えて該ケーブル取付部24を係止することでケーブル取付部24に取着されてもよい。
・前記第1の実施形態において、保持部材80に取付片186に準じた第2取付片を形成してもよい。そして、保持部材80は、当該第2取付片がメインブラケット21を乗り越えて該メインブラケット21を係止することでメインブラケット21に取着されてもよい。
・前記第2の実施形態において、サブブラケット125に取付孔24g又は取付溝24hに準じた取付凹部を形成するとともに、保持部材180に取付片82b,82cに準じた取付片を形成してもよい。そして、保持部材180は、当該取付片が取付凹部に挿入されて該取付凹部を係止することでサブブラケット125に取着されてもよい。
・前記各実施形態において、ナット27は、ケーブル取付部24,124に溶着されてもよい。この場合、ケーブル取付部24,124の車内側にサブブラケット25,125を配置することが好ましい。
・前記各実施形態においては、先端部25b,125bにナット27を溶接し、このナット27にボルト28を締め付けることでロアクローザ20をスイングドア11に固定したが、それらの関係は互いに逆であってもよい。すなわち、先端部25b,125bにボルト28を溶接し、このボルト28にナット27を締め付けることでロアクローザ20をスイングドア11に固定してもよい。
・前記各実施形態において、ナット27は、サブブラケット25,125に溶着されていなくてもよい。
・前記各実施形態においては、ケーブル取付部24,124及びサブブラケット25,125に支承孔24f,124f及び支承片25f,125fをそれぞれ設けたが、これらの関係は互いに逆でもよい。すなわち、ケーブル取付部24,124及びサブブラケット25,125に支承片及び支承孔をそれぞれ設けてもよい。
・前記各実施形態においては、支承部26,126は、ケーブル取付部24,124及びサブブラケット25,125と別体のヒンジであってもよい。
・前記各実施形態においては、アウタケーシング70のロアクローザ20側の先端部71を保持部材80,180等で仮保持したが、これに代えて、アッパクローザ50側の先端部72を同様に仮保持してもよい。具体的には、ケーブル取付部62aに代えてメインプレート62にケーブル取付部24,124に準じたケーブル取付部を設け、アウタケーシング70の先端部72を保持部材等と共に仮保持してもよい。この場合、車両用ドアロック装置は、スイングドア11への組付け前の状態(即ち車両工場等への納入状態)では駆動ケーブルC4がロアクローザ20に予め接続されているとともに、アッパクローザ50との接続が分離されていることがより好ましい。
・前記各実施形態において、第1孔24e,124eに代えて、非貫通の穴状の第1被係合部を採用してもよい。この場合、当該第1被係合部にフランジ73bの一部を係合させてその移動を規制すればよい。
同様に、第2孔25e,125eに代えて、非貫通の穴状の第2被係合部を採用してもよい。この場合、当該第2被係合部にフランジ73bの他部を係合させてその移動を規制すればよい。
・前記各実施形態において、アウタケーシング70の先端部71,72以外の適宜箇所を保持部材80,180等で仮保持してもよい。
・前記各実施形態において、メインブラケット21,121は、アクチュエータ40を支持していなくてもよい。
・前記各実施形態において、保持部材80,180は、樹脂製でなくてもよい。
・前記各実施形態において、アクチュエータ40の動力を駆動ケーブルC4に準じた駆動ケーブルを介してロアラッチ機構30に伝達してもよい。この場合、当該駆動ケーブルのアウタケーシングを同様に保持部材等で仮保持してもよい。
・前記各実施形態において、アクチュエータ40の動力をロアラッチ機構30に伝達しなくてもよい。
C4…駆動ケーブル、11…スイングドア(ドア)、21…メインブラケット(第1ブラケット、第1部材)、24e,124e…第1孔(第1被係合部)、24f…支承孔(取付凹部)、24g…取付孔(取付凹部)、24h…取付溝(取付凹部)、25…サブブラケット(第2ブラケット、第2部材)、25e,125e…第2孔(第2被係合部)、25f,125f…支承片、25g,124g…保持孔、26,126…支承部、27…ナット、28…ボルト、29…締結部材、40…アクチュエータ、60…アッパラッチ機構(ラッチ機構)、70…アウタケーシング、71…先端部、73…エンドキャップ、73b…フランジ、75…ワイヤ、80,180…保持部材、82b,82c,86…取付片、85,185…係合突部(係合部)、87,187…保持突部(保持部)、121…メインブラケット(第1ブラケット、第2部材)、124f…支承孔、124m…係合孔(係合凹部)、125…サブブラケット(第2ブラケット、第1部材)、186…取付片(第2取付片)。

Claims (8)

  1. ラッチ機構及びアクチュエータの間を連結するワイヤ及び該ワイヤが摺動自在に挿通されたアウタケーシングを有し、前記アクチュエータの動力を前記ラッチ機構に伝達する駆動ケーブルと、
    前記アウタケーシングに設けられたフランジの一部が係合されて該フランジの前記駆動ケーブルの長手方向に沿う移動を規制する第1被係合部が形成される第1ブラケットと、
    前記フランジの他部が係合されて該フランジの前記移動を規制する第2被係合部が形成され、前記フランジに対し一側で前記第1ブラケットと共に車両のドアに締結部材にて締結される第2ブラケットと、
    前記フランジに対し他側で前記第1及び第2ブラケットの間に介設され、それら第1及び第2ブラケットの相対回動を許容する支承部と、
    前記第1及び第2ブラケットのいずれか一方である第1部材に取着され、前記支承部における前記回動を許容するようにいずれか他方である第2部材と係合する係合部、並びに前記フランジが前記第1被係合部及び前記第2被係合部に係合された状態で前記第2部材を保持する保持部を有する保持部材とを備えた、車両用ドアロック装置。
  2. 請求項1に記載の車両用ドアロック装置において、
    前記支承部は、
    前記第1及び第2部材のいずれか一方に形成された支承孔と、
    前記第1及び第2部材のいずれか他方に突設され、前記支承孔に回動自在に遊挿される支承片とを有した、車両用ドアロック装置。
  3. 請求項2に記載の車両用ドアロック装置において、
    前記支承孔及び前記支承片は、前記第1部材及び前記第2部材にそれぞれ設けられており、
    前記係合部は、前記支承部における前記回動の遊びを縮小するように前記支承孔に挿入された係合突部である、車両用ドアロック装置。
  4. 請求項2に記載の車両用ドアロック装置において、
    前記係合部は、前記第2部材に形成された係合凹部に挿入されて前記支承部における前記回動を案内する係合突部である、車両用ドアロック装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用ドアロック装置において、
    前記保持部は、前記第2部材に形成された保持孔に挿通された保持突部である、車両用ドアロック装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用ドアロック装置において、
    前記第1部材には、取付凹部が形成されており、
    前記保持部材には、前記取付凹部に対向して取付片が突設されており、
    前記保持部材は、前記取付片が前記取付凹部に挿入されて該取付凹部を係止することで前記第1部材に取着された、車両用ドアロック装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両用ドアロック装置において、
    前記保持部材には、前記第1部材の外形に合わせて第2取付片が突設されており、
    前記保持部材は、前記第2取付片が前記第1部材を乗り越えて該第1部材を係止することで前記第1部材に取着された、車両用ドアロック装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両用ドアロック装置において、
    前記締結部材は、
    前記第1及び第2ブラケットのいずれか一方に溶着されたナットと、
    前記ナットに締め付けられるボルトとを有した、車両用ドアロック装置。
JP2018065636A 2018-03-29 2018-03-29 車両用ドアロック装置 Active JP7004163B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018065636A JP7004163B2 (ja) 2018-03-29 2018-03-29 車両用ドアロック装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018065636A JP7004163B2 (ja) 2018-03-29 2018-03-29 車両用ドアロック装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019173499A true JP2019173499A (ja) 2019-10-10
JP7004163B2 JP7004163B2 (ja) 2022-02-04

Family

ID=68170039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018065636A Active JP7004163B2 (ja) 2018-03-29 2018-03-29 車両用ドアロック装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7004163B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021067151A (ja) * 2019-10-28 2021-04-30 株式会社ユーシン ドアラッチ装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004244892A (ja) * 2003-02-13 2004-09-02 Aisin Seiki Co Ltd ドアクローザ装置
JP2014062441A (ja) * 2012-09-24 2014-04-10 Aisin Seiki Co Ltd 車両用ドアロック装置
JP2016056551A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 三井金属アクト株式会社 車両用ドアラッチ装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004244892A (ja) * 2003-02-13 2004-09-02 Aisin Seiki Co Ltd ドアクローザ装置
JP2014062441A (ja) * 2012-09-24 2014-04-10 Aisin Seiki Co Ltd 車両用ドアロック装置
JP2016056551A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 三井金属アクト株式会社 車両用ドアラッチ装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021067151A (ja) * 2019-10-28 2021-04-30 株式会社ユーシン ドアラッチ装置
JP7377064B2 (ja) 2019-10-28 2023-11-09 株式会社ユーシン ドアラッチ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7004163B2 (ja) 2022-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6337440B2 (ja) 車両用ドア開閉装置
JP3586159B2 (ja) 車両用ドア開閉装置
JP5338369B2 (ja) 車両用ドアロック装置
JP6824294B2 (ja) 自動車ロック
US11105126B2 (en) Hood lock apparatus
KR20170019230A (ko) 자동차의 주유구용 커버 개폐장치
JP2019173499A (ja) 車両用ドアロック装置
JP2008068645A (ja) 車両のパワーバックドア
JP6629101B2 (ja) ハウジングユニット及び開閉体のロック装置
JP4917820B2 (ja) ルーフパネルの開閉システム
JP2020133255A (ja) 自動車ドア開閉機構
JP2015086524A (ja) 車両用ドア開閉装置
JP6991914B2 (ja) 車両用ドアロック装置
JP2969427B2 (ja) 車両用スライドドアの開閉装置
EP3575190A1 (en) Working vehicle
JP4599641B2 (ja) 車両用リモートコントロール装置
JP2009197985A (ja) ケーブル連結構造及びこれを備えたドアラッチ装置
KR20080042974A (ko) 자동차용 도어 윈도우 레귤레이터의 캐리어 구동수단결합구조
JP6739405B2 (ja) 車両用ドア
KR101873423B1 (ko) 자동차용 도어 인사이드 핸들의 작동구조
KR101371803B1 (ko) 미세 조절이 가능한 와이어 홀더
JP2001220933A (ja) ドア施解錠用リンクの連結構造
JP2007056452A (ja) フューエルリッドオープナー及びその組付方法
EP3539806B1 (fr) Agencement d'un ouvrant de véhicule automobile avec un renfort de serrure
JP5332553B2 (ja) パワースライドドア装置及びプーリユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20210115

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20210115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7004163

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150