JP2019169688A - 軟磁性材料および圧粉磁心 - Google Patents

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【課題】 初透磁率μrが高くコアロスtanδが小さく、耐電圧が高く、耐湿性が大きい圧粉磁心、および、当該圧粉磁心に含まれる軟磁性材料を提供する。【解決手段】 表面に絶縁処理が施された軟磁性粉末と、表面に絶縁処理が施された箔片とを有する軟磁性材料である。軟磁性粉末は平均粒径が10μm以上100μm以下である。箔片は平均長さが3.0μm以下である。(箔片の平均長さ/箔片の平均厚み)が2.0以上である。(箔片の平均長さ/軟磁性粉末の平均粒径)が0.300以下である。【選択図】 図1

Description

本発明は、軟磁性材料および圧粉磁心に関する。
より高透磁率な軟磁性材料および圧粉磁心を得ることは現在においても重要な課題である。近年では、扁平形状の粉末からなる軟磁性材料を用いることで、球形の粉末からなる軟磁性材料を用いる場合よりも高透磁率を得ることが知られている。
特許文献1には、粒子径が小さくアスペクト比が大きい軟磁性粉末と粒子径が大きくアスペクト比が小さい軟磁性粉末との両方を同時に用いる圧粉磁心用軟磁性材が記載されている。
しかし、現在では、さらに初透磁率μrが高くコアロスtanδが低い圧粉磁心が求められている。さらに、耐電圧および耐湿性も両立した圧粉磁心が求められている。
特許第4909312号
本発明は、初透磁率μrが高くコアロスtanδが小さく、耐電圧が高く、耐湿性が大きい圧粉磁心、および、当該圧粉磁心に含まれる軟磁性材料を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の軟磁性材料は、
表面に絶縁処理が施された軟磁性粉末と、表面に絶縁処理が施された箔片とを有する軟磁性材料であって、
前記軟磁性粉末は平均粒径が10μm以上100μm以下であり、
前記箔片は平均長さが3.0μm以下であり、
(前記箔片の平均長さ/前記箔片の平均厚み)が2.0以上であり、
(前記箔片の平均長さ/前記軟磁性粉末の平均粒径)が0.300以下であることを特徴とする。
本発明の軟磁性材料は上記の特徴を有することで、圧粉磁心に用いられる場合に初透磁率μrが高くコアロスtanδが小さく、耐電圧が高く、耐湿性が大きい圧粉磁心とすることができる。
本発明の軟磁性材料は、前記軟磁性材料全体に対する前記箔片の添加割合が10vol%以上40vol%以下であってもよい。
本発明の圧粉磁心は、上記の軟磁性材料からなる。
本発明の圧粉磁心は上記の特徴を有することで、初透磁率μrが高くコアロスtanδが小さく、耐電圧が高く、耐湿性が大きい圧粉磁心となる。
本発明の圧粉磁心は、それぞれの前記箔片の長さ方向と、基準方向との間の角度が平均10°以下であってもよい。
本実施形態に係る軟磁性材料の模式図である。 本実施形態に係る圧粉磁心および箔片の断面図の模式図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る軟磁性材料は、軟磁性粉末11および箔片13を含む。
軟磁性粉末11の材質および箔片13の材質には特に制限はない。例えば、Fe単体またはFe合金であってもよい。なお、Fe合金とは、Feの含有割合が15at%以上である合金を指す。Fe合金としては、例えばFe−Si系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Si−B系合金、Fe−Cu−Nb−Si−B系合金、Fe−Si−B−Cr系合金などが挙げられる。上記のFe−Si系合金とは、Feの含有割合が97at%以上、Siの含有割合が2at%以上であり、その他の元素の含有割合が合計1at%以下である合金を指す。上記のFe−Ni系合金とは、Feの含有割合が15at%以上、Niの含有割合が40at%以上であり、その他の元素の含有割合が合計45at%以下である合金を指す。上記のFe−Si−B系合金とは、Feの含有割合が79at%以上、Siの含有割合が9at%以上、Bの含有割合が9at%以上であり、その他の元素の含有割合が合計3at%以下である合金を指す。上記のFe−Cu−Nb−Si−B系合金とは、Feの含有割合が75.6at%以上、Cuの含有割合が0.6at%以上、Nbの含有割合が0.1at%以上、Siの含有割合が13.1at%以上、Bの含有割合が8.6at%以上であり、その他の元素の含有割合が合計2.0at%以下である合金を指す。上記のFe−Si−B−Cr系合金とは、Feの含有割合が75.5at%以上、Siの含有割合が10.5at%以上、Bの含有割合が10.5at%以上、Crの含有割合が1.5at%以上であり、その他の元素の含有割合が合計2.0at%以下である合金を指す。また、軟磁性粉末11の材質と箔片13の材質は同一であってもよく異なっていてもよい。
また、本実施形態に係る軟磁性粉末11は表面に絶縁処理が施されている。絶縁処理の種類は任意である。例えば、軟磁性粉末11の表面に酸化膜を形成する絶縁処理や、非磁性金属の酸化物層を被覆させる絶縁処理等が挙げられる。箔片13についても同様に表面に絶縁処理が施されている。絶縁処理を施すことで本実施形態に係る軟磁性材料から作成される圧粉磁心の渦電流が低下し、コアロスtanδが低下する。
ここで、本実施形態に係る軟磁性材料における軟磁性粉末11は粒径が最小で5μm以上であり、アスペクト比が2以下である形状を有する。なお、ここでの粒径およびアスペクト比は軟磁性材料をSEMまたはTEMで観察した場合における投影面積の円相当径を指す。また、箔片13は長辺の長さが最大で4μm以下であり、長辺の長さを短辺の長さで割った値が最小で1.8以上である直方体形状または略直方体形状を有する。ここでの長辺の長さおよび短辺の長さは軟磁性材料をSEMまたはTEMで観察した場合における長辺の長さおよび短辺の長さである。以下、箔片13の長辺の長さを単に長さとし、箔片13の短辺の長さを厚みとする。
そして、本実施形態に係る軟磁性材料において、軟磁性粉末11が平均粒径10μm以上100μm以下であり、箔片13が平均長さ3.0μm以下であり、(箔片13の平均長さ/箔片13の平均厚み)が2.0以上であり、(箔片13の平均長さ/軟磁性粉末11の平均粒径)が0.300以下である。なお、軟磁性材料全体に対する箔片13の添加量は任意であるが、10vol%以上40vol%以下であることが好ましい。
軟磁性粉末11の平均粒径の測定においては、少なくとも1000個以上の軟磁性粉末11の粒径を測定し、平均する。また、箔片13の平均長さおよび平均厚みの測定においては、少なくとも500個以上の箔片13の平均長さおよび平均厚みを測定する。
なお、軟磁性粉末11の平均粒径はXRDを用いて測定することもでき、投影面積の円相当径と実質的に同一な値が得られる。
本実施形態に係る軟磁性材料では軟磁性粉末11と箔片13との間で大きさが異なる。このため、図2に示す成形方向23の方向に加圧することで圧粉磁心1を製造する場合には、軟磁性粉末11が成形方向23の方向につぶれ、軟磁性粉末11同士の間の隙間を箔片13が埋める構造となる。そして、箔片13の長さ方向13aが成形方向23に略垂直な方向となる。具体的には、圧粉磁心1を成形方向23に平行な断面で切断し、SEMまたはTEMで観察した場合において、箔片13の長さ方向13aと成形方向23に垂直な方向である基準方向21との間の角度θの平均が10°以下であることが好ましい。なお、少なくとも10個以上の軟磁性粉末11が観察される測定範囲を設定する。また、箔片13の厚み方向13bは成形方向23に略平行な方向となる。
軟磁性粉末11が成形方向23の方向につぶれる場合には軟磁性粉末11のアスペクト比は大きくなる。しかし、軟磁性粉末11の円相当径は実質的に変化しない。
また、圧粉磁心1を成形方向23に平行な断面で切断し、SEMまたはTEMで観察することで軟磁性粉末11の平均粒径、箔片13の平均長さおよび箔片13の平均厚みを特定することが可能である。
そして、箔片13は長さ方向13aに磁束を誘導する効果を有し、圧粉磁心1全体としてみれば箔片13が概ね基準方向21の方向に磁束を誘導する。この結果、比透磁率μrが著しく向上する。
なお、ここでの基準方向21は圧粉磁心の断面図をSEM観察することにより、軟磁性粉末11がつぶれている方向から特定することができる。さらに具体的には、各軟磁性粉末11がつぶれて長辺となっている方向を平均することで基準方向21を特定することができる。
軟磁性粉末11の平均粒径が大きすぎる場合には、渦電流が大きくなり、コアロスtanδが増大する。また、箔片13が基準方向21の方向に並びづらくなり、角度θの平均が大きくなる。この結果、比透磁率μrが低下する。さらに、軟磁性粉末11間の隙間が拡大することで封止効果が低下し、耐電圧が低下し、耐湿性も低下する。
軟磁性粉末11の平均粒径が小さすぎる場合には、比透磁率μrが低下する。
箔片13の平均長さが長すぎる場合には、箔片13が基準方向21の方向に並びづらくなり、角度θの平均が大きくなる。この結果、比透磁率μrが低下する。
(箔片13の平均長さ/箔片13の平均厚み)が小さすぎる場合には、箔片13の向きが加圧時に変化しにくくなり、圧粉磁心1全体からみて箔片13が磁束を誘導する効果が小さくなる。この結果、比透磁率μrが低下する。
なお、軟磁性材料全体に対する箔片13の添加量が10vol%以上である場合には、比透磁率μrが十分に向上しやすくなる。また、箔片13の添加量が40vol%以下である場合には、軟磁性粉末11が成形時の加圧により十分に変形しやすくなる。また、箔片13も基準方向21の方向に並びやすくなる。
なお、軟磁性粉末11および箔片13は、組成が異なる場合には、組成の違いにより区別することが可能である。組成が同一である場合には、形状の違いおよび/またはサイズの違いから区別することが可能である。
圧粉磁心を製造する際には、必要に応じて軟磁性材料にその他の化合物を添加してもよい。例えば、結合剤として樹脂を添加してもよい。しかし、樹脂を添加しすぎると箔片13が基準方向21の方向に並びづらくなり、角度θの平均が大きくなる。この結果、比透磁率μrが低下する。
ここで、圧粉磁心1における軟磁性粉末11および箔片13の合計の充填率には特に制限はない。75vol%以上が好ましい。また、充填率の算出方法に特に制限はない。例えば以下に示す方法が挙げられる。
まず、磁心を成形方向に平行に切断して得られた断面を研磨して観察面を作製する。次に、当該観察面に対して電子顕微鏡(SEM)を用いて観察する。観察面全体の面積に対する軟磁性粉末11と箔片13との合計の面積割合を算出する。そして、本実施形態では当該面積割合と充填率とが等しいとみなし、当該面積割合を充填率とする。
また、充填率は、原料となる軟磁性粉末11および箔片13の真密度および配合比から充填率が100%であると仮定した場合の密度(理想密度)を算出し、実際に圧粉磁心の寸法と重量から算出した実測密度を理想密度で割ることにより充填率を算出してもよい。SEMから算出した充填率と実測密度及び理想密度から算出した充填率とでは実質的に一致する。
また、充填率を算出する上で、観察面は、軟磁性粉末11と箔片13との合計で100個以上含む大きさとする。なお、観察面は複数であってもよく、合計で1000個以上含む大きさとしていればよい。
以下、本実施形態に係る軟磁性材料および圧粉磁心の製造方法について説明するが、本実施形態に係る軟磁性材料および圧粉磁心の製造方法は以下の方法に限定されない。
まず、目的とする組成を有する軟磁性粉末を作製する。軟磁性粉末の作製方法は任意であり、例えば、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法など本技術分野における通常の方法を用いることができる。軟磁性粉末の作製後に、粒径が10μm以下の微粉を分級により除去することが好ましい。微粉を除去することで、後述する絶縁処理後において軟磁性粉末全体に対する絶縁処理した表面の面積が小さくなり、被覆性が向上しやすくなる。
次に、軟磁性粉末の表面に絶縁処理を行う。絶縁処理の方法は任意である。例えば、軟磁性粉末の表面を酸化させることで酸化膜を形成する方法、非磁性金属を添加した後に加熱還元を行うことで非磁性金属の酸化物層を被覆させる方法、ガラス粉(ガラスフリット)をコーティングする方法等が挙げられる。また、軟磁性粉末が実質的に鉄のみからなる場合には、リン酸処理により軟磁性粉末の表面にリン酸鉄膜を形成する方法もある。絶縁処理を施すことで本実施形態に係る軟磁性材料から作成される圧粉磁心の渦電流が低下し、コアロスが低下する。なお、通常は絶縁処理の前後で軟磁性粉末の平均粒径は実質的に変化しない。
また、目的とする組成を有する箔片を作製する。箔片の作製方法は任意であり、例えば、ストリップキャスト法が挙げられる。以下、ストリップキャスト法による作製方法について説明する。
まず、目的とする組成を有する母合金を作製する。母合金の作製方法は任意であり、本技術分野において通常用いられている方法を用いることができる。次に、母合金を加熱して溶融させた後に、冷却ロールに噴射させ、薄帯を作成する。そして、薄帯を粉砕した後に分級することで任意の形状の箔片を得ることができる。
次に、箔片の表面に絶縁処理を行う。絶縁処理の方法は任意である。例えば、箔片の表面を酸化させることで酸化膜を形成する方法や、非磁性金属を添加した後に加熱還元を行うことで非磁性金属の酸化物層を被覆させる方法等が挙げられる。絶縁処理を施すことで本実施形態に係る軟磁性材料から作成される圧粉磁心の渦電流が低下し、コアロスが低下する。なお、通常は絶縁処理の前後で箔片の平均粒径は実質的に変化しない。また、軟磁性粉末と箔片とで絶縁処理の種類を変化させてもよい。
そして、軟磁性粉末と箔片とを混合して本実施形態に係る軟磁性材料を作製する。なお、上記の製造方法では軟磁性粉末と箔片とで別個に絶縁処理を行っているが、軟磁性粉末と箔片とを混合後にまとめて絶縁処理を行ってもよい。
そして、本実施形態に係る軟磁性材料から圧粉磁心を作製する。
本実施形態に係る軟磁性材料から圧粉磁心を作製する場合には、軟磁性材料を少量、金型に投入する工程、金型を揺すって振動を加える工程、および成形方向に圧力を加えて成形する工程からなるサイクルを数回から数十回繰り返すことが好ましい。このように、少しずつ充填量を増やしながら成形することで、軟磁性粉末同士の間の隙間を箔片が埋めやすくなる。そして、透磁率μrを向上させることができる。さらに、封止効果が大きくなり耐電圧および耐湿性が向上しやすくなる。
具体的には概ね高さ0.1mmずつ軟磁性材料を金型に投入することが好ましい。また、金型を揺すって振動を加えることが好ましく、箔片が下へ移動し、軟磁性粉末同士の間の隙間を埋める。成形時の圧力は任意である。
本実施形態に係る圧粉磁心の用途には特に制限はない。例えば、インダクタ、リアクトル、トランスなどが挙げられる。
次に、本発明を具体的な実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。
(実験例1)
まず、軟磁性粉末を作製した。最終的に得られる軟磁性粉末の組成が、原子数比でFe:Cu:Nb:Si:B=76:1:0.5:13.5:9となるようにした。また、軟磁性粉末の平均粒径が下表1に記載の値となるようにしてガスアトマイズ法で軟磁性粉末を作製した。その後、軟磁性粉末を分級し、粒径が10μm以下の微粉を除去した。分級後の平均粒径が下表1に記載の値であることを乾式粒度分布測定器を用いて確認した。
次に、軟磁性粉末の表面に絶縁処理を施した。具体的には、軟磁性粉末に対してガラスフリットコーティングを行った。
次に、箔片を作製した。箔片は以下に示すストリップキャスト法で作製した。
まず、金属Feである母合金を加熱して溶融させた後に、冷却ロールに噴射させ、薄帯を作成した。
次に、薄帯を粉砕した後に分級することで箔片を得た。最終的に得られる箔片が下表1に示す平均長さおよび平均長さ/平均厚みを有するように分級した。
次に、箔片の表面に絶縁処理を施した。具体的には、箔片に対して(酸化処理)を行った。
そして、軟磁性粉末に箔片を添加し、混合して軟磁性材料を得た。軟磁性材料全体に対する箔片の添加量が下表1に示す量となるようにした。
次に、軟磁性材料を金型に充填した。金型の形状は最終的に得られる圧粉磁心の形状が外径12mm、内径7mm、高さ2mmのトロイダル形状となるようにした。
軟磁性材料を金型に充填する際には、軟磁性材料を少量、金型に投入する工程、金型を揺すって振動を加える工程、および成形圧8ton/cmで成形する工程からなるサイクルを20回、繰り返した。なお、軟磁性材料を金型に投入する量は少しずつ増やしていった。最終的にトロイダル形状の圧粉磁心を得た。なお、成形方向はトロイダル形状の高さ方向となるようにした。
各実施例および比較例について成形方向(高さ方向)に平行に切断した断面を観察した。具体的には、SEMを用いて軟磁性粒子が少なくとも1000個以上見える測定範囲で観察した。各軟磁性粒子の円相当径を測定して平均して得られた平均円相当径が軟磁性粉末の平均粒径と実質的に同一であることを確認した。さらに、軟磁性粒子のつぶれ具合から特定した基準方向が成形方向に垂直な方向と実質的に一致することを確認した。そして、測定範囲内に存在する全ての箔片について平均長さおよび平均長さ/平均厚みを算出し、軟磁性材料における平均長さおよび平均長さ/平均厚みと一致することを確認した。さらに、測定範囲内に存在する全ての箔片について長さ方向と基準方向との間の角度θを測定し、平均した。結果を表1に示す。
各実施例および比較例の圧粉磁心について、SEMを用いて軟磁性粒子と箔片との合計の充填率を測定した。結果を下表1に示す。
各実施例および比較例について、周波数100kHzとして比透磁率μrおよびコアロスtanδを測定した。比透磁率μrはインピーダンス/GAIN−PHASE ANALYZER(横川ヒューレットパッカード株式会社製、4194A)を用いて測定した。コアロスtanδはB−H ANALYZER(岩崎通信株式会社製 SY−8218)を用いて摂動法により測定した。本実施例では比透磁率μrは50以上を良好とした。コアロスtanδは1000kW/m3以下を良好とした。結果を下表1に示す。
各実施例および比較例について、耐電圧を測定した。各実施例および比較例についてトロイダル形状の圧粉磁心と同一の方法にて外径φ8mm、高さ5mmの円柱形状の圧粉磁心を作製した。そして、円柱形状の圧粉磁心の向かい合う外径φ8mmの円形の2面にInGaペーストを塗布した。ソースメーターの端子を塗布したInGaペーストに当てて電圧を印加し、1mAの電流が流れたときの電圧値を向かい合う2面の距離(5mm)で割った値を耐電圧とした。耐電圧が200V/mm以上である場合を良好とした。結果を下表1に示す。
各実施例および比較例について、耐湿試験を行った。具体的には、各実施例および比較例について温度85℃、湿度85%で1000時間放置した。そして、1000時間放置後の外観を評価した。1000時間後の外観を観察して、表面に錆びが無い場合を○、点錆があるが表面全体に対する錆の面積割合が10%未満である場合を△、表面全体に対する錆の面積割合が10%以上である場合を×とした。○、△、×の順に好ましく、○または△である場合を良好とした。結果を表1に示す。
Figure 2019169688
表1より、本願発明の範囲内である軟磁性材料を用いて作製された実施例1〜6の圧粉磁心は比透磁率μr、コアロスtanδ、耐電圧および耐湿試験の結果が良好であった。
これに対し、軟磁性粉末の平均粒径が大きすぎる比較例1は箔片が基準方向に並びづらくなり、比透磁率μrが低下しコアロスtanδが上昇した。さらに、充填率が低下することで隙間が拡大し、封止効果が低下した。その結果、耐電圧が低下した。
軟磁性粉末の平均粒径が小さすぎる比較例2は箔片が基準方向に並びづらくなり、比透磁率μrが低下した。
箔片の平均長さが長すぎる比較例3および比較例5は箔片が基準方向に並びづらくなり、比透磁率μrが低下した。また、箔片の平均長さ/軟磁性粉末の平均粒径が大きすぎる比較例5は充填率が低下することで隙間が拡大し、封止効果が低下した。その結果、耐電圧が低下した。
箔片の平均長さ/平均厚みが小さすぎる比較例4は箔片が基準方向に並びづらくなり、箔片の磁束を誘導する効果が低下した結果、比透磁率μrが低下した。
(実験例2)
実験例2では、軟磁性粉末の種類および/または箔片の種類を変化させた点以外は実施例1と同条件で実施した。結果を下表2に示す。
なお、下表2のFe−Si−B−Cr合金組成は原子数比でFe:Si:B:Cr=76:11:11:2、Fe−Si合金の組成は原子数比でFe:Si=98:2、Fe−Ni合金の組成は重量比でFe:Ni=20:80、Fe−Si−B合金の組成は原子数比でFe:Si:B=80:10:10である。
Figure 2019169688
表2より、軟磁性粉末および/または箔片の種類を変化させても比透磁率μr、コアロスtanδ、耐電圧および耐湿試験の結果が良好な圧粉磁心が得られた。
1・・・圧粉磁心
11・・・軟磁性粉末
13・・・箔片
13a・・・箔片の長さ方向
13b・・・箔片の厚み方向
21・・・基準方向
23・・・成形方向

Claims (4)

  1. 表面に絶縁処理が施された軟磁性粉末と、表面に絶縁処理が施された箔片とを有する軟磁性材料であって、
    前記軟磁性粉末は平均粒径が10μm以上100μm以下であり、
    前記箔片は平均長さが3.0μm以下であり、
    (前記箔片の平均長さ/前記箔片の平均厚み)が2.0以上であり、
    (前記箔片の平均長さ/前記軟磁性粉末の平均粒径)が0.300以下であることを特徴とする軟磁性材料。
  2. 前記軟磁性材料全体に対する前記箔片の添加割合が10vol%以上40vol%以下である請求項1に記載の軟磁性材料。
  3. 請求項1または2に記載の軟磁性材料からなる圧粉磁心。
  4. それぞれの前記箔片の長さ方向と、基準方向との間の角度が平均10°以下である請求項3に記載の圧粉磁心。
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