JP6504289B1 - 軟磁性金属粉末、圧粉磁心および磁性部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Feを含む軟磁性金属粒子を複数含む軟磁性金属粉末であって、軟磁性金属粒子の表面は被覆部により覆われており、被覆部は、軟磁性金属粒子の表面から外側に向かって、第1の被覆部と、第2の被覆部と、をこの順に有し、第1の被覆部は、Cu、W、MoおよびCrからなる群から選ばれる1つ以上の元素を含み、第2の被覆部は、Pを含むことを特徴とする軟磁性金属粉末である。
【選択図】図1
Description
[1]Feを含む軟磁性金属粒子を複数含む軟磁性金属粉末であって、
軟磁性金属粒子の表面は被覆部により覆われており、
被覆部は、軟磁性金属粒子の表面から外側に向かって、第1の被覆部と、第2の被覆部と、をこの順に有し、
第1の被覆部は、Cu、W、MoおよびCrからなる群から選ばれる1つ以上の元素を含み、
第2の被覆部は、Pを含むことを特徴とする軟磁性金属粉末である。
第1の被覆部が軟磁性金属粒子の表面を被覆する割合を示す被覆度が50%以上であることを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の軟磁性金属粉末である。
1.軟磁性金属粉末
1.1.軟磁性金属粒子
1.2.被覆部
1.2.1.第1の被覆部
1.2.2.第2の被覆部
2.圧粉磁心
3.磁性部品
4.圧粉磁心の製造方法
4.1.軟磁性金属粉末の製造方法
4.2.圧粉磁心の製造方法
本実施形態に係る軟磁性金属粉末は、図1に示すように、軟磁性金属粒子2の表面に被覆部10が形成された被覆粒子1を複数含む。軟磁性金属粉末に含まれる粒子の個数割合を100%とした場合、被覆粒子の個数割合が90%以上であることが好ましく、95%以上であることが好ましい。なお、軟磁性金属粒子2の形状は特に制限されないが、通常、球形である。
本実施形態では、軟磁性金属粒子の材質は、Feを含み軟磁性を示す材料であれば特に制限されない。本実施形態に係る軟磁性金属粉末が奏する効果は、主として、後述する被覆部に起因するものであり、軟磁性金属粒子の材質の寄与は小さいからである。
被覆部10は絶縁性であり、第1の被覆部11と、第2の被覆部12と、から構成される。被覆部10は、軟磁性金属粒子の表面から外側に向かって、第1の被覆部11、第2の被覆部12の順で構成されていれば、第1の被覆部11、第2の被覆部12以外の被覆部を有していてもよい。
図1に示すように、第1の被覆部11は、軟磁性金属粒子2の表面を覆っている。また、第1の被覆部11は、Cu、W、MoおよびCrからなる群から選ばれる1つ以上の元素を含んでいる。本実施形態では、当該元素は、Cu、Crであることが好ましく、Cuであることがより好ましい。
図1に示すように、第2の被覆部12は、第1の被覆部11の表面を覆っている。第2の被覆部12はPを含んでいる。本実施形態では、第2の被覆部の絶縁性を高める観点から、第2の被覆部12は、Pの酸化物を含むことが好ましく、Pを含む酸化物ガラスであることがより好ましい。
本実施形態に係る圧粉磁心は、上述した軟磁性金属粉末から構成され、所定の形状を有するように形成されていれば特に制限されない。本実施形態では、軟磁性金属粉末と結合剤としての樹脂とを含み、当該軟磁性金属粉末を構成する軟磁性金属粒子同士が樹脂を介して結合することにより所定の形状に固定されている。また、当該圧粉磁心は、上述した軟磁性金属粉末と他の磁性粉末との混合粉末から構成され、所定の形状に形成されていてもよい。
本実施形態に係る磁性部品は、上記の圧粉磁心を備えるものであれば特に制限されない。たとえば、所定形状の圧粉磁心内部に、ワイヤが巻回された空芯コイルが埋設された磁性部品であってもよいし、所定形状の圧粉磁心の表面にワイヤが所定の巻き数だけ巻回されてなる磁性部品であってもよい。本実施形態に係る磁性部品は、電源回路に用いられるパワーインダクタに好適である。
続いて、上記の磁性部品が備える圧粉磁心を製造する方法について説明する。まず、圧粉磁心を構成する軟磁性金属粉末を製造する方法について説明する。
本実施形態では、被覆部が形成される前の軟磁性金属粉末は、公知の軟磁性金属粉末の製造方法と同様の方法を用いて得ることができる。具体的には、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、回転ディスク法等を用いて製造することができる。また、単ロール法により得られる薄帯を機械的に粉砕して製造してもよい。これらの中では、所望の磁気特性を有する軟磁性金属粉末が得られやすいという観点から、ガスアトマイズ法を用いることが好ましい。
圧粉磁心は、上記の軟磁性金属粉末を用いて製造する。具体的な製造方法としては、特に制限されず、公知の方法を採用することができる。まず、被覆部を形成した軟磁性金属粒子を含む軟磁性金属粉末と、結合剤としての公知の樹脂とを混合し、混合物を得る。また、必要に応じて、得られた混合物を造粒粉としてもよい。そして、混合物または造粒粉を金型内に充填して圧縮成形し、作製すべき圧粉磁心の形状を有する成形体を得る。得られた成形体に対して、たとえば50〜200℃で熱処理を行うことにより、樹脂が硬化し軟磁性金属粒子が樹脂を介して固定された所定形状の圧粉磁心が得られる。得られた圧粉磁心に、ワイヤを所定回数だけ巻回することにより、インダクタ等の磁性部品が得られる。
まず、表1および2に示す組成を有する軟磁性金属から構成され、平均粒子径D50が表1および2に示す値である軟磁性金属粒子からなる粉末を準備した。まず、準備した粉末に対して、表1および2に示す第1の被覆部を構成する元素のターゲットを用いて粉末スパッタを行い、軟磁性金属粒子の表面を被覆し表1および2に示す元素から構成される第1の被覆部を形成した。本実施例では、第1の被覆部の厚みは1〜5nmの範囲内であった。なお、実験例1〜6、31、32、35〜39、50、51、60および61の試料には、第1の被覆部を形成しなかった。
実験番号53に係る試料に用いた軟磁性金属粉末に対して粉末スパッタを行う前に、当該軟磁性金属粉末を酸化雰囲気中で熱処理した以外は、実験例53と同様にして、第1の被覆部および第2の被覆部が形成された軟磁性金属粉末を得た。なお、熱処理条件を変更することにより、軟磁性金属粒子とCuとの間に形成される酸化物の種類を制御した。
第2の被覆部を形成するための粉末ガラスの組成を表4に示す組成とした以外は、実験例53と同様にして、軟磁性金属粉末を得た。得られた軟磁性金属粉末に対して、実験例53と同様の特性評価を行い、さらに、得られた軟磁性金属粉末を用いて、実験例53と同じ方法により、圧粉磁心を作製し、特性評価を行った。結果を表4に示す。
粉末スパッタ条件を変更して、第1の被覆部の被覆度を表5に示す範囲内に制御した以外は、実験例53と同様にして、軟磁性金属粉末を得た。得られた軟磁性金属粉末に対して、実験例53と同様の特性評価を行い、さらに、得られた軟磁性金属粉末を用いて、実験例53と同じ方法により、圧粉磁心を作製し、特性評価を行った。結果を表5に示す。
粉末スパッタ条件を変更して、第1の被覆部の厚みを表6に示す範囲内に制御した以外は、実験例53と同様にして、軟磁性金属粉末を得た。得られた軟磁性金属粉末に対して、実験例53と同様の特性評価を行い、さらに、得られた軟磁性金属粉末を用いて、実験例53と同じ方法により、圧粉磁心を作製し、特性評価を行った。結果を表6に示す。
これらの試料の粉末について、第2の被覆部を形成する前後に保磁力を測定した。保磁力は、φ6mm×5mmのプラスチックケースに20mgの粉末を入れ、パラフィンを融解、凝固させて固定したものを、東北特殊鋼製保磁力計(K-HC1000型)を用いて測定した。測定磁界は150kA/mとした。また、第2の被覆部が形成される前後の保磁力の比を算出した。結果を表7に示す。
実験番号53の軟磁性金属粒子において、非晶質中にナノ結晶を析出させるために行った熱処理条件を表8に示す条件とした以外は、実験例53と同様にして、第1の被覆部および第2の被覆部が形成された軟磁性金属粉末を得た。得られた軟磁性金属粉末に対して、実験例53と同様の特性評価を行い、さらに、得られた軟磁性金属粉末を用いて、実験例53と同じ方法により、圧粉磁心を作製し、特性評価を行った。結果を表8に示す。
2…軟磁性金属粒子
10…被覆部
11…第1の被覆部
12…第2の被覆部
Claims (9)
- Feを含む軟磁性金属粒子を複数含む軟磁性金属粉末であって、
前記軟磁性金属粒子の表面は被覆部により覆われており、
前記被覆部は、前記軟磁性金属粒子の表面から外側に向かって、第1の被覆部と、第2の被覆部と、をこの順に有し、
前記第1の被覆部は、Cu、W、MoおよびCrからなる群から選ばれる1つ以上の元素を含み、
前記第2の被覆部は、Pを含むことを特徴とする軟磁性金属粉末。 - 前記第1の被覆部は、Fe、Si、B、AlおよびNiからなる群から選ばれる1つ以上の元素の酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の軟磁性金属粉末。
- 前記第2の被覆部は、P、Si、BiおよびZnからなる群から選ばれる1つ以上の元素の化合物を主成分として含むことを特徴とする請求項1または2に記載の軟磁性金属粉末。
- 前記第1の被覆部は、前記軟磁性金属粒子の表面を覆っており、
前記第1の被覆部が前記軟磁性金属粒子の表面を被覆する割合を示す被覆度が50%以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の軟磁性金属粉末。 - 前記第1の被覆部の厚みが1nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の軟磁性金属粉末。
- 前記軟磁性金属粒子が結晶質を含み、平均結晶子径が1nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の軟磁性金属粉末。
- 前記軟磁性金属粒子が非晶質であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載に記載の軟磁性金属粉末。
- 請求項1から7のいずれかに記載の軟磁性金属粉末から構成される圧粉磁心。
- 請求項8に記載の圧粉磁心を備える磁性部品。
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