JP2019163561A - 内装用表面材 - Google Patents

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Abstract

【課題】成型性とトリミング性が共に優れる内装用表面材の提供を目的とする。【解決手段】繊維シートとバインダを備える内装用表面材のトリミング性は、内装用表面材における一方の主面の剛軟度と前記主面に対向して存在するもう一方の主面の剛軟度の差に影響を受けるものであること、具体的には、剛軟度の差が小さい(具体的には、剛軟度の差が1.6cm未満である)内装用表面材は、トリミング性に優れることを見出した。そのため、本発明の内装用表面材は、20%モジュラスの最大値が83N/3cm未満であるような、小さい力で伸び易く成型性に優れている内装用表面材であるにも関わらず、一方の主面の剛軟度と前記主面に対向して存在するもう一方の主面の剛軟度の差が1.6cm未満であることによって、トリミング性にも優れる。【選択図】なし

Description

本発明は内装用表面材に関する。
従来から自動車の内装用表面材として、繊維シートとバインダを備える内装用表面材が使用されている。このような構成の内装用表面材として本願出願人は、特開昭62−257472号公報に記載した「繊維ウェブの片面にニードルパンチ処理を施し、該ニードルパンチ処理を施した面にバインダーを含浸させたのち、カレンダー処理を施し、ついで該ニードルパンチ処理を施した面の反対面にタックの少ないバインダーを含浸させた内装用表皮材」(特許文献1)を提案した。
特開昭62−257472号公報
上述した従来技術にかかる内装用表面材は、繊維シートを構成中に備えており柔軟性に富む柔らかいものである。そのため、内装用表面材を加熱した型へ押し当て該型の形状を付与する成型工程へ供することによって、内装用表面材が伸びながら型の内部形状に沿って追従することで、意図した形状に成型した内装材を製造できる(成型性に優れている)ものであった。
しかし、成型工程へ供する前の工程である内装用表面材の大きさや形状を調整する工程において、内装用表面材を打ち抜き台上に乗せ型刃により打ち抜くと、打ち抜かれた内装用表面材の断面に、解れたように繊維が突出している部分が認められトリミング性に劣るものであった。
本願出願人は、内装用表面材がトリミング性に劣るという問題を解決するため、内装用表面材の構成繊維同士を固定するバインダの増量を検討した。
検討の結果、バインダを増量してなる内装用表面材はトリミング性に優れるものとなったが、同時に20%モジュラスの最大値が高くなり柔軟性に劣った。そのため、成型工程において、内装用表面材が伸び難いため型の内部形状に沿って追従し難く、意図した形状に成型した内装材を製造し難い成型性に劣る内装用表面材であった。
本発明は、成型性とトリミング性が共に優れる内装用表面材の提供を目的とする。
本発明は「繊維シートとバインダを備える内装用表面材であって、
20%モジュラスの最大値が83N/3cm未満であり、
一方の主面の剛軟度と前記主面に対向して存在するもう一方の主面の剛軟度の差が1.6cm未満である、内装用表面材。」である。
本願出願人は検討の結果、繊維シートとバインダを備える内装用表面材において、成型性とトリミング性は内装用表面材の構成繊維同士を固定するバインダの量にのみ依存するものではないことを見出した。
つまり、繊維シートとバインダを備える内装用表面材のトリミング性は、内装用表面材における一方の主面の剛軟度と前記主面に対向して存在するもう一方の主面の剛軟度の差に影響を受けるものであること、具体的には、剛軟度の差が小さい(具体的には、剛軟度の差が1.6cm未満である)内装用表面材は、トリミング性に優れることを見出した。
そのため、本発明の内装用表面材は、20%モジュラスの最大値が83N/3cm未満であるような、小さい力で伸び易く成型性に優れている内装用表面材であるにも関わらず、一方の主面の剛軟度と前記主面に対向して存在するもう一方の主面の剛軟度の差が1.6cm未満であることによって、トリミング性にも優れる。
本発明では、例えば以下の構成など、各種構成を適宜選択できる。
本発明の内装用表面材は、繊維シートとバインダを備えた構造を有している。
本発明でいう繊維シートとは、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編物などの、シート状の繊維集合体である。
本発明の内装用表面材は、繊維シート(特に、繊維ウェブや不織布)を含んでいるため柔軟性に富む柔らかいものであり、内装用表面材を加熱した型へ押し当て該型の形状を付与する成型工程へ供することによって、内装用表面材が伸びながら型の内部形状に沿って追従することで、意図した形状に成型した内装材を製造でき成型性に優れている。
繊維シートの構成繊維は、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など、公知の有機樹脂を用いて構成できる。
なお、これらの有機樹脂は、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、また有機樹脂がブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、また有機樹脂の立体構造や結晶性の有無がいかなるものでも、特に限定されるものではない。更には、多成分の有機樹脂を混ぜ合わせたものでも良い。
なお、内装用表面材に難燃性が求められる場合には、繊維シートの構成繊維が難燃性の有機樹脂を含んでいるのが好ましい。このような難燃性の有機樹脂として、例えば、モダアクリル樹脂、ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ノボロイド樹脂、ポリクラール樹脂、リン化合物を共重合したポリエステル樹脂、ハロゲン含有モノマーを共重合したアクリル樹脂、アラミド樹脂、ハロゲン系やリン系又は金属化合物系の難燃剤を練り込んだ樹脂などを挙げることができる。
また、難燃剤を担持した内装用表面材であってもよい。
構成繊維は、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
構成繊維は、一種類の有機樹脂から構成されてなるものでも、複数種類の有機樹脂から構成されてなるものでも構わない。複数種類の有機樹脂から構成されてなる繊維として、一般的に複合繊維と称される、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、バイメタル型などの態様であることができる。
また、構成繊維は、略円形の繊維や楕円形の繊維以外にも異形断面繊維を含んでいてもよい。なお、異形断面繊維として、中空形状、三角形形状などの多角形形状、Y字形状などのアルファベット文字型形状、不定形形状、多葉形状、アスタリスク形状などの記号型形状、あるいはこれらの形状が複数結合した形状などの繊維断面を有する繊維であってもよい。
繊維シートが構成繊維として熱融着性繊維を含んでいる場合には、繊維同士を熱融着することによって、繊維シートに強度と形態安定性を付与でき好ましい。このような熱融着性繊維は、全融着型の熱融着性繊維であっても良いし、上述した複合繊維のような態様の一部融着型の熱融着性繊維であっても良い。熱融着性繊維において熱融着性を発揮する成分(有機樹脂)として、例えば、低融点ポリオレフィン系樹脂や低融点ポリエステル系樹脂を含む熱融着性繊維などを適宜選択して使用することができる。
繊維シートが捲縮性繊維を含んでいる場合には、伸縮性が増して金型への追従性に優れ好ましい。このような捲縮性繊維として、例えば、潜在捲縮性繊維の捲縮を発現した捲縮性繊維やクリンプを有する繊維などを使用することができる。
また、繊維シートが加熱することで捲縮を発現する潜在捲縮性繊維を含んでいてもよい。
繊維シートが繊維ウェブや不織布である場合、例えば、上述の繊維をカード装置やエアレイ装置などに供することで繊維を絡み合わせる乾式法、繊維を溶媒に分散させシート状に抄き繊維を絡み合わせる湿式法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法、紡糸原液と気体流を平行に吐出して紡糸する方法(例えば、特開2009−287138号公報に開示の方法)など)を用いて繊維の紡糸を行うと共にこれを捕集する方法、などによって調製できる。
調製した繊維ウェブの構成繊維を絡合および/または一体化させて不織布を調製できる。構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法として、例えば、ニードルや水流によって絡合する方法、繊維ウエブを加熱処理へ供するなどしてバインダあるいは接着繊維によって構成繊維同士を接着一体化あるいは溶融一体化させる方法などを挙げることができる。
なお、ニードルや水流によって絡合する方法を採用し、繊維シートの一方側からニードルや水流などの絡合手段を作用させて調製された繊維シートにおいて、絡合手段を作用させた側の主面を、本発明に係る内装用表面材におけるもう一方の主面(B)側とするのが好ましい。ニードルや水流などの絡合手段を作用させた側の主面は、絡合手段による孔や筋などの絡合跡が残る主面となるため該主面は、車両空間や建物空間などへ露出しない側の主面(本発明に係る内装用表面材におけるもう一方の主面(B)側)とするのが好ましい。
また、後述するバインダによって繊維ウェブの構成繊維同士を固定して一体化することで、不織布を調製してもよい。
繊維シートが織物や編物である場合、上述のようにして調製した繊維を織るあるいは編むことで、織物や編物を調製できる。
なお、繊維ウェブ以外にも不織布あるいは織物や編物など繊維シートを、上述した構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法へ供しても良い。
繊維シートの構成繊維の繊度は特に限定するものではないが、適度な剛性を有する内装用表面材を提供できるように、1dtex以上であるのが好ましく、1.5dtex以上であるのがより好ましく、2dtex以上であるのがより好ましい。他方、均質な地合いの内装材を調製可能であると共に柔軟性に富む柔らかい内装用表面材となるように、100dtex以下であるのが好ましく、50dtex以下であるのがより好ましく、30dtex以下であるのがより好ましく、10dtex以下であるのが更に好ましい。
また、繊維シートの構成繊維の繊維長も特に限定するものではないが、適度な剛性を有する内装用表面材を提供できるように、20mm以上であるのが好ましく、25mm以上であるのがより好ましく、30mm以上であるのが更に好ましい。他方、繊維長が110mmを超えると、繊維シートの調製時に繊維塊が形成される傾向があり均質な地合いの内装材を調製可能であると共に柔軟性に富む柔らかい内装用表面材の提供が困難となるおそれがあることから、110mm以下であるのが好ましく、60mm以下であるのがより好ましい。
なお、「繊維長」は、JIS L1015(2010)、8.4.1c)直接法(C法)に則って測定した値をいう。
繊維シートの、例えば、厚さ、目付などの諸構成は、特に限定されるべきものではなく適宜調整する。
繊維シートの厚さは、0.5〜5mmであるのが好ましく、1〜3mmであるのがより好ましく、1.1〜1.9mmであるのが最も好ましい。また、繊維シートの目付は、例えば、50〜500g/mであるのが好ましく、80〜300g/mであるのがより好ましく、100〜250g/mであるのが最も好ましい。
なお、本発明において厚さとは主面と垂直方向へ20g/cm圧縮荷重をかけた時の該垂直方向の長さをいい、目付とは測定対象物の最も広い面積を有する面(主面)における1mあたりの質量をいう。
内装用表面材を構成するバインダは、繊維シートの構成繊維同士を固定する役割を担うものであり、該構成繊維の表面の一部あるいは全体に、皮膜状や粒子状あるいは不定形で存在する態様であることができる。
また、バインダは繊維シートの全体に均一的に存在していても、一方の主面からもう一方の主面に向い存在量が減少するあるいは増量するように存在していても、一方の主面側あるいはもう一方の主面側のみに存在していてもよい。
本発明が規定する物性を備えた内装用表面材は、バインダが繊維シートにおける一方の主面(A)からもう一方の主面(B)に向い存在量が増量するように存在するのが好ましい。このような態様の内装用表面材は、一方側からニードルや水流などの絡合手段を作用させて調製された繊維シートにおける、絡合手段を作用させた側の主面(もう一方の主面(B))にバインダ液(特に、泡立てたバインダ液)を付与することで調製できる。
内装用表面材を構成するバインダの種類は適宜選択するが、例えば、ポリオレフィン(変性ポリオレフィンなど)、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリレート共重合体、各種ゴムおよびその誘導体[スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)など]、セルロース誘導体[カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど]、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)、アクリル系樹脂などを使用できる。
バインダがアクリル系樹脂を含有していると、金型を用いたヒートプレス等の熱成型時に適度に軟化するため、金型への追従性に優れる内装用表面材を提供でき好ましい。
また、バインダは上述した樹脂以外にも、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤などの添加剤を含有していてもよい。
繊維シートに含まれるバインダの目付(固形分目付)は適宜選択するが、バインダ量が多いほどトリミング性に優れる内装用表面材を提供し易いものの、バインダ量が多過ぎると20%モジュラスの最大値が低く柔軟性に富む内装用表面材を提供し難い傾向がある。そのため、バインダの目付は、50g/m以下であるのが好ましく、30g/m以下であるのが好ましく、20g/m以下であるのが好ましく、15g/m以下であるのが好ましい。
一方、バインダ量が少ないほど20%モジュラスの最大値が低く柔軟性に富む内装用表面材を提供し易いものの、バインダ量が少な過ぎるとトリミング性に優れる内装用表面材を提供し難い傾向がある。そのため、バインダの目付は、2g/m以上であるのが好ましい。
本発明の内装用表面材は繊維シートとバインダ以外の構成として、更にはプリント層を備えていても良い。
ここでいうプリント層とは、繊維シートとバインダからなる構成物の一方の主面上に存在する、樹脂を含有する層を指す。
プリント層を構成する樹脂の種類は適宜選択でき、上述したバインダと同様の樹脂を採用することができる。特に、金型を用いたヒートプレス等の熱成型時に適度に軟化するため、金型への追従性に優れる内装用表面材を提供できることから、プリント層を構成する樹脂がアクリル系樹脂を含んでいるのが好ましい。
なお、プリント層はその構成樹脂以外に、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤などの添加剤を含有していてもよい。特に、プリント層が顔料を含有している場合には、意匠性に優れる内装用表面材を提供でき好ましい。なお、プリント層は該構成物の一方の主面上(特に、車両空間や建物空間などへ露出する側の主面上)に存在している態様であっても、両主面上に存在している態様であってもよい。
また、繊維シートとバインダからなる構成物の一方の主面上に存在するプリント層の態様は適宜選択でき、該主面全面を覆うように存在している態様、線状やドット状あるいは不定形状などの柄を形成するように該主面の一部を覆い存在している態様であることができる。また、プリント層は一種類の樹脂を含有する層を備えていても、一種類あるいは複数種類の樹脂を含有する層を複数備えていても良く、具体的には、柄あるいは構成樹脂や含有物が同一あるいは異なるプリント層を複数備えていても良い。
なお、プリント層は繊維シートとバインダからなる構成物の両主面上に存在していても良い。
また、プリント層は繊維シートとバインダからなる構成物の主面上にのみ存在する態様以外にも、プリント層を構成する樹脂などの成分の一部が、繊維シートとバインダからなる構成物の構成繊維間に侵入している態様であってもよい。
プリント層の目付は適宜選択するが、例えば、2〜50g/mであることができ、10〜30g/mであることができる。
本発明に係る内装用表面材は、20%モジュラスの最大値が83N/3cm未満であることを特徴としている。なお、20%モジュラスの最大値が83N/3cm未満であるか、以下の方法へ測定対象を供することで判断できる。
(20%モジュラスの測定方法)
(1)測定対象から短冊状の試料C(長辺:200mm、短辺(長編と垂直をなす):30mm)を、合計3枚採取した。なお、測定対象の生産方向と長辺方向が平行となるようにして、測定対象から短冊状の試料Cを採取した。
(2)前記試料Cを引張り強さ試験機(オリエンテック製、テンシロンUTM−III−100(登録商標))のチャック間(距離:100mm)に固定し、引張り速度200mm/min.で引っ張り、チャック間距離が120mmとなった時(20%伸長時)の応力を測定した。調製した3枚の試料Cについて各々該応力を測定し、その算術平均を測定対象における縦方向の20%モジュラス(単位:N/3cm)とした。
(3)測定対象から短冊状の試料D(長辺:200mm、短辺(長編と垂直をなす):30mm)を、合計3枚採取した。なお、測定対象の生産方向と短辺方向が平行となるようにして、測定対象から短冊状の試料Dを採取した。
(4)前記試料Dを上述(2)と同じ測定へ供することで、20%伸長時の応力を測定した。調製した3枚の試料Dについて各々該応力を測定し、その算術平均を測定対象における横方向の20%モジュラス(単位:N/3cm)とした。
(5)測定対象における縦方向および横方向の20%モジュラスのうち、高い値を20%モジュラスの最大値とした。
上述の方法へ供した結果、20%モジュラスの最大値が83N/3cm未満である内装用表面材は、柔軟性に富む柔らかいものであり、内装用表面材を加熱した型へ押し当て該型の形状を付与する成型工程へ供することによって、内装用表面材が伸びながら型の内部形状に沿って追従することで、意図した形状に成型した内装材を製造でき成型性に優れているものである。
20%モジュラスの最大値が低いほど上述の機能に優れるため、20%モジュラスの最大値は80N/3cm以下であるのが好ましく、75N/3cm以下であるのが好ましく、70N/3cm以下であるのが好ましく、65N/3cm以下であるのが好ましく、63N/3cm以下であるのが好ましい。下限値は適宜選択するが、20%モジュラスの最大値が低過ぎるとトリミング時に、柔らか過ぎることで内装用表面材が意図せず変形する恐れがあるため、20%モジュラスの最大値は10N/3cm以上であるのが好ましく、20N/3cm以上であるのが好ましく、26N/3cm以上であるのが好ましい。
内装用表面材における、縦方向および横方向の引張強度(単位:N/3cm)は適宜選択するが、下限値は121N/3cm以上であるのが好ましく、上限値は196N/3cm以下であるのが好ましく、186N/3cm以下であるのが好ましい。
なお、内装用表面材における縦方向および横方向の引張強度は、上述した(20%モジュラスの測定方法)において、20%伸長時の応力の代わりに試料が破断するまでに計測された各試料Cおよび各試料Dの最大応力の各値の平均値を、各試料Cおよび各試料Dごとに算出し引張強度とした。
また、内装用表面材における、縦方向および横方向の引張伸度(単位:%)は適宜選択するが、下限値は53%よりも高いのが好ましく、64%以上であるのが好ましい。一方、上限値は120%以下であるのが好ましい。
なお、内装用表面材における縦方向および横方向の引張伸度は、引張強度の測定時における試料が破断した時のチャック間距離を以下式に算入することで算出でき、各試料Cおよび各試料Dが破断した時の各チャック間距離の平均値を、各試料Cおよび各試料Dごとに算出し引張伸度とした。
引張伸度(%)=100×{(E/100)−1}
E:試料が破断した時のチャック間距離(単位:mm)
更に、本発明に係る内装用表面材は、一方の主面の剛軟度と前記主面に対向して存在するもう一方の主面の剛軟度の差が1.6cm未満であることを特徴としている。なお、一方の主面の剛軟度と前記主面に対向して存在するもう一方の主面の剛軟度の差が1.6cm未満であるか、以下の方法へ測定対象を供することで判断できる。
(剛軟度の測定方法)
JIS L1096:2010(織物及び編物の生地試験方法)8.21.1のA法(45°カンチレバー法)に則って測定した。具体的には、調製した試料における一方の主面(A)が測定装置の斜面側に向くよう設置し、測定した結果を一方の主面(A)における剛軟度(単位:cm)とした。また、調製した試料におけるもう一方の主面(B)が測定装置の斜面側に向くよう設置し、測定した結果をもう一方の主面(B)における剛軟度(単位:cm)とした。
一方の主面(A)の剛軟度と前記主面に対向して存在するもう一方の主面(B)の剛軟度の差が1.6cm未満であることによって、トリミング性にも優れる内装用表面材を実現できる。
剛軟度の差が小さいほどトリミング性に優れる内装用表面材となることから、剛軟度の差は1.5cm以下であるのが好ましく、1.4cm以下であるのが好ましく、1.3cm以下であるのが好ましく、1.3cm未満であるのが好ましく、1.2cm以下であるのが好ましく、1.1cm以下であるのが好ましく、1cm以下であるのが好ましく、0cmが最高値である。下限値は適宜選択できるが、0cm以上となる。
本発明に係る内装用表面材における主面の剛軟度は適宜選択するが、主面の剛軟度が高すぎると20%モジュラスの最大値が高くなり、成型性に優れる内装用表面材を提供するのが困難となる。そのため、本発明に係る内装用表面材における主面の剛軟度は、30cm以下であるのが好ましく、25cm以下であるのが好ましく、20cm以下であるのが好ましく、19.1cm未満であるのが好ましい。また、主面の剛軟度が低すぎるとトリミング性に優れる内装用表面材を提供するのが困難となる。そのため、本発明に係る内装用表面材における主面の剛軟度は、5cm以上であるのが好ましく、10cm以上であるのが好ましく、12.5cmより高いのが好ましく、14.1cmより高いのが好ましい。
更に、一方の主面(A)およびもう一方の主面(B)のショア硬度は、トリミング性に優れる内装用表面材を提供できるよう20以上であるのが好ましく、23より高いのが好ましく、24以上であるのが好ましい。なお、ここでいうショア硬度は、JIS K7215(プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法)に則って、タイプAデュロメーターを用いて測定を行い得られた値をいう。
具体的には、調製した試料が6mm以上の厚さを有する場合には、該試料を単体でショア硬度の測定へ供する。また、調製した試料が6mm未満の厚さを有する場合には、該試料を同方向へ積層して厚さが6mm以上の積層体を用意し、該試料の積層体をショア硬度の測定へ供する。
そして、用意した試料単体あるいは試料の積層体の、一方の主面(A)に対してデュロメーターを押し付けた際に測定された結果を、試料の一方の主面(A)におけるショア硬度とした。
また、用意した試料単体あるいは試料の積層体の、もう一方の主面(B)に対してデュロメーターを押し付けた際に測定された結果を、試料のもう一方の主面(B)におけるショア硬度とした。
内装用表面材の厚さは適宜選択するが、2.5mm以下であることができ、2.0mm以下であることができ、1.4mm以下であることができる。一方、厚さの下限値は適宜調整するが、0.5mm以上であるのが現実的である。
内装用表面材の目付は適宜選択するが、500g/m以下であることができ、250g/m以下であることができる。一方、目付の下限値は適宜調整するが、10g/m以上であるのが現実的である。
内装用表面材の見掛密度は、吸音性能やクッション性などから適宜選択でき、0.101g/cm〜0.114g/cmであることができる。
本発明の内装用表面材は、更に別の多孔体、フィルム、発泡体などの構成部材を備えていてもよい。これらの構成部材は内装用表面材における、一方の主面(A)側あるいはもう一方の主面(B)側に積層して備えることができる。
次に、本発明の内装用表面材の製造方法について説明する。なお、上述の内装用表面材について説明した項目と構成を同じくする点については説明を省略する。
本発明にかかる内装用表面材の製造方法は適宜選択することができるが、一例として、
(1)繊維シートを用意する工程、
(2)バインダ溶液やバインダエマルジョンなどのバインダ液を用意する工程、
(3)繊維シートにバインダ液を付与する工程、
(4)バインダ液を付与した繊維シートから、バインダ液の溶媒あるいは分散媒を除去する工程を備える、内装用表面材の製造方法を挙げることができる。
まず、(1)繊維シートを用意する工程、について説明する。
繊維シートとして、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編み物などの、シート状の布帛を用意する。繊維シートにおける構成繊維の繊度や繊維長、繊維シートの厚さや目付は上述した数値のものを採用することができる。
次いで、(2)バインダ溶液やバインダエマルジョンなどのバインダ液を用意する工程、について説明する。
バインダ液を構成するバインダの種類や溶媒あるいは分散媒の種類、そして、バインダ液の粘度やバインダ液におけるバインダ濃度は、繊維シートへ好適にバインダ液を塗布できるよう、適宜選択する。なお、バインダ液がアクリル系樹脂バインダを含有していると、金型を用いたヒートプレス等の熱成型時に適度に軟化するため、金型への追従性に優れる内装用表面材を提供でき好ましい。
また、バインダ液には、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤などの添加剤を溶解あるいは分散させ、含有させてもよい。
そして、(3)繊維シートにバインダ液を付与する工程、について説明する。
繊維シートへバインダ液を付与する方法は適宜選択できるが、繊維シートの一方の主面(A)、あるいは、もう一方の主面(B)にバインダ液をそのまま、あるいは泡立てた状態で、スプレーや含浸ロールなどを用いて散布あるいは塗布する方法、繊維シートをバインダ液中に浸漬する方法などを採用することができる。
更に、繊維シートにおける一方の主面(A)からもう一方の主面(B)に向い、存在量が増量するようにバインダが存在することにより、本発明が規定する物性を備えた内装用表面材を提供し易いことから、繊維シートにおけるもう一方の主面(B)にバインダ液をそのまま、あるいは泡立てた状態で付与するのが好ましい。特に、繊維シートの一方側からニードルや水流などの絡合手段を作用させて調製された繊維シートに対し、絡合手段を作用させた側の主面(もう一方の主面(B))にバインダ液(特に、泡立てたバインダ液)を付与することで、より本発明が規定する物性を備えた内装用表面材を提供し易くなり好ましい。
繊維シートに付与するバインダ液の態様は適宜選択できるが、主面上全てを被覆するように付与する方法、主面上に模様を形成するようにプリントや捺染して付与する方法などを選択できる。なお、一種類のバインダ液を一回あるいは複数回付与しても良い。また、複数回バインダ液を付与する場合には、付与する各バインダ液の組成や付与態様(模様や量など)は異なっていても良い。
更に、(4)バインダ液を付与した繊維シートから、バインダ液の溶媒あるいは分散媒を除去する工程、について説明する。
溶媒あるいは分散媒を除去する方法は適宜選択できるが、例えば、ロールにより加熱または加熱加圧する方法、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供し加熱する、室温雰囲気下や減圧雰囲気下に静置するなどして、溶媒あるいは分散媒を蒸発させ除去できる。
加熱することで溶媒あるいは分散媒を除去する際の加熱温度は溶媒あるいは分散媒が揮発可能な温度であると共に、繊維シートやバインダなど構成部材の形状や機能などが意図せず低下することがないよう、加熱温度の上限を選択する。
なお、繊維シートが繊維ウェブの場合には、本(4)工程によって構成繊維同士を接着する(溶融したバインダで接着する、あるいは、構成繊維に含まれる熱可塑性成分を溶融させ接着する)ことで、不織布を形成してもよい。
以上の工程における(3)と(4)の工程間あるいは(4)の工程後に、(5)繊維シートとバインダからなる構成物の主面上にプリント層を形成する工程を設けても良い。
プリント層は樹脂を含有する層を指すものであり、該構成物の一方の主面上に樹脂を含有したプリント液(樹脂溶液あるいは樹脂分散液)を付与し、プリント液から溶媒あるいは分散媒を除去することで、該構成物の主面上にプリント層を設けることができる。
プリント液を構成する樹脂や溶液あるいは分散媒の種類、添加剤の種類、付与方法や付与の態様、そして、プリント液から溶媒あるいは分散媒を除去する方法は適宜選択でき、(2)〜(4)の工程において説明した構成と同様の構成や方法を採用できる。
特に、プリント液が顔料を含有している場合には、意匠性に優れる内装用表面材を提供でき好ましい。なお、プリント液は該構成物の一方の主面上に付与されても、両主面上に付与されてもよい。
更に、以上の工程における(3)の工程後や(4)の工程後、あるいは(5)の工程後に、リライアントプレス処理などの表面を平滑とするため、あるいは見掛密度やショア硬度を調整するため、繊維シートや内装用表面材を加圧処理する工程へ供してもよい。加圧方法や加圧条件は適宜選択でき、必要であれば加熱加圧処理してもよい。なお、繊維シートやバインダなど構成部材の形状や機能などが意図せず低下することがないよう、加圧条件や加熱温度の上限を選択する。
上述の製造方法を用いることで、本発明に係る内装用表面材を製造することができる。
上述の内装用表面材の製造方法では、更に別の多孔体、フィルム、発泡体などの構成部材を積層する工程、用途や使用態様に合わせて形状を打ち抜くなどして加工する工程、などの、各種二次工程を経て内装用表面材を製造してもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
(繊維シートの調製)
原着ポリエステル繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm、繊維の色:グレー)を100%用いて、カード機により開繊して繊維ウエブを形成した後、片面から針密度400本/mでニードルパンチ処理を施した。その後ニードルパンチ処理を施した繊維ウェブを、熱ロール間(ギャップ間隔:0.4mm、ロール加熱温度:175℃)へ供することで、繊維シートであるニードルパンチ不織布A(目付:120g/m)を合計11枚調製した。
更に、原着ポリエステル繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm、繊維の色:グレー)を100%用いて、カード機により開繊して繊維ウエブを形成した後、片面から針密度400本/mでニードルパンチ処理を施した。その後ニードルパンチ処理を施した繊維ウェブを、熱ロール間(ギャップ間隔:0.8mm、ロール加熱温度:165℃)へ供することで、繊維シートであるニードルパンチ不織布B(目付:130g/m)を調製した。
(バインダ液の調製)
以下に記載の割合で配合し、バインダ液Aを調製した。
・アクリル酸エステルバインダ(ボンコート(登録商標)E−240N、DIC社製、Tg:−5℃。固形分濃度:45質量%):15.6部
・増粘剤[ネオゲン(登録商標)S−20D、第一工業製薬社製]・・・1.5部
・界面活性剤(セロゲン(登録商標)WS−C、第一工業製薬社製)・・・0.2部
・25%アンモニア水(大盛化工株式会社製):0.1部
・水:82.6部
また、以下に記載の割合で配合し、バインダ液Bを調製した。
・アクリル酸エステルバインダ(ボンコート(登録商標)E−240N、DIC社製、Tg:−5℃。固形分濃度:45質量%):11.8部
・アクリル酸エステルバインダ(ボンコート(登録商標)AN−1190S、DIC社製、Tg:25℃。固形分濃度:45質量%):4.0部
・増粘剤[ネオゲン(登録商標)S−20D、第一工業製薬社製]・・・1.0部
・界面活性剤(セロゲン(登録商標)WS−C、第一工業製薬社製)・・・0.2部
・25%アンモニア水(大盛化工株式会社製):0.1部
・水:82.9部
さらに、以下に記載の割合で配合し、バインダ液Cを調製した。
・アクリル酸エステルバインダ(ボンコート(登録商標)E−240N、DIC社製、Tg:−5℃。固形分濃度:45質量%):24.0部
・増粘剤[ネオゲン(登録商標)S−20D、第一工業製薬社製]・・・2.0部
・界面活性剤(セロゲン(登録商標)WS−C、第一工業製薬社製)・・・0.1部
・25%アンモニア水(大盛化工株式会社製):0.1部
・水:73.8部
(実施例1〜9)
9枚のニードルパンチ不織布Aのニードルパンチを施した側の各主面(B)に、泡立てたバインダ液Aを塗布した。その後、ロール間(ギャップ間隔:0.25mm)へ供した後、温度160℃のキャンドライヤーで乾燥することで、実施例1〜9の内装用表面材として、ニードルパンチ不織布Aの構成繊維同士をバインダ液A由来のバインダで固定してなる内装用表面材を調製した。
なお、調製した各内装用表面材に占めるバインダ液A由来の固形分目付が10g/mとなるよう、バインダ液Aを各ニードルパンチ不織布Aへ塗布することを試みて、内装用表面材を調製した。
(比較例1)
ニードルパンチ不織布Aのニードルパンチを施した側の主面(B)と反対側の主面(A)に、泡立てたバインダ液Bを塗布した。その後、ロール間(ギャップ間隔:0.25mm)へ供した後、温度160℃のキャンドライヤーで乾燥することで、ニードルパンチ不織布Aの構成繊維同士をバインダ液B由来のバインダで固定してなる内装用表面材を調製した。
なお、調製した各内装用表面材に占めるバインダ液B由来の固形分目付が10g/mとなるよう、バインダ液Bをニードルパンチ不織布Aへ塗布することを試みて、内装用表面材を調製した。
(比較例2)
ニードルパンチ不織布Bを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、ニードルパンチ不織布Bの構成繊維同士をバインダ液B由来のバインダで固定してなる内装用表面材を調製した。
なお、調製した各内装用表面材に占めるバインダ液B由来の固形分目付が10g/mとなるよう、バインダ液Bをニードルパンチ不織布Bへ塗布することを試みて、内装用表面材を調製した。
(比較例3)
ニードルパンチ不織布Aのニードルパンチを施した側の各主面(B)に、泡立てたバインダ液Cを塗布した。その後、ロール間(ギャップ間隔:0.25mm)へ供した後、温度160℃のキャンドライヤーで乾燥することで、比較例3の内装用表面材として、ニードルパンチ不織布Aの構成繊維同士をバインダ液C由来のバインダで固定してなる内装用表面材を調製した。
なお、調製した各内装用表面材に占めるバインダ液C由来の固形分目付が20g/mとなるよう、バインダ液Cをニードルパンチ不織布Aへ塗布することを試みて、内装用表面材を調製した。
なお、このようにして調製した実施例の内装用表面材は、一方の主面(A)からもう一方の主面(B、ニードルパンチ不織布のニードリングを施した側の主面由来の主面)に向い、バインダの存在量が増量するように存在するものであったのに対し、比較例の内装用表面材は、一方の主面(A)からもう一方の主面(B、ニードルパンチ不織布のニードリングを施した側の主面由来の主面)に向い、バインダの存在量が減量するように存在するものであった。
上述のようにして調製した、実施例および比較例の各内装用表面材における、各種構成と各種物性を測定し表1にまとめた。なお、表1のショア硬度の欄において、−印を記載した欄はショア硬度の測定を行わなかったことを意味する。
また、内装用表面材のトリミング性は、実施例および比較例の各内装用表面材を以下の測定方法へ供することで評価した。
(トリミング性の評価方法)
(1)内装用表面材から円形試験片(直径:約130mm)を打ち抜いた。
(2)打ち抜かれた内装用表面材の断面を目視で確認し、以下の基準でトリミング性を評価した。
○・・・内装用表面材の断面から解れたように繊維が突出している部分(断面から繊維が2mm以上の長さで突出している部分)は認められなかった。そのため、該内装用表面材はトリミング性に優れると評価した。
×・・・内装用表面材の断面から解れたように繊維が突出している部分(断面から繊維が2mm以上の長さで突出している部分)が認められた。そのため、該内装用表面材はトリミング性に劣ると評価した。
Figure 2019163561
評価結果から、比較例1−2の内装用表面材は、20%モジュラスの最大値が83N/3cm未満であるような、小さい力で伸び易く成型性に優れている内装用表面材ではあるものの、トリミング性に劣る内装用表面材であった。
また、比較例3の内装用表面材は、トリミング性に優れる内装用表面材ではあるものの、20%モジュラスの最大値が83N/3cmと高いため伸び難く、実施例や比較例1〜2の内装用表面材よりも成型性に劣る内装用表面材であった。
一方、比較例に対し実施例の内装用表面材は、20%モジュラスの最大値が83N/3cm未満であるような、小さい力で伸び易く成型性に優れている内装用表面材であるにも関わらず、トリミング性にも優れる内装用表面材であった。
この理由として本発明の内装用表面材は、一方の主面の剛軟度と前記主面に対向して存在するもう一方の主面の剛軟度の差が1.6cm未満であるためだと考えられた。
以上から、本発明にかかる構成を備える内装用表面材であることによって、成型性とトリミング性が共に優れる内装用表面材を提供できた。
本発明の内装用表面材は、より触感に優れているため、天井、ドアサイド、ピラーガーニッシュ、リヤパッケージなど自動車用;パーティションなどのインテリア用;壁装材などの建材用に、好適に使用することができる。

Claims (1)

  1. 繊維シートとバインダを備える内装用表面材であって、
    20%モジュラスの最大値が83N/3cm未満であり、
    一方の主面の剛軟度と前記主面に対向して存在するもう一方の主面の剛軟度の差が1.6cm未満である、内装用表面材。
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