JP2020041241A - 内装用表面材 - Google Patents

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Yoshinaga Otaki
善永 大滝
小林 正樹
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正樹 小林
利晃 廣橋
Toshiaki Hirohashi
利晃 廣橋
健吾 野口
Kengo Noguchi
健吾 野口
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Abstract

【課題】本発明は、トリミング性に優れる内装材を調製可能な内装用表面材の提供を目的とする。【解決手段】本願出願人は検討の結果、構成繊維同士が接着成分により一体化している繊維シートを備える内装用表面材を成型工程へ供してなる内装材のトリミング性は、内装用表面材を構成する繊維の組成や、内装用表面材の構成繊維同士の絡合の程度、あるいは、内装用表面材を構成する繊維同士の一体化程度にのみ依存するものではないことを見出した。そして、本構成の繊維シートを備える内装用表面材において、本発明にかかる加熱処理を施した後の、目付単位あたりにおけるタテ方向の引裂強度とヨコ方向の引裂強度の平均値が0.21未満となる内装用表面材を用いることで、トリミング性に優れる内装材を提供できることを見出した。【選択図】なし

Description

本発明は内装用表面材に関する。
従来から自動車の内装用表面材として、構成繊維同士が接着成分(例えば、バインダや接着繊維など)により一体化した繊維シートを備える内装用表面材が使用されている。このような構成の内装用表面材として本願出願人は、特開昭62−257472号公報に記載した「繊維ウェブの片面にニードルパンチ処理を施し、該ニードルパンチ処理を施した面にバインダーを含浸させたのち、カレンダー処理を施し、ついで該ニードルパンチ処理を施した面の反対面にタックの少ないバインダーを含浸させた内装用表皮材」(特許文献1)を提案した。
特開昭62−257472号公報
従来技術にかかる内装用表面材は、繊維シートを備えており柔軟性に富む柔らかいものである。そのため、該内装用表面材を加熱した型へ押し当て該型の形状を付与する成型工程へ供することによって、内装用表面材が伸びながら型の内部形状に沿って追従して、意図した形状に成型した内装材を製造できる(成型性に優れている)ものであった。
しかし、調製した内装材を求める形状とするため、打ち抜き台上に乗せ型刃により打ち抜くと、打ち抜かれた内装材の断面に解れたように繊維が突出している部分が認められ、トリミング性に劣るものであった。
本発明は、トリミング性に優れる内装材を調製可能な内装用表面材の提供を目的とする。
本発明は「構成繊維同士が接着成分により一体化している繊維シートを備える内装用表面材であって、
下記条件で加熱処理を施した後の、目付単位あたりにおけるタテ方向の引裂強度とヨコ方向の引裂強度の平均値が0.21未満となる、内装用表面材。

1.内装用表面材をヒートプレス機へ供し、加熱温度200℃に調整した上側加熱平板および下側加熱平板で前記内装用表面材を挟み込み5秒間加熱した、なお、加熱中の前記上側加熱平板および前記下側加熱平板のギャップ距離は1.0mmであった、
2.前記ヒートプレス装置から加熱処理を施した前記内装用表面材を取り出し、室温(25℃)雰囲気下に置くことで冷却し、加熱処理を施した後の内装用表面材を調製した、」である。
本願出願人は検討の結果、構成繊維同士が接着成分により一体化している繊維シートを備える内装用表面材を成型工程へ供してなる内装材のトリミング性は、内装用表面材を構成する繊維の組成や、内装用表面材の構成繊維同士の絡合の程度、あるいは、内装用表面材を構成する繊維同士の一体化程度にのみ依存するものではないことを見出した。
そして、本構成の繊維シートを備える内装用表面材において、本発明にかかる加熱処理を施した後の、目付単位あたりにおけるタテ方向の引裂強度とヨコ方向の引裂強度の平均値が0.21未満となる内装用表面材を用いることで、トリミング性に優れる内装材を提供できることを見出した。
この理由は完全に明らかにできていないが、トリミング性に優れる内装材を提供するためには、型刃により内装材へ力(張力)を作用させ打ち抜く際に、型刃により形成される切目を始点として、容易に分断し易い構造を有する内装材を実現する必要がある。
そして、上述した構造を備える内装材を実現するためには、形成される切目を始点として少ない張力によって分断し易い構造を有する内装用表面材を用いて、内装材を調製する必要があることを見出した。更に、該構造を備える内装用表面材であるか否かは、本発明にかかる加熱処理を施した後の、内装用表面材における目付単位あたりにおけるタテ方向の引裂強度とヨコ方向の引裂強度の平均値により評価できることを見出した。
以上から本発明によって、トリミング性に優れる内装材を提供できる。
本発明では、例えば以下の構成など、各種構成を適宜選択できる。
本発明の内装用表面材は、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編物などの、シート状の繊維集合体である繊維シートを備えている。そして、本発明にかかる繊維シートは、繊維シートを構成する繊維同士が接着成分により一体化された態様をしている。例えば、バインダや繊維シート中に含まれる熱接着性繊維などにより、繊維シートの主骨格をなす繊維同士が接着し固定された態様をしている。
本発明の内装用表面材は、繊維シート(特に、繊維ウェブや不織布)を含んでいるため柔軟性に富む柔らかいものである。そのため、内装用表面材を加熱した型へ押し当て該型の形状を付与する成型工程へ供することによって、内装用表面材が伸びながら型の内部形状に沿って追従して、意図した形状に成型した内装材を製造できる。
繊維シートの主骨格をなす繊維は、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など、公知の有機樹脂を用いて構成できる。
なお、これらの有機樹脂は、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、また有機樹脂がブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、また有機樹脂の立体構造や結晶性の有無がいかなるものでも、特に限定されるものではない。更には、多成分の有機樹脂を混ぜ合わせたものでも良い。
なお、内装用表面材に難燃性が求められる場合には、繊維シートの主骨格をなす繊維として難燃性の有機樹脂を含んでいるのが好ましい。このような難燃性の有機樹脂として、例えば、モダアクリル樹脂、ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ノボロイド樹脂、ポリクラール樹脂、リン化合物を共重合したポリエステル樹脂、ハロゲン含有モノマーを共重合したアクリル樹脂、アラミド樹脂、ハロゲン系やリン系又は金属化合物系の難燃剤を練り込んだ樹脂などを挙げることができる。また、繊維シートは主骨格をなす繊維として、レーヨン繊維などの難燃性繊維を含んでも良い。
繊維シートが熱接着性繊維を含んでいる場合、熱接着性繊維を加熱することで繊維シートの主骨格をなす繊維同士、あるいは、繊維シートの主骨格をなす繊維および熱接着性繊維を接着一体化でき、繊維シートに強度と形態安定性を付与でき好ましい。熱接着性繊維として周知のものを採用でき、例えば、全融着型の熱接着性繊維や後述する複合繊維のような一部融着型の熱接着性繊維を採用できる。熱接着性繊維において熱接着性を発揮する成分として、例えば、低融点ポリオレフィン系樹脂や低融点ポリエステル系樹脂を含む熱接着性維維を適宜選択して使用できる。
繊維シートに含まれている熱接着性繊維の量は適宜選択するが、熱接着性繊維の量が多いほどトリミング性に優れる内装用表面材を提供し易いものの、多過ぎると柔軟性に富む内装用表面材を提供し難い傾向がある。そのため、繊維シートを構成する繊維質量に占める熱接着性繊維質量の百分率は、70質量%以下であるのが好ましく、60質量%以下であるのが好ましく、50質量%以下であるのが好ましい。
一方、繊維シートに含まれる熱接着性繊維の量が少ないほど柔軟性に富む内装用表面材を提供し易いものの、量が少な過ぎるとトリミング性に優れる内装用表面材を提供し難い傾向がある。そのため、繊維シートを構成する繊維質量に占める熱接着性繊維質量の百分率は、10質量%以上であるのが好ましい。
繊維シートの構成繊維は、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
構成繊維は、一種類の有機樹脂から構成されてなるものでも、複数種類の有機樹脂から構成されてなるものでも構わない。複数種類の有機樹脂から構成されてなる繊維として、一般的に複合繊維と称される、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、バイメタル型などの態様であることができる。
また、構成繊維は、略円形の繊維や楕円形の繊維以外にも異形断面繊維を含んでいてもよい。なお、異形断面繊維として、中空形状、三角形形状などの多角形形状、Y字形状などのアルファベット文字型形状、不定形形状、多葉形状、アスタリスク形状などの記号型形状、あるいはこれらの形状が複数結合した形状などの繊維断面を有する繊維であってもよい。
繊維シートが捲縮性繊維を含んでいる場合には、繊維シートの伸縮性が増して金型への追従性に優れ好ましい。このような捲縮性繊維として、例えば、潜在捲縮性繊維の捲縮を発現した捲縮性繊維やクリンプを有する繊維などを使用できる。また、繊維シートが加熱により捲縮を発現する潜在捲縮性繊維を含んでいてもよい。
繊維シートが繊維ウェブや不織布である場合、例えば、構成繊維をカード装置やエアレイ装置などへ供することで繊維を絡み合わせる乾式法や、繊維を溶媒に分散させシート状に抄造する湿式法、あるいは、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法、紡糸原液と気体流を平行に吐出して紡糸する方法(例えば、特開2009−287138号公報に開示の方法)など)を用いて構成繊維の紡糸を行うと共にこれを捕集する方法、などによって調製できる。
また、調製した繊維ウェブの構成繊維を絡合させて、不織布からなる繊維シートを調製でき、例えば、ニードルや水流によって絡合する方法などを挙げることができる。
繊維シートが織物や編物である場合、上述のようにして調製した繊維を織るあるいは編むことで、織物や編物を調製できる。
繊維シートの構成繊維の繊度は特に限定するものではないが、適度な剛性を有する内装用表面材を提供できるように、1dtex以上であるのが好ましく、1.5dtex以上であるのがより好ましく、2dtex以上であるのがより好ましい。他方、均質な地合いの内装材を調製可能であると共に柔軟性に富む柔らかい内装用表面材となるように、100dtex以下であるのが好ましく、50dtex以下であるのがより好ましく、30dtex以下であるのがより好ましく、20dtex以下であるのが更に好ましい。
また、繊維シートの構成繊維の繊維長も特に限定するものではないが、適度な剛性を有する内装用表面材を提供できるように、20mm以上であるのが好ましく、25mm以上であるのがより好ましく、30mm以上であるのが更に好ましい。他方、繊維長が110mmを超えると、繊維シートの調製時に繊維塊が形成される傾向があるため、均質な地合いの内装材を調製可能であると共に柔軟性に富む柔らかい内装用表面材の提供が困難となるおそれがある。そのため、繊維長は110mm以下であるのが好ましく、60mm以下であるのがより好ましい。
なお、「繊維長」は、JIS L1015(2010)、8.4.1c)直接法(C法)に則って測定した値をいう。
繊維シートの構成繊維同士がバインダにより接着一体化した態様の繊維シートである場合、バインダは構成繊維の表面の一部あるいは全体に、皮膜状や粒子状あるいは不定形で存在できる。
また、バインダは繊維シートの全体に均一的に存在していても、繊維シートの一方の主面からもう一方の主面に向い存在量が減少あるいは増量するように存在していても、繊維シートの一方の主面側あるいはもう一方の主面側のみに存在していてもよい。トリミング性に優れる内装材を提供可能な内装用表面材となるよう、バインダが繊維シートにおける一方の主面からもう一方の主面に向い存在量が増量するように存在するのが好ましい。このような態様の繊維シートは、一方側からニードルや水流などの絡合手段を作用させた後、該絡合手段を作用させた側の主面にバインダ液を付与することで調製できる。
バインダの種類は適宜選択するが、例えば、ポリオレフィン(変性ポリオレフィンなど)、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリレート共重合体、各種ゴムおよびその誘導体[スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)など]、セルロース誘導体[カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど]、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)、アクリル系樹脂などを使用できる。
バインダがアクリル系樹脂を含有していると、金型を用いたヒートプレス等の熱成型時に適度に軟化するため、金型への追従性に優れる内装用表面材を提供でき好ましい。また、バインダは上述した樹脂以外にも、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤などの添加剤を含有していてもよい。
繊維シートに含まれるバインダの目付(固形分目付)は適宜選択するが、バインダ量が多いほどトリミング性に優れる内装用表面材を提供し易いものの、バインダ量が多過ぎると柔軟性に富む内装用表面材を提供し難い傾向がある。そのため、バインダの目付は、50g/m以下であるのが好ましく、30g/m以下であるのが好ましく、20g/m以下であるのが好ましく、15g/m以下であるのが好ましい。
一方、バインダ量が少ないほど柔軟性に富む内装用表面材を提供し易いものの、バインダ量が少な過ぎるとトリミング性に優れる内装用表面材を提供し難い傾向がある。そのため、バインダの目付は、2g/m以上であるのが好ましい。
繊維シートの、例えば、厚さ、目付などの諸構成は、本発明にかかる内装用表面材を提供できるよう適宜調整する。
繊維シートの厚さは、0.5mm以上10mm以下であるのが好ましく、1mmより厚く7mm以下であるのがより好ましく、1.1mm以上5mm以下であるのが最も好ましい。また、繊維シートの目付は、例えば、50〜600g/mであるのが好ましく、80〜550g/mであるのがより好ましく、100〜250g/mであるのが最も好ましい。
なお、本発明において厚さとは、(株)ミツトヨ製ライトマチック(登録商標)厚み測定器(圧接子:5cm、圧接荷重:2.0kPa)を用い測定した、測定対象物における主面と垂直方向の長さをいい、目付とは測定対象物の最も広い面積を有する面(主面)における1mあたりの質量をいう。
本発明の内装用表面材は繊維シート以外の構成として、プリント層を備えていても良い。ここでいうプリント層とは、繊維シートの一方の主面上に存在する、樹脂を含有する層を指す。
プリント層を構成する樹脂の種類は適宜選択でき、上述したバインダと同様の樹脂を採用できる。特に、金型を用いたヒートプレス等の熱成型時に適度に軟化して、金型への追従性に優れる内装用表面材を提供できることから、プリント層を構成する樹脂がアクリル系樹脂を含んでいるのが好ましい。
なお、プリント層はその構成樹脂以外に、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤などの添加剤を含有していてもよい。特に、プリント層が顔料を含有している場合には、意匠性に優れる内装用表面材を提供でき好ましい。
また、繊維シートの一方の主面上に存在するプリント層の態様は適宜選択でき、該主面全面を覆うように存在している態様、線状やドット状あるいは不定形状などの柄を形成するように該主面の一部を覆い存在している態様であることができる。更に、一種類あるいは複数種類の樹脂を含有する層を複数備えていても良く、具体的には、柄あるいは構成樹脂や含有物が同一あるいは異なるプリント層を複数備えていても良い。
なお、プリント層は調製した内装材を使用した際の車両空間や建物空間などへ露出する側の主面上に存在している態様であっても、両主面上に存在している態様であってもよい。
また、プリント層は繊維シートの主面上にのみ存在する態様以外にも、プリント層を構成する樹脂などの成分の一部が、繊維シートの構成繊維間に侵入している態様であってもよい。
プリント層の目付は適宜選択するが、例えば、2〜50g/mであることができ、10〜30g/mであることができる。
本発明の内装用表面材は上述した繊維シートを備えている。
内装用表面材の目付は、本発明にかかる内装用表面材を提供できるよう適宜調整するが、600g/m以下であることができ、550g/m以下であることができる。一方、目付の下限値は適宜調整するが、10g/m以上であるのが現実的である。
内装用表面材の厚さは、本発明にかかる内装用表面材を提供できるよう適宜調整するが、5mm以下であることができ、4mm以下であることができる。一方、厚さの下限値は本発明が規定する加熱処理へ供することができるよう、1mmよりも厚いのが好ましい。
内装用表面材の見掛密度は、吸音性能やクッション性などに優れる内装材を提供可能な内装用表面材となるよう適宜調整するが、0.101g/cm〜0.300g/cmであることができる。
本発明にかかる内装用表面材は、以下に説明する条件で加熱処理を施した後の、目付単位あたりにおけるタテ方向の引裂強度とヨコ方向の引裂強度の平均値が0.21未満である。
(加熱処理の条件)
1.内装用表面材をヒートプレス機へ供し、加熱温度200℃に調整した上側加熱平板および下側加熱平板で前記内装用表面材を挟み込み5秒間加熱した。なお、加熱中の前記上側加熱平板および前記下側加熱平板のギャップ距離は1.0mmであった。
2.前記ヒートプレス装置から加熱処理を施した前記内装用表面材を取り出し、室温(25℃)雰囲気下に置くことで冷却し、加熱処理を施した後の内装用表面材を調製した。
内装用表面材を加熱した型へ押し当て該型の形状を付与する成型工程へ供する際、一般的に該成型工程における内装用表面材の加熱条件は、本発明にかかる加熱処理の条件以上に、高温であり、処理時間が長いものであり、ギャップ距離がより小さい、という成型条件が厳しいものである。つまり、一般的な成型工程へ供される内装用表面材は、上述した厳しい成型条件で強制的に成型されるものとなることから、調製された内装材がトリミング性に劣るという問題や、内装用表面材が成型過程において成型性に劣るという問題が認識され難い。
一方、本発明にかかる加熱処理は、必ずしも一般的な成型工程よりも高温ではなく、処理時間が長いものではなく、ギャップ距離がより小さい、という加圧条件が厳しいものではないことから、一般的な成型工程に比べ内装用表面材を非強制的に成型する条件といえる。つまり、本発明にかかる加熱処理へ供される内装用表面材では、調製された内装材がトリミング性に劣るという問題や、内装用表面材が成型過程において成型性に劣るという問題が認識され易い。
そのため、本発明にかかる加熱処理を施した内装用表面材のトリミング性や、その成型性を評価することによって、該内装用表面材を一般的な成型工程へ供した結果(トリミング性や、その成型性)を推し測ることができる。つまり、本発明にかかる加熱処理を施した内装用表面材のトリミング性や成型性が優れるものであった場合、該内装用表面材を用いることで、よりトリミング性や成型性が優れる内装材を提供できる。
そして、目付単位あたりにおけるタテ方向の引裂強度とヨコ方向の引裂強度の平均値は、以下の測定方法によって算出する。
(目付単位あたりにおけるタテ方向の引裂強度とヨコ方向の引裂強度の平均値の測定方法)
(1)本発明にかかる加熱処理を施した後の内装用表面材など、測定対象から採取した試料を用いて、JIS L1913−2010の6.4.3(シングルタング法)に規定される方法に則り、測定対象のタテ方向およびヨコ方向の引裂強度を求めた。なお、測定対象の生産方向(一般的に、繊維の配向方向)と平行をなす方向をタテ方向、測定対象の生産方向と直交する方向をヨコ方向として測定を行った。
(2)測定対象のタテ方向の引裂強度をその目付で割った値と、測定対象のヨコ方向の引裂強度をその目付で割った値の平均値を算出し、目付単位あたりにおけるタテ方向の引裂強度とヨコ方向の引裂強度の平均値とした。
該平均値は、測定対象における切目からの引き裂かれ易さを模式的に表したものといえる。該平均値が低いほど、形成された切目を始点として(換言すれば、打ち抜き台上に乗せ打ち抜く際の型刃によるトリミング開始部分を始点として)、少ない張力によって分断し易い構造を有する。
そのため、該平均値が低い内装用表面材であるほど、トリミング性に優れる内装材を調製できる内装用表面材である。該平均値は0.21未満であり、0.18以下であるのが好ましく、0.15以下であるのが好ましい。下限値は適宜選択するが、該平均値が低過ぎることは剛性が低過ぎることを意味し、求められる剛性を満足した内装材を提供し難くなることから、0.05以上であるのが好ましい。
更に、内装用表面材におけるタテ方向およびヨコ方向の、20%モジュラス(単位:N/50mm)、引張強度(単位:N/50mm)、引張伸度(%)の値は、本発明にかかる内装用表面材を提供できるよう適宜調整する。なお、各値は以下の測定方法により求めることができる。
(20%モジュラスの測定方法)
(1)内装用表面材など測定対象から短冊状の試料C(長辺:200mm、短辺(長辺と垂直をなす):50mm)を、合計3枚採取した。なお、測定対象の生産方向と長辺方向が平行となるようにした。
(2)前記試料Cを引張り強さ試験機(オリエンテック製、テンシロンUTM−III−100(登録商標))のチャック(チャック間距離:150mm)に固定し、引張り速度200mm/min.で引っ張り、チャック間距離が180mmとなった20%伸長時の応力を測定した。調製した3枚の試料Cについて各々該応力を測定し、その算術平均を測定対象におけるタテ方向の20%モジュラス(単位:N/50mm)とした。
(3)測定対象から短冊状の試料D(長辺:200mm、短辺(長辺と垂直をなす):50mm)を、合計3枚採取した。なお、測定対象の生産方向と短辺方向が平行となるようにした。
(4)前記試料Dを上述(2)と同じ測定へ供することで、20%伸長時の応力を測定した。調製した3枚の試料Dについて各々該応力を測定し、その算術平均を測定対象におけるヨコ方向の20%モジュラス(単位:N/50mm)とした。
20%モジュラスが低いほど、柔軟性に富む柔らかいものであることを意味している。そのため、20%モジュラスが低い内装用表面材は、成型工程へ供した際に、内装用表面材が伸びながら型の内部形状に沿って追従し易いことで、意図した形状に成型した内装材を製造でき成型性に優れている。
このことから、20%モジュラスはタテ方向およびヨコ方向とも1000N/50mm以下であるのが好ましく、750N/50mm以下であるのが好ましく、500N/50mm以下であるのが好ましい。下限値は適宜選択するが、20%モジュラスが低過ぎるとトリミング時に、柔らか過ぎることで内装用表面材が意図せず変形する恐れがあるため、20%モジュラスはタテ方向およびヨコ方向とも100N/50mm以上であるのが好ましい。
また、測定された内装用表面材のタテ方向の20%モジュラスを内装用表面材の目付で割った値と、測定された内装用表面材のヨコ方向の20%モジュラスを内装用表面材の目付で割った値の平均値(以降、単位目付あたりにおける20%モジュラス平均値と称することがある)は内装用表面材における伸長し易さを模式的に表したものといえる。
該平均値は適宜調整できるが、該平均値が低いほど成型性に優れる内装用表面材となることから、1.13未満であるのが好ましく、0.65以下であるのが好ましい。下限値は適宜選択するが、該平均値が低過ぎるとトリミング時に、柔らか過ぎることで内装用表面材が意図せず変形する恐れがあるため、0.2以上であるのが好ましい。
(引張強度の測定方法)
内装用表面材におけるタテ方向およびヨコ方向の引張強度(単位:N/50mm)は、上述した(20%モジュラスの測定方法)において、20%伸長時の応力の代わりに試料が破断するまでに計測された各試料Cおよび各試料Dの最大応力の各値の平均値を、各試料Cおよび各試料Dごとに算出し、求めた。
引張強度は適宜調整するが、タテ方向およびヨコ方向とも100〜1000N/50mmであるのが好ましく、200〜900N/50mmであるのが好ましく、300〜850N/50mmであるのが好ましい。
(引張伸度の測定方法)
内装用表面材における、タテ方向およびヨコ方向の引張伸度(単位:%)は、上述した引張強度の測定時における試料が破断した時のチャック間距離を以下式に算入することで算出でき、各試料Cおよび各試料Dが破断した時の各チャック間距離の平均値を、各試料Cおよび各試料Dごとに算出し、求めた。
引張伸度(%)=100×{(E/150)−1}
E:試料が破断した時のチャック間距離(単位:mm)
引張伸度は適宜調整するが、タテ方向およびヨコ方向とも20〜170%であるのが好ましく、25〜160%であるのが好ましく、30〜150%であるのが好ましい。
本発明の内装用表面材は、更に別の多孔体、フィルム、発泡体などの構成部材を備えていてもよい。これらの構成部材は内装用表面材における、一方の主面側あるいは両主面に積層して備えることができる。
また、内装用表面材は、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤などの添加剤が付与されてなるものでもよい。
次に、本発明の内装用表面材の製造方法について説明する。なお、上述の内装用表面材について説明した項目と構成を同じくする点については説明を省略する。
本発明にかかる内装用表面材の製造方法は適宜選択できるが、一例として、
(1)主骨格をなす繊維と熱接着性繊維を含む、繊維シートを用意する工程、
(2)繊維シートに熱を作用させ熱接着性繊維の接着成分を溶融あるいは軟化させる工程、
(3)繊維シートを冷却することで熱接着性繊維の接着成分により、繊維シートの主骨格をなす繊維同士、および/または、繊維シートの主骨格をなす繊維と熱接着性繊維を接着し一体化する工程、
を備える内装用表面材の製造方法を挙げることができる。
まず、工程(1)について説明する。
主骨格をなす繊維と熱接着性繊維からなる、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編み物などの、シート状の布帛を用意する。繊維シートにおける構成繊維の繊度や繊維長、繊維シートの厚さや目付などの諸構成は上述したものを採用できる。
次いで、工程(2)について説明する。
繊維シートに熱を作用させる方法は適宜選択でき、例えば、ロールにより加熱または加熱加圧する方法、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供する方法を選択できる。熱接着性繊維の接着成分を溶融あるいは軟化させるための温度は、繊維シートを構成する該接着成分以外の構成成分の融点やガラス転移温度あるいは分解開始温度と、該接着成分の融点やガラス転移温度といった熱接着性繊維の接着成分が接着機能を発揮する温度との関係により適宜調整する。具体的には、繊維シートを構成する成分のうち、熱接着性繊維の接着成分以外の成分が溶融したり軟化あるいは分解するなど変性することがない温度であると共に、熱接着性繊維の接着成分のみが溶融あるいは軟化することで接着機能を発揮できる温度であるように、繊維シートの加熱温度を調整するのが好ましい。
更に、工程(3)について説明する。
上述した工程(2)の後に行う繊維シートを冷却する方法は適宜選択でき、室温雰囲気下に静置することで放冷する方法や冷却ロールなどの冷却装置へ供する方法などを挙げることができる。冷却する温度も適宜調整でき、上述した加熱装置による加熱温度よりも低い温度であって、具体的には、熱接着性繊維の接着成分の融点やガラス転移温度よりも低い温度であるのが好ましい。
冷却することで繊維シートの主骨格をなす繊維同士、および/または、繊維シートの主骨格をなす繊維と熱接着性繊維を、熱接着性繊維の接着成分により固定でき、構成繊維同士が接着成分により一体化した繊維シートを調製できる。
更に、上述のようにして調製した繊維シートをそのまま内装用表面材としてもよいが、必要に応じて少なくとも一方の主面上にプリント層を設けた繊維シートを内装用表面材としてもよい。
プリント層は樹脂を含有する層を指すものであり、繊維シートの一方の主面上に樹脂を含有したプリント液(樹脂溶液あるいは樹脂分散液)を付与し、プリント液から溶媒あるいは分散媒を除去することで、繊維シートの主面上にプリント層を設けることができる。
プリント液を構成する樹脂や溶液あるいは分散媒の種類、添加剤の種類、付与方法や付与の態様、そして、プリント液から溶媒あるいは分散媒を除去する方法は適宜選択できる。
特に、プリント液が顔料を含有している場合には、意匠性に優れる内装用表面材を提供でき好ましい。なお、プリント液は繊維シートの一方の主面上に付与されても、両主面上に付与されてもよい。
更に、リライアントプレス処理などの表面を平滑とするため、繊維シートを加圧処理する工程へ供してもよい。加圧方法や加圧条件は適宜選択でき、必要であれば加熱加圧処理してもよい。なお、繊維シートを構成する部材の形状や機能などが意図せず低下することがないよう、加圧条件や加熱温度は調整する。
また、別の多孔体、フィルム、発泡体などの構成部材を積層する工程、用途や使用態様に合わせて形状を打ち抜くなどして加工する工程、などの、各種二次工程を経て内装用表面材を製造してもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
(比較例1)
以下に説明する配合で繊維を混繊し、カード機へ供することで開繊して繊維ウエブを調製した。
主骨格をなす繊維1:
ポリエステル繊維(繊度:13dtex、繊維長:51mm、繊維の色:黒、融点:240℃)55質量%、
主骨格をなす繊維2:
ポリエステル繊維(繊度6.6dtex、繊維長51mm、繊維の色:白、融点:240℃)5質量%、
主骨格をなす繊維3:
レーヨン繊維(繊度:3.3dtex、繊維長:60mm、繊維の色:黒、分解開始温度:260℃)5質量%、
熱接着性繊維:
低融点ポリエステル繊維(繊度:4.4dtex、繊維長:51mm、繊維の色:黒、融点:120℃)35質量%、
そして、調製した繊維ウェブの片面から針密度293本/mでニードルパンチ処理を施した後、逆方向から、針密度90本/mでニードルパンチ処理を施してニードルパンチ不織布を調製した。
そして、調製したニードルパンチ不織布を、熱ロール間(ギャップ間隔:1.2mm、ロール加熱温度:160℃)へ供することで熱接着性繊維を溶融させた。その後、室温となるまで放冷して、各種主骨格をなす繊維同士が熱接着性繊維由来の接着成分(低融点ポリエステル樹脂)によって接着一体化してなる繊維シート(目付:503g/m、厚さ:3.1mm)を調製した。
(比較例2)
主骨格をなす繊維1としてポリエステル繊維(繊度:11dtex、繊維長:51mm、繊維の色:黒、融点:240℃)を用いたこと以外は比較例1と同様にして、各種主骨格をなす繊維同士が熱接着性繊維由来の接着成分(低融点ポリエステル樹脂)によって接着一体化してなる繊維シート(目付:496g/m、厚さ:3.3mm)を調製した。
(比較例3)
主骨格をなす繊維1としてポリエステル繊維(繊度:13dtex、繊維長:76mm、繊維の色:黒、融点:240℃)を用いたこと以外は比較例1と同様にして、各種主骨格をなす繊維同士が熱接着性繊維由来の接着成分(低融点ポリエステル樹脂)によって接着一体化してなる繊維シート(目付:528g/m、厚さ:3.2mm)を調製した。
(比較例4)
主骨格をなす繊維1としてポリエステル繊維(繊度:11dtex、繊維長:76mm、繊維の色:黒、融点:240℃)を用いたこと以外は比較例1と同様にして、各種主骨格をなす繊維同士が熱接着性繊維由来の接着成分(低融点ポリエステル樹脂)によって接着一体化してなる繊維シート(目付:501g/m、厚さ:3.3mm)を調製した。
(比較例5)
繊維ウェブの片面から針密度468本/mでニードルパンチ処理を施した後、逆方向から、針密度250本/mでニードルパンチ処理を施してニードルパンチ不織布を調製したこと以外は、比較例1と同様にして、各種主骨格をなす繊維同士が熱接着性繊維由来の接着成分(低融点ポリエステル樹脂)によって接着一体化してなる繊維シート(目付:481g/m、厚さ:2.7mm)を調製した。
(比較例6)
熱接着性繊維として低融点ポリエステル繊維(繊度:4.4dtex、繊維長:38mm、繊維の色:黒、融点:120℃)を用いたこと以外は比較例4と同様にして、各種主骨格をなす繊維同士が熱接着性繊維由来の接着成分(低融点ポリエステル樹脂)によって接着一体化してなる繊維シート(目付:467g/m、厚さ:3.3mm)を調製した。
(実施例1)
比較例4の表面内装材を加熱温度を200℃に調整した上側加熱平板および下側加熱平板で、ニードルパンチ不織布を挟み込み20秒間加熱した。なお、加熱中の前記上側加熱平板および前記下側加熱平板のギャップ距離は1.0mmであった。このようにして、各種主骨格をなす繊維同士が熱接着性繊維由来の接着成分(低融点ポリエステル樹脂)によって接着一体化してなる繊維シート(目付:501g/m、厚さ:1.8mm)を調製した。
(実施例2)
繊維ウェブの片面から針密度326本/mでニードルパンチ処理を施した後、逆方向から、針密度150本/mでニードルパンチ処理を施してニードルパンチ不織布を調製したこと以外は、比較例4と同様にして、各種主骨格をなす繊維同士が熱接着性繊維由来の接着成分(低融点ポリエステル樹脂)によって接着一体化してなる繊維シート(目付:502g/m、厚さ:3.0mm)を調製した。
(実施例3)
ニードルパンチに使用した針の種類を変更したこと以外は、実施例2と同様にして、各種主骨格をなす繊維同士が熱接着性繊維由来の接着成分(低融点ポリエステル樹脂)によって接着一体化してなる繊維シート(目付:514g/m、厚さ:3.1mm)を調製した。
(実施例4)
繊維ウェブの片面から針密度586本/mでニードルパンチ処理を施した後、逆方向から、針密度180本/mでニードルパンチ処理を施してニードルパンチ不織布を調製したこと以外は、比較例1と同様にして、各種主骨格をなす繊維同士が熱接着性繊維由来の接着成分(低融点ポリエステル樹脂)によって接着一体化してなる繊維シート(目付:514g/m、厚さ:2.6mm)を調製した。
(実施例5)
以下に説明する配合で繊維を混繊し、カード機へ供することで開繊して繊維ウエブを形成した。
主骨格をなす繊維1:
ポリエステル繊維(繊度:11dtex、繊維長:76mm、繊維の色:黒、融点:240℃)45質量%、
主骨格をなす繊維2:
ポリエステル繊維(繊度6.6dtex、繊維長51mm、繊維の色:白、融点:240℃)5質量%、
主骨格をなす繊維3:
レーヨン繊維(繊度:3.3dtex、繊維長:60mm、繊維の色:黒、分解開始温度:260℃)5質量%、
熱接着性繊維:
低融点ポリエステル繊維(繊度:4.4dtex、繊維長:51mm、繊維の色:黒、融点:120℃)45質量%、
このようにして調製した繊維ウェブを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、各種主骨格をなす繊維同士が熱接着性繊維由来の接着成分(低融点ポリエステル樹脂)によって接着一体化してなる繊維シート(目付:535g/m、厚さ:3.7mm)を調製した。
上述のようにして調製した各繊維シートをそのまま内装用表面材とし、各種物性を測定して表1にまとめた。
なお、表1において「平均値A」の欄は、目付単位あたりにおけるタテ方向の引裂強度とヨコ方向の引裂強度の平均値を意味し、「平均値B」の欄は、単位目付あたりにおける20%モジュラス平均値を意味する。
Figure 2020041241
また、表1における「トリミング性」の欄および「成型性」の欄は、内装用表面材を以下の測定方法へ供することで評価した結果を示したものである。
(トリミング性の評価方法)
内装用表面材を(加熱処理の条件)の項目で説明した処理方法へ供することで、加熱処理を施した後の内装用表面材を調製した。そして、加熱処理を施した後の内装用表面材を打ち抜き台上に乗せ型刃により打ち抜いた際の断面を目視で確認し、以下の基準でトリミング性を評価した。
○・・・加熱処理を施した後の内装用表面材の断面から解れたように繊維が突出している部分(断面から繊維が10mm以上の長さで突出している部分)は認められなかった。そのため、該内装用表面材はトリミング性に優れる内装材を調製可能な内装用表面材であると評価した。
×・・・加熱処理を施した後の内装用表面材材の断面から解れたように繊維が突出している部分(断面から繊維が10mm以上の長さで突出している部分)が認められた。そのため、該内装用表面材はトリミング性に優れる内装材を調製できない内装用表面材であると評価した。
(成型性の評価方法)
(1)内装用表面材を、加熱した高温炉(炉内温度:200℃)にて30秒間静置した後、内装用表面材を成型金型に供し加圧成型を行った。その後、室温となるまで放冷して、内装材を調製した。
(2)上述の成型工程中における内装用表面材の態様、および、成型されてなる内装材の態様を目視で確認し、以下の基準で成型性を評価した。
○・・・成型金型に内装用表面材が追従し、成型金型の内部形状に合わせて成型できた。そのため、該内装用表面材は成型性に優れると評価した。
×・・・成型金型に内装用表面材が追従し難く、成型金型の内部形状に合わせて成型するのが困難であった。そのため、該内装用表面材は「○」と評価された内装用表面材に比べ、成型性に劣ると評価した。
表1の結果から、構成繊維同士が接着成分により一体化している繊維シートを備える内装用表面材において、本発明にかかる加熱処理を施した後の、目付単位あたりにおけるタテ方向の引裂強度とヨコ方向の引裂強度の平均値(平均値A)が、0.21未満となる内装用表面材は、トリミング性に優れる内装材を提供可能な内装用表面材であることが判明した。
なお、比較例および実施例を比較した結果から、以下のことが判明した。
・比較例1〜4を比較した結果から、内装用表面材を構成する、繊維シートの主骨格をなす繊維の繊度や繊維長を変更しても、必ずトリミング性に優れる内装材を提供可能な内装用表面材となるものではないこと。
・比較例1と比較例5および実施例4を比較した結果から、ニードルパンチ条件を変更し絡合状態を密に変更しても、必ずトリミング性に優れる内装材を提供可能な内装用表面材となるものではないこと。
・比較例4と比較例6および実施例1を比較した結果から、内装用表面材を構成する、繊維シートの主骨格をなす繊維同士の接着一体化態様(あるいは、接着条件の違い)を変更しても、必ずトリミング性に優れる内装材を提供可能な内装用表面材となるものではないこと。
このことから、本発明が規定する、目付単位あたりにおけるタテ方向の引裂強度とヨコ方向の引裂強度の平均値の値を満足するか否かによって、初めてトリミング性に優れる内装材を提供可能な内装用表面材であるか否か判断できることが判明した。
また、表1の結果から、単位目付あたりにおける20%モジュラス平均値(平均値B)が1.13未満である場合には、より成型性に優れる内装用表面材を提供できることが判明した。
本発明の内装用表面材は、より触感に優れているため、天井、ドアサイド、ピラーガーニッシュ、リヤパッケージなど自動車用;パーティションなどのインテリア用;壁装材などの建材用に、好適に使用できる。

Claims (1)

  1. 構成繊維同士が接着成分により一体化している繊維シートを備える内装用表面材であって、
    下記条件で加熱処理を施した後の、目付単位あたりにおけるタテ方向の引裂強度とヨコ方向の引裂強度の平均値が0.21未満となる、内装用表面材。

    1.内装用表面材をヒートプレス機へ供し、加熱温度200℃に調整した上側加熱平板および下側加熱平板で前記内装用表面材を挟み込み5秒間加熱した、なお、加熱中の前記上側加熱平板および前記下側加熱平板のギャップ距離は1.0mmであった、
    2.前記ヒートプレス装置から加熱処理を施した前記内装用表面材を取り出し、室温(25℃)雰囲気下に置くことで冷却し、加熱処理を施した後の内装用表面材を調製した、
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