JP2019157045A - 白色樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
(A)カルボキシル基含有ポリエステルウレタン樹脂が用いられることにより、光反射率を向上させるために酸化チタンが多く配合されても、白色樹脂組成物の硬化物に柔軟性と密着性が付与される。
二酸化ケイ素粉末が配合されることにより、白色樹脂組成物の貯蔵中に酸化チタン等の成分が沈殿してしまうことを防止して、白色樹脂組成物の保存安定性が向上する。二酸化ケイ素粉末としては、例えば、火炎加水分解法シリカ、フュームドシリカ、熱分解法シリカ、高熱法シリカ、湿式法シリカ、石英ガラス等が挙げられ、いずれを使用してもよい。
エポキシ化合物が配合されることにより、白色樹脂組成物の硬化物の架橋密度を上げて、十分な機械的強度を有する硬化膜等の硬化物を得ることができるとともに、基板に対する前記硬化物の密着性が向上する。エポキシ化合物には、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、基板に対する白色樹脂組成物の硬化物の密着性がより向上する点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、白色樹脂組成物の硬化物の反り性がさらに低減され、また、長期間に渡って高い反射率をより確実に維持することができる点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましい。
酸化チタンは、硬化物を白色化するための白色着色剤である。酸化チタンには、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンを挙げることができる。アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、はいずれも使用できるが、アナターゼ型酸化チタンは、ルチル型酸化チタンと比較して白色度は高いものの、光触媒活性を有するので、長期間経過すると、白色樹脂組成物中の樹脂の変色を引き起こすことがある。ルチル型酸化チタンは、光触媒活性をほとんど有さないので、長期間にわたって、硬化物の変色を防止できる。
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜5、比較例1〜4にて使用する白色樹脂組成物を調製した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示す。なお、下記表1中の配合量の空欄部は、配合なしを意味する。
(A)ガラス転移温度が−10℃以上35℃以下且つ酸価が5.0mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であるカルボキシル基含有ポリエステルウレタン樹脂
・UR−3500:固形分(樹脂分)40質量%、東洋紡績(株)製
・SD−7000:固形分(樹脂分)40質量%、東洋紡績(株)製
(B)二酸化ケイ素粉末
・レオロシールDM20−S:熱分解法シリカ粉末、(株)トクヤマ製
・EPICLON 850−S:エポキシ当量188g/eq、DIC(株)製
・EPICLON N770:エポキシ当量186g/eq、DIC(株)製
・EHPE3150:エポキシ当量180g/eq、(株)ダイセル・オルネクス製
(D)酸化チタン
・タイペークCR−93:ルチル型酸化チタン、石原産業(株)製
(E)非反応性希釈剤
EDGAC:三洋化成品(株)製
・Exolit OP 935:クラリアントジャパン(株)製
・UR−3600:固形分(樹脂分)40質量%、東洋紡績(株)製
・UR−2300:固形分(樹脂分)30質量%、東洋紡績(株)製
基板:ポリイミドフィルム(カプトン100H(東レ・デュポン(株)製)、フィルムの厚さ25μm)
印刷法:バーコータ法
DRY膜厚:15μm
予備乾燥:130℃、3分
ポストキュア:150℃、60分
(1)反射率(初期値)
分光光度計(U−4100、日立ハイテクノロジーズ(株)製)を用いて、試験片作製直後の硬化塗膜について、波長450nmの反射率を測定した。
(2)反射率(リフロー後)
試験片に対して、プレヒート温度180℃にて60秒間、ピーク温度260℃にて10秒間の加熱条件としたリフロー処理を2回行った後に、分光光度計(U−4100、日立ハイテクノロジーズ(株)製)を用いて、波長450nmの反射率を測定した。
試験片を基板が外側になる状態で180°折り曲げて2kN/mの荷重をかけた後、フラットに戻し、さらに、上記折り曲げた部分を基板が内側になる状態で180°折り曲げて2kN/mの荷重をかけるサイクルを、30回まで繰り返して、試験片の硬化塗膜にひびや割れなどの異常がないかを拡大鏡で確認した。
表1には、硬化塗膜にひびや割れなどの異常が発生したときの繰り返し数を記載し、上記サイクルを30回繰り返しても硬化塗膜にひびや割れなどの異常がない場合を「30回以上」と表記した。
試験片を20mm×25mmの長方形に切断して、硬化塗膜が上になるように平坦部に載置し、試験片の4角について平坦部から反り上がっている寸法をそれぞれ測定し、その平均値から反り性を評価した。
JIS−K−5600 5−6に準拠したクロスカット試験にて、硬化塗膜の剥離が見られない格子数を計測した。
白色樹脂組成物の調製後、25℃にて30日間、密閉容器中に放置し、放置後、容器底部にケーキ状の沈降物が視認できなかった場合は「○」、容器底部にケーキ状の沈降物が視認できた場合は「×」と評価した。
Claims (7)
- (A)ガラス転移温度が−10℃以上35℃以下且つ酸価が5.0mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であるカルボキシル基含有ポリエステルウレタン樹脂と、(B)二酸化ケイ素粉末と、(C)エポキシ化合物と、(D)酸化チタンと、を含有する白色樹脂組成物。
- さらに、(E)非反応性希釈剤を含有する請求項1に記載の白色樹脂組成物。
- 前記(C)エポキシ化合物が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である請求項1または2に記載の白色樹脂組成物。
- 前記(C)エポキシ化合物のエポキシ当量が100g/eq以上500g/eq以下であり、前記(A)ガラス転移温度が−10℃以上35℃以下且つ酸価が5.0mgKOH以上50mgKOH以下であるカルボキシル基含有ポリエステルウレタン樹脂100質量部(固形分)に対して、前記(C)エポキシ化合物を2.0質量部以上20質量部以下含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の白色樹脂組成物。
- 前記(A)ガラス転移温度が−10℃以上35℃以下且つ酸価が5.0mgKOH以上50mgKOH以下であるカルボキシル基含有ポリエステルウレタン樹脂100質量部(固形分)に対して、前記(D)酸化チタンを200質量部以上800質量部以下含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の白色樹脂組成物。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の白色樹脂組成物の白色硬化物。
- 請求項6に記載の白色硬化物を有するフレキシブルプリント配線板。
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