JP2019156782A - スルホン酸塩の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
有機溶媒の存在下アルカリ水溶液を添加することにより、式(1)又は式(2)で表されるフッ素含有ビニルモノマーをケン化する方法であって、前記有機溶媒が、炭素数3〜5のアルコール、炭素数3〜6のケトン、及び炭素数3〜5の環状エーテルからなる群から選ばれる有機溶媒であり、前記フッ素含有ビニルモノマー100質量部に対して、前記有機溶媒を50〜150質量部用いることを特徴とする、スルホン酸塩の製造方法。
前記アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを5〜50質量%含む水溶液であって、
前記フッ素含有ビニルモノマーに対する、ナトリウム又はカリウムのモル割合が、1.9〜2.1である、[1]の製造方法。
0〜40℃でケン化する、[1]又は[2]の製造方法。
本実施形態の方法で得られたフッ素含有ビニル基を有するスルホン酸塩は、スルホン酸塩のまま、又は他の官能基へとさらに変換した後に、単独で重合、又はテトラフルオロエチレン等と共重合することにより、様々な官能基を側鎖に持つポリマーを得ることができる。このポリマーはフッ素原子を含有しているため、化学的安定性、耐熱性に優れ、スルホン酸としてイオン選択透過性、強酸性を持っている。これらの特徴を活かして燃料電池や水電解用の電解質膜、センサー材料、有機合成用触媒として有用である。特に燃料電池や水電解用の材料として有用であり、水素社会の実現に向けて大きな役割を担うと期待される。
上記フッ素含有モノマーは、式(1)で表されるフッ素含有ビニルモノマー又は式(2)で表されるフッ素含有ビニルモノマーであり、好ましくは式(1)で表されるフッ素ビニルモノマーである。
上記有機溶媒としては、副反応を抑え、一層純度が高いスルホン酸塩が得られる観点から、炭素数3〜5のアルコール、炭素数3〜6のケトン、及び炭素数3〜5の環状エーテルからなる群から選ばれる有機溶媒が好適に使用できる。上記有機溶媒の具体例としては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を挙げることができる。
有機溶媒は、これらに限定されず、原料及び生成物の溶解性、有機溶媒の化学的安定性を考慮して適宜選択してよい。
上記(2)で表されるフッ素含有ビニルモノマーを用いる場合、副生物を抑え、一層純度が高いスルホン酸塩が得られる観点から、有機溶媒としてテトラヒドロフランを用い、有機溶媒の量を上記フッ素含有ビニルモノマー100質量部に対して60〜120質量部とすることが好ましい。
上記アルカリ水溶液におけるアルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩等を用いることができ、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好ましい。アルカリ水溶液100質量%中の上記アルカリの濃度は、5〜50質量%であることが好ましい。アルカリの濃度が上記範囲より低い場合は、反応液中のフッ素含有ビニルモノマーが低くなり生産性が下がるので好ましくない。アルカリの濃度が上記範囲より高い場合は有機溶媒の存在下でアルカリや生成したスルホン酸塩が析出することがあるので好ましくない。
ケン化を行う際の温度は、反応速度、溶解度の観点から、0℃以上が好ましい。また、副反応抑制の観点から、40℃以下が好ましい。上記範囲より温度が低いと、反応が遅くなり生産が下がり、また反応液が凍結することがあるので好ましくない。上記範囲より温度が高い場合は、副反応生成物が増加するので好ましくない。
温度計、滴下ロートをそなえたフラスコに式(4)で表されるフッ素含有ビニルモノマー20.01g(71.4mmol)、水20.01g、t−ブタノール12.18gを入れてマグネチックスターラーで撹拌し、ウォーターバスで冷却しながら、水酸化カリウム8.22g(146.5mmol)を含有する水溶液129.40gを1時間かけて滴下した。滴下開始時の液温度は26℃で最高到達温度は39℃であった。
滴下終了後30分撹拌した後に一部をサンプリングし19F−NMRで分析したところ化合物(4)は消失し、式(5)で表されるスルホン酸カリウム及び式(6)で表される副生物が生成し、そのモル比率は、化合物(5)/化合物(6)=96/4であった。
19F−NMR
化合物(5):δ(CF3CH2OH基準)−137.5(1F)、−124.8(1F)、−120.0(2F)、−117.2(1F)、−86.6(2F)
化合物(6):δ(CF3CH2OH基準) −130.9(1F)、−118.0(2F)、−84.5(2F)
温度計、滴下ロートをそなえたフラスコに化合物(4)20.02g(71.5mmol)、水20.02g、t−ブタノール22.25gを入れてマグネチックスターラーで撹拌し、ウォーターバスで冷却しながら、水酸化カリウム8.22g(146.5mmol)を含有する水溶液129.46gを1時間かけて滴下した。滴下開始時の液温度は25℃で最高到達温度は37℃であった。
滴下終了後30分撹拌した後に一部をサンプリングし19F−NMRで分析したところ化合物(4)は消失し、生成物のモル比率は、化合物(5)/化合物(6)=97/3であった。
温度計、滴下ロートをそなえたフラスコに化合物(4)20.00g(71.4mmol)、水20.00g、テトラヒドロフラン13.39gを入れてマグネチックスターラーで撹拌し、ウォーターバスで冷却しながら、水酸化カリウム8.21g(146.4mmol)を含有する水溶液129.33gを1時間かけて滴下した。滴下開始時の液温度は25℃で最高到達温度は37℃であった。
滴下終了後30分撹拌した後に一部をサンプリングし19F−NMRで分析したところ化合物(4)は消失し、生成物のモル比率は、化合物(5)/化合物(6)=95/5であった。
温度計、撹拌機、冷却用ジャケットをそなえた反応器に化合物(4)300.05g(1.07mol)、水300.05g、テトラヒドロフラン200.84gを入れて撹拌し、冷却水により冷却しながら、水酸化カリウム136.36g(2.14mol)を含有する水溶液1336.36gを1時間かけてポンプにより送液し滴下した。滴下開始時の液温度は5℃で最高到達温度は17℃であった。
滴下終了後30分撹拌した後に一部をサンプリングし19F−NMRで分析したところ化合物(4)は消失し、生成物のモル比率は、化合物(5)/化合物(6)=99.6/0.4であった。
この液をエバポレーターにより濃縮乾固した後にエタノール874.43gに溶解してろ過し不溶成分であるフッ化カリウムを除き、再度エバポレーターにより濃縮乾固することにより化合物(5)323.86gを得た。
温度計、撹拌機、冷却用ジャケットをそなえた反応器に化合物(4)300.10g(1.07mol)、水300.08g、テトラヒドロフラン200.87gを入れて撹拌し、冷却水により冷却しながら、水酸化ナトリウム89.38g(2.15mol)を含有する水溶液1289.38gを1時間かけてポンプにより送液し滴下した。滴下開始時の液温度は6℃で最高到達温度は17℃であった。
滴下終了後30分撹拌した後に一部をサンプリングし19F−NMRで分析したところ化合物(4)は消失し、化合物(5)、(6)のナトリウム塩に相当するスルホン酸塩が生成し、そのモル比率は、化合物(5)/化合物(6)=99.7/0.3であった。
この液をエバポレーターにより濃縮乾固した後にエタノール839.53gに溶解してろ過し不溶成分であるフッ化ナトリウムを除き、再度エバポレーターにより濃縮乾固することにより化合物(5)310.94gを得た。
温度計、滴下ロートをそなえたフラスコに化合物(4)20.03g(71.5mmol)、水20.01gを入れてマグネチックスターラーで撹拌し、ウォーターバスで冷却しながら、水酸化カリウム8.23g(146.6mmol)を含有する水溶液129.53gを1時間かけて滴下した。滴下開始時の液温度は7℃で最高到達温度は28℃であった。
滴下終了後30分撹拌した後に一部をサンプリングし19F−NMRで分析したところ化合物(4)は消失し、生成物のモル比率は、化合物(5)/化合物(6)=20/80であった。
温度計、滴下ロートをそなえたフラスコに化合物(4)20.00g(71.4mmol)、水20.02g、t−ブタノール5.29gを入れてマグネチックスターラーで撹拌し、ウォーターバスで冷却しながら、水酸化カリウム8.21g(146.4mmol)を含有する水溶液129.33gを1時間かけて滴下した。滴下開始時の液温度は25℃で最高到達温度は30℃であった。
滴下終了後30分撹拌した後に一部をサンプリングし19F−NMRで分析したところ化合物(4)は消失し、生成物のモル比率は化合物(5)/化合物(6)=37/63であった。
温度計、滴下ロートをそなえたフラスコに化合物(4)20.01g(71.4mmol)、水20.00g、エタノール14.82gを入れてマグネチックスターラーで撹拌し、ウォーターバスで冷却しながら、水酸化カリウム8.22g(146.5mmol)を含有する水溶液129.46gを1時間かけて滴下した。滴下開始時の液温度は24℃で最高到達温度は28℃であった。
滴下終了後30分撹拌した後に一部をサンプリングし19F−NMRで分析したところ化合物(4)は残存し、反応混合物中のモル比率は、化合物(4)/化合物(5)/化合物(6)=31/28/41であった。
温度計、滴下ロートをそなえたフラスコに化合物(4)20.00g(71.4mmol)、水20.01g、ジメトキシエタン16.73gを入れてマグネチックスターラーで撹拌し、ウォーターバスで冷却しながら、水酸化カリウム8.21g(146.4mmol)を含有する水溶液129.33gを1時間かけて滴下した。滴下開始時の液温度は25℃で最高到達温度は37℃であった。
滴下終了後30分撹拌した後に一部をサンプリングし19F−NMRで分析したところ化合物(4)は消失し、生成物のモル比率は、化合物(5)/化合物(6)=2/98であった。
温度計、滴下ロートをそなえたフラスコに化合物(4)20.00g(71.4mmol)、水20.02g、アセトニトリル17.62gを入れてマグネチックスターラーで撹拌し、ウォーターバスで冷却しながら、水酸化カリウム8.21g(146.4mmol)を含有する水溶液129.34gを1時間かけて滴下した。滴下開始時の液温度は25℃で最高到達温度は36℃であった。
滴下終了後30分撹拌した後に一部をサンプリングし19F−NMRで分析したところ化合物(4)は消失し、生成物のモル比率は、化合物(5)/化合物(6)=35/65であった。
Claims (4)
- 前記アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを5〜50質量%含む水溶液であって、
前記フッ素含有ビニルモノマーに対する、ナトリウム又はカリウムのモル割合が、1.9〜2.1である、請求項1に記載の製造方法。 - 0〜40℃でケン化する、請求項1又は2に記載の製造方法。
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JPH11291627A (ja) * | 1998-04-09 | 1999-10-26 | Kuraray Co Ltd | 感熱記録材料 |
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