JP2021031397A - スルホン酸基含有モノマーの製造方法 - Google Patents

スルホン酸基含有モノマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、燃料電池用隔膜、燃料電池用触媒バインダーポリマー、食塩電解用隔膜等のフッ素系高分子電解質の原材料となり得る、スルホン酸基含有モノマーを収率良く製造できる方法を提供することを目的としている。【解決手段】本発明の一般式(3)で表されるスルホン酸基含有モノマーの製造方法は、一般式(1)で表される含フッ素2−アルコキシプロピオン酸誘導体と、一般式(2)で表される金属アルコキシド化合物と、を接触・混合させる工程を含むことを特徴としている。【選択図】なし

Description

本発明は、スルホン酸基含有モノマーの製造方法に関する。より詳細には、燃料電池用隔膜、燃料電池用触媒バインダーポリマー、食塩電解用隔膜等のフッ素系高分子電解質の原材料となり得るスルホン酸基含有モノマーを収率良く製造する方法に関する。
従来、燃料電池用隔膜、食塩電解用隔膜等の主要成分として、下記一般式(4)で表されるペルフルオロポリマーが主に採用されている。
Figure 2021031397
(式(4)中、pは0〜6の整数、qは1〜6の整数、k及びlは1以上の整数)
一般式(4)で表されるポリマーは、下記一般式(5)で表されるフッ素化モノマーとテトラフルオロエチレン(TFE)との共重合体をケン化反応及び酸処理を施すことによって製造できることが知られている。
Figure 2021031397
(式(5)中、p及びqは上記一般式(4)と同じ)
上記一般式(5)で表されるフッ素化モノマーの中でも、p=1かつq=2〜4であるモノマーから製造されるポリマーが広く用いられている。p=1かつq=2〜4であるモノマーは下記のルートで製造できることが知られている。
Figure 2021031397
ところで、上記一般式(4)においてp=0であるポリマーは、pが1以上のポリマーと比べて、主鎖とスルホン酸基との間のスペーサー部が短いため、pが1以上の場合よりも高いガラス転移温度と高い強度を発現することが知られている。
しかしながら、このポリマーの原材料となる、p=0の上記一般式(5)で表されるフッ素化モノマーは、合成が困難であるという問題があった。すなわち、p=1の上記一般式(5)で表されるフッ素化モノマーの場合と同様にして、CF3CF(COF)O(CF2qSO2Fから脱炭酸・ビニル化反応を行うと、環化反応が主反応となり、短鎖構造を有するp=0の上記一般式(5)で表されるフッ素化モノマーの収率が極めて低くなることが知られている。
例えば、下記のスキームに示すように、q=2の場合、環化反応のみが進行し、上記一般式(5)においてp=0、q=2であるフッ素化モノマーを得ることは困難である(例えば、非特許文献1参照)。
Figure 2021031397
このような環化反応を起こさないスルホン酸基含有モノマー(CF2=CFO(CF22SO3Na)も開発されており、その製造法として、CF3CF(COF)O(CF22SO2Fを水酸化ナトリウム水溶液で中和処理して粉末状のCF3CF(CO2Na)O(CF22SO3Naを得た後、加熱・脱炭酸反応によりCF2=CFO(CF22SO3Naを取得する方法が開示されている。(例えば、特許文献1参照)
しかしながら、当該方法ではCF3CF(CO2Na)O(CF22SO3Naを加熱・脱炭酸反応させる前に、乾燥温度が異なる2段階の乾燥工程により水分を除去しているが、反応操作が煩雑となる。
特開2004−18454号公報
日本学術振興会・フッ素化学第155委員会、「フッ素化学入門2010 基礎と応用の最前線」p.353−355
本発明の目的は、上記現状を考慮し、スルホン酸基含有モノマーを収率良く製造する方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、煩雑な乾燥工程を経ることなく、スルホン酸基含有モノマーを製造する方法を提供することである。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、含フッ素2−アルコキシプロピオン酸誘導体と金属アルコキシド化合物を混合撹拌することにより、煩雑な乾燥工程を経ることなく目的物であるスルホン酸基含有モノマーを収率良く得られる方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]
下記一般式(1)で表される含フッ素2−アルコキシプロピオン酸誘導体と、
Figure 2021031397
(式(1)中、pは0〜6の整数であり、qは1〜6の整数であり、Xはハロゲン又はORであり、Rは水素又は置換されていてもよい炭素数1〜10個の炭化水素基であり、Yはハロゲン又はOM’であり、M’ はアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。)
下記一般式(2)で表される金属アルコキシド化合物と、
Figure 2021031397
(式(2)中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。R1〜R3は各々独立に水素又は置換されていてもよい炭素数1〜10個の炭化水素基である。)
を接触・混合させる工程を含むことを特徴とする、下記一般式(3)で表されるスルホン酸基含有モノマーの製造方法。
Figure 2021031397
(式(3)中、p、qは前記一般式(1)のp、qと同じであり、Zは水素原子又はMであり、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。)
[2]
前記金属アルコキシド化合物が、前記一般式(2)においてMがアルカリ金属である化合物である、[1]に記載のスルホン酸基含有モノマーの製造方法。
[3]
前記金属アルコキシド化合物が、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウム−n−プロポキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウム−tert−ブトキシド、リチウムフェノキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−n−プロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−n−プロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウム−tert−ブトキシド、及びカリウムフェノキシドからなる群から選ばれる化合物である、[1]又は[2]に記載のスルホン酸基含有モノマーの製造方法。
本発明によれば、スルホン酸基含有モノマーを収率良く製造することができる。また、本発明によれば、煩雑な乾燥工程を経ることなく、スルホン酸基含有モノマーを製造することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
(スルホン酸基含有モノマーの製造方法)
本発明は、下記一般式(1)で表される含フッ素2−アルコキシプロピオン酸誘導体と、
Figure 2021031397
(式(1)中、pは0〜6の整数であり、qは1〜6の整数であり、Xはハロゲン又はORであり、Rは水素又は置換されていてもよい炭素数1〜10個の炭化水素基であり、Yはハロゲン又はOM’であり、M’ はアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。)
下記一般式(2)で表される金属アルコキシド化合物と、
Figure 2021031397
(式(2)中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。R1〜R3は各々独立に水素又は置換されていてもよい炭素数1〜10個の炭化水素基である。)
を接触・混合させる工程を含むことを特徴とする、下記一般式(3)で表されるスルホン酸基含有モノマーの製造方法である。
Figure 2021031397
(式(3)中、p、qは前記一般式(1)のp、qと同じであり、Zは水素原子又はMであり、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。)
なお、本明細書において、上記一般式(1)で表される含フッ素2−アルコキシプロピオン酸誘導体を「化合物(1)」、上記一般式(2)で表される金属アルコキシド化合物を「化合物(2)」、上記一般式(3)で表されるスルホン酸基含有モノマーを「化合物(3)」と称する場合がある。
本発明において化合物(1)と化合物(2)を接触・混合させることにより、化合物(3)が得られる詳細な理由については明らかではないが、以下に示すようなメカニズムによると推定される。
化合物(1)と化合物(2)との接触により、化合物(1)の−S(O)2Xで表される官能基は、XがORの場合は直接、Xがハロゲンの場合は一旦−S(O)2OCR123を経由して−S(O)2OZへと変換される。(Zは水素原子又はMであり、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。)この反応においては水が生成することはなく乾燥工程は不要である。
一方、化合物(1)の−C(O)Yで表される官能基は、Yがハロゲンである場合は化合物(2)との接触により−C(O)OCR123へと変換され、さらに化合物(2)及び水を加えて加熱することにより化合物(3)へと変換することができる。この反応において添加された水は消費され化合物(2)に由来するアルコールが生成するがその除去は容易である。また、YがOM’である場合は化合物(1)と化合物(2)とを接触混合し、そのまま加熱することにより化合物(3)へと変換することができ乾燥工程は不要である(M’ はアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。)。
<含フッ素2−アルコキシプロピオン酸誘導体(化合物(1))>
化合物(1)において、pは0〜6の整数であり、qは1〜6の整数であり、Xはハロゲン又はORであり、Rは水素又は置換されていてもよい炭素数1〜10個の炭化水素基である。
化合物(1)の入手性、合成のし易さの観点から、pは0〜1、qは2〜4であることが好ましい。
ハロゲンとしては、F、Clが好ましい。
Rのうち炭素数1〜10個の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、フェニル基が化合物(1)の合成の容易さの観点から好ましい。
化合物(1)は例えば前記非特許文献1、p.321に記載の方法で合成することができる。すなわちテトラフルオロエチレンと三酸化硫黄から得られた環状化合物をフッ化カリウムと反応させてFOCCF2SO2Fを得た後、フッ化カリウム存在下、ヘキサフルオロプロピレンオキシドと反応させてFOCCF(CF3)(OCF2CF(CF3))pO(CF22SO2F(pは0〜6の整数である。)を合成することができる。この化合物を公知の方法によりハロゲン交換を行うことにより、又はアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、塩と反応させることにより、又はアルコール、アルコキシドと反応させることにより、YOCCF(CF3)(OCF2CF(CF3))pO(CF22SO2X(pは0〜6の整数であり、Xはハロゲン又はORであり、Rは水素又は置換されていてもよい炭素数1〜10個の炭化水素基であり、Yはハロゲン又はOM’であり、M’ はアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。)を合成することができる。
<金属アルコキシド化合物(化合物(2))>
化合物(2)において、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であるが、化合物(2)の入手性、合成のし易さの観点から、Mはアルカリ金属が好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが好ましい。
化合物(2)において、R1〜R3は各々独立に水素又は置換されていてもよい炭素数1〜10個の炭化水素基である。
1〜R3について「置換されていてもよい炭化水素基」としては、例えば、脂肪族炭化水素基、フェニル基等の芳香族炭化水素基、及び炭化水素基中の水素原子が全てフッ素原子に置換された、トリフルオロメチル基等のフッ素置換炭化水素基等が挙げられる。
なお、上記炭化水素基は、必要に応じて、官能基を有していてもよい。このような官能基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトリル基(−CN)、エーテル基(−O−)、カーボネート基(−OCO2−)、エステル基(−CO2−)、カルボニル基(−CO−)、スルフィド基(−S−)、スルホキシド基(−SO−)、スルホン基(−SO2−)、ウレタン基(−NHCO2−)等が挙げられる。
化合物(2)としては、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウム−n−プロポキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウム−tert−ブトキシド、リチウムフェノキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−n−プロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−n−プロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウム−tert−ブトキシド、カリウムフェノキシドが、入手の容易であるという理由で好ましい。
化合物(2)は市販品を使用しても構わないし、アルコール、フェノール等の入手可能な化合物から合成してもよい。
本実施形態の製造方法において、混合撹拌時には、溶媒を用いることが好ましい。
上記溶媒としては、反応時に不活性であればよく、各種の非プロトン性極性溶媒を用いることができ、例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、4−メチルテトラヒドロピラン等の各種のエーテル基含有溶媒、アセトニトリル等のニトリル基含有溶媒、スルホラン等のスルホン基含有溶媒等が挙げられる。中でも、化合物(3)を収率良く得るため、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、4−メチルテトラヒドロピラン等のエーテル基含有溶媒の使用が好ましい。
本実施形態の製造方法において、溶媒の使用量は、化合物(1)100質量部に対して10〜1000質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜500質量部である。溶媒がこの範囲より少ない場合には化合物(1)と化合物(2)との接触により生じた塩のために撹拌が困難となるので好ましくない。溶媒がこの範囲より多い場合には後にこの溶媒を除去する工程が煩雑になるため好ましくない。
本実施形態の製造方法において、化合物(2)の使用量は、化合物(1)に対して、モル当量以上用いることが好ましく、化合物(1)のモル当量に対して1〜6倍用いることがより好ましく、化合物(1)のモル当量に対して2〜4倍用いることが最も好ましい。
混合撹拌の温度は、−80℃〜300℃であることが好ましく、より好ましくは−20℃〜250℃である。
混合撹拌の時間は、0.01〜50時間であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10時間である。
本実施形態の製造方法において、目的物である化合物(3)とともに、副生物として下記一般式(6)で表されるプロトン付加体(以下、化合物(6))
Figure 2021031397
(式(6)中、p、qは前記一般式(1)のp、qと同じであり、Zは水素原子又はMであり、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。)が生成する場合がある。
以上のように、本発明は、高い耐熱性を備えた燃料電池用隔膜、燃料電池用触媒バインダーポリマー、食塩電解用隔膜等の各種のフッ素系高分子電解質の原材料となるスルホン酸基含有モノマーを効率よく製造することができる。
以下、本発明の実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において使用された分析方法は、以下の通りである。
核磁気共鳴分析(NMR):1H−NMR、19F−NMRによる分子構造解析
測定装置:JNM−ECZ400S型核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製)
溶媒:重クロロホルム、重水
基準物質:CFCl3(0ppm)
[実施例1]
マグネチックスターラー、滴下漏斗を備えた200mLの丸底フラスコに、あらかじめ60℃、真空下で3時間乾燥させたナトリウムメトキシド(13.0g、純度95.6%、0.23mol)、ジメトキシエタン(59.3g)、水(0.94g、0.052mol)を加えた。反応器を氷冷して内部の温度を10℃以下に保ちながら2時間かけて、CF3CF(COF)OCF2CF2SO2F(20.25g、純度94%、0.055mol)を滴下した。滴下終了後、さらに反応混合物を20℃で1時間撹拌した。この液中の水分は0.06質量%(0.003mol、カールフィッシャー電量滴定法による)であった。
得られた反応混合物を、減圧蒸留にて溶媒を除去した後に再び1,2−ジメトキシエタン60.0gを加えた。この液7.0gを容量30mLの加圧容器に入れ内部を窒素雰囲気とした後に、160℃で3時間加熱すると、脱炭酸反応が起こり、得られた反応混合物をサンプリングし、19F−NMRを測定すると、CF2=CFOCF2CF2SO3Naが収率92%、CF3CFHOCF2CF2SO3Naが収率8%で生成していることがわかった。
CF2=CFOCF2CF2SO3Na
19F−NMR:δ(ppm)−134.2(1F)、−123.5(1F)、−117.6(2F)、−116.8(1F)、−83.8(2F)
CF3CFHOCF2CF2SO3Na
19F−NMR:δ(ppm)−145.8(1F)、−117.3(2F)、−84.6(1F)、−83.6(3F)、−82.6(1F)
[実施例2]
マグネチックスターラー、滴下漏斗を備えた200mLの丸底フラスコに、あらかじめ180℃、窒素気流下で3時間乾燥させた炭酸ナトリウム(5.95g、0.056mol)、1,2−ジメトキシエタン(25.1g)を加えた。反応器を氷冷して内部の温度を10℃以下に保ちながら1時間かけて、CF3CF(COF)OCF2CF2SO2F(20.11g、純度94%、0.055mol)を滴下した。滴下終了後、さらに反応混合物を20℃で1時間撹拌すると、カルボン酸ナトリウム塩(CF3CF(CO2Na)OCF2CF2SO2F)が得られた。
マグネチックスターラー、滴下漏斗を備えた300mLの丸底フラスコに、あらかじめ60℃、真空下で3時間乾燥させたナトリウムメトキシド(6.26g、純度95.6%、0.11mol)、1,2−ジメトキシエタン(34.9g)を加えた。反応器を氷冷して内部の温度を10℃以下に保ちながら1時間かけて、前記のカルボン酸ナトリウム塩を含む液を滴下した。滴下終了後、さらに反応混合物を20℃で1時間撹拌した。この液中の水分は0.04質量%(0.002mol、カールフィッシャー電量滴定法による)であった。
得られた反応混合物7.0gを容量30mLの加圧容器に入れ内部を窒素雰囲気とした後に、160℃で3時間加熱すると、脱炭酸反応が起こり、得られた反応混合物をサンプリングし、19F−NMRを測定すると、CF2=CFOCF2CF2SO3Naが収率93%、CF3CFHOCF2CF2SO3Naが収率7%で生成していることがわかった。
CF2=CFOCF2CF2SO3Na
19F−NMR:δ(ppm)−134.3(1F)、−123.5(1F)、−117.6(2F)、−116.2(1F)、−83.7(2F)
CF3CFHOCF2CF2SO3Na
19F−NMR:δ(ppm)−145.8(1F)、−117.3(2F)、−84.8(1F)、−83.6(3F)、−82.3(1F)
[比較例1]
窒素雰囲気下、50mLの3口フラスコに、水酸化ナトリウム(1.00g、純度97.0%、24.2mmol)、アセトニトリル(13.0g)を入れ、反応器を水浴中で内部の温度を20℃に保ちながらCF3CF(COF)OCF2CF2SO2F(2.06g、純度99.2%、5.90mmol)を添加した。添加終了後、20℃で4時間撹拌した。
得られた反応混合物7.0gを容量30mLの加圧容器に入れ内部を窒素雰囲気とした後に、160℃で3時間加熱すると、脱炭酸反応が起こり、得られた反応混合物をサンプリングし、19F−NMRを測定すると、CF3CFHOCF2CF2SO3Naのみが収率96%で生成していることがわかった。
CF3CFHOCF2CF2SO3Na
19F−NMR:δ(ppm)−145.7(1F)、−117.4(2F)、−84.7(1F)、−83.6(3F)、−82.3(1F)
本発明により、燃料電池用隔膜、燃料電池用触媒バインダーポリマー、食塩電解用隔膜等の用途に有用な高い耐熱性を有するフッ素系高分子電解質の原料であるスルホン酸基含有モノマーを収率良く製造することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される含フッ素2−アルコキシプロピオン酸誘導体と、
    Figure 2021031397
    (式(1)中、pは0〜6の整数であり、qは1〜6の整数であり、Xはハロゲン又はORであり、Rは水素又は置換されていてもよい炭素数1〜10個の炭化水素基であり、Yはハロゲン又はOM’であり、M’ はアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。)
    下記一般式(2)で表される金属アルコキシド化合物と、
    Figure 2021031397
    (式(2)中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。R1〜R3は各々独立に水素又は置換されていてもよい炭素数1〜10個の炭化水素基である。)
    を接触・混合させる工程を含むことを特徴とする、下記一般式(3)で表されるスルホン酸基含有モノマーの製造方法。
    Figure 2021031397
    (式(3)中、p、qは前記一般式(1)のp、qと同じであり、Zは水素原子又はMであり、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。)
  2. 前記金属アルコキシド化合物が、前記一般式(2)においてMがアルカリ金属である化合物である、請求項1に記載のスルホン酸基含有モノマーの製造方法。
  3. 前記金属アルコキシド化合物が、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウム−n−プロポキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウム−tert−ブトキシド、リチウムフェノキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−n−プロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−n−プロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウム−tert−ブトキシド、及びカリウムフェノキシドからなる群から選ばれる化合物である、請求項1又は2に記載のスルホン酸基含有モノマーの製造方法。
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