JP5902712B2 - ペルフルオロビニルエーテルスルフィン酸及びその塩類の調製 - Google Patents

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Description

本発明は、単量体ペルフルオロビニルエーテルスルフィン酸及びその塩類の製造方法に関する。
ペルフルオロビニルエーテルスルフィン酸及びその塩類は、フリーラジカル重合反応の開始剤として有用性がある。
フッ素化スルフィナートの合成方法は、文献で報告されている。例えば、ペルフルオロアルカンスルフィナートは、亜硫酸塩と酸化剤、ヒドロキシメタンスルフィナート、二酸化チオ尿素、又は亜ジチオン酸ナトリウムを、水中、並びにアセトニトリル、グリコール、ジエチレングリコール、及びアルコール類などの共溶媒中で用いる脱ハロゲン化及びスルフィン化反応によって、対応するペルフルオロアルカンハライドから調製することができる。
また、フッ化炭素スルフィナートは、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、及びジエチレングリコールジエチルエーテルなどの溶媒中で、亜硫酸塩、ヒドラジン、ジチオナイト、及び亜鉛を用いる、対応するペルフルオロアルカンスルホニルハライドの還元によって調製することもできる。これらの方法は、米国特許第3,420,877号、同第5,285,002号(Grootaert)、同第5,639,837号(Farnhamら)、同第6,462,228号(Dams)、特開2006131588号(Aoki)、国際公開第03/10647号(Moll)、C.M.Hu,F.L.Quing and W.Y.Huang,J Org Chem,1991,2801〜2804、W.Y.Huang,Journal of Fluorine Chemistry,58,1992,1〜8、W.Y.Huang,B.N.Huang and W.Wang in Acta Chim.Sinica(Engl.Ed.),1986,178〜184,and Acta Chim.Sinica(Engl.Ed.),1986,68〜72、F.H.Wu and B.N.Huang,Journal of Fluorine Chemistry,67,1994,233〜234、C.M.Hu,F.L.Quing and W.Y.Huang,Journal of Fluorine Chemistry,42,1989,145〜148に報告されている。
一部の官能化出発物質について、これらの方法には、反応時間が遅いこと、典型的にはスルフィナートから除去する必要があり、最終的にそのスルフィナートを用いるプロセス、例えばフリーラジカル重合反応に悪影響を及ぼし得る共溶媒を使用しなくてはならない、副生成物が大量に生じることなど、いくつかの不利な点がある。
米国特許第4,544,458号(Grotら)及び特開昭52−24176号(Sekoら)で報告されるように、高分子フルオロスルフィナートも、フルオロスルホニルハライドポリマー側鎖の還元、並びにアルキルハライドポリマー側鎖の脱ハロゲン化及びスルフィン化などの方法を用いて合成されている。
官能化高分子スルフィナートの一部は従来の方法で合成されているが、対応する官能化ペルフルオロアルキルスルフィナート単量体を合成する従来の方法では、収率が低く、更なる分離及び精製工程を要する非常に多くの副生成物が生じている。例えば、米国特許第5,639,837号(Farnhamら)を参照のこと。
したがって、フッ素化スルフィナート、特に官能化フッ素化スルフィナートの、得られた反応混合物を更に処理又は精製する必要がない改善された調製方法への必要性が引き続き存在する。更に、フッ素化スルフィナートの収率を改善することが望ましい。
一態様では、本明細書の説明により、
a)下記式(I):
CF=CF−O−R−CFX−SO−Y
(式中、YはCl又はFであり、XはF、又は直鎖若しくは分枝鎖ペルフルオロ化アルキル基であり、Rは直鎖又は分枝鎖ペルフルオロ化連結基であり、飽和又は不飽和、置換又は非置換であってよい)で表されるペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドを準備する工程と、
b)ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドを、有機プロトン性溶媒中で還元剤によって還元する工程であって、還元剤が、式(II)及び式(III)のうち1つによって表され、
式(II)が、
MBH(R’)4−n
(式中、nは1、2、3、又は4であり、Mはアルカリ金属であり、R’は、R”、OR”、OH、又はOC(O)R”であり、ここでR”はC1〜C6直鎖又は分枝鎖アルキル基である)であり、
又は
式(III)が、
Al(B
(式中、xは0又は1であり、yは1又は2であり、zは3、4、5、又は6であり、wは1、2、又は3である)である、工程と、
を含む、方法が提供される。
いくつかの実施形態では、この方法は更に、酸を添加して、ペルフルオロビニルエーテルスルフィン酸を生成する工程を含む。いくつかの実施形態では、この方法は更に、ペルフルオロビニルエーテルスルフィン酸に塩基を添加して、ペルフルオロビニルエーテルスルフィン酸塩を生成する工程を含む。
一態様では、Rは、−(CF−、−(CF−O−(CF−、及び−(CF−[O−(CF−、−[(CF−O−]−[(CF−O−](式中、a、b、c、及びdは、独立して少なくとも1である)、並びにこれらの組み合わせから選択される。別の態様では、本発明の方法で用いられるペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドは、CF=CF−O−C−SOFを含み、本発明の方法によって形成されるペルフルオロビニルエーテルスルフィナートは、CF=CF−O−C−SOM’(式中、M’は水素、又は有機若しくは無機カチオンである)を含む。別の態様では、本発明の方法で用いられるペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドは、CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCF−SOFを含み、本発明の方法によって形成されるペルフルオロビニルエーテルスルフィナートは、CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCF−SOM’(式中、M’は水素、又は有機若しくは無機カチオンである)を含む。更に別の態様では、本発明の方法で用いられるペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドは、CF=CF−O−CFCF−SOFを含み、本発明の方法によって形成されるペルフルオロビニルエーテルスルフィナートは、CF=CF−O−CFCF−SOM’(式中、M’は水素、又は有機若しくは無機カチオンである)を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、水素化物還元剤は、NaBH及びKBHを含む群から選択される。
更に別の態様では、ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドを、有機プロトン性溶媒中で還元剤によって還元する工程は、還元剤を、ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドと有機プロトン性溶媒との混合物に添加するように行われる。
いくつかの実施形態では、溶媒は、C〜Cアルコール、及びエーテルを含むC〜Cアルコールを含む群から選択される。いくつかの実施形態では、溶媒は更に、少なくとも1種の共溶媒を含む。
上記の概要は、各実施形態を説明することを目的とするものではない。本発明の1つ以上の実施形態の詳細を以下の説明文においても記載する。他の特徴、目的、及び利点は、説明文及び「特許請求の範囲」から明らかとなるであろう。
本明細書では以下の用語を使用する。
「a」、「an」、及び「the」は、互換可能なものとして使用され、1つ以上を意味し、「及び/又は」は、一方又は両方の記述された事例が起こる場合があることを示すために使用され、例えば、A及び/又はBは、(A及びB)と(A又はB)とを含む。本明細書においては更に、端点によって表わされる範囲には、その範囲内に含まれるすべての数値が含まれる(例えば、1〜10には、1.4、1.9、2.33、5.75、9.98などが含まれる)。本明細書においては更に、「少なくとも1」の記載には、1以上のすべての数値が含まれる(例えば、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100など)。
「スルフィナート」は、スルフィン酸及びスルフィン酸塩の両方を示すために使用される。また、本明細書では「フルオロスルフィナート」及び「フッ素化スルフィナート」も互換可能なものとして使用され、少なくとも1つのフッ素原子を含有するスルフィン酸及びスルフィン酸塩を示す。
本発明で有用なペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドは、式(I)で表すことができる。ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドは、単一のペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライド化合物又はペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドの混合物を含んでよい。いくつかの実施形態では、ペルフルオロ化連結基であるRは、飽和又は不飽和、直鎖又は分枝鎖部分である。Rは、例えば、1つ以上の置換基で置換されていてよく、又はRは未置換であってよい。ペルフルオロ化連結基は、ペルフルオロ化連結基であるRの1つ以上の炭素原子を、ヘテロ原子がペルフルオロ化連結基の少なくとも2つの炭素原子に結合するような方法で置換するカテナリーヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、又はイオウ原子を任意に含んでよい。いくつかの実施形態では、Rは、−(CF−、−(CF−O−(CF−、及び−(CF−[O−(CF−、−[(CF−O−]−[(CF−O−](式中、a、b、c、及びdは、独立して少なくとも1である)、並びにこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、Rは、約1、2、5、又は更に7から、約10、12、15、18、又は更に20個の炭素原子を有する。
本発明で有用な代表的なペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドとして、以下のものが挙げられる。
CF=CF−O−CFCF−SO
CF=CF−O−CFCF−SOCl
CF=CF−O−CFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCF−SOCl
Figure 0005902712
CF=CF−O−CFCFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCFCF−SOCl
CF=CF−O−CFCFCFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCFCFCF−SOCl
CF=CF−O−CFCFCFCFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCFCFCFCF−SOCl
Figure 0005902712
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
Figure 0005902712
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SOCl
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SOCl
溶媒は、少なくとも1種の有機プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、760トル(101.3kPa)における沸点が110℃以下である1種以上のアルコールを含んでよい。代表的な有用な有機プロトン性溶媒として、ギ酸、酢酸、及びアルコールが挙げられる。いくつかの実施形態では、溶媒は水を含有しない。低級アルカノール、特に1〜4個の炭素原子を有するものが、溶媒として本方法に用いるのに好ましい。いくつかの実施形態では、低級アルカノールは、追加の酸素基、例えばメトキシ基を含有してよい。代表的な有用なアルコールとして、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、三級ブタノール、イソブタノール、メトキシエタノール、及びグリコールが挙げられる。いくつかの実施形態では、溶媒はエタノールである。いくつかの実施形態では、溶媒はイソプロパノールである。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の有機プロトン性溶媒に加え、共溶媒が存在してもよい。いくつかの実施形態では、共溶媒は更なる有機プロトン性溶媒であってよい。いくつかの実施形態では、共溶媒は非プロトン性溶媒であってよい。いくつかの実施形態では、共溶媒として、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチルエーテル、又は水を挙げることができる。
溶媒は、反応中に、適切な攪拌と熱伝導を可能にするのに十分な量で存在しなくてはならない。いくつかの実施形態では、フルオロスルフィナート生成物の純度が所望のレベルに達するように、反応完了後に溶媒を除去してよい。いくつかの実施形態では、共溶媒は、溶媒と共溶媒との合計量の最大90重量%の量で存在してよい。
抽出、減圧下における蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー、及びその他既知の分離方法などの任意の従来の方法を用いて、溶媒を除去してよい。
本発明のいくつかの実施形態で有用な還元剤として、式(II):MBH(R’)4−n(式中、nは1、2、3、又は4であり、Mはアルカリ金属であり、R’は、R”、OR”、OH、又はOC(O)R”であり、ここでR”はC1〜C6直鎖又は分枝鎖アルキル基である)で表されるものが挙げられる。いくつかの実施形態では、有用な水素化物還元剤として、ホウ化水素ナトリウム、ホウ化水素カリウム、及びホウ化水素リチウムが挙げられる。本発明のいくつかの実施形態では、有用な還元剤として、式(III):Al(B(式中、xは0又は1であり、yは1又は2であり、zは3、4、5、又は6であり、wは1、2、又は3である)で表されるものが挙げられる。本発明のいくつかの実施形態で使用する代表的な還元剤として、NaBH、KBH、NaBH(OCH、LiBH、Al(BH、NaBHCN、LiBH(CH、LiBH(CHCH、BH、及びBが挙げられる。
その他有用な還元剤として、水素、ヒドラジン、ジイソブチルアルミニウム水素化物、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カリウム、水素化アルミニウム、水素化カルシウム、リチウムアルミニウム水酸化物、モノ−、ジ−、又はトリ(低級アルコキシ)アルカリ金属アルミニウム水素化物、モノ−、ジ−、又はトリ(低級アルコキシ低級アルコキシ)アルカリ金属アルミニウム水素化物、ジ(低級アルキル)アルミニウム水素化物、シアノホウ素化水素アルカリ金属、トリ(低級アルキル)スズ水素化物、トリ(アリール)スズ水素化物などが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライド−溶媒混合物に還元剤を添加することによって実施する。あるいは、本方法は、ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドを還元剤−溶媒混合物に添加することによって実施してもよい。
いくつかの実施形態では、還元工程の方法は無酸素環境で実施する。いくつかの実施形態では、窒素ガスを用いることによって無酸素環境を得ることができる。
いくつかの実施形態では、還元工程の方法は、水を含有していない、乾燥した水分がない状態の溶媒を用いて実施する。
ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドのモル数に対する還元剤のモル数の比が、少なくとも0.25、0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、又は更に1.7、多くとも1.8、1.9、2.0、又は更に3.0の範囲にあるような量で、還元剤を添加してよい。いくつかの実施形態では、ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドのモル数に対する還元剤のモル数の比は、1.7〜1.8である。いくつかの実施形態では、ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドのモル数に対する還元剤のモル数の比は、1.8である。
スルフィン酸(溶媒とスルフィン酸との混合物を含む)の温度は、スルフィン基の分解を防ぐため、120℃未満に維持しなくてはならない。
いくつかの実施形態では、還元剤の添加は、約−20℃〜約100℃の温度で実施する。例えば、反応溶液を、約−20℃、−10℃、0℃、又は更に10℃から、約20℃、40℃、60℃、80℃、又は更に100℃の温度に維持している間に、還元剤を添加してよい。いくつかの実施形態では、還元剤の添加温度範囲は、0℃〜30℃である。いくつかの実施形態では、還元剤の添加後、還元反応混合物を室温まで加温できる。いくつかの実施形態では、反応時間中、反応混合物の温度を、約−20℃、−10℃、0℃、又は更に10℃から、約20℃、40℃、60℃、80℃、又は更に100℃の温度に維持してよい。
いくつかの実施形態では、還元工程における添加時間を、最長2時間、最長4時間、又は最長10時間継続してよい。いくつかの実施形態では、添加時間を、更に長く、最長15時間、最長20時間、又は更に最長24時間継続してよい。
遊離のペルフルオロビニルエーテルスルフィン酸を得るために、還元反応直後に、酸を添加してよい。いくつかの実施形態では、塩酸、硝酸、又は硫酸などの強酸を添加してよい。いくつかの実施形態では、反応混合物が室温、例えば23℃に達したときに酸を添加する。いくつかの実施形態では、還元剤の添加後2時間、4時間、10時間、15時間、20時間、又は24時間など、還元工程における所望の添加時間の終了時に、酸を添加してよい。いくつかの実施形態では、反応混合物のpHを、pH 5、pH 3、又は更にpH 1まで下げるのに十分な量の酸を添加する。
必要に応じて、塩基添加という追加の工程によって、遊離のペルフルオロビニルエーテルスルフィン酸を酸塩に変換することができる。いくつかの実施形態では、塩基は、水酸化アルカリ金属、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、又は水酸化アルカリ土類であってよい。いくつかの実施形態では、塩基は、水酸化アンモニウムであってよい。
いくつかの実施形態では、溶液を中和するのに十分な量で、塩基を添加する。いくつかの実施形態では、過剰の塩基は添加されない。いくつかの実施形態では、塩基をペルフルオロビニルエーテルスルフィン酸水溶液に添加し、確実に滴定を完了させてよい。塩基の添加後、真空ストリッピング法を使用して水を除去し、純粋な塩を単離することができる。いくつかの実施形態では、最終産物である塩を水で希釈して、ペルフルオロビニルエーテルスルフィン酸塩の水溶液を調製することができる。
フルオロスルフィナート生成物は、反応混合物中で用いたフルオロ脂肪族スルホニルハライドのフルオロスルフィナート誘導体を主に含む。典型的には、フルオロスルフィナート生成物は、フルオロスルフィナート生成物の総重量に基づき、少なくとも約20、40、50、60、70、80、又は更に90重量パーセントのフルオロスルフィナート化合物を含むことになる。
本発明の方法によって得ることができる代表的なペルフルオロビニルエーテルスルフィナートとして、以下のものが挙げられる。
CF=CF−O−CFCF−SO
CF=CF−O−CFCF−SONa
CF=CF−O−CFCF−SO
CF=CF−O−CFCF−SONH
CF=CF−O−CFCFCF−SO
Figure 0005902712
CF=CF−O−CFCFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCFCF−SONa
CF=CF−O−CFCFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCFCF−SONH
Figure 0005902712
CF=CF−O−CFCFCFCFCF−SO
CF=CF−O−CFCFCFCFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SONa
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SONH
Figure 0005902712
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SO
CF=CF−O−[CFCF(CF)−O]−CFCFCFCF−SO
フルオロオレフィンは、フルオロポリマーを製造するためのコモノマーとして有用である。本発明の方法に従って調製されるフッ素化スルフィナート生成物は、エチレン性不飽和モノマーのフリーラジカル重合を開始するのに特に好適である。フッ素化スルフィナート生成物を用いて、フッ素含有エチレン性不飽和モノマー、及び任意にフッ素非含有末端不飽和モノオレフィンコモノマー(例えば、エチレン又はプロピレン)、又はヨウ素若しくは臭素含有硬化部位コモノマーを含む、重合性混合物の単独重合又は共重合を開始してよい。本発明のフルオロスルフィナートが有用であり得る重合手法としては、典型的には、水性媒体中における乳化重合又は懸濁重合が挙げられる。
本発明の方法に従って調製されるフルオロスルフィナートは、ポリマーの加工に効果的なイオン性末端部を含まないフルオロポリマーの製造に特に有用である。本発明の方法によって製造されるフルオロスルフィナートは、界面活性剤、開始剤、反応性中間体、及び独特の分枝フルオロポリマーを生じる反応性モノマーとして使用することができる。
以下の実施形態は、本出願の主題を代表するものである。
1.
a)下記式(I):
CF=CF−O−R−CFX−SO−Y
(式中、YはCl又はFであり、XはF、又は直鎖若しくは分枝鎖ペルフルオロ化アルキル基であり、Rは直鎖又は分枝鎖ペルフルオロ化連結基であり、飽和又は不飽和、置換又は非置換であってよく、任意にカテナリーヘテロ原子を含む)で表されるペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドを準備する工程と、
b)ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドを、有機プロトン性溶媒中で還元剤によって還元する工程であって、還元剤が、式(II)及び式(III)のうち1つによって表され、
式(II):
MBH(R’)4−n
式中、nは1、2、3、又は4であり、Mはアルカリ金属であり、R’は、R”、OR”、OH、又はOC(O)R”であり、ここでR”はC1〜C6直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、
又は
式(III):
Al(B
式中、xは0又は1であり、yは1又は2であり、zは3、4、5、又は6であり、wは1、2、又は3である、工程と、
を含む、ペルフルオロビニルエーテルスルフィナートの調製方法。
2.方法が、酸を添加して、ペルフルオロビニルエーテルスルフィン酸を生成する工程を更に含む、実施形態1に記載の方法。
3.方法が、ペルフルオロビニルエーテルスルフィン酸に塩基を添加して、ペルフルオロビニルエーテルスルフィン酸塩を生成する工程を更に含む、実施形態2に記載の方法。
4.Rが、−(CF−、−(CF−O−(CF−、及び−(CF−[O−(CF−、−[(CF−O−]−[(CF−O−](式中、a、b、c、及びdが、独立して少なくとも1である)、並びにこれらの組み合わせから選択さる、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
5.ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドが、CF=CF−O−C−SOFを含み、ペルフルオロビニルエーテルスルフィナートが、CF=CF−O−C−SOM’(式中M’が水素又は有機若しくは無機カチオンである)を含む、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
6.ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドが、CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCF−SOFを含み、ペルフルオロビニルエーテルスルフィナートが、CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCF−SOM’(式中M’が水素、又は有機若しくは無機カチオンである)を含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
7.ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドが、CF=CF−O−CFCF−SOFを含み、ペルフルオロビニルエーテルスルフィナートが、CF=CF−O−CFCF−SOM’(式中、M’が水素、又は有機若しくは無機カチオンである)を含む、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
8.水素化物還元剤が、NaBH及びKBHを含む群から選択される、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法。
9.ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドを、有機プロトン性溶媒中で還元剤によって還元する工程が、還元剤を、ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドと有機プロトン性溶媒との混合物に添加するように行われる、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の方法。
10.ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドを、有機プロトン性溶媒中で還元剤によって還元する工程が、ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドを、還元剤と有機プロトン性溶媒との混合物に添加するように行われる、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の方法。
11.溶媒が、C〜Cアルコール、及びエーテルを含むC〜Cアルコールを含む群から選択される、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の方法。
12.溶媒が、少なくとも1種の共溶媒を更に含む、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の方法。
本開示の利点及び実施形態を以降の実施例によって更に例示するが、これら実施例において列挙される特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に制限するものと解釈されるべきではない。これらの実施例では、すべての部、百分率、割合、比などは、特に指示しない限り重量による。他に言及のない限り、すべての試薬はAldrich Chemical Co.(Milwaukee,Wis.)から得たか若しくは入手可能であり、又は既知の方法によって合成してもよい。
以下の実施例では、これらの略語を用いる。g=グラム、min=分、cm=センチメートル、mm=ミリメートル、mL=ミリリットル、及びmmHg=水銀柱ミリメートル。
以下の実施例は、あくまで説明を目的としたものであって、付属の「特許請求の範囲」をいかなる意味においても限定することを目的とするものではない。
Figure 0005902712
比較例1
250g(0.66モル)のMV4Sと500gのテトラヒドロフラン(THF)を3口丸底フラスコに加え、この溶液を攪拌し、0℃に冷却した。47g(1.2モル)のNaBHを、固体添加漏斗を通して少しずつ、1時間かけて加えた。発熱は観察されなかった。NaBHの添加中、反応を10℃未満に保持した。浴を外し、スラリーを20℃まで温めた。非常に高い発熱反応が続き、71℃まで上昇した。この反応を20℃まで戻した後、水650g中130gの濃硫酸をゆっくりと加え、2つの相を生じさせた。下相のフッ素化物相を一晩真空ストリッピングし、濾過による固体の除去後、116gの淡黄色油を得た。核磁気共鳴分光法(NMR)により、23%の収率で所望のMV4SOHが確認された。
比較例2
50g(0.13モル)のMV4Sと120gのジメチルホルムアミド(DMF)を、攪拌しながら1L容の3口丸底フラスコに加え、この溶液を窒素パージして、0℃に冷却した。8.9g(0.23モル)のNaBHを、少しずつ、1回の添加につき5℃発熱の割合で1時間かけて加えた。NaBHの添加中、反応を13℃未満に保持した。フラスコを20℃まで温め、スラリーを30分間攪拌した。水250g中50gの濃硫酸をゆっくりと加えた。1つの相の溶液が形成され、150gのメチルt−ブチルエーテル(MTBE)を用いて上相を抽出した。上相を真空ストリッピングして溶媒を除くと、48.5gの反応混合物が得られた。NMRにより確認された所望のMV4SOH生成物は、非常に少なかった。
比較例3
50g(0.13モル)のMV4Sと120gの試薬等級の1,2−ジメトキシエタン(グリム)を、攪拌しながら1L容の3口丸底フラスコに入れ、窒素パージし、0℃まで冷却した。8.9g(0.23モル)のNaBHを、少しずつ、1回の添加につき5℃発熱の割合で1時間かけて加えた。NaBHの添加中、反応を19℃未満に保持した。このフラスコを20℃まで温めると、発熱反応が起こって温度が80℃まで上昇した。反応温度を20℃まで冷却した後、水250g中50gの濃硫酸をゆっくりと加えた。1つの相の溶液が形成され、150gのメチルt−ブチルエーテル(MTBE)を用いて上相を抽出した。上相を真空ストリッピングして溶媒を除くと、37.8gの反応混合物が得られた。NMRにより確認されたビニルエーテル生成物は、非常に少なかった。
(実施例1)
50g(0.13モル)のMV4Sと150mLの試薬等級のエタノールを、1リットル容の3口丸底フラスコに加えた。この溶液を攪拌し、0℃に冷却した。3.4g(0.09モル)のNaBHを、少しずつ、1回の添加につき5℃発熱の温度上昇で30分間かけて加えた。NaBHの添加中、反応を10℃未満に保持した。フラスコを20℃まで温め、スラリーを30分間攪拌した。水200g中26gの濃HSOをゆっくりと加えると、温度が32℃まで上昇した。未反応MV4Sである下相のフッ素化物相31gを回収した。透明な上相の溶液を110gのメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)で抽出し、真空ストリッピングを行い、28gの半固体物質を回収した。この半固体物質は、引き続き多少の水、エタノール、及び塩を含有していた。NMRにより、反応したMV4Sに基づき、86%の収率で所望のMV4SOHが確認された。
(実施例2)
180gのエタノール、8.8gのNaBH、水250mL中50gの濃HSO、及び150gのMTBEを使用した以外は、実施例1と同様に実施例2を実施した。上相の真空ストリッピングにより溶媒を除去し、88.6gの濃縮生成物が得られ、これを水で156gまで希釈した。NMRにより、91%の収率で所望のMV4SOHが確認された。
(実施例3)
スケールを大きくした以外は実施例2と同様に、実施例3を実施した。実施例2で用いた量の代わりに、実施例3では、251g(0.66モル)のMV4S、600gのエタノール、44.2g(1.16モル)のNaBH、水1250mL中250gの濃HSO、及び500gのMTBEを用いた。上相の真空ストリッピングにより溶媒を除去し、固体の濾過後380gの濃縮生成物が得られ、これを水で786gまで希釈した。NMRにより、89%の収率で所望のMV4SOHが確認された。
(実施例4)
実施例3で用いた量の代わりに、実施例4では、255g(0.67モル)のMV4S及び44g(1.15モル)のNaBHを用いた以外は、実施例3と同様に実施例4を実施した。この実施例では塩形成を実証する。上相の真空ストリッピングにより溶媒を除去し、固体の濾過後に212gの濃縮生成物が得られた。NMRにより、81%の収率で所望のMV4SOHが確認された。
110gのMV4SOHに20g(0.32モル)のアンモニア(27%水酸化アンモニウムとして)を加えると、定量的収率で、MV4SONHがろう様固体として得られた。MV4SONHの融点を測定すると、74℃であった。
(実施例5)
100g(0.26モル)のCF=CFOCSOF(MV4S)と220gの無水エタノールを、攪拌しながら1L容の3口丸底フラスコに加え、20℃で窒素をパージした。投入量17.7g(0.46モル)のNaBHを、発熱させながら1時間かけて少しずつ加え、50℃に保持した。反応混合物は泡状で、わずかに還流していた。この反応を20℃まで戻した後、水400g中100gの濃HSOを加えた。わずかに不透明な1つの相の溶液が形成され、182gのMTBEを用いて上相を抽出した。上相の真空ストリッピングにより溶媒を除去し、固体の濾過後に118gの濃縮生成物が得られた。NMRにより、72%の収率で所望のMV4SOHが確認された。
(実施例6)
54g(0.14モル)のMV4Sと110gの2−プロパノールを、攪拌しながら1L容の3口丸底フラスコに加え、窒素パージして、0℃に冷却した。9.6g(0.25モル)のNaBHを1時間かけて少しずつ加え、反応温度を36℃に到達させた。このフラスコを20℃まで戻し、スラリーを30分間攪拌した。水200g中50gの添加量の濃HSOをゆっくりと加えた。わずかに不透明な1つの相の溶液が形成され、100gのMTBEを用いて上相を抽出した。上相の真空ストリッピングにより溶媒を除去し、固体の濾過後に36gの濃縮生成物が得られた。NMRにより、57%の収率で所望のMV4SOHが確認された。
(実施例7)
51.5g(0.14モル)のMV4Sと110gの無水メタノールを、攪拌しながら1L容の3口丸底フラスコに加え、窒素パージして、0℃に冷却した。9.2g(0.24モル)の添加量のNaBHを、少しずつ、1回の添加につき5℃発熱の温度上昇で1時間かけて加えた。NaBHの添加中、反応を10℃未満に保持した。フラスコを室温まで温め、スラリーを30分間攪拌した。水200g中50gの添加量の濃HSOをゆっくりと加えた。わずかに不透明な1つの相の溶液が形成され、100gのMTBEを用いて上相を抽出した。上相の真空ストリッピングにより溶媒を除去し、固体の濾過後に36gの濃縮生成物が得られた。NMRにより、66%の収率で所望のMV4SOHが確認された。
(実施例8)
52.4g(0.14モル)のMV4Sと110gの試薬等級の1−ブタノールを、攪拌しながら1L容の3口丸底フラスコに加え、窒素をパージした。9.3g(0.24モル)のNaBHを、1時間かけて少しずつ加え、反応温度を50℃にした。このフラスコを室温に到達させ、スラリーを30分間攪拌した。水200g中50gの添加量の濃HSOをゆっくりと加えた。生成物と溶媒が上相中に含まれる2つの相が得られた。上相の真空ストリッピングにより溶媒を除去し、固体の濾過後に49.6gの濃縮生成物が得られた。NMRにより、60%の収率で所望のMV4SOHが確認された。
(実施例9)
45g(0.10モル)のMV3b2Sと180gの試薬等級のエタノールを、攪拌しながら1L容の3口丸底フラスコに加え、窒素パージし、0℃まで冷却した。6.9g(0.18モル)の添加量のNaBHを少しずつ、1回の添加につき5℃発熱の温度上昇で30分間かけて加えた。NaBHの添加中、反応を10℃未満に保持した。フラスコを20℃まで温め、スラリーを30分間攪拌した。水250g中50gの濃HSOをゆっくりと加えた。わずかに不透明な1つの相の溶液が形成され、150gのMTBEを用いて上相を抽出した。上相の真空ストリッピングにより溶媒を除去し、固体の濾過後、51%の粗収率で20gの濃縮生成物が得られた。NMRにより、所望のMV3b2SOHが確認された。
(実施例10)
実施例9のMV3b2SOH、10gに2.2g(0.03モル)のアンモニア(27%水酸化アンモニウムとして)を加えると、定量的収率で、MV3b2SONHがろう様固体として得られた。MV3b2SONHの融点は観察されず、分解開始は208℃で起こった。
(実施例11)
17.7g(0.46モル)のNaBHと218gの試薬等級のエタノールを、攪拌しながら1L容の3口丸底フラスコに入れ、窒素パージして、0℃に冷却した。100g(0.26モル)のMV4Sを、反応温度を10℃未満に保持しながら、2時間かけて加えた。この反応を20℃に温め、半時間攪拌し、その後水400g中100gの濃硫酸を加えた。1つの相の溶液が形成され、200gのMTBEを用いて上相を抽出した。上相を真空ストリッピングして溶媒を除去し、固体の濾過後に75gの濃縮生成物が得られた。NMRにより、43%の収率で所望のMV4SOHが確認された。
(実施例12)
10gのMV4S(26.3ミリモル)、20gの乾燥THF(CaHから蒸留)、及び5gの無水エタノールを、温度計、還流凝縮器、窒素フロー、及び固体添加漏斗を取り付けた250mL容の3口丸底フラスコに投入した。窒素下でこの溶液を0℃に冷却し、1.32gのNaBH(34.9ミリモル)を、温度を10℃未満に維持しつつ、30分間かけて攪拌しながら少しずつ加えた。添加後、溶液を窒素下で最大20℃までゆっくりと温めた。反応混合物の19F NMR分析により、20℃、15分間の反応後、−SOFの変換が92%であり、30分後に変換が100%であることが示された。+42ppmにおける−SOFの化学シフトは消失し、−111ppmにおける−CFSOFのシグナルが、対応する−CFSONa生成物に対する−135ppmにシフトした。−135ppmにおける−CFSONaのシグナル、及びCF=CFO−のシグナルに基づき、>95%のNMR収率で所望の生成物、CF=CF−O−C−SONaが同定された。水素化副生成物は観察されなかった。
(実施例13)
10gのMV4S(26.3ミリモル)、24gの乾燥THF(CaHから蒸留)、及び4.0gの酢酸(EM Science(Gibbstown,NJ)から入手、>99.5%)を、温度計、還流凝縮器、窒素フロー、及び固体添加漏斗を取り付けた250mL容の3口丸底フラスコに投入した。窒素下でこの溶液を10℃未満に冷却し、0.85gのNaBH(34.9ミリモル)を、温度を10℃未満に維持しつつ、30分間かけて攪拌しながら少しずつ加えた。添加後、溶液を窒素下で最大20℃までゆっくりと温め、攪拌を30分間継続した。19F NMR分析により、−SOFの−SONaへの変換が36%であり、選択性が高いことが示された。更に0.5gのNaBH(13.2ミリモル)を加え、更に1時間20℃で反応させると、変換率が50%に上昇した。更に0.42gのNaBH4を20℃で加え、更に1時間反応させると、変換率は94%に更に上昇した。CF=CF−O−C−SONaと水素化副生成物の最終的な比率は、96対4であった。
本明細書中に引用される特許、特許文献、及び刊行物の完全な開示内容を、恰もそれぞれが個々に援用されたのと同様にしてそれらの全容を援用するものである。本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、本明細書において以下に記述する「特許請求の範囲」によってのみ限定されると意図する本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。

Claims (3)

  1. a)下記式(I):
    CF=CF−O−R−CFX−SO−Y
    (式中、YはCl又はFであり、XはF、又は直鎖若しくは分枝鎖ペルフルオロ化アルキル基であり、Rは直鎖又は分枝鎖ペルフルオロ化連結基であり、飽和又は不飽和、置換又は非置換であってよい)で表されるペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドを準備する工程と、
    b)前記ペルフルオロビニルエーテルスルホニルハライドを、C〜Cアルコール及び酢酸からなる群から選択される有機プロトン性溶媒中で還元剤によって還元する工程であって、前記還元剤が、式(II)及び式(III)のうち1つによって表され、
    式(II)が、
    MBH(R’)4−n
    (式中、nは1、2、3、又は4であり、Mはアルカリ金属であり、R’は、R”、OR”、OH、又はOC(O)R”であり、ここでR”は、C1〜C6直鎖又は分枝鎖アルキル基である)であり、
    又は
    式(III)が、
    Al(B
    (式中、xは0又は1であり、yは1又は2であり、zは3、4、5、又は6であり、wは1、2、又は3である)である、工程と、
    を含む、CF =CF−O−R−CFX−SO −M’(式中、M’は水素、又は有機若しくは無機カチオンである。)を製造する方法。
  2. 元剤が、NaBH及びKBHを含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記有機プロトン性溶媒が、エーテル共溶媒を更に含む、請求項1に記載の方法。
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