JP2019147760A - ニトリル系溶媒の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】さまざまな不純物を含むニトリル系溶媒の精製方法の提供。【解決手段】イミンなどを不純物として含有するニトリル系溶媒に塩酸などのpH3以下の酸性水溶液を接触させること、酸性水溶液との接触を経たニトリル系溶媒に亜硫酸水素ナトリウム水溶液を接触させること、亜硫酸水素ナトリウム水溶液との接触を経たニトリル系溶媒に水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性水溶液を接触させること、およびアルカリ性水溶液との接触を経たニトリル系溶媒を蒸留することを含む、イソブチロニトリルなどのニトリル系溶媒を精製する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ニトリル系溶媒の精製方法に関する。
ニトリル系溶媒には不純物が含まれていることがある。不純物はさまざまな不具合を生じさせることがあるので、種々の精製方法が提案されている。
例えば、特許文献1は、イソブチレンまたはt−ブチルアルコールのアンモ酸化反応により生成するガスを、亜硫酸水素ナトリウム水溶液にpH5〜9、温度80℃以下で接触させ、前記ガスに含まれるメタクロレインを分離除去することを含む、メタクリロニトリルの製造方法を開示している。
特許文献2は、プロピレンのアンモキシデーションにおいて副生するアセトニトリルを、次亜塩素酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の水溶液と接触させることを特徴とするアセトニトリルの精製法を開示している。引用文献2は、この接触処理に際して、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸を併用することが好ましいと述べている。
特許文献3は、アクリロニトリルにアセチルアセトンおよびジメチルアミノエタノールを加えて50℃にて加熱し、次いで塩化第2鉄水溶液を加え、その後、常温に冷却し精密蒸留することによって、不純物であるアクロレインを除去したことを開示している。
特許文献4は、含水粗アセトニトリルをアルカリと混合し、アセトニトリル相と水相とに分離して水相を除去し、得られたアセトニトリル相を蒸留工程に通して精製アセトニトリルを得、得られた精製アセトニトリルを陽イオン交換樹脂に通して高純度アセトニトリルを得ることを特徴とする高純度アセトニトリルの製造方法を開示している。
特許文献5は、粗アセトニトリルを精製するに際して、原料の粗アセトニトリルと発生期の酸素を接触させる第1の工程、および第1の工程を経たアセトニトリルを固体塩基、吸着剤から選ばれた1種以上の物質と接触させる第2の工程の順で粗アセトニトリルを精製することを特徴とする粗アセトニトリルの精製方法を開示している。
特許文献6は、プロピレンまたはイソブチレンを触媒の存在下アンモオキシデーション反応させてえた副生粗アセトニトリルにオゾンを含むガスを接触させ、次いで塩基性 物質で中和した後、蒸留することにより波長200nm〜350nmにおける紫外線吸収の無いアセトニトリルを得ることを特徴とするアセトニトリルの精製方法を開示している。
特許文献7は、プロピレンまたはイソブチレンを触媒の存在下アンモオキシデーション反応せしめて得た副生粗アセトニトリルを硫酸と接触させた後、硫酸分を分離し、次いでオゾンを含むガスと接触させた後、蒸留することにより、波長200nm〜350nmにおける紫外線吸収の無いアセトニトリルを得ることを特徴とするアセトニトリルの精製法を開示している。
特許文献8は、粗アセトニトリルを精製するに際して、原料の粗アセトニトリルと発生期の酸素とを接触させる第1の工程と、第1の工程を経たアセトニトリルを塩基性物質,吸着剤から選ばれた1種以上の物質と接触させる第2の工程と、第2の工程を経たアセトニトリルに含まれる過マンガン酸還元性物質を分離除去する第3の工程と、および、第3の工程を経たアセトニトリルに含まれる低沸点化合物および高沸点化合物を分離除去する第4の工程とからなる粗アセトニトリルを精製することを特徴とする粗アセトニトリルの精製方法を開示している。引用文献8は、過マンガン酸還元性物質除去剤として、塩化鉄、亜硫酸水素ナトリウムなどを例示している。
特開昭57−62247号公報 特開昭51−32518号公報 特開昭52−68118号公報 WO2006/121081A1 特開平6−329610号公報 特開平5−25112号公報 特開平5−32605号公報 特開平8−12640号公報
ニトリル系溶媒の用途は、有機合成反応用の溶媒、農薬や医薬品の原料などから、二次電池の電解液、有機EL材料合成用の溶媒、電子部品の洗浄液などの高度な技術分野に広がっている。そのため、超高純度のニトリル系溶媒が必要になってきている。従来技術においては、アルデヒドなどのカルボニル化合物の除去に焦点が当たっていたが、イミンの除去は考慮されていなかった。
本発明の課題は、イミンなどを不純物として含有するニトリル系溶媒を精製し、より高純度のニトリル系溶媒を製造する方法を提供することである。本発明の別の課題は、イミンと、共役ジエン、カルボニル化合物または高沸点物質とを不純物として含有するニトリル系溶媒を精製し、より高純度のニトリル系溶媒を製造する方法を提供することである。
上記課題を解決するために検討した結果、以下の態様を包含する本発明を見出した。
〔1〕 不純物を含有するニトリル系溶媒に、pH3以下の酸性水溶液を接触させること、
酸性水溶液との接触を経たニトリル系溶媒に、亜硫酸水素ナトリウム水溶液を接触させること、および
亜硫酸水素ナトリウム水溶液との接触を経たニトリル系溶媒に、アルカリ性水溶液を接触させること
を含む、ニトリル系溶媒の精製方法。
〔2〕 不純物を含有するニトリル系溶媒、酸性水溶液との接触を経たニトリル系溶媒、亜硫酸水素ナトリウム水溶液との接触を経たニトリル系溶媒またはアルカリ性水溶液との接触を経たニトリル系溶媒に、酸化剤を接触させることをさらに含む、〔1〕に記載の精製方法。
〔3〕 アルカリ性水溶液との接触を経たニトリル系溶媒または酸化剤との接触を経たニトリル系溶媒を蒸留することをさらに含む、〔1〕または〔2〕に記載の精製方法。
〔4〕 酸性水溶液が、塩酸である、〔1〕〜〔3〕のいずれかひとつに記載の精製方法。
〔5〕 アルカリ性水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液である、〔1〕〜〔4〕のいずれかひとつに記載の精製方法。
〔6〕 ニトリル系溶媒が、イソブチロニトリルである、〔1〕〜〔5〕のいずれかひとつに記載の精製方法。
〔7〕 イミンを不純物として含有するニトリル系溶媒に、pH3以下の酸性水溶液を接触させることで、不純物であるイミンをカルボニル化合物に変換し、
次いで酸性水溶液との接触を経たニトリル系溶媒に、カルボニル化合物除去処理を施すこと
を含む、ニトリル系溶媒の精製方法。
本発明の精製方法によれば、イミンなどを不純物として含有するニトリル系溶媒から高純度のニトリル系溶媒を得ることができる。本発明の好ましい態様の精製方法によれば、イミンと、共役ジエン、カルボニル化合物または高沸点物質とを不純物として含有するニトリル系溶媒から高純度のニトリル系溶媒を得ることができる。
本発明のニトリル系溶媒の精製方法は、接触処理A、接触処理B、および接触処理Cをこの順で施すことを含む。本発明のニトリル系溶媒の好適な精製方法は、さらに接触処理Dおよび/または蒸留処理を施すことを含む。
本発明の精製方法の対象となるニトリル系溶媒は、分子内にシアノ基(−CN)を有する有機溶媒で、且つ不純物を含有するものである。本発明に用いられるニトリル系溶媒は、疎水性のものが好ましい。ここで、「疎水性」は、常温で静置したときに、水の相とニトリル系溶媒の相に分離することを意味する。
ニトリル系溶媒の具体例としては、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリルなどの飽和脂肪族ニトリル、ベンゾニトリル、o−トルニトリル、m−トルニトリル、p−トルニトリルなどの芳香族ニトリルなどを挙げることができる。これらのうち、飽和脂肪族ニトリル、芳香族ニトリルが好ましい。
本発明の精製方法は、イミンを不純物として含有するニトリル系溶媒に対して好ましく適用でき、イミンと、共役ジエン、カルボニル化合物および/または高沸点物質とを不純物として含有するニトリル系溶媒に対してより好ましく適用できる。
ニトリル系溶媒に含まれている不純物であるイミンとしては、例えば、式(I)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2019147760
式(I)中、R1〜R3は、水素原子または有機基を意味する。
ニトリル系溶媒に含まれている不純物である共役ジエンとしては、例えば、式(II)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2019147760
式(II)中、R4〜R9は、水素原子または有機基を意味する。R5とR6が繋がって環を成していてもよい。
ニトリル系溶媒に含まれている不純物であるカルボニル化合物としては、ケトン、アルデヒドを挙げることができる。
ニトリル系溶媒に含まれている不純物である高沸点物質は、前記のイミン、共役ジエン、カルボニル化合物以外の物質であって、ニトリル系溶媒の沸点よりも高い沸点を有する物質である。
(接触処理A)
接触処理Aにおいて用いられる酸性水溶液としては、例えば、塩酸(塩化水素水溶液)、硫酸水溶液、硝酸水溶液などの鉱酸水溶液を挙げることができる。これらのうち、塩酸が好ましい。酸性水溶液のpH(20℃)は、通常、3以下であり、好ましくは2.9以下、2.8以下、2.7以下、2.6以下、2.5以下、2.4以下、2.3以下、2.2以下、2.1以下、2.0以下、1.9以下、1.8以下、1.7以下、1.6以下、1.5以下などを選択することができる。
接触させる酸性水溶液の量は、特に限定されないが、ニトリル系溶媒の総重量に対して、例えば、1〜500重量%、1〜400重量%、1〜300重量%、1〜200重量%、1〜100重量%などを選択することができる。
ニトリル系溶媒に酸性水溶液を接触させる方法は特に限定されない。例えば、バッチ式抽出装置にて、ニトリル系溶媒と酸性水溶液とを入れ、撹拌する方法;連続式抽出装置にて、ニトリル系溶媒と酸性水溶液とを向流接触させる方法などを挙げることができる。ニトリル系溶媒に酸性水溶液を接触させるときの温度は特に限定されないが、例えば、0℃〜100℃、0℃〜90℃、0℃〜80℃、0℃〜70℃、0℃〜60℃、0℃〜50℃などを選択することができる。
酸性水溶液との接触処理によって、ニトリル系溶媒に含まれている不純物であるイミンが、対応するカルボニル化合物と第一級アミンに分解する。
Figure 2019147760
第一級アミンは、ニトリル系溶媒の相よりも酸性水溶液の相に多く溶解するので、酸性水溶液の相をニトリル系溶媒の相から分離すると、ニトリル系溶媒から第一級アミンを除去できる。そして、接触処理Aの施されたニトリル系溶媒にはカルボニル化合物が不純物として残される。
(接触処理B)
接触処理Bにおいて用いられる亜硫酸水素ナトリウム水溶液は、その濃度によって、特に限定されないが、例えば、1重量%〜溶解度、5重量%〜溶解度、10重量%〜溶解度、15重量%〜溶解度、20重量%〜溶解度、25重量%〜溶解度、30重量%〜溶解度、30重量%〜35重量%などを選択することができる。なお、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)は、25℃における水への溶解度が約43〜44重量%であり、20℃における亜硫酸水素ナトリウム水溶液のpHは、好ましくは3.0超過、より好ましくは3.5〜5.0である。
接触させる亜硫酸水素ナトリウム水溶液の量は、特に限定されないが、ニトリル系溶媒の総重量に対して、例えば、1〜500重量%、1〜400重量%、1〜300重量%、1〜200重量%、1〜100重量%などを選択することができる。
ニトリル系溶媒に亜硫酸水素ナトリウム水溶液を接触させる方法は特に限定されない。例えば、バッチ式抽出装置にニトリル系溶媒と亜硫酸水素ナトリウム水溶液とを入れ、撹拌する方法;連続式抽出装置にて、ニトリル系溶媒と亜硫酸水素ナトリウム水溶液とを向流接触させる方法などを挙げることができる。ニトリル系溶媒と亜硫酸水素ナトリウム水溶液を接触させるときの温度は特に限定されないが、例えば、0℃〜100℃、0℃〜90℃、0℃〜80℃、0℃〜70℃、0℃〜60℃、0℃〜50℃などを選択することができる。
亜硫酸水素ナトリウム水溶液との接触処理によって、ニトリル系溶媒に含まれている不純物であるカルボニル化合物が、対応するα−ヒドロキシスルホン酸化合物に変換される。
Figure 2019147760
α−ヒドロキシスルホン酸化合物は、ニトリル系溶媒の相よりも亜硫酸水素ナトリウム水溶液の相に多く溶解するので、亜硫酸水素ナトリウム水溶液の相をニトリル系溶媒の相から分離すると、ニトリル系溶媒からα−ヒドロキシスルホン酸化合物(すなわち、カルボニル化合物)を除去できる。このようにして不純物であるイミンを除去できる。
接触処理Bに代えて、ニトリル化合物からアルデヒドなどのカルボニル化合物を除去するための公知の処理を施してもよい。例えば、イオン交換樹脂でニトリル中の不純物であるアルデヒドなどを除去することを含む処理方法(特開2000−16978号公報、特開昭58−134063号公報、特開平10−7638号公報、特開昭54−151915号公報、WO2006/121081Aなど参照)、アクリロニトリルにアセチルアセトンおよびジメチルアミノエタノールを加えて50℃にて加熱し、次いで塩化第2鉄水溶液を加え、その後、常温に冷却し精密蒸留することを含む処理方法(特開昭52−68118号公報など参照)などを挙げることができる。
(接触処理C)
接触処理Cにおいて用いられるアルカリ性水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ金属水酸化物水溶液、水酸化カルシウム水溶液、水酸化ストロンチウム水溶液などのアルカリ土類金属水酸化物水溶液、アンモニア水、メチルアミン水溶液などを挙げることができる。これらのうち水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。アルカリ性水溶液の濃度は、特に限定されないが、例えば、1重量%〜溶解度、5重量%〜溶解度、10重量%〜溶解度、15重量%〜溶解度、20重量%〜溶解度、25重量%〜溶解度、30重量%〜溶解度、30重量%〜35重量%などを選択することができる。なお、水酸化ナトリウムは、20℃における水への溶解度が約109g/100mlであり、水酸化カリウムは、25℃における水への溶解度が約110g/100mlである。
接触させるアルカリ性水溶液の量は、特に限定されないが、ニトリル系溶媒の総重量に対して、例えば、1〜500重量%、1〜400重量%、1〜300重量%、1〜200重量%、1〜100重量%などを選択することができる。
ニトリル系溶媒にアルカリ性水溶液を接触させる方法は特に限定されない。例えば、バッチ式抽出装置に、ニトリル系溶媒とアルカリ性水溶液とを入れ、撹拌する方法;連続式抽出装置にて、ニトリル系溶媒とアルカリ性水溶液とを向流接触させる方法などを挙げることができる。ニトリル系溶媒とアルカリ水溶液を接触させるときの温度は特に限定されないが、例えば、0℃〜100℃、0℃〜90℃、0℃〜80℃、0℃〜70℃、0℃〜60℃、0℃〜50℃などを選択することができる。
アルカリ性水溶液との接触によって、ニトリル系溶媒に含まれている不純物である酸性物質、接触処理AおよびBにおいて添加された酸性物質が、中和され、対応する塩に変換される。塩は、ニトリル系溶媒の相よりもアルカリ性水溶液の相に多く溶解するので、アルカリ性水溶液の相をニトリル系溶媒の相から分離すると、ニトリル系溶媒から塩(すなわち、酸性物質)を除去できる。
(接触処理D)
接触処理Dにおいて用いられる酸化剤としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(アンチホルミン)、過酸化水素、酸素、空気、オゾンなどを挙げることができる。これらのうち、取り扱いが容易なので、酸素、空気が好ましい。
接触処理Dは、接触処理Aを行う前の不純物を含有するニトリル系溶媒に、接触処理Bを行う前の酸性水溶液との接触を経たニトリル系溶媒に、接触処理Cを行う前の亜硫酸水素ナトリウム水溶液との接触を経たニトリル系溶媒に、または接触処理Cを行った後のアルカリ性水溶液との接触を経たニトリル系溶媒に施すことができる。
ニトリル系溶媒に酸化剤を接触させる方法は、特に限定されない。例えば、酸素、空気、オゾンなどのような気体状の酸化剤をニトリル系溶媒にバブリングする方法、気体状の酸化剤とニトリル系溶媒とをガス吸収塔にて向流接触させる方法、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(アンチホルミン)、過酸化水素などのような液体状の酸化剤をニトリル系溶媒に添加して撹拌する方法、ニトリル系溶媒を液体状の酸化剤に添加して撹拌する方法などを挙げることができる。
ニトリル系溶媒に酸化剤を接触させることにより、ニトリル系溶媒に含まれている不純物である共役ジエンなどが酸化される。共役ジエンの酸化を促進するという観点からは、気体状酸化剤を用いての接触処理Dを、亜硫酸水素ナトリウム水溶液の存在下にて行うことが好ましい。共役ジエンの酸化によって得られる生成物は、酸性水溶液との接触処理、亜硫酸水素ナトリウム水溶液との接触処理、若しくはアルカリ性水溶液との接触処理、または後述する蒸留処理によってニトリル系溶媒から除去することができる。
(蒸留処理)
蒸留処理は、接触処理Cまたは接触処理Dを行った後に行うことが好ましい。蒸留処理は、公知の方法で行うことができる。蒸留処理において、ニトリル系溶媒を蒸発させ、N−イソブチルホルムアミドなどの高沸点物質を残渣として分離できる。
次に、実施例を示して、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は実施例に限定されるものではない。
実施例1
N−イソブチル−2−メチルプロパン−1−イミン2454ppm、イソブチルアルデヒド37ppm、2,5−ジメチルヘキサ−2,4−ジエン8ppm、およびN−イソブチルホルムアミド220ppmを不純物として含む粗イソブチロニトリルを用意した。
5L四つ口フラスコに、粗イソブチロニトリル2567ml、および水513mlを添加した。これに、35%塩酸を加えて、水相のpHを1.9にした。次いで、23℃で0.5時間撹拌した。その後、液を静置してイソブチロニトリル相と水相とに分け、水相を除去した(接触処理A)。
接触処理Aで得られたイソブチロニトリル相に、水488ml、および35重量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液57.24gを添加し、24℃で1時間撹拌した。その後、液を静置してイソブチロニトリル相と水相とに分け、水相を除去した(接触処理B)。
接触処理Bで得られたイソブチロニトリル相に、水488ml、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液34.34g、および35%塩酸11.36gを添加した。空気を10ml/分で気相部に吹き込みながら、60℃まで昇温し、同温度で1.5時間放置した。次いで、24℃まで冷却し、静置して、イソブチロニトリル相と水相とに分け、水相を除去した(接触処理D)。
接触処理Dで得られたイソブチロニトリル相に、水257ml、および25重量%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH11.1にした。その後、24℃で0.5時間撹拌した。液を静置して、イソブチロニトリル相と水相とに分け、水相を除去した(接触処理C)。
接触処理Cで得られたイソブチロニトリル相に、水257mlを添加し、24℃で0.5時間撹拌した、その後、液を静置して、イソブチロニトリル相と水相とに分け、水相を除去した(水洗処理)。
水洗処理で得られたイソブチロニトリル相を加熱還流してDean−Stark脱水を行った。その後、イソブチロニトリルの沸点(内温108℃以下)で蒸留した(蒸留処理)。蒸留処理で得られたイソブチロニトリル相に含まれる不純物は、N−イソブチル−2−メチルプロパン−1−イミン2ppm未満、イソブチルアルデヒド2ppm未満、2,5−ジメチルヘキサ−2,4−ジエン2ppm未満、およびN−イソブチルホルムアミド2ppm未満であった。

Claims (7)

  1. 不純物を含有するニトリル系溶媒に、pH3以下の酸性水溶液を接触させること、
    酸性水溶液との接触を経たニトリル系溶媒に、亜硫酸水素ナトリウム水溶液を接触させること、および
    亜硫酸水素ナトリウム水溶液との接触を経たニトリル系溶媒に、アルカリ性水溶液を接触させること
    を含む、ニトリル系溶媒の精製方法。
  2. 不純物を含有するニトリル系溶媒、酸性水溶液との接触を経たニトリル系溶媒、亜硫酸水素ナトリウム水溶液との接触を経たニトリル系溶媒またはアルカリ性水溶液との接触を経たニトリル系溶媒に、酸化剤を接触させることをさらに含む、請求項1に記載の精製方法。
  3. アルカリ性水溶液との接触を経たニトリル系溶媒または酸化剤との接触を経たニトリル系溶媒を蒸留することをさらに含む、請求項1または2に記載の精製方法。
  4. 酸性水溶液が、塩酸である、請求項1〜3のいずれかひとつに記載の精製方法。
  5. アルカリ性水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液である、請求項1〜4のいずれかひとつに記載の精製方法。
  6. ニトリル系溶媒が、イソブチロニトリルである、請求項1〜5のいずれかひとつに記載の精製方法。
  7. イミンを不純物として含有するニトリル系溶媒に、pH3以下の酸性水溶液を接触させることで、不純物であるイミンをカルボニル化合物に変換し、
    次いで酸性水溶液との接触を経たニトリル系溶媒に、カルボニル化合物除去処理を施すこと
    を含む、ニトリル系溶媒の精製方法。
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