JP2019140273A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】無機薄膜を含んで構成されるバリア層を有する透明保護シートを受光面側の保護シートとして配置し、尚且つ、EVAをベース樹脂とする封止材シートを用いた太陽電池モジュールにおいて、太陽電池モジュール全体としての高度のバリア性を維持したまま、封止材シート由来の酢酸ガスによる太陽電池素子劣化のリスクは十分に低下させることが可能な太陽電池モジュールを提供すること。【解決手段】受光面側から、耐候層11、バリア層12、及び基材層13が、この順で配置されていて、バリア層12は、バリアフィルム樹脂基材121の表面に無機薄膜122が形成されてなる一又は複数のバリアフィルムにより構成されている透明保護シートを用いた太陽電池モジュール10とする。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池モジュールに関する。詳しくは、受光面側の最表面にガラス製の保護基板ではなく、可撓性を有する透明な樹脂シートを配置してなる太陽電池モジュールに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、封止材シート、太陽電池素子、封止材シート、及び裏面保護シートが順に積層された構成である。そして、この太陽電池モジュールは、太陽光が太陽電池素子に入射することにより発電する機能を有する。尚、太陽電池モジュールの受光面側の最表面に配置される透明前面基板としては、従来、ガラス製の保護基板が主として用いられてきた。
これに対して、近年、太陽電池モジュールの軽量化や、或いは、フレキシブル基板タイプのモジュールの需要拡大への対応策として、太陽電池モジュールの受光面側の最表面に配置される透明前面基板として、上記のガラス製の保護基板に代えて、可撓性を有する透明な樹脂シートを表面側保護シートとして配置した太陽電池モジュールの需要が拡大しつつある。
太陽電池モジュールは、長期間にわたって屋外で使用されることが想定されるため、これを構成する上記の各部材には当然に長期間にわたって屋外における過酷な環境に耐え得る高度の耐久性が求められる。特に、上記のように透明な樹脂シートを表面側保護シートとして配置とする場合、この表面側保護シートには、太陽電池モジュールの非受光面側に配置される裏面保護シートとは異なり透明性が必須の要件となり、尚且つ、ガラス保護基板に匹敵する程度の従来の裏面保護シート以上の耐候性及びバリア性が要求される。
受光面側に配置されることを想定する太陽電池モジュール用の保護シートに求められるこれらの要求に応えるために、透明性を有する熱可塑性樹脂等で形成した基材層に、高度のバリア性を付与するための金属蒸着層等や、高度の耐候性を付与するためのフッ素樹脂層等を、更に積層した多層構成からなる各種の透明保護シートが開発されている(特許文献1参照)。
一方、太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子を外部からの衝撃から保護することを主目的として配置される封止材シートとしては、その加工性、施工性、製造コスト、その他等の観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」とも表記する)をベース樹脂とする封止材シートが汎用的に用いられている。しかしながら、EVAは、長期間の使用に伴って徐々に分解する傾向があり、これに伴い太陽電池素子に悪影響を与える酢酸ガスを発生させる可能性がある点が問題視されていた。
例えば、特許文献1に開示されているような、高度のバリア性を有する透明保護シートと、汎用的なEVAをベース樹脂とする封止材シートと、を組合せて太陽電池モジュールを構成した場合、封止材シート由来の酢酸ガスは、透明保護シートの高度のバリア性によってモジュールの外部方向への拡散が遮断され、その大部分が太陽電池素子周辺に拡散してこれに悪影響を与えることとなりやすい。高度のバリア性を有する透明保護シートを用いて、太陽電池モジュール全体としてのバリア性を高い水準に維持したまま、尚且つ、封止材シート由来の酢酸ガスによる太陽電池素子劣化のリスクも十分に低下させることができる有効な技術的手段は未だ見出されていないというのが現状であった。
特開2012−040842号公報
本発明は、無機薄膜を含んで構成されるバリア層を有する透明保護シートを受光面側の保護シートとして配置し、尚且つ、EVAをベース樹脂とする封止材シートを用いた太陽電池モジュールにおいて、太陽電池モジュール全体としての高度のバリア性を維持したまま、封止材シート由来の酢酸ガスによる太陽電池素子劣化のリスクは十分に低下させることが可能な太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題の解決のために、先ず、太陽電池モジュールの受光面側の最表面に配置する透明保護シートについて、一又は複数の「バリアフィルム」からなるバリア層を、基材層と最表面の耐候層との間に配置する構成とした。尚、本明細書においては、樹脂基材の表面に、金属酸化物又は酸化チタン等のその他の無機物による蒸着膜、或いは、金属又はその他の無機物によるコーティングによって、厚さ0.05μm〜2.0μm程度の薄膜の無機バリア層が形成されているバリア性機能フィルムを総称して「バリアフィルム」と言うものとする。
透明保護シートの層構成を上記の通りとすることにより、これを配置した太陽電池モジュールにおいて、前面側の封止材シートと、透明保護シートのバリア層との間に、同透明保護シートの基材層が介在する層構成とすることができる。本発明者らは、太陽電池モジュールの層構成を、前面側の封止材シートと、受光面側の保護シートとして配置した透明保護シートのバリア層との間に、同透明保護シートの基材層が介在するこの層構成に特定することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 受光面側から順に、透明保護シート、封止材シート、及び太陽電池素子が、この順で配置されている積層構造を含んでなる、太陽電池モジュールであって、前記封止材シートは、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂をベース樹脂とする樹脂シートであって、前記透明保護シートは、受光面側から、耐候層、バリア層、及び基材層が、この順で配置されてなる多層シートであって、前記耐候層は、フッ素系樹脂をベース樹脂とし、前記バリア層は、バリアフィルム樹脂基材の表面に無機薄膜が形成されてなる一又は複数のバリアフィルムにより構成されていて、前記基材層は、ポリエステル系樹脂をベース樹脂とする、太陽電池モジュール。
(2) 前記バリア層は、複数の前記バリアフィルムが積層されてなる積層体である、(1)に記載の太陽電池モジュール。
(3) 前記基材層のベース樹脂がポリエチレンテレフタレートであって、該基材層の厚さが50μm以上280μm以下である(1)又は(2)に記載の太陽電池モジュール。
(4) 前記太陽電池素子が、薄膜シリコン太陽電池素子又は化合物系太陽電池素子である、(1)から(3)のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
(5) (4)に記載の太陽電池モジュールであって、前記太陽電池素子の非受光面側の最表面にも樹脂製の保護シートが配置されていて、フレキシブル性を有する太陽電池モジュール。
本発明によれば、無機薄膜を含んで構成されるバリア層を有する透明保護シートを受光面側の保護シートとして配置し、尚且つ、EVAをベース樹脂とする封止材シートを用いた太陽電池モジュールにおいて、太陽電池モジュール全体としての高度のバリア性を維持したまま、封止材シート由来の酢酸ガスによる太陽電池素子劣化のリスクは十分に低下させることが可能な太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の太陽電池モジュール用の透明保護シートを用いた太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池モジュール用の透明保護シートの層構成の一例を示す断面図である。
以下、本発明の太陽電池モジュール、及び、これを構成する透明保護シート等の太陽電池モジュールを構成する各部材について順次詳細に説明する。
<太陽電池モジュール>
図1は、本発明の太陽電池モジュール10の層構成を示した断面模式図である。太陽電池モジュール10は、図1に示す通り、受光面側から、透明保護シート1、前面側の封止材シート2、太陽電池素子5、背面側の封止材シート3、裏面保護シート4が順に積層された構成である。そして、太陽電池モジュール10は、同図に示す通り、少なくとも受光面側から順に、透明保護シート1、前面側の封止材シート2、及び太陽電池素子5が、この順で配置されている積層構造を最小限の必須の構成要件とする。
背面側の封止材シート3は、前面側の封止材シート2と同様のEVAをベース樹脂とする封止材シートであることが好ましいが、これに限らず、例えば、必要に応じて、ポリエチレン系樹脂の封止材シートとすることもできる。又、裏面保護シート4については、非受光面側の防水性を十分に維持することができるものが好ましい。このような保護シートの具体例としては、フッ素系樹脂等からなる基材樹脂層の間に、アルミニウム等からなる防水層を更に備える水蒸気バリア性の高い保護シートを挙げることができる。
又、本発明の太陽電池モジュールは、上記構成の他にも、非受光面側の防水性が十分に確保されている構成からなる太陽電池モジュール全般に、好ましく適用することができる。このような他の構成の太陽電池モジュールの一例として、例えば、受光面側から、透明保護シート1、前面側の封止材シート2、が積層されていて、これに続いて、太陽電池素子5がステンレス基板上に蒸着形成されている太陽電池素子基板が、太陽電池素子5を前面側の封止材シート2に向けて接合されていて、背面側の封止材シートや裏面保護シートは備えない構成の太陽電池モジュール(図示せず)等を挙げることができる。
<太陽電池モジュールの製造方法>
太陽電池モジュール10は、例えば、上記の透明保護シート1、前面側の封止材シート2、太陽電池素子5、背面側の封止材シート3、及び裏面保護シート4からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。例えば真空熱ラミネート加工による場合、ラミネート温度は、130℃以上190℃以下の範囲内とすることが好ましい。又、ラミネート時間は、5分以上60分以下の範囲内が好ましく、特に8分以上40分以下の範囲内が好ましい。このようにして、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して、太陽電池モジュール10を製造することができる。
太陽電池モジュール10に搭載される太陽電池素子5は、特に限定されない。但し、太陽電池モジュール10を構成する透明保護シート1は、極めて高度のバリア性を有するものであるため、薄膜シリコン太陽電池素子又は化合物系太陽電池素子を搭載する太陽電池モジュールに、本発明のモジュールを極めて好ましく適用することができる。これらの各太陽電池素子は、結晶系の太陽電池素子と比較してモジュール内への水分の侵入により、特段に深刻な悪影響を受けやすいが、太陽電池モジュール10は、その構造上、バリア性に極めて優れるからである。
又、太陽電池モジュール10は、受光面側及び非受光面側(或いは、両面採光型モジュールにおける前面側と背面側)の両面に配置される保護シートを、いずれも可撓性を有する樹脂製の透明保護シート1とし、太陽電池素子5としては、薄膜系の太陽電池素子を搭載した構成とすることにより、フレキシブル性を有する太陽電池モジュールとすることができる。このようなフレキシブル性を有する太陽電池モジュールは、凹凸のある平面上に貼り付けて設置することも可能であり、設置場所の制約が大幅に小さくなる。
<透明保護シート>
本発明の太陽電池モジュールに用いる透明保護シート1は、太陽電池モジュール用の保護シートであって、太陽電池モジュール10の受光面側の最表面に配置されることが想定されている。よって、太陽電池素子5に向かう光を十分に透過させることができる程度に「透明」であることが必須であり、尚且つ、その一方で高度の耐候性及びバリア性を有するシート状の部材であることが求められる。太陽電池モジュール10を構成する透明保護シート1は、全層における光線透過率が80%以上であり、好ましくは、85%以上である。
ここで、本明細書における「透明」とは「可視光域及び近赤外線領域の光線を透過」可能であることを言い、より詳しくは、波長400nm以上1200nm以下における光線透過率が、少なくとも80%以上であることを意味するものとする。又、本明細書における「光線透過率」とは、特段の断りがない場合、JIS−K−7105又はJIS−K−7136に準拠して測定された波長400nm以上1200nm以下における光線透過率のことを言うものとする。
透明保護シート1は、図2に示す通り、耐候層11、バリア層12、基材層13が、この順で積層されてなる多層シートである。耐候層11とバリア層12、及び、バリア層12と基材層13は、それぞれ接着剤層14A或いは14Cを介して接合されている。又、太陽電池モジュール10において、前面側の封止材シート2との接合面となることが想定される基材層13の表面には、EVAをベース樹脂とする封止材シートとの接着性を向上させる易接着層131が形成されていることが好ましい。
[耐候層]
透明保護シート1の耐候層11は、太陽電池モジュール10において受光面側の最表面に配置されることが想定される層である。透明保護シート1に求められる上記範囲の透明性を維持するために、耐候層11にも上記範囲の透明性(光線透過率)が求められる。
耐候層11を構成する樹脂としては、透明性と優れた耐候性を兼ね備えるフッ素系樹脂を用いることが好ましい。そのようなフッ素系樹脂の具体例として、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニル・エステル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等を例示することができる。透明保護シート1においては、上記の中でも、特に、ETFE又はPVDFを、耐候層11を形成する樹脂として好ましく用いることができる。
耐候層11を構成する樹脂として上記のようなフッ素系樹脂を用いる場合、耐候層11の厚さは、10μm以上30μm以下であることが好ましい。フッ素系樹脂を用いてなる耐候層11の厚さが10μm未満であると、加工性に劣ることとなり、一方、この耐候層11の厚さが30μmを超える場合、経済性に劣ることとなる。
[バリア層]
透明保護シート1のバリア層12は、太陽電池モジュール10において耐候層11と基材層13との間に配置される層であり、透明保護シート1のバリア性は主としてこの層によって維持される。
バリア層12は、バリアフィルム樹脂基材121の表面に無機薄膜122が形成されてなる「バリアフィルム」により形成されている。このバリア層12は、一枚のバリアフィルムによって構成されていてもよいが、複数枚の上記バリアフィルムが、接着剤層を介して接合されている積層体により構成されていることが好ましい。図2は、2枚のバリアフィルム12A、12Bが、接着剤層14Bを介して接合されてなる積層体により、透明保護シート1のバリア層12が構成されている実施形態を示している。
バリア層12を構成する「バリアフィルム(12A、12B)」のバリアフィルム樹脂基材121(121A、121B)を構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、フッ素系樹脂、ポリアミド(PI)、等を用いることができる。中でも、経済性(費用対効果)の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく、PETフィルムからなるバリアフィルム樹脂基材121に酸化アルミニウムの蒸着層である無機薄膜122が形成されたアルミナ蒸着PETや、或いは、シリカ蒸着PET等を、バリア層12を構成する「バリアフィルム(12A、12B)」として特に好ましく用いることができる。
バリアフィルム樹脂基材121の厚さは、6μm以上150μm以下であることが好ましく、9μm以上50μm以下であることがより好ましい。バリアフィルム樹脂基材121の厚さが6μm以上であることにより、寸法安定性や、蒸着時に必要な耐熱性を付与することができ、バリアフィルム樹脂基材121の厚さが150μm以下であることにより、加工時のフィルム搬送適性を付与することができる。
透明保護シート1のバリア層12を構成するために用いられる「バリアフィルム」の無機薄膜122は、金属酸化物の蒸着層であることが好ましい。但し、無機薄膜は、金属コーティング層であってもよく、或いは、上記の蒸着層と金属コーティング層が積層されてなる複合層であってもよい。
無機薄膜122の厚さは、特に限定されないが、5nm以上100nm以下であることが好ましく、10nm以上60nm以下であることがより好ましい。無機薄膜の厚さが5nm以上であることにより、十分なバリア性や防湿性が付与され、無機薄膜の厚さが100nm以下であることにより、無機薄膜122の割れや、クラックの発生を、抑止することができる。
以下、無機薄膜122が金属酸化物の蒸着層である場合について、更なる詳細を説明する。バリアフィルム樹脂基材121の表面に、金属酸化物の蒸着層を形成する方法は、特に限定されず、公知の蒸着方法を特に制限なく使用することができる。このような蒸着方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)や、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)が挙げられる。
無機薄膜122を構成する蒸着層としては、金属の酸化物を蒸着した薄膜であればよく、様々な種類の金属酸化物の選択が可能である。例えば、珪素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物を適宜選択することができる。これらの中でも、無機薄膜122を構成する蒸着層は、特に、珪素(Si)、アルミニウム(Al)等の酸化物からなる蒸着層であることが好ましい。
バリア層12には、高度のバリア性が求められると同時に、透明保護シート1に求められる透明性を維持するために、耐候層11等の他の層と同等の透明性が求められる。バリア性を担保する無機薄膜が形成されていて、尚且つ、透明性も有するフィルムとして、各種の金属蒸着樹脂フィルム等が市場に流通しており、例えば、「テックバリアLX(三菱樹脂社製)」等の透明シリカ蒸着フィルムを、本発明のバリア層12を構成するバリアフィルムとして用いることができる。本発明のバリア層12は、これらの汎用品たる透明シリカ蒸着フィルム又はこれらの積層体を利用することにより、極めて優れたバリア性を有する保護シートを高い生産効率の下で製造することができる。
バリア層12は、例えば、上記の「透明アルミ蒸着フィルム」等のバリアフィルムを1枚配置することによって構成することができるが、図2に示すように複数枚のバリアフィルムを積層してなる積層体により構成することがより好ましい。同等のバリア性を確保することを前提とした場合、1枚のバリアフィルムで構成されているバリア層よりも、複数枚のバリアフィルムで構成されているバリア層の方が、太陽電池モジュールの製造時、或いは、過酷な湿熱環境下での長期使用において、熱収縮膨張を繰り返したときに、より高度の耐久性を発揮するものとすることができる。
[基材層]
透明保護シート1の基材層13は、透明保護シート1の主たる構成部分となる層であり、太陽電池モジュール10においては、前面側の封止材シート2と対面する位置に配置されることが想定される層である。透明保護シート1に求められる上記範囲の透明性を維持するために、基材層13にも耐候層11及びバリア層12と同等の透明性が求められる。
基材層13は、ポリエチレンナフタレート(PEN)やポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂をベース樹脂とする。透明性を有し、尚且つ、透明保護シート1に求められる耐候性を備える樹脂であり、更には、経済性や加工性等も考慮した場合に、基材層13のベース樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることが最も好ましい。
ここで、基材層13は、40℃、90%RHにおける水蒸気透過度が、20g/m・day以上1g/m・day以下であることが好ましい。基材層13の水蒸気透過度が上記範囲内であることにより、直射日光を浴びる前面側の封止材シート2から酢酸ガスが発生した場合、このガスは基材層13中を通過して速やかに拡散して、ドライラミネート加工後のエージングの間等に、基材層13の側面等から十分に排出される。これにより、酢酸ガスが太陽電池素子5に与える悪影響を有意に低減することができる。例えば、厚さ50μm以上280μm以下の透明PETフィルムで基材層13を構成した場合の上記の水蒸気透過度は、15.0g/m・day以上5.0g/m・day以下とすることができる。尚、本明細書における「40℃、90%RHにおける水蒸気透過度」は、JIS7129Bで規定される測定方法で測定した場合の水蒸気透過度であり、測定機としては、モコン社製のPERMATRANを使用して測定することができる値である。
本発明の太陽電池モジュール10は、透明保護シート1において、EVAをベース樹脂とする封止材シート由来の酢酸ガスを透過させて拡散させることのできる程度のガスバリア性を有する基材層13を一方の最表面に配置し、この層を前面側の封止材シート2との接合面側に向けて透明保護シートを配置する全体層構成とすることにより、太陽電池モジュール10の高度のバリア性をバリア層12によって維持したまま、上記酢酸ガスの排出性を確保した構成とした点を主たる特徴の1つとするものである。
このような機能を発揮する基材層13の厚さは、50μm以上280μm以下であることが好ましく、75μm以上200μm以下であることがより好ましい。基材層13の厚さが50μm以上であることにより、上述の酢酸ガスの好ましい排出性能を保持することができる、一方、同厚さが280μmを超えた場合には、基材層13の側端部におけるバリア性の低下のデメリットの方が上記メリットを上回る畏れが高まるため好ましくない。
基材層13の一方の表面には易接着層131が形成されていることが好ましい。易接着層131は、所謂プライマー層であり、EVAをベース樹脂とする前面側の封止材シート2に対する透明保護シート1の接着性を向上させる機能を有する層である。図2に示す通り、易接着層131は、透明保護シート1の基材層13における、バリア層12が積層されている面とは反対側の表面に形成される。易接着層131が形成される場合、太陽電池モジュール10においては、この層を介して、透明保護シート1と前面側の封止材シート2とが接合される。この易接着層131にも、透明保護シート1の透明性を維持するために、基材層13と同等の透明性が求められる。
易接着層131を形成するために用いるプライマー組成物としては、従来公知の各種のプライマーコーティング液のうち、透明性に係る上記要求を満たしうるものを、特に限定なく選択することができる。例えば、オレフィン系樹脂を含有し水性媒体を主溶剤とするプライマー組成物、或いは、架橋性主剤樹脂と、架橋剤等を、含有し、有機系媒体を主溶剤とするプライマー組成物のいずれもが選択可能である。中でも、透明保護シート1においては、オレフィン成分と不飽和カルボン酸成分とを含んでなる、酸変性ポリオレフィン樹脂をベース樹脂とする易接着層組成物を含有してなり水性媒体を主溶剤とするプライマー組成物を好ましく用いることができる。酸変性ポリオレフィン樹脂をベース樹脂とすることにより、前面側の封止材シート2を形成するEVAへの接着性に優れる易接着層131を形成することができる。尚、このような易接着層131が、例えば、ポリエステル系樹脂からなる基材層13と、EVA等のオレフィン系樹脂からなる前面側の封止材シート2との間の接着性を顕著に向上させることができることは、例えば、特開2013−74172号公報の記載からも明らかである。
尚、透明保護シート1は、易接着層131の表面の滑り性を高めるための添加剤として、適量のワックスを含有することが好ましい。ワックスの添加により、ロール・トウ・ロール方式の製造ラインにおいて、主として紫外線吸収剤等の添加剤のブリードアウトに起因して起こりえるシート表面の斑状のむらの発生を回避することができる。易接着層131に含有させるワックスは、特に限定されないが、パラフィンワックスであることが好ましい。パラフィンワックスを適量範囲で易接着層131内に含有させることにより、水性のプライマーコーティング液を用いて形成されるものでありながら、接着性を良好に保持したまま、上記の斑状のむらの発生を回避することができ、更には、易接着層131の耐ブロッキング性も向上させることができる。尚、パラフィンワックスとは、常温で固体、加熱すると液体となる有機系のワックスのうち、炭素数20〜30の直鎖状のパラフィン系炭化水素を主成分とするワックス全般のことを言い、例えば、「パラフィンワックス水性分散体(日本精鑞社製、EMUSTAR−0135)」を、好ましく用いることができるワックスの具体例として挙げることができる。
易接着層131の厚さは、透明保護シート1に必要な透明性及び接着強度等に応じて適宜変更すればよく、0.5μm以上10.0μm以下の範囲であることが好ましく、0.8μm以上5μm以下の厚さであることがより好ましい。易接着層131の厚さが0.5μm以上であれば、透明保護シート1に十分な接着性を付与することができる。易接着層131の厚さが、10.0μm以下であれば、透明保護シート1に、良好な耐ブロッキング性を付与することができ、製造コストも抑えることがきる。水性プライマーコーティング液の塗布量は、乾燥後の塗布量として、易接着層131の厚さが上記範囲となるように適宜調整すればよい。水性分散体である水性プライマーコーティング液の固形分濃度は、調整時の仕込み組成により調節することができ、又、一旦調整した水性分散体を、希釈又は濃縮することによって調節してもよい。
易接着層131を形成するために用いる水性プライマーコーティング液において酸変性ポリオレフィン樹脂等を水性分散化させる際に主溶剤として用いる水性媒体は、水又は、水を含む液体からなる媒体である。具体的には、主溶剤として水性媒体を用い、当該水性媒体の当該溶剤100質量部に対する含有量は、50質量部を超えて100質量部以下、好ましくは、70質量部以上100質量部以下である。
又、水性プライマーコーティング液には、本発明の上記効果の発現を阻害しない範囲で、酸変性ポリオレフィン樹脂を含有する水性分散体中に、更に補助溶剤としてSP値が特定範囲にある有機溶剤を含ませることができる。具体的には、易接着層組成物の溶剤は、補助溶剤として有機溶剤が含まれている場合には、当該有機溶剤の当該溶剤100質量部に対する含有量は0質量部以上50質量部未満、好ましくは、0質量部以上30質量部未満である。
[接着剤層]
耐候層11とバリア層12、バリア層12と基材層13、或いは、バリア層12が複数のバリアフィルムで構成される場合における各バリアフィルム間を、それぞれ接合する接着剤層14(14A、14C、14B)は、透明保護シート1に要求される透明性を維持することができるものであれば、公知のドライラミネーション法において用いられているウレタン系接着剤やアクリル系接着剤他、各種の透明な接着剤を適宜選択することができる。そのような接着剤の具体例としては、ポリウレタンジオールと脂肪族ポリカーボネートジオールとの混合物を含む主剤と、硬化剤からなる2液タイプの接着剤を好ましく用いることができる。
ここで、透明保護シート1を構成する上記の各接着材層のうち、受光面側の表面に最も近い位置に形成されて、耐候層11とバリア層12Aとを接合する接着剤層14Aについては、透明性に加えて、バリア層12のバリアフィルム樹脂基材121や、基材層13を構成するポリエステル系樹脂等を紫外線から保護するための紫外線遮断性を有するものとすることが好ましい。そのために、接着剤層14Aには、所定量以上の紫外線吸収剤が含有されることが好ましい。具体的に、接着剤層14Aには、単位面積当り0.2g/m以上2.0g/m以下の紫外線吸収剤が含有されていることが好ましい。単位面積当りの紫外線吸収剤の含有量が0.2g/m以上であることによって、必要な紫外線遮断率を担保することができる。一方、単位面積当りの紫外線吸収剤の含有量が2.0g/mを超えると、上述した斑状のむらの発生を回避することが難しく、又、その範囲では、紫外線遮断性能の増加率も低減して増量分のコストと見合わなくなることによる経済的損失のリスクが高まる。
接着剤層14Aに含有させる紫外線吸収剤としては、従来公知の各種の紫外線吸収剤を用いることができるが、波長340nm以上400nm以下の範囲内に吸収極大を有する各種の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。これにより、400nmを超える光線を有効に取り込めるので、太陽電池モジュール100の発電量を低下させることなく、上記の各樹脂の紫外線吸収による劣化(黄変)を抑制することができる。
接着剤層14Aに含有させる紫外線吸収剤の具体例としては、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−(イソオクチルオキシカルボニル)エトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニュルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。市場で入手可能なトリアジン系紫外線吸収剤の好ましい具体例としては、「TINUVIN405(商品名、BASF社製)」(分子量583.76)が挙げられる。
以下、実施例によって、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<透明保護シートの製造>
下記の樹脂シート、各材料組成物、及び、接着材等を用いて実施例及び比較例の各太陽電池モジュール試料を構成するために用いる透明保護シートを製造した。
実施例の透明保護シートは、いずれも図2に記載の構成、即ち、「耐候層」、「バリア層」、及び「基材層」が、「接着剤層」を介して、この順で配置されてなる層構成とした。透明保護シートの層構成が上記構成であることを、表1のバリアシートの配置の欄において「中間」と示した。
比較例及び参考例の透明保護シートは、図2に記載の構成から基材層とバリア層の配置を入れ替えた層構成、即ち、「耐候層」、「基材層」、及び「バリア層」が、「接着剤層」を介して、この順で配置されてなる層構成とした。透明保護シートの層構成が上記構成であることを、表1のバリアシートの配置の欄において「外側」と示した。
(耐候層)
透明保護シートの耐候層を構成する樹脂フィルムとして、厚さ25μmのETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)フィルム(アフレックス25ND(旭硝子社製))を用いた。
(基材層)
透明保護シートの基材層を構成する樹脂フィルムとして、厚さ125μmの耐加水分解ポリエチレンテレフタレート(HR−PET)フィルム(X10S(東レ社製))を用いた。
実施例の透明保護シートにおいては、上記の基材層を構成する上記樹脂フィルムの表面に、下記のプライマー組成物を、塗布量1.0g/mで、グラビアコートで基材層の表面に塗布し、これを塗膜成形させて、厚さ1.0μmの易接着層を形成した。
比較例及び参考例の透明保護シートにおいては、バリア層の外側表面(無機薄膜が形成されていない側の面)に、上記同様の易接着層を形成した。
プライマー組成物:水59質量部、酸変性ポリオフィン樹脂18質量部、アクリル樹脂1質量部未満、IPA18質量部、トリエチルアミン1質量部未満、ワックス3質量部からなるプライマー組成物。
(バリア層)
透明保護シートのバリア層を構成する樹脂フィルムとして、厚さ24μmの透明シリカ蒸着PETフィルム「テックバリアLX(三菱樹脂社製)」を用いた。実施例2の透明保護シートにおいては、バリア層は、このバリアフィルム1枚で構成し、実施例2以外のその他の実施例及び比較例の透明保護シートにおいては、このバリアフィルム2枚を接着剤層を介して積層した積層体によりバリア層を構成した。
(接着剤層)
透明保護シートの接着剤層を形成する接着剤は、ウレタン系の接着剤を用い、これによるドライラミネーションにより、上記各層(「耐候層」、「バリア層」、及び「基材層」)を接合した。尚、耐候層とバリア層を接合する接着剤層(図2における接着剤層14Aに相当する層)を形成する接着剤には、下記紫外線吸収剤を添加した。同接着剤層への紫外線吸収剤の配合量は、上記接着剤層中の単位面積当りの紫外線吸収剤の含有量が0.75g/mとなるように配合量に調整した。その他の接着剤層を構成する接着剤には、紫外線吸収剤は添加しなかった。
紫外線吸収剤:トリアジン系紫外線吸収剤「TINUVIN405(商品名、BASF社製)」(分子量583.76)を、接着剤の上記主剤中における含有量が、固形分換算比で、7.5質量%となるように上記主剤に添加した。
<透明保護シート及び太陽電池モジュールの評価>
[試験例1:(透明性評価)]
(試験方法)
各透明保護シートの透明性を評価するために、日本分光製V670を使用し、JIS K7361−1:1997に準じて、波長400nm以上1200nm以下における光線透過率を測定した。結果を表1に示す。
(評価基準)
○:波長400nm以上1200nm以下の波長領域全体において光線透過率が80%以上
×:波長400nm以上1200nm以下の波長領域全体において光線透過率が800%未満の波長領域がある。
[試験例2:(耐光性評価)]
本発明の透明保護シートの耐光性(耐紫外線性)を評価するための試験を下記の通り行った。
(試験方法)
各透明保護シートを、Super UV試験装置(岩崎電気 EYESUPER UV TESTER SUV−W151)に、1000W/mの条件で、96時間投入し、その後の、各シート表面の状態を目視により観察することにより行った。
(評価基準)
○:目視で視認可能な、フィルムの黄変が発生していなかった。
×:目視で視認可能な、フィルムの黄変が発生していた。
[試験例3:(水蒸気バリア性評価)]
本発明の透明保護シートの水蒸気バリア性を評価するための試験を下記の通り行った。
(試験方法)
各透明保護シートの「40℃、90%RHにおける水蒸気透過度」を、JIS7129Bで規定される測定方法で測定し、下記の評価基準に基づいて、水蒸気バリア性を評価した。測定機としては、モコン社製のAQUATRANを用いた。
(評価基準)
○:水蒸気透過度が、0.009g/m/day未満
△:水蒸気透過度が0.009g/m/day以上0.020g/m/day未満
×:水蒸気透過度が0.020g/m/day以上
[試験例4:(発電効率維持率評価1)]
(太陽電池モジュール評価用サンプルの作成)
上記各透明保護シートを受光面側及び非受光面側の保護シートとして、又、その他、太陽電池素子、封止材シートとして下記の各部材を用いて、実施例、比較例の「太陽電池モジュール評価用サンプル」を作成した。サンプルの作成は、上記各部材を、透明保護シート/封止材シート/太陽電池素子/封止材シート/透明保護シートの順で積層し、下記のラミネート条件で、真空加熱ラミネート処理を行いうことにより行った。
(太陽電池素子)
n型透明導電膜窓層、n型高抵抗バッファ層、p型CIS系光吸収層、及び金属裏面電極層からなる厚さ3μm程度の薄膜シリコン太陽電池素子デバイスを、樹脂フィルムを基板とするフレキシブル基板に実装した薄膜シリコン太陽電池素子ユニットを、上述の太陽電池素子として用いた。
(封止材シート:実施例及び比較例用)
実施例及び比較例の試験用サンプルを構成する封止材シートとして、下記の封止材シートを用いた。
EVA(酢酸ビニル含量28%、製品名「EVAFLEX/EV250グレード」、三井デュポンポリケミカル製)100質量部に対して、架橋剤(製品名「Lupersol101」)1.5質量部、架橋助剤(TAIC)0.5質量部、酸化防止剤(製品名「NAUGARD−P」)0.2質量部、UV吸収剤(製品名「Tinuvin7709」)0.1質量部と(製品名「Cyasorb UV−531」)0.3質量部とを配合したものを、成膜温度90℃のTダイ法により厚さ400μmに製膜した樹脂シート。
(封止材シート:参考例用)
参考例の試験用サンプルを構成する封止材シートとして、下記の封止材シートを用いた。
密度0.920g/cmであり、190℃でのメルトマスフローレートが2g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)85質量部と、下記の「シラン変性ポリエチレン系樹脂」15質量部と、を混合した樹脂組成物を、成膜温度200℃のTダイ法により厚さ400μmに製膜した樹脂シート。
シラン変性ポリエチレン系樹脂:密度0.900g/cm、190℃でのメルトマスフローレートが2.0g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.15質量部とを混合し、200℃で溶融、混練して得たシラン変性ポリエチレン系樹脂。密度0.901g/cm、MFR1.0g/10分。融点100℃。
(ラミネート条件)
真空ラミネータにて圧力100kPaにて150℃で15分間圧着した後、高温層にて150℃30分間静置するスタンダードキュア条件でラミネートを行った。
(発電効率長期維持率試験1)
各太陽電池モジュール評価用サンプルについて、サーマルサイクル試験前後のPmax値をそれぞれ測定し、発電効率の維持率を算出し、下記の評価基準1に基づいて、発電効率長期維持率を評価した。尚、Pmax値とは、太陽電池の出力が最高となる動作点での最高出力値である。JIS−C8935−1995に基づき、下記サーマルサイクル試験前後の各評価用サンプルのPmax値を測定した。サーマルサイクルは、上記の各評価用サンプルを、温度が下記所定サイクルで変化するオーブンに投入して、500サイクル経過前後での発電効率を測定しその比率を算出した。オーブンのサイクル条件は、−20℃と90度の温度を往復し、前期温度の変更にかかる時間を5時間、前記温度を維持する時間を1時間とし、−20℃からスタートして90℃を経由し−20℃に戻るプロセスを1サイクルとした。結果を、「発電効率維持率1」として表1に示す。
(評価基準1)
○:発電効率維持率が98%以上である。
△:発電効率維持率が96%以上98%未満である。
×:発電効率維持率が96%未満である。
[試験例5:(発電効率維持率評価2)]
(発電効率長期維持率試験2)
上記発電効率維持率試験1で用いた各太陽電池モジュール評価用サンプルについて、ダンプヒート試験による保存試験前後のPmax値をそれぞれ測定し、発電効率の維持率を算出し、下記の評価基準2に基づいて、発電効率長期維持率を評価した。保存試験条件は、JIS C8917に準拠し、試験槽内において温度85℃、湿度85%の条件下で、1000時間の保存試験とし、上記試験(発電効率長期維持率試験1)よりも更に長期に亘る湿熱環境下での使用を想定した太陽電池モジュールの長期耐久性を評価した。結果を「発電効率維持率2」として表1に示す。
(評価基準2)
○:発電効率維持率が95%以上である。
△:発電効率維持率が90%以上95%未満である。
×:発電効率維持率が90%未満である。
Figure 2019140273
表1より、本発明の透明保護シートを用いて構成した太陽電池モジュールは、透明保護シートの層構成が独自の構成に最適化されていることによって、太陽電池モジュール全体としての高度のバリア性を維持したまま、特には高温高湿環境下における長期使用時にリスクが高まる傾向がある封止材シート由来の酢酸ガスによる太陽電池素子劣化のリスクを十分に低下させることが可能な太陽電池モジュールであることが確認された。
1 透明保護シート
11 耐候層
12 バリア層
12A、12B バリアフィルム
121(121A、121B) バリアフィルム樹脂基材
122(122A、122B) 無機薄膜
13 基材層
131 易接着層
14(14A、14B、14C) 接着剤層
2 前面側の封止材シート
3 背面側の封止材シート
4 裏面保護シート
5 太陽電池素子
10 太陽電池モジュール

Claims (5)

  1. 受光面側から順に、透明保護シート、封止材シート、及び太陽電池素子が、この順で配置されている積層構造を含んでなる、太陽電池モジュールであって、
    前記封止材シートは、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂をベース樹脂とする樹脂シートであって、
    前記透明保護シートは、受光面側から、耐候層、バリア層、及び基材層が、この順で配置されてなる多層シートであって、
    前記耐候層は、フッ素系樹脂をベース樹脂とし、
    前記バリア層は、バリアフィルム樹脂基材の表面に無機薄膜が形成されてなる一又は複数のバリアフィルムにより構成されていて、
    前記基材層は、ポリエステル系樹脂をベース樹脂とする、
    太陽電池モジュール。
  2. 前記バリア層は、複数の前記バリアフィルムが積層されてなる積層体である、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記基材層のベース樹脂がポリエチレンテレフタレートであって、該基材層の厚さが50μm以上280μm以下である請求項1又は2記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記太陽電池素子が、薄膜シリコン太陽電池素子又は化合物系太陽電池素子である、請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  5. 請求項4に記載の太陽電池モジュールであって、
    前記太陽電池素子の非受光面側の最表面にも樹脂製の保護シートが配置されており、フレキシブル性を有する太陽電池モジュール。
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