JP2016063139A - 太陽電池保護シート - Google Patents

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晃 本橋
裕美子 小島
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裕美子 小島
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Abstract

【課題】紫外線カット性を有し、透明性に優れる太陽電池保護シートを提供する。
【解決手段】基材フィルム11と、基材フィルムに蒸着された酸化物バリア層12と、酸化物バリア層に接着層13を介して積層されたフィルム14とを備えたバリア層積層体10を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は太陽電池保護シートに関し、特にフッ素系樹脂で構成される耐久性を確保したフィルムを適用可能とするとともに、紫外線カット性を有して透明性に優れる太陽電池保護シートに用いて好適な技術に関する。
従来、太陽電池の表面保護部材としてガラス板が用いられている。しかし、ガラス板は耐光性、防湿性に優れる反面、重量が重く、また、衝撃に弱く割れ易いという欠点がある。
この問題に対して、前面保護シートに透明樹脂フィルムを用い、封止材と組み合わせることにより、重さ及び衝撃による破損の問題を解決し、また前面保護シートに耐候性、防湿性が良好な樹脂フィルムを組み合わせることにより太陽電池の耐久性の向上に有効な太陽電池用前面保護シートが提案されている。
特許文献1には、紫外線吸収性を有する層を有する太陽電池保護シートの構成が記載されている。
特開2006−261287号公報
しかしながら、特許文献1のように紫外線吸収剤を添加する場合、紫外線吸収剤を含むことができる樹脂は限られているケースがある。例えば、TFEなどフッ素樹脂からなるフィルムを用いた場合には、一般に市販されているものには紫外線吸収剤は通常添加されていない。これは、TFE骨格には、極性が少なく添加したとしてもブリードアウトが生じるためと考えられる。これに対応して紫外線吸収性を持たせるためには、アクリル層やビニル層の導入をする必要があるため、フッ素樹脂層の耐候性を落とす可能性がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、フッ素系樹脂で構成される耐久性を確保したフィルムを適用可能とするとともに、紫外線カット性を有して透明性に優れる太陽電池保護シートを提供するという目的を達成しようとするものである。
本発明の太陽電池保護シートは、太陽電池保護シートであって、
表面側の耐候層と、蒸着された酸化物バリア層を有する基材フィルムと、該基材フィルムに積層されたフィルムと、これらを接着する接着層と、を備えたバリア層積層体を有し、
前記接着層の少なくとも1層が紫外線吸収剤を含むことにより上記課題を解決した。
本発明においては、前記接着層のうち、前記耐候層の裏面に位置する接着層が紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
本発明においては、前記接着層のうち、前記基材フィルムと前記フィルムとを接着する接着層が紫外線吸収剤を含む手段か、前記接着層のうち、前記バリア層積層体の裏面に位置する接着層が紫外線吸収剤を含む手段を採用することができる。
本発明においては、前記バリア層積層体の裏面側に易接着層が設けられてなることが好ましい。
本発明においては、前記接着層が、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールなどを含むポリオールと、多官能のイソシアネートとの化合物であるウレタン結合が含まれた接着剤を含むことができる。
本発明の前記耐候層が、紫外線吸収剤を含まない耐候フッ素系樹脂からなることができる。
本発明の前記バリア層積層体の前記酸化物バリア層が酸化ケイ素からなることが望ましい。
本発明では、前記基材フィルムと前記フィルムとが前記酸化物バリア層を挟んで接着されることが可能である。
本発明は、前記バリア層積層体の前記基材フィルムおよび前記フィルムがPETからなることがある。
本発明の太陽電池保護シートは、太陽電池保護シートであって、
表面側の耐候層と、蒸着された酸化物バリア層を有する基材フィルムと、該基材フィルムに積層されたフィルムと、これらを接着する接着層と、を備えたバリア層積層体を有し、
前記接着層の少なくとも1層が紫外線吸収剤を含むことにより、太陽電池用セルの表面保護と封止に関するシートとして、フッ素系樹脂で構成される耐久性を確保したフィルムを耐候層として採用した場合であっても、フッ素を含みかつ紫外線吸収剤の導入が難しい樹脂層であっても適応可能するとともに、接着層に紫外線吸収剤を含ませることで紫外線カット性を有して透明性を維持することができる。これにより、シートの紫外線カット性を維持して、耐候性、透明性、接着性に優れた太陽電池保護シートを提供することが可能となる。フッ素系樹脂の耐候性と、紫外線による劣化防止とを両立させることができる。
本発明においては、前記接着層のうち、前記耐候層の裏面に位置する接着層が紫外線吸収剤を含むことにより、紫外線を耐候層のすぐ内側に位置する接着層に含まれる紫外線吸収剤で吸収することで、紫外線による影響がこの接着層より内側に位置する層に及ぶことを低減して、保護シートの特性劣化を防止することが可能となる。
本発明においては、前記接着層のうち、前記基材フィルムと前記フィルムとを接着する接着層が紫外線吸収剤を含む手段か、前記接着層のうち、前記バリア層積層体の裏面に位置する接着層が紫外線吸収剤を含む手段を採用することにより、紫外線吸収剤を含む接着層に含まれる紫外線吸収剤で紫外線を吸収することで、紫外線による影響がこの接着層より内側に位置する層に及ぶことを低減して、保護シートの特性劣化を防止することが可能となる。
なお、前記耐候層の裏面に位置する接着層が紫外線吸収剤を含み、前記接着層のうち、前記基材フィルムと前記フィルムとを接着する接着層が紫外線吸収剤を含むようにして、2層の接着層が紫外線吸収剤を含むことで、紫外線カット性をより一層向上することができる。
また、前記耐候層の裏面に位置する接着層が紫外線吸収剤を含み、前記接着層のうち、前記バリア層積層体の裏面に位置する接着層が紫外線吸収剤を含むようにして、2層の接着層が紫外線吸収剤を含むことで、紫外線カット性をより一層向上することができる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系など各種タイプのものを挙げることができる。
さらに、前記耐候層の裏面に位置する接着層が紫外線吸収剤を含み、前記接着層のうち、前記基材フィルムと前記フィルムとを接着する接着層が紫外線吸収剤を含み、かつ、前記バリア層積層体の裏面に位置する接着層が紫外線吸収剤を含むようにして、3層の接着層が紫外線吸収剤を含むことで、紫外線カット性をより一層向上することができる。
本発明においては、前記バリア層積層体の裏面側に易接着層が設けられてなることにより、封止材との密着性を向上して防湿性を維持するとともに、防湿性に優れて、湿気ないし水の透過による内部の導線や電極の発錆を防止でき、発電素子等を保護する為の柔軟性や耐衝撃性、紫外線に対する耐久性および温度上昇に対する耐熱性、太陽光の効率的な透過の為に透明性(全光線透過率など)、耐久性を維持することができる。
本発明においては、前記接着層が、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールなどを含むポリオールと、多官能のイソシアネートとの化合物であるウレタン結合が含まれた接着剤を含むことにより、表裏面の層を接着するとともに、紫外線吸収剤を含むことが可能となり、高い紫外線カット性と透明性とを両立することができる。
本発明の前記耐候層が、紫外線吸収剤を含まない耐候フッ素系樹脂からなることにより、耐候性を有し、かつ、紫外線に対する耐久性能を付与可能で透明性に優れる太陽電池保護シートを提供することが可能となる。これにより、紫外線による影響を受けずに、密着性が劣化することを防止できる。耐候層は、紫外線吸収剤を含まない耐候基材とされ、耐候層の基材としては、フッ素系があげられ、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などが挙げられる。
本発明の前記バリア層積層体の前記酸化物バリア層が酸化ケイ素からなることにより、耐水性に優れ、充分な水蒸気バリア性を呈することができ、シートの防湿性を維持して、透明性、接着性に優れた太陽電池保護シートを提供する。
本発明の前記基材フィルムと前記フィルムとが前記酸化物バリア層を挟んで接着されることにより、酸化物バリア層がフィルムおよび基板フィルムが積層された内側に位置しているので、封止材として用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体の加水分解物として発生する酢酸に対して良好な密閉性を維持して、酸化物バリア層の防水性、透過性、接着性を維持することが可能となる。
本発明では、前記バリア層積層体の前記基材フィルムおよび前記フィルムがPET(ポリエチレンテレフタレート)からなることにより、重さ及び衝撃による破損の問題を解決し、上述のバリア層を蒸着して、酸化物バリア層の防湿性を維持することが可能である。酸化物バリア層として、無機蒸着層を含むことができる。蒸着された前記基材フィルムおよび前記フィルム、つまり、無機化合物蒸着フィルム基材としては、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化インジウムあるいはこれらの複合酸化物などをポリエステル基材に蒸着したフィルム基材が挙げられ、透明で、かつ、酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよい。
本発明によれば、接着層に紫外線吸収剤を含むことにより、フッ素成分のみで構成される耐候層において耐久性を確保しつつ、接着層で紫外線カット性を得ることができ、耐候性に優れ、水蒸気透過率が低く、透明性、接着性に優れるとともに、紫外線カット性を向上して、紫外線に対する耐久性を向上した太陽電池保護シートを提供することができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係る太陽電池保護シートの第1実施形態を示す断面図である。 本発明に係る太陽電池保護シートの第1実施形態における太陽電池モジュールを示す断面図である。 本発明に係る太陽電池保護シートの第2実施形態を示す断面図である。 本発明に係る太陽電池保護シートの第3実施形態を示す断面図である。 本発明に係る太陽電池保護シートの第4実施形態を示す断面図である。
以下、本発明に係る太陽電池保護シートの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における太陽電池保護シートを示す断面図であり、図において、符号1は、太陽電池保護シートである。
本実施形態に係る太陽電池保護シート1は、図1に示すように、基材フィルム11と、酸化物バリア層12と、紫外線吸収剤を含む接着層13,16,17と、フィルム14と、耐候層19が積層されたバリア層積層体10を有する。
バリア層積層体10は、外側(大気側)から後述する発電素子21側(内側)に向けて、耐候層19、接着層16、基材フィルム11、酸化物バリア層12、接着層13、フィルム14、接着層17の順の積層されている。
本実施形態の太陽電池保護シート1に用いられる基材フィルム11は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、6,6−ナイロン等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等のエンプラフィルム等が用いられ、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械強度や寸法安定性を有するものが良い。これらをフィルム状に加工して用いられる。特に、これらの中で二軸方向に任意に延伸されたフィルムを用いたフィルムで、価格面、防湿性、充填適性、風合い、廃棄性を考慮すると、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、長期間にわたる過酷な自然環境に耐え得るためには、ポリエステル基材は耐加水分解性に優れたものが好ましい。ポリエステルの加水分解は末端カルボキシル基により進むため、耐加水分解性を向上させるには末端カルボキシルキの濃度が減少しているポリエステル組成物からなる必要がある。ポリエステル中の末端カルボキシル基の濃度は、ANALYTICL CHEMISTRY第26巻、1614ページに記載された方法にて測定され、末端カルボキシ基濃度が10当量/106g以下ならば加水分解が起こりにくい。ポリエステルの末端カルボキシル基を減少させるためには、エポキシ化合物やカルボジイミドを混合し、反応させる方法などがある。
また、基材フィルム11には、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン(kaolin)、ジルコニウム酸などの各種無機粒子や架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか、従来公知の抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐光剤、包接化合物、帯電防止剤、各種着色剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種フッ素化合物が添加されていてもよい。
上記の基材フィルム11には密着性を向上させるために、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、オゾン処理、グロー放電処理、その他の前処理を任意に施すことができる。
前記基材フィルム11の厚さはとくに制限を受けるものではないが、各層を形成する際の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましい。
基材フィルム11には、酸化物バリア層12が積層される前にアンカーコート層を設けることが好ましい。前記アンカーコート層は、基材フィルム11と蒸着される酸化物バリア層12間の密着性を向上させるためのものでアンカーコート剤としては、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系、その他等のアンカーコーティング剤を使用することができる。アンカーコート剤としては、また、ウレタン結合を含むことや、ウレタン結合を含む2液反応複合物からなることができる。
前記アンカーコート層の形成方法としては、例えば、オフセット印刷法、グラビア印刷
法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート
、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。乾燥条件については、一
般的に使用される条件で構わない。また反応を促進させるために、高温のエージング室等
に数日放置することも可能である。
酸化物バリア層12は、無機化合物からなる蒸着層とされることができる。この蒸着層(酸化物バリア層)12は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、あるいはそれらの混合物などの無機化合物からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する層であればよい。特に耐水性に優れる酸化珪素を用いることがより好ましい。
無機化合物を蒸着されてなる酸化物バリア層12の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるので問題がある。生産性を加味するとより好ましいのは10nmから200nmである。
酸化物バリア層12を基材フィルム11上に形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることも可能である。但し、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いても良いが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式を用いることがより好ましい。
蒸着層である酸化物バリア層12の上にアンカーコート層と同様に、オーバーコート層を塗布することができる。
酸化物バリア層12の形成された基材フィルム11には、接着層13を塗布形成してフィルム14と接着することができる。
酸化物バリア層12と基材フィルム11、つまり、酸化物蒸着層の形成された無機化合物蒸着フィルム基材としては、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化インジウムあるいはこれらの複合酸化物などをポリエステル基材に蒸着したフィルム基材が挙げられ、透明で、かつ、酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよい。
接着層13,16,17としては、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールなどを含むポリオールと、多官能のイソシアネートとの化合物であるウレタン結合が含まれ、紫外線吸収剤を含む。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系など各種タイプのものを挙げることができる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5− クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニル置換ベンゾトリアゾール化合物であって、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
またトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノールなどが挙げられる。サリチル酸エステル系としては、フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどが挙げられる。
フィルム14としては、基材フィルム11と同じようにフィルム材とすることができ、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロペンタジエンなどのオレフィンフィルム、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、エチレン‐テトラフルオロエチレン共重合体フィルムなどのフッ素系フィルム、アクリルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、を用いることができ、特に、基材フィルム11と同材のフィルム、あるいは、ことなる材質からなるものとできるが、基材フィルム11よりも厚くすることが好ましい。
耐候層19は、フッ素系で構成される。フッ素系としては、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などが挙げられる。
本実施形態の太陽電池保護シート1は、バリア層積層体10の裏面側に、易接着層15が設けられる。易接着層15は、後述する太陽電池モジュール20を形成するときの加熱圧着工程を利用して架橋反応するものとされる。
易接着層15としては、硬化性官能基含有の(メタ)アクリル系共重合体、あるいは、硬化性官能基含有のフッ素系樹脂の共重合体などのポリオールと、ポリイソシアネートとの反応により得られた化合物を含有する易接着剤などがある。反応によって得られた化合物は、封止材に含まれる有機過酸化物と硬化膜として得られる易接着層にある炭素-炭素の二重結合部とが、モジュールラミネートによる真空加熱圧着時に、ラジカル重合を形成して封止材との接着性が発現するものとされる。
硬化性官能基含有の(メタ)アクリル系共重合体は、種々のモノマーを重合することによって得ることができる。モノマーとしては、例えば、アルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、グリシジル基を有する(メタ)アクリル系モノマーなどの他に、酢酸ビニル、無水マレイン酸、ビニルエーテル、プロピオン酸ビニル、スチレン等が挙げられる。ここで、硬化性官能基は、アルキル基、水酸基、カルボキシル基、グリシジル基などを意味する。
アルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが例示できる。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸などが挙げられる。
グリシジル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルなどが例示できる。
上記のモノマーの重合には、通常のラジカル重合を用いることができる。反応方法に何ら制限はなく、溶液重合、塊状重合、乳化重合などの公知の重合法で行うことができるが、反応のコントロールが容易であることや直接次の操作に移れることから溶液重合が好ましい。用いるモノマーは、1種類であっても複数種類を混合して用いてもよい。溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなど、溶解するものであれば何ら制限は無く、単独でも、複数の溶媒を混合しても良い。また、重合反応の際に使用される重合開始剤もベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものを用いることができ、特に制限は無い。
硬化性官能基含有フッ素系樹脂の共重合体としては、例えばTFE/イソブチレン/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体、TFE/バーサチック酸ビニル/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体、TFE/VdF/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体などが挙げられ、特にTFE/イソブチレン/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体、TFE/バーサチック酸ビニル/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体などが上げられる。
ポリイソシアネート化合物は、上記の(メタ)アクリル系共重合体および、硬化性官能基含有フッ素系樹脂の共重合体の硬化性官能基と反応し、共重合体同士を架橋させることで、塗膜に耐湿熱性を付与すると共に、裏面保護シートを構成するプラスチックフィルムや非受光面側であるEVA等の封止材との密着性を向上させることができる。そのため、ポリイソシアネート化合物は、一分子中に2つ以上のイソシアネート基を有することが重要であり、例えば、芳香族ポリイソシアネート、鎖式脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。ポリイソシアネート化合物は、1種類でも2種類以上の化合物を併用してもよい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
鎖式脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
また、上記ポリイソシアネートに加え、上記ポリイソシアネートとトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、上記ポリイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレート体、更には上記ポリイソシアネートと公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等とのアダクト体等が挙げられる。
これらポリイソシアネート化合物の中でも、意匠性の観点から、低黄変型の脂肪族または脂環族のポリイソシアネートが好ましく、耐湿熱性の観点からは、イソシアヌレート体が好ましい。より具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)のイソシアヌレート体が好ましい。
硬化性官能基含有の(メタ)アクリル系共重合体、あるいは、硬化性官能基含有のフッ素系樹脂の共重合体などと、ポリイソシアネートとの反応により得られた化合物のガラス転移温度は、10〜80℃であることが望ましい。10℃未満であると易接着層にタックが生じて、ロール巻取り後の養生中に、
ブロッキングが発生する。ガラス転移温度が、80℃を超えると塗膜が硬くなり見かけ上、封止材との接着力の低下が起きる。
図2は、本実施形態における太陽電池モジュールを示す断面図である。
本実施形態における太陽電池モジュール封止シート1は、図2に示すように、太陽電池モジュール20において、発電素子21を封止材22,23とともに、封止するものとされる。
太陽電池モジュール20は、発電素子(太陽電池セル)21に対し、耐候層19が太陽電池セル21の受光側最表面に位置するように太陽電池保護シート1を太陽電池セル21の受光面側に位置する硬化処理前の封止材22を介して積層し、耐候層19が最外側に位置するように太陽電池保護シート1を太陽電池セル21の非受光面側に硬化処理前の封止材23を介して積層し、減圧下で高温加熱圧着することによって得ることができる。
封止材22,23は、易接着層15と接着されるものであり、特に限定されず、公知の材料を好適に適用できる。好適な材料として、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)や、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリオレフィンなどが挙げられる。このうち、コストの点からEVAが主に用いられる。封止材22,23は、シート(フィルム状のものも含む)のものが簡便であるが、ペースト状のものなどでもよい。
封止材22,23には、有機過酸化物が含まれていてもよい。有機過酸化物を含有させることによって、封止材22,23で太陽電池セル21を挟み、加熱する際、ラジカル反応により封止材22を架橋させたり、封止材22と封止材23とを架橋させたり、封止材23を架橋させたりすることを高効率に行うことができる。
封止材22,23中に含有する有機過酸化物は、封止材の樹脂100重量部に対して、0.05〜3.0重量部用いるのが好ましい。有機過酸化物の具体例としては、tert− ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,2 ,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−アミルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ) ブタン、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ジパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、エチル−3,3−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブチレート、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、ジクロヘキサノンパーオキサイド、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン等が挙げられる。これらの有機過酸化物は、例えば、封止材の樹脂をシート加工する際に添加して、溶融混練することによって、封止材中に含有させることができる。
易接着層には、アンチブロッキング性の付与および紫外線カット性を付与するため無機粒子を含んでも良い。具体例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、ケイ素、アンチモン、チタン、などの金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、などを含有する無機系粒子が挙げられる。さらに詳細な具体例としては、シリカゲル、酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、鉛酸化物、珪藻土、ゼオライト、アルミノシリケート、タルク、ホワイトカーボン、マイカ、ガラス繊維、ガラス粉末、ガラスビーズ、クレー、ワラスナイト、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化チタン、リトポン、軽石粉、硫酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、炭酸バリウム、ドロマイト、二硫化モリブデン、砂鉄、カーボンブラックなどを含有する無機系粒子が挙げられる。無機粒子は、1種類を用いてもよいし、2種類以上を併用して用いてもよい。
また、前記無機系粒子は、その特性を損なわない程度に不純物を含んでいてもよい。また、粒子の形状は、粉末状、粒状、顆粒状、平板状、繊維状など、どのような形状であってもよい。
易接着剤には、必要に応じて、架橋促進剤を添加してもよい。架橋促進剤は(メタ)アクリル系共重合体(A)の水酸基とポリイソシアネート化合物(C)のイソシアネートによるウレタン結合反応を促進する触媒としての役割を果たす。架橋促進剤としては、スズ化合物、金属塩、塩基などが挙げられ、具体的にはオクチル酸スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、塩化スズ、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリエチルアミン、トリエチレンジアミンなどが挙げられる。これらは、単独または組み合わせて用いることができる。
易接着剤には、必要に応じて、充填剤、チクソトロピー付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダレ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリング剤、硬化剤、増粘剤、顔料分散剤、シランカップリング剤等の各種の添加剤を添加してもよい。
易接着剤には、溶剤が含まれる。溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、などの内から樹脂組成物の組成に応じ適当なものを使用できるが、沸点が50℃〜200℃のものを好ましく用いることができる。沸点が50℃よりも低いと、易接着剤を塗布する際に溶剤が揮発しやすく、固形分が高くなって均一な膜厚で塗布することが難しくなる。沸点が2200℃よりも高いと、溶剤を乾燥しづらくなる。なお、溶剤は2種以上用いてもよい。
易接着剤を、バリア層積層体10に塗工する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、コンマコーティング、グラビアコーティング、リバースコーティング、ロールコーティング、リップコーティング、スプレーコーティングなどが例示できる。これらの方法で易接着剤を塗布し、加熱乾燥により溶剤を揮散させることで、硬化処理前の易接着層15,16を形成することができる。
硬化処理前の易接着層15,16の厚みは、0.01〜30μmであることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましい。
本実施形態の太陽電池保護シート1においては、上記のように、耐候層19のすぐ内側に位置する接着層16に紫外線吸収剤を含有したことにより、フッ素系の耐候層19としての高い耐候性と、接着層16よりも太陽電池モジュール21側(内側)に対する紫外線カット性を両立することが可能となり、耐久性を向上することができる。これにより、酸化物バリア層12の劣化を防ぎ、剥離発生を防止して、透明性を維持するとともに防湿性を維持することが可能となる。さらに、接着層13,17にも紫外線吸収剤を含有したことにより、接着層13,17よりも太陽電池モジュール21側(内側)に対する紫外線カット性を両立することが可能となり、耐久性を向上することができる。
なお、本実施形態においては、接着層16,13,17の全てに紫外線吸収剤を含有したが、接着層16だけに紫外線吸収剤を含有させて接着層13,17に紫外線吸収剤を含有しない、接着層16と接着層13に紫外線吸収剤を含有させて接着層17に紫外線吸収剤を含有しない、接着層16と接着層17に紫外線吸収剤を含有させて接着層13に紫外線吸収剤を含有しない構成とすることもできる。
以下、本発明に係る太陽電池保護シートの第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態における太陽電池保護シートを示す断面図である。
本実施形態において上述した第1実施形態と異なるのは酸化物バリア層12の積層順に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態における太陽電池保護シート1Aは、図3に示すように、バリア層積層体10Aが、外側(大気側)から後述する発電素子21側(内側)に向けて、耐候層19、接着層16、酸化物バリア層12、基材フィルム11、接着層13、フィルム14、接着層17の順の積層されている。
酸化物バリア層12と基材フィルム11、つまり、酸化物蒸着層の形成された無機化合物蒸着フィルム基材としては、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化インジウムあるいはこれらの複合酸化物などをポリエステル基材に蒸着したフィルム基材が挙げられ、透明で、かつ、酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよいが、その積層順が逆になっている。
本実施形態によれば、上述した第1実施形態と同等の効果を奏することができる。
以下、本発明に係る太陽電池保護シートの第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図4は、本実施形態における太陽電池保護シートを示す断面図である。
本実施形態において上述した第1実施形態と異なるのは酸化物バリア層12Aに関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態における太陽電池保護シート1Bは、図4に示すように、バリア層積層体10Bにおいて、フィルム14に酸化物バリア層17が積層された構成となっている。
本実施形態における太陽電池保護シート1Bは、図4に示すように、バリア層積層体10Bが、外側(大気側)から発電素子21側(内側)に向けて、耐候層19、接着層16、基材フィルム11、酸化物バリア層12、接着層13、酸化物バリア層12A、フィルム14、接着層17の順の積層されている。
酸化物バリア層12Aは、酸化物バリア層12と同様に、無機化合物からなる蒸着層とされることができる。また、酸化物バリア層12と同じ材質、あるいは、異なる材質から形成することが可能であり、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、あるいはそれらの混合物などの無機化合物からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する層とされることができ、耐水性に優れる酸化珪素を用いることがより好ましい。
無機化合物を蒸着されてなる酸化物バリア層12Aの厚さは、酸化物バリア層12単独の構成に対して薄くすることができる。また、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、より好ましくは10nmから200nmである。
バリア層積層体10Bは、フィルム14に蒸着等によって酸化物バリア層12Aを成膜して、接着層13によって接着することができる。
酸化物バリア層12Aは、酸化物バリア層12と同様に、アンカーコート層、オーバーコート層を伴うことができる。
本実施形態における太陽電池保護シート1Bにおいては、酸化物バリア層12の形成された基材フィルム11と、酸化物バリア層12Aの形成されたフィルム14とを接着層13で接着したバリア層積層体10Bを有することにより、さらなる防湿性を呈することが可能となる。
本実施形態においても、接着層16,13,17の全てに紫外線吸収剤を含有すること、接着層16だけに紫外線吸収剤を含有させて接着層13,17に紫外線吸収剤を含有しない、接着層16と接着層13に紫外線吸収剤を含有させて接着層17に紫外線吸収剤を含有しない、接着層16と接着層17に紫外線吸収剤を含有させて接着層13に紫外線吸収剤を含有しない構成とすることができる。
以下、本発明に係る太陽電池保護シートの第4実施形態を、図面に基づいて説明する。
図5は、本実施形態における太陽電池保護シートを示す断面図である。
本実施形態において上述した第2実施形態と異なるのは酸化物バリア層12Aが設けられた点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態における太陽電池保護シート1Cは、図5に示すように、バリア層積層体10Cにおいて、フィルム14に酸化物バリア層12Aが積層された構成となっている。
本実施形態における太陽電池保護シート1Cは、図5に示すように、バリア層積層体10Aが、外側(大気側)から発電素子21側(内側)に向けて、耐候層19、接着層16、酸化物バリア層12、基材フィルム11、接着層13、酸化物バリア層12A、フィルム14、接着層17の順の積層されている。
本実施形態における太陽電池保護シート1Cにおいては、酸化物バリア層12の形成された基材フィルム11と、酸化物バリア層12Aの形成されたフィルム14とを接着層13で接着したバリア層積層体10Cを有することにより、より一層の紫外線カット性と防湿性を呈することが可能となる。
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
<バリア層積層体>
基材フィルムとなる二軸延伸PET基材12μmに対して、シリカターゲットを用いて、電子ビーム蒸着によりシリカの薄膜を形成し酸化物バリア層とした。
紫外線吸収接着剤として、二液硬化型ウレタン接着剤中に、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール のTINUVIN PSを接着剤に対して重量10%添加し、紫外線吸収接着剤を得た。
フィルムとして、PETフィルム188μm(帝人デュポンフィルム株式会社製 テトロンVN)に、上記の接着剤を10g/m塗布して接着層とし、基材フィルムの酸化物バリア層である金属蒸着層側と貼り合わせた。
上記ラミネートした層の基材フィルムの蒸着バリアフィルム側に、上記接着剤を10g/m塗布して接着層とし、耐候層として厚さ25μmのETFEフィルム(ダイキン工業製、ネオフロンEF−0025)を貼り合わせてバリア層積層体とした。
<実施例1>
作製したバリア層積層体のラミネートフィルムに上記接着剤を10g/m塗布して接着層とし、易接着層としてL−100LLDPE(アイセロ化学製)の100μmフィルムを貼り合わせた。
これらを貼り合わせ後、エージング処理を50℃4日行い透明な太陽電池保護シートを得た。
<実施例2>
上記の基材フィルムを金属蒸着層側で耐候層となるETFE層と貼り合わせを行い、その他は実施例1と同様に貼り合わせをして透明な太陽電池保護シートを得た。
<比較例1>
実施例1の接着剤に紫外線吸収剤を含まないものとし、それ以外は同等の手順で透明な太陽電池保護シートを得た。
<比較例2>
厚さ188μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 テトロンVN)に、ウレタン接着剤を10g/m塗布し、厚さ25μmのETFEフィルム(ダイキン工業製、ネオフロンEF−0025)を貼り合わせた。
上記フィルムのPET側にウレタン接着剤を10g/m塗布し易接着層として厚さ100μmのL−100 LLDPE(アイセロ化学製)フィルムを貼り合わせ透明な太陽電池保護シートを得た。 この例では、上記の比較例1から、酸化物バリア層を蒸着した基材フィルムを削除したものとされる。
<比較例3>
実施例1の、ラミネートした層のバリアフィルム側に、接着剤10g/mを塗布し、厚さ25μmのTTR10BG3(Dupont社製Tedlar(登録商標)) PVFを貼り合わせたこと以外は、実施例1と同様に透明な太陽電池保護シートを作製した。
<比較例4>
厚さ188μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製 テトロンVN)に、ウレタン接着剤を10g/m塗布し、厚さ25μmのETFEフィルム(ダイキン工業製、ネオフロンEF−0025)を貼り合わせ透明な太陽電池保護シートを得た。
これらの太陽電池保護シートに対して、以下の評価をおこなった、
<全光線透過率の測定>
全光線透過率は、日本電色製ヘーズメーターNDH4000を用いて全光線透過率を評価した。
<紫外線カット性評価>
分光光度計UV−2600(島津製作所製)を用いて200nm−800nmの波長領域の透過率を測定して紫外線カット性を評価した。
<SUV照射試験>
アイスーパーUVテスター(岩崎電気製)を用いて照射強度100mW/cm、BP温度60℃設定にて500時間照射を行って引張破断強度を評価した。
引張破断強度は、引張試験機AGS−X(島津製作所製)を用いて評価した。剥離速度は300mm/minとして引張破断強度を測定した。
<水蒸気バリア性評価>
MOCON社製アクアトランを用いて水蒸気透過度を40℃90%RH環境下にて測定を行った。
<封止材との接着性評価>
上記、保護シートと封止材との接着性を剥離角度180°剥離にて剥離試験を行った。試験機は引っ張り試験機AGS−Xを用いて行った。剥離速度は300mm/minとした。同様の試験を85℃85%RH保存にて3000時間保存後におこない、界面での剥がれがあることをデラミ(デラミネーション;層間剥離)と定義して界面の剥離を目視観察し、デラミの有無を確認した。
これらの評価基準および結果を表1〜表3に示す。
Figure 2016063139
Figure 2016063139
Figure 2016063139
実験結果より、比較例はバリア性あるいは透過率が低いか、耐久性が低いのに対し、実施例は紫外線カット性も高くデラミもなく高いバリア性を保持した。
以上の結果から、実施例とした本発明品は、一般に湿度に対して敏感で、水やガスの影響により発電効率が低下しやすいとされる、薄膜系太陽電池や、化合物系太陽電池、有機太陽電池においても、期間にわたる過酷な自然環境に耐えて、太陽電池モジュールの特性を維持することが可能であることがわかる。
1,1A,1B,1C…太陽電池保護シート
10,10A,10B,10C…バリア層積層体
11…基材フィルム
12,12A…酸化物バリア層
13,16,17…接着層
14…フィルム
15…易接着層
19…耐候層
20…太陽電池モジュール
21…発電素子
22,23…封止材

Claims (10)

  1. 太陽電池保護シートであって、
    表面側の耐候層と、蒸着された酸化物バリア層を有する基材フィルムと、該基材フィルムに積層されたフィルムと、これらを接着する接着層と、を備えたバリア層積層体を有し、
    前記接着層の少なくとも1層が紫外線吸収剤を含むことを特徴とする太陽電池保護シート。
  2. 前記接着層のうち、前記耐候層の裏面に位置する接着層が紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項1記載の太陽電池保護シート。
  3. 前記接着層のうち、前記基材フィルムと前記フィルムとを接着する接着層が紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項2記載の太陽電池保護シート。
  4. 前記接着層のうち、前記バリア層積層体の裏面に位置する接着層が紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項2または3記載の太陽電池保護シート。
  5. 前記バリア層積層体の裏面側に易接着層が設けられてなることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の太陽電池保護シート。
  6. 前記接着層が、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールなどを含むポリオールと、多官能のイソシアネートとの化合物であるウレタン結合が含まれた接着剤を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の太陽電池保護シート。
  7. 前記耐候層が、紫外線吸収剤を含まない耐候樹脂からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の太陽電池保護シート。
  8. 前記バリア層積層体の前記酸化物バリア層が酸化ケイ素からなることを特徴とする請求項1から7のいずれか記載の太陽電池保護シート。
  9. 前記基材フィルムと前記フィルムとが前記酸化物バリア層を挟んで接着されることを特徴とする請求項1から8のいずれか記載の太陽電池保護シート。
  10. 前記バリア層積層体の前記基材フィルムおよび前記フィルムがPETからなることを特徴とする請求項1から9のいずれか記載の太陽電池保護シート。
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