JP2016063126A - 太陽電池モジュール封止シート - Google Patents

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晃 本橋
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Abstract

【課題】水蒸気透過率が低く、透明性、接着性に優れた太陽電池モジュール封止シートを提供する。
【解決手段】基材フィルム11と、基材フィルムに蒸着された酸化物バリア層12と、酸化物バリア層に接着層13を介して積層されたフィルム14とを備えたバリア層積層体10を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は太陽電池モジュール封止シートに関し、特に水蒸気透過率が低く、透明性、接着性に優れた太陽電池モジュール封止シートに用いて好適な技術に関する。
従来、太陽電池の表面保護部材としてガラス板が用いられている。しかし、ガラス板は耐光性、防湿性に優れる反面、重量が重く、また、衝撃に弱く割れ易いという欠点がある。
この問題に対して、前面保護シートに透明樹脂フィルムを用い、封止材と組み合わせることにより、重さ及び衝撃による破損の問題を解決し、また前面保護シートに耐候性、防湿性が良好な樹脂フィルムを組み合わせることにより太陽電池の耐久性の向上に有効な太陽電池用前面保護シートが提案されている。
特許文献1には、太陽電池は受光面側より前面保護シートと裏面保護シートとの間にエチレン−酢酸ビニル共重合体やポリエチレン、ポリプロピレンフィルムなどの封止膜により太陽電池用セルを封止した構成が記載されている。
特許文献2には、封止材の間にバリア層が積層された構成が記載されている。
特開2013−214559号公報 特開2012−094742号公報
しかしながら、従来の透明樹脂フィルムにおいて、ガラス同等の防湿性を実現することは難しく、水分を透過させてしまうとセルが劣化し、発電効率の低下につながる。特に、化合物半導体、および有機薄膜太陽電池セルではこれが大きな問題となっている。また、特許文献1のように無機層を積層した場合、無機層と封止材が直接接することにより架橋型封止材に用いられる有機過酸化物の残渣成分や、一般的に用いられる封止樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体の加水分解物として発生する酢酸などが影響を及ぼし、界面の密着性が劣化する可能性があるが、無機層が剥離するとシートの防湿性が大きく低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、水蒸気透過率が低く、透明性、接着性に優れた太陽電池モジュール封止シートを提供するという目的を達成しようとするものである。
本発明の太陽電池モジュール封止シートは、太陽電池モジュール封止シートであって、
基材フィルムと、該基材フィルムに蒸着された酸化物バリア層と、該酸化物バリア層に接着層を介して積層されたフィルムとを備えたバリア層積層体を有することにより上記課題を解決した。
本発明においては、前記バリア層積層体の表裏面に易接着層が設けられてなることが好ましい。
本発明の前記易接着層外側には、高温高湿環境試験後の加水分解に酸が発生する封止材が用いられることができる。
本発明の前記バリア層積層体の前記酸化物バリア層が酸化ケイ素からなることが望ましい。
本発明では、前記バリア層積層体の前記基材フィルムがPETからなることが可能である。
本発明は、前記バリア層積層体の前記フィルムがPETからなることがある。
本発明の前記易接着層がウレタン系接着剤からなることもできる。
本発明の太陽電池モジュール封止シートは、太陽電池モジュール封止シートであって、
基材フィルムと、該基材フィルムに蒸着された酸化物バリア層と、該酸化物バリア層に接着層を介して積層されたフィルムとを備えたバリア層積層体を有することにより、太陽電池用セルの表面保護と封止に関するシートとして、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム)などからなる。EVAは、高温高湿の環境試験後に、樹脂の加水分解により酢酸等の酸が発生する。EVAとバリア層が直接積層された場合には、酸の影響によりバリア性の低下が見られるが、基板フィルムが積層された内側に位置している場合には、酢酸による影響を直接受けずに、基材フィルムとバリア層との密着性低下を防止でき、これにより、シートの防湿性を維持して、透明性、接着性に優れた太陽電池モジュール封止シートを提供することが可能となる。これにより、前面保護シート、封止材 、封止シート、太陽電池モジュール(発電素子)、封止シート、封止材、裏面保護シートをこの順で積層し、加熱溶融等により接着一体化した太陽電池を製造することができる。
本発明においては、前記バリア層積層体の表裏面に易接着層が設けられてなることにより、封止材との密着性を向上して防湿性を維持するとともに、防湿性に優れて、湿気ないし水の透過による内部の導線や電極の発錆を防止でき、発電素子等を保護する為の柔軟性や耐衝撃性、紫外線に対する耐久性および温度上昇に対する耐熱性、太陽光の効率的な透過の為に透明性(全光線透過率など)、耐久性を維持することができる。
本発明の前記易接着層外側には、高温高湿環境試験後の加水分解に酸が発生する封止材、たとえば、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)フィルムが用いられることがあっても、バリア層がフィルムおよび基板フィルムが積層された内側に位置しているので、エチレン−酢酸ビニル共重合体の加水分解物として発生する酢酸による影響を受けずに、密着性が劣化することを防止できる。
ここで、高温高湿環境試験とは、後述する実施例における評価での保存環境に対応することができる。
本発明の前記バリア層積層体の前記酸化物バリア層が酸化ケイ素からなることにより、耐水性に優れ、充分な水蒸気バリア性を呈することができ、シートの防湿性を維持して、透明性、接着性に優れた太陽電池モジュール封止シートを提供する。
本発明では、前記バリア層積層体の前記基材フィルムがPET(ポリエチレンテレフタレート)からなることにより、重さ及び衝撃による破損の問題を解決し、上述のバリア層を蒸着して、バリア層の防湿性を維持することが可能である。
同様に、前記バリア層積層体の前記フィルムがPETからなることができる。
本発明の前記易接着層がウレタン系接着剤からなること、特に、ポリカーボネートポリオールとイソホロンジイソシアネートを含む二液反応型ウレタン系接着剤からなることにより、良好な密着性を維持して防水性、透過性を実現することが可能となる。
本発明によれば、水蒸気透過率が低く、透明性、接着性に優れた太陽電池モジュール封止シートを提供することができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係る太陽電池モジュール封止シートの第1実施形態を示す断面図である。 本発明に係る太陽電池モジュール封止シートの第1実施形態における太陽電池モジュールを示す断面図である。 本発明に係る太陽電池モジュール封止シートの第2実施形態を示す断面図である。 本発明に係る太陽電池モジュール封止シートの第3実施形態を示す断面図である。
以下、本発明に係る太陽電池モジュール封止シートの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における太陽電池モジュール封止シートを示す断面図であり、図において、符号1は、太陽電池モジュール封止シートである。
本実施形態に係る太陽電池モジュール封止シート1は、図1に示すように、基材フィルム11と、酸化物バリア層12と、接着層13と、フィルム14とが積層されたバリア層積層体10を有する。
本実施形態の太陽電池モジュール封止シート1に用いられる基材フィルム11は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、6,6−ナイロン等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等のエンプラフィルム等が用いられ、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械強度や寸法安定性を有するものが良い。これらをフィルム状に加工して用いられる。特に、これらの中で二軸方向に任意に延伸されたフィルムを用いたフィルムで、価格面、防湿性、充填適性、風合い、廃棄性を考慮すると、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、長期間にわたる過酷な自然環境に耐え得るためには、ポリエステル基材は耐加水分解性に優れたものが好ましい。ポリエステルの加水分解は末端カルボキシル基により進むため、耐加水分解性を向上させるには末端カルボキシル基の濃度が減少しているポリエステル組成物からなる必要がある。ポリエステル中の末端カルボキシル基の濃度は、ANALYTICL CHEMISTRY第26巻、1614ページに記載された方法にて測定され、末端カルボキシ基濃度が10当量/10g以下ならば加水分解が起こりにくい。ポリエステルの末端カルボキシル基を減少させるためには、エポキシ化合物やカルボジイミドを混合し、反応させる方法などがある。
また、基材フィルム11には、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン(kaolin)、ジルコニウム酸などの各種無機粒子や架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか、従来公知の抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐光剤、包接化合物、帯電防止剤、各種着色剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種フッ素化合物が添加されていてもよい。
上記の基材フィルム11には密着性を向上させるために、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、オゾン処理、グロー放電処理、その他の前処理を任意に施すことができる。
前記基材フィルム11の厚さはとくに制限を受けるものではないが、各層を形成する際の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましい。
基材フィルム11には、酸化物バリア層12が積層される前にアンカーコート層を設けることが好ましい。前記アンカーコート層は、基材フィルム11と蒸着される酸化物バリア層12間の密着性を向上させるためのもので、アンカーコート剤としては、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系、その他等のアンカーコーティング剤を使用することができる。アンカーコート剤としては、また、ウレタン結合を含むことや、ウレタン結合を含む2液反応複合物からなることができる。
前記アンカーコート層の形成方法としては、例えば、オフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。乾燥条件については、一般的に使用される条件で構わない。また反応を促進させるために、高温のエージング室等に数日放置することも可能である。
酸化物バリア層12は、無機化合物からなる蒸着層とされることができる。この蒸着層(酸化物バリア層)12は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、あるいはそれらの混合物などの無機化合物からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する層であればよい。特に耐水性に優れる酸化珪素を用いることがより好ましい。
無機化合物を蒸着されてなる酸化物バリア層12の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるので問題がある。生産性を加味するとより好ましいのは10nmから200nmである。
酸化物バリア層12を基材フィルム11上に形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることも可能である。但し、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いても良いが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式を用いることがより好ましい。
蒸着層である酸化物バリア層12の上にアンカーコート層と同様に、オーバーコート層を塗布することができる。
酸化物バリア層12には、接着層13として、接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマー、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリカーボネート系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンーブタジェンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤、その他等の接着剤を使用することができる。これらの中でも、ポリカーボネートポリオールとイソホロンジイソシアネートを含む二液反応型ウレタン系接着剤は、耐加水分解性に優れる。接着層13は塗布形成することができる。
フィルム14としては、基材フィルム11と同じようにフィルム材とすることができ、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロペンタジエンなどのオレフィンフィルム、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、エチレン‐テトラフルオロエチレン共重合体フィルムなどのフッ素系フィルム、アクリルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、を用いることができ、特に、基材フィルム11と同材のフィルム、あるいは、ことなる材質からなるものとできるが、基材フィルム11よりも厚くすることが好ましい。
本実施形態の太陽電池モジュール封止シート1は、バリア層積層体10の表裏面に、易接着層15,16が設けられる。易接着層15,16は、後述する太陽電池モジュール20を形成するときの加熱圧着工程を利用して架橋反応するものとされる。
易接着層15,16としては、硬化性官能基含有の(メタ)アクリル系共重合体、あるいは、硬化性官能基含有のフッ素系樹脂の共重合体などのポリオールと、ポリイソシアネートとの反応により得られた化合物を含有する易接着剤などがある。反応によって得られた化合物は、封止材に含まれる有機過酸化物と硬化膜として得られる易接着層にある炭素-炭素の二重結合部とが、モジュールラミネートによる真空加熱圧着時に、ラジカル重合を形成して封止材との接着性が発現するものとされる。
硬化性官能基含有の(メタ)アクリル系共重合体は、種々のモノマーを重合することによって得ることができる。モノマーとしては、例えば、アルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、グリシジル基を有する(メタ)アクリル系モノマーなどの他に、酢酸ビニル、無水マレイン酸、ビニルエーテル、プロピオン酸ビニル、スチレン等が挙げられる。ここで、硬化性官能基は、アルキル基、水酸基、カルボキシル基、グリシジル基などを意味する。
アルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが例示できる。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸などが挙げられる。
グリシジル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルなどが例示できる。
上記のモノマーの重合には、通常のラジカル重合を用いることができる。反応方法に何ら制限はなく、溶液重合、塊状重合、乳化重合などの公知の重合法で行うことができるが、反応のコントロールが容易であることや直接次の操作に移れることから溶液重合が好ましい。用いるモノマーは、1種類であっても複数種類を混合して用いてもよい。溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなど、溶解するものであれば何ら制限は無く、単独でも、複数の溶媒を混合しても良い。また、重合反応の際に使用される重合開始剤もベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものを用いることができ、特に制限は無い。
硬化性官能基含有フッ素系樹脂の共重合体としては、例えばTFE/イソブチレン/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体、TFE/バーサチック酸ビニル/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体、TFE/VdF/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体などが挙げられ、特にTFE/イソブチレン/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体、TFE/バーサチック酸ビニル/ヒドロキシブチルビニルエーテル/他の単量体の共重合体などが上げられる。
ポリイソシアネート化合物は、上記の(メタ)アクリル系共重合体および、硬化性官能基含有フッ素系樹脂の共重合体の硬化性官能基と反応し、共重合体同士を架橋させることで、塗膜に耐湿熱性を付与すると共に、裏面保護シートを構成するプラスチックフィルムや非受光面側であるEVA等の封止材との密着性を向上させることができる。そのため、ポリイソシアネート化合物は、一分子中に2つ以上のイソシアネート基を有することが重要であり、例えば、芳香族ポリイソシアネート、鎖式脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。ポリイソシアネート化合物は、1種類でも2種類以上の化合物を併用してもよい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
鎖式脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
また、上記ポリイソシアネートに加え、上記ポリイソシアネートとトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、上記ポリイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレート体、更には上記ポリイソシアネートと公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等とのアダクト体等が挙げられる。
これらポリイソシアネート化合物の中でも、意匠性の観点から、低黄変型の脂肪族または脂環族のポリイソシアネートが好ましく、耐湿熱性の観点からは、イソシアヌレート体が好ましい。より具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)のイソシアヌレート体が好ましい。
硬化性官能基含有の(メタ)アクリル系共重合体、あるいは、硬化性官能基含有のフッ素系樹脂の共重合体などと、ポリイソシアネートとの反応により得られた化合物のガラス転移温度は、10〜80℃であることが望ましい。10℃未満であると易接着層にタックが生じて、ロール巻取り後の養生中に、ブロッキングが発生する。ガラス転移温度が、80℃を超えると塗膜が硬くなり見かけ上、封止材との接着力の低下が起きる。
図2は、本実施形態における太陽電池モジュールを示す断面図である。
本実施形態における太陽電池モジュール封止シート1は、図2に示すように、太陽電池モジュール20において、発電素子21を封止材22,23とともに、封止するものとされる。
太陽電池モジュール20は、発電素子(太陽電池セル)21に対し、太陽電池セル21の受光面側に位置する太陽電池モジュール封止シート1とその表面の太陽電池表面保護材(保護層)19を太陽電池セル21の受光面側に位置する硬化処理前の封止材22を介して積層し、太陽電池モジュール封止シート1と太陽電池裏面保護シート(保護層)18を太陽電池セル21の非受光面側に位置する硬化処理前の封止材23を介して積層し、減圧下で高温加熱圧着することによって得ることができる。太陽電池表面保護材19と太陽電池裏面保護シート18は、特に限定されないが、好適な例として、必要な柔軟性、可撓性、透明性、耐候性、強靭性を有するガラス板や、ポリカーボネートやポリアクリレートのプラスチック板などを挙げることができ、または、耐候性を有するものとして、ポリフッ化ビニリデンフィルムやポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルムを従来公知の種々の接着剤を用いて積層したものや、旭硝子(株)のルミフロンのような高耐候性塗料を塗工して形成したコート層などを使用することができる。
封止材22,23は、易接着層15,16と接着されるものであり、特に限定されず、公知の材料を好適に適用できる。好適な材料として、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)や、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリオレフィンなどが挙げられる。このうち、コストの点からEVAが主に用いられる。封止材22,23は、シート(フィルム状のものも含む)のものが簡便であるが、ペースト状のものなどでもよい。
封止材22,23には、有機過酸化物が含まれていてもよい。有機過酸化物を含有させることによって、封止材22,23で太陽電池セル21を挟み、加熱する際、ラジカル反応により封止材22を架橋させたり、封止材22と封止材23とを架橋させたり、封止材23を架橋させたりすることを高効率に行うことができる。
封止材22,23中に含有する有機過酸化物は、封止材の樹脂100重量部に対して、0.05〜3.0重量部用いるのが好ましい。有機過酸化物の具体例としては、tert− ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,2 ,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−アミルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ) ブタン、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ジパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、エチル−3,3−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブチレート、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、ジクロヘキサノンパーオキサイド、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン等が挙げられる。これらの有機過酸化物は、例えば、封止材の樹脂をシート加工する際に添加して、溶融混練することによって、封止材中に含有させることができる。
易接着層15,16の易接着剤は、無機系粒子を含有することができる。
無機粒子の具体例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、ケイ素、アンチモン、チタン、などの金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、などを含有する無機系粒子が挙げられる。さらに詳細な具体例としては、シリカゲル、酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、鉛酸化物、珪藻土、ゼオライト、アルミノシリケート、タルク、ホワイトカーボン、マイカ、ガラス繊維、ガラス粉末、ガラスビーズ、クレー、ワラスナイト、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化チタン、リトポン、軽石粉、硫酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、炭酸バリウム、ドロマイト、二硫化モリブデン、砂鉄、カーボンブラックなどを含有する無機系粒子が挙げられる。無機粒子は、1種類を用いてもよいし、2種類以上を併用して用いてもよい。
易接着剤には、必要に応じて、架橋促進剤を添加してもよい。架橋促進剤は(メタ)アクリル系共重合体(A)の水酸基とポリイソシアネート化合物(C)のイソシアネートによるウレタン結合反応を促進する触媒としての役割を果たす。架橋促進剤としては、スズ化合物、金属塩、塩基などが挙げられ、具体的にはオクチル酸スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、塩化スズ、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリエチルアミン、トリエチレンジアミンなどが挙げられる。これらは、単独または組み合わせて用いることができる。
易接着剤には、必要に応じて、充填剤、チクソトロピー付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダレ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリング剤、硬化剤、増粘剤、顔料分散剤、シランカップリング剤等の各種の添加剤を添加してもよい。
易接着剤には、溶剤が含まれる。溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、などの内から樹脂組成物の組成に応じ適当なものを使用できるが、沸点が50℃〜200℃のものを好ましく用いることができる。沸点が50℃よりも低いと、易接着剤を塗布する際に溶剤が揮発しやすく、固形分が高くなって均一な膜厚で塗布することが難しくなる。沸点が2200℃よりも高いと、溶剤を乾燥しづらくなる。なお、溶剤は2種以上用いてもよい。
易接着剤を、バリア層積層体10に塗工する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、コンマコーティング、グラビアコーティング、リバースコーティング、ロールコーティング、リップコーティング、スプレーコーティングなどが例示できる。これらの方法で易接着剤を塗布し、加熱乾燥により溶剤を揮散させることで、硬化処理前の易接着層15,16を形成することができる。
硬化処理前の易接着層15,16の厚みは、0.01〜30μmであることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましい。
本実施形態の太陽電池モジュール封止シート1においては、上記のように、酢酸が発生する可能性のある封止材22,23に対して、基材フィルム11とフィルム14とで酸化物バリア層12を挟んで、封止材22,23から遮断可能としたバリア層積層体10を有することにより、酸化物バリア層12の劣化を防ぎ、防湿性を維持することが可能となる。
以下、本発明に係る太陽電池モジュール封止シートの第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図3は、本実施形態における太陽電池モジュール封止シートを示す断面図である。
本実施形態において上述した第1実施形態と異なるのは酸化物バリア層17に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態における太陽電池モジュール封止シート1Aは、図3に示すように、バリア層積層体10Aにおいて、フィルム14に酸化物バリア層17が積層された構成となっている。
酸化物バリア層17は、酸化物バリア層12と同様に、無機化合物からなる蒸着層とされることができる。また、酸化物バリア層12と同じ材質、あるいは、異なる材質から形成することが可能であり、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、あるいはそれらの混合物などの無機化合物からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する層とされることができ、耐水性に優れる酸化珪素を用いることがより好ましい。
無機化合物を蒸着されてなる酸化物バリア層17の厚さは、酸化物バリア層12単独の構成に対して薄くすることができる。また、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、より好ましくは10nmから200nmである。
バリア層積層体10Aは、フィルム14に蒸着等によって酸化物バリア層17を成膜して、接着層13によって接着することができる。
酸化物バリア層17は、酸化物バリア層12と同様に、アンカーコート層、オーバーコート層を伴うことができる。
本実施形態における太陽電池モジュール封止シート1Aにおいては、酸化物バリア層12の形成された基材フィルム11と、酸化物バリア層17の形成されたフィルム14とを接着層13で接着したバリア層積層体10Aを有することにより、さらなる防湿性を呈することが可能となる。
以下、本発明に係る太陽電池モジュール封止シートの第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図4は、本実施形態における太陽電池モジュール封止シートを示す断面図である。
本実施形態において上述した第2実施形態と異なるのは酸化物バリア層17とフィルム14の積層順に関する点であり、これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態における太陽電池モジュール封止シート1Bは、図4に示すように、バリア層積層体10Bにおいて、フィルム14の接着層13側に酸化物バリア層17が積層された構成となっている。
本実施形態における太陽電池モジュール封止シート1Bにおいては、酸化物バリア層12の形成された基材フィルム11と、酸化物バリア層17の形成されたフィルム14とを接着層13で接着し、同時に、基材フィルム11とフィルム14とで、酸化物バリア層12および酸化物バリア層17を密閉したバリア層積層体10Bを有することにより、より一層の防湿性を呈することが可能となる。
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
<バリア層積層体>
基材25μmのPETフィルム(基材フィルム)にアンカーコート層を塗布し、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、酸化ケイ素からなる膜厚30nmの蒸着層(酸化物バリア層)を形成し、上記蒸着層の上にオーバーコート層を塗布、バリア層を形成、さらにその上に、酸化ケイ素からなる30nmの蒸着層を形成し、その蒸着層の上にオーバーコート層を塗布し、バリア層積層体を形成した。
<実施例1>
作製したバリア層積層体としてのガスバリア層付きPETを、接着層としてポリカーボネートポリオールとイソホロンジイソシアネートを含む二液反応型ウレタン系接着剤(10g/m)を塗布し、フィルム(PET:東レ社 X10S 50μm)と貼り合わせを行った。その後、積層体に易接着層としてアクリルウレタン系塗料を両側に塗布してシートとした。シートを作製した後、エージングを50℃4日実施し太陽電池モジュール封止シートを得た。
<実施例2>
作製したバリア層積層体としてのガスバリア層付きPETを用い、接着層として蒸着面にポリカーボネートポリオールとイソホロンジイソシアネートを含む二液反応型ウレタン系接着剤(10g/m)を塗布し、同様のバリア層積層体としてのガスバリア層付きPETのバリア層面と貼り合わせを行った。
その後、積層体に易接着層としてアクリルウレタン系塗料を両側に塗布してシートとした。シートを作製した後、エージングを50℃4日実施し、太陽電池モジュール封止シートを得た。
<実施例3>
作製したバリア層積層体としてのガスバリア層付きPETを用い、接着層として蒸着面に二液反応型ウレタン系接着剤(10g/m)を塗布し、同様のバリア層積層体としてのガスバリア層付きPETのPET面と貼り合わせを行った。
その後、積層体に易接着層としてアクリルウレタン系塗料を両側に塗布してシートとした。シートを作製した後、エージングを50℃4日実施し、太陽電池モジュール封止シートを得た。
<比較例1>
作製したバリア層積層体としてのガスバリア層付きPETのみを太陽電池モジュール封止シートとした。
<比較例2>
作製したバリア層積層体としてのガスバリア層付きPETに二液反応型ウレタン系接着剤(10g/m)を塗布し、フィルム(PET:東レ社 X10S)と貼り合わせを行いシートとした。シートを作製した後、エージングを50℃4日実施し、太陽電池モジュール封止シートを得た。
<外観評価、封止材接着性評価方法>
作製したそれぞれの太陽電池モジュール封止シートを、85℃85%RH保存にて3000時間保存した。
保存形態は、上記で得られた封止シートを 保護シート/封止材/太陽電池モジュール封止シート/封止材/保護シートの状態で積層させ、真空モジュールラミネーターにより封止してモジュールを作製して行った。
封止材は、株式会社ブリヂストン製 EVASKYを用いた。保護シートは、耐候性のある保護層としてPVF(Tedlar)38μm/PET250μm/PVF(Tedlar)38μmを用いた。
<水蒸気バリア性の評価>
水蒸気バリア性の評価は、作製したそれぞれの太陽電池モジュール封止シートをおのおの単体で85℃85%RH環境下にて保存したのちに、JIS K7129 B法(赤外センサー法)及びASTM F1249−90に示された測定方法に準じたパーマトランモコン社製の水蒸気透過度測定装置を用いて評価した。測定条件は、40℃90%RH環境下での水蒸気バリア性能を評価した。
<封止材との接着性評価>
10mm幅で切断してテンシロン(引っ張り試験機、オリエンテック社製)を用いて、作製したそれぞれの太陽電池モジュール封止シートと、封止材との接着性を測定した。剥離速度300mm/min、23℃、相対湿度65%の雰囲気で行った。
<外観>
作製したそれぞれの太陽電池モジュール封止シートと封止材との界面での剥がれがあることをデラミ(デラミネーション;層間剥離)と定義して界面の剥離を目視観察し、デラミの有無を確認した。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2016063126
実験結果より、比較例はバリア性も低く、保存試験後にバリアの低下が見られるのに対し、実施例はバリア性も高く85℃85%RH環境下に3000h保存しても高いバリア性を保持した。
以上の結果から、実施例とした本発明品は、一般に湿度に対して敏感で、水やガスの影響により発電効率が低下しやすいとされる、薄膜系太陽電池や、化合物系太陽電池、有機太陽電池においても、期間にわたる過酷な自然環境に耐えて、太陽電池モジュールの特性を維持することが可能であることがわかる。
1,1A,1B…太陽電池モジュール封止シート
10,10A,10B…バリア層積層体
11…基材フィルム
12…酸化物バリア層
13…接着層
14…フィルム
15,16…易接着層
17…酸化物バリア層
18…太陽電池裏面保護シート
19…太陽電池表面保護材
20…太陽電池モジュール
21…発電素子
22,23…封止材

Claims (7)

  1. 太陽電池モジュール封止シートであって、
    基材フィルムと、該基材フィルムに蒸着された酸化物バリア層と、該酸化物バリア層に接着層を介して積層されたフィルムとを備えたバリア層積層体を有することを特徴とする太陽電池モジュール封止シート。
  2. 前記バリア層積層体の表裏面に易接着層が設けられてなることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール封止シート。
  3. 前記易接着層外側には、高温高湿環境試験後の加水分解に酸が発生する封止材が用いられることを特徴とする請求項2記載の太陽電池モジュール封止シート。
  4. 前記バリア層積層体の前記酸化物バリア層が酸化ケイ素からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の太陽電池モジュール封止シート。
  5. 前記バリア層積層体の前記基材フィルムがPETからなることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の太陽電池モジュール封止シート。
  6. 前記バリア層積層体の前記フィルムがPETからなることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の太陽電池モジュール封止シート。
  7. 前記易接着層がウレタン系接着剤からなることを特徴とする請求項2記載の太陽電池モジュール封止シート。
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