JP2014192311A - 太陽電池表面保護シートおよびそれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池表面保護シートおよびそれを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】生産工程時においてブロッキングを抑制し、かつフッ素樹脂層と基材層の密着性を向上させた太陽電池表面保護シートを提供する。
【解決手段】基材層2と、フッ素樹脂層3とからなる太陽電池表面保護シート1において、フッ素樹脂層3が、水酸基を有するフッ素樹脂と、イソシアネート基を有するポリイソシアネートとが架橋して形成される太陽電池表面保護シート1であって、前記イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が、0.6以上0.9未満の範囲であり、フッ素樹脂層3のガラス転移温度が50℃以上であり、前記フッ素樹脂層を、105℃・100%RH・96時間のプレッシャークッカー処理した後の、25℃における動的貯蔵弾性率が、1500MPa未満である太陽電池表面保護シート1。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池表面保護シートおよびそれを用いた太陽電池モジュールに関するものである。生産性を有し、かつ湿熱環境下で優れた耐久性を有する太陽電池表面保護シートに関するものである。
近年、地球温暖化等の環境問題に伴い、クリーンエネルギーの推進を背景に、太陽光発電への期待が高まっている。太陽光発電は、シリコン、CdTe(カドミウムテルル)、CIGS(銅インジウムガリウムセレナイド)などの光電変換素子により光起電力を得るものである。一般に、光電変換素子は必要出力を得るため複数個接続され、また外部環境で長期間の使用において発電性能を維持する必要性から、表面保護シート、封止材、裏面保護シートなどと一体化された形態、即ち太陽電池モジュールで用いられる。
太陽電池表面保護シートは、耐久性や耐候性から、ガラス板が用いられてきたが、近年、軽量化やフレキシブル性に対する要望が高まっており、ガラス板をプラスチックシートなどの透明基材で代替した太陽電池モジュールの実用化が始まっている。
太陽電池表面保護シートとしては、従来のガラス板と同様、透明性、耐久性、耐候性、その他諸物性が求められる。これらの要求を満たす材料として、フッ素樹脂があるが、概して高価であるため、フッ素樹脂フィルム単独ではなく、ポリエステルやエチレン・酢酸ビニル共重合体フィルムなどの支持体にフッ素樹脂層を形成した構成が一般的である。
フッ素樹脂層の形成方法としては、フッ素樹脂フィルムを、接着剤を介して支持体に貼り付ける方法(フィルムラミ方式)や、フッ素樹脂溶液を塗布しフッ素樹脂層を形成する方法がある。塗布方法は、プロセスの簡便性、各種添加剤の付与によりフッ素樹脂層への機能付与の自由度が大きいなど、フィルムラミ方式に対する利点が多い。一方その反面、塗布方法においては、塗布したフッ素樹脂層と支持体との間の密着性が課題となることが多い。
例えば、特許文献1では、硬化性フッ素樹脂と硬化剤とを含む塗布物を透明基材上に塗布する方法が開示されている。これによると硬化性フッ素樹脂は、水酸基価が5[mgKOH/g]を超え、かつ水酸基価と酸価の合計が30[mgKOH/g]を超える水酸基含有フッ素共重合体であり、また硬化剤は、イソシアネート系硬化剤またはアミノ樹脂系硬化剤を、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたはアクリル樹脂からなる支持体の上に、直接またはプライマー層を介して塗布形成するとされている。
しかし、太陽電池表面保護シートは長時間屋外に暴露されるため、フッ素樹脂層と基材層との密着性を、湿熱環境下で維持することは重要である。特許文献1のようにフッ素樹脂層の組成を規定することは、湿熱環境に暴露する前の塗布膜の密着性を付与することには一定の効果が得られるが、湿熱環境下での密着性の維持には、不十分であることが、筆者らの検討の結果判明した。これは支持体がポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートといったポリエステルの場合に顕著であった。
また、塗布方法では、以下のような問題もある。通常、表面保護シートの生産性を高めるために、フッ素樹脂層の塗布工程はロール・ツー・ロール方式で行われる。フッ素樹脂層を塗布、乾燥したのち、一般的には硬化を充分に進めるために、エージングと呼ばれる工程が行われる。これは塗布膜をある温度、一般的には20℃から80℃程度の低温で、
数日保持する工程である。このとき、ロール・ツー・ロール方式で塗布膜を形成した場合においては、巻き取られた状態でエージング工程が行われる。
また、機能性を付加するために、上記の塗布シートに、別シートをロール・ツー・ロール方式によりラミネートすることがある。この別シートの例としては、水蒸気バリア性や酸素バリア性を付与するためのバリアフィルム、電気絶縁性・耐衝撃性を付与するための樹脂シート、封止材との接着性を付与するためのプライマーシートなどがあげられる。ラミネートは、貼り合わせる面同士の片面に接着剤を塗布し圧着して行なわれる。そして、フッ素樹脂層が形成された基材層に別シートが貼り合わされたものが巻き取られた状態で、接着剤のエージング工程が行われる。
しかし、巻取りでエージング工程が行なわれる際に、塗布膜と、塗布膜に接触する面、即ち基材層ないしラミネートした別シートとが、固着する、または塗布膜に変形が生じるなどのブロッキングが生じる場合がある。ブロッキングが生じると、塗布膜にピンホールや表面の変形などが生じ、太陽電池表面保護シートとしての性能を低下させる恐れがある。一般的には、ブロッキングとは、塗布膜に荷重を掛けて重ねたとき、接触面が固着することを言うが、本発明では、それ以外にも、塗布膜の表面が変形して接触した痕跡が残ることも、ブロッキングとよぶ。
WO2007/063698号公報
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、生産工程時においてブロッキングを抑制し、かつフッ素樹脂層と基材層の密着性を向上させた太陽電池表面保護シートを提供することにある。
本発明の請求項1に係る発明は、透明性を有する基材層と、前記基材層の表面に塗布形成されたフッ素樹脂層とからなる太陽電池表面保護シートにおいて、
前記フッ素樹脂層が、水酸基を有するフッ素樹脂と、イソシアネート基を有するポリイソシアネートとが架橋して形成される太陽電池表面保護シートであって、
前記イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が、0.6以上0.9未満の範囲であり、
前記フッ素樹脂層のガラス転移温度が50℃以上であり、
前記フッ素樹脂層を、105℃・100%RH・96時間のプレッシャークッカー処理した後の、25℃における動的貯蔵弾性率が、1500MPa未満であることを特徴とする太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項2に係る発明は、前記フッ素樹脂層の水酸基価が20〜200[mgKOH/g]の範囲であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項3に係る発明は、前記ポリイソシアネートが、キシリレンジイソシアネート変性体、水素添加キシリレンジイソシアネート変性体、のいずれかまたは混合物であることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項4に係る発明は、前記キシリレンジイソシアネート変性体、水素添加キ
シリレンジイソシアネート変性体が、アダクト体であることを特徴とする請求項3記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項5に係る発明は、前記フッ素樹脂層が、紫外線吸収剤を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項6に係る発明は、前記基材層が、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレンナフタレートフィルムからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項7に係る発明は、前記基材層の厚さが、10μm以上1000μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項8に係る発明は、前記基材層のいずれかの面に無機酸化物蒸着層が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項9に係る発明は、前記基材層の裏面に、無機酸化物蒸着層が形成された透明支持フィルムが積層されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項10に係る発明は、前記透明支持フィルムの裏面に、さらに第二透明支持フィルムが積層されていることを特徴とする請求項9記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項11に係る発明は、前記第二透明支持フィルムの厚さが150μm以上1000μm以下の範囲であることを特徴とする請求項10記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項12に係る発明は、前記透明支持フィルムおよび前記第二透明支持フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレンナフタレートフィルムであることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項13に係る発明は、前記無機酸化物蒸着層が、酸化珪素または酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項8または9記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項14に係る発明は、透明性を有する基材層と、前記基材層の表面に塗布形成されたフッ素樹脂層とを有する表面保護シートが、受光面側に形成されたことを特徴とする太陽電池モジュールであって、
前記表面保護シートにおけるフッ素樹脂層が、水酸基を有するフッ素樹脂と、イソシアネート基を有するポリイソシアネートとが架橋して形成されており、
前記イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が、0.6以上0.9未満の範囲であり、
前記フッ素樹脂層のガラス転移温度が50℃以上であり、
前記フッ素樹脂層を、105℃・100%RH・96時間のプレッシャークッカー処理した後の、25℃における動的貯蔵弾性率が、1500MPa未満である
ことを特徴とする太陽電池モジュールである。
本発明の太陽電池表面保護シートは、生産工程時においてブロッキングを抑制し、かつフッ素樹脂層と基材層との密着性を向上させることができる。
発明者は、ブロッキングの発生は、次の二つの要素で制御可能であることを見出した。即ち、フッ素樹脂層に含まれるイソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)と、フッ素樹脂層のガラス転移温度である。
例えば、エージングにおけるブロッキングは、イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)および乾燥条件を制御して、ガラス転移温度を高くすることで抑制できる。ガラス転移温度は、乾燥条件が同じであれば、イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)に比例して上昇する。また該物質量比(NCO/OH)が同じであっても、フッ素樹脂層を塗布形成する際の乾燥条件によりガラス転移温度は変動する。ガラス転移温度を高くする手段としては、乾燥にかける時間を長くする、または高くすることで可能である。
また、発明者は、105℃・100%RH・96時間のプレッシャークッカー処理した後の塗布膜を、動的粘弾性測定した際に、25℃における動的貯蔵弾性率が、1500MPa未満である場合に、湿熱環境において良好な密着性が得られることを見出した。さらに、上記プレッシャークッカー処理した後のフッ素樹脂層の動的貯蔵弾性率が、次の二つの要素で制御可能であることを見出した。即ち、フッ素樹脂層に含まれるイソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)と、フッ素樹脂層を塗布形成する際の硬化条件である。なお、以後特に断りがない限り、動的貯蔵弾性率という語は、105℃・100%RH・96時間のプレッシャークッカー処理した後の塗布膜を、動的粘弾性測定した際の、25℃における動的貯蔵弾性率のことをさすものとする。
上記プレッシャークッカー処理と硬化条件が同じであれば、動的貯蔵弾性率は、イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が、0.7〜0.8の間で極小をとる。また物質量比(NCO/OH)が同じであっても、フッ素樹脂層を塗布形成する際の硬化条件により動的貯蔵弾性率は変動する。貯蔵弾性率を小さくするには、硬化にかける時間を長くする、または硬化温度を高くすることで達成できる。
本発明の請求項1によれば、フッ素樹脂層が、水酸基を有するフッ素樹脂と、イソシアネート基を有するポリイソシアネートとが架橋して形成される太陽電池表面保護シートであって、
前記イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が、0.6以上0.9未満の範囲であり、
前記フッ素樹脂層のガラス転移温度が50℃以上であり、
前記フッ素樹脂層を、105℃・100%RH・96時間のプレッシャークッカー処理した後の、25℃における動的貯蔵弾性率が、1500MPa未満であることにより、生産工程時においてブロッキングの発生を抑制することができる。またフッ素樹脂層と基材層との湿熱環境下での密着性を向上させることができ、太陽電池表面保護シートの耐久性を向上させることができる。
イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)は、0.6以上0.9未満の範囲が好ましい。この範囲では、適度な架橋密度が得られるため、フッ素樹脂層の機械的強度が向上する。またフッ素樹脂層の基材層との密着性を向上させることができる。なお、機械的強度とは、生産工程や実使用時での、引っ張りや圧縮などに耐える強度をいう。
イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が0.6未満であると、架橋密度が不十分となりフッ素樹脂層の機械的強度や耐溶剤性に問題が生じる。また、物質量比(NCO/OH)が0.9を超えると、十分な基材層との密着性を発現するのが困難になる。
また、105℃・100%RH・96時間のプレッシャークッカー処理(以下、PCT処理と記す)した後の塗布膜の、25℃における動的貯蔵弾性率が、1500MPa未満であることが好ましい。この範囲では、湿熱環境下において、フッ素樹脂層と基材層との密着性が優れた塗布膜とすることができる。動的貯蔵弾性率が、1500MPa以上であると、湿熱環境下において、充分な密着性を発現するのが困難になる。
本発明の請求項2によれば、フッ素樹脂層の水酸基価が20〜200[mgKOH/g]の範囲であることにより、フッ素樹脂層の機械的強度や基材層との密着性を向上させることができる。適度な架橋密度が得られるため、フッ素樹脂層の機械的強度や基材層との密着性が向上する。またフッ素樹脂層中の相対的なフッ素含量が適正な範囲内に保たれるため、フッ素樹脂層の耐候性が向上する。
本発明の請求項3によれば、ポリイソシアネートが、キシリレンジイソシアネート変性体、水素添加キシリレンジイソシアネート変性体、のいずれかまたは混合物であることにより、基材層との密着性およびフッ素樹脂層の耐溶剤性を向上させることができる。
本発明の請求項4によれば、キシリレンジイソシアネート変性体、水素添加キシリレンジイソシアネート変性体が、アダクト体であることにより、基材層との密着性およびフッ素樹脂層の耐溶剤性をさらに向上させることができる。
本発明の請求項5によれば、フッ素樹脂層が、紫外線吸収剤を含有することにより、耐候性を向上させることができる。表面保護シートは、屋外にて長期間暴露されるために、耐候性、耐久性が要求される。紫外線吸収剤を含有させることで、表面保護シートとしての性能を維持できる。
本発明の請求項6によれば、基材層が、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレンナフタレートフィルムからなることにより、高い透明性と耐候性を有し、かつ耐熱性、機械的強度、電気絶縁性などを有することができる。
本発明の請求項7によれば、基材層の厚さが、10μm以上1000μm以下の範囲であることにより、フッ素樹脂層の塗布工程における作業性や電気絶縁性を備えることができる。
本発明の請求項8によれば、基材層のいずれかの面に無機酸化物蒸着層が形成されていることにより、透明性を維持しながら水蒸気バリア性や酸素バリア性などを付与することができる。
本発明の請求項9によれば、基材層の裏面に、無機酸化物蒸着層が形成された透明支持フィルムが積層されていることにより、透明性を維持しながら水蒸気バリア性や酸素バリア性などを付与することができる。
本発明の請求項10によれば、透明支持フィルムの裏面に、さらに第二透明支持フィムが積層されていることにより、さらに耐熱性、機械的強度、電気絶縁性などを向上させることができる。
本発明の請求項11によれば、第二透明支持フィルムの厚さが150μm以上1000μm以下の範囲であることにより、優れた電気絶縁性を得ることができる。表面保護シートの厚さの自由度が高められるために、より良好な電気絶縁性を得ることができる。
本発明の請求項12によれば、第一透明支持フィルムおよび前記第二透明支持フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレンナフタレートフィルムであることにより、高い透明性と耐候性を有し、耐熱性、機械的強度、電気絶縁性などを維持できる。
本発明の請求項13によれば、無機酸化物蒸着層が、酸化珪素または酸化アルミニウムであることにより、透明性を維持しながら水蒸気バリア性を付与することができる。表面保護シートとして、水蒸気バリアを有するために、水蒸気による太陽電池セルやその配線部材や封止材への悪影響を防ぐと共に、発電効率の低下を防ぐことができる。
本発明の請求項14によれば、透明性を有する基材層と、基材層の表面に塗布形成されたフッ素樹脂層とを有する表面保護シートが、受光面側に形成されたことを特徴とする太陽電池モジュールであって、表面保護シートにおけるフッ素樹脂層が、水酸基を有するフッ素樹脂と、イソシアネート基を有するポリイソシアネートとが架橋して形成されており、イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が、0.6以上0.9未満の範囲であり、フッ素樹脂層のガラス転移温度が50℃以上であり、
フッ素樹脂層を、105℃・100%RH・96時間のプレッシャークッカー処理した後の、25℃における動的貯蔵弾性率が、1500MPa未満であることを特徴とする太陽電池モジュールである。本発明の表面保護シートは、生産工程時においてブロッキングを抑制し安定して生産されるために、形成された塗布膜には、ピンホールなどの欠陥などがなく耐久性に優れている。該表面保護シートを用いた太陽電池モジュールは、長期間、高い発電効率を維持できる。
本発明の表面保護シートの層構成の一例を示す説明図である。 本発明の表面保護シートの他の層構成の一例を示す説明図である。 本発明の表面保護シートの他の層構成の一例を示す説明図である。 本発明の表面保護シートの他の層構成の一例を示す説明図である。 本発明の表面保護シートを用いた太陽電池モジュールの断面の一例を示す説明図である。
以下に、本発明を実施するための形態につき説明する。
図1は、本発明の表面保護シートの層構成の一例を示す説明図である。表面保護シート1は、基材層2と、該基材層の上に塗布形成されたフッ素樹脂層3とからなっている。
基材層2に用いられる材料としては、透明性、耐熱性、電気絶縁性、耐候性を有する材料であれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル系樹脂やポリカーボネート樹脂などは、高い透明性と耐候性を有するため、基材層の材料に適している。特に、PETは、上記諸物性を備え、かつ価格とのバランスがよいため好適に用いられる。
PETの種類は特に限定されず、例えば、透明性や耐加水分解性など、表面保護シートに必要な性能を考慮して選択される。例えば、数十年の屋外暴露が想定される場合、分子
鎖の末端の処理や分子量の調整によって耐加水分解性が付与されたものが好ましい。また、フッ素樹脂層3が紫外線を遮蔽する成分を含まない場合や、フッ素樹脂層3に含まれる紫外線を遮蔽する成分が少ない場合は、紫外線吸収剤を含有したPETを用いても構わない。
基材層2の厚さは特に限定されず、例えば、透明性、電気絶縁性など、太陽電池用の保護シートに必要な性能を考慮して選択される。なお、フッ素樹脂層の塗布工程における作業効率を考慮した場合、基材層の厚さは10μm以上1000μm以下の範囲が好ましい。
また基材層2の熱収縮率は、150℃、30分において5%以下であることが好ましい。150℃、30分という条件は太陽電池の一般的な封止条件である。この条件下において熱収縮率が5%以下であれば、太陽電池の封止工程において、基材層にシワが生じたり、基材層の寸法が変化したりすることを抑えることができる。熱収縮率を抑えるための方法としては、アニール処理をあげることができる。
フッ素樹脂層3は、水酸基を有するフッ素樹脂と、イソシアネート基を有するポリイソシアネート架橋されて形成されたものからなる。
フッ素樹脂としては、樹脂骨格に水酸基を含み汎用溶剤に可溶なフッ素樹脂が用いられる。例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体やクロロトリフルオロエチレン(CTFE)共重合体やフルオロアルキル基含有ポリマーを用いるとよい。上述の化合物の他にも、フッ素樹脂としては、水酸基価や、その他の特性が異なる各種の化合物を用いることができる。
ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネートなどの各種材料の変性体、あるいはその他のプレポリマーを用いることができる。これらの中でも、基材層との密着性の向上、形成されるフッ素樹脂層の耐溶剤性の向上などから、キシリレンジイソシアネート変性体、水素添加キシリレンジイソシアネート変性体が好ましい。
また、ポリイソシアネートの形態としては、単体(モノマー)、三量体(トリマー)その他の多量体、各種アルコール付加体(アダクト)、アロファネート基含有多量体などの変性体を用いることができる。これらの中でも、密着性および耐溶剤性からアダクト変性体であることが好ましい。
図2は、本発明の表面保護シートの他の層構成の一例を示す説明図である。基材層2の裏面(フッ素樹脂層の反対側の面)に、無機酸化物蒸着層4を形成したものである。表面保護シートに水蒸気バリア性を付与した層構成の一例である。水蒸気が太陽電池素子領域に侵入するのを抑制することができる。なお、無機酸化物蒸着層4は、フッ素樹脂層と同じ側の面に設けてもよく、同様の水蒸気バリア性を付与することができる。
図3は、本発明の表面保護シートの他の層構成の一例を示す説明図である。予め透明支持フィルム5に無機酸化物蒸着層4を設けたバリアフィルム6を、接着層8を介して積層したものである。水蒸気バリア性とともに電気絶縁性を向上させた一例の層構成を示している。水蒸気が素子領域に浸入することが抑えられる。なお、無機酸化物蒸着層4は、フッ素樹脂層がある側の反対側の面に設けてもよく、同様の水蒸気バリア性を付与することができる。なおバリアフィルム6の上に、直接にフッ素樹脂層を塗布形成してもよい。この場合、バリアフィルム6が表面保護シート1における基材となる。
図4は、本発明の表面保護シートの他の層構成の一例を示す説明図である。図3の層構成の透明支持フィルム5面に、第二透明支持フィルム7を接着剤8を介して積層したものである。電気絶縁性をさらに向上させることができる。このような構造にすることにより、電気絶縁性を得るための表面保護シートの厚さに関する自由度が高められるため、より良好な電気絶縁性を得ることができる。具体的には、基材層の厚さが10μm以上50μm以下の範囲で、第二透明支持フィルムの厚さが150μm以上1000μm以下の範囲であると、良好な電気絶縁性が得られる。
図5は、本発明の表面保護シートを用いた太陽電池モジュールの断面の一例を示す説明図である。太陽電池モジュール20は、表面保護シート1と複数の太陽電池セル21と、太陽電池セルを封止する封止材22と、裏面保護シート23からなっている。表面保護シート1は、太陽電池セル21を封止した封止材22における太陽光の入射側となる面に設けられる。また、封止材22における太陽光の入射側と反対側、すなわち表面保護シートが設けられた側と反対側の面に、裏面保護シート23が設けられる。こうした構成において、太陽電池セル21や封止材22、裏面保護シート23に適宜の配線部材24が施されて太陽電池モジュール20が使用される。太陽電池セル21としては、シリコン、CdTe(カドミウムテルル)、CIGS(銅インジウムガリウムセレナイド)などの光電変換素子があげられる。
さらに、本発明の表面保護シートを詳しく説明する。
本発明に用いるフッ素樹脂の具体的な例としては、旭硝子(株)製のLUMIFLON(登録商標)、AGCコーテック(株)製のOBBLIGATO(登録商標)、セントラル硝子(株)製のCEFRALCOAT(登録商標)、DIC(株)製のフルオネート(登録商標)、などのクロロトリフルオロエチレン(CTFE)を主成分としたポリマー類や、ダイキン工業(株)製のZEFFLE(登録商標)などのテトラフルオロエチレン(TFE)を主成分としたポリマー類や、E.I.du Pont de Nemours and Company製のZonyl(商品名)、ダイキン工業(株)製のUNIDYNE(登録商標)などのフルオロアルキル基を有するポリマー、およびフルオロアルキル単位を主成分としたポリマー類が挙げられる。
上記の中でも、基材層と高い密着性を得るためには、CTFEを主成分としたポリマー、もしくは、TFEを主成分としたポリマーを用いることが好ましい。特に、上記OBBLIGATO(登録商標)、もしくは、上記ZEFFLE(登録商標)が最も好ましい。
フッ素樹脂層には、必要性に応じ各種添加剤を含有しても良い。添加剤としては、例えば、シリカやアルミナなど無機粒子フィラー、アクリルビーズやフッ素樹脂ビーズなどの有機フィラー、スズやチタン化合物などウレタン反応触媒、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。特に、耐候性を向上させるために、紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。紫外線吸収剤の種類は、フッ素樹脂との相溶性や必要な紫外線カット性を考慮して、適宜選択して用いられる。例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤や、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤などを用いることができる。紫外線吸収剤の添加量は、フッ素樹脂100質量部に対して、0.1〜50質量部の範囲であることが好ましく、0.5〜10質量部の範囲であることがより好ましい。
基材層にPETが用いられる場合、PETの吸収波長帯は290〜340nmの範囲であることから、この波長帯を有効に吸収する紫外線吸収剤を、必要量だけ添加することが好ましい。具体的には、フッ素樹脂層の光線透過率を測定した場合に、290〜340nmの範囲の透過率が1%以下であることが好ましい。このような紫外線吸収剤の例として
は、BASF(株)製のTINUVIN477、TINUVIN479が挙げられる。光安定剤としては、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系、トコフェロール系の酸化防止剤、ヒンダードアミン系の光安定剤を適宜配合することができる。
フッ素樹脂層3の厚さは、3μm以上50μm以下の範囲であることが好ましく、5μm以上40μm以下の範囲であることがより好ましい。耐候性や耐久性を維持することができる。厚さが、3μm未満では、耐候性や耐久性が維持できない。また、厚さが50μmを超えると、生産コストが高くなってしまう。
フッ素樹脂層を形成する工程は、少なくとも、塗布工程と、乾燥工程と、エージング工程とを含む。塗布工程では、主剤のフッ素樹脂と、硬化剤のポリイソシアネートと、溶剤を含む塗布液を基材層に塗布する。塗布する方法としては、グラビアコート、ナイフコート、コンマーコート、ロールコートなどの公知の方法で可能である。乾燥工程では、加熱乾燥によって、塗布液から溶剤が除去されるとともに、主剤と硬化剤との重合が行われる。これによって、フッ素樹脂の水酸基とポリイソシアネートのイソシアネート基とが結合してウレタン結合が形成されることにより、主剤のフッ素樹脂が架橋されフッ素樹脂層が形成される。通常、フッ素樹脂の水酸基と硬化剤のイソシアネート基の結合は短時間では十分に進行しないため、十分に硬化を行うためにエージング工程が行われ、表面保護シートが作成される。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
<塗布材料>
フッ素樹脂層の形成に用いられる塗布液を調整した。
・フッ素樹脂溶液:TFE系フッ素樹脂溶液(ダイキン工業(株)製、商品名:ゼッフルGK570、樹脂水酸基価:65[mgKOH/g]、固形分濃度:65wt%、溶媒:酢酸ブチル)
・硬化剤:水素添加キシリレンジイソシアネート(アダクト変性体)(三井化学(株)製、商品名:D120N)
・紫外線吸収剤(BASF(株)製、商品名:TINUVIN477)
・酢酸ブチル(関東化学(株)製、特級)
を用いた。
<塗布液の調液方法>
ポリ容器に秤量したフッ素樹脂溶液に、酢酸ブチルを添加し、振り混ぜて分散させた。この溶液に、紫外線吸収剤を(紫外線吸収剤/フッ素樹脂)重量比が0.04になるように加え、5分間振り混ぜた。この溶液に、硬化剤を(NCO/OH)物質量比が0.70となるように添加し、さらに酢酸ブチルを固形分濃度が50wt%となるように添加し、10分間振り混ぜて、塗布液とした。
<保護シート作成方法>
PET(帝人デュポン(株)製、商品名:VN、厚さ125μm)を基材層として用いた。該PETの表面に、ワイヤーバー(番手30)を用いて上記塗布液を塗布した。塗布されたPETを170℃に設定した循環式オーブンEYELA WINDY OVEN WFO−1000ND(東京理化器械(株)製)に投入して2分間乾燥した。なお、熱電対によりPETの温度は140℃まで上昇することを確認した。乾燥後の塗布膜が形成されたPETを、エージング工程として、40℃の環境下に96時間放置し、フッ素樹脂層が形成された表面保護シートを得た。
<評価方法>
(ブロッキング評価)
上記表面保護シートを、7cm×7cmに切り出し、フッ素樹脂層面同士が重ならないように5枚重ね合わせる。それを、縦10cm×横10cm×厚さ0.7mmの鉄板ではさみ、100kgの荷重をかけて、50℃で96時間保持する。その後、重ね合わせたシートを剥がし、剥離後の塗膜の外観を評価した。
ブロッキング評価において、外観に変化が無い場合を「○」とした。また、外観に変形による模様が表れた場合を「×」とした。「○」がブロッキングの抑制に優れている状態である。
(ガラス転移温度測定)
上記の塗布液をポリテトラフルオロエチレンフィルム上に塗布し、上述の表面保護シート作成方法と同様に、塗布工程の後に乾燥工程とエージング工程を順次行った後、ポリテトラフルオロエチレンフィルム上から塗布膜を変形しないように注意深く剥がし取り、試験用のフッ素樹脂膜を作成した。そして、試験用のフッ素樹脂膜の動的粘弾性の温度依存性を評価した。動的粘弾性は、SIIナノテクノロジー(株)製のDMS6200を用いて測定した。測定条件は、引っ張り測定モードで、温度範囲0〜100℃、昇温速度2℃/分、測定周波数1Hz、サンプル形状は長さ20mm、幅10mmである。DMS6200で測定したデータの、動的損失弾性率のピーク温度を、フッ素樹脂膜のガラス転移温度とした。
(貯蔵弾性率)
上記の塗布液をポリテトラフルオロエチレンフィルム上に塗布し、上述の表面保護シート作成方法と同様に、塗布工程の後に乾燥工程とエージング工程を順次行い、ポリテトラフルオロエチレンフィルム上に試験用のフッ素樹脂膜を作成した。それを湿熱加速試験機に投入し、プレッシャークッカーテスト(PCT)処理した。使用した加速試験機はETAC(株)製 Palamount HAST CHAMBER PM 222 である。処理条件は、105℃、100%RH(相対湿度)の条件で、96時間である。PCT処理したのちに、ポリテトラフルオロエチレンフィルム上から塗布膜を変形しないように注意深く剥がし取り、試験用のフッ素樹脂膜を作成した。そして、該フッ素樹脂膜の動的粘弾性の温度依存性を評価した。動的粘弾性は、SIIナノテクノロジー(株)製のDMS6200を用いて測定した。測定条件は、引っ張り測定モードで、温度範囲0〜100℃、昇温速度2℃/分、測定周波数1Hz、サンプル形状は長さ20mm、幅10mmである。DMS6200で測定したデータの、25℃における動的貯蔵弾性率の値を読み取った。
(密着性)
表面保護シートを、湿熱加速試験機に投入し、ダンプヒート(DH)処理した。使用した加速試験機はエスペック(株)製の恒温恒湿器 PH−3KT である。処理条件は、85℃・85%RHの条件で、1000時間、2000時間である。DH処理した試験片、および未処理の試験片(表1中で「初期」と記す)に対し、フッ素樹脂層の密着性を評価した。密着性の評価は次の手順で碁盤目試験(クロスカット)を行った。これは、旧JIS K5400:1990に記載されている試験と同様である。試験方法は、以下の通りである。始めに、幅1mmの切込みを11本入れた後、90°向きを変えてさらに11本切込みを入れ、1mm角の碁盤目を100個作製する。次にカットしたフッ素樹脂面にセロハンテープをはりつけ、消しゴムでこすってフッ素樹脂膜にテープを付着させる。次にセロハンテープを付着させてから1分後にテープの端を持ってフッ素樹脂面に直角に保ち瞬間的にひきはがす。セロハンテープを剥がした後の残存升目数で密着性の優劣を判断する。本発明では、残存升目数が100〜95で「○」、94〜80で「△」、79以下で
「×」とした。「○」が密着性に優れている状態である。
イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が0.85となるように硬化剤を添加した以外は、実施例1と同様に行い、表面保護シートを作成した。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が0.50となるように硬化剤を添加した以外は、実施例1と同様に行い、表面保護シートを作成した。
<比較例2>
イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が1.00となるように硬化剤を添加した以外は、実施例1と同様に行い、表面保護シートを作成した。
<比較例3>
イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が1.40となるように硬化剤を添加した以外は、実施例1と同様に行い、表面保護シートを作成した。
<比較例4>
イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が0.70となるように硬化剤を添加し、塗布後の乾燥を170℃で1分間行った以外は、実施例1と同様に行い、表面保護シートを作成した。
<比較例5>
イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が1.00となるように硬化剤を添加し、塗布後の乾燥を170℃で1分間行った以外は、実施例1と同様に行い、表面保護シートを作成した。
<評価結果>
実施例1、2では、イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が、それぞれ0.70、0.85で、フッ素樹脂層のガラス転移温度がそれぞれ50℃以上、また貯蔵弾性率は、それぞれ1500MPa未満を示しており、表面保護シートのブロッキング性、密着性(クロスカット)が良好であった。
比較例1では、イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が0.50、ガラス転移温度が49℃であり、ブロッキング性が良くなかった。
比較例2では、イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が1.00であり、密着性の評価において、DH処理での2000時間後での密着性(クロスカット)が良くなかった。
比較例3では、イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が1.40であり、動的貯蔵弾性率が1581MPaであり、密着性の評価において、DH処理での1000時間後での密着性(クロスカット)が良くなかった。
比較例4では、イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)物質量比が0.70であり、ガラス転移温度が49℃であり、ブロッキング性が良くなかった。
比較例5では、イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が1.00であり、動的貯蔵弾性率が2360MPaであり、DH処理での2000時間後での密着性(クロスカット)が良くなかった。
以上の結果から、イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が、0.6〜0.9の範囲であり、フッ素樹脂層のガラス転移温度が50℃以上であり、フッ素樹脂層を105℃・100%(RH)・96時間のプレッシャークッカー処理した後の、25℃における動的貯蔵弾性率が、1500MPa未満であることにより、生産工程時においてブロッキングが良好で、かつ湿熱環境下でのフッ素樹脂層と基材層とが優れた密着性を示すことが認められた。
本発明の表面保護シートを用いた太陽電池モジュールは、長期間、高い発電効率を維持できる。また別な用途として、窓ガラス用遮光フィルム、窓ガラス用防汚フィルム、看板などのマーキングフィルム、建材などのエクステリア部材、屋外用産業部材などにも使用可能である。
1・・・太陽電池表面保護シート
2・・・基材層
3・・・フッ素樹脂層
4・・・無機酸化物蒸着層
5・・・透明支持フィルム
6・・・バリアフィルム
7・・・第二透明支持フィルム
8・・・接着層
20・・・太陽電池モジュール
21・・・太陽電池セル
22・・・封止材
23・・・裏面保護シート
24・・・配線部材

Claims (14)

  1. 透明性を有する基材層と、前記基材層の表面に塗布形成されたフッ素樹脂層とからなる太陽電池表面保護シートにおいて、
    前記フッ素樹脂層が、水酸基を有するフッ素樹脂と、イソシアネート基を有するポリイソシアネートとが架橋して形成される太陽電池表面保護シートであって、
    前記イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が、0.6以上0.9未満の範囲であり、
    前記フッ素樹脂層のガラス転移温度が50℃以上であり、
    前記フッ素樹脂層を、105℃・100%RH・96時間のプレッシャークッカー処理した後の、25℃における動的貯蔵弾性率が、1500MPa未満であることを特徴とする太陽電池表面保護シート。
  2. 前記フッ素樹脂層の水酸基価が20〜200[mgKOH/g]の範囲であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池表面保護シート。
  3. 前記ポリイソシアネートが、キシリレンジイソシアネート変性体、水素添加キシリレンジイソシアネート変性体、のいずれかまたは混合物であることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池表面保護シート。
  4. 前記キシリレンジイソシアネート変性体、水素添加キシリレンジイソシアネート変性体が、アダクト体であることを特徴とする請求項3記載の太陽電池表面保護シート。
  5. 前記フッ素樹脂層が、紫外線吸収剤を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シート。
  6. 前記基材層が、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレンナフタレートフィルムからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シート。
  7. 前記基材層の厚さが、10μm以上1000μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シート。
  8. 前記基材層のいずれかの面に無機酸化物蒸着層が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シート。
  9. 前記基材層の裏面に、無機酸化物蒸着層が形成された透明支持フィルムが積層されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シート。
  10. 前記透明支持フィルムの裏面に、さらに第二透明支持フィルムが積層されていることを特徴とする請求項9記載の太陽電池表面保護シート。
  11. 前記第二透明支持フィルムの厚さが150μm以上1000μm以下の範囲であることを特徴とする請求項10記載の太陽電池表面保護シート。
  12. 前記透明支持フィルムおよび前記第二透明支持フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレンナフタレートフィルムであることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シート。
  13. 前記無機酸化物蒸着層が、酸化珪素または酸化アルミニウムであることを特徴とする請
    求項8または9記載の太陽電池表面保護シート。
  14. 透明性を有する基材層と、前記基材層の表面に塗布形成されたフッ素樹脂層とを有する表面保護シートが、受光面側に形成されたことを特徴とする太陽電池モジュールであって、
    前記表面保護シートにおけるフッ素樹脂層が、水酸基を有するフッ素樹脂と、イソシアネート基を有するポリイソシアネートとが架橋して形成されており、
    前記イソシアネート基の水酸基に対する物質量比(NCO/OH)が、0.6以上0.9未満の範囲であり、
    前記フッ素樹脂層のガラス転移温度が50℃以上であり、
    前記フッ素樹脂層を、105℃・100%RH・96時間のプレッシャークッカー処理した後の、25℃における動的貯蔵弾性率が、1500MPa未満である
    ことを特徴とする太陽電池モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019140273A (ja) * 2018-02-13 2019-08-22 大日本印刷株式会社 太陽電池モジュール

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