JP2013207205A - 太陽電池表面保護シートおよびそれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池表面保護シートおよびそれを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】耐ブロッキング性を有するフッ素樹脂層を有し、かつ耐候性、耐久性を有する太陽電池表面保護シートを提供するものである。また、それを用いた太陽電池モジュールを提供するものである。
【解決手段】透明基材の表面に、フッ素樹脂層を形成してなる太陽電池表面保護シートにおいて、前記フッ素樹脂層が、水酸基を有するフッ素樹脂とポリイソシアネートとフッ素樹脂フィラーと、を含有する塗布液を用いて塗布され形成され、前記フッ素樹脂フィラーの平均粒子径が、0.5〜20μmの範囲であることを特徴とする太陽電池表面保護シートである。また、それを用いた太陽電池モジュールである。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池表面保護シートおよびそれを用いた太陽電池モジュールに関するものである。特に、耐候性、耐久性を有する太陽電池表面保護シートに関するものである。
近年、地球温暖化等の環境問題に伴い、クリーンエネルギーの推進を背景に、太陽光発電への期待が高まっている。太陽光発電は、シリコン、CdTe(カドミウムテルル)、CIGS(銅インジウムガリウムセレナイド)などの光電変換素子により起電力を得るものである。一般に光電変換素子は必要出力を得るために複数接続されている。また、外部環境で長期間曝され使用されるために、発電性能を保持する必要性から、表面保護シート、封止材、裏面保護シートなどと一体化された形態(太陽電池モジュール)で用いられる。
太陽電池モジュールの表面保護シートは、機械的強度や耐候性から、従来はガラス板が用いられてきたが、近年、軽量化やフレキシブル性に対する要望から、ガラス板をプラスチックフィルムなどの透明基材で代替した太陽電池モジュールの実用化が始まっている。
透明基材からなる表面保護シートには、従来のガラス板と同様、透明性、耐候性および機械的強度が求められる。これらの要求を満たす材料として、フッ素樹脂があるが、概して高価であり、ポリエステルフィルムやエチレン酢酸ビニル共重合体フィルムなどの厚手基材を用い、該基材上にフッ素樹脂層を形成した表面保護シートが、一般的に用いられている。
フッ素樹脂層を形成する方法としては、フッ素樹脂フィルムを接着剤で透明基材に貼り合せる方法(フィルムラミ方式)がある。
しかし、フッ素樹脂フィルムを貼り合せる方法では、フッ素樹脂フィルムが高価であり、生産コストが高くなる問題がある。
また、フッ素樹脂溶液を透明基材上に塗布する方法がある。塗布する方法は、プロセスの簡便性、後加工性、また各種添加剤の付与により機能性向上など、フィルムラミ方式に比べ利点が多い。この塗布する方法を使用した表面保護シートの提案がある(特許文献1)。
表面保護用塗布液の組成物であり、硬化性フッ素樹脂と硬化剤と溶剤からなる塗布液を、透明基材上に塗布して表面保護シートを作成するものである。しかし、塗布時における問題が生じる場合がある。例えば、使用する溶剤の種類、乾燥方法などの要因から、乾燥後の巻取りロールにおいてブロッキングが発生する場合がある。ブロッキングとは、透明基材上に形成されたフッ素樹脂層の面(表面)と透明基材の一方の面(裏面)が接触し、圧力が掛かった状態で保存されると、フッ素樹脂層の面と透明基材の裏面が接着現象を起こし剥がれ難くなってしまう、もしくは、フッ素樹脂層の一部が、透明基材の裏面に転移してしまう現象である。
この方法では、フッ素樹脂層は、硬化性官能基を有するフッ素樹脂と硬化剤のポリイソシアネートとから硬化塗布膜が形成されている。しかし、フッ素樹脂とポリイソシアネートとの硬化には、ある程度の時間を要すため、巻取り後に巻取りロールにてブロッキングが生じる場合がある。ブロッキングが製造工程で発生すると、製造設備を停止する必要が
生じ、生産性の低下や、使用する材料が無駄になる問題がある。
ブロッキングを防止する方法として、フッ素樹脂のガラス転移温度を上げることが考えられるが、透明基材との密着性が低下する問題がある。具体的にはガラス転移温度が80℃を超えるようなフッ素樹脂層は、硬化収縮が大きく、残留応力も高いために密着性が悪い。
また、フッ素樹脂層にシリカなどの無機フィラーを含有させて、表面を粗くする提案がある(特許文献2)。フッ素樹脂層に無機フィラーを添加し、機械的物性を向上させたものである。
しかし、シリカなどの微粒子を含有させた場合には、塗布液としての分散安定性を維持することが困難であり、また、塗布時において、フィラーの凝集物による塗布面へのピンホールなどの欠陥が発生する問題がある。また無機フィラーを添加することで紫外線への耐候性が低下し、表面保護シートに要求される性能を満たさないという問題が生ずる。
WO2007/063698号公報 特開2010―212496号公報
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、耐ブロッキング性を有するフッ素樹脂層を有し、かつ耐候性、耐久性を有する太陽電池表面保護シートを提供するものである。また、それを用いた太陽電池モジュールを提供するものである。
本発明の請求項1に係る発明は、透明基材の表面に、フッ素樹脂層を形成してなる太陽電池表面保護シートにおいて、
前記フッ素樹脂層が、水酸基を有するフッ素樹脂とポリイソシアネートとフッ素樹脂フィラーと、を含有する塗布液を用いて形成されたことを特徴とする太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項2に係る発明は、前記フッ素樹脂フィラーの平均粒子径が、0.5〜20μmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項3に係る発明は、前記フッ素樹脂フィラーの含有量が、前記フッ素樹脂の質量に対し、1〜40質量%の範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項4に係る発明は、前記フッ素樹脂フィラーが、テトラフルオロエチレンの重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項5に係る発明は、前記塗布液が、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項6に係る発明は、前記フッ素樹脂層が、前記透明基材の両面に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シートで
ある。
本発明の請求項7に係る発明は、前記透明基材の裏面に、無機酸化物が蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルムが積層されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項8に係る発明は、前記フッ素樹脂層の一方の面に、無機酸化物が蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルムが積層されていることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項9に係る発明は、前記無機酸化物が、酸化珪素または酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項7または8記載の太陽電池表面保護シートである。
本発明の請求項10に係る発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シートを用いたことを特徴とする太陽電池モジュールである。
透明基材の表面に形成されるフッ素樹脂層は、水酸基を有するフッ素樹脂とポリイソシネートを硬化させることにより形成される。形成されたフッ素樹脂層は、耐候性、耐摩耗性、耐油性、耐薬品性など耐久性を有している。またフッ素樹脂フィラーを含有することで、フッ素樹脂層の表面を粗くし、耐ブロッキング性を向上させている。またフッ素樹脂フィラーを含有させた塗布液は、該フッ素樹脂フィラーの分散性が安定しているために、凝集物がなく、塗布後のフッ素樹脂層でのピンホールの発生がない。よって耐候性を維持できる。また耐ブロッキング性に優れることで、製造工程における生産性を向上することができる。品質の安定した太陽電池表面保護シート(以下、表面保護シートという)を提供することができる。
本発明の請求項1によれば、フッ素樹脂層が、水酸基を有するフッ素樹脂と硬化剤であるポリイソシアネートを含有する塗布液を用いて形成されることで、耐候性、耐久性の優れた表面保護シートができる。また塗布液にフッ素樹脂フィラーを含有させることで、フッ素樹脂層の表面を粗くし、ブロッキング防止効果を向上させることができる。またフッ素樹脂フィラーが、優れた撥水撥油性を有することで、耐久性を向上させることができる。また形成されたフッ素樹脂層は、耐候性の低下もなく、耐久性の優れた表面保護シートができる。
本発明の請求項2によれば、前記フッ素樹脂フィラーの平均粒子径が、0.5〜20μmの範囲であることにより、塗布液での分散性がよく、形成されるフッ素樹脂層の諸物性を低下させることがなく、ブロッキング防止効果を発現できる。
本発明の請求項3によれば、フッ素樹脂フィラーの含有量が、前記フッ素樹脂の質量に対し、1〜40質量%の範囲であることにより、ブロッキング防止効果および耐久性を発現できる。
本発明の請求項4によれば、フッ素樹脂フィラーが、テトラフルオロエチレンの重合体であることにより、塗布液での分散性および耐久性を発現できる。優れた撥水撥油性を有することから、フッ素樹脂層の物性を低下させることがなく、耐久性を有することができる。
本発明の請求項5によれば、塗布液が、紫外線吸収剤を含有することで、耐候性を一層向上させることができる。表面保護シートは、屋外にて長期間曝されるために、耐候性、
耐久性が要求される。紫外線吸収剤を含有させることで、透明基材を含めた表面保護シートの性能を維持することができる。
本発明の請求項6によれば、フッ素樹脂層が、透明基材の両面に形成することにより。耐候性、耐久性を一層向上させることができる。
本発明の請求項7によれば、フッ素樹脂層が形成された透明基材の裏面に、無機酸化物が蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルムを積層することにより、水蒸気バリアを向上させ、水分による光電変換素子の劣化を抑制することができる。
本発明の請求項8によれば、透明基材の両面に形成されたフッ素樹脂層の一方の面に、無機酸化物が蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルムが積層されていることにより、水蒸気バリアを向上させ、水分による光電変換素子の劣化を抑制することができる。
本発明の請求項9によれば、無機酸化物が、酸化珪素または酸化アルミニウムであることにより、透明性かつ水蒸気バリア性を備えることができる。光発電効率を維持し、水分による光電変換素子の劣化を抑制することができる。
本発明の請求項10によれば、請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面保護シートを用いたことを特徴とする太陽電池モジュールである。本発明の表面保護シートは、製造時でのフッ素樹脂層のブロッキングがなく、形成された塗布膜にピンホールなどの欠陥がなく、耐候性、耐久性に優れている。該表面保護シートを用いた太陽電池モジュールは、長期間、高い発電効率を維持することができる。
本発明の表面保護シートの断面の一例を示した説明図である。 本発明の表面保護シートを製造する塗布機の一例を示した説明図である。 本発明の表面保護シートの断面の一例を示した説明図である。 本発明の表面保護シートを用いた太陽電池モジュールの一例を示した説明図である。
以下、本発明を実施するための形態につき説明する。
図1は、本発明の表面保護シートの断面の一例を示した説明図である。図1に示し表面保護シート1は、透明基材2の表面にフッ素樹脂層3が形成されている。
図2は、表面保護シートを製造するための塗布機4の一例を示した説明図である。巻出しロール5の透明基材2を送り出し、液受けパン6に、少なくとも、水酸基を有するフッ素樹脂とポリイソシアネートとフッ素樹脂フィラーと、を含有する塗布液7が挿入された塗布ユニット8にて、透明基材2上に塗布液7を、ドクター刃12を用いて一定の厚さにて塗布し、その後、連続して乾燥装置13内に送り、フッ素樹脂層を形成しながら巻取りとる。この巻取りロール14を、所定の恒温恒湿条件にてエージングして硬化を促進させて、表面保護シート1を形成する。液受けパン中6の塗布液7は、循環配管9を通じて送液タンク10から送液ポンプ11により、液受けパン6へ送液され、また送液タンク10に戻るように循環されている。また塗布ユニット8は、グラビアコート、ロールコート、ナイフコート、ダイコートなどの一般的に用いられる塗布ユニットが使用できる。
塗布液7は、水酸基を有するフッ素樹脂と硬化剤のポリイソシアネートが、溶剤にて希釈されている。またフッ素樹脂フィラーが分散されている。使用する溶剤は、例えば、酢
酸ブチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどの汎用溶剤が使用できる。塗布され形成されたフッ素樹脂層は、フッ素樹脂とイソシアネートが硬化されて形成される。
図3は、本発明の表面保護シートの断面の一例を示した説明図である。フッ素樹脂層3が形成された透明基材2の裏面に、水蒸気バリア性を有する水蒸気バリアフィルム16が接着剤15を介して積層されている。水分による光電変換素子の劣化の抑制を可能にする表面保護シートができる。また、図には示していないが、透明基材の両面にフッ素樹脂層を形成して、その一方の面に水蒸気バリアフィルムを、接着剤を介して積層してもよい。
図4は、本発明の表面保護シートを用いた太陽電池モジュールの一例を示した説明図である。太陽電池モジュール30は、本発明の表面保護シート1と封止剤20と光電変換素子21と裏面保護シート22が順次積層され形成されている。表面保護シート1のフッ素樹脂層が最表面になるように積層される。太陽光は表面保護シート1から入光し光電変換素子21にて発電される。本発明の表面保護シート1は、耐候性、水蒸気バリア性など耐久性を有しているために、長期間、高い発電効率の維持することができる。尚、封止剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体の樹脂が一般的に用いられている。
更に詳しく実施するための形態について説明する。
透明基材2は、透明性と耐候性が重要であるが、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66)フィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルムなどが使用できる。または、これらのシートが使用できる。その他の材料系についても、耐熱性、強度物性、電気絶縁性等などの観点から適宜選択できる。
透明基材2の厚さは、特に限定されるものではなく、フッ素樹脂層の塗布膜形成工程、水蒸気バリアフィルムとの積層工程における作業性などを考慮し選択され、概ね25〜300μmの範囲が適当であり、特に50〜150μmの範囲が好ましい。
フッ素樹脂層3は、樹脂骨格に水酸基を含み汎用溶剤に可溶なフッ素樹脂と、ポリイソシアネートと、フッ素樹脂フィラーと、汎用溶剤からなる塗布液7を、透明基材へ塗布し、その後乾燥し、フッ素樹脂の水酸基とポリイソシアネートのイソシアネート基とをウレタン結合により架橋硬化させることで形成される。フッ素樹脂層は、塗布膜物性が向上し、耐候性、耐久性を発現させる。フッ素樹脂フィラーはブロキング防止効果を発現させる。
フッ素樹脂としては、構成単位の観点から、たとえば次のものが例示できる。パーフルオロオレフィン単位を主体とするパーフルオロオレフィン系ポリマー、テトラフルオロエチレン(TFE)の重合体、またはテトラフルオロエチレン(TFE)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)との共重合体、さらには、これらと共重合可能な他の単量体との共重合体などがあげられる。
これらのうち、テトラフルオロエチレン(TFE)を主体とするTFE系ポリマー、ビニリデンフルオライド(VdF)単位を主体とするVdF系ポリマーが、耐候性、共重合性、耐薬品性の点で好ましい。
フッ素樹脂層の耐候性を向上させるために、塗布液にベンゾフェノン、ベンゾトリアゾ
ール、トリアジンなどの紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系、トコフェロール系の酸化防止剤、ヒンダードアミン系の光安定剤も適宜配合することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾエート系、サリシート系、シアノアクリレート系、ヒドロキシフェニルトリアジン系などの紫外線吸収剤など挙げられるが特に限定されるものではなく、フッ素樹脂との相溶性および必要な紫外線カット性を考慮し、適宜選択して用いることができる。
フッ素樹脂層の厚さは、3〜50μmの範囲、より好ましくは5〜40μmの範囲がよい。フッ素樹脂層の厚さが3μm未満では、塗布時での塗布膜のバラツキから、耐候性が低下する場合がる。また、厚さが50μmを超えると、機械的強度の低下、および生産価格の面で不利になる。
フッ素樹脂フィラーのフッ素含有率は、使用目的などによって適宜選定してもよいが、65質量%以上であることがフッ素樹脂との混合分散性の向上の点から好ましい。具体例としては、テトラフルオロエチレンの重合体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられる。
フッ素樹脂フィラーの添加量としては、フッ素樹脂の質量に対して1〜40質量%の範囲がよい。添加量が1%未満ではブロッキングが起こり、40%を超える場合、塗布抜けが起こり耐候性が低下する。塗布液における分散性の向上とフッ素樹脂層の塗布膜物性の向上の観点から、平均粒子径は0.5〜20μmの範囲であり、特に1〜10μmの範囲であることが好ましい。
ポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、これらのプレポリマーなど各種樹脂を用いることができる。透明基材との密着性およびフッ素樹脂層の耐溶剤性の観点から、キシリレンジイソシアネート変性体、水素添加キシリレンジイソシアネート変性体が好ましい。
ポリイソシアネートの形態としては、単体(モノマー)、三量体(トリマー)その他の多量体、各種アルコール付加体(アダクト体)などを各種用いることができるが、透明基材との密着性および耐溶剤性の観点から、アダクト体であることが好ましい。
水蒸気バリアフィルムは、水分による光電変換素子の劣化を抑制するためのものである。フッ素樹脂層が形成された透明基材の裏面に接着剤を介して積層される。水蒸気バリアフィルムは、透明性の必要から、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの無機酸化物が蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。使用する接着剤は、耐久性の必要性から二液反応型ウレタン接着剤、二液反応型シリコン接着剤などを使用することができる。また透明基材の両面にフッ素樹脂層を形成する場合は、フッ素樹脂層の一方の面に積層すればよい。
本発明の表面保護シートは、透明性、耐候性および機械的強度に優れるとともに、透明基材とフッ素樹脂層との密着性が良好であるため、長期間に亘り、耐久性が良好である。
本発明の表面保護シートを用いた太陽電池モジュールは、長期間に亘り、高い発電効率を維持することができる。太陽電池モジュールの表面保護シートとして好適である。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
フッ素樹脂層を形成するための塗布液を以下のように調整した。
・フッ素樹脂として、テトラフルオロエチレン共重合体の酢酸ブチル溶液(フッ素樹脂含量:65重量%、水酸基価:65[mgKOH/g])、{品名:ゼッフルGK570(ダイキン工業(株))製)、
・硬化剤として、水素添加キシリレンジイソシアネート(アダクト体){商品名:タケネートD120N(三井化学(株))製}を、(NCO/OH)物質量比が1.0となるよう配合、
・紫外線吸収剤{商品名:チヌビン477(BASF製)}を(紫外線吸収剤/フッ素樹脂)重量比が0.04となるように添加、
・酢酸ブチルを固形分濃度が50重量%となるよう添加、
・粒子径6μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィラーを、樹脂固形分に対して20質量%添加・混合して
塗布液を調製した。
次に、上記塗布液を透明基材のポリエチレンテレフタレートフィルム{商品名:S10(東レ(株))製}、厚み125μm}に、ワイヤーバーを使用し、乾燥後の塗布膜の厚みが15μmになるように塗布し、熱乾燥とエージングを行い、フッ素樹脂層が形成した。これを表面保護シートとした。
以下、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィラーを添加しない以外は、実施例1と同様の条件で表面保護シートを作成した。
<比較例2>
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィラーに代えて粒子径6μmのシリカフィラーを添加した以外は、実施例1と同様の条件で、表面保護シートを作成した。
<評価方法>
実施例1及び比較例1、比較例2の表面保護シートを上記ポリエチレンテレフタレートフィルム125μmと重ね、2kg/cmの圧力を加えて、40℃にて96時間経過した後のサンプルのブロキング性を観察し、以下のように分類した。
○:表面保護シートとポリエチレンテレフタレートフィルム125μmが容易に剥離し、表面保護シートの外観に変化は観られない。ブロッキングなし。
×:表面保護シートとポリエチレンテレフタレートフィルム125μmを手で引き離さないと剥離せず、表面保護シートの外観に変化が観られた。ブロッキングあり。
また、上記の表面保護シートに対して紫外線を62mW/cmにて96時間照射し、耐候性、耐久性の評価として表面保護シートの巻き方向の引張強度を測定した。試験にはテンシロン万能試験機RTC−1250(オリエンテック社製)を用いた。
その評価結果と測定結果を、表1に示す。
Figure 2013207205
実施例1で作成した表面保護シートは、ブロッキングの発生も観られず、引張強度は、紫外線照射後でも低下は観られなかった。耐久性に優れた結果が明らかとなった。それに対して、比較例1では、ブロッキングが発生し、部分的に剥離が発生して不十分なものとなった。また比較例2では、耐ブロッキング性は保たれていたが、紫外線に対する耐候性
は大幅に低下する結果となった。
実施例1で作製した表面保護シートの裏面に、酸化アルミニウムを蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム12μmを、二液反応型ウレタン接着剤を用いて積層した。蒸着厚みは、30nmであった。この積層した表面保護シートを用いてブロッキング性を評価したところ、ブロッキング性は観られなかった。
本発明の表面保護シートは、屋外に使用され、長期間に亘り耐久性が必要なものに使用できる。太陽電池表面保護シートの他に、半導体素子への保護シートに可能である。また窓ガラス用遮光フィルム、窓ガラス用防汚フィルム、看板などのマーキングフィルム、建材などのエクステリア部材、屋外用途での産業用部材などに利用が可能である。
1・・・本発明の表面保護シート
2・・・透明基材
3・・・フッ素樹脂層
4・・・塗布機
5・・・巻出しロール
6・・・液受けパン
7・・・塗布液
8・・・塗布ユニット
9・・・循環配管
10・・・送液タンク
11・・送液ポンプ
12・・ドクター刃
13・・乾燥装置
14・・巻取りロール
15・・接着剤
16・・水蒸気バリアフィルム
20・・封止剤
21・・光電変換素子
22・・裏面保護シート
30・・太陽電池モジュール

Claims (10)

  1. 透明基材の表面に、フッ素樹脂層を形成してなる太陽電池表面保護シートにおいて、
    前記フッ素樹脂層が、水酸基を有するフッ素樹脂とポリイソシアネートとフッ素樹脂フィラーと、を含有する塗布液を用いて形成されたことを特徴とする太陽電池表面保護シート。
  2. 前記フッ素樹脂フィラーの平均粒子径が、0.5〜20μmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池表面保護シート。
  3. 前記フッ素樹脂フィラーの含有量が、前記フッ素樹脂の質量に対し、1〜40質量%の範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池表面保護シート。
  4. 前記フッ素樹脂フィラーが、テトラフルオロエチレンの重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シート。
  5. 前記塗布液が、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シート。
  6. 前記フッ素樹脂層が、前記透明基材の両面に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シート。
  7. 前記透明基材の裏面に、無機酸化物が蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルムが積層されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シート。
  8. 前記フッ素樹脂層の一方の面に、無機酸化物が蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルムが積層されていることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池表面保護シート。
  9. 前記無機酸化物が、酸化珪素または酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項7または8記載の太陽電池表面保護シート。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の太陽電池表面保護シートを用いたことを特徴とする太陽電池モジュール。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022113926A1 (ja) * 2020-11-25 2022-06-02 Agc株式会社 テトラフルオロエチレン系ポリマーの組成物、積層体およびフィルム

Cited By (1)

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WO2022113926A1 (ja) * 2020-11-25 2022-06-02 Agc株式会社 テトラフルオロエチレン系ポリマーの組成物、積層体およびフィルム

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