JP2013084929A - 太陽電池用保護材 - Google Patents

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由美 満倉
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雅秀 小西
Kenichi Hatakeyama
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Abstract

【課題】シワ等の外観不良がなく外観に優れ、かつ、防湿性及び剥離強度に優れる太陽電池用保護材を提供する。
【解決手段】フッ素系樹脂フィルム、粘着剤1からなる粘着剤層1、金属酸化物層を有する樹脂フィルム、粘着剤又は接着剤からなる粘接着剤層2、及び融点180℃以上、熱収縮率0.5%以下の高融点フィルムがこの順に積層されてなる太陽電池用保護材であって、前記の金属酸化物層を有する樹脂フィルムの基材厚みが30μm以下であり、前記粘着剤層1の厚みが13〜45μmであり、前記粘着剤層1の100℃、周波数10Hz、歪0.1%における引っ張り貯蔵弾性率が5.0×104〜5.0×105Paである、太陽電池用保護材。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池用保護材、及び該保護材を有する太陽電池モジュールに関する。
近年、資源の有効利用や環境汚染の防止等の面から、太陽光を直接電気エネルギーに変換する太陽電池が注目され、開発が進められている。太陽電池は、通常、前面保護材、封止材、発電素子、封止材及び裏面保護材をこの順で積層し、真空ラミネーションによる加熱溶融により接着一体化することで製造される。真空ラミネーションは、一般的に130〜180℃、10〜40分の条件で行われる。
太陽電池用保護材は、前面保護材であっても裏面保護材であっても、紫外線に対する耐久性、防湿性等に優れることが重要な要件とされる。太陽電池の軽量化、耐衝撃性及び耐久性の向上に有効な太陽電池用保護材として、耐候性フィルムと防湿フィルムとを接着剤や粘着剤で貼り合わせたものが知られている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
特許第3978911号公報 特許第3978912号公報
先述の耐候性フィルムと防湿フィルムとを接着剤や粘着剤で貼り合わせた保護材において、防湿フィルムとしては、高い防湿性を獲得するためにフィルム基材に無機薄膜を蒸着させたフィルム(無機蒸着フィルム)が用いられる。この無機蒸着フィルムの厚みが薄い場合、真空ラミネーションにより保護材の表面や保護材と封止材との界面にシワや突起が発生したり、保護材と封止材との剥離が生じたりする等の外観不良の問題が生じることがある。一方、厚みが50μm以上の肉厚無機蒸着フィルムを用いる場合、保護材全体の厚みの増加による光線透過率の低下や、蒸着を伴う防湿フィルムの製造工程において単位製造工程で扱えるロール長さが短くなることから生産コストの増加となるため、太陽電池の強度及び発電効率の著しい低下や保護材の生産効率の低下をもたらす。
また、肉厚無機蒸着フィルムを使用せず、フィルム基材の厚みが50μm未満の薄肉無機蒸着フィルムを使用する場合は、無機蒸着面の背面側に粘着剤や接着剤を使用して新たなフィルムを貼合することで、真空ラミネーション工程に耐えられる剛性を保護材に付与することが挙げられる。
しかし、新たにフィルムをドライラミネーション工程等により貼合する場合、真空ラミネーション工程やその後の耐久試験にてフィルムがドライラミネーション工程において蓄積した残留応力が防湿フィルムの背面から作用することにより無機蒸着面が損傷し防湿性能が著しく低下する問題があった。
このように、従来技術を用いた太陽電池用保護材においては、シワ等の外観不良を抑制することと、十分な防湿性及び剥離強度を有することとの両立が実現できなかった。
本発明が解決しようとする課題は、シワ等の外観不良がなく外観に優れ、かつ、防湿性及び剥離強度に優れる太陽電池用保護材を提供すること、並びにこの太陽電池用保護材を用いた太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、肉厚無機蒸着フィルムを用いずに高温真空ラミネーション後の外観低下を防止し、かつその後の加速試験にて防湿性能の低下を防止するために、耐候性フィルムと防湿フィルムの無機蒸着面との貼合に用いる粘着剤層1の弾性率を真空ラミネーション温度付近において特定の弾性率以下とし、粘着剤層1の厚みを13〜45μmとし、同時に高融点フィルムの熱収縮率を0.5%以下とすることで、前記問題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、
(1)フッ素系樹脂フィルム、粘着剤1からなる粘着剤層1、金属酸化物層を有する樹脂フィルム、粘着剤又は接着剤からなる粘接着剤層2、及び融点180℃以上、熱収縮率0.5%以下の高融点フィルムがこの順に積層されてなる太陽電池用保護材であって、前記の金属酸化物層を有する樹脂フィルムの基材厚みが30μm以下であり、前記の粘着剤層1の厚みが13〜45μmであり、前記粘着剤層1の100℃、周波数10Hz、歪0.1%における引っ張り貯蔵弾性率が5.0×104〜5.0×105Paである、太陽電池用保護材、
(2)前記粘着剤1が、カルボキシル基又はアミノ基を含まない粘着剤である、上記(1)に記載の太陽電池用保護材、
(3)前記の金属酸化物層を有する樹脂フィルムがポリエステル系フィルムである、上記(1)又は(2)に記載の太陽電池用保護材、
(4)前記の金属酸化物層を有する樹脂フィルムの基材の厚み(t1)とフッ素系樹脂フィルムの厚み(t2)が以下の関係式を満たす、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の太陽電池用保護材、
t1<t2
(5)前記の金属酸化物層を有する樹脂フィルムの温度40℃相対湿度90%における水蒸気透過率が0.1[g/(m2・日)]未満である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の太陽電池用保護材、及び
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の太陽電池用保護材を有する太陽電池用モジュール、
を提供するものである。
本発明によれば、肉厚無機蒸着フィルムを使用しなくとも、太陽電池用保護材の外観不良の問題を解消し、防湿性及び剥離強度に優れた太陽電池用保護材を提供することができる。また、該太陽電池用保護材を使用する太陽電池モジュールは、良好な外観を実現することができるのみならず、発電効率の低下を防止できる。特に、真空ラミネーション温度を150℃以上とした高温真空ラミネーションによってもシワ等の外観不良が生じることがなく、生産効率に優れる。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
[フッ素系樹脂フィルム]
本発明において、フッ素系樹脂フィルムは耐候性フィルムとして用いられる。
フッ素系樹脂フィルムの原料は、耐加水分解性や耐候性に優れたものが特に制限なく使用でき、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)等からなるフィルムが挙げられる。前記フッ素系樹脂フィルムは、前記の樹脂を用いて成形してなるものであれば、単層でも多層でもよく、他のフィルムと積層されていてもよい。
前記フッ素系樹脂フィルムは、真空ラミネーション工程において、太陽電池用保護材を製造する積層工程で生じた耐候性フィルム内の残留歪を軽減し、高温高湿時における保護材層内の残留応力を低減する効果を得るためには、真空ラミネーション時の温度付近に融点をもつフィルム、すなわち、融点が180℃以下のフィルムを用いることが好ましい。また、前記融点が前記の温度範囲内の耐候性フィルムを用いることで、真空ラミネーション時の温度で、それまでの工程で加えられた力の履歴や熱履歴によって生じたフィルム内の分子、結晶配向を緩和させ残留歪を低減させることができる。
また、フッ素系樹脂フィルムとして、真空ラミネーション時や高温高湿時の温度及び湿度変化においてもその特性変化が小さいことが好ましいことから、事前の熱処理等による低収縮率化等が行われたフィルムが好ましく使用される。
フッ素系樹脂フィルムの厚みは、一般に20〜200μm程度であり、フィルムの取り扱いやすさとコストの点から20〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
[金属酸化物層を有する樹脂フィルム]
本発明において金属酸化物層を有する樹脂フィルムは、基材の少なくとも一方の面に金属酸化物からなる金属酸化物層を少なくとも1層有するフィルムであり、防湿性及び透明性を有するフィルムである。この金属酸化物層により、湿気、水の透過による太陽電池の内面側を保護することができる。
前記基材としては、通常、太陽電池用保護材に使用しうる樹脂であれば特に制限なく用いることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、フッ素樹脂、アクリレート樹脂、生分解性樹脂等が挙げられる。これらの中では、透明熱可塑性高分子フィルムが好ましく、また、フィルム物性、コスト等の点から、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンが好ましい。中でも、フィルム物性の点から、ポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が特に好ましい。
前記基材として、前記基材フィルムに高防湿性能を付与するためには、ポリエチレンナフタレート(PEN)が好ましく用いられるが、従来の太陽電池用保護材の構成において、ポリエチレンナフタレートは外観不良の問題が発生しやすいという問題があった。すなわち、ポリエチレンナフタレートは分子構造が剛直であるがゆえに、ポリエチレンナフタレートフィルム内にデラミネーション(層間剥離)が発生しやすく、層間剥離した部分が白化したり、また、フィルムの耐引裂き性も低いため、防湿フィルムとしての強度が低下したりする等の問題が生じやすい。また、真空ラミネーション工程の時間短縮のために真空ラミネーション温度を150℃以上とした高温真空ラミネーションの場合、シワ等の外観不良が著しく、太陽電池の生産効率化の障害であった。この点、本発明においては、前記基材フィルムとしてポリエチレンナフタレートを使用することにより、高防湿性能を実現でき、且つ、外観不良の問題を抑制することができる。
前記基材は、前記の原料等を用いて成形してなるものであるが、未延伸であってもよいし延伸したものであってもよい。また、後述のように、単層でも多層であってもよい。
前記基材は、従来公知の方法により製造することができ、例えば、原料を押出機により溶融し、環状ダイやTダイにより押出して、急冷することにより実質的に無定型で配向していない未延伸フィルムを製造することができる。また、多層ダイを用いることにより、1種の樹脂からなる単層フィルム、1種の樹脂からなる多層フィルム、多種の樹脂からなる多層フィルム等を製造することができる。
この未延伸フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、フィルムの流れ(縦軸)方向又はフィルムの流れ方向とそれに直角な(横軸)方向に延伸することにより、一軸方向又は二軸方向に延伸したフィルムを製造することができる。延伸倍率は任意に設定できるが、100℃における熱収縮率が、0.01〜5%、更には0.01〜2%であることが好ましい。中でもフィルム物性の点から、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムや二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリエチレンナフタレートと他のプラスチックの共押出二軸延伸フィルムが好ましい。
なお、前記基材には、金属酸化物層との密着性向上のため、アンカーコート剤を塗布し、アンカーコート層を設けることが好ましい。
アンカーコート剤としては、溶剤性又は水性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、変性ビニル樹脂、ビニルアルコール樹脂、ビニルブチラール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ニトロセルロース樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、メラミン基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、変性スチレン樹脂及び変性シリコーン樹脂等を単独、あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
アンカーコート剤は、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルキルチタネート、光線遮断剤、紫外線吸収剤、安定剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有してもよい。また、紫外線吸収剤等を前記樹脂と共重合させたものを含有してもよい。
アンカーコート層の形成方法としては、公知のコーティング方法が適宜採択される。例えば、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーター、または、スプレイを用いたコーティング方法等の方法がいずれも使用できる。また、基材をアンカーコート剤液に浸漬して行ってもよい。塗布後は、80〜200℃程度の温度での熱風乾燥、熱ロール乾燥等の加熱乾燥や、赤外線乾燥等の公知の乾燥方法を用いて溶媒を蒸発させることができる。また、耐水性、耐久性を高めるために、電子線照射による架橋処理を行うこともできる。また、アンカーコート層の形成は、基材の製造ラインの途中で行う方法(インライン)でも、基材製造後に行う方法(オフライン)でもよい。
本発明において、前記基材の厚みは、肉厚無機蒸着フィルムを用いずに高温真空ラミネーション後の外観低下を防止する観点から、30μm以下であり、好ましくは10〜30μm、より好ましくは12〜25μm、更に好ましくは12〜20μmである。
更に、基材の厚み(t1)と前記フッ素系樹脂フィルムの厚み(t2)が以下の(1)の関係式を満たすことが好ましく、これにより柔軟性に優れた太陽電池用保護材が得られる。このような太陽電池用保護材を用いた太陽電池モジュールは、曲げられた際に、太陽電池用保護材がその曲げに追従することができ、太陽電池用保護材と封止材とのデラミネーションが起こりにくい。
t1<t2 ・・・(1)
金属酸化物層を構成する物質としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン等の酸化物、酸化炭化物、酸化窒化物、酸化炭化窒化物及びこれらの混合物等が挙げられる。太陽電池に適用した場合に電流がリークする等のおそれがない点及び高い防湿性が安定に維持できる点から、酸化珪素、酸化炭化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム及び酸化窒化アルミニウム等の金属酸化物並びにこれらの混合物が好ましい。
前記金属酸化物層の形成方法としては、蒸着法、コーティング法等の方法がいずれも使用できるが、ガスバリア性の高い均一な金属酸化物層が得られるという点で蒸着法が好ましい。この蒸着法には、物理気相蒸着(PVD)、あるいは化学気相蒸着(CVD)等の方法が含まれる。物理気相蒸着法としては、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等が挙げられ、化学気相蒸着法としては、プラズマを利用したプラズマCVD、加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法(Cat−CVD)等が挙げられる。
前記金属酸化物層の厚みは、安定な防湿性能の発現と透明性の点から、40〜1000nmであることが好ましく、40〜800nmがより好ましく、50〜600nmが更に好ましい。
また、上記金属酸化物層は、上記に挙げられる種々の成膜法を用い多層成膜し、防湿性を高めることが可能である。その場合、同一の成膜法を用いてもよいし、各層ごとに異なる成膜法を用いてもよいが、何れも減圧下で連続して行うことが、効率的な防湿性向上、生産性の点で好ましい。
金属酸化物層を有する樹脂フィルムの温度40℃相対湿度90%における水蒸気透過率は、防湿性の観点から、好ましくは0.1[g/(m2・日)]未満、より好ましくは0.05[g/(m2・日)]以下、更に好ましくは、0.03[g/(m2・日)]以下である。
水蒸気透過率の調整は、基材の選択、金属酸化物層を構成する金属酸化物の選択、金属酸化物層の厚み及び金属酸化物の酸化数等を適宜調整することにより行うことができる。
水蒸気透過率の測定方法は、JIS Z 0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に順じ、具体的には実施例に記載の方法で測定される。
[粘着剤層1]
本発明において、粘着剤とは、水、溶剤、熱などを使用せず、常温で短時間、わずかな圧力を加えるだけで接着し、被着体に濡れていくための液体の性質(流動性)と剥離に抵抗する固体の性質(凝集力)とを同時に有するものをいい、通常の接着剤とは区別されるものである。溶液型接着剤、熱硬化型接着剤、ホットメルト接着剤などの接着剤が化学反応、溶媒揮散、温度変化などによって固化するのに対し、粘着剤は半固体であり、固化の過程が必要でなく、接合形成後もその状態が変わらないものである。
本発明における粘着剤層1は、フッ素系樹脂フィルムの片方の面と金属酸化物層を有する樹脂フィルムとを貼合させる層である。粘着剤層1の100℃、周波数10Hz、歪0.1%における引っ張り貯蔵弾性率は5.0×104〜5.0×105Paである。
これによれば、封止材の収縮による保護材中の防湿フィルム層の変形や応力を緩和し、フッ素系樹脂フィルム表面にシワを生じさせる応力の伝播を防止することができる。
前記粘着剤層1の前記引っ張り貯蔵弾性率が5.0×105Paを越える場合、フィルムの収縮等により発生する応力を粘着剤層で吸収することが十分にできない恐れがある。粘着剤層1の引っ張り貯蔵弾性率を5.0×105Pa以下とすることにより、フィルムの収縮等により発生する応力を粘着剤層で十分に吸収することができ、防湿性の劣化を防止することができる。一方、前記引っ張り貯蔵弾性率が5.0×104Pa未満の場合、真空ラミネーション工程中に粘着剤層が流動し保護材から大きくはみ出してしまい均一な厚みをもった積層体を得ることができない。
前記観点から、粘着剤層1の100℃、周波数10Hz、歪0.1%における引っ張り貯蔵弾性率は、7×104Pa〜3×105Paであることが好ましい。なお、引っ張り貯蔵弾性率は、実施例に記載の方法で測定される。
引っ張り貯蔵弾性率は前記粘着剤層1の成分組成や架橋剤により制御することができる。粘着剤1に高ガラス転移点(Tg)のモノマーを使用することや架橋剤添加量を増やすことにより引っ張り貯蔵弾性率は上昇し、低ガラス転移点(Tg)のモノマーを使用することや架橋剤添加量を減らすことにより引っ張り貯蔵弾性率は低下する。
本発明において、前記粘着剤層1に用いられる粘着剤1としては、100℃、周波数10Hz、歪0.1%での引っ張り貯蔵弾性率を5.0×104〜5×105Paとするために、また、更に常温(20℃)において接着強度を維持するために1×106Pa以上の引っ張り貯蔵弾性率を発揮する観点から、アクリル系粘着剤を含むものが好ましく、アクリル系粘着剤を主成分とするものがさらに好ましい。ここで、主成分とは、本発明の効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨であり、具体的な含有率を制限するものではないが、一般に粘着剤層の構成成分全体を100質量部とした場合、50質量部以上であり、好ましくは65質量部以上、さらに好ましくは80質量部以上であって100質量部以下の範囲を占める成分である。
前記アクリル系粘着剤としては、粘着性を与える低ガラス転移点(Tg)の主モノマー成分、接着性や凝集力を与える高Tgのコモノマー成分、及び架橋や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする重合体又は共重合体(以下、「アクリル系(共)重合体」という。)よりなるものが好ましい。
前記アクリル系粘着剤の主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以を上組み合わせて用いてもよい。
前記アクリル系粘着剤のコモノマー成分としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記アクリル系粘着剤の官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記アクリル系粘着剤のモノマー成分の重合に使用する開始剤の例としては、アゾビスイソブチルニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。また、前記アクリル系粘着剤の主成分となるアクリル系(共)重合体の共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
また、前記アクリル系粘着剤が上述のアクリル系(共)重合体である場合の分子量としては、重量平均分子量で30万〜150万であるものが好ましく、40万〜100万であることがさらに好ましい。重量平均分子量を前記範囲にすることによって被着体に対する密着性や接着耐久性を確保し、浮きや剥がれ等を抑制することができる。
さらに、前記アクリル系(共)重合体において、官能基含有モノマー成分単位の含有量は、1〜25質量%の範囲が好ましい。この含有量を前記範囲内にすることにより、被着体との密着性及び架橋度を確保し、本発明において必須条件である粘着剤層の引っ張り貯蔵弾性率を、100℃、周波数10Hz、歪0.1%において5.0×104〜5.0×105Paの値にすることができる。
本発明者らは、高温高湿試験での保護材の防湿性能は、使用する粘着剤に含まれるカルボキシル基やアミノ基が影響を与えることを見出した。粘着剤1に反応性を持ったカルボキシル基やアミノ基が含まれていると、粘着剤が加水分解しやすく、それにより金属酸化物が劣化しやすくなり、防湿性能が低下する恐れがある。特に、高温高湿環境下においては、水分により加水分解反応が引き起こされやすい。したがって、粘着剤1としては、カルボキシル基又はアミノ基を含まない粘着剤であることが好ましい。更に、カルボキシル基及びアミノ基を含まない粘着剤であることがより好ましい。
本発明における粘着剤には、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
使用しうる紫外線吸収剤としては、アクリル系粘着剤と相溶性が良く、配合後ブリードアウト等が生じにくい2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール等のトリアジン系、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、フェニルサリシレート等のサリシレート系紫外線吸収剤のうち、1種類あるいは2種類以上を混合して使用することが可能である。
紫外線吸収剤の配合については、アクリル系ポリマー100質量部に対して、固形分換算で0.1〜10質量部であることが好ましく、更に1〜7質量部であることがより好ましい。0.1質量部未満では満足する紫外線吸収性能が得られず、10質量部以上では、得られる紫外線吸収性能に向上がないことに加えて、粘着性能や耐久性が極度に低下する。
本発明において、粘着剤層1は、前記フッ素系樹脂フィルムもしくは金属酸化物層を有する樹脂フィルムに粘着剤1を直接塗工することにより形成してもよいし、また、粘着剤1を、剥離処理された剥離シートの剥離処理面に塗工し、これをフッ素系樹脂フィルムもしくは金属酸化物層を有する樹脂フィルムの金属酸化物層に接合することにより形成することができる。前記粘着剤1を金属酸化物層を有する樹脂フィルムに塗工する場合であって、金属酸化物層を有する樹脂フィルムが片面のみに金属酸化物層を有する場合は、金属酸化物層面側に塗工することが好ましい。このように、金属酸化物層を有する樹脂フィルムの金属酸化物層をフッ素系樹脂フィルム側にして貼り合わせることにより、粘着剤層1により金属酸化物層が保護されるため、防湿性が劣化しにくい。また、金属酸化物層より硬い基材が太陽電池用素子側になるため、太陽電池モジュールとした際に形状が保持されやすい。
前記粘着剤1は、塗工液にして塗工するのが好ましく、有機溶剤系、エマルション系、無溶剤系の塗工液があるが、耐水性が問われる太陽電池部材などの用途には有機溶剤系の塗工液が望ましい。
有機溶剤系の塗工液に用いられる有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソブタノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
塗工液は、塗工の利便さから、これらの有機溶剤を使用して、固形分濃度が10〜50質量%の範囲になるように調製するのが好ましい。
塗工液の塗工は、例えば、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法、エアドクターコート法、ドクターブレードコート法等、従来公知の塗工方法により行うことができる。
塗工後、通常70〜110℃の温度で1〜5分程度乾燥処理することにより、粘着剤層が形成される。
粘着剤層1の厚みは、十分な接着力を得る観点から13μm以上であり、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上である。また、金属酸化物層を有する樹脂フィルムの金属酸化物層面への応力が増大して防湿性能が劣化するのを防止する観点から、前記厚みは45μm以下であり、好ましくは30μm以下である。
[粘接着剤層2]
本発明において粘接着剤層2は、金属酸化物層を有する樹脂フィルムのフッ素系樹脂フィルム側と反対側の面に高融点フィルムを貼合させる層である。
前記粘接着剤層2は、公知の粘着剤または公知の接着剤がいずれも使用可能だが、粘着剤を使用する場合は粘着剤1と同様なものを使用することが望ましく、接着剤を使用する場合は耐加水分解性に優れたポリウレタン系接着剤で粘着剤層1と粘接着剤層2が同様な引っ張り貯蔵弾性率となる範囲で使用することが望ましい。
前記粘接着剤層は、金属酸化物層を有する樹脂フィルム面または高融点フィルムに、粘接着剤塗工液または接着剤塗工液を直接塗工することにより形成してもよいし、また、粘着剤塗工液を、剥離処理された剥離シートの剥離処理面に塗工し、これを金属酸化物層を有する樹脂フィルムの金属酸化物層面の背面または高融点フィルムに接合し、剥離シートを取り除くことにより形成することができる。
粘接着剤層2の厚みは、十分な接着力を得るとの観点から、粘着剤を使用する場合は好ましくは13μm以上、より好ましくは15μm以上、更に好ましくは20μm以上である。また、端面からの水分の浸入を防ぐためには防湿フィルムより下層側の厚みは極力薄くする観点から、前記厚みは50μm以下が好ましく、30μm以下であることがより好ましい。また接着剤を使用する場合は好ましくは4μm以上、より好ましくは6μm以上、更に好ましくは8μm以上である。また、端面からの水分の浸入を防ぐためには防湿フィルムより下層側の厚みは極力薄くする観点から、前記厚みは10μm以下が好ましく、端面からの水分の浸入を防ぐ観点からは接着剤を使用することがのぞましい。
[高融点フィルム]
本発明に用いられる高融点フィルムは、融点180℃以上、熱収縮率0.5%以下である。該フィルムの熱収縮率は、長さ方向、幅方向のいずれにおいても0.5%以下であることが好ましい。
このような高融点フィルムを用いることで、真空ラミネーション工程に耐えられる剛性を太陽電池用保護材に付与することができるとともに、高融点フィルムに発生する応力を緩和し、金属酸化物層を有する樹脂フィルムへの応力の伝播を防止することができる。これによれば、金属酸化物層を有する樹脂フィルムの防湿性能低下を抑制することができる。
前記高融点フィルムの熱収縮率は、真空ラミネーション工程における残留応力の発生を低下させること及び保護材のカールを防止する観点から、0.5%以下であり、好ましくは0.4%以下、より好ましくは0.3%以下である。なお、熱収縮率は、実施例に記載の方法で測定される。
高融点フィルムの材料としては特に限定されず、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド等が挙げられる。その中でも好ましい具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(融点:260℃)、ポリエチレンナフタレート(融点:262℃)等が挙げられる。
高融点フィルムは、単層でも、複数の高融点フィルムを有する積層構成でもよく、高融点フィルムの厚みは、真空ラミネーション後のシワ防止や太陽電池用保護材のカール抑制の点から、25〜250μmが好ましく、38〜220μmがより好ましく、50〜200μmがさらに好ましい。
前記の各フィルムはそれぞれ、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
<太陽電池用保護材>
本発明の太陽電池用保護材は、フッ素系樹脂フィルム、粘着剤1からなる粘着剤層1、金属酸化物層を有する樹脂フィルム、粘着剤または接着剤からなる粘接着剤層、及び融点180℃以上、熱収縮率0.5%以下の高融点フィルムがこの順に積層されてなり、前記の金属酸化物層を有する樹脂フィルムの基材厚みが30μm以下であり、前記粘着剤層1の厚みが13〜45μmであり、前記粘着剤層1の100℃、周波数10Hz、歪0.1%における引っ張り貯蔵弾性率が5.0×104〜5.0×105Paである。
これによれば、シワ等の外観不良がなく外観に優れ、かつ、十分な防湿性及び剥離強度を有することが可能である。
本発明の太陽電池用保護材は、上述の製膜された各フィルムに粘着剤塗工液または接着剤塗工液を塗工し、例えば70〜140℃の温度で粘着剤塗工液または接着剤塗工液を乾燥させ、0〜80℃の温度下、貼り合わせて製造することができる。
また、前記太陽電池用保護材の厚みは、特に限定されるものではないが、通常65〜500μm程度であり、好ましくは75〜380μmであり、より好ましくは90〜320μmである。また、前述の各フィルム以外の樹脂フィルム等をさらに積層することができる。
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽電池モジュールは、本発明の太陽電池用保護材を有する構成である。すなわち、本発明の太陽電池用保護材を、封止材や太陽電池素子等の他の太陽電池用部材と積層したものである。本発明の太陽電池モジュールは、本発明の太陽電池用保護材を使用することで、良好な外観を実現することができるのみならず、発電効率の低下を防止できる。
本発明の太陽電池用保護材は、封止材を積層してなる封止材と表面保護材との一体型であってもよい。予め封止材を更に積層することにより、真空ラミネーション工程における裏面保護シート、封止材、発電素子、封止材、前面保護シートそれぞれを個々に積層する作業を低減でき、太陽電池モジュール製造の効率化を図ることができる。
本発明の太陽電池用保護材を太陽電池用前面保護材、裏面保護材等の表面保護材に使用し、太陽電池素子を封止材とともに固定することにより太陽電池モジュールを製作することができる。このような太陽電池モジュールとしては、種々のタイプのものを例示することができる。好ましくは、本発明の太陽電池用保護材を前面保護材として使用した場合、封止材と、太陽電池素子と、裏面保護材とを用いて作製された太陽電池モジュールが挙げられる。具体的には、前面保護材(本発明の太陽電池用保護材)/封止材(封止樹脂層)/太陽電池素子/封止材(封止樹脂層)/裏面保護材の構成のもの、裏面保護材の内周面上に形成させた太陽電池素子上に封止材と前面保護材(本発明の太陽電池用保護材)を形成させるような構成のもの、前面保護材(本発明の太陽電池用保護材)の内周面上に形成させた太陽電池素子、例えばフッ素樹脂系透明保護材上にアモルファス太陽電池素子をスパッタリング等で作製したものの上に封止材と裏面保護材を形成させるような構成のもの等を挙げることができる。前記前面保護材として本発明の太陽電池用保護材の外側にガラス板を貼り合わせることは任意である。なお、前述の封止材と表面保護材との一体型の表面保護材を用いる場合は、前記の封止材は用いなくてもよい場合がある。
太陽電池素子としては、例えば、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、ガリウム−砒素、銅−インジウム−セレン、銅−インジウム−ガリウム−セレン、カドミウム−テルル等のIII−V族やII−VI族化合物半導体型、色素増感型、有機薄膜型等が挙げられる。
本発明の太陽電池用保護材を用いて作製された太陽電池モジュールを構成する各部材については、特に限定されるものではないが、封止材としては、公知のものがいずれも使用可能である。前記封止材として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やポリエチレンを使用する場合、耐熱性を付与する等の目的で使用される有機過酸化物からなる架橋剤がモジュール製造工程における真空ラミネーション時に作用するため、封止材の収縮を引き起こす。これは、従来の太陽電池用保護材における外観不良の要因の一つであるが、本願の太陽電池用保護材を用いることにより、EVAやポリエチレンを封止材として用いて太陽電池モジュールを作製する場合であっても、外観不良を抑制することができる。また、封止材の収縮がより増大する150℃以上の高温真空ラミネーションを行う場合にも適用することができる。
また、前面保護材及び裏面保護材としては、本発明の太陽電池用保護材の他、ガラス板、金属や各種熱可塑性樹脂フィルム等の単層もしくは多層のシートが使用可能であり、例えば、錫、アルミ、ステンレス等の金属、ガラス等の無機材料、ポリエステル、無機物蒸着ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィン等の単層もしくは多層の保護材を挙げることができる。前面保護材及び裏面保護材の表面には、封止材や他の部材との接着性を向上させるためにプライマー処理やコロナ処理等公知の表面処理を施すことができる。
本発明の太陽電池用保護材を用いて作製された太陽電池モジュールを既述した前面保護材(本発明の太陽電池用保護材)/封止材/太陽電池素子/封止材/裏面保護材のような構成のものを例として説明する。太陽光受光側から順に、本発明の太陽電池用保護材、封止材、太陽電池素子、封止材、バックシートが積層されてなり、更に、バックシートの下面にジャンクションボックス(太陽電池素子から発電した電気を外部へ取り出すための配線を接続する端子ボックス)が接着されてなる。太陽電池素子は、発電電流を外部へ電導するために配線により連結されている。配線は、バックシートに設けられた貫通孔を通じて外部へ取り出され、ジャンクションボックスに接続されている。
太陽電池モジュールの製造方法としては、公知の製造方法が適用でき、特に限定されるものではないが、一般的には、本発明の太陽電池用保護材、封止材、太陽電池素子、封止材、裏面保護材の順に積層する工程と、それらを真空吸引し加熱圧着する工程を有する。前記真空吸引し加熱圧着する工程は、例えば、真空ラミネーターで、温度が好ましくは130〜180℃、より好ましくは130〜150℃、脱気時間が2〜15分、プレス圧力が0.05〜0.1MPa、プレス時間が好ましくは8〜45分、より好ましくは10〜40分で加熱加圧圧着することよりなる。
また、バッチ式の製造設備やロール・ツー・ロール式の製造設備等も適用することができる。
本発明の太陽電池用保護材を用いて作製された太陽電池モジュールは、適用される太陽電池のタイプとモジュール形状により、モバイル機器に代表される小型太陽電池、屋根や屋上に設置される大型太陽電池等、屋内、屋外に関わらず各種用途に適用することができる。特に、電子デバイスの中でも、化合物系発電素子太陽電池モジュールやアモルファスシリコン系等のフレキシブル太陽電池モジュールにおいて、十分な防湿性を有することから、本発明の太陽電池用保護材が有効に用いられる。そのため、本発明の太陽電池用保護材を用いて作製された太陽電池モジュールは、特に前記電子デバイスの表面保護材として好ましく用いられる。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例及び比較例により本発明は制限を受けるものではない。なお、本明細書中に表示されるシートについての種々の物性の測定及び評価は次のようにして行った。
[物性測定]
(1)粘着剤層の引っ張り貯蔵弾性率
調製された各粘着剤塗工液または接着剤塗工液を、シリコーン離型PETフィルム上に塗布し、40℃で5日間養生し、更にその後100℃、30分保持し粘着剤層を形成した。その後、当該粘着剤層のみを取り出し、各サンプルが縦4mm、横60mm、厚み200μmとなるよう、所定の厚みに重ね、粘弾性測定装置(アイティ計測(株)製、商品名「粘弾性スペクトロメーターDVA−200」)を用いて、振動周波数10Hz、歪0.1%、昇温速度3℃/分、チャック間25mmで横方向について、−100℃から180℃までサンプルに印加される歪に対する応力を測定し、得られたデータから100℃における引っ張り貯蔵弾性率(Pa)を求めた。なお、昇温時におけるサンプル形状変化の理由から100℃での測定が困難な場合、引っ張り貯蔵弾性率は0Paとした。
(2)防湿フィルム及び太陽電池用保護材の防湿性
金属酸化物層を有する樹脂フィルム(防湿フィルムC−1〜C−3)の防湿性は、各防湿フィルム作製後40℃で一週間保管した後の時点で、JIS Z 0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に順じ、次の手法で水蒸気透過率を求め、評価した。また、太陽電池用保護材の防湿性は、太陽電池用保護材作後の時点で、上記と同様にして評価した。
透湿面積10.0cm×10.0cm角の下記各サンプルを2枚用い、延伸ポリプロピレンフィルムが内側となるようにして、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製し、その袋を温度40℃相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、72時間以上の間隔でおよそ200日目まで質量測定し、4日目以降の経過時間と袋質量との回帰直線の傾きから温度40℃相対湿度90%における水蒸気透過率[g/(m2・日)]を算出した。
(サンプル)
防湿性フィルムを使用したサンプル:厚み60μmの延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製 P1146)の表面に、ウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製AD900とCAT−RT85を10:1.5の割合で配合したもの)を塗布、乾燥し、厚み約3μmの接着層を形成した。この接着層上に防湿フィルム(C1〜C3)の金属酸化物層面側をラミネートし、サンプルを得た。
太陽電池用保護材を使用したサンプル:厚み60μmの延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製 P1146)の表面に、ウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製AD900とCAT−RT85を10:1.5の割合で配合したもの)を塗布、乾燥し、厚み約3μmの接着層を形成した。この接着層上に各太陽電池用保護材の高融点フィルム面側をラミネートし、サンプルを得た。
(3)高温真空ラミネーション後の外観
作製された太陽電池用保護材を表面保護材として用い、厚み3mmの白板ガラス(サイズ:150mm×150mm)、封止材、表面保護材を順次積層し、これを真空ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー製、商品名:LM30×30)を用いて、150℃、11分、圧力0.1MPaの条件で積層プレスしたサンプルを作製し、その外観を観察し、以下の評価基準に従って評価した。
○:表面保護材表面にシワがなく良好な太陽電池モジュールが得られる。
×:表面保護材表面にシワが見られる。
(4)防湿性劣化度
前記の方法により高温真空ラミネーションを行った後、120℃、湿度100%、24時間の条件でプレッシャークッカー試験を行い、プレッシャークッカーテスト後の太陽電池用保護材の水蒸気透過率を上記(2)に記載の手法で測定した。
防湿性劣化度は、(太陽電池用保護材のプレッシャークッカーテスト後の水蒸気透過率)/(太陽電池用保護材作製後の水蒸気透過率(初期の水蒸気透過率))から算出し、以下の評価基準に従って評価した。
○:初期の太陽電池用保護材の水蒸気透過率に対してプレッシャークッカーテスト後の水蒸気透過率が3倍未満である。
×:初期の太陽電池用保護材の水蒸気透過率に対してプレッシャークッカーテスト後の水蒸気透過率が3倍以上である。
(5)太陽電池用保護材の層間強度
作製された太陽電池用保護材を測定幅15mmの短冊状に切り出し、引っ張り試験機((株)オリエンテック製、商品名:STA−1150)を用いて300mm/min、引張り方向は180度でフッ素系樹脂フィルムと防湿フィルムとの層間強度(N/15mm)を測定し、以下の評価基準に従って評価した。
○:層間強度が5N/15mm以上である。
×:層間強度が5N/15mm未満である。
(6)高融点フィルムの融点
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント社製、商品名:Q20)を用いて、JIS K7121に準じて、サンプル約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、融解ピークを確認、200℃で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で300℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解ピーク温度の中で最大ピークを融点(Tm)[℃]として求めた。
(7)高融点フィルムの熱収縮率
15cm四方にカットしたフィルムの内側に250mm間隔に平行に標線を4本引き、ノギスで標線間距離を測定した。試験フィルムの標線の外側をクリップで挟んで150℃オーブン中に吊り下げ、30分放置し加熱処理を行い、その後室温に戻し1時間放置後、下記の式より熱収縮率を算出した。
μ=[(L1−L2)/L1]×100
μ:熱収縮率(%)
L1:未処理の試験片の標線間の距離(mm)
L2:加熱処理後の試験片の標線間の距離(mm)
[構成フィルム]
<フッ素系樹脂フィルム>
(フッ素系樹脂フィルムA−1)
フッ素系樹脂フィルムA−1として、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)フィルム(旭硝子(株)製、商品名:アフレックス50MW1250DCS、厚み50μm)を使用した。
<粘着剤塗工液1>
(粘着剤塗工液B−1)
撹拌機、温度計、還流冷却器および窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、この反応装置内の空気を窒素ガスに置換した。その後、この反応装置中に、ブチルアクリレート、メチルアクリレートを主モノマーとして、60℃で8時間反応させ、官能基としてヒドロキシル基を導入した重量平均分子量80万のアクリル系共重合体の溶液を得た。得られたアクリル系共重合体溶液にイソシアネート系架橋剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を配合し、粘着剤塗工液B−1を調製した。
(粘着剤塗工液B−2)
粘着剤塗工液B−1の製造において、アクリル系共重合体の重量平均分子量を50万に調整したこと以外は同様にして、粘着剤塗工液B−2を調製した。
(粘着剤塗工液B−3)
粘着剤塗工液B−1の製造において、アクリル系共重合体の官能基としてカルボキシル基を導入したこと以外は同様にして、粘着剤塗工液B−3を調製した。
(粘着剤塗工液B−4)
粘着剤塗工液B−1の製造において、アクリル系共重合体の官能基としてアミノ基を導入したこと以外は同様にして、粘着剤塗工液B−4を調製した。
(粘着剤塗工液B−5)
粘着剤塗工液B−1の製造において、アクリル系共重合体の重量平均分子量を10万に調整したこと以外は同様にして、粘着剤塗工液B−5を調製した。
<接着剤塗工液1>
(接着剤塗工液B−6)
ポリエステルポリオール成分を含む主剤として、三井化学ポリウレタン(株)製、A1143(商品名、エステル基1つあたりの分子量は109、粘度500[mPa・s])を用い、これに、脂環系のイソホロンジイソシアネートと芳香族系のキシリレンジイソシアネートを含む硬化剤として三井化学(株)製、タケネートA−50(商品名)を使用し、主剤/硬化剤の質量比が9/1となるように混合し、固形分濃度が35質量%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗工液B−6を調製した。
粘着剤塗工液B−1〜B−5又は接着剤塗工液B−6を用いて形成された粘着剤層の引っ張り貯蔵弾性率を表1に示す。
Figure 2013084929
<粘着剤塗工液2>
(粘着剤塗工液G−1)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を配合しないこと以外はB−1と同様にして、粘着剤塗工液G−1を調製した。
(粘着剤塗工液G−2)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を配合しないこと以外はB−2と同様にして、粘接着剤塗工液G−2を調製した。
<接着剤塗工液2>
(接着剤塗工液G−3)
ポリカーボネートポリオール成分を含む主剤として、平均分子量2000のポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセル210N」)、平均分子量500のポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルCD CD205」)を使用し、ポリカプロラクトンポリオール/ポリカーボネートジオールの質量比が60/40となるように混合し、酢酸エチルに溶解させ、固形分約50質量%、粘度400[mPa・s]のポリオール溶液とした。このポリオール溶液に、硬化成分としてスミジュールN3300(住化バイエルウレタン(株)製)を、質量比が10/0.5となるように配合し、固形分濃度が35質量%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗工液G−3を調製した。
<金属酸化物層を有する樹脂フィルム(防湿フィルム)>
(防湿フィルムC−1)
基材として、厚み12μmの二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名:「Q51C」)を用い、そのコロナ処理面に、下記のコート液を塗布乾燥して厚み0.1μmのコート層を形成した。
次いで、真空蒸着装置を使用して1.33×10-3Pa(1×10-5Torr)の真空下でSiOを加熱蒸発させ、コート層上に厚み50nmのSiOx(x=1.5)の金属酸化物層を有する樹脂フィルムC−1を得た。作製した防湿フィルムC−1の防湿性は0.01[g/(m2・日)]であった。
(コート液)
ポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学(株)製、商品名:「ゴーセノール」、ケン化度:97.0〜98.8mol%、重合度:2400)220gをイオン交換水2810gに加え加温溶解した水溶液に、20℃で撹拌しながら35mol%塩酸645gを加えた。次いで、10℃でブチルアルデヒド3.6gを撹拌しながら添加し、5分後に、アセトアルデヒド143gを撹拌しながら滴下し、樹脂微粒子を析出させた。次いで、60℃で2時間保持した後、液を冷却し、炭酸水素ナトリウムで中和し、水洗、乾燥し、ポリビニルアセトアセタール樹脂粉末(アセタール化度75mol%)を得た。
また、架橋剤としてイソシアネート樹脂(住友バイエルウレタン(株)製、商品名:「スミジュールN−3200」)を用い、水酸基に対するイソシアネート基の当量比が1:2になるように混合した。
(防湿フィルムC−2)
防湿フィルムC−1の作製において、基材を、厚み25μmの二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名:「Q51C」)に変更したこと以外は同様にして防湿フィルムC−2を作製した。作製した防湿フィルムC−2の防湿性は0.01[g/(m2・日)]であった。
(防湿フィルムC−3)
防湿フィルムC−1の作製において、基材を、厚み50μmの二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名:「Q51C」)に変更したこと以外は同様にして防湿フィルムC−3を作製した。作製した防湿フィルムC−3の防湿性は0.01[g/(m2・日)]であった。
<高融点フィルム>
(高融点フィルムD−1)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:ダイアホイルT−100、厚み:50μm)を炉長27m、温度170℃の乾燥炉に50メートル/分の速度で通過させ熱処理して高融点フィルムD−1を作製した。高融点フィルムD−1の熱収縮率は0.3%、融点は252℃であった。
(高融点フィルムD−2)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:ダイアホイルT−100、厚み:50μm)を高融点フィルムD−2として使用した。高融点フィルムD−2の熱収縮率は1.2%、融点は252℃であった。
<封止材>
(封止材F−1)
封止材F−1として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(ブリヂストン(株)製、商品名:EVASKY S11、厚み:500μm)を使用した。
実施例1
フッ素系樹脂フィルムA−1に粘着剤塗工液B−1を固形分20g/m2となるよう塗布乾燥し、作製した粘着剤層1面と防湿フィルムC−1の金属酸化物層面とを貼合し、更に粘着剤塗工液G−1を固形分20g/m2となるよう防湿フィルムC−1の金属酸化物層面の反対面に塗布乾燥し、作製した粘接着剤面と高融点フィルムD−1とを貼合した。その後40℃で5日間養生し、厚み152μmの太陽電池用保護材E−1を作製した。また厚み3mmの白板ガラス、封止材F−1及び太陽電池用保護材E−1を使用し、前記の方法により高温真空ラミネーション後の外観、層間強度及び防湿性劣化度を測定した。結果を表2に示す。なお太陽電池用保護材E−1の初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
実施例2
粘着剤塗工液B−1を粘着剤塗工液B−2に変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み152μmの太陽電池用保護材E−2を作製した。太陽電池用保護材E−1を太陽電池用保護材E−2に変更したこと以外は実施例1と同様にして、高温真空ラミネーション後の外観、層間強度及び防湿性劣化度を測定した。結果を表2に示す。なお太陽電池用保護材E−2の初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
実施例3
防湿フィルムC−1を防湿フィルムC−2に変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み165μmの太陽電池用保護材E−3を作製した。太陽電池用保護材E−1を太陽電池用保護材E−3に変更したこと以外は実施例1と同様にして、高温真空ラミネーション後の外観、層間強度及び防湿性劣化度を測定した。結果を表2に示す。なお太陽電池用保護材E−3の初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
実施例4
粘着剤塗工液B−1を粘着剤塗工液B−2に変更したこと以外は実施例3と同様にして、厚み165μmの太陽電池用保護材E−4を作製した。太陽電池用保護材E−1を太陽電池用保護材E−4に変更したこと以外は実施例1と同様にして、高温真空ラミネーション後の外観、層間強度及び防湿性劣化度を測定した。結果を表2に示す。なお太陽電池用保護材E−4の初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
実施例5
粘着剤塗工液G−1を粘着剤塗工液G−2に変更し、塗布量を固形分8g/m2となるように変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み140μmの太陽電池用保護材E−5を作製した。太陽電池用保護材E−1を太陽電池用保護材E−5に変更したこと以外は実施例1と同様にして、高温真空ラミネーション後の外観、層間強度及び防湿性劣化度を測定した。結果を表2に示す。なお太陽電池用保護材E−5の初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
比較例1
粘着剤塗工液B−1の塗布量を固形分50g/m2となるように変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み182μmの太陽電池用保護材E−6を作製した。太陽電池用保護材E−1を太陽電池用保護材E−6に変更したこと以外は実施例1と同様にして、高温真空ラミネーション後の外観、層間強度及び防湿性劣化度を測定した。結果を表2に示す。なお太陽電池用保護材E−6の初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
比較例2
防湿フィルムC−1を防湿フィルムC−2に変更したこと以外は比較例1と同様にして、厚み195μmの太陽電池用保護材E−7を作製した。太陽電池用保護材E−1を太陽電池用保護材E−7に変更したこと以外は実施例1と同様にして、高温真空ラミネーション後の外観、層間強度及び防湿性劣化度を測定した。結果を表2に示す。なお太陽電池用保護材E−7の初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
比較例3
粘着剤塗工液B−1を粘着剤塗工液B−3に変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み152μmの太陽電池用保護材E−8を作製した。太陽電池用保護材E−1を太陽電池用保護材E−8に変更したこと以外は実施例1と同様にして、高温真空ラミネーション後の外観、層間強度及び防湿性劣化度を測定した。結果を表2に示す。なお太陽電池用保護材E−8の初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
比較例4
粘着剤塗工液B−1を粘着剤塗工液B−4に変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み152μmの太陽電池用保護材E−9を作製した。太陽電池用保護材E−1を太陽電池用保護材E−9に変更したこと以外は実施例1と同様にして、高温真空ラミネーション後の外観、層間強度及び防湿性劣化度を測定した。結果を表2に示す。なお太陽電池用保護材E−9の初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
比較例5
粘着剤塗工液B−1を粘着剤塗工液B−5に変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み152μmの太陽電池用保護材E−10を作製した。太陽電池用保護材E−1を太陽電池用保護材E−10に変更したこと以外は実施例1と同様にして、高温真空ラミネーション後の外観、層間強度及び防湿性劣化度を測定した。結果を表2に示す。なお太陽電池用保護材E−10の初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
比較例6
高融点フィルムD−1を高融点フィルムD−2に変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み152μmの太陽電池用保護材E−11を作製した。太陽電池用保護材E−1を太陽電池用保護材E−11に変更したこと以外は実施例1と同様にして、高温真空ラミネーション後の外観、層間強度及び防湿性劣化度を測定した。結果を表2に示す。なお太陽電池用保護材E−11の初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
比較例7
粘着剤塗工液B−1を粘着剤塗工液B−2に変更したこと以外は比較例6と同様にして、厚み152μmの太陽電池用保護材E−12を作製した。太陽電池用保護材E−1を太陽電池用保護材E−12に変更したこと以外は実施例1と同様にして、高温真空ラミネーション後の外観、層間強度及び防湿性劣化度を測定した。結果を表2に示す。なお太陽電池用保護材E−12の初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
比較例8
防湿フィルムC−1を防湿フィルムC−3に変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み190μmの太陽電池用保護材E−13を作製した。太陽電池用保護材E−1を太陽電池用保護材E−13に変更したこと以外は実施例1と同様にして、高温真空ラミネーション後の外観及び防湿性能、層間強度を測定した。結果を表2に示す。なお太陽電池用保護材E−13の初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
比較例9
粘着剤塗工液B−1を接着剤塗工液B−6に変更し、塗布量を固形分8g/m2と変更したこと及び粘着剤塗工液G−1を接着剤塗工液G−3に変更し、塗布量を固形分8g/m2となるよう変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み128μmの太陽電池用保護材E−14を作製した。太陽電池用保護材E−1を太陽電池用保護材E−14に変更したこと以外は実施例1と同様にして、高温真空ラミネーション後の外観、層間強度及び防湿性劣化度を測定した。結果を表2に示す。なお太陽電池用保護材E−14の初期の水蒸気透過率は0.01[g/(m2・日)]であった。
Figure 2013084929
表2から明らかなように、粘着剤層1の厚み、粘着剤層1の100℃、周波数10Hz、歪0.1%における引っ張り貯蔵弾性率、防湿フィルムの基材厚み、高融点フィルムの熱収縮率のいずれかが本発明の規定範囲外である比較例1〜9の太陽電池用保護材は、防湿性及び/又は層間強度に劣るものであった。
これに対し、実施例1〜5の太陽電池用保護材は、いずれも外観に優れ、かつ、防湿性及び層間強度に優れる。
本発明の太陽電池用保護材は、外観不良の問題を解消し、防湿性及び層間強度に優れる。本発明の太陽電池用保護材を使用する太陽電池モジュールは、良好な外観を実現することができるのみならず、発電効率の低下を防止できる。

Claims (6)

  1. フッ素系樹脂フィルム、粘着剤1からなる粘着剤層1、金属酸化物層を有する樹脂フィルム、粘着剤又は接着剤からなる粘接着剤層2、及び融点180℃以上、熱収縮率0.5%以下の高融点フィルムがこの順に積層されてなる太陽電池用保護材であって、前記の金属酸化物層を有する樹脂フィルムの基材厚みが30μm以下であり、前記粘着剤層1の厚みが13〜45μmであり、前記粘着剤層1の100℃、周波数10Hz、歪0.1%における引っ張り貯蔵弾性率が5.0×104〜5.0×105Paである、太陽電池用保護材。
  2. 前記粘着剤1が、カルボキシル基又はアミノ基を含まない粘着剤である、請求項1に記載の太陽電池用保護材。
  3. 前記の金属酸化物層を有する樹脂フィルムがポリエステル系フィルムである、請求項1又は2に記載の太陽電池用保護材。
  4. 前記の金属酸化物層を有する樹脂フィルムの基材の厚み(t1)とフッ素系樹脂フィルムの厚み(t2)が以下の関係式を満たす、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用保護材。
    t1<t2
  5. 前記の金属酸化物層を有する樹脂フィルムの温度40℃相対湿度90%における水蒸気透過率が0.1[g/(m2・日)]未満である、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池用保護材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池用保護材を有する太陽電池用モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019140273A (ja) * 2018-02-13 2019-08-22 大日本印刷株式会社 太陽電池モジュール

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