JP2019139915A - リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池 - Google Patents

リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂集電体を備えており樹脂集電体の劣化が生じにくいリチウムイオン電池用正極を提供すること。【解決手段】正極活物質を含む正極活物質層と、上記正極活物質層と接する樹脂集電体とを備えるリチウムイオン電池用正極であって、上記樹脂集電体は、ポリオレフィン樹脂及び導電性炭素フィラーを含む樹脂組成物からなる第1の導電性樹脂層(BX1)と第2の導電性樹脂層(BX2)とを含み、上記第1の導電性樹脂層(BX1)に含まれる第1の導電性炭素フィラー(B1)の比表面積は、上記第2の導電性樹脂層(BX2)に含まれる第2の導電性炭素フィラー(B2)の比表面積よりも大きく、上記第1の導電性炭素フィラー(B1)の比表面積は30〜800m2/gであり、上記樹脂集電体の上記第1の導電性樹脂層(BX1)が上記正極活物質層と接する側に配置されていることを特徴とするリチウムイオン電池用正極。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池に関する。
近年、環境保護のため、二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が鋭意行われている。二次電池としては、高エネルギー密度、高出力密度が達成できるリチウムイオン電池に注目が集まっている。
リチウムイオン電池は、一般に、バインダを用いて正極または負極活物質等を正極用または負極用集電体にそれぞれ塗布して電極を構成している。また、バイポーラ(双極)型の電池の場合には、集電体の一方の面にバインダを用いて正極活物質等を塗布して正極層を、反対側の面にバインダを用いて負極活物質等を塗布して負極層を有するバイポーラ(双極)型電極を構成している。
このようなリチウムイオン電池においては、従来、集電体として金属箔(金属集電箔)が用いられてきた。近年、金属箔に代わって導電性材料が添加された樹脂から構成される、いわゆる樹脂集電体が提案されている。このような樹脂集電体は、金属集電箔と比較して軽量であり、電池の単位重量あたりの出力向上が期待される。
特許文献1には、樹脂集電体用分散剤、樹脂及び導電性フィラーを含有する樹脂集電体用材料、並びに、該樹脂集電体用材料を有する樹脂集電体が開示されている。
国際公開第2015/005116号
リチウムイオン電池において特許文献1に記載されたような樹脂集電体を正極側の樹脂集電体(正極集電体)として使用した場合に、正極集電体の外周部分がセパレータを介して負極活物質と近接することがある。そして、正極集電体が正極活物質を介することなく負極活物質と近接すると、その部分に集中して電流が流れてしまうことがある。このような電流は当初想定されていない電流であり、樹脂集電体の劣化を生じる原因となる。
そのため、樹脂集電体を使用した場合に樹脂集電体の劣化を防止することのできる手段が求められていた。
以上の状況を踏まえて、本発明は、樹脂集電体を備えており樹脂集電体の劣化が生じにくいリチウムイオン電池用正極を提供することを目的とする。本発明はまた、上記リチウムイオン電池用正極を用いたリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に想到した。
すなわち、本発明は、正極活物質を含む正極活物質層と、上記正極活物質層と接する樹脂集電体とを備えるリチウムイオン電池用正極であって、上記樹脂集電体は、ポリオレフィン樹脂及び導電性炭素フィラーを含む樹脂組成物からなる第1の導電性樹脂層(BX1)と第2の導電性樹脂層(BX2)とを含み、上記第1の導電性樹脂層(BX1)に含まれる第1の導電性炭素フィラー(B1)の比表面積は、上記第2の導電性樹脂層(BX2)に含まれる第2の導電性炭素フィラー(B2)の比表面積よりも大きく、上記第1の導電性炭素フィラー(B1)の比表面積は30〜800m/gであり、上記樹脂集電体の上記第1の導電性樹脂層(BX1)が上記正極活物質層と接する側に配置されていることを特徴とするリチウムイオン電池用正極;本発明のリチウムイオン電池用正極を備えることを特徴とするリチウムイオン電池である。
本発明のリチウムイオン電池用正極は、樹脂集電体を備えており樹脂集電体の劣化が生じにくいリチウムイオン電池用正極である。
本発明のリチウムイオン電池用正極は、正極活物質を含む正極活物質層と、上記正極活物質層と接する樹脂集電体とを備えるリチウムイオン電池用正極であって、
上記樹脂集電体は、ポリオレフィン樹脂及び導電性炭素フィラーを含む樹脂組成物からなる第1の導電性樹脂層(BX1)と第2の導電性樹脂層(BX2)とを含み、
上記第1の導電性樹脂層(BX1)に含まれる第1の導電性炭素フィラー(B1)の比表面積は、上記第2の導電性樹脂層(BX2)に含まれる第2の導電性炭素フィラー(B2)の比表面積よりも大きく、上記第1の導電性炭素フィラー(B1)の比表面積は30〜800m/gであり、
上記樹脂集電体の上記第1の導電性樹脂層(BX1)が上記正極活物質層と接する側に配置されていることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池用正極は、樹脂集電体を含み、比表面積の大きい第1の導電性炭素フィラー(B1)を含む第1の導電性樹脂層(BX1)が正極活物質層と接する側に配置されている。第1の導電性樹脂層(BX1)は比表面積の大きい第1の導電性炭素フィラー(B1)を含むために抵抗が小さく、抵抗低減層と類似の機能を果たすことができる。そして、正極集電体としての樹脂集電体が正極活物質を介することなく負極活物質と近接した場合であっても、電流が樹脂集電体の厚さ方向ではなく第1の導電性樹脂層(BX1)の表面方向に流れやすくなり、樹脂集電体に大電流が流れることが防止される。そのため、樹脂集電体の劣化が生じにくくなる。
本発明のリチウムイオン電池用正極は、正極活物質を含む正極活物質層と、正極活物質層と接する樹脂集電体とを含む。
まず、本発明のリチウムイオン電池用正極に含まれる樹脂集電体について説明する。
本発明の樹脂集電体は、複数層の導電性樹脂層を含む。
各導電性樹脂層は、ポリオレフィン樹脂及び導電性炭素フィラーを含む樹脂組成物からなる。
樹脂集電体には、第1の導電性樹脂層(BX1)と第2の導電性樹脂層(BX2)とが含まれている。樹脂集電体は第1の導電性樹脂層(BX1)と第2の導電性樹脂層(BX2)の2層を少なくとも含んでいるが、他の導電性樹脂層を含む3層以上の構成であってもよい。
本明細書では、第1の導電性樹脂層(BX1)と第2の導電性樹脂層(BX2)の2層の導電性樹脂層を含む樹脂集電体について以下に説明する。
第1の導電性樹脂層(BX1)及び第2の導電性樹脂層(BX2)は、いずれもポリオレフィン樹脂及び導電性炭素フィラーを含む樹脂組成物であるが、それぞれの導電性樹脂層には比表面積の異なる導電性炭素フィラーが含まれている。
具体的には、第1の導電性樹脂層(BX1)には第1の導電性炭素フィラー(B1)が含まれており、第2の導電性樹脂層(BX2)には第2の導電性炭素フィラー(B2)が含まれている。そして、第1の導電性炭素フィラー(B1)の比表面積が第2の導電性炭素フィラー(B2)よりも大きくなっている。
すなわち、ポリオレフィン樹脂及び導電性炭素フィラーを含む2層の導電性樹脂層からなる樹脂集電体がある場合に、相対的に比表面積の大きい導電性炭素フィラーを含む樹脂組成物からなる導電性樹脂層を第1の導電性樹脂層(BX1)と定め、相対的に比表面積の小さい導電性炭素フィラーを含む樹脂組成物からなる導電性樹脂層を第2の導電性樹脂層(BX2)と定めることができる。
なお、本明細書における導電性炭素フィラーの比表面積は、「JIS Z8830 ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に準じて、BET比表面積として測定した値である。
なお、第1の導電性樹脂層(BX1)又は第2の導電性樹脂層(BX2)が2種類以上の導電性炭素フィラーを含む場合、第1の導電性樹脂層(BX1)に最も多く含まれる種類の導電性炭素フィラーの比表面積を代表値とし、また、第2の導電性樹脂層(BX2)に最も多く含まれる種類の導電性炭素フィラーの比表面積を代表値として、導電性炭素フィラーの比表面積の代表値同士を比較する。
比較の結果、比表面積が大きい導電性炭素フィラーを含む導電性樹脂層が第1の導電性樹脂層(BX1)となる。
第1の導電性樹脂層(BX1)及び第2の導電性樹脂層(BX2)は、いずれもポリオレフィン樹脂を含む。
ポリオレフィン樹脂は、第1の導電性樹脂層(BX1)及び第2の導電性樹脂層(BX2)において同じ樹脂であっても異なる樹脂であってもよい。
ポリオレフィン樹脂として好ましくは、ポリオレフィン[ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、及びポリシクロオレフィン(PCO)等]が挙げられる。より好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
また、これらのポリオレフィン樹脂の変性物(以下、変性ポリオレフィンという)又は混合物であってもよい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、以下のものが市場から入手できる。
PE:「ノバテックLL UE320」「ノバテックLL UJ960」いずれも日本ポリエチレン(株)製
PP:「サンアロマーPM854X」「サンアロマーPC684S」「サンアロマーPL500A」「サンアロマーPC630S」「サンアロマーPC630A」「サンアロマーPB522M」「クオリアCM688A」いずれもサンアロマー(株)製、「プライムポリマーJ−2000GP」(株)プライムポリマー製、「ウィンテックWFX4T」日本ポリプロ(株)製
PMP:「TPX」三井化学(株)製
変性ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン又はこれらの共重合体に極性官能基を導入したものが挙げられ、極性官能基としては、カルボキシル基、1,3−ジオキソ−2−オキサプロピレン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基及びイミド基等が挙げられる。
ポリエチレン、ポリプロピレン又はこれらの共重合体に極性官能基を導入した変性ポリオレフィンの例としては、三井化学株式会社製アドマーシリーズ等が市販されいる。
第1の導電性樹脂層(BX1)に含まれる第1の導電性炭素フィラー(B1)は、その比表面積が30〜800m/gである導電性炭素フィラーである。
第1の導電性炭素フィラー(B1)としては、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらの中ではアセチレンブラックが好ましい。
第1の導電性炭素フィラー(B1)として市場から入手できるものとしては、商品名「デンカブラック(69m/g)」「デンカブラックLi−400(39m/g)」[デンカ(株)製]、商品名「エンサコ250G粒状(68m/g)」[Imerys製]、商品名「EC300J(800m/g)」[ライオン(株)製]等が挙げられる。
なお、品名の後の括弧内に記載した値は、そのフィラーの比表面積である。
また、第1の導電性炭素フィラー(B1)はその体積平均粒子径が3〜500nmであることが好ましい。
本明細書において、導電性炭素フィラーの体積平均粒子径は、マイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。マイクロトラック法とは、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して粒度分布を求める方法である。なお、体積平均粒子径の測定には、日機装(株)製のマイクロトラック等を用いることができる。
第1の導電性炭素フィラー(B1)としては、その種類、比表面積又は体積平均粒子径が異なる2種類以上の導電性炭素フィラーを含んでいてもよい。
また、第1の導電性樹脂層(BX1)1gに含まれる第1の導電性炭素フィラー(B1)の総表面積が10〜100mであることが好ましい。
本明細書において、導電性樹脂層1gに含まれる導電性炭素フィラーの総表面積は、以下の式で算出される。
導電性樹脂層1gに含まれる導電性炭素フィラーの総表面積(m
=導電性樹脂層1g中の導電性炭素フィラーの重量(g)×導電性炭素フィラーの比表面積(m/g)
第1の導電性樹脂層(BX1)中の第1の導電性炭素フィラー(B1)の重量割合は、10〜30重量%であることが好ましい。
また、第1の導電性樹脂層(BX1)中のポリオレフィン樹脂の重量割合は、70〜90重量%であることが好ましい。
導電性炭素フィラーとして、比表面積が大きく、その体積平均粒子径が小さい第1の導電性炭素フィラー(B1)(例えばアセチレンブラック)を含む導電性樹脂層は成形性が良好であることが多い。そのため、このような成形性が良好である第1の導電性樹脂層(BX1)を使用した樹脂集電体とすることによって全体としての形状が維持された樹脂集電体とすることができる。
第2の導電性樹脂層(BX2)に含まれる第2の導電性炭素フィラー(B2)としては、その比表面積が10m/g以下の導電性炭素フィラーであることが好ましい。
また、第2の導電性炭素フィラー(B2)はその比表面積が0.1m/g以上であることがより好ましい。
第2の導電性炭素フィラー(B2)の比表面積が10m/g以下であるためには、導電性炭素フィラーの体積平均粒子径が5.0μm以上であることが好ましい。
第2の導電性炭素フィラー(B2)としては、天然又は人造の黒鉛(グラファイト)及びハードカーボン(難黒鉛化炭素)及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらの中では黒鉛が好ましい。また、形状は球状、鱗片状及び塊状のいずれであっても良いが、球状が好ましい。
第2の導電性炭素フィラー(B2)として市場から入手できるものとしては、商品名「UP20N(3.33m/g)」「CGB20(4.72m/g)」「CPB(6.95m/g)」[日本黒鉛工業(株)製]「SG−BH(4.84m/g)」「SG−BL30(4.28m/g)」「SG−BL40(3.19m/g)」「RP99−150(5.13m/g)」「PC99−300M(3.87m/g)」「SRP−150(5.61m/g)」「PC−30(6.04m/g)」[いずれも伊藤黒鉛工業(株)製]、商品名「SNG−WXA1(1.8m/g)」「SNG−P1A1(0.6m/g)」[いずれもJFEケミカル(株)製]等が挙げられる。
なお、品名の後の括弧内に記載した値は、そのフィラーの比表面積である。
また、第2の導電性炭素フィラー(B2)はその体積平均粒子径が5.0〜11.5μmであることが好ましい。
第2の導電性炭素フィラー(B2)としては、その種類、比表面積又は体積平均粒子径が異なる2種類以上の導電性炭素フィラーを含んでいてもよい。
また、第2の導電性樹脂層(BX2)1gに含まれる第2の導電性炭素フィラー(B2)の総表面積が0.2〜8mであることが好ましい。
第2の導電性樹脂層(BX2)中の第2の導電性炭素フィラー(B2)の重量割合は、30〜50重量%であることが好ましい。
また、第2の導電性樹脂層(BX2)中のポリオレフィン樹脂の重量割合は、50〜70重量%であることが好ましい。
ここで、第1の導電性樹脂層(BX1)は、比表面積が大きい第1の導電性炭素フィラー(B1)を含んでおり、このような導電性樹脂層には電解液が浸みこみやすい。電解液が浸みこむ量が多いと樹脂集電体から電解液が滲み出る「液滲み」という現象が生じることがあり、好ましくない。
ここで、比表面積が小さく、その体積平均粒子径が大きい第2の導電性炭素フィラー(B2)(例えば黒鉛)を含む第2の導電性樹脂層(BX2)は、電解液が浸みこむ量が少ないため、第2の導電性樹脂層(BX2)を併せて使用した樹脂集電体とすることによって、液滲みの発生が抑制される。
樹脂集電体に含まれる第1の導電性炭素フィラー(B1)と第2の導電性炭素フィラー(B2)のと重量比率が、[第1の導電性炭素フィラー(B1)/第2の導電性炭素フィラー(B2)]=0.12〜0.80であることが好ましい。
上記比率が0.12以上であると、樹脂集電体の全体における、比表面積が小さく、比較的導電性が低い第2の導電性炭素フィラー(B2)の比率が多過ぎないため、樹脂集電体の電気抵抗値を低くするために必要なフィラーの量を減らすことができ、樹脂集電体の薄膜化がより容易になる。
上記比率が0.80以下であると、樹脂集電体の全体における、比表面積が大きい第1の導電性炭素フィラー(B1)の比率が多くなりすぎないため、液滲みが生じにくくなる。
樹脂集電体に含まれる第1の導電性炭素フィラー(B1)と第2の導電性炭素フィラー(B2)との合計重量割合は、樹脂集電体の重量に対して20〜40重量%であることが好ましい。
上記重量割合が20重量%以上であると、樹脂集電体の全体に含まれる導電性炭素フィラーの量が充分であるため電気抵抗値をより低くすることができる。また、上記重量割合が40重量%以下であると、樹脂集電体の全体に含まれるポリオレフィン樹脂の割合が低くなりすぎないため、樹脂集電体の成形性への影響が少なく、樹脂集電体の薄膜化により適している。
樹脂集電体に含まれるポリオレフィン樹脂の割合は、60〜80重量%であることが好ましい。樹脂集電体に含まれるポリオレフィン樹脂の割合は、樹脂集電体全体の重量に対するポリオレフィン樹脂の割合である。
ポリオレフィン樹脂の割合が上記範囲であると、成形性が良好であり、樹脂集電体全体の薄膜化に適している。
導電性樹脂層は、導電性炭素フィラーとは異なる導電材料を含有していてもよい。
導電材料の材質としては、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]及びこれらの合金、並びにこれらの混合物が挙げられる。電気的安定性の観点から、好ましくはニッケルである。
また、導電材料として、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電材料(上記した導電材料のうち金属のもの)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電性樹脂層は、ポリオレフィン樹脂と、導電性炭素フィラーとの他に、さらに必要に応じ、その他の成分[導電材料用分散剤、着色剤、紫外線吸収剤、汎用の可塑剤(フタル酸骨格含有化合物、トリメリット酸骨格含有化合物、リン酸基含有化合物及びエポキシ骨格含有化合物等)]等を適宜含んでいてもよい。その他の成分の合計添加量は、電気的安定性の観点から、各導電性樹脂層100重量部中0.001〜5重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.001〜3重量部である。
導電材料用分散剤としては、三洋化成工業株式会社製ユーメックスシリーズ、東洋紡株式会社製ハードレンシリーズ、トーヨータックシリーズ等が使用可能である。
樹脂集電体の厚さは、100μm以下であることが好ましく、50〜80μmがより好ましい。
樹脂集電体の厚さが100μm以下であると、樹脂集電体としての厚さが薄く、薄膜化された樹脂集電体であるといえる。このような樹脂集電体は電池内における体積が小さいため、電池の電池容量を高くするために適している。
また、樹脂集電体の厚さが50μm以上であると、樹脂集電体の強度が充分となるため好ましい。
樹脂集電体の厚さは、複数の導電性樹脂層の厚さの合計値として求められる。
樹脂集電体が第1の導電性樹脂層(BX1)と第2の導電性樹脂層(BX2)の2層からなる場合、第1の導電性樹脂層(BX1)の厚さと第2の導電性樹脂層(BX2)の厚さの合計である。
樹脂集電体において、第1の導電性樹脂層(BX1)の好ましい厚さは25〜65μmであり、第2の導電性樹脂層(BX2)の好ましい厚さは35〜75μmである。
樹脂集電体の第1の導電性樹脂層側の表面抵抗値は、3500Ω・cm 以下であることが好ましく、樹脂集電体の厚さ方向における電気抵抗値(貫通抵抗値)は、60〜180Ω・cmであることが好ましい。樹脂集電体の第1の導電性樹脂層側の表面抵抗値及び厚さ方向における電気抵抗値は以下の方法で測定することができる。
<樹脂集電体の第1の導電性樹脂層側の表面抵抗値の測定>
3cm×10cmの短冊状に裁断した樹脂集電体を測定用試料とし、JIS K7194に準拠した4探針法による低抵抗率計[MCP−T610、(株)三菱化学アナリテック製]を用いて測定した樹脂集電体の第1の導電性樹脂層側の表面における抵抗値を、樹脂集電体の第1の導電性樹脂層側の電気抵抗値とする。
<樹脂集電体の厚さ方向における電気抵抗値の測定>
3cm×10cmの短冊状に裁断した樹脂集電体を測定用試験片とし、抵抗計[RM3548、HIOKI製]を接続した電気抵抗測定器[IMC−0240型、井元製作所(株)製]の電極間に試験片を挟み、電極に2.16kgの荷重をかけながら抵抗値を測定する。加重をかけてから60秒後の値に電極と試験片との接触面積(3.14cm)をかけた値を厚さ方向における電気抵抗値とすることができる。なお、電気抵抗測定器[IMC−0240型、井元製作所(株)製]は、JISK6378−5において厚さ方向における体積電気抵抗の測定に用いる装置に準拠した試験片を正負電極間に挟んで抵抗値の測定を行うための装置である。
続いて、本発明のリチウムイオン電池用正極に含まれる、正極活物質を含む正極活物質層について説明する。
本発明のリチウムイオン電池用正極の正極活物質層に使用する正極活物質としては、公知の材料を使用することができる。正極活物質は、アクリル系樹脂等の樹脂で被覆された被覆正極活物質であってもよい。正極活物質層は、正極活物質とともに、必要に応じてバインダ、導電助剤等の添加剤を含む。
本発明のリチウムイオン電池用正極では、樹脂集電体の第1の導電性樹脂層(BX1)が正極活物質層と接する側に配置されている。
第1の導電性樹脂層(BX1)は比表面積の大きい第1の導電性炭素フィラー(B1)を含むために抵抗が小さく、抵抗低減層と類似の機能を果たすことができる。そして、正極集電体としての樹脂集電体が正極活物質を介することなく負極活物質と近接した場合であっても、電流が樹脂集電体の厚さ方向ではなく第1の導電性樹脂層(BX1)の表面方向に流れやすくなり、樹脂集電体に大電流が流れることが防止される。そのため、樹脂集電体の劣化が生じにくくなる。
本発明のリチウムイオン電池用正極を構成する樹脂集電体は、好ましくは、以下の方法で製造することができる。
まず、ポリオレフィン樹脂、導電性炭素フィラー、及び、必要に応じてその他の成分を混合することにより、樹脂集電体用材料を得る。
導電性炭素フィラーとして、第1の導電性炭素フィラー(B1)を使用して第1の導電性樹脂層(BX1)用である第1の樹脂集電体用材料を得ることができ、第2の導電性炭素フィラー(B2)を使用して第2の導電性樹脂層(BX2)用である第2の樹脂集電体用材料を得ることができる。
混合の方法としては、導電性炭素フィラーのマスターバッチを得てからさらにポリオレフィン樹脂と混合する方法、ポリオレフィン樹脂、導電性炭素フィラー、及び、必要に応じてその他の成分のマスターバッチを用いる方法、及び、全ての原料を一括して混合する方法等があり、その混合にはペレット状又は粉体状の成分を適切な公知の混合機、例えばニーダー、インターナルミキサー、バンバリーミキサー及びロール等を用いることができる。
混合時の各成分の添加順序には特に限定はない。得られた混合物は、さらにペレタイザーなどによりペレット化又は粉末化してもよい。
第1の樹脂集電体用材料及び第2の樹脂集電体材料を使用して、例えばフィルム状に成形することにより、樹脂集電体が得られる。フィルム状に成形する方法として、多層フィルムの製造に使用することのできる公知の方法を使用することができる。
具体的には、Tダイ法、インフレーション法、押出ラミネート法等が挙げられる。また、第1の樹脂集電体用材料を使用して作製したフィルムと第2の樹脂集電体材料を使用して作製したフィルムをヒートシール(加熱プレス)等の方法により貼り合わせてもよい。
上記のようにして得た樹脂集電体の第1の導電性樹脂層(BX1)の表面に、正極活物質を含み必要に応じてバインダや添加剤を配合したスラリーを塗布し、乾燥することによって正極活物質層を形成し、本発明のリチウムイオン電池用正極を得ることができる。正極活物質は、アクリル系樹脂等の樹脂で被覆された被覆正極活物質であってもよい。
本発明のリチウムイオン電池用正極の製造方法の具体例として1例を以下に挙げる。
被覆正極活物質、炭素繊維及び電解液を公知の混練装置(「あわとり練太郎」(株)シンキー製等)を用いて均一になるまで混合し、得られた正極活物質スラリーを前記樹脂集電体の第1の導電性樹脂層(BX1)の表面に塗布し、5MPaの圧力で約10秒プレスする。
正極活物質が被覆正極活物質である場合、バインダを使用せずに正極活物質層を形成することができる。また、塗布後の乾燥を行わずに正極活物質層を形成することができる。
本発明のリチウムイオン電池は、本発明のリチウムイオン電池用正極を備えることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池は、本発明のリチウムイオン電池用正極のほかに、電解液と、セパレータとリチウムイオン電池用負極を備える。
本発明のリチウムイオン電池において、電解液、セパレータ等の材料としては、公知の材料を使用することができる。また、リチウムイオン電池用負極に使用される負極活物質としては公知の材料を使用することができ、負極活物質がアクリル系樹脂等の樹脂で被覆された被覆負極活物質であってもよい。
リチウムイオン電池用負極に用いられる負極用集電体は、金属集電箔であってもよく、樹脂集電体であってもよい。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り部は重量部、%は重量%を意味する。
以下の実施例で使用した材料は下記の通りである。
導電性炭素フィラー
B1−1:アセチレンブラック[比表面積39m/g、商品名「デンカブラックLi−400」、デンカ(株)製]
B1−2:アセチレンブラック[比表面積68m/g、商品名「エンサコ250G(粒状)」、Imerys製
B1−3:アセチレンブラック[比表面積800m/g、商品名「EC300J」、ライオン(株)製]
B1−4:アセチレンブラック[比表面積69m/g、商品名「デンカブラック」、デンカ(株)製]
B2−1:黒鉛粒子[比表面積3.87m/g、商品名「PC99−300M」、伊藤黒鉛工業(株)製]
B2−2:黒鉛粒子[比表面積3.19m/g、商品名「SG−BL40」、伊藤黒鉛工業(株)製]
B2−3:黒鉛粒子[比表面積17.5m/g、商品名「G−6S」、(株)中越黒鉛工業所製]
B2−4:黒鉛粒子[比表面積6.04m/g、商品名「PC−30」、伊藤黒鉛工業(株)製]
B2−5:黒鉛粒子[比表面積0.6m/g、商品名「SNG−P1A1」、JFEケミカル(株)製]
樹脂(ポリオレフィン樹脂)
ポリプロピレン樹脂[商品名「サンアロマーPC684S」、サンアロマー(株)製]
分散剤
[商品名「ユーメックス1001(酸変性ポリプロピレン)」、三洋化成工業(株)製]
<実施例1>
ポリプロピレン樹脂65部、導電性炭素フィラー(B1−1)30部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第1の樹脂集電体用材料を得た。
別途、ポリプロピレン樹脂55部、導電性炭素フィラー(B2−1)50部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第2の樹脂集電体用材料を得た。
第1の樹脂集電体用材料と第2の樹脂集電体用材料をTダイから共押出して、第1の導電性樹脂層(BX1)と第2の導電性樹脂層(BX2)を備える樹脂集電体を得た。
表1には、第1の導電性樹脂層(BX1)と第2の導電性樹脂層(BX2)において使用した導電性炭素フィラーの種類と比表面積を示している。また、第1の導電性樹脂層(BX1)1g又は第2の導電性樹脂層(BX2)1gに含まれる導電性炭素フィラーの総表面積を示している。
表1には、第1の導電性樹脂層(BX1)及び第2の導電性樹脂層(BX2)の膜厚を示した。
<実施例2〜13>
第1の樹脂集電体用材料と第2の樹脂集電体用材料の調製に使用する導電性炭素フィラーの種類をそれぞれ表1に示すように変更して、第1の導電性樹脂層(BX1)と第2の導電性樹脂層(BX2)を備える樹脂集電体を得た。
第1の樹脂集電体用材料の調製に使用した第1の導電性炭素フィラー(B1)の重量割合(重量%)を表1に示すように変更し、第1の導電性炭素フィラー(B1)と分散剤5重量%との合計が100重量%となるようにポリオレフィン樹脂の重量割合を変更した。
第2の樹脂集電体用材料の調製に使用した第2の導電性炭素フィラー(B2)の重量割合(重量%)についても表1に示すように変更し、分散剤5重量%との合計が100重量%となるようにポリオレフィン樹脂の重量割合を変更した。
表1には、各実施例における第1の導電性樹脂層(BX1)及び第2の導電性樹脂層(BX2)の膜厚を示した。
<比較例1〜4>
表1に示すように、第1の樹脂集電体用材料又は第2の樹脂集電体用材料のいずれかのみを使用して導電性樹脂層が1層である樹脂集電体を得た。
比較例1及び2において、第1の樹脂集電体用材料の調製に使用した第1の導電性炭素フィラー(B1)の重量割合(重量%)を表1に示すように変更し、第1の導電性炭素フィラー(B1)と分散剤5重量%との合計が100重量%となるようにポリオレフィン樹脂の重量割合を変更した。
比較例3及び4において、第2の樹脂集電体用材料の調製に使用した第2の導電性炭素フィラー(B2)の重量割合(重量%)を表1に示すように変更し、第2の導電性炭素フィラー(B2)と分散剤5重量%との合計が100重量%となるようにポリオレフィン樹脂の重量割合を変更した。
樹脂集電体の厚さは実施例1と同じになるようにした。
<貫通抵抗値の測定>
樹脂集電体を3cm×10cm程度の短冊に裁断し、電気抵抗測定器[IMC−0240型、井元製作所(株)製]及び抵抗計[RM3548、HIOKI製]を用いて各樹脂集電体の貫通抵抗値を測定した。
電気抵抗測定器に2.16kgの荷重をかけた状態での樹脂集電体の抵抗値を測定し、2.16kgの荷重をかけてから60秒後の値をその樹脂集電体の抵抗値とした。下記の式に示すように、抵抗測定時の冶具の接触表面の面積(3.14cm)をかけた値を貫通抵抗値(Ω・cm)とした。
貫通抵抗値(Ω・cm)=抵抗値(Ω)×3.14(cm
表において抵抗判定の欄には、貫通抵抗値が180Ω・cm以下である場合良好と判断して○と表示し、貫通抵抗値が180Ω・cmを超え1000Ω・cm以下である場合を使用可と判断して△と表示し、貫通抵抗値が1000Ω・cmを超える場合を×と表示した。
<樹脂集電体の第1の導電性樹脂層側の表面抵抗値の測定>
3cm×10cmの短冊状に裁断した樹脂集電体を測定用試料とし、JIS K7194に準拠した4探針法による低抵抗率計[MCP−T610、(株)三菱化学アナリテック製]を用いて測定した樹脂集電体の第1の導電性樹脂層側の表面における抵抗値を、樹脂集電体の第1の導電性樹脂層側の表面抵抗値とした。
表1において樹脂集電体の第1の導電性樹脂層側の表面抵抗値が2000Ω・cm以下である場合良好と判断して抵抗値判定の欄に○と表示し、樹脂集電体の第1の導電性樹脂層側の表面抵抗値が2000Ω・cmを超える場合を×と表示した。
なお、比較例1〜4では第1の樹脂集電体用材料又は第2の樹脂集電体用材料のいずれかしか使用しておらず表裏の区別が無いので、樹脂集電体の任意の表面につき表面抵抗値を測定した。この表面抵抗値の値を表1には「第1の導電性樹脂層側の表面抵抗値」として示している。
Figure 2019139915
<比較例5>
ポリプロピレン樹脂55部、導電性炭素フィラー(B1−1)40部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第1の樹脂集電体用材料を得た。
別途、ポリプロピレン樹脂65部、導電性炭素フィラー(B2−1)30部、分散剤5部を180℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、第2の樹脂集電体用材料を得た。
第1の樹脂集電体用材料と第2の樹脂集電体用材料をTダイから共押出して、第1の導電性樹脂層(BX1)と第2の導電性樹脂層(BX2)を備える樹脂集電体を得た。
<評価用リチウムイオン電池の作製>
実施例1〜13及び比較例1〜4で得られた樹脂集電体の第1の導電性樹脂層(BX1)側に正極活物質スラリーを塗工したものを正極とし、同様に銅箔(古川電工製)に負極活物質スラリーを塗工したものを負極とした。ここで得られた正極と負極を枠材付セパレータを介して貼り合わせ、評価用リチウムイオン電池1〜13及び比較用リチウムイオン電池1〜4を作製した。
以下にそのプロセスを詳しく示す。
<正極の作製>
[被覆用高分子化合物とその溶液の作製]
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸ブチル20.0部、アクリル酸55.0部、メタクリル酸メチル22.0部、アリルスルホン酸ナトリウム3部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.4部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行ってDMFを留去し、被覆用高分子化合物を得た。
[被覆正極活物質の作成]
正極活物質粉末(LiNi0.8Co0.15Al0.05粉末、体積平均粒子径4μm)100部を万能混合機ハイスピードミキサーFS25[(株)アーステクニカ製]に入れ、室温、720rpmで撹拌した状態で、上記被覆用高分子化合物をイソプロパノールに1.0重量%の濃度で溶解して得られた被覆用高分子化合物溶液11.2部を2分かけて滴下し、さらに5分撹拌した。
次いで、撹拌した状態で導電剤としてアセチレンブラック[電気化学工業(株)製 デンカブラック(登録商標)]6.2部を分割しながら2分間で投入し、30分撹拌を継続した。その後、撹拌を維持したまま0.01MPaまで減圧し、次いで撹拌と減圧度を維持したまま温度を140℃まで昇温し、撹拌、減圧度及び温度を8時間維持して揮発分を留去した。得られた粉体を目開き212μmの篩いで分級し、被覆正極活物質を得た。
[評価用リチウムイオン電池の正極の作製]
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(体積比率1:1)にLiPFを1mol/Lの割合で溶解させて作製したリチウムイオン電池用電解液42部と炭素繊維[大阪ガスケミカル(株)製 ドナカーボ・ミルド S−243:平均繊維長500μm、平均繊維径13μm:電気伝導度200mS/cm]4.2部とを遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて2000rpmで7分間混合し、続いて上記電解液30部と上記被覆正極活物質206部を追加した後、更にあわとり練太郎により2000rpmで1.5分間混合し、上記電解液20部を更に追加した後あわとり練太郎による撹拌を2000rpmで1分間行い、上記電解液2.3部を更に追加した後あわとり練太郎による撹拌を2000rpmで1.5分間混合して、正極活物質スラリーを作製した。得られた正極活物質スラリーをそれぞれ実施例1〜13及び比較例1〜4の第1の導電性樹脂層(BX1)側に塗布し、5MPaの圧力で約10秒プレスし、実施例1〜13及び比較例1〜4に係るリチウムイオン電池用正極(58mm×42mm)を作製した。
<負極の作製>
[被覆用高分子化合物とその溶液の作製]
上記<正極の作製>において用いた被覆用高分子化合物とその溶液を作製した。
[被覆負極活物質の作成]
炭素系材料である難黒鉛化性炭素粉末(体積平均粒子径20μm)100部を万能混合機ハイスピードミキサーFS25[(株)アーステクニカ製]に入れ、室温、720rpmで撹拌した状態で、上記被覆用高分子化合物をイソプロパノールに19.8重量%の濃度で溶解して得られた被覆用高分子化合物溶液9.2部を2分かけて滴下し、さらに5分撹拌した。
次いで、撹拌した状態で導電剤であるアセチレンブラック[電気化学工業(株)製 デンカブラック(登録商標)]11.3部を分割しながら2分間で投入し、30分撹拌を継続した。その後、撹拌を維持したまま0.01MPaまで減圧し、次いで撹拌と減圧度を維持したまま温度を140℃まで昇温し、撹拌、減圧度及び温度を8時間維持して揮発分を留去した。得られた粉体を目開き212μmの篩いで分級し、被覆負極活物質を得た。
[評価用リチウムイオン電池の負極の作製]
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(体積比率1:1)にLiPFを1mol/Lの割合で溶解させて作製したリチウムイオン電池用電解液20部と炭素繊維[大阪ガスケミカル(株)製 ドナカーボ・ミルド S−243:平均繊維長500μm、平均繊維径13μm:電気伝導度200mS/cm]2部とを遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて2000rpmで7分間混合し、続いて上記電解液50部と上記被覆負極活物質98部を追加した後、更にあわとり練太郎で2000rpmで1.5分間混合し、上記電解液25部を更に追加した後あわとり練太郎による撹拌を2000rpmで1分間行い、更に上記電解液50部を更に追加した後あわとり練太郎による撹拌を2000rpmで1.5分間混合して、負極活物質スラリーを作製した。
得られた負極活物質スラリーをそれぞれ銅箔[古河電工(株)製]の片面に塗布し、5MPaの圧力で約10秒プレスし、リチウムイオン電池用負極(62mm×46mm)を作製した。
[セパレータ本体の製造]
平板状のセルガード2500(PP製、厚さ25μm)を30mm×30mmの正方形に切り出して、セパレータ本体とした。
[枠状部材の作製]
シール層となる低融点ポリエチレン(PE)からなる積層フィルムを延伸して厚さ25μmの延伸フィルム(低融点PE延伸フィルム)を準備した。その後、耐熱性環状支持部材となるポリエチレンナフタレート(帝人社製、PEN)からなる厚さ250μmのフィルムと接着性ポリオレフィン系樹脂フィルム(三井化学社製、アドマーVE300、厚さ50μm)とを加熱ロールまたはラミネート機により接着して積層体を準備した。その後、積層体を66mm×50mmの長方形に切断し、さらに、中央のφ23mmの領域を打ち抜くことにより、PENからなる耐熱性環状支持部材(PEN層)と低融点PE延伸フィルムからなるシール層(低融点PE層)とが積層され、長方形の4辺における環状の積層体(枠状部材)を得た。
[セパレータ本体と枠状部材との接合]
枠状部材の外形寸法に基づく重心とセパレータ本体の外形寸法に基づく重心が重なるように、かつ、各枠状部材のPEN層がそれぞれセパレータ本体と接触するように、セパレータ本体の両面に枠状部材を貼り合わせ、インパルスシーラーを用いて接着することにより、セパレータ本体の外周に沿って枠状部材が環状に配置されたリチウムイオン電池用セパレータを得た。
なお、正極集電体と接触する側のシール層(低融点PE層)を第1シール層、負極集電体と接触する側のシール層(低融点PE層)を第2シール層とする。
PEN層は、外周から幅0.5mmの部分では互いに接触しているが、その内側の幅1.5mmの部分ではセパレータ本体を介して対向している。
[評価用リチウムイオン電池の作製]
負極に予めセパレータを電解液で湿らせた枠材付セパレータを乗せ(このときの負極に乗せる面は、セパレータが枠材に貼り合わされている面と逆の面)、この負極と枠材付セパレータが一体化したものと実施例1〜13及び比較例1〜4に係るリチウムイオン電池用正極を重ね合わせた。重ね合わせた後に3辺を加熱シーラーにて長辺、短辺、長辺の順でシールした。最後の1辺は、トスパック(TOSEI製)を用いてセル内を真空にし、短辺をシールした。このとき得られたセルをアルミラミセル(正極:カーボンコートアルミ、負極:銅箔)に入れて、充電試験を行った。
[比較例5に係る比較用リチウムイオン電池の作製]
上記リチウムイオン電池の正極の作製において、樹脂集電体として比較例5の樹脂集電体を用い、第2の導電性樹脂層(BX2)側に正極活物質スラリーを塗布することにより樹脂集電体の導電性樹脂層(BX1)と(BX2)の表裏を入れ替えた他は、上記評価用リチウムイオン電池の製造と同様にして、比較例5に係る比較用リチウムイオン電池5を作製した。
<リチウムイオン電池の充放電試験>
45℃下、充放電測定装置「HJ−SD8」[北斗電工(株)製]を用いて以下の方法により評価用リチウムイオン電池1〜13及び比較用リチウムイオン電池1〜5の評価を行った。結果を表2に示す。
定電流定電圧方式(0.1C)で4.2Vまで充電した後、10分間の休止後、定電流方式(0.1C)で2.6Vまで放電した。定電流定電圧充電方式(CCCVモードともいう)で0.1Cにおける放電0秒後の電圧及び電流並びに0.1Cにおける放電10秒後の電圧及び電流を測定し、以下の式で内部抵抗を算出した。内部抵抗が小さいほど優れた電池特性を有することを意味する。
なお、放電0秒後の電圧とは、放電したと同時に計測される電圧(放電時電圧ともいう)である。
[内部抵抗(Ω)]=[(0.1Cにおける放電0秒後の電圧)−(0.1Cにおける放電10秒後の電圧)]÷[(0.1Cにおける放電0秒後の電流)−(0.1Cにおける放電10秒後の電流)]
[液滲みの判定]
評価用リチウムイオン電池1〜13、比較用リチウムイオン電池1〜5について、上記充放電試験後のセルの樹脂集電体の外側に、液滴等のセル内部から浸透した液滲みがないか目視で確認した。電解液由来による液滴がなければ液滲み判定を○とし、液滴が滲み出ていたら液滲み判定を×と判断した。
Figure 2019139915
本発明で規定する第1の導電性樹脂層(BX1)及び第2の導電性樹脂層(BX2)を備える樹脂集電体に係る実施例1〜13は、第1の導電性樹脂層側の表面抵抗値が低いので第1の導電性樹脂層側の表面に正極活物質層を形成することにより、第1の導電性樹脂層が抵抗低減層と類似した機能を果たすことができる。
また、第2の導電性樹脂層(BX2)を併せて使用することにより樹脂集電体からの液滲みが生じることも防止される。
一方、第1の導電性樹脂層(BX1)のみを備える比較例1及び2では樹脂集電体からの液滲みが生じており、第2の導電性樹脂層(BX2)のみを備える比較例3及び4では樹脂集電体の表面抵抗値が高くなっており、貫通抵抗値及び内部抵抗が高くなっていた。
また、比較例5では、第2の導電性樹脂層(BX2)が正極活物質層と接する側に配置されているため、内部抵抗が高くなっていた。
本発明のリチウムイオン電池用正極は、特に、携帯電話、パーソナルコンピューター及びハイブリッド自動車、電気自動車用に用いられるリチウムイオン電池用の正極として有用である。

Claims (7)

  1. 正極活物質を含む正極活物質層と、前記正極活物質層と接する樹脂集電体とを備えるリチウムイオン電池用正極であって、
    前記樹脂集電体は、ポリオレフィン樹脂及び導電性炭素フィラーを含む樹脂組成物からなる第1の導電性樹脂層(BX1)と第2の導電性樹脂層(BX2)とを含み、
    前記第1の導電性樹脂層(BX1)に含まれる第1の導電性炭素フィラー(B1)の比表面積は、前記第2の導電性樹脂層(BX2)に含まれる第2の導電性炭素フィラー(B2)の比表面積よりも大きく、前記第1の導電性炭素フィラー(B1)の比表面積は30〜800m/gであり、
    前記樹脂集電体の前記第1の導電性樹脂層(BX1)が前記正極活物質層と接する側に配置されていることを特徴とするリチウムイオン電池用正極。
  2. 前記第2の導電性炭素フィラー(B2)の比表面積が10m/g以下である請求項1に記載のリチウムイオン電池用正極。
  3. 前記第1の導電性樹脂層(BX1)1gに含まれる前記第1の導電性炭素フィラー(B1)の総表面積は10〜100mである請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用正極。
  4. 前記第2の導電性樹脂層(BX2)1gに含まれる前記第2の導電性炭素フィラー(B2)の総表面積は0.2〜8mである請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン電池用正極。
  5. 前記樹脂集電体に含まれる前記第1の導電性炭素フィラー(B1)と前記第2の導電性炭素フィラー(B2)との重量比率が、[第1の導電性炭素フィラー(B1)/第2の導電性炭素フィラー(B2)]=0.12〜0.80である請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン電池用正極。
  6. 前記樹脂集電体に含まれる前記第1の導電性炭素フィラー(B1)と前記第2の導電性炭素フィラー(B2)との合計重量割合が樹脂集電体の重量に対して20〜40重量%である請求項1〜5のいずれかに記載のリチウムイオン電池用正極。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のリチウムイオン電池用正極を備えることを特徴とするリチウムイオン電池。
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