JP7246140B2 - 樹脂集電体及び樹脂集電体の製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、導電性樹脂層と、前記導電性樹脂層が有する2つの主面のうち、少なくとも一方の主面に設けられた、厚さが5nm以上200nm未満である金属層と、を備えることを特徴とする樹脂集電体、及び、導電性樹脂層と、前記導電性樹脂層が有する2つの主面のうち、少なくとも一方の主面に設けられた、厚さが5nm以上200nm未満である金属層と、を備えることを特徴とする樹脂集電体の製造方法であって、電解めっきにより前記金属層を形成する工程を有する樹脂集電体の製造方法に関する。
なお、本発明の樹脂集電体では厚さ方向の電気抵抗値はそれほど高くならないので、樹脂集電体とその上に設ける活物質層との間の接触抵抗が低減されるという金属層の効果への影響は小さく、活物質層から集電体表面に電流を取り出すことは容易である。
導電材料の材質としては、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]、導電性カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電材料は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物が用いられてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはニッケル、アルミニウム、ステンレス、導電性カーボン、銀、銅、チタン及びこれらの混合物であり、さらに好ましくはニッケル、銀、アルミニウム、ステンレス及び導電性カーボンであり、特に好ましくはニッケル及び導電性カーボンである。またこれらの導電材料は、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電材料(上記した導電材料のうち金属のもの)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
本発明の樹脂集電体が負極に使用される場合、導電材料の材質としては金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]及び導電性カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]が好ましく、本発明の樹脂集電体が正極に使用される場合、導電材料の材質としては導電性カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]が好ましい。
なかでも、本発明の樹脂集電体が負極に使用される場合にその金属層を下記の電解めっきにより作製する場合には、導電性カーボンを好ましく用いることができる。
電気的安定性の観点から、ポリオレフィンが好ましく、さらに好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
導電性樹脂層の厚さが45μm以上であると、導電性樹脂層の強度が充分となるため好ましい。また、導電性樹脂層の厚さが90μm以下であると、厚さ方向の電気抵抗値が低くなるため好ましい。
前記導電性樹脂層及び前記金属層の厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)[(株)日立ハイテクノロジーズ製]で樹脂集電体の断面を観察して求めることができる。
導電性樹脂層中の高分子化合物の含有量は、導電性樹脂層の強度の観点から、導電性樹脂層100重量部中10~95重量部であることが好ましく、より好ましくは20~80重量部である。
金属層は、導電性樹脂層が有する2つの主面のうち、導電性樹脂層の一方の主面のみに設けられていてもよく、導電性樹脂層の両方の主面にそれぞれ設けられていてもよい。一方の主面にのみ金属層を形成する場合、樹脂集電体が有する主面のうち、活物質層と接触する面に金属層を設けることが好ましい。
金属層が導電性樹脂層の一方の主面に設けられている場合、その金属層の厚さが5nm以上200nm未満である。
また、金属層が導電性樹脂層の両方の主面にそれぞれ設けられている場合、少なくとも一方の金属層の厚さが5nm以上200nm未満であればよく、両面にそれぞれ設けられた金属層のそれぞれの膜厚が200nm未満であることが好ましく、両面に設けた金属層の合計膜厚が200nm未満であることが更に好ましい。
なお、本発明の樹脂集電体では厚さ方向の電気抵抗値はそれほど高くならないので、樹脂集電体とその上に設ける活物質層との間の接触抵抗が低減されるという金属層の効果への影響は小さく、活物質層から集電体表面に電流を取り出すことは容易である。
金属層の厚さが5nm未満であると導電性樹脂層表面にある金属層の面積が減少するため、厚さ方向の電気抵抗値が大きくなり活物質層から集電体表面に電流を取り出すことが出来なくなり、200nm以上になると面方向の電気抵抗値が小さくなりすぎて面方向に集中して流れる電流量を減少させることが出来なくなる。
また、耐久性の観点から、樹脂集電体の金属層を設けた主面における面方向での電気抵抗値(R1)と樹脂集電体の厚さ方向の電気抵抗値(R2)との比率(R1/R2)が100以上であることが好ましい。
樹脂集電体の金属層を設けた主面における面方向の電気抵抗値と樹脂集電体の厚さ方向の電気抵抗値はそれぞれ以下の方法で測定することができる。
<樹脂集電体の金属層を設けた主面における面方向の電気抵抗値の測定>
3cm×10cmの短冊状に裁断した樹脂集電体を測定用試料とし、JIS K7194に準拠した4探針法による低抵抗率計[MCP-T610、(株)三菱化学アナリテック製]を用いて測定した金属層を設けた面における表面の抵抗値を、樹脂集電体の金属層を設けた主面における面方向の電気抵抗値(R1)とする。
金属層が導電性樹脂層の両方の主面に設けられている場合には、それぞれの主面における面方向の電気抵抗値を測定し、いずれか低い方の電気抵抗値を、金属層を設けた主面における面方向の電気抵抗値とする。
<厚さ方向の電気抵抗値の測定>
3cm×10cmの短冊状に裁断した樹脂集電体を測定用試験片とし、抵抗計[RM3548、HIOKI製]を接続した電気抵抗測定器[IMC-0240型、井元製作所(株)製]の電極間に試験片を挟み、電極に2.16kgの荷重をかけながら抵抗値を測定する。加重をかけてから60秒後の値に電極と試験片との接触面積(3.14cm2)をかけた値を厚さ方向の電気抵抗値(R2)とすることができる。なお、電気抵抗測定器[IMC-0240型、井元製作所(株)製]は、JISK6378-5において厚さ方向の体積電気抵抗の測定に用いる装置に準拠した試験片を正負電極間に挟んで抵抗値の測定を行うための装置である。
金属層を構成する金属の種類により、より好ましい金属層の厚さが異なる。
本発明の樹脂集電体を構成する金属層の厚さは、5nm以上200nm未満であるが、金属層が銅からなる場合には、金属層の厚さは5nm以上200nm未満が好ましく、5~100nmが更に好ましい。金属層がニッケルからなる場合には、金属層の厚さは10nm以上200nm未満が好ましい。
金属層は複数の金属を含む合金膜であってもよく、金属層が導電性樹脂層の両方の主面に設けられた場合にそれぞれの主面に設けられた金属層の種類が異なっていてもよい。
特に、積層型電池の集電体として使用することができる。
積層型電池では、正極側集電体、正極、セパレータ、負極及び負極側集電体を単セルとして、単セルが積層された構成を有している。
積層型電池では、通常は集電体としてアルミニウム箔や銅箔等の金属箔が用いられるが、本発明の樹脂集電体は導電材料と高分子化合物を含んでなる導電性樹脂層に金属層が設けられてなる樹脂集電体である。
まず、導電材料と高分子化合物、及び、必要に応じてその他の成分を混合する。混合の方法としては、公知のマスターバッチの製造方法、及び熱可塑性樹脂組成物(分散剤、フィラー及び熱可塑性樹脂からなる組成物、又はマスターバッチと熱可塑性樹脂からなる組成物)の製造方法等において公知の混合方法が用いられ、ペレット状又は粉体状の成分を適切な混合機、例えばニーダー、インターナルミキサー、バンバリーミキサー、及びロール等を用いて加熱溶融混合して混合することができる。混合時の各成分の添加順序には特に限定はない。
上記混合によって得られた混合物を、Tダイ法、インフレーション法及びカレンダー法等の公知のフィルム成形法によりフィルム形状に成形することにより、導電性樹脂層を形成する。
金属層を導電性樹脂層の両方の主面に設ける場合は、両面に設けられたそれぞれの金属層の厚さが5nm以上200nm未満となるようにすることが好ましい。また、銅又はニッケルの膜を形成することが好ましい。
導電性樹脂層に金属を電解めっきすることで、導電性樹脂層上に金属層が密に、かつ剥がれ難く形成されると考えられる。
シート状の導電性樹脂組成物が有する2つの主面のうち、金属層を設ける主面を水洗した後、硫酸銅五水和物200g/L、硫酸50g/L、塩素イオン50mg/Lを混合した銅のめっき浴を用いて50℃で陰極電流密度3A/dm2の条件で電解めっき処理を行う。
電解めっきにより前記金属層を形成する工程を有する、本発明の樹脂集電体の製造方法で得られた樹脂集電体は、前記導電性樹脂層が導電性カーボンとポリオレフィンとを含む、負極用樹脂集電体として使用することができる。
負極用樹脂集電体の導電材料として導電性カーボンを使用すると、集電体への電解液の浸み込みが生じ、充放電を繰り返すことにより電池容量の低下を促進してしまう。このため、従来は負極用樹脂集電体の導電材料として導電性カーボンを避けることが多かった。本発明の樹脂集電体の製造方法で得られた樹脂集電体は、密で、かつ剥がれ難い金属層を有するため、導電材料として導電性カーボンを用いても、集電体への電解液の浸み込みが生じることなく、電池容量を維持することができると考えられる。
<被覆用樹脂溶液の作製>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにN,N-ジメチルホルムアミド(以下、DMFと記載)407.9部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸242.8部、メチルメタクリレート97.1部、2-エチルヘキシルメタクリレート242.8部及びDMF116.5部を配合したモノマー配合液と、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部及び2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)4.7部をDMF58.3部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。これにDMFを789.8部加えて、樹脂固形分濃度30重量%である樹脂溶液を得た。
<被覆正極活物質の作製>
正極活物質として、樹脂で被覆した被覆正極活物質を用いた。
LiCoO2粉末1578gを万能混合機に入れ、室温、150rpmで撹拌した状態で、製造例1で得た樹脂溶液(樹脂固形分濃度30重量%)146gを60分かけて滴下混合し、さらに30分撹拌した。次いで、撹拌した状態でアセチレンブラック[デンカ(株)製]44gを3回に分けて混合し、30分撹拌したままで70℃に昇温し、0.01MPaまで減圧し30分保持した。上記操作により被覆正極活物質1666gを得た。
<被覆負極活物質の作製>
負極活物質として、樹脂で被覆した被覆負極活物質を用いた。
黒鉛粉末[日本黒鉛工業(株)製]1578gを万能混合機に入れ、室温、150rpmで撹拌した状態で、製造例1で得た樹脂溶液(樹脂固形分濃度30重量%)292gを60分かけて滴下混合し、さらに30分撹拌した。次いで、撹拌した状態でアセチレンブラック[デンカ(株)製]88gを3回に分けて混合し、30分撹拌したままで70℃に昇温し、0.01MPaまで減圧し30分保持した。上記操作により被覆負極活物質1754gを得た。
2軸押出機にて、ポリプロピレン[商品名「サンアロマーPL500A」、サンアロマー(株)製]70部、ニッケル粒子[Vale社製]25部、及び分散剤[商品名「ユーメックス1001」、三洋化成工業(株)製]5部を200℃、200rpmの条件で溶融混練して樹脂混合物を得た。
得られた樹脂混合物を、Tダイ押出しフィルム成形機に通して、それをフィルム形状に成形することで、膜厚85μmの導電性樹脂層を得た。
この導電性樹脂層の両主面に、真空蒸着法により銅の金属層を厚さ5nmでそれぞれ形成して、金属層を両面に設けた樹脂集電体を得た。
表1に示すように、金属層の配置仕様と金属種と金属層の厚さとをそれぞれ変更した他は実施例1と同様にして樹脂集電体を得た。
2軸押出機にて、ポリプロピレン[商品名「サンアロマーPL500A」、サンアロマー(株)製]75部、アセチレンブラック[商品名「デンカブラックHS-100」、デンカ(株)製]20部、及び分散剤[商品名「ユーメックス1001」、三洋化成工業(株)製]5部を180℃、200rpmの条件で溶融混練して樹脂混合物を得た。
得られた樹脂混合物を、Tダイ押出しフィルム成形機に通して得られたフィルムをさらに熱プレス機で圧延成形することで、膜厚85μmの導電性樹脂層を得た。
この導電性樹脂層の両主面に、真空蒸着法により銅の金属層を厚さ40nmでそれぞれ形成して、金属層を両面に設けた樹脂集電体を得た。
真空蒸着法に代わって、以下の電解めっき法により導電性樹脂層の両主面に銅の金属層を厚さ50nmでそれぞれ形成した他は実施例1と同様にして樹脂集電体を得た。
<電解めっき法>
導電性樹脂層が有する2つの主面を水洗した後、硫酸銅五水和物200g/L、硫酸50g/L、塩素イオン50mg/Lを混合した銅のめっき浴を用いて50℃で陰極電流密度3A/dm2の条件で電解めっき処理を行った。
真空蒸着法に代わって、前記電解めっき法により導電性樹脂層の両主面に銅の金属層を厚さ50nmでそれぞれ形成した他は実施例17と同様にして樹脂集電体を得た。
実施例1において得た導電性樹脂層を、金属層を形成せずにそのまま比較評価用の樹脂集電体とした。
表1に示すように、金属層の配置仕様と金属種と金属層の厚さとをそれぞれ変更した他は実施例1と同様にして比較用の樹脂集電体を得た。
実施例17において得た導電性樹脂層を、金属層を形成せずにそのまま比較評価用の樹脂集電体とした。
上記した方法により、樹脂集電体の面方向の電気抵抗値と厚さ方向の電気抵抗値を測定した。面方向の電気抵抗値は金属層が形成された面で測定した(比較例1及び5では金属層を形成していないため任意の主面で測定した)。結果を表1に記載した。
実施例1~19及び比較例1~5で作製した樹脂集電体を表2に記載した組み合わせとし、それぞれを正極側集電体又は負極側集電体として用いて下記の方法で評価用セル1~19、比較評価用セル1~4を作製し、下記の方法で短絡時の電位差測定とサイクル充放電試験とを行い、その結果を表2に記載した。
外形が幅105mm×長さ205mmの長方形のガラスエポキシ基板(日光化成(株)製 ニコライト NL-EG-23N)を2枚準備し、それぞれその内側を15mm幅の外周部を残してくりぬき、その両面にガラスエポキシ基板の外周部と同じ形状のヒートシール用フィルム(三井化学(株)製 アドマー QE-060)を固定した。次いで幅95mm×長さ195mmの長方形のPE製セパレータ(セルガード製)をガラスエポキシ基板の一方の面にヒートシールすることで固定し、セパレータの片面に枠状のガラスエポキシ基板を固定した単セル用枠部材を作製した。
実施例17及び比較例5で作製した樹脂集電体をそれぞれ外形が幅105mm×長さ205mmの長方形に切断し、樹脂集電体の金属層が形成された面上に、製造例2で得た被覆正極活物質粒子をN-メチルピロリドン(以下、NMP)と混合して得られた正極活物質組成物(被覆正極活物質濃度:95%)をスキージにて幅66mm×長さ166mmの長方形状に外周部を残して塗布し、その後NMPを蒸発させて正極活物質層を形成した。この時の正極被覆活物質相当の目付量は130mg/cm2である。
各実施例1~19及び各比較例1~4で作製した樹脂集電体をそれぞれ外形が幅105mm×長さ205mmの長方形に切断し、樹脂集電体の金属層が形成された面上に、製造例3で得た被覆負極活物質粒子をNMPと混合して得られた負極活物質組成物(被覆負極活物質濃度:95%)をスキージにて幅70mm×長さ170mmの長方形状に外周部を残して塗布し、その後NMPを蒸発させて負極活物質層を形成した。この時の負極被覆活物質相当の目付量は53mg/cm2である。
なお、比較例1及び5の樹脂集電体には金属層が形成されていないので任意の面に正極活物質層又は負極活物質層を形成した。
正極活物質層を上記単セル用枠部材が有する枠状ガラスエポキシ基板の内側にセパレータと活物質層が接触する向きで収め、負極活物質層を、セパレータを介して活物質層同士が対向する向きに配置した。なお、正極活物質層を収める前の単セル用枠部材の枠状ガラスエポキシ基板の内側には、事前にそれぞれに電解液[エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの混合溶液(EC/DEC=3/7(体積比))のLiPF61M溶液]を注液しておいた。その後、正極側の樹脂集電体/ガラスエポキシ基板/負極側の樹脂集電体が重なった部分をヒートシールして単セルを作製し、この単セルを正極側の樹脂集電体と負極側の樹脂集電体とが接する向きに8つ積層して積層セルを作製してラミネート容器に収容し密閉し評価用セルを作製した。
次いで、以下の方法で短絡時の電位差測定とサイクル充放電試験とを行った。
作製した評価用セルを用い、電池工業会指針SBA G 1101-1997リチウム二次電池安全性評価基準ガイドラインに記載の釘刺し試験方法に準じて評価用セルの中央に釘刺しして内部短絡を発生させて欠陥部を作り、セルの端と欠陥部との電位差を測定し、その値を表2に記載した。電位差が小さい程、欠陥部へ流れる電流量が小さくなるため、電池性能の劣化が起こりにくく耐久性に優れることを意味する。
作製した評価用セルを45℃の環境で定電流定電圧方式(電流値:4mA/cm2)により33Vまで充電した後、定電流方式(電流値4mA/cm2)で22Vまで放電した。上記の充電操作及び放電操作をもう一度行い、これを1サイクル目の充放電とし、更に200サイクル目の充放電操作が完了するまでの上記の操作を繰り返した。
評価用セルの200サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で割った値(容量維持率)を算出した。同じ構成の評価用セルを3個ずつ用意し、容量維持率の平均値を表2に記載した。サイクル充放電試験における容量維持率は大きいほど好ましく、樹脂集電体と隣接する活物質層との接触抵抗が大きすぎる場合と、劣化による内部抵抗の増加による性能劣化が生じた場合とに、サイクル充放電試験における容量維持率が低下する。
一方、金属層の厚さが200nm以上である比較例2及び3の樹脂集電体においては、面方向の電気抵抗値が低く、短絡時の電位差が大きすぎるため耐久性が低い集電体となっており、容量維持率も実施例に比べて小さい値であった。
また、金属層が形成されていない比較例1の樹脂集電体及び金属層の厚さが5nmに満たない比較例4の樹脂集電体は、厚さ方向の電気抵抗値が大きいために電池の内部抵抗が大きくなるため、容量維持率に劣っていた。
導電材料として導電性カーボン(アセチレンブラック)を用いた実施例17及び19の樹脂集電体につき、電解めっき法で金属層を形成した実施例19の樹脂集電体を負極として使用した場合、真空蒸着法で金属層を形成した実施例17の樹脂集電体を負極として使用した場合よりも容量維持率が高くなった。
Claims (6)
- 1層の導電性樹脂層、及び、
前記導電性樹脂層が有する2つの主面のうち、少なくとも一方の主面に設けられた、厚さが5nm以上200nm未満である金属層、のみを備える樹脂集電体であって、
前記樹脂集電体の前記金属層を設けた主面における面方向での電気抵抗値(R 1 )と前記樹脂集電体の厚さ方向の電気抵抗値(R 2 )との比率(R 1 /R 2 )が100以上であることを特徴とする樹脂集電体。 - 前記金属層が、前記導電性樹脂層が有する2つの主面のうち、一方の主面にのみ設けられている請求項1に記載の樹脂集電体。
- 前記金属層が、銅である請求項1又は2に記載の樹脂集電体。
- 前記導電性樹脂層の厚さが45~90μmである請求項1~3のいずれかに記載の樹脂集電体。
- 1層の導電性樹脂層、及び、前記導電性樹脂層が有する2つの主面のうち、少なくとも一方の主面に設けられた、厚さが5nm以上200nm未満である金属層、のみを備える樹脂集電体の製造方法であって、
前記樹脂集電体の前記金属層を設けた主面における面方向での電気抵抗値(R 1 )と前記樹脂集電体の厚さ方向の電気抵抗値(R 2 )との比率(R 1 /R 2 )が100以上であり、
電解めっきにより前記金属層を形成する工程を有することを特徴とする樹脂集電体の製造方法。 - 前記導電性樹脂層が導電性カーボンとポリオレフィンとを含み、負極用である請求項5に記載の樹脂集電体の製造方法。
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