JP2019137827A - 吸音方法、及び吸音材 - Google Patents
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Abstract
Description
1)軟質樹脂発泡体を吸音材として用いる吸音方法であって、
軟質樹脂発泡体は、基材樹脂(A)と化学発泡剤(B)とを含む液状樹脂組成物の発泡硬化物からなり、
基材樹脂(A)は、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基を分子鎖中に少なくとも1個有し、オキシアルキレン系単位からなる主鎖を有する重合体である、吸音方法。
2)吸音対象の音が、周波数800Hz以上2300Hz以下の範囲内の成分を含む、1)に記載の吸音方法。
3)軟質樹脂発泡体の密度が、200kg/m3以下である、1)又は2)に記載の吸音方法。
4)軟質樹脂発泡体の−20℃以上50℃以下の温度範囲における引張粘弾性のtanδが0.1以上である、1)〜3)のいずれか1つに記載の吸音方法。
5)液状樹脂組成物が、基材樹脂(A)100重量部と、化学発泡剤(B)2重量部以上200重量部以下と、水(C)1重量部以上50重量部以下を含む、1)〜4)のいずれか1つに記載の吸音方法。
6)軟質樹脂発泡体からなる吸音材であって、
軟質樹脂発泡体は、基材樹脂(A)と化学発泡剤(B)とを含む液状樹脂組成物の発泡硬化物であり、
基材樹脂(A)は、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基を分子鎖中に少なくとも1個有し、オキシアルキレン系単位からなる主鎖を有する重合体である、吸音材。
7)周波数800Hz以上2300Hz以下の範囲内の成分を含む音の吸収に用いられる、6)に記載の吸音材。
8)厚さ25mmの資料を用いて、JIS A 1405−2に準拠して、20℃においてA管を用いて測定される、周波数800Hzにおける吸音率が30%以上である、6)又は7)に記載の吸音材。
9)厚さ25mmの資料を用いて、JIS A 1405−2に準拠して、20℃においてA管を用いて測定される、周波数1600Hzにおける吸音率が70%以上である、6)〜8)のいずれか1項に記載の吸音材。
10)密度が、200kg/m3以下である、6)〜9)のいずれか1つに記載の吸音材。
11)密度が、150kg/m3以下である、10)に記載の吸音材。
12)−20℃以上50℃以下の温度範囲における引張粘弾性のtanδが0.1以上である、6)〜10)のいずれか1つに記載の吸音材。
13)基材樹脂(A)が、主鎖もしくは分岐部の分子鎖の両末端に反応性ケイ素基を有する重合体である、6)〜12)のいずれか1つに記載の吸音材。
14)液状樹脂組成物が、基材樹脂(A)100重量部と、化学発泡剤(B)2重量部以上200重量部以下と、水(C)1重量部以上50重量部以下を含む、6)〜13)のいずれか1つに記載の吸音材。
15)液状樹脂組成物における、化学発泡剤(B)の量が45重量部以上200重量部以下である、14)に記載の吸音材。
16)化学発泡剤(B)が、重炭酸塩又は炭酸塩(B−1)と酸解離定数pKaが3.0以下の酸性化合物(B−2)である、6)〜15)のいずれか1つに記載の吸音材。
17)6)〜16)のいずれか1つに記載の吸音材の製造方法であって、
液状樹脂組成物を発泡及び硬化させて発泡硬化物を得る発泡成形工程を含む、吸音材の製造方法。
18)6)〜16)のいずれか1つに記載の吸音材を備える、建築物。
19)6)〜16)のいずれか1つに記載の吸音材を備える、車両。
吸音方法は、後述する特定の軟質樹脂発泡体を吸音材として用いる吸音方法である。吸音方法としては、所定の吸音材を用いることの他、吸音材を用いる従来の吸音方法と同様に行われる。
以下、吸音材について詳細に説明する。
吸音材は、軟質樹脂発泡体からなる。軟質樹脂発泡体は、基材樹脂(A)と化学発泡剤(B)とを含む液状樹脂組成物の発泡硬化物である。
基材樹脂(A)としては、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基を分子鎖中に少なくとも1個有し、オキシアルキレン系単位からなる主鎖を有する重合体を用いる。
このため、吸音方法においては、吸音対象の音が、周波数800Hz以上2300Hz以下の範囲内の成分を含むのが好ましい。
かかる周波数の範囲内の成分を含む音としては、日常会話、犬の鳴き声、ピアノやクラリネット等の楽器音が含まれる。このため、上記の吸音方法によれば、日常生活において特に気になる騒音を吸音しやすい。
また、吸音材の吸音率は、厚さ25mmの資料を用いて、JIS A 1405−2に準拠して、20℃においてA管を用いて測定される、周波数1600Hzにおける吸音率として、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。
tanδは、例えば、動的粘弾性測定装置を用いて測定することができる。典型的な測定条件としては、サンプルサイズ:チャック間2cm×幅0.5cm×厚み0.5cm、昇温速度4℃/分、測定周波数1Hz、歪0.05%である。具体的な動的粘弾性測定装置としては、例えば、アイティー計測制御株式会社製の、DVA−200等が挙げられる。
なお、硬化及び発泡の温度条件については特に限定されない。硬化及び発泡の温度条件は、化学発泡剤(B)の種類等に応じて、硬化及び発泡の速度を高めるために、40℃を超える高温で硬化及び発泡を行ってもよい。
例えば、化学発泡剤(B)が、炭酸亜鉛を含む場合には、40℃を超える高温、好ましくは40℃以上90℃以下で硬化及び発泡を行い、硬化及び発泡の反応時間を短縮させるのが好ましい。発泡時の加熱温度が、過度に低いと、十分な発泡を行えなかったり、所望する発泡を達成するために長時間を要したりする場合がある。発泡時の加熱温度が、例えば90℃超の過度に高い温度であると、水の気化が激しかったり、水が沸騰したりすることにより、適度な範囲のサイズのセルを有する発泡体を形成しにくい場合がある。
以下、液状樹脂組成物に含まれ得る、必須又は任意の成分について説明する。
基材樹脂は(A)は、分子鎖中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる、シラノール縮合触媒によって硬化する成分である。基材樹脂は(A)は、分子鎖中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を有するため、シラノール縮合反応が起こって架橋し、高分子状態となり、硬化する。基材樹脂(A)に含まれる反応性ケイ素基の数は、シラノール縮合触媒によって縮合反応するという点から、少なくとも1個必要である。硬化性、柔軟性の点からは、基材樹脂(A)は、主鎖もしくは分岐部の分子鎖の両末端に反応性ケイ素基を有する重合体であるのが好ましい。かかる重合体は、1分子中に、好ましくは1.0個以上3.0個以下、より好ましくは1.0個以上2.5個以下、さらに好ましくは1.0個以上2.0個以下、さらにより好ましくは1.1個以上2.0個以下、特に好ましくは1.2個以上2.0個以下の反応性ケイ素基を有する。
基材樹脂(A)が、主鎖もしくは分岐部の分子鎖の両末端に反応性ケイ素基を有する重合体のみからなる場合、得られる吸音材のアセトンゲル分率が高い傾向がある。アセトンゲル分率が高いことは、吸音材の有機溶剤耐性が高いことを意味する。吸音材のアセトンゲル分離が高いと、例えば、吸音材を、有機溶剤を含む接着剤を用いて、吸音材を室内に施工したり音響機器等に取り付けたりする場合に、吸音材の溶剤による劣化(溶剤可溶分の溶出)が生じにくい。
基材樹脂(A)100重量部における、分子鎖の両末端に反応性ケイ素基を有する重合体の含有量は、65重量部以上95重量部以下が好ましい。基材樹脂(A)100重量部における、分子鎖の片末端のみに反応性ケイ素基を有する重合体の含有量は、5重量部以上35重量部以下が好ましい。
−SiR1 3−aXa (1)
(R1は、それぞれ独立に炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数6以上20以下のアリール基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、又は、−OSi(R’)3(R’は、それぞれ独立に炭素原子数1以上20以下の炭化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立にヒドロキシ基又は加水分解性基である。さらに、aは1以上3以下の整数である。)
で表される基が挙げられる。
液状樹脂組成物は、化学発泡剤(B)を含む。化学発泡剤(B)としては、樹脂からなる発泡体の製造に用いられる種々の発泡剤を特に制限なく用いることができる。
なお、ブレンステッドの定義による酸性を示す化合物を、「酸性化合物」として定義する。
ここで、酸性化合物が複数のpKaを示す化合物である場合、当該複数のpKaの値のうち、炭酸のpKa1(=6.35)以下の範囲の1つ以上のpKaの値が、全て3.0以下である化合物を、「酸解離定数pKaが3.0以下の酸性化合物(B−2)」として定義する。
具体的には、例えば、サリチル酸は、2.97のpKa1と、13超のpKa2とを示す。従って、サリチル酸では、炭酸のpKa1(=6.35)以下の範囲のpKaの値は、2.97のみである。2.97は、3.0以下の値であるため、サリチル酸は、「酸解離定数pKaが3.0以下の酸性化合物(B−2)」に該当する。
また、pKaは、水中での値である。
かかる化学発泡剤(B)を用いると、基材樹脂(A)の硬化反応(シラノール縮合反応)と併行して、炭酸ガスが発生する。この場合、水素等の可燃性ガスが発生しないため、防火・防爆仕様の設備にすることなく、発泡体を製造することができる。
なお、重炭酸塩又は炭酸塩(B−1)を含む化学発泡剤(B)において、重炭酸塩と、炭酸塩とを組み合わせて用いてもよい。
日常生活において特に騒音として気になる、ピアノの音、小型犬等の甲高い鳴き声、小児等の高音の会話等の、例えば、1800Hz以上2200Hz以下の音成分を特に良好に吸音できることから、化学発泡剤(B)の含有量は、基材樹脂(A)100重量部に対して45重量部以上200重量部であるのも好ましく、50重量部以上90重量部以下であるのがより好ましい。
なお、酸性化合物の1分子中の官能基数は、炭酸のpKa1(=6.35)以下のpKaを示す官能基の数である。つまり、酸性化合物の1分子中の官能基数とは、重炭酸塩又は炭酸塩(B−1)と反応して炭酸ガスを発生させ得る官能基の数である。
水(C)としては、化学発泡剤(B)の発泡反応及び基材樹脂(A)の硬化反応を促進させる働きがある。水(C)の含有量は、基材樹脂(A)100重量部に対して1重量部以上50重量部以下が好ましく、2重量部以上30重量部以下がより好ましく、2重量部以上20重量部以下がさらに好ましい。水(C)の含有量が上記の範囲内であると、十分に発泡させつつ良好に硬化を進行させやすく、微細且つ緻密な発泡セルを有し、柔軟性に優れる発泡体を得やすい。
液状樹脂組成物は、シラノール縮合触媒(D)を含むのが好ましい。シラノール縮合触媒(D)としては、縮合触媒として使用し得るものである限り、特に制限はなく、任意のものを使用し得る。
液状樹脂組成物には、軟質樹脂発泡体の柔軟性や成形加工性を調整する目的で可塑剤、反応性調整剤、染料を添加することができる。
本発明者は、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン系単位からなる重合体である上記の基材樹脂(A)と、化学発泡剤(B)とを含む液状樹脂組成物の発泡硬化物についての、極めて優れる吸音特性を示すという、未知の属性を見出した。
本発明者は、当該未知の属性に基づき、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン系単位からなる重合体である基材樹脂(A)と、化学発泡剤(B)とを含む液状樹脂組成物の発泡硬化物からなる吸音材に関する発明を提供するに至った。
軟質樹脂発泡体からなる吸音材の製造方法は、特に限定はないが、発泡性液状樹脂組成物を型枠に注入してから発泡及び硬化させてもよく、発泡性液状樹脂組成物を硬化させる前、又は、硬化させると同時に発泡させてもよい。具体的には、以下のように製造できる。
なお、基材樹脂(A)、発泡剤(B)及び水(C)の2液以上の3液型液状組成物の組み合わせとすることが好ましく、基材樹脂(A)、及び重炭酸塩又は炭酸塩(B−1)を含むA液と、酸解離定数pKaが3.0以下の酸性化合物(B−2)、及び水(C)を含むB液と、からなる2液型液状樹脂組成物の組み合わせとすることがより好ましい。組成物の組み合わせが当該範囲であると、3液あるいは2液の混合システムを使用すれば、連続生産が可能となる。
硬化及び発泡が完了する時間は特に制約はないが、例えば15分以下、好ましくは12分以下、さらに好ましくは10分以下の放置で発泡硬化物が得られる。
液状樹脂組成物の混合条件は、−10℃以上40℃以下の雰囲気下であることが好ましく、0℃以上37℃以下がより好ましい。混合条件が当該範囲であると人による現場発泡が長時間実施できる。
水溶性物質を含む発泡硬化物を水洗すると、吸音材から予め、水溶性物質を除去できるため、吸音材が水と接触する場合の吸音材の変質を抑制することができる。
また、水溶性物質が吸音材から溶出することにより、発泡剤(B)の発泡に由来する細孔とは、孔径の異なる細孔が吸音材に形成される。その結果として、吸音材が最も吸収しやすい音の周波数を調整し得る。
例えば、炭酸水素ナトリウムと、サリチル酸とを含む液状樹脂組成物を発泡及び硬化させて得られる、サリチル酸ナトリウムを含む多孔体前駆硬化物を水洗して多孔体を製造する場合、多孔体が最も吸収しやすい音の周波数領域を、1500〜2000Hz程度から、700〜1000Hz程度の低周波数側にシフトさせることができる。
これらの方法の中では、容易であることや、効率よく水溶性物質を水に溶解させやすいことから、発泡硬化物を水に浸漬させる方法が好ましい。
乾燥の温度及び時間の条件は、液状組成物に由来するか、硬化反応により副生する水、アルコール等を所望する程度まで低減できればよく、特に制約はないが、例えば約80℃雰囲気下で約1時間であればよい。また、乾燥の温度及び時間の条件は、例えば約60℃雰囲気下で約12時間であってもよい。これによれば、工場において作業終了時に纏めて乾燥を開始すると、翌日の作業開始時にちょうど乾燥が終了することとなる。
軟質樹脂発泡体からなる吸音材は、良好な吸音特性を示すため、従来より種々の吸音材が適用されている種々の物品の製造に好適に用いることができる。
前述の通り、上記の吸音材は、日常生活における騒音を良好に吸収できる。このため、前述の吸音材を備える建築物、及び前述の吸音材を備える車両は、吸音材を備える物品として好ましい。
実施例、及び図面により詳細に後述するように、前述の吸音材は、800Hz以下の周波数領域において、ポリウレタンフォームのような周知の発泡体よりも良好な吸音特性を示す。
また、前述するように、発泡硬化物を水洗して得られる吸音材は、最も吸収しやすい音の周波数が、700〜1000Hz程度にシフトする。
このため、発泡硬化物を水洗して得られる発泡体は、空気入りタイヤ用の吸音材として特に好ましく用いることができる。
また、かかる断面の形状は、空気入りタイヤの内面側が平滑であり、空気入りタイヤの内面側の面と反対の面(空気入りタイヤの回転中心側の面)の側に1以上の突出部(好ましくは2又は3の突出部)を有する形状が挙げられる。
なお、特に断りがない場合、実施例及び比較例での「部」及び「%」は、「重量部」及び「重量%」を示す。
<ポリマーA>
分子量約3,000のポリオキシプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量が16,400(送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSK−GEL Hタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量)の水酸基末端ポリオキシプロピレンを得た。続いてこの水酸基末端ポリオキシプロピレンの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに1.5倍当量の3−クロロ−1−プロペンを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。次に得られたアリル基末端ポリオキシプロピレン重合体100重量部に対して白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロピルアルコール溶液)36ppmを加え撹拌しながら、トリエトキシシラン3.3重量部をゆっくりと滴下し、90℃で2時間反応させた。さらにメタノール30重量部、HCl12ppmを添加して末端のエトキシ基をメトキシ基に変換した後、過剰のメタノールを除去することにより、末端にトリメトキシシリル基を有する分岐状の反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピレンを得た。
<ポリマーB>
分子量約3,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量が28,500(送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSK−GEL Hタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量)の水酸基末端ポリオキシプロピレンを得た。続いてこの水酸基末端ポリオキシプロピレンの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに1.5倍当量の3−クロロ−1−プロペンを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。次に得られたアリル基末端ポリオキシプロピレン重合体100重量部に対して白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロピルアルコール溶液)36ppmを加え撹拌しながら、トリエトキシシラン1.2重量部をゆっくりと滴下し、90℃で2時間反応させた。さらにメタノール30重量部、HCl12ppmを添加して末端のエトキシ基をメトキシ基に変換した後、過剰のメタノールを除去することにより、末端にトリメトキシシリル基を有する直鎖状の反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピレンを得た。
<ポリマーC>
ブタノールを開始剤として使用し、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量7,000のポリオキシプロピレンを得た。続いてこの水酸基末端ポリオキシプロピレンの水酸基1当量に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加し、メタノールを留去した後、さらに1.5当量の3−クロロ−1−プロペンを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。次に得られたアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対して白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)36重量ppmを加え撹拌しながら、ジメトキシメチルシラン1.72重量部をゆっくりと滴下した。その混合溶液を90℃で2時間反応させることにより、末端がジメトキシメチルシリル基である直鎖状のポリオキシプロピレンを得た。
基材樹脂(A)[ポリマーA]100重量部、化学発泡剤(B−1)[炭酸水素ナトリウム:永和化成工業(株)製、FE−507]27重量部(0.32mol)、及び黒色顔料[旭カーボン(株)製、アサヒサーマル]5重量部を添加し、十分に混合してA液を作製した。化学発泡剤(B−2)[サリチル酸(pKa:2.97):キシダ化学(株)製1級サリチル酸]37重量部(0.27mol)、水(C)12重量部、シラノール縮合触媒(D)[2−エチルアシッドホスフェート(城北化学工業(株)製、酸性リン酸エステル、JP−502)]10重量部、及び整泡剤[東レ・ダウコーニング(株)製、SRX−298]2重量部を添加し、十分に混合してB液を作製した。
得られたA液及びB液をA液:B液=2:1の重量比率で、室温(23℃雰囲気)下で約15分間混合して発泡させ、発泡硬化物を得た(発泡成形工程)。
得られた発泡硬化物を、90℃雰囲気下で約12時間乾燥して軟質樹脂発泡体からなる吸音材を得た(乾燥工程)。
発泡は、乾燥後の発泡硬化物の密度が76kg/m3となるまで行った。
また、吸音材(発泡硬化物)の密度は、直径10cm×厚さ2.5cmの円盤形状の発泡硬化物の試料を作成し、試料の重量を測定して求めた。
なお、吸音材の作成は、2液型ディスペンサ(ツインフローVR50(トミタエンジニアリング(株)製))を用いて、以下の条件で行った。
ダイナミックミキサー:75cc4段、1700rpm
スタティックミキサー:24エレメント、先端吐出径8mm
吐出速度:1ショット/2.4秒
基材樹脂(A)[ポリマーB]80重量部、基材樹脂(A)[ポリマーC]20重量部:化学発泡剤(B)[炭酸水素ナトリウム:永和化成工業(株)製、FE−507]7.5重量部(0.09mol)、化学発泡剤(B)[クエン酸(無水、pKa:3超):磐田化学工業(株)製]7.5重量部(0.12mol)、潤滑剤[ジメチルポリシロキサン:信越化学工業(株)製、KF−96−100cs]5重量部、及びシラノール縮合触媒(D)[2−エチルヘキシルアッシドホスフェート:大八化学(株)製、AP−8]0.5重量部を混合して、液状樹脂組成物を得た。
得られた液状樹脂組成物を型枠に注入し、100℃に設定したオーブンで90分加熱硬化し、軟質樹脂発泡体からなる吸音材を得た。
得られた吸音材の密度は249kg/m3であった。
また、吸音材の密度は、直径10cm×厚さ2.5cmの円盤形状の発泡硬化物を作成し、その重量を測定して求めた。
実施例1で得られた吸音材と、実施例2で得られた吸音材と、比較例1の吸音材(ポリウレタンフォーム(ソノーライズ(株)製、ウレタンスポンジ吸音材ZS))、及び比較例2の吸音材(グラスウール(パーテーションウールGW32、旭ファイバーグラス(株)製))とを用いて、JIS A 1405−2に準拠して、20℃、及び0℃においてA管と、B管とを用いて吸音率を測定した。発泡体の吸音材はスキン層をすべてカットした状態である。
A管又はB管を用いた20℃での吸音率の測定結果を、図1及び図2に示す。また、A管又はB管を用いた0℃での吸音率の測定結果を、図3及び図4に示す。
実施例1で得られた吸音材を、吸音材の体積の2倍の体積の水に3日間浸漬させた後、乾燥させて、水洗処理された吸音材を得た。
水洗処理された実施例3の吸音材の20℃での吸音特性(吸音率)を、実施例1で得られた吸音材と同様に評価した。A管又はB管を用いた20℃での吸音率の測定結果を、図1及び図2に示す。
その結果、実施例1で得られた吸音材が最もよく吸収する音の周波数の領域が1500〜2000Hz程度であったのに対して、実施例3の吸音材が最もよく吸収する音の周波数の領域が、700〜1000Hz程度の低周波数側にシフトしていた。
なお、実施例3の吸音材の、周波数800Hz付近の吸音率は、従来使用されている吸音材であるポリウレタンフォームやグラスウールよりも格段に高かった。
Claims (19)
- 軟質樹脂発泡体を吸音材として用いる吸音方法であって、
前記軟質樹脂発泡体は、基材樹脂(A)と化学発泡剤(B)とを含む液状樹脂組成物の発泡硬化物からなり、
前記基材樹脂(A)は、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基を分子鎖中に少なくとも1個有し、オキシアルキレン系単位からなる主鎖を有する重合体である、吸音方法。 - 吸音対象の音が、周波数800Hz以上2300Hz以下の範囲内の成分を含む、請求項1に記載の吸音方法。
- 前記軟質樹脂発泡体の密度が、200kg/m3以下である、請求項1又は2に記載の吸音方法。
- 前記軟質樹脂発泡体の−20℃以上50℃以下の温度範囲における引張粘弾性のtanδが0.1以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸音方法。
- 前記液状樹脂組成物が、前記基材樹脂(A)100重量部と、前記化学発泡剤(B)2重量部以上200重量部以下と、水(C)1重量部以上50重量部以下を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸音方法。
- 軟質樹脂発泡体からなる吸音材であって、
前記軟質樹脂発泡体は、基材樹脂(A)と化学発泡剤(B)とを含む液状樹脂組成物の発泡硬化物であり、
前記基材樹脂(A)は、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基を分子鎖中に少なくとも1個有し、オキシアルキレン系単位からなる主鎖を有する重合体である、吸音材。 - 周波数800Hz以上2300Hz以下の範囲内の成分を含む音の吸収に用いられる、請求項6に記載の吸音材。
- 厚さ25mmの資料を用いて、JIS A 1405−2に準拠して、20℃においてA管を用いて測定される、周波数800Hzにおける吸音率が30%以上である、請求項6又は7に記載の吸音材。
- 厚さ25mmの資料を用いて、JIS A 1405−2に準拠して、20℃においてA管を用いて測定される、周波数1600Hzにおける吸音率が70%以上である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の吸音材。
- 密度が、200kg/m3以下である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の吸音材。
- 密度が、150kg/m3以下である、請求項10に記載の吸音材。
- −20℃以上50℃以下の温度範囲における引張粘弾性のtanδが0.1以上である、請求項6〜11のいずれか1項に記載の吸音材。
- 前記基材樹脂(A)が、主鎖もしくは分岐部の分子鎖の両末端に前記反応性ケイ素基を有する重合体である、請求項6〜12のいずれか1項に記載の吸音材。
- 前記液状樹脂組成物が、前記基材樹脂(A)100重量部と、前記化学発泡剤(B)2重量部以上200重量部以下と、水(C)1重量部以上50重量部以下を含む、請求項6〜13のいずれか1項に記載の吸音材。
- 前記液状樹脂組成物における、前記化学発泡剤(B)の量が45重量部以上200重量部以下である、請求項14に記載の吸音材。
- 前記化学発泡剤(B)が、重炭酸塩又は炭酸塩(B−1)と酸解離定数pKaが3.0以下の酸性化合物(B−2)である、請求項6〜15のいずれか1項に記載の吸音材。
- 請求項6〜16のいずれか1項に記載の吸音材の製造方法であって、
前記液状樹脂組成物を発泡及び硬化させて前記発泡硬化物を得る発泡成形工程を含む、吸音材の製造方法。 - 請求項6〜16のいずれか1項に記載の吸音材を備える、建築物。
- 請求項6〜16のいずれか1項に記載の吸音材を備える、車両。
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