JP2019182883A - 発泡体形成用の液状樹脂組成物の製造方法、発泡体の製造方法、及び発泡体 - Google Patents
発泡体形成用の液状樹脂組成物の製造方法、発泡体の製造方法、及び発泡体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】臭気の問題が生じにくい発泡体を与える液状樹脂組成物の製造方法と、当該製造方法により製造される液状樹脂組成物と、前述の製造方法による製造される液状樹脂組成物を発泡及び硬化させる発泡体の製造方法と、臭気の問題が生じにくい発泡体とを提供すること。【解決手段】ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基を分子鎖中に少なくとも1個有し、オキシアルキレン系単位からなる主鎖を有する重合体である基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物を製造する際に、酸化防止剤(E)を100℃以下の温度条件において、融液又は溶液の状態で液状樹脂組成物に配合する。【選択図】なし
Description
本発明は、発泡体形成用の液状樹脂組成物の製造方法と、前述の製造方法により得られる液状樹脂組成物を用いる発泡体の製造方法と、臭気の問題が生じにくい発泡体とに関する。
高分子化合物の発泡体としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂を用いた発泡体がよく知られている。このような発泡体は、その断熱性、軽量性、緩衝性等の特性を活かし、例えば、ビーズ、シート、又はボードのような形態で、土木建築分野、包装分野、家電分野、自動車分野等に利用されている。
また、熱硬化性樹脂を用いた発泡体として、変性シリコーン樹脂を用いた発泡体が知られている。具体的には、加水分解性基を有するケイ素基を有し、主鎖がオキシアルキレン系単位からなる重合体である基材樹脂(A)と、シラノール縮合触媒(B)と、重炭酸塩等を含む化学発泡剤(C)とを含有する液状樹脂組成物を加熱により硬化させた発泡体が知られている(特許文献1を参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の発泡体について、発泡体から臭気が生じる場合がある問題がある。臭気の問題は、発泡体が高温環境下で使用される場合に顕著である。この臭気の問題の一因としては、発泡体がその構造に基づいて広い比表面積を有することが挙げられる。例えば、特許文献1に記載の発泡体を構成する材料と同一の又は類似する材料からなり、細孔構造を有さないブロック状やシート状の硬化物については、臭気の問題は生じにくい。
本発明は上記の課題に鑑みなされたものであって、臭気の問題が生じにくい発泡体を与える液状樹脂組成物の製造方法と、当該製造方法により製造される液状樹脂組成物と、前述の製造方法による製造される液状樹脂組成物を発泡及び硬化させる発泡体の製造方法と、臭気の問題が生じにくい発泡体とを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に関して鋭意検討を行った結果、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基を分子鎖中に少なくとも1個有し、オキシアルキレン系単位からなる主鎖を有する重合体である基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物を製造する際に、酸化防止剤(E)を100℃以下の温度条件において、融液又は溶液の状態で液状樹脂組成物に配合することにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成を有するものである。
1)基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物の製造方法であって、
酸化防止剤(E)を、100℃以下の温度条件において、融液又は溶液の状態で液状樹脂組成物に配合することを含み、
基材樹脂(A)が、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基を分子鎖中に少なくとも1個有し、オキシアルキレン系単位からなる主鎖を有する重合体である、製造方法。
2)60℃以下の温度条件で、酸化防止剤(E)の液状樹脂組成物への配合が行われる、1)に記載の液状樹脂組成物の製造方法。
3)液状樹脂組成物が、シラノール縮合触媒(B)を含む、1)又は2)に記載の液状樹脂組成物の製造方法。
4)液状樹脂組成物が、化学発泡剤(C)と、水(D)とを含む、1)〜3)のいずれか1つに記載の液状樹脂組成物の製造方法。
5)液状樹脂組成物が、基材樹脂(A)100重量部と、シラノール縮合触媒(B)0重量部以上100重量部以下と、化学発泡剤(C)2重量部以上200重量部以下と、水(D)1重量部以上50重量部以下とを含む、4)に記載の液状樹脂組成物の製造方法。
6)酸化防止剤(E)が、融液として液状樹脂組成物に配合される、1)〜5)のいずれか1つの記載の液状樹脂組成物の製造方法。
7)1)〜6)のいずれか1つに記載の方法により製造される、液状樹脂組成物。
8)基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物を発泡及び硬化させた発泡体の製造方法であって、
1)〜6)のいずれか1つに記載の方法により、液状樹脂組成物を調製することと、
液状樹脂組成物を、発泡及び硬化させることと、
を含む、発泡体の製造方法。
9)基材樹脂(A)が、オキシプロピレン単位からなる主鎖を有する重合体であり、
発泡体の試料0.3gを、容量20mLのバイアルに入れ、40℃15分の条件での加熱下に捕集された500mLの発生ガスについて、ガスクロマトグラフ/質量分析による分析を行った場合に、m/z=101.0に相当するフラグメントイオンに由来するピークが検出されない、8)に記載の発泡体の製造方法。
10)基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物を発泡及び硬化させた発泡体であって、
液状樹脂組成物が、1)〜6)のいずれか1つに記載の方法により調製されている、発泡体。
11)基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物を発泡及び硬化させた発泡体であって、
基材樹脂(A)が、オキシプロピレン単位からなる主鎖を有する重合体であり、
発泡体の試料0.3gを、容量20mLのバイアルに入れ、40℃15分の条件での加熱下に捕集された500mLの発生ガスについて、ガスクロマトグラフ/質量分析による分析を行った場合に、m/z=101.0に相当するフラグメントイオンに由来するピークが検出されない、発泡体。
1)基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物の製造方法であって、
酸化防止剤(E)を、100℃以下の温度条件において、融液又は溶液の状態で液状樹脂組成物に配合することを含み、
基材樹脂(A)が、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基を分子鎖中に少なくとも1個有し、オキシアルキレン系単位からなる主鎖を有する重合体である、製造方法。
2)60℃以下の温度条件で、酸化防止剤(E)の液状樹脂組成物への配合が行われる、1)に記載の液状樹脂組成物の製造方法。
3)液状樹脂組成物が、シラノール縮合触媒(B)を含む、1)又は2)に記載の液状樹脂組成物の製造方法。
4)液状樹脂組成物が、化学発泡剤(C)と、水(D)とを含む、1)〜3)のいずれか1つに記載の液状樹脂組成物の製造方法。
5)液状樹脂組成物が、基材樹脂(A)100重量部と、シラノール縮合触媒(B)0重量部以上100重量部以下と、化学発泡剤(C)2重量部以上200重量部以下と、水(D)1重量部以上50重量部以下とを含む、4)に記載の液状樹脂組成物の製造方法。
6)酸化防止剤(E)が、融液として液状樹脂組成物に配合される、1)〜5)のいずれか1つの記載の液状樹脂組成物の製造方法。
7)1)〜6)のいずれか1つに記載の方法により製造される、液状樹脂組成物。
8)基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物を発泡及び硬化させた発泡体の製造方法であって、
1)〜6)のいずれか1つに記載の方法により、液状樹脂組成物を調製することと、
液状樹脂組成物を、発泡及び硬化させることと、
を含む、発泡体の製造方法。
9)基材樹脂(A)が、オキシプロピレン単位からなる主鎖を有する重合体であり、
発泡体の試料0.3gを、容量20mLのバイアルに入れ、40℃15分の条件での加熱下に捕集された500mLの発生ガスについて、ガスクロマトグラフ/質量分析による分析を行った場合に、m/z=101.0に相当するフラグメントイオンに由来するピークが検出されない、8)に記載の発泡体の製造方法。
10)基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物を発泡及び硬化させた発泡体であって、
液状樹脂組成物が、1)〜6)のいずれか1つに記載の方法により調製されている、発泡体。
11)基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物を発泡及び硬化させた発泡体であって、
基材樹脂(A)が、オキシプロピレン単位からなる主鎖を有する重合体であり、
発泡体の試料0.3gを、容量20mLのバイアルに入れ、40℃15分の条件での加熱下に捕集された500mLの発生ガスについて、ガスクロマトグラフ/質量分析による分析を行った場合に、m/z=101.0に相当するフラグメントイオンに由来するピークが検出されない、発泡体。
本発明によれば、臭気の問題が生じにくい発泡体を与える液状樹脂組成物の製造方法と、当該製造方法により製造される液状樹脂組成物と、前述の製造方法による製造される液状樹脂組成物を発泡及び硬化させる発泡体の製造方法と、臭気の問題が生じにくい発泡体とを提供することができる。
≪液状樹脂組成物の製造方法≫
液状樹脂組成物の製造方法は、基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物の製造方法である。
液状樹脂組成物の製造方法は、酸化防止剤(E)を、100℃以下の温度条件において、融液又は溶液の状態で液状樹脂組成物に配合することを含む。
基材樹脂(A)は、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基を分子鎖中に少なくとも1個有し、オキシアルキレン系単位からなる主鎖を有する重合体である。
このようにして、酸化防止剤(E)が液状樹脂組成物に配合されることにより、液状樹脂組成物を調製する際の、基材樹脂(A)等におけるなんらかの副反応による臭気物質の生成が抑制される。
液状樹脂組成物の製造方法は、基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物の製造方法である。
液状樹脂組成物の製造方法は、酸化防止剤(E)を、100℃以下の温度条件において、融液又は溶液の状態で液状樹脂組成物に配合することを含む。
基材樹脂(A)は、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基を分子鎖中に少なくとも1個有し、オキシアルキレン系単位からなる主鎖を有する重合体である。
このようにして、酸化防止剤(E)が液状樹脂組成物に配合されることにより、液状樹脂組成物を調製する際の、基材樹脂(A)等におけるなんらかの副反応による臭気物質の生成が抑制される。
本発明者が、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基を分子鎖中に少なくとも1個有し、オキシアルキレン系単位からなる主鎖を有する重合体である基材樹脂(A)を主体とする発泡体における臭気の問題を解消すべく鋭意検討したところ、臭気の一因が、基材樹脂(A)の酸化による熱分解であることが、見出された。
ここで、一般的に、酸化防止剤(E)はブリードし難いように融点は100℃を超える高融点である場合が多い。このため、従来は、粉体状の酸化防止剤(E)をそのまま液状樹脂組成物に添加した後に、粉体状の酸化防止剤を液状樹脂組成物中に均一に混合する方法や、酸化防止剤(E)を粉体状で液状樹脂組成物に添加した後に、液状樹脂組成物を酸化防止剤(E)の融点以上の高温に加熱して、液状樹脂組成物中に酸化防止剤(E)を混合する方法等により、液状樹脂組成物への酸化防止剤(E)の添加が行なわれていた。
しかし、粉体状の酸化防止剤(E)をそのまま液状樹脂組成物に添加した後に、粉体状の酸化防止剤を液状樹脂組成物中に均一に混合する方法では、酸化防止剤の分散ムラの発生が不可避であることから、十分な酸化防止効果を得にくく、結果として、発泡体における臭気の問題を抑制しにくかった。
また、酸化防止剤(E)を粉体状で液状樹脂組成物に添加した後に、液状樹脂組成物を酸化防止剤(E)の融点以上に加熱して、液状樹脂組成物中に酸化防止剤(E)を混合する方法でも、発泡体が使用される場合の臭気の問題を抑制しにくかった。
これは、酸化防止剤(E)を混合する際に、液状樹脂組成物が100℃超の高温に加熱される過程において、撹拌で未溶解の酸化防止剤(E)が釜の壁面等に付着すると、釜を開けて掻き落す作業が必要となり、この作業時に基材樹脂(A)が酸素及び高温にさらされることで臭気原因物質が発生することによると推察される。加熱温度をさらに高くすると、オキシアルキレン構造の結合自体が熱分解しやすい状態となる。
また、酸化防止剤(E)を粉体状で液状樹脂組成物に添加した後に、液状樹脂組成物を酸化防止剤(E)の融点以上に加熱して、液状樹脂組成物中に酸化防止剤(E)を混合する方法でも、発泡体が使用される場合の臭気の問題を抑制しにくかった。
これは、酸化防止剤(E)を混合する際に、液状樹脂組成物が100℃超の高温に加熱される過程において、撹拌で未溶解の酸化防止剤(E)が釜の壁面等に付着すると、釜を開けて掻き落す作業が必要となり、この作業時に基材樹脂(A)が酸素及び高温にさらされることで臭気原因物質が発生することによると推察される。加熱温度をさらに高くすると、オキシアルキレン構造の結合自体が熱分解しやすい状態となる。
対して、上記の液状樹脂組成物の製造方法は、酸化防止剤(E)が、100℃以下の温度条件において、融液又は溶液の状態で液状樹脂組成物に配合される。
この方法によれば、融液又は溶液である液状の酸化防止剤(E)を用いているため、添加温度が100℃以下であっても、液状樹脂組成物中に酸化防止剤(E)を速やか且つ均一に分散させることができる。このため、発泡体が高温にさらされた場合の酸化による臭気物質の生成を効果的に抑制することができる。
また、酸化防止剤(E)の添加温度が100℃以下、好ましくは60℃以下の低い温度であるため、液状樹脂組成物に酸化防止剤(E)を配合する際の、基材樹脂(A)の酸化による臭気物質の生成を効果的に抑制することができる。
この方法によれば、融液又は溶液である液状の酸化防止剤(E)を用いているため、添加温度が100℃以下であっても、液状樹脂組成物中に酸化防止剤(E)を速やか且つ均一に分散させることができる。このため、発泡体が高温にさらされた場合の酸化による臭気物質の生成を効果的に抑制することができる。
また、酸化防止剤(E)の添加温度が100℃以下、好ましくは60℃以下の低い温度であるため、液状樹脂組成物に酸化防止剤(E)を配合する際の、基材樹脂(A)の酸化による臭気物質の生成を効果的に抑制することができる。
酸化防止剤(E)を溶液として用いる場合、酸化防止剤(E)を溶解させるための溶媒としては、水であっても、有機溶剤であっても、有機溶剤の水溶液であってもよい。酸化防止剤(E)の溶解性の点から、溶媒としては有機溶剤が好ましい。
溶媒の種類は特に限定されない。過度に加熱することなく液状樹脂組成物又は発泡体から溶媒を除去しやすいことから、大気圧下での沸点が100℃以下である溶媒が好ましく、大気圧下での沸点が80℃以下である溶媒がより好ましい。
低沸点の溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、及びヘキサン等が挙げられる。
また、酸化防止剤(E)の溶液は、酸化防止剤(E)を添加する温度において固体状である酸化防止剤(E)を用いて調製されても、酸化防止剤(E)を添加する温度において液体状である酸化防止剤(E)を用いて調製されてもよい。
酸化防止剤(E)を溶液として用いる場合、当該溶液における酸化防止剤(E)の濃度は特に限定されない。酸化防止剤(E)の溶液における酸化防止剤(E)の濃度は、典型的には、5質量%以上90質量%以下が好ましく、10質量%以上80質量%以下がより好ましく、20質量%以上70質量%以下が特に好ましい。
溶媒の種類は特に限定されない。過度に加熱することなく液状樹脂組成物又は発泡体から溶媒を除去しやすいことから、大気圧下での沸点が100℃以下である溶媒が好ましく、大気圧下での沸点が80℃以下である溶媒がより好ましい。
低沸点の溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、及びヘキサン等が挙げられる。
また、酸化防止剤(E)の溶液は、酸化防止剤(E)を添加する温度において固体状である酸化防止剤(E)を用いて調製されても、酸化防止剤(E)を添加する温度において液体状である酸化防止剤(E)を用いて調製されてもよい。
酸化防止剤(E)を溶液として用いる場合、当該溶液における酸化防止剤(E)の濃度は特に限定されない。酸化防止剤(E)の溶液における酸化防止剤(E)の濃度は、典型的には、5質量%以上90質量%以下が好ましく、10質量%以上80質量%以下がより好ましく、20質量%以上70質量%以下が特に好ましい。
液状樹脂組成物に対して、酸化防止剤(E)は、融液として配合されても、溶液として配合されてもよい。液状樹脂組成物、又は発泡体から溶媒を除去する必要がないため、酸化防止剤(E)は、融液として用いられるのが好ましい。
酸化防止剤(E)は、100℃以下、好ましくは60℃以下において、液状樹脂組成物に配合される。このため、酸化防止剤(E)の融点は、100℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。
酸化防止剤(E)の融液は、1種類の酸化防止剤(E)からなる融液であっても、2種以上の酸化防止剤(E)からなる融液であってもよい。2種以上の酸化防止剤(E)を混合して用いる場合、凝固点降下により低温で融液を調製しやすいメリットがある。
このため、2種以上の酸化防止剤(E)の混合物としての融点が100℃以下であれば、2種以上の酸化防止剤(E)の1部として、融点が100℃超の酸化防止剤を用いることができる。
酸化防止剤(E)は、100℃以下、好ましくは60℃以下において、液状樹脂組成物に配合される。このため、酸化防止剤(E)の融点は、100℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。
酸化防止剤(E)の融液は、1種類の酸化防止剤(E)からなる融液であっても、2種以上の酸化防止剤(E)からなる融液であってもよい。2種以上の酸化防止剤(E)を混合して用いる場合、凝固点降下により低温で融液を調製しやすいメリットがある。
このため、2種以上の酸化防止剤(E)の混合物としての融点が100℃以下であれば、2種以上の酸化防止剤(E)の1部として、融点が100℃超の酸化防止剤を用いることができる。
液状樹脂組成物は、2液以上の多液型の組成物である場合がある。酸化防止剤(E)の使用目的が、基材樹脂(A)の酸化の防止であるため、液状樹脂組成物が多液型の組成物である場合、酸化防止剤(A)は、2以上の液のうちの基材樹脂(A)が含まれる液に対して配合される。
液状樹脂組成物に酸化防止剤(E)を配合する方法は、液状樹脂組成物中に酸化防止剤(E)を均一に分散させることが可能である限り特に限定されない。酸化防止剤(E)の配合は、周知の種々の混合装置を用いて行うことが可能である。混合装置は、所望する混合温度に温度を制御できる、温度制御機能を有する装置であるのが好ましい。
以下、発泡体の製造に用いられる液状樹脂組成物に含まれ得る、必須又は任意の成分について説明する。
<基材樹脂(A)>
基材樹脂は(A)は、分子鎖中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる、シラノール縮合触媒によって硬化する成分である。基材樹脂は(A)は、分子鎖中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を有するため、シラノール縮合反応が起こって架橋し、高分子状態となり、硬化する。基材樹脂(A)に含まれる反応性ケイ素基の数は、シラノール縮合触媒によって縮合反応するという点から、少なくとも1個必要である。硬化性、柔軟性の点からは、基材樹脂(A)は、主鎖もしくは分岐部の分子鎖の両末端に反応性ケイ素基を有する重合体であるのが好ましい。かかる重合体は、分子鎖中に好ましくは1.0個以上2.0個以下、より好ましくは1.1個以上2.0個以下、特に好ましくは1.2個以上2.0個以下の反応性ケイ素基を有する。
基材樹脂(A)が、主鎖もしくは分岐部の分子鎖の両末端に反応性ケイ素基を有する重合体のみからなる場合、得られる発泡体のアセトンゲル分率が高い傾向がある。アセトンゲル分率が高いことは、発泡体の有機溶剤耐性が高いことを意味する。発泡体のアセトンゲル分離が高いと、例えば、発泡体を、有機溶剤を含む接着剤を用いて、種々の建築物に施工したり種々の機器に取り付けたりする場合に、発泡体の溶剤による劣化(溶剤可溶分の溶出)が生じにくい。
基材樹脂は(A)は、分子鎖中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる、シラノール縮合触媒によって硬化する成分である。基材樹脂は(A)は、分子鎖中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を有するため、シラノール縮合反応が起こって架橋し、高分子状態となり、硬化する。基材樹脂(A)に含まれる反応性ケイ素基の数は、シラノール縮合触媒によって縮合反応するという点から、少なくとも1個必要である。硬化性、柔軟性の点からは、基材樹脂(A)は、主鎖もしくは分岐部の分子鎖の両末端に反応性ケイ素基を有する重合体であるのが好ましい。かかる重合体は、分子鎖中に好ましくは1.0個以上2.0個以下、より好ましくは1.1個以上2.0個以下、特に好ましくは1.2個以上2.0個以下の反応性ケイ素基を有する。
基材樹脂(A)が、主鎖もしくは分岐部の分子鎖の両末端に反応性ケイ素基を有する重合体のみからなる場合、得られる発泡体のアセトンゲル分率が高い傾向がある。アセトンゲル分率が高いことは、発泡体の有機溶剤耐性が高いことを意味する。発泡体のアセトンゲル分離が高いと、例えば、発泡体を、有機溶剤を含む接着剤を用いて、種々の建築物に施工したり種々の機器に取り付けたりする場合に、発泡体の溶剤による劣化(溶剤可溶分の溶出)が生じにくい。
また、基材樹脂(A)は、主鎖もしくは分岐部の分子鎖の両末端に反応性ケイ素基を有する重合体とともに、分子鎖の片末端のみに反応性ケイ素基を有する重合体を含んでいてもよい。分子鎖の片末端のみに反応性ケイ素基を有する重合体は、1分子中に平均して、好ましくは1.0個以下、より好ましくは0.3個以上1.0個以下、さらに好ましくは0.4個以上1.0個以下、特に好ましくは0.5個以上1.0個以下の反応性ケイ素基を有する。
基材樹脂(A)100重量部における、分子鎖の両末端に反応性ケイ素基を有する重合体の含有量は、65重量部以上95重量部以下が好ましい。基材樹脂(A)100重量部における、分子鎖の片末端のみに反応性ケイ素基を有する重合体の含有量は、5重量部以上35重量部以下が好ましい。
基材樹脂(A)100重量部における、分子鎖の両末端に反応性ケイ素基を有する重合体の含有量は、65重量部以上95重量部以下が好ましい。基材樹脂(A)100重量部における、分子鎖の片末端のみに反応性ケイ素基を有する重合体の含有量は、5重量部以上35重量部以下が好ましい。
基材樹脂(A)中に含有される反応性ケイ素基は、ケイ素原子に結合したヒドロキシ基又は加水分解性基を有し、シラノール縮合触媒によって加速される反応によりシロキサン結合を形成することにより架橋しうる基である。反応性ケイ素基としては、一般式(1):
−SiR1 3−aXa (1)
(R1は、それぞれ独立に炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数6以上20以下のアリール基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、又は、−OSi(R’)3(R’は、それぞれ独立に炭素原子数1以上20以下の炭化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立にヒドロキシ基又は加水分解性基である。さらに、aは1以上3以下の整数である)
で表される基が挙げられる。
−SiR1 3−aXa (1)
(R1は、それぞれ独立に炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数6以上20以下のアリール基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、又は、−OSi(R’)3(R’は、それぞれ独立に炭素原子数1以上20以下の炭化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立にヒドロキシ基又は加水分解性基である。さらに、aは1以上3以下の整数である)
で表される基が挙げられる。
加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、及び、アルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。
加水分解性基やヒドロキシ基は、1個のケイ素原子に1個以上3個以下の範囲で結合することができる。加水分解性基やヒドロキシ基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同じであってもよいし、異なってもよい。
上記一般式(1)におけるaは、硬化性の点から3であることが好ましく、2液が混合することにより硬化と発泡が同時の進行するためには3であることが好ましい。
また上記一般式(1)におけるR1の具体例としては、例えばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、R’がメチル基、フェニル基等である−OSi(R’)3で示されるトリオルガノシロキシ基、クロロメチル基、メトキシメチル基等が挙げられる。これらの中ではメチル基が特に好ましい。
反応性ケイ素基のより具体的な例示としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基が挙げられる。活性が高く良好な硬化性が得られることから、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基が好ましく、トリメトキシシリル基がより好ましい。
基材樹脂(A)の構造としては、直鎖状であっても、分岐構造を有していても構わないが、分岐であるほうが硬化性の観点から好ましい。
基材樹脂(A)の分子量は、粘度及び反応性のバランスの点から、数平均分子量Mnとして3000以上が好ましく、10000以上がより好ましい。数平均分子量Mnの上限値には特に限定は無いが、100000以下が好ましく、50000以下がより好ましく、30000以下がさらに好ましい。また、基材樹脂(A)は、2種類以上の組み合わせでもよい。また、その際、主剤として用いる重合体以外の重合体は、粘度及び架橋構造の調整を目的とする場合は、上記条件以外のものでもよい。
基材樹脂(A)は、主鎖を構成する繰返し単位がオキシアルキレン系単位であるため、主鎖を形成する出発物質として活性水素を2個以上有する化合物を重合させることにより製造されることができる。例えば、基材樹脂(A)は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノール化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール等を用い、C2〜C4のアルキレンオキシドを重合させることにより製造することができる。また、オキシアルキレンをポリイソシアネート化合物で変性することができる。
基材樹脂(A)の末端反応性ケイ素基については、水酸基末端のオキシアルキレンをイソシアネートシラン化合物で末端変性することができ、別の方法としては水酸基末端をアリル化後にアルコキシシランによるヒドロシリル化を行うこともできる。さらに、ポリイソシアネート変性品の末端をイソシアネート基とした場合は、活性水素を有するアミノシラン等で末端変性することができる。
基材樹脂(A)の主鎖の具体例としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシドから選ばれる2種以上のランダム又はブロック共重合体、等が挙げられる。低温での柔軟性の点から、主鎖の繰返し単位は、ポリプロピレンオキシドであることがより好ましい。つまり、基材樹脂(A)は、オキシプロピレン単位からなる主鎖を有する重合体であるのが好ましい。
<シラノール縮合触媒(B)>
液状樹脂組成物は、シラノール縮合触媒(B)を含むのが好ましい。シラノール縮合触媒(B)としては、縮合触媒として使用し得るものである限り、特に制限はなく、任意のものを使用し得る。
液状樹脂組成物は、シラノール縮合触媒(B)を含むのが好ましい。シラノール縮合触媒(B)としては、縮合触媒として使用し得るものである限り、特に制限はなく、任意のものを使用し得る。
シラノール縮合触媒(B)の具体例としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート等のジアルキル錫ジカルボキシレート類、例えば、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド等のジアルキル錫アルコキサイド類、例えば、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジエチルアセトアセテート等のジアルキル錫の分子内配位性誘導体類、例えば、ジブチル錫オキサイドやジオクチル錫オキサイド等のジアルキル錫オキサイドと例えば、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、メチルマレエート等のエステル化合物との反応物、ジアルキル錫オキサイド、カルボン酸及びアルコール化合物を反応させて得られる錫化合物、例えば、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジオクチル錫ビストリエトキシシリケート等のジアルキル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、及びこれらジアルキル錫化合物のオキシ誘導体(スタノキサン化合物)等の4価の錫化合物類;例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫、フェルザチック酸錫等の2価の錫化合物類、あるいはこれらと後述のラウリルアミン等のアミン系化合物との反応物及び混合物;例えば、モノブチル錫トリスオクトエートやモノブチル錫トリイソプロポキシド等のモノブチル錫化合物やモノオクチル錫化合物等のモノアルキル錫類;例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、イソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のチタン酸エステル類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジ−イソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;カルボン酸ビスマス、カルボン酸鉄、カルボン酸チタニウム、カルボン酸鉛、カルボン酸バナジウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸カルシウム、カルボン酸カリウム、カルボン酸バリウム、カルボン酸マンガン、カルボン酸セリウム、カルボン酸ニッケル、カルボン酸コバルト、カルボン酸亜鉛、カルボン酸アルミニウム等のカルボン酸(2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、オレイン酸、ナフテン酸等)金属塩、あるいはこれらと後述のラウリルアミン等のアミン系化合物との反応物及び混合物;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトナート、ジブトキシジルコニウムジアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン等の脂肪族第二アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミン等の脂肪族不飽和アミン類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類;及び、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれらのアミン系化合物のカルボン酸等との塩;ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応物あるいは混合物のようなアミン系化合物と有機錫化合物との反応物及び混合物;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール縮合触媒、さらにはフェルザチック酸等の脂肪酸や有機酸性リン酸エステル化合物等他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示できる。
酸性触媒の有機酸性リン酸エステル化合物としては、(CH3O)2−P(=O)(−OH)、(CH3O)−P(=O)(−OH)2、(C2H5O)2−P(=O)(−OH)、(C2H5O)−P(=O)(−OH)2、(C3H7O)2−P(=O)(−OH)、(C3H7O)−P(=O)(−OH)2、(C4H9O)2−P(=O)(−OH)、(C4H9O)−P(=O)(−OH)2、(C8H17O)2−P(=O)(−OH)、(C8H17O)−P(=O)(−OH)2、(C10H21O)2−P(=O)(−OH)、(C10H21O)−P(=O)(−OH)2、(C13H27O)2−P(=O)(−OH)、(C13H27O)−P(=O)(−OH)2、(C16H33O)2−P(=O)(−OH)、(C16H33O)−P(=O)(−OH)2、(HO−C6H12O)2−P(=O)(−OH)、(HO−C6H12O)−P(=O)(−OH)2、(HO−C8H16O)−P(=O)(−OH)、(HO−C8H16O)−P(=O)(−OH)2、[(CH2OH)(CHOH)O]2−P(=O)(−OH)、[(CH2OH)(CHOH)O]−P(=O)(−OH)2、[(CH2OH)(CHOH)C2H4O]2−P(=O)(−OH)、[(CH2OH)(CHOH)C2H4O]−P(=O)(−OH)2等が挙げられるが、例示物質に限定されるものではない。
発泡反応と硬化反応をバランス良く進行させるという観点から、上記に挙げられるシラノール縮合触媒(B)の中でも、硬化が早く反応性の高い有機酸性リン酸エステル化合物等の酸性触媒が特に好ましい。
シラノール縮合触媒(B)の含有量は、基材樹脂(A)100重量部に対して0重量部以上100重量部以下が好ましく、0重量部以上90重量部以下がより好ましく、0.1重量部以上80重量部以下がさらに好ましい。シラノール縮合触媒(B)の含有量が80重量部よりも多いと、得られた発泡体が圧縮により底付きする場合がある。
<化学発泡剤(C)>
液状樹脂組成物は、化学発泡剤(C)を含むのが好ましい。化学発泡剤(C)としては、樹脂からなる発泡体の製造に用いられる種々の発泡剤を特に制限なく用いることができる。
液状樹脂組成物は、化学発泡剤(C)を含むのが好ましい。化学発泡剤(C)としては、樹脂からなる発泡体の製造に用いられる種々の発泡剤を特に制限なく用いることができる。
なお、液状樹脂組成物が化学発泡剤(C)を含まない場合。物理発泡剤を用いて、液状樹脂組成物を発泡させることができる。物理発泡剤としては、液状樹脂組成物を発泡させることが可能である限り、特に限定されない。物理発泡剤としては、例えば、ポリウレタン、フェノール、ポリスチレン、ポリオレフィン等の有機発泡体の製造に用いられる、種々の物理発泡剤を採用することができる。
物理発泡剤としては、例えば、発泡性、及び作業性と安全性の観点から、沸点100℃以下の化合物が好ましく、沸点50℃以下の化合物がより好ましい。具体的には、炭化水素、フロン、塩化アルキル、及びエーテル等の有機化合物や、二酸化炭素、窒素、及び空気等の無機化合物が挙げられる。物理発泡剤としては、環境適合性の観点から、炭化水素、エーテル、二酸化炭素、窒素、及び空気からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
炭化水素の好適な例としては、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタンクロブタン、シクロペンタン、及びシクロヘキサン等が挙げられる。
エーテル類の好適な例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、及び1,1−ジメチルプロピルメチルエーテル等が挙げられる。
炭化水素の好適な例としては、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタンクロブタン、シクロペンタン、及びシクロヘキサン等が挙げられる。
エーテル類の好適な例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、及び1,1−ジメチルプロピルメチルエーテル等が挙げられる。
化学発泡剤(C)としては、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)と酸性化合物とからなる化学発泡剤(C)が好ましい。特に、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)と酸解離定数pKaが3.0以下の酸性化合物(C−2)とからなる化学発泡剤(C)が好ましい。
なお、ブレンステッドの定義による酸性を示す化合物を、「酸性化合物」として定義する。
ここで、酸性化合物が複数のpKaを示す化合物である場合、当該複数のpKaの値のうち、炭酸のpKa1(=6.35)以下の範囲の1つ以上のpKaの値が、全て3.0以下である化合物を、「酸解離定数pKaが3.0以下の酸性化合物(C−2)」として定義する。
具体的には、例えば、サリチル酸は、2.97のpKa1と、13超のpKa2とを示す。従って、サリチル酸では、炭酸のpKa1(=6.35)以下の範囲のpKaの値は、2.97のみである。2.97は、3.0以下の値であるため、サリチル酸は、「酸解離定数pKaが3.0以下の酸性化合物(C−2)」に該当する。
また、pKaは、水中での値である。
かかる化学発泡剤(C)を用いると、基材樹脂(A)の硬化反応(シラノール縮合反応)と併行して、炭酸ガスが発生する。この場合、水素等の可燃性ガスが発生しないため、防火・防爆仕様の設備にすることなく、発泡体を製造することができる。
なお、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)を含む化学発泡剤(C)において、重炭酸塩と、炭酸塩とを組み合わせて用いてもよい。
なお、ブレンステッドの定義による酸性を示す化合物を、「酸性化合物」として定義する。
ここで、酸性化合物が複数のpKaを示す化合物である場合、当該複数のpKaの値のうち、炭酸のpKa1(=6.35)以下の範囲の1つ以上のpKaの値が、全て3.0以下である化合物を、「酸解離定数pKaが3.0以下の酸性化合物(C−2)」として定義する。
具体的には、例えば、サリチル酸は、2.97のpKa1と、13超のpKa2とを示す。従って、サリチル酸では、炭酸のpKa1(=6.35)以下の範囲のpKaの値は、2.97のみである。2.97は、3.0以下の値であるため、サリチル酸は、「酸解離定数pKaが3.0以下の酸性化合物(C−2)」に該当する。
また、pKaは、水中での値である。
かかる化学発泡剤(C)を用いると、基材樹脂(A)の硬化反応(シラノール縮合反応)と併行して、炭酸ガスが発生する。この場合、水素等の可燃性ガスが発生しないため、防火・防爆仕様の設備にすることなく、発泡体を製造することができる。
なお、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)を含む化学発泡剤(C)において、重炭酸塩と、炭酸塩とを組み合わせて用いてもよい。
重炭酸塩の好ましい具体例としては炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素アンモニウムが挙げられる。炭酸塩の好ましい具体例としては炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛等が挙げられる。
炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)は、20℃における水に対する溶解度が2g/100g以下である難溶性の炭酸塩又は重炭酸塩を含むものが好ましい。以下、前述の所定の範囲内の20℃における水に対する溶解度を示す炭酸塩及び重炭酸塩について、総称として「難溶性炭酸塩」とも記す。難溶性炭酸塩の20℃における水に対する溶解度は、1.5g/100g以下が好ましく、1.0g/100g以下がより好ましく、0.5g/100gがさらに好ましく、0.2g/100g以下が特に好ましい。
難溶性炭酸塩の20℃における水に対する溶解度は、例えば、0.0001g/100g以上が好ましく、0.0005g/100g以上がより好ましく、0.001g/100g以上がさらに好ましく、0.002g/100g以上が特に好ましい。
液状樹脂組成物が、化学発泡剤(C)として難溶性炭酸塩を含むことにより、液状樹脂組成物の急速な発泡が抑制される一方で、発泡体の連続製造に適した時間で液状樹脂組成物の発泡及び硬化が進行する。なお、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)としては、2種以上を組み合わせて用いることができる。また、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)として、それぞれ上記の所定の水への溶解性を満たす、炭酸塩と、重炭酸塩とを組み合わせて用いることができる。
難溶性炭酸塩の20℃における水に対する溶解度は、例えば、0.0001g/100g以上が好ましく、0.0005g/100g以上がより好ましく、0.001g/100g以上がさらに好ましく、0.002g/100g以上が特に好ましい。
液状樹脂組成物が、化学発泡剤(C)として難溶性炭酸塩を含むことにより、液状樹脂組成物の急速な発泡が抑制される一方で、発泡体の連続製造に適した時間で液状樹脂組成物の発泡及び硬化が進行する。なお、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)としては、2種以上を組み合わせて用いることができる。また、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)として、それぞれ上記の所定の水への溶解性を満たす、炭酸塩と、重炭酸塩とを組み合わせて用いることができる。
液状樹脂組成物において、前述の難溶性炭酸塩と、水とが反応することにより、炭酸ガスの発生による発泡が生じる。
ここで、化学発泡剤(C)が、炭酸水素ナトリウム等の水に易溶な炭酸塩である場合、液状樹脂組成物を用いて発泡体を製造する際に、急速な発泡が生じてしまう。例えば、型枠内等でバッチ式で発泡を行う場合、急速な発泡は必ずしも問題にならない。しかし、発泡体を連続生産する場合、液状樹脂組成物が急速に発泡すると、液状樹脂組成物の形状を発泡体製品の形状に合わせた適切な形状とすることが困難である。
このため、炭酸水素ナトリウム等の水に易溶な炭酸塩を単独で化学発泡剤として用いる場合には、所望する均一な発泡セルの発泡体製品を連続して製造することが難しい。
ここで、化学発泡剤(C)が、炭酸水素ナトリウム等の水に易溶な炭酸塩である場合、液状樹脂組成物を用いて発泡体を製造する際に、急速な発泡が生じてしまう。例えば、型枠内等でバッチ式で発泡を行う場合、急速な発泡は必ずしも問題にならない。しかし、発泡体を連続生産する場合、液状樹脂組成物が急速に発泡すると、液状樹脂組成物の形状を発泡体製品の形状に合わせた適切な形状とすることが困難である。
このため、炭酸水素ナトリウム等の水に易溶な炭酸塩を単独で化学発泡剤として用いる場合には、所望する均一な発泡セルの発泡体製品を連続して製造することが難しい。
しかし、液状樹脂組成物が、上記の難溶性炭酸塩を化学発泡剤(C)として含有する場合、難溶性炭酸塩が水に対して溶解しにくいことによって、炭酸ガスの発生が徐々に進行し、液状樹脂組成物の急速な発泡が抑制される。
このため、化学発泡剤(C)として難溶性炭酸塩を含む液状樹脂組成物を用いる場合、液状樹脂組成物の形状が所定の形状になり、且つ均一な発泡セルを形成できるまでの十分な時間を確保でき、発泡体の安定した連続製造が容易である。
このため、化学発泡剤(C)として難溶性炭酸塩を含む液状樹脂組成物を用いる場合、液状樹脂組成物の形状が所定の形状になり、且つ均一な発泡セルを形成できるまでの十分な時間を確保でき、発泡体の安定した連続製造が容易である。
難溶性炭酸塩としては、上記の範囲内の水に対する溶解度を有する炭酸塩又は重炭酸塩であれば特に限定されない。難溶性炭酸塩について、炭酸イオン又は重炭酸イオンに対するカウンターイオンは、有機カチオンであっても無機カチオンであってもよい。入手が容易で安価である点からは、難溶性炭酸塩が、炭酸イオン又は重炭酸イオンと無機カチオンとからなる塩であるのが好ましい。水への溶解度の低さの点から、難溶性炭酸塩としては、炭酸イオンと無機カチオンとからなる塩、つまり、無機炭酸塩が好ましい。
無機カチオンとしては、金属カチオンであっても、非金属カチオンであってもよい。難溶性炭酸塩の入手が容易であることや、難溶性炭酸塩の水に対する溶解度が低い傾向があることから、無機カチオンとしては金属カチオンが好ましい。
以上より、難溶性炭酸塩としては、炭酸金属塩が好ましい。
無機カチオンとしては、金属カチオンであっても、非金属カチオンであってもよい。難溶性炭酸塩の入手が容易であることや、難溶性炭酸塩の水に対する溶解度が低い傾向があることから、無機カチオンとしては金属カチオンが好ましい。
以上より、難溶性炭酸塩としては、炭酸金属塩が好ましい。
難溶性炭酸塩が炭酸金属塩である場合、炭酸金属塩に含まれる好ましい金属元素としては、Li、Be、Na、Mg、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sr、Y、Cd、Ba、及びPb等が挙げられる。これらの中では、炭酸金属塩の取り扱いが容易である点から、Mg、Ca、Fe、Zn、Rb、Sr、及びYが好ましい。
炭酸金属塩が上記の好ましい金属元素を含む場合、炭酸金属塩の20℃での水への溶解度は以下の通りである。
炭酸リチウム:1.3g/100g
炭酸べリリウム:0.2g/100g
炭酸マグネシウム:1.0g/100g
炭酸カルシウム:0.2g/100g
炭酸マンガン(II):0.1g/100g未満
炭酸鉄(II):0.1g/100g未満
炭酸コバルト(II):0.1g/100g未満
炭酸ニッケル(II):0.1g/100g未満
炭酸銅(II):0.1g/100g未満
炭酸亜鉛:0.1g/100g未満
炭酸ストロンチウム:0.1g/100g未満
炭酸イットリウム(III):0.1g/100g未満
炭酸カドミウム:0.1g/100g未満
炭酸バリウム:0.1g/100g未満
炭酸鉛(II):0.1g/100g未満
炭酸金属塩が上記の好ましい金属元素を含む場合、炭酸金属塩の20℃での水への溶解度は以下の通りである。
炭酸リチウム:1.3g/100g
炭酸べリリウム:0.2g/100g
炭酸マグネシウム:1.0g/100g
炭酸カルシウム:0.2g/100g
炭酸マンガン(II):0.1g/100g未満
炭酸鉄(II):0.1g/100g未満
炭酸コバルト(II):0.1g/100g未満
炭酸ニッケル(II):0.1g/100g未満
炭酸銅(II):0.1g/100g未満
炭酸亜鉛:0.1g/100g未満
炭酸ストロンチウム:0.1g/100g未満
炭酸イットリウム(III):0.1g/100g未満
炭酸カドミウム:0.1g/100g未満
炭酸バリウム:0.1g/100g未満
炭酸鉛(II):0.1g/100g未満
また、発泡反応後に発泡体中に残存する、炭酸金属塩に由来する成分が、発泡体から溶出しにくい点から、炭酸金属塩に含まれる金属元素の標準酸化還元電位が、−2.90V以上0.80V以下であるのが好ましい。
例えば、前述の炭酸金属塩に含まれる好ましい金属元素について標準酸化還元電位は以下の通りである。
Li:−3.05V
Ba:−2.90V
Sr:−2.89V
Ca:−2.87V
Na:−2.71V
Mg:−2.37V
Y:−2.37V
Be:−1.85V
Mn:−1.18V
Zn:−0.76V
Fe:−0.44V
Cd:−0.44V
Co:−0.28V
Ni:−0.25V
Pb:−0.13V
Cu:0.34V
例えば、前述の炭酸金属塩に含まれる好ましい金属元素について標準酸化還元電位は以下の通りである。
Li:−3.05V
Ba:−2.90V
Sr:−2.89V
Ca:−2.87V
Na:−2.71V
Mg:−2.37V
Y:−2.37V
Be:−1.85V
Mn:−1.18V
Zn:−0.76V
Fe:−0.44V
Cd:−0.44V
Co:−0.28V
Ni:−0.25V
Pb:−0.13V
Cu:0.34V
以上説明した難溶性炭酸塩としては、入手が容易である点、炭酸金属塩の取り扱いが容易である点、発泡反応後に発泡体中に残存する、炭酸金属塩に由来する成分が発泡体から溶出しにくい点等から、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸亜鉛、炭酸イットリウム、及び炭酸ビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。発泡反応後に残存する、炭酸金属塩に由来する成分としては、カルボン酸金属等がある。
化学発泡剤(C)が難溶性炭酸塩を含む場合、化学発泡剤(C)における難溶性炭酸塩の量は、難溶性炭酸塩の重量と、難溶性炭酸塩以外の炭酸塩の重量と、難溶性炭酸塩以外の重炭酸塩の重量との合計に対して、50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましく、100重量%であるのが特に好ましい。
酸解離定数pKaが3.0以下の酸性化合物(C−2)としては、有機酸が好ましい。有機酸としては、カルボン酸あるいはスルホン酸が好ましく、例えば、サリチル酸、塩素化酢酸、フッ素化酢酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。これらの中でもサリチル酸が特に好ましい。pKaが3.0以下の酸性化合物を選定することにより配合中のpHが低くなり、硬化反応(シラノール縮合反応)及び炭酸ガス発生反応が進行しやすくなる。これらのうち、基材樹脂(A)の硬化反応(シラノール縮合反応)が適切に進行するpH領域で炭酸ガスが発生することが好ましいことから、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の炭酸塩又は重炭酸塩と前述の有機酸の混合物が好ましく、炭酸水素ナトリウムとサリチル酸の混合物が特に好ましい。
化学発泡剤(C)の含有量は、基材樹脂(A)100重量部に対して2重量部以上200重量部以下が好ましく、5重量部以上150重量部以下がさらに好ましい。また、化学発泡剤(C)の含有量の上限は、基材樹脂(A)100重量部に対して、100重量部以下であってもよく、70重量部以下であってもよく、50重量部以下であってもよい。
化学発泡剤(C)としての炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)の含有量は、基材樹脂(A)100重量部に対して、1重量部以上100重量部以下が好ましく、1重量部以上80重量部以下がより好ましく、2重量部以上70重量部以下が特に好ましい。
化学発泡剤(C)としての酸性化合物(特に酸性化合物(B−2))の含有量は、基材樹脂(A)100重量部に対して、1重量部以上100重量部以下が好ましく、1重量部以上90重量部以下がより好ましく、3重量部以上80重量部以下が特に好ましい。
化学発泡剤(C)としての炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)の含有量は、基材樹脂(A)100重量部に対して、1重量部以上100重量部以下が好ましく、1重量部以上80重量部以下がより好ましく、2重量部以上70重量部以下が特に好ましい。
化学発泡剤(C)としての酸性化合物(特に酸性化合物(B−2))の含有量は、基材樹脂(A)100重量部に対して、1重量部以上100重量部以下が好ましく、1重量部以上90重量部以下がより好ましく、3重量部以上80重量部以下が特に好ましい。
化学発泡剤(C)の含有量が上記の範囲内であると、十分に発泡させつつ良好に硬化を進行させやすく、微細且つ緻密な発泡セルを有し、柔軟性に優れる発泡体を得やすい。
炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)と有機酸との当量比は、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)/有機酸として1/1以上3/1以下であることが好ましく、1/1以上2/1以下であることがより好ましい。炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)の官能基数が有機酸の官能基数より少ないと、有機酸が残存して湿気による錆発生の原因となる場合がある。
なお、酸性化合物の1分子中の官能基数は、炭酸のpKa1(=6.35)以下のpKaを示す官能基の数である。つまり、酸性化合物の1分子中の官能基数とは、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)と反応して炭酸ガスを発生させ得る官能基の数である。
なお、酸性化合物の1分子中の官能基数は、炭酸のpKa1(=6.35)以下のpKaを示す官能基の数である。つまり、酸性化合物の1分子中の官能基数とは、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)と反応して炭酸ガスを発生させ得る官能基の数である。
<水(D)>
液状樹脂組成物は、水(D)を含むのが好ましい。水(D)としては、化学発泡剤(C)の発泡反応及び基材樹脂(A)の硬化反応を促進させる働きがある。このため、液状樹脂組成物は、化学発泡剤(C)とともに水(D)を含むのが好ましい。水(D)の含有量は、基材樹脂(A)100重量部に対して1重量部以上50重量部以下が好ましく、2重量部以上30重量部以下がより好ましく、2重量部以上20重量部以下がさらに好ましい。水(D)の含有量が上記の範囲内であると、十分に発泡させつつ良好に硬化を進行させやすく、微細且つ緻密な発泡セルを有し、柔軟性に優れる発泡体を得やすい。
液状樹脂組成物は、水(D)を含むのが好ましい。水(D)としては、化学発泡剤(C)の発泡反応及び基材樹脂(A)の硬化反応を促進させる働きがある。このため、液状樹脂組成物は、化学発泡剤(C)とともに水(D)を含むのが好ましい。水(D)の含有量は、基材樹脂(A)100重量部に対して1重量部以上50重量部以下が好ましく、2重量部以上30重量部以下がより好ましく、2重量部以上20重量部以下がさらに好ましい。水(D)の含有量が上記の範囲内であると、十分に発泡させつつ良好に硬化を進行させやすく、微細且つ緻密な発泡セルを有し、柔軟性に優れる発泡体を得やすい。
<酸化防止剤(E)>
酸化防止剤としては、種々の樹脂材料に適用されている周知の酸化防止剤を特に制限なく用いることができる。具体的には、例えば、大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(第235頁〜第242頁)等に記載された種々の酸化防止剤を用いることできる。
酸化防止剤としては、チオエーテル系の酸化防止剤、リン系酸化防止剤、及びヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。これらの中では、酸化防止効果に優れる点等からヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
酸化防止剤としては、種々の樹脂材料に適用されている周知の酸化防止剤を特に制限なく用いることができる。具体的には、例えば、大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(第235頁〜第242頁)等に記載された種々の酸化防止剤を用いることできる。
酸化防止剤としては、チオエーテル系の酸化防止剤、リン系酸化防止剤、及びヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。これらの中では、酸化防止効果に優れる点等からヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
好ましい酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(ノクラック200(大内新興化学工業(株)製)、融点69〜72℃)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール(ノクラックM−17(大内新興化学工業(株)製)、融点43〜47℃)、モノ(又は、ジ、又は、トリ)(αメチルベンジル)フェノール(ノクラックSP(大内新興化学工業(株)製)、25℃で液体)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(ノクラックNS−5(大内新興化学工業(株)製)、融点115℃以上)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(ノクラックNS−6(大内新興化学工業(株)製)、融点120℃以上)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(ノクラックNS−30(大内新興化学工業(株)製)、融点208℃以上)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール(ノクラック300(大内新興化学工業(株)製)、融点155℃以上)、6,6’−チオビス(2−tert−ブチル−4−メチルフェノール)(Irganox 1081(BASF社製)、融点166〜168℃)、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン(ノクラックNS−7(大内新興化学工業(株)製)、融点200℃以上)、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン(融点179℃)、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox 245又はIrganox 245FF(BASF社製)、融点79〜81℃)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox 249又はIrganox 259(BASF社製)、融展104〜108℃)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(Irganox 565(BASF社製)、融点91〜96℃)、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox 1010又はIrganox 1010FF(BASF社製)、アデカスタブ AO60((株)ADEKA製)、融点115℃以上)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox 1035(BASF社製)、融点78℃)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(Irganox 1076、Irganox 1076FD、又はIrganox 1906(BASF社製)、アデカスタブ AO50又はアデカスタブAO50F((株)ADEKA製)、融点50〜55℃)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(Irganox 1098(BASF社製)、融点150℃以上)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルエステル(Irganox 1222(BASF社製)、融点122℃)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(Irganox 330(BASF社製)、アデカスタブAO330((株)ADEKA製)、融点248〜250℃)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム(Irganox 1425、又はIrganox 1425WL(BASF社製)、融点260℃超)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(Irganox 3114(BASF社製)、アデカスタブAO20(株)ADEKA製)、融点218〜220℃)、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]o−クレゾール(Irganox 1520、又はIrganox 1520L(BASF社製)、融点14℃)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン(Irganox 1024(BASF社製)、融点225〜227℃)、及びトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(Irgafos 168(BASF社製)、融点181〜184℃)等が挙げられる。
上記の他に、アクリレート基とフェノール基とを有するモノアクリレートフェノール系酸化防止剤も酸化防止剤(E)として好ましい。
モノアクリレートフェノール系酸化防止剤の具体例としては、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(商品名スミライザーGM(融点130℃以上))、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート(商品名スミライザーGS(融点115℃以上))等が例示される。
モノアクリレートフェノール系酸化防止剤の具体例としては、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(商品名スミライザーGM(融点130℃以上))、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート(商品名スミライザーGS(融点115℃以上))等が例示される。
酸化防止剤(E)の添加量としては、それぞれ、基材樹脂(A)100重量部に対して、0.01重量部以上5重量部以下が好ましく、0.1重量部以上3重量部以下がより好ましく、0.3重量部以上2.0重量部以下がさらに好ましい。
かかる範囲内の量の酸化防止剤(E)を用いる場合、液状樹脂組成物を用いて形成される発泡体の機械的性質を損なうことなく、良好な臭気の低減効果を得やすい。
かかる範囲内の量の酸化防止剤(E)を用いる場合、液状樹脂組成物を用いて形成される発泡体の機械的性質を損なうことなく、良好な臭気の低減効果を得やすい。
<その他添加剤>
液状樹脂組成物には、軟質樹脂発泡体の柔軟性や成形加工性を調整する目的で可塑剤、反応性調整剤、染料を添加することができる。
液状樹脂組成物には、軟質樹脂発泡体の柔軟性や成形加工性を調整する目的で可塑剤、反応性調整剤、染料を添加することができる。
可塑剤としては、オキシアルキレン系単位からなる繰り返し単位から構成される主鎖を有する可塑剤が好ましい。主鎖の具体例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシドから選ばれる2種以上のランダム又はブロック共重合体等が挙げられ、これらは単独で使用してもよく、二種類以上を併用してもよい。これらのうち、基材樹脂(A)との相溶性の点で、ポリプロピレンオキシドが好ましい。また、これらのオキシアルキレンをイソシアネート変性したものも添加することができる。
可塑剤の分子量は、得られる軟質樹脂発泡体の柔軟性や、可塑剤の系外への流出防止の観点から数平均分子量で1000以上であり、3000以上が好ましい。数平均分子量が前述の範囲内であると、熱や圧縮等による可塑剤の経時的な系外への流出を抑制でき、初期の物性を長期に渡り維持しやすく、柔軟性への悪影響が少ない。また、上限値は特に限定は無いが、数平均分子量が高くなりすぎると粘度が高くなり、作業性が悪化するため50000以下が好ましく、30000以下がより好ましい。なお、可塑剤は、軟質樹脂発泡体に柔軟性を付与できるものであれば、直鎖状でも分岐状でも特に限定はない。
可塑剤の添加量は、基材樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは、5重量部以上150重量部以下、より好ましくは10重量部以上120重量部以下、さらに好ましくは20重量部以上100重量部以下である。可塑剤の添加量が前述の範囲内であると、柔軟性や成形加工性を調整しやすく、良好な機械強度を有し、所望する発泡倍率である軟質樹脂発泡体を形成しやすい。可塑剤の製造方法は特に限定なく、公知の製造方法を適用することができ、さらに市販の化合物を用いてもよい。
反応性調整剤は、反応性ケイ素基を有するのが好ましい。反応性調整剤は、メチルシリケート、エチルシリケート等のシリケート化合物であってもよく、反応性ケイ素基を有するビニルモノマーの共重合体であってもよく、チオール等の連鎖移動基を有する反応性ケイ素モノマーを使用した共重合体であってもよい。これらは単独で使用してもよく、二種類以上を併用してもよい。
反応性調整剤の分子量は、得られる軟質樹脂発泡体の硬化及び発泡の観点から数平均分子量で1000以上が好ましく、3000以上がより好ましい。また、上限値は特に限定は無いが、液状樹脂組成物の粘度を作業しやすい範囲内としやすいことから、50000以下が好ましく、30000以下がより好ましい。なお、反応性調整剤は、軟質樹脂発泡体の硬化性を調整できるものであれば、直鎖状でも分岐状でも特に限定はない。
反応性調整剤の添加量は、基材樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは、2重量部以上120重量部以下、より好ましくは5重量部以上80重量部以下、さらに好ましくは10重量部以上50重量部以下である。かかる範囲内の量の反応調整剤を用いると、硬化性を適切な範囲内に調整しやすく、適切な速度で効果を進行させ発泡倍率の高い軟質樹脂発泡体を得やすい。反応性調整剤の製造方法は特に限定なく、公知の製造方法を適用することができ、さらに市販の化合物を用いてもよい。
液状樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限り、耐光性安定剤、紫外線吸収剤、貯蔵安定剤、気泡調整剤、潤滑剤等を必要に応じて添加してもよい。
耐光性安定剤としては、イオウ原子、リン原子、1級アミン、2級アミンを含まないヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。ここで、耐光性安定剤とは、紫外線領域の波長の光を吸収してラジカルの生成を抑制する機能、又は、光吸収により生成したラジカルを捕捉して熱エネルギーに変換し無害化する機能等を有し、光に対する安定性を高める化合物である。
紫外線吸収剤としては、特に限定されるものではないが、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が例示される。ここで、紫外線吸収剤とは、紫外線領域の波長の光を吸収してラジカルの生成を抑制する機能を有する化合物である。
耐光性安定剤、及び紫外線吸収剤の添加量としては、それぞれ、基材樹脂(A)100重量部に対して、0.01重量部以上5重量部以下が好ましく、0.1重量部以上3重量部以下がより好ましく、0.3重量部以上2.0重量部以下がさらに好ましい。耐光性安定剤、紫外線吸収剤の添加量が当該範囲内であると、経時的な表面粘着性の上昇を抑制する効果が得やすい。
貯蔵安定性改良剤の好ましい例としては、例えば、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、チッ素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられる。これらを単独使用、又は2種以上併用してもよい。具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレエート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられる。
液状樹脂組成物には、必要であれば、気泡調整剤を添加してもよい。気泡調整剤の種類には特に限定はなく、通常使用される、例えば、タルク、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、シリカ等の無機固体粉末が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
気泡調整剤の使用量は、基材樹脂(A)100重量部に対して、0.1重量部以上100重量部以下が好ましく、0.5重量部以上50重量部以下がより好ましい。
液状樹脂組成物には、必要であれば、整泡剤を添加してもよい。整泡剤の種類には特に限定はなく、通常使用される、例えば、ポリエーテル変成シリコーンオイル等のシリコーンオイル系化合物、フッ素系化合物等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、ポリプロピレン及びポリエチレン変性シリコーンは少量での整泡力が期待できる場合がある。
整泡剤の使用量は、基材樹脂(A)100重量部に対して、0.2重量部以上30重量部以下が好ましく、0.5重量部以上15重量部以下がより好ましい。
液状樹脂組成物には、必要であれば、中空粒子を添加してもよい。中空粒子の種類には特に限定はなく、通常使用される、例えば、熱可塑性のシェルポリマーの中にシェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性液体を内包し、加熱された揮発性液体がガス状になるとともに、シェルポリマーが軟化して膨張したものが挙げられる。また、膨張する前の中空粒子を添加し、成形時に発泡させることも可能である。
中空粒子の使用量は、基材樹脂(A)100重量部に対して、0.2重量部以上30重量部以下が好ましく、0.5重量部以上15重量部以下がより好ましい。
さらに、基材樹脂(A)、化学発泡剤(B)、水(C)を含んでなる発泡性液状樹脂組成物の相溶性を向上する目的で、潤滑剤を添加することもできる。
潤滑剤を含有することで、発泡性液状樹脂組成物を発泡してなる発泡体の発泡セル内における摩擦や粘着を少なくし、所望の柔軟性を有する発泡体を得ることができる。また、潤滑剤は、基材樹脂(A)間のシラノール縮合反応によって形成される三次元網目構造体に保持されて、発泡体系外へのブリードアウトが抑えられる傾向にあるため、長期間にわたって柔軟性を維持することが可能となる。
潤滑剤としては、液状の潤滑剤が好ましい。液体潤滑剤の具体的な例としてはパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、脂肪酸グリセライド等の動植物油;ポリ−1−デセン、ポリブテン等のアルキル構造を有するオレフィン系潤滑剤;アラルキル構造を有するアルキル芳香族化合物系潤滑剤;ポリアルキレングリコール系潤滑剤;ポリアルキレングリコールエーテル、パーフロロポリエーテル、ポリフェニルエーテル等のエーテル系潤滑剤;脂肪酸エステル、脂肪酸ジエステル、ポリオールエステル、ケイ酸エステル、リン酸エステル等のエステル構造を有するエステル系潤滑剤;ジメチルシリコーン(すなわち、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン)、及びジメチルシリコーンのメチル基の一部をポリエーテル基、フェニル基、アルキル基、アラルキル基、フッ素化アルキル基等で置換したシリコーンオイル等のシリコーン系潤滑剤;クロロフロロカーボン等のフッ素原子含有系潤滑剤等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの潤滑剤の中では、発泡セル内における摩擦係数の低下や分散性、加工性、安全性等の観点から、特にシリコーン系潤滑剤が好ましい。
潤滑剤の添加量は、基材樹脂(A)100重量部に対して、1重量部以上が好ましく、2重量部以上がより好ましく、3重量部以上がさらに好ましい。潤滑剤の添加量の上限値に特に制限はないが、25重量部以下、さらには20重量部以下が好ましい。かかる範囲内の量の潤滑剤を用いると、発泡セル内の摩擦や粘着を抑制しやすく、発泡倍率を高めやすく、潤滑剤の系外へのブリードアウトを抑制しやすく、所望する柔軟性の軟質樹脂発泡体を得やすい。
上記の必須、又は任意の成分を含む液状樹脂組成物は、基材樹脂(A)100重量部と、シラノール縮合触媒(B)0重量部以上100重量部以下と、化学発泡剤(C)2重量部以上200重量部以下と、水(D)1重量部以上50重量部以下とを含む組成物でああるのが好ましい。
化学発泡剤(C)と、水(D)とが共存する環境下では発泡が進行するため、化学発泡剤(C)と、水(D)とを含む液状樹脂組成物は、通常、2液又は3液以上の多液型液状組成物として使用される。混合による液状樹脂組成物の調製が容易であることから、液状樹脂組成物は2液型樹脂組成物であるのが好ましい。
2液型樹脂組成物は、基材樹脂(A)と、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)とを含む第1液と、水(D)を含む第2液とからなるのが好ましい。
また、第2液がシラノール縮合触媒(B)を含むのが好ましい。シラノール縮合触媒(B)を第1液に含有させる場合、基材樹脂(A)間の架橋による硬化が進行する場合があるためである。
さらに、第2液が前述の酸性化合物(C−2)を含むのが好ましい。
また、第2液がシラノール縮合触媒(B)を含むのが好ましい。シラノール縮合触媒(B)を第1液に含有させる場合、基材樹脂(A)間の架橋による硬化が進行する場合があるためである。
さらに、第2液が前述の酸性化合物(C−2)を含むのが好ましい。
以上説明した液状樹脂組成物を、常法に従って、発泡及び硬化させることにより発泡体が得られる。上記の発泡体の用途については特に限定されない。上記の発泡体は、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム等の従来から知られる種々の発泡体が適用され要とにおいて好適に使用することができる。
≪発泡体の製造方法≫
前述の方法により、基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物を調製することと、
液状樹脂組成物を、発泡及び硬化させることと、
を含む方法により、発泡体が製造される。
前述の方法により、基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物を調製することと、
液状樹脂組成物を、発泡及び硬化させることと、
を含む方法により、発泡体が製造される。
発泡体の製造に置いて、液状樹脂組成物を型枠に注入してから発泡及び硬化させてもよく、液状樹脂組成物を硬化させる前、又は、硬化させると同時に発泡させてもよい。具体的には、以下のように製造できる。
具体的には、液状樹脂組成物を型枠に注入する、あるいは、ベルトコンベア上の基材に垂らす等した後、発泡及び硬化させて発泡体を得る(発泡成形工程)。
硬化及び発泡が完了する時間は特に制約はないが、例えば15分以下、好ましくは12分以下、さらに好ましくは10分以下の放置で発泡体が得られる。
液状樹脂組成物の混合条件は、−10℃以上40℃以下の雰囲気下であることが好ましく、0℃以上37℃以下がより好ましい。混合条件が当該範囲であると人による現場発泡が長時間実施できる。
硬化及び発泡が完了する時間は特に制約はないが、例えば15分以下、好ましくは12分以下、さらに好ましくは10分以下の放置で発泡体が得られる。
液状樹脂組成物の混合条件は、−10℃以上40℃以下の雰囲気下であることが好ましく、0℃以上37℃以下がより好ましい。混合条件が当該範囲であると人による現場発泡が長時間実施できる。
次に、得られた発泡体を、必要に応じて乾燥し、発泡体製品が得られる(乾燥工程)。
乾燥の温度及び時間の条件は、液状組成物に由来するか、硬化反応により副生する水、アルコール等を所望する程度まで低減できればよく、特に制約はないが、例えば約80℃雰囲気下で約1時間であればよい。また、乾燥の温度及び時間の条件は、例えば約60℃雰囲気下で約12時間であってもよい。これによれば、工場において作業終了時に纏めて乾燥を開始すると、翌日の作業開始時にちょうど乾燥が終了することとなる。
乾燥の温度及び時間の条件は、液状組成物に由来するか、硬化反応により副生する水、アルコール等を所望する程度まで低減できればよく、特に制約はないが、例えば約80℃雰囲気下で約1時間であればよい。また、乾燥の温度及び時間の条件は、例えば約60℃雰囲気下で約12時間であってもよい。これによれば、工場において作業終了時に纏めて乾燥を開始すると、翌日の作業開始時にちょうど乾燥が終了することとなる。
≪発泡体≫
以上説明した液状樹脂組成物の製造方法に従って製造された液状樹脂組成物を発泡及び硬化させて得られる発泡体は、臭気の問題が生じにくい。
以上説明した液状樹脂組成物の製造方法に従って製造された液状樹脂組成物を発泡及び硬化させて得られる発泡体は、臭気の問題が生じにくい。
特に、基材樹脂(A)が、オキシプロピレン単位からなる主鎖を有する重合体である場合、発泡体の試料0.3gを、容量20mLのバイアルに入れ、40℃15分の条件での加熱下に捕集された500mLの発生ガスについて、ガスクロマトグラフ/質量分析による分析を行った場合に、m/z=101.0に相当するフラグメントイオンに由来するピークが検出されない。
ここで、m/z=101.0に相当するフラグメントイオンを発生される物質が臭気の原因物質である。
ここで、m/z=101.0に相当するフラグメントイオンを発生される物質が臭気の原因物質である。
例えば、炎天下において、航空機、船舶、及び種々の車両(鉄道車両を含む)等の輸送機の外装や、内装はかなり高い温度にさらされる。このため、高温での使用時の臭気の問題が抑制された発泡体は、これらの輸送機における、シート、ヘッドレスト、天井材、ハンドル等の内装部品や、オートバイや自転車等のシート、サドル等に好ましく用いられる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、特に断りがない場合、実施例及び比較例での「部」及び「%」は、「重量部」及び「重量%」を示す。
なお、特に断りがない場合、実施例及び比較例での「部」及び「%」は、「重量部」及び「重量%」を示す。
(合成例1)
<ポリマーA>
分子量約3,000のポリオキシプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量が16,400(送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSK−GEL Hタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量)の水酸基末端ポリオキシプロピレンを得た。続いてこの水酸基末端ポリオキシプロピレンの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに1.5倍当量の3−クロロ−1−プロペンを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。次に得られたアリル基末端ポリオキシプロピレン重合体100重量部に対して白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロピルアルコール溶液)36ppmを加え撹拌しながら、トリエトキシシラン3.3重量部をゆっくりと滴下し、90℃で2時間反応させた。さらにメタノール30重量部、HCl12ppmを添加して末端のエトキシ基をメトキシ基に変換した後、過剰のメタノールを除去することにより、末端にトリメトキシシリル基を有する分岐状の反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピレンを得た。
<ポリマーA>
分子量約3,000のポリオキシプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量が16,400(送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSK−GEL Hタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量)の水酸基末端ポリオキシプロピレンを得た。続いてこの水酸基末端ポリオキシプロピレンの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに1.5倍当量の3−クロロ−1−プロペンを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。次に得られたアリル基末端ポリオキシプロピレン重合体100重量部に対して白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロピルアルコール溶液)36ppmを加え撹拌しながら、トリエトキシシラン3.3重量部をゆっくりと滴下し、90℃で2時間反応させた。さらにメタノール30重量部、HCl12ppmを添加して末端のエトキシ基をメトキシ基に変換した後、過剰のメタノールを除去することにより、末端にトリメトキシシリル基を有する分岐状の反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピレンを得た。
(実施例1)
まず、基材樹脂(A)[ポリマーA]100重量部、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)[炭酸水素ナトリウム:永和化成工業(株)製、FE−507]27重量部、酸化防止剤(E)[BASF社製、Irgastab PUR68(室温で液状)]3重量部、及び黒色顔料[旭カーボン(株)製、アサヒサーマル]5重量部を、2軸ミキサー(BDM2軸50Lミキサー、(株)井上製作所製)を用いて十分に混合してA液を作製した。
まず、基材樹脂(A)[ポリマーA]100重量部、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)[炭酸水素ナトリウム:永和化成工業(株)製、FE−507]27重量部、酸化防止剤(E)[BASF社製、Irgastab PUR68(室温で液状)]3重量部、及び黒色顔料[旭カーボン(株)製、アサヒサーマル]5重量部を、2軸ミキサー(BDM2軸50Lミキサー、(株)井上製作所製)を用いて十分に混合してA液を作製した。
シラノール縮合触媒(B)[2−エチルアシッドホスフェート(城北化学工業(株)製、酸性リン酸エステル、JP−502)]27重量部、化学発泡剤(C−2)[サリチル酸(pKa:2.97):キシダ化学(株)製1級サリチル酸]100重量部、水(D)32.4重量部、及び整泡剤[エボニックジャパン(株)製、テゴスターブB8123]5.4重量部を、2軸ミキサー(BDM2軸50Lミキサー、(株)井上製作所製)を用いて十分に混合してB液を作製した。
得られたA液及びB液をA液:B液=2:1の重量比率で、室温(23℃雰囲気)下で発泡させ、発泡倍率10倍の発泡硬化物を得た(発泡成形工程)。
得られた発泡硬化物を、90℃雰囲気下で約12時間乾燥して軟質樹脂発泡体からなる吸音材を得た(乾燥工程)。
なお、発泡体の作成は、2液型ディスペンサ(ツインフローVR50(トミタエンジニアリング(株)製))を用いて、以下の条件で行った。
ダイナミックミキサー:75cc4段、1700rpm
スタティックミキサー:24エレメント、先端吐出径8mm
吐出速度:1ショット/2.4秒
得られた発泡硬化物を、90℃雰囲気下で約12時間乾燥して軟質樹脂発泡体からなる吸音材を得た(乾燥工程)。
なお、発泡体の作成は、2液型ディスペンサ(ツインフローVR50(トミタエンジニアリング(株)製))を用いて、以下の条件で行った。
ダイナミックミキサー:75cc4段、1700rpm
スタティックミキサー:24エレメント、先端吐出径8mm
吐出速度:1ショット/2.4秒
得られた、発泡体について、熟練したパネラーにより臭気を確認したところ、臭気は感じられなかった。
また、得られた発泡体の試料0.3gを、容量20mLのバイアルに入れ、40℃15分の条件での加熱下に捕集された500mLの発生ガスについて、ガスクロマトグラフ/質量分析による分析を行った結果、m/z=101.0に相当するフラグメントイオンに由来するピークが検出されなかった。
m/z=101.0に相当するフラグメントイオンを発生される物質が臭気の原因物質である。
また、得られた発泡体の試料0.3gを、容量20mLのバイアルに入れ、40℃15分の条件での加熱下に捕集された500mLの発生ガスについて、ガスクロマトグラフ/質量分析による分析を行った結果、m/z=101.0に相当するフラグメントイオンに由来するピークが検出されなかった。
m/z=101.0に相当するフラグメントイオンを発生される物質が臭気の原因物質である。
また、得られた発泡体の10cm×10cm×5cmのサイズの試料について、80℃80時間での重量減少試験を行ったところ、重量減少は確認されなかった。
(比較例1)
基材樹脂(A)[ポリマーA]100重量部、酸化防止剤(E)[BASF社製、Irgacure 1010(融点117℃)]3重量部を、室温において、2軸ミキサー(BDM2軸50Lミキサー、(株)井上製作所製)を用いて混合した。
次いで、窒素パージ条件下で2軸ミキサーを40分かけて110℃まで昇温して酸化防止剤(E)を撹拌・溶融させた後、釜を開けて壁面等に付着した粉を掻き落し、同温度にて40分かけて、基材樹脂(A)と酸化防止剤(E)とを混合した。
混合後、2軸ミキサーを40分かけて室温まで冷却した。基材樹脂(A)と酸化防止剤(E)との混合液に、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)[炭酸水素ナトリウム:永和化成工業(株)製、FE−507]27重量部、及び黒色顔料[旭カーボン(株)製、アサヒサーマル]5重量部を加え、2軸ミキサーを用いて十分に混合してA液を作成した。
基材樹脂(A)[ポリマーA]100重量部、酸化防止剤(E)[BASF社製、Irgacure 1010(融点117℃)]3重量部を、室温において、2軸ミキサー(BDM2軸50Lミキサー、(株)井上製作所製)を用いて混合した。
次いで、窒素パージ条件下で2軸ミキサーを40分かけて110℃まで昇温して酸化防止剤(E)を撹拌・溶融させた後、釜を開けて壁面等に付着した粉を掻き落し、同温度にて40分かけて、基材樹脂(A)と酸化防止剤(E)とを混合した。
混合後、2軸ミキサーを40分かけて室温まで冷却した。基材樹脂(A)と酸化防止剤(E)との混合液に、炭酸塩又は重炭酸塩(C−1)[炭酸水素ナトリウム:永和化成工業(株)製、FE−507]27重量部、及び黒色顔料[旭カーボン(株)製、アサヒサーマル]5重量部を加え、2軸ミキサーを用いて十分に混合してA液を作成した。
得られたA液と、実施例1と同様に調製されたB液とを、A液:B液=2:1の重量比率で、室温(23℃雰囲気)下で発泡させ、発泡倍率10倍の発泡硬化物を得た(発泡成形工程)。
得られた発泡硬化物を、90℃雰囲気下で約12時間乾燥して軟質樹脂発泡体からなる吸音材を得た(乾燥工程)。
得られた発泡硬化物を、90℃雰囲気下で約12時間乾燥して軟質樹脂発泡体からなる吸音材を得た(乾燥工程)。
得られた、発泡体について、熟練したパネラーにより臭気を確認したところ、臭気が感じられなかった。
また、得られた発泡体の試料0.3gを、容量20mLのバイアルに入れ、40℃15分の条件での加熱下に捕集された500mLの発生ガスについて、ガスクロマトグラフ/質量分析による分析を行った結果、m/z=101.0に相当するフラグメントイオンに由来するピークが検出された。
m/z=101.0に相当するフラグメントイオンを発生される物質が臭気の原因物質である。
また、得られた発泡体の試料0.3gを、容量20mLのバイアルに入れ、40℃15分の条件での加熱下に捕集された500mLの発生ガスについて、ガスクロマトグラフ/質量分析による分析を行った結果、m/z=101.0に相当するフラグメントイオンに由来するピークが検出された。
m/z=101.0に相当するフラグメントイオンを発生される物質が臭気の原因物質である。
また、得られた発泡体の10cm×10cm×5cmのサイズの試料について、80℃80時間での重量減少試験を行ったところ、重量減少は確認されなかった。
Claims (11)
- 基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物の製造方法であって、
前記酸化防止剤(E)を、100℃以下の温度条件において、融液又は溶液の状態で前記液状樹脂組成物に配合することを含み、
前記基材樹脂(A)が、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る反応性ケイ素基を分子鎖中に少なくとも1個有し、オキシアルキレン系単位からなる主鎖を有する重合体である、製造方法。 - 60℃以下の温度条件で、前記酸化防止剤(E)の前記液状樹脂組成物への配合が行われる、請求項1に記載の液状樹脂組成物の製造方法。
- 前記液状樹脂組成物が、シラノール縮合触媒(B)を含む、請求項1又は2に記載の液状樹脂組成物の製造方法。
- 液状樹脂組成物が、化学発泡剤(C)と、水(D)とを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物の製造方法。
- 前記液状樹脂組成物が、前記基材樹脂(A)100重量部と、前記シラノール縮合触媒(B)0重量部以上100重量部以下と、前記化学発泡剤(C)2重量部以上200重量部以下と、水(D)1重量部以上50重量部以下とを含む、請求項4に記載の液状樹脂組成物の製造方法。
- 前記酸化防止剤(E)が、融液として前記液状樹脂組成物に配合される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液状樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により製造される、液状樹脂組成物。
- 基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物を発泡及び硬化させた発泡体の製造方法であって、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により、前記液状樹脂組成物を調製することと、
前記液状樹脂組成物を、発泡及び硬化させることと、
を含む、発泡体の製造方法。 - 前記基材樹脂(A)が、オキシプロピレン単位からなる主鎖を有する重合体であり、
前記発泡体の試料0.3gを、容量20mLのバイアルに入れ、40℃15分の条件での加熱下に捕集された500mLの発生ガスについて、ガスクロマトグラフ/質量分析による分析を行った場合に、m/z=101.0に相当するフラグメントイオンに由来するピークが検出されない、請求項8に記載の発泡体の製造方法。 - 基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物を発泡及び硬化させた発泡体であって、
前記液状樹脂組成物が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により調製されている、発泡体。 - 基材樹脂(A)と、酸化防止剤(E)とを含む発泡体形成用の液状樹脂組成物を発泡及び硬化させた発泡体であって、
前記基材樹脂(A)が、オキシプロピレン単位からなる主鎖を有する重合体であり、
前記発泡体の試料0.3gを、容量20mLのバイアルに入れ、40℃15分の条件での加熱下に捕集された500mLの発生ガスについて、ガスクロマトグラフ/質量分析による分析を行った場合に、m/z=101.0に相当するフラグメントイオンに由来するピークが検出されない、発泡体。
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JP2018070424A JP2019182883A (ja) | 2018-03-30 | 2018-03-30 | 発泡体形成用の液状樹脂組成物の製造方法、発泡体の製造方法、及び発泡体 |
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Cited By (2)
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JP2021017600A (ja) * | 2019-07-19 | 2021-02-15 | 日本ゼオン株式会社 | 保存安定性と加工性に優れるアクリルゴムシート |
JP2021017555A (ja) * | 2019-07-19 | 2021-02-15 | 日本ゼオン株式会社 | 保存安定性と加工性に優れるアクリルゴムベール |
-
2018
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JP2021017558A (ja) * | 2019-07-19 | 2021-02-15 | 日本ゼオン株式会社 | 保存安定性と加工性に優れるアクリルゴムシート |
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JP7296328B2 (ja) | 2019-07-19 | 2023-06-22 | 日本ゼオン株式会社 | 保存安定性と加工性に優れるアクリルゴムベール |
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