JP2014504303A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物を雨水や空気中の湿気から守り、かつ、建物の下地材側に溜まった水分を外部に逃がすことができる水蒸気透過性に優れた硬化性組成物を提供すること、更に、施工が容易で可塑剤の硬化物表面への移行や流出が少ない硬化性組成物、および、該硬化性組成物を用いた透湿性液状塗膜防水材を提供すること。
【解決手段】一分子に平均して1個未満の加水分解性ケイ素基を有し、オキシエチレン単位の含有量が5〜80重量%である有機重合体(I)を含有する硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る加水分解性ケイ素基(以下、「反応性ケイ素基」ともいう。)を有する有機重合体を含有する硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、反応性ケイ素基を有する有機重合体を含有する硬化性組成物を用いてなる透湿性の良好な液状塗膜防水材に関する。
建物を雨水や空気中の湿気から守るため、昔から外壁下地や窓/ドア等の開口部へ防水シートを貼り合せる工法が一般的に行われている。
一般的なシートの場合、防水性と防湿性を併せ持つため、シートの下地材側に溜まった水分を、防水シートを通して外部に逃がすことができない。このため、木材や鉄骨の腐食による建物の老朽化やカビ発生による室内空気の汚染によって住人の健康障害が発生することなどが問題となっている。
こうした問題を解決するため、防水性と透湿性を兼ね備えた防水シートが開発されている。透湿防水シートの代表的なものとしては、フラッシュ紡糸された不織布が挙げられる。フラッシュ紡糸された不織布としては、例えば、(特許文献1)に開示されており、また製造法としては(特許文献2)に開示されている。このようにして得られた不織布は適度な孔径を有しており、水を遮断し、空気や水蒸気は通す性質を有する。このような不織布としては、高密度ポリエチレンの3次元網目状繊維を熱圧着したタイベック(Tyvek:Du Pont社製 登録商標)が知られている。本透湿防水シートによって、外部からの水の進入を防ぎ、かつ内部に溜まった水分を水蒸気として外部へ放出することが可能となり、上記問題が解決されることとなる。
しかし、窓/ドア等の開口部周辺は平面でないため、該防水シートのみでは防水層を形成することが難しく、粘着剤付き防水テープで仕上げられることが多い。この場合、粘着剤層がゴム系やアスファルト系から成るため、テープ全体としては透湿性が低下し、一般防水シートと同様な問題が発生してしまう。
また、外壁下地においても、透湿防水シートの重ね合わせ部は釘や粘着テープが使用されるため、長期間の間に釘穴や粘着テープの隙間から水分が内部に浸入してしまうことがある。
こうした開口部周辺や外壁下地防水の問題を解決するため、透湿性を備えた液状塗膜防水材が開発されている(特許文献3)。この場合、防水材層が連続的に形成されるため、粘着剤付防水テープや釘等によって発生する隙間が格段に減少することとなる。これによって、上記建物の老朽化や健康障害といった問題に加え、内部空気漏出低減に伴う省エネルギー化が可能となる。
しかしながら、(特許文献3)等に開示された液状塗膜防水材で使用されている組成物は、ラテックスポリマー(水系エマルジョン)を使用するものであり、低温時または高湿時には塗膜形成に長時間が必要になる為、冬季に施工し難いという問題があった。また、ラテックスポリマー系の塗膜は弾性に乏しいため、長期間の下地の歪に追従できず、ひび割れや破断等が発生したりし、防水性が低下するなどの問題があった。
一方、分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有する有機重合体は、室温においても湿分等による反応性ケイ素基の加水分解反応等を伴うシロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が得られるという性質を有することが知られている。
これらの反応性ケイ素基を有する有機重合体の中でも、主鎖骨格がポリオキシアルキレン系重合体は、(特許文献4)などに開示されており、既に工業的に生産され、シーリング材、接着剤などの用途に広く使用されている。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、比較的低粘度である為に、無溶剤または少量の溶剤添加で、十分な施工性を有する非水系の液状塗膜防水材を設計可能である。更に、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、低温時も実用的硬化性を得ることは可能であり、冬季に施工が可能となる。更に、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、硬化後に良好な弾性を示すゴム状体となるため、下地への十分な追従性が期待できる。
しかしながら、この重合体を含有するこれまでに公知の硬化性組成物を用いた液状塗膜防水材では、防水シートと同様な防水性は得られるものの、透湿性が十分なものはなく、このため上記課題が完全に解決されてはいないのが現状である。本発明では、この液状塗膜防水材の防水性を維持したまま、透湿性を向上させ、なおかつ長期的にその性能を保持することを目的とする。
特公昭42−19520号公報(米国特許第3169899号公報) 特公昭43−21112号公報(米国特許第3532589号公報) 米国公開特許2007/0042196号公報 特開昭55−9669号公報(米国特許第4507469号公報)
本発明は、水蒸気透過性に優れ、低温時施工が可能で、可塑剤の硬化物表面への移行や流出が少ない硬化性組成物、および、該硬化性組成物を用いた液状塗膜防水材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、オキシエチレン単位を有した反応性ケイ素基含有有機重合体を可塑剤成分として用いることで改善ができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)一分子に平均して1個未満の加水分解性ケイ素基を有し、オキシエチレン単位の含有量が5〜80重量%である有機重合体(I)を含有する硬化性組成物、
(2)有機重合体(I)が、オキシエチレン単位を5〜80重量%含有するポリオキシアルキレン系重合体であることを特徴とする(1)記載の硬化性組成物、
(3)有機重合体(I)が1個の活性水素を有する化合物を出発原料として製造されることを特徴とする(1)または(2)記載の硬化性組成物、
(4)有機重合体(I)が出発原料の活性水素を加水分解性ケイ素基に変換して製造されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の硬化性組成物、
(5)有機重合体(I)の数平均分子量が500〜15,000であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の硬化性組成物、
(6)有機重合体(I)がエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の硬化性組成物、
(7)1分子に平均して1個以上の加水分解性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の有機重合体(I)5〜200重量部を含むことを特徴とする硬化性組成物、
(8)有機重合体(II)が、ポリオキシアルキレン系重合体であることを特徴とする(7)記載の硬化性組成物、
(9)有機重合体(II)の主鎖がオキシプロピレン単位からなることを特徴とする(7)または(8)記載の硬化性組成物、
(10)有機重合体(II)の数平均分子量が2,000〜50,000であることを特徴とする(7)〜(9)のいずれか1項に記載の硬化性組成物、
(11)有機重合体(II)が複合金属シアン化物錯体触媒を用いたアルキレンオキシドの開環付加重合で製造されることを特徴とする(7)〜(10)のいずれか1項に記載の硬化性組成物、
(12)有機重合体(II)の主鎖骨格中に、一般式(2):
−NR−C(=O)− (2)
(Rは水素原子または1価の有機基である)で表される基を有することを特徴とする(7)〜(11)のいずれか1項に記載の硬化性組成物、
(13)有機重合体(II)100重量部、有機重合体(I)5〜200重量部、充填材1〜250重量部、アミノ基含有シランカップリング剤0.1〜20重量部、硬化触媒0.01〜10重量部、を含むことを特徴とする(7)〜(12)のいずれか1項に記載の硬化性組成物、
(14)(1)〜(13)のいずれか1項に記載の硬化性組成物からなる塗膜防水材、
に関する。
本液状形防水材の使用により、建物のエネルギー効率向上や耐久性向上、室内空気の汚染防止が可能となる。
以下、本発明について詳しく説明する。
反応性ケイ素基を有する有機重合体(I)、及び/または(II)中に含有される反応性ケイ素基は、ケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し硬化触媒によって触媒される反応によりシロキサン結合を形成することにより架橋しうる基である。代表例としては、
Figure 2014504303
(式中、RおよびRは、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のα−ハロアルキル基またはR’SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、RまたはRが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、bは0、1または2を、それぞれ示す。またm個の
Figure 2014504303
で表される基におけるbは同一である必要はない。mは0〜19の整数を示す。但し、a+(bの和)≧1を満足するものとする。)で表わされる基があげられる。
上記Xで示される加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。
該加水分解性基や水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、a+(bの和)は1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、硬化性の点から2個または3個が好ましい。加水分解性基や水酸基がケイ素原子に2個以上結合する場合には、それらは同じであってもよいし、異なってもよい。ケイ素原子上に3つの水酸基又は加水分解性基を有する反応性ケイ素基は、活性が高く良好な硬化性が得られること、また、得られる硬化物の復元性、耐久性、耐クリープ性に優れることから好ましい。一方、ケイ素原子上に2つの水酸基又は加水分解性基を有する反応性ケイ素基は、貯蔵安定性に優れ、また、得られる硬化物が高伸び、高強度であることから好ましい。
反応性ケイ素基のより詳細な具体例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基、α−クロロメチルジメトキシシリル基、α−クロロメチルジエトキシシリルが挙げられる。
活性の点では、活性が高く良好な硬化性が得られることから、α−クロロメチルジメトキシシリル基、α−クロロメチルジエトキシシリル、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基がより好ましく、トリメトキシシリル基が特に好ましい。
α−クロロメチルジメトキシシリル基、α−クロロメチルジエトキシシリル、トリメトキシシリル基を有する有機重合体を用いたり、α−クロロメチルジメトキシシリル基、α−クロロメチルジエトキシシリル、トリメトキシシリル基を有する有機重合体とジメトキシメチルシリル基を有する有機重合体を併用したりすることにより、硬化速度が速い硬化性組成物を得ることができる。また、同じ有機重合体に両方の基を導入することによっても、硬化速度が大きい硬化性組成物を得ることができる。α−クロロメチルジメトキシシリル基、α−クロロメチルジエトキシシリル、トリメトキシシリル基を有する有機重合体など、反応性が高い有機重合体の使用量や同じ有機重合体中の両方の基の割合などは、所望の硬化物の破断伸びや硬化速度が得られるように適宜定められる。
また、貯蔵安定性の点からはジメトキシメチルシリル基が特に好ましい。また、環境適合性の点では、トリエトキシシリル基およびジエトキシメチルシリル基は、反応性ケイ素基の加水分解反応に伴って生成するアルコールが、エタノールであり、より高い安全性を有することから特に好ましい。
前記反応性ケイ素基を形成するケイ素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結されたケイ素原子の場合には、20個程度あってもよい。なお、
Figure 2014504303
(式中、R、Xは前記と同じ、aは1、2または3の整数)で表わされる反応性ケイ素基が、入手が容易である点から好ましい。また、上記化学式におけるRおよびRの具体例としては、たとえばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、α−クロロメチル基等のα−クロロアルキル基や、R’がメチル基、フェニル基等であるR’SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等があげられる。これらの中では重合体の硬化性と安定性のバランスが良いことからメチル基が好ましく、また硬化物の硬化速度が特に速い点ではα−クロロメチル基が好ましい。それらの中でも、入手の容易性からメチル基が特に好ましい。
反応性ケイ素基の導入は、公知の方法で行うことができる。すなわち、分子中に水酸基、ビニル基などの不飽和基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基を有する有機重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。例えば以下の方法が挙げられる。
(イ)分子中に水酸基等の官能基を有する有機重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物を反応させ、不飽和基を含有する有機重合体を得る。もしくは、不飽和基含有エポキシ化合物との共重合により不飽和基含有有機重合体を得る。ついで、得られた反応生成物に反応性ケイ素基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
例えば、KOHのようなアルカリ金属触媒を用いて得られた水酸基末端ポリオキシアルキレン重合体や亜鉛ヘキサシアノコバルテートなどの複合金属シアン化物錯体触媒を用いて得られた水酸基末端ポリオキシアルキレン重合体をアルコキシド化した後、塩化アリルと反応させアリルオキシ(CH=CHCHO−)基末端ポリオキシアルキレン重合体を製造し、ジメトキシメチルシランなどのシラン化合物を作用させてヒドロシリル化する方法があげられる。また、水酸基末端ポリオキシアルキレン重合体をアルコキシド化した後、塩化メタリルと反応させメタリルオキシ基末端ポリオキシアルキレン重合体を製造し、ジメトキシメチルシランなどのシラン化合物を作用させてヒドロシリル化することもできる。メタリルオキシ(CH=C(CH)CHO−)基末端ポリオキシアルキレン重合体を用いるとアリルオキシ基末端ポリオキシアルキレン重合体よりシリル化率が高い重合体を得ることができるため、この重合体を用いた硬化性組成物は大きい機械強度を有する硬化物を与えることができる。メタリルオキシ基末端ポリオキシアルキレン重合体由来の反応性ケイ素基を有する有機重合体は、アリルオキシ基末端ポリオキシアルキレン重合体由来の反応性ケイ素基を有する有機重合体と混合して用いることができる。
(ロ)(イ)法と同様にして得られた不飽和基を含有する有機重合体に、メルカプト基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
(ハ)分子中にヒドロキシ基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基を有する有機重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
以上の方法の中で、(イ)または(ハ)の方法のうち、末端にヒドロキシ基を有する重合体とイソシアネート基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる方法は、比較的短い反応時間で高い転化率が得られるために好ましい。さらに、(イ)の方法で得られた反応性ケイ素基を有する有機重合体は、(ハ)の方法で得られる有機重合体よりも低粘度で作業性の良い硬化性組成物となること、また、(ロ)の方法で得られる有機重合体は、メルカプトシランに基づく臭気が強いことから、(イ)の方法が特に好ましい。
(イ)および(ロ)の方法のうち、反応性ケイ素基を有する化合物を有機重合体の末端において反応させる方法が好ましい。
(イ)の方法において用いるヒドロシラン化合物の具体例としては、たとえば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、1−[2−(トリメトキシシリル)エチル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α−クロロメチルジメトキシシラン、α−クロロメチルジエトキシシランのようなアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシランのようなケトキシメートシラン類などがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちではとくにハロゲン化シラン類、アルコキシシラン類が好ましく、特にアルコキシシラン類は、得られる硬化性組成物の加水分解性が穏やかで取り扱いやすいために最も好ましい。アルコキシシラン類の中で、メチルジメトキシシランは、入手し易く、得られるポリオキシアルキレン系重合体を含有する硬化性組成物の硬化性、貯蔵安定性、伸び特性、引張強度が高い為に特に好ましい。また、トリメトキシシランは、得られる硬化性組成物の硬化性および復元性の点から特に好ましい。
(ロ)の合成法としては、たとえば、メルカプト基および反応性ケイ素基を有する化合物を、ラジカル開始剤および/またはラジカル発生源存在下でのラジカル付加反応によって、ポリオキシアルキレン系重合体の不飽和結合部位に導入する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。前記メルカプト基および反応性ケイ素基を有する化合物の具体例としては、たとえば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシランなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。
(ハ)の合成法のうち末端に水酸基を有する重合体とイソシアネート基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる方法としては、たとえば、特開平3−47825号公報に示される方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。前記イソシアネート基および反応性ケイ素基を有する化合物の具体例としては、たとえば、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、イソシアネートメチルトリメトキシシラン、イソシアネートメチルトリエトキシシラン、イソシアネートメチルジメトキシメチルシラン、イソシアネートメチルジエトキシメチルシランなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。
トリメトキシシラン等の一つのケイ素原子に3個の加水分解性基が結合しているシラン化合物は不均化反応が進行する場合がある。不均化反応が進むと、ジメトキシシランやテトラヒドロシランのようなかなり危険な化合物が生じる。しかし、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランでは、このような不均化反応は進行しない。このため、ケイ素含有基としてトリメトキシシリル基など3個の加水分解性基が一つのケイ素原子に結合している基を用いる場合には、(ロ)または(ハ)の合成法を用いることが好ましい。
一方、一般式(1):
H−(SiR O)SiR −R−SiX (1)
(式中、Xは前記に同じ。2×m+2個のRは、それぞれ独立に、炭化水素基または−OSi(R’’)(R’’は、それぞれ独立に、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基であり、入手性およびコストの点から、炭素原子数1から20の炭化水素基が好ましく、炭素原子数1から8の炭化水素基がより好ましく、炭素原子数1から4の炭化水素基が特に好ましい。Rは2価の有機基であり、入手性およびコストの点から、炭素原子数1から12の2価の炭化水素基が好ましく、炭素原子数2から8の2価の炭化水素基がより好ましく、炭素原子数2の2価の炭化水素基が特に好ましい。また、mは、0から19の整数であり、入手性およびコストの点から、1が好ましい)で表されるシラン化合物は、不均化反応が進まない。このため、(イ)の合成法で、3個の加水分解性基が1つのケイ素原子に結合している基を導入する場合には、一般式(1)で表されるシラン化合物を用いることが好ましい。一般式(1)で示されるシラン化合物の具体例としては、1−[2−(トリメトキシシリル)エチル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1−[2−(トリメトキシシリル)プロピル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1−[2−(トリメトキシシリル)ヘキシル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが挙げられる。
有機重合体(I)、及び/または(II)は有機重合体であり、ポリオキシプロピレン重合体やポリオキシブチレン重合体、ポリイソブチレン重合体、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、またはこれら重合体を複数用いた有機重合体等が例示される。
有機重合体(I)、及び/または(II)の一例であるポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、たとえばKOHのようなアルカリ触媒による重合法、特開昭61−215623号に示される有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物−ポルフィリン錯体触媒による重合法、特公昭46−27250号、特公昭59−15336号、米国特許3278457号、米国特許3278458号、米国特許3278459号、米国特許3427256号、米国特許3427334号、米国特許3427335号、米国特許5158922号、米国特許5470813号、米国特許5482908号、米国特許5627122号、米国特許5891818号、米国特許6063897号に示される複合金属シアン化物錯体触媒による重合法、特開平10−273512号に例示されるポリホスファゼン塩からなる触媒を用いる重合法、特開平11−060722号に例示されるホスファゼン化合物からなる触媒を用いる重合法等、があげられるが、特に限定されるものではない。
なお、ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格中の繰り返し単位としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラメチレンオキシドなどの脂肪族アルキレンオキサイド、スチレンオキサイドのような芳香族アルキレンオキサイドなどに起因する繰り返し単位が例示される。
ポリオキシアルキレン系重合体への反応性ケイ素基の導入については、特公昭45−36319号、同46−12154号、特開昭50−156599号、同54−6096号、同55−13767号、同55−13468号、同57−164123号、特公平3−2450号、米国特許3632557号、米国特許4345053号、米国特許4366307号、米国特許4960844号等の各公報に提案されているもの、また特開昭61−197631号、同61−215622号、同61−215623号、同61−218632号、特開平3−72527号、特開平3−47825号、特開平8−231707号の各公報に提案されている平均分子量6,000以上、Mw/Mnが1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いポリオキシプロピレン系重合体にヒドロシリル化等によりジメトキシメチルシリル基等の反応性ケイ素基を導入するものが例示できるが、特にこれらに限定されるものではない。上記の反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
一方、ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格中には本発明の効果を大きく損なわない範囲でウレタン結合成分等の他の成分を含んでいてもよい。
前記ウレタン結合成分としては特に限定されないが、イソシアネート基と活性水素基との反応により生成する基(以下、アミドセグメントともいう)を挙げることができる。
前記アミドセグメントは一般式(2):
−NR−C(=O)− (2)
(Rは水素原子または1価の有機基であり、好ましくは炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の1価の炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数1から8の置換あるいは非置換の1価の炭化水素基である)で表される基である。
前記アミドセグメントとしては、具体的には、イソシアネート基と水酸基との反応により生成するウレタン基;イソシアネート基とアミノ基との反応により生成する尿素基;イソシアネート基とメルカプト基との反応により生成するチオウレタン基などを挙げることができる。また、本発明では、上記ウレタン基、尿素基、及び、チオウレタン基中の活性水素が、更にイソシアネート基と反応して生成する基も、一般式(2)の基に含まれる。
アミドセグメントと反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体の工業的に容易な製造方法を例示すると、特公昭46−12154号(米国特許3632557号)、特開昭58−109529号(米国特許4374237号)、特開昭62−13430号(米国特許4645816号)、特開平8−53528号(EP0676403)、特開平10−204144号(EP0831108)、特表2003−508561(米国特許6197912号)、特開平6−211879号(米国特許5364955号)、特開平10−53637号(米国特許5756751号)、特開平11−100427号、特開2000−169544号、特開2000−169545号、特開2002−212415号、特許第3313360号、米国特許4067844号、米国特許3711445号、特開2001−323040号、特開平11−279249号(米国特許5990257号)、特開2000−119365号(米国特許6046270号)、特開昭58−29818号(米国特許4345053号)、特開平3−47825号(米国特許5068304号)、特開平11−60724号、特開2002−155145号、特開2002−249538号、WO03/018658、WO03/059981、特開平6−211879号(米国特許5364955号)、特開平10−53637号(米国特許5756751号)、特開平10−204144号(EP0831108)、特開2000−169544号、特開2000−169545号、特開2000−119365号(米国特許6046270号)、などが挙げられる。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を添加しても良い。
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体の主鎖を構成する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルジメトキシメチルシラン、メタクリロイルオキシメチルジエトキシメチルシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ビス(トリフルオロメチル)メチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマーが挙げられる。前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体では、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとともに、以下のビニル系モノマーを共重合することもできる。該ビニル系モノマーを例示すると、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。なかでも、生成物の物性等から、スチレン系モノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーからなる重合体が好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーからなる(メタ)アクリル酸エステル系重合体であり、特に好ましくはアクリル酸エステルモノマーからなるアクリル酸エステル系重合体である。一般建築用等の用途においては硬化性組成物の低粘度、塗膜の低モジュラス、高伸び、耐候、耐熱性等の物性が要求される点から、アクリル酸ブチル系モノマーが更に好ましい。一方、自動車用途等の耐油性等が要求される用途においては、アクリル酸エチルを主とした共重合体が更に好ましい。このアクリル酸エチルを主とした重合体は耐油性に優れるが低温特性(耐寒性)にやや劣る傾向があるため、その低温特性を向上させるために、アクリル酸エチルの一部をアクリル酸ブチルに置き換えることも可能である。ただし、アクリル酸ブチルの比率を増やすに伴いその良好な耐油性が損なわれていくので、耐油性を要求される用途にはその比率は40%以下にするのが好ましく、更には30%以下にするのがより好ましい。また、耐油性を損なわずに低温特性等を改善するために側鎖のアルキル基に酸素が導入されたアクリル酸2−メトキシエチルやアクリル酸2−エトキシエチル等を用いるのも好ましい。ただし、側鎖にエーテル結合を持つアルコキシ基の導入により耐熱性が劣る傾向にあるので、耐熱性が要求されるときには、その比率は40%以下にするのが好ましい。各種用途や要求される目的に応じて、必要とされる耐油性や耐熱性、低温特性等の物性を考慮し、その比率を変化させ、適した重合体を得ることが可能である。例えば、限定はされないが耐油性や耐熱性、低温特性等の物性バランスに優れている例としては、アクリル酸エチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸2−メトキシエチル(重量比で40〜50/20〜30/30〜20)の共重合体が挙げられる。本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと共重合、更にはブロック共重合させても構わなく、その際は、これらの好ましいモノマーが重量比で40%以上含まれていることが好ましい。なお上記表現形式で例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/あるいはメタクリル酸を表す。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の合成法としては、特に限定されず、公知の方法で行えばよい。但し、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物などを用いる通常のフリーラジカル重合法で得られる重合体は、分子量分布の値が一般に2以上と大きく、粘度が高くなるという問題を有している。従って、分子量分布が狭く、粘度の低い(メタ)アクリル酸エステル系重合体であって、高い割合で分子鎖末端に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を得るためには、リビングラジカル重合法を用いることが好ましい。
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒として(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい。この原子移動ラジカル重合法としては例えば、Matyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁などが挙げられる。
反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製法としては、たとえば、特公平3−14068号公報、特公平4−55444号公報、特開平6−211922号公報等に、連鎖移動剤を用いたフリーラジカル重合法を用いた製法が開示されている。また、特開平9−272714号公報等に、原子移動ラジカル重合法を用いた製法が開示されているが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドしてなる有機重合体の製造方法は、特開昭59−122541号、特開昭63−112642号、特開平6−172631号、特開平11−116763号公報等に提案されているが、特にこれらに限定されるものではない。好ましい具体例は、反応性ケイ素基を有し分子鎖が実質的に、下記一般式(3):
−CH−C(R)(COOR)− (3)
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素原子数1から8のアルキル基を示す)で表される炭素原子数1から8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、下記一般式(4):
−CH−C(R)(COOR)− (4)
(式中、Rは前記に同じ、Rは炭素原子数10以上のアルキル基を示す)で表される炭素原子数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位からなる共重合体に、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体をブレンドして製造する方法である。
前記一般式(3)のRとしては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素原子数1から8、好ましくは1から4、さらに好ましくは1から2のアルキル基があげられる。なお、Rのアルキル基は単独でもよく、2種以上混合していてもよい。
前記一般式(4)のRとしては、たとえばラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等の炭素原子数10以上、通常は10から30、好ましくは10から20の長鎖のアルキル基があげられる。なお、Rのアルキル基はRの場合と同様、単独でもよく、2種以上混合したものであってもよい。
該(メタ)アクリル酸エステル系重合体の分子鎖は実質的に式(3)及び式(4)の単量体単位からなるが、ここでいう「実質的に」とは該共重合体中に存在する式(3)及び式(4)の単量体単位の合計が50重量%をこえることを意味する。式(3)及び式(4)の単量体単位の合計は好ましくは70重量%以上である。
また式(3)の単量体単位と式(4)の単量体単位の存在比は、重量比で95:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:40がさらに好ましい。
該共重合体に含有されていてもよい式(3)及び式(4)以外の単量体単位としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位があげられる。
さらに、反応性ケイ素官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドしてなるポリオキシアルキレン系重合体の製造方法としては、他にも、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体の存在下で(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重合を行う方法が利用できる。この製造方法は、特開昭59−78223号、特開昭59−168014号、特開昭60−228516号、特開昭60−228517号等の各公報に具体的に開示されているが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いる1分子に対し平均して1個未満の加水分解性ケイ素基を有するオキシエチレン単位の含有量が5〜80重量%である有機重合体(I)は、反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)の反応性可塑剤として使用される。有機重合体(I)としては、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレン共重合体等が例示される。これらの中ではポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体が好ましく、中でもブロック共重合体が好ましい。
有機重合体(I)では特に、エチレンオキシド単位の下限含有量は5重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましく、30重量%以上がさらに好ましい。また、エチレンオキシド単位の上限含有量は80重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましく、50重量%以下がさらに好ましい。5重量%未満となると透湿性が低下し、80重量%を超えると反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)との相溶性が低下するため好ましくない。
有機重合体(I)中の反応性ケイ素基は、重合体1分子中に平均して1個未満有するが、0.6個以上1個未満が好ましく、0.7個以上1個未満がより好ましく、0.8個以上1個未満がさらに好ましい。0.6個未満になると、反応性ケイ素基を含まない有機重合体の含量が多くなり、未硬化物が部材表面や周辺に流出し、好ましくない。
有機重合体(I)、及び/または(II)中の反応性ケイ素基の平均個数は、反応性ケイ素基が直接結合した炭素上のプロトンを高分解能H−NMR測定法により求めた平均個数と定義している。有機重合体(I)、及び/または(II)中の反応性ケイ素基の平均個数は、反応性ケイ素基導入反応後にケイ素基が導入されなかった有機重合体前駆体、および反応後に副生する反応性ケイ素基が導入されていない有機重合体前駆体変性物を考慮して(反応性ケイ素基の一分子中の平均個数を計算する際の母数(分子数)に含めて)、算出する。
有機重合体(I)、及び/または(II)の反応性ケイ素基は、分子鎖の内部に側鎖として存在してもよく、末端に存在してもよいが、反応性ケイ素基が側鎖として存在すると、最終的に形成される硬化物に含まれる有効網目鎖量が小さくなるため、高弾性率で低破断伸びを示すゴム状硬化物が得られやすくなる。一方、反応性ケイ素基が分子鎖の末端近傍に存在すると、最終的に形成される硬化物に含まれる有効網目鎖量が多くなるため、高強度、高破断時伸びで低弾性率を示すゴム状硬化物が得られやすくなる。特に、反応性ケイ素基が分子鎖の末端に存在すると、最終的に形成される硬化物に含まれる有効網目鎖量が最も多くなるため、引張り物性として大きい破断伸びと柔軟性に富むゴム弾性を発現し、好ましい。上記反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
反応性ケイ素基を有する有機重合体(I)は、1個の活性水素を有する化合物を出発原料とすることが好ましく、そのような出発原料としては、1価アルコール、1価フェノール、1価カルボン酸、不飽和アルコール、不飽和フェノール、不飽和カルボン酸などの不飽和基含有1価活性水素含有化合物などが用いられ、一般式(5):
−OH (5)
(式中、Rは不飽和基を有しない炭素、水素、酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する1価の有機基である。)
で表される化合物が挙げられる。
前記重合法でイニシエーターとして用いる1価活性水素含有化合物としては重合の容易さから1価アルコールが好ましく、1価の脂肪族アルコールがより好ましく、1価の飽和脂肪族アルコールが特に好ましい。
たとえば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、2エチルヘキシルアルコール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、ウンデカノール、アリルアルコールなどの脂肪族アルコール、フェノール、クレゾール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ベンジルアルコールなどの芳香族アルコールが挙げられる。
反応性ケイ素基を有する有機重合体(I)の分子量は、下限は500が好ましく、1,000がより好ましく、2,000がさらに好ましい。上限は15,000が好ましく、10,000がより好ましく、7,000がさらに好ましい。分子量が500未満では、有機重合体(I)の前駆体に反応させる反応性ケイ素基含有化合物の使用量が多くなり、コスト的に好ましくない。また、反応性ケイ素基を有する有機重合体(I)同士のみが反応することで生成する分子量が比較的低い有機重合体(I)の縮合体や未反応の有機重合体(I)が部材表面や周辺に流出するため好ましくない。一方、15,000を超えると、反応性ケイ素基を有する有機重合体(I)の粘度が高くなりすぎ、取扱いが困難となる傾向があり、また、オキシエチレン単位の含有量が多い有機重合体においては、反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)との相溶性が低下するため好ましくない。反応性ケイ素基を有する有機重合体(I)は1種類のみを用いても良く、複数の種類を用いても良い。
反応性ケイ素基を有する有機重合体(I)、及び/または(II)の分子量は、反応性ケイ素基導入前の有機重合体前駆体(例えば、水酸基末端ポリオキシアルキレン重合体)を、JIS K 1557の水酸基価の測定方法と、JIS K 0070に規定されたよう素価の測定方法の原理に基づいた滴定分析により、直接的に末端基濃度を測定し、有機重合体の構造(使用した重合開始剤によって定まる分岐度)を考慮して求めた数平均分子量に相当する分子量(末端基分子量)と定義している。有機重合体(I)、及び/または(II)の分子量の測定方法としては、有機重合体前駆体の一般的なGPC測定により求めたポリスチレン換算数平均分子量(GPC分子量)と上記末端基分子量の検量線を作成し、有機重合体(I)及び、(II)のGPC分子量を末端基分子量に換算して求めることも可能である。
有機重合体(II)中の反応性ケイ素基は、重合体1分子中に平均して1個以上有するが、1.2個以上が好ましく、1.3個以上がより好ましく、1.4個以上がさらに好ましい。上限については、特に限定されないが、3.0個以下が好ましく、2.4個以下がより好ましく、2.1個以下がさらに好ましい。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が平均して1個未満になると、硬化性が不充分になり、また多すぎると網目構造があまりに密となるため良好な機械特性を示さなくなる。
有機重合体(II)は、ポリオキシプロピレン重合体やポリオキシブチレン重合体、ポリイソブチレン重合体、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、またはこれら重合体を複数用いた有機重合体等が例示される。これらの中ではポリオキシプロピレン重合体が好ましい。
反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)の分子量は、下限は2,000が好ましく、5,000がより好ましく、10,000がさらに好ましい。上限は50,000が好ましく、30,000がより好ましく、25,000がさらに好ましい。分子量が2,000未満では、得られる反応性ケイ素基含有有機重合体の硬化物の破断時伸び特性が低下し、50,000を超えると、架橋性官能基濃度(反応性ケイ素基濃度)が低くなりすぎ、硬化速度が低下する、また、有機重合体の粘度が高くなりすぎ、取扱いが困難となる傾向がある。反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)は1種類のみを用いても良く、複数の種類を用いても良い。
反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)は、直鎖状であっても、分岐を有していてもよい。分子量が同じであれば、直鎖状の有機重合体を用いると、分岐を有する有機重合体と比較して硬化物の破断伸びが大きいものになるが、硬化前の組成物の粘度が大きくなり取り扱いにくくなる傾向にある。
反応性ケイ素基を有する有機重合体(I)、及び/または(II)の分子量分布(Mw/Mn)は、粘度の低減の観点から、小さいほうが好ましく、2.0以下、さらには1.5以下が好ましい。分子量分布(Mw/Mn)は、GPC(ポリスチレン換算)を用いて測定する。
反応性ケイ素基を有する有機重合体(I)の使用量は、反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部に対して、下限は5重量部が好ましく、10重量部がより好ましく、20重量部がさらに好ましい。上限は200重量部が好ましく、150重量部がより好ましく、100部がさらに好ましい。5重量部未満では可塑剤としての効果が発現しにくくなり、200重量部を超えると硬化物の機械強度が不足する傾向にある。なお、反応性ケイ素基を有する有機重合体(I)は、硬化性組成物を製造する際に配合すればよい。また、反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)または他の配合剤と事前に混合して配合することも可能である。
本発明の硬化性組成物において、反応性ケイ素基を有する有機重合体(I)の分子量は反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)に比べて小さい方が粘度低減効果の点から好ましく、反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)の分子量の1/2以下であることが組成物の低温での作業性の点から好ましい。
本発明の硬化性組成物には硬化触媒を添加することができる。具体例としては、2−エチルヘキサン酸錫、バーサチック酸錫、2−エチルヘキサン酸ビスマス等のカルボン酸金属塩;2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸等のカルボン酸;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノニルフェノキサイド)、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセテート)、ジオクチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫オキサイドやジオクチル錫オキサイド等のジアルキルオキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫ジラウレートやジオクチル錫ジラウレート等のジアルキル錫ジカルボキシレートとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドやジオクチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物;テトライソプロポキシチタニウム、テトラn−ブトキシチタニウム、ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)などの有機チタネート類;アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどの有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)などのジルコニウム化合物類;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一級アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン等の脂肪族第二級アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三級アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミン、などの脂肪族不飽和アミン類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類;および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、18−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(DBN)等が挙げられる。これらの中で、錫系触媒や塩基性触媒が特に好ましい。
硬化触媒は反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜7重量部、より好ましくは0.5〜4重量部の範囲で使用される。
本発明の硬化性組成物には、アミノ基含有シランカップリング剤などのシランカップリング剤、シランカップリング剤の反応物、またはシランカップリング剤以外の化合物を接着性付与剤として添加することができる。アミノ基含有シランカップリング剤は、加水分解性ケイ素基とアミノ基を有する化合物であり、本発明の硬化性組成物の接着性を改善するとともに、硬化物の透湿性を改善する効果を有する。具体的には、加水分解性基として既に例示した基を挙げることができるが、メトキシ基、エトキシ基等が加水分解速度の点から好ましい。加水分解性基の個数は、2個以上、特に3個以上が好ましい。前記アミノ基の中でも1級アミノ基が、接着性改善効果が高く、より好ましい。
アミノ基含有シランカップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−エチルアミノ)−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、等を挙げることができる。
その使用量は反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。配合量がこの範囲を下回ると、接着性改善効果と透湿性改善効果が十分でない場合がある。配合量がこの範囲を上回ると、硬化物が低伸びになる傾向があり、また、深部硬化性が悪くなる傾向がある。
その他シランカップリング剤の具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、(イソシアネートメチル)トリメトキシシラン、(イソシアネートメチル)ジメトキシメチルシラン、(イソシアネートメチル)トリエトキシシラン、(イソシアネートメチル)ジエトキシメチルシラン等のイソシアネート基含有シラン類;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のケチミン型シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。シランカップリング剤の反応物としては、上記アミノシランとエポキシシランの反応物、アミノシランとイソシアネートシランの反応物、各種シランカップリング剤の部分縮合体等を挙げる事ができる。
その他シランカップリング剤は反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部に対して、0.1〜15重量部程度が好ましく、1〜10重量部程度がより好ましく、3〜7重量部程度が特に好ましい。配合量がこの範囲を下回ると、接着性や貯蔵安定性が十分ではない場合がある。一方、配合量がこの範囲を上回ると、塗膜形成性が十分ではない場合がある。
本発明の硬化性組成物には充填材を添加することができる。充填材としては、フュームシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、およびカーボンブラックの如き補強性充填剤;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂や塩化ビニリデン樹脂、アクリロニトリル共重合樹脂などの有機ミクロバルーン、PVC粉末、PMMA粉末など樹脂粉末の如き充填材;石綿、ガラス繊維およびフィラメントの如き繊維状充填材等が挙げられる。これらの中でも、コストおよび粘度の点から重質炭酸カルシウムや膠質炭酸カルシウムが好ましい。充填材を使用する場合、その使用量は反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部に対して1〜250重量部、好ましくは10〜200重量部である。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤を添加しても良い。物性調整剤としては特に限定されないが、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン類;γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が挙げられる。前記物性調整剤を用いることにより、本発明に用いる組成物を硬化させた時の硬度を上げたり、逆に硬度を下げ、破断伸びを出したりし得る。上記物性調整剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
特に、加水分解により分子内に1価のシラノール基を有する化合物を生成する化合物は硬化物の表面のべたつきを悪化させずに硬化物のモジュラスを低下させる作用を有する。特にトリメチルシラノールを生成する化合物が好ましい。加水分解により分子内に1価のシラノール基を有する化合物を生成する化合物としては、特開平5−117521号公報に記載されている化合物をあげることができる。また、ヘキサノール、オクタノール、デカノールなどのアルキルアルコールの誘導体であって加水分解によりトリメチルシラノールなどのRSiOHを生成するシリコン化合物を生成する化合物、特開平11−241029号公報に記載されているトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールあるいはソルビトールなどの水酸基数が3以上の多価アルコールの誘導体であって加水分解によりトリメチルシラノールなどのRSiOHを生成するシリコン化合物を生成する化合物をあげることができる。
また、特開平7−258534号公報に記載されているようなオキシアルキレン重合体の誘導体であって加水分解によりトリメチルシラノールなどのRSiOHを生成するシリコン化合物を生成する化合物もあげることができる。さらに特開平6−279693号公報に記載されている架橋可能な加水分解性ケイ素含有基と加水分解によりモノシラノール含有化合物となりうるケイ素含有基を有する重合体を使用することもできる。
物性調整剤は反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲で使用される。
本発明の硬化性組成物には反応性ケイ素基を有する有機重合体(I)以外の可塑剤を添加することができる。本発明では、20℃における蒸気圧が0.01KPa未満であり、反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)と非反応性で、かつ、反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)を可塑化し得る化合物を可塑剤と定義する。可塑剤の添加により、硬化性組成物の粘度やスランプ性および硬化性組成物を硬化して得られる塗膜の引張り強度、伸びなどの機械特性が調整できる。可塑剤の例としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル、等の炭化水素系油;プロセスオイル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類をあげることができる。
また、反応性ケイ素基を有する有機重合体(I)以外の高分子可塑剤を使用することができる。高分子可塑剤を使用すると低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を長期にわたり維持することができる。更に、該塗膜にアルキド塗料を塗布した場合の乾燥性(塗装性ともいう)を改良できる。高分子可塑剤の具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラメチレンオキシドなどの脂肪族アルキレンオキサイド、スチレンオキサイドのような芳香族アルキレンオキサイドなどを単独、及びまたは2種以上併用し、前記した方法(KOHのようなアルカリ触媒による重合法、有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物−ポルフィリン錯体触媒による重合法、複合金属シアン化物錯体触媒による重合法、ポリホスファゼン塩からなる触媒を用いる重合法、ホスファゼン化合物からなる触媒を用いる重合法等)で重合して得られる反応性ケイ素基を含有しないポリオキシアルキレン系重合体;ビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤;ポリスチレンやポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの高分子可塑剤のうちで、反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)と相溶するものが好ましい。この点から、反応性ケイ素基を含有しないポリオキシアルキレン系重合体やビニル系重合体が好ましい。また、相溶性および耐候性、耐熱性の点からビニル系重合体が好ましい。ビニル系重合体の中でもアクリル系重合体および/又はメタクリル系重合体が好ましく、ポリアクリル酸アルキルエステルなどアクリル系重合体がさらに好ましい。この重合体の合成法は、分子量分布が狭く、低粘度化が可能なことからリビングラジカル重合法が好ましく、原子移動ラジカル重合法がさらに好ましい。また、特開2001−207157号公報に記載されているアクリル酸アルキルエステル系単量体を高温、高圧で連続塊状重合によって得た、いわゆるSGOプロセスによる重合体を用いるのが好ましい。
高分子可塑剤の分子量は、好ましくは500〜15,000であるが、より好ましくは800〜10,000であり、さらに好ましくは1,000〜8,000、特に好ましくは1,000〜5,000である。最も好ましくは1,000〜3,000である。分子量が低すぎると熱や降雨により可塑剤が経時的に流出し、初期の物性を長期にわたり維持できず、アルキド塗装性が改善できない。また、分子量が高すぎると粘度が高くなり、作業性が悪くなる。高分子可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、狭いことが好ましく、1.8未満が好ましい。1.7以下がより好ましく、1.6以下がなお好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好ましく、1.3以下が最も好ましい。
ビニル系重合体の場合、分子量や分子量分布(Mw/Mn)はGPC法(ポリスチレン換算)で測定される。
可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また低分子可塑剤と高分子可塑剤を併用してもよい。なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて垂れを防止し、作業性を良くするためにチクソ性付与剤(垂れ防止剤)を添加しても良い。垂れ防止剤としては特に限定されないが、例えば、ポリアミドワックス類;水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸類等が挙げられる。また、特開平11−349916号公報に記載されているような粒子径10〜500μmのゴム粉末や、特開2003−155389号公報に記載されているような有機質繊維を用いると、チクソ性が高く作業性の良好な硬化性組成物が得られる。これらチクソ性付与剤(垂れ防止剤)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。チクソ性付与剤は反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲で使用される。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、光硬化性物質、酸素硬化性物質、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、難燃剤、溶剤、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、防蟻剤、防かび剤などがあげられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。各種添加剤の具体例は、たとえば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号、特開2001−72854号、特開2008−303650号の各公報などに記載されている。
本発明の硬化性組成物には、酸化防止剤(老化防止剤)を使用することができる。酸化防止剤を使用すると硬化物の耐候性を高めることができる。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系が例示できるが、特にヒンダードフェノール系が好ましい。同様に、チヌビン622LD、チヌビン144;CHIMASSORB944LD,CHIMASSORB119FL(以上いずれもチバ・ジャパン株式会社製);アデカスタブLA−57、アデカスタブLA−62、アデカスタブLA−67、アデカスタブLA−63、アデカスタブLA−68(以上いずれも株式会社ADEKA製);サノールLS−770、サノールLS−765、サノールLS−292、サノールLS−2626、サノールLS−1114、サノールLS−744(以上いずれも三共ライフテック株式会社製)に示されたヒンダードアミン系光安定剤を使用することもできる。酸化防止剤の具体例は特開平4−283259号公報や特開平9−194731号公報にも記載されている。酸化防止剤の使用量は、反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で使用するのがよく、さらに好ましくは0.2〜5重量部である。
本発明の硬化性組成物には、光安定剤を使用することができる。光安定剤を使用すると硬化物の光酸化劣化を防止できる。光安定剤としてベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物等が例示できるが、特にヒンダードアミン系が好ましい。光安定剤の使用量は、反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で使用するのがよく、さらに好ましくは0.2〜5重量部である。光安定剤の具体例は特開平9−194731号公報にも記載されている。
本発明の硬化性組成物に光硬化性物質を配合する場合、特に不飽和アクリル系化合物を用いる場合、特開平5−70531号公報に記載されているようにヒンダードアミン系光安定剤として3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤を用いるのが組成物の保存安定性改良のために好ましい。3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤としてはチヌビン622LD、チヌビン144;CHIMASSORB119FL(以上いずれもチバ・ジャパン株式会社製);アデカスタブLA−57、LA−62、LA−67、LA−63(以上いずれも株式会社ADEKA製);サノールLS−765、LS−292、LS−2626、LS−1114、LS−744(以上いずれも三共ライフテック株式会社製)などの光安定剤が例示できる。
本発明の硬化性組成物には、紫外線吸収剤を使用することができる。紫外線吸収剤を使用すると硬化物の表面耐候性を高めることができる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレート系、置換トリル系及び金属キレート系化合物等が例示できるが、特にベンゾトリアゾール系が好ましい。紫外線吸収剤の使用量は、反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で使用するのがよく、さらに好ましくは0.2〜5重量部である。フェノール系やヒンダードフェノール系酸化防止剤とヒンダードアミン系光安定剤とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を併用して使用するのが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気により硬化する1成分型として調製することも可能であり、硬化剤として別途硬化触媒、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材と硬化性組成物の主剤成分を使用前に混合する2成分型として調製することもできる。作業性の点からは、1成分型が好ましい。
前記硬化性組成物が1成分型の場合、すべての配合成分が予め配合されるため、水分を含有する配合成分は予め脱水乾燥してから使用するか、また配合混練中に減圧などにより脱水するのが好ましい。前記硬化性組成物が2成分型の場合、反応性ケイ素基を有する重合体を含有する主剤に硬化触媒を配合する必要がないので配合剤中には若干の水分が含有されていてもゲル化の心配は少ないが、長期間の貯蔵安定性を必要とする場合には脱水乾燥するのが好ましい。脱水、乾燥方法としては粉状などの固状物の場合は加熱乾燥法、液状物の場合は減圧脱水法または合成ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、生石灰、酸化マグネシウムなどを使用した脱水法が好適である。また、イソシアネート化合物を少量配合してイソシアネート基と水とを反応させて脱水してもよい。また、3−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジンなどのオキサゾリジン化合物を配合して水と反応させて脱水してもよい。かかる脱水乾燥法に加えてメタノール、エタノールなどの低級アルコール;n−プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、メチルシリケート、エチルシリケート、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物を添加することにより、さらに貯蔵安定性は向上する。
脱水剤、特にビニルトリメトキシシランなどの水と反応し得るケイ素化合物の使用量は反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲が好ましい。
本発明の硬化性組成物の調製法には特に限定はなく、例えば上記した成分を配合し、ミキサーやロールやニーダーなどを用いて常温または加熱下で混練したり、適した溶剤を少量使用して成分を溶解させ、混合したりするなどの通常の方法が採用されうる。
本発明の硬化性組成物は、大気中に暴露されると水分の作用により、三次元的に網状組織を形成し、ゴム状硬化物へと硬化する。
本発明の反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)の一例である反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、比較的低粘度であるために、非水系および/または非溶剤系(または溶剤含有量が少ないハイソリッド系)で塗布可能な組成物を設計し易い。水系エマルジョン組成物は、低温時または高湿時には塗膜形成に長時間が必要で、寒冷時に施工し難いという問題から、本発明の硬化性組成物は、非水系の硬化性組成物であることが好ましい。更に、環境負荷低減の観点から、本発明の硬化性組成物は、非溶剤系(またはハイソリッド系)の硬化性組成物であることが好ましい。
非水系の硬化性組成物とする場合、本発明の硬化性組成物中の水の含有量は、反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部に対し、10重量部以下が好ましく、1重量部以下がより好ましく、0.1重量部以下が更に好ましく、実質的に水を含有しないことが最も好ましい。水の含有量がこの範囲を上回ると、貯蔵安定性が低下する傾向が有り、また塗膜物性が低下することがある。
非溶剤系の硬化性組成物とする場合、本発明の硬化性組成物中の溶剤の含有量は、反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部に対し、10重量部以下が好ましく、5重量部以下がより好ましく、1重量部以下が更に好ましく、0.1重量部以下が特に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。溶剤の含有量がこの範囲を上回ると、塗膜形成時のVOCが多くなり、環境への負荷が大きくなる傾向がある。
また、本発明の硬化性組成物は、施工の簡便さ、混合不良や混合比率ミスによる塗膜性能の低下が無い事、などから1液型であることが好ましい。
なお、本発明の硬化性組成物を塗付する際の下地としては特に限定は無いが、具体的には、コンクリート壁、コンクリート板、コンクリートブロック、CMU(Concrete Masonry Unit)、モルタル板、ALC板、石膏板(Dens Glass Gold:Georgia Pacific社製など)、スレート板などの無機系下地や、木材、合板、OSB(Oriented Strand Board)、などの木質系下地、アスファルト、変性ビチューメン、EPDM、TPOなどの防水シート、ウレタンフォーム断熱材などの有機系下地、金属パネルなどの金属系下地が挙げられる。
本発明の硬化性組成物を硬化して得られる塗膜の厚みは、0.005〜0.05inchであることが好ましく、0.01〜0.04inchであることがより好ましい。塗膜の厚みがこの範囲を下回ると、塗膜の長期耐久性、防水性、引き裂き抵抗性等の塗膜物性が低下する傾向がある。塗膜の厚みがこの範囲を上回ると、透湿性が低下し、また、高コストになる傾向がある。
本発明の硬化性組成物の塗付方法としては特に限定は無いが、特開平10−298488号公報に記載されているように、刷毛、ローラー、エアースプレー、エアレススプレーなどの公知の塗布方法により行うことができる。
本発明の硬化性組成物を硬化して得られる塗膜の透湿性は、以下の方法により評価することができる。本発明の硬化性組成物を厚みが均一なシート状に成型し、23℃相対湿度50%で4日間養生した後、更に50℃で3日間養生する。得られたシート状硬化物の厚みをマイクロメーターで測定した後、ASTM E96のウェットカップ法(Water Methodともいう)に準拠して、23℃相対湿度50%で透湿度の値を測定する。ここで、透湿度の値は用いた材料の特性に依存するとともに評価したシートの厚みに依存する値である。また、全く同一の厚みにシートを成型することは困難である。従って、用いた材料の透湿性を表し、かつ、シートの厚みにほぼ依存しない値として、シート状硬化物の透湿度の値[β](単位:Perm)とシート状硬化物の厚み[α](単位:mil)から計算された[α×β/1000」(単位:Perm・inch)の値を、本発明では、透湿性を表す値と定義する。
本発明の硬化性組成物を硬化して得られる塗膜の透湿性は、0.4perm・inch以上であることが好ましく、0.6perm・inch以上であることがより好ましい。塗膜の透湿性がこの範囲を下回ると、塗布した下地材からの水蒸気の透過が十分ではなく、下地材周辺で結露が発生したり、カビが発生したりするなどの課題が生じる場合がある。
なお、本発明の硬化性組成物を硬化して得られる塗膜の透湿度は、17perm以上であることが好ましく、20perm以上であることがより好ましい。塗膜の透湿度がこの範囲を下回ると、塗布した下地材からの水蒸気の透過が十分ではなく、下地材周辺で結露が発生したり、カビが発生したりするなどの課題が生じる場合がある。
<用途>
反応性ケイ素基を有する有機重合体(II)の一例である反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は比較的低粘度である為、本発明の硬化性組成物は塗布可能な粘度に設計し易い。更に、本発明の硬化性組成物を硬化して得られる硬化物は、透湿性が高く、かつ、外部からの水の侵入を防ぐ為の十分な防水性を有する。従って、本発明の硬化性組成物は、建物用の防水材として有用で、特に、透湿性塗膜防水材として有用である。透湿性塗膜防水材とは、硬化前は液状で、ハケやヘラ、ローラーなどで下地に塗布するか、あるいは吹付機により施工して成膜・硬化させ、シームレスな防水層を形成する防水材であって、透湿性を有するために、下地からの水分を外部に放出することが可能な塗膜防水材である。塗膜防水材は、(i)シームレスな塗膜を形成するので、継ぎ目がなく防水の信頼性が高い、(ii)複雑な形状の部位にも対応できる、等の特長がある。
従来の透湿性防水シートは、その高い透湿性・防水性を活用し、外壁下地に施工することによって、外部からの雨水などのバルクの水分の侵入を防ぎつつ、外装壁材からの水蒸気を外部に放出することによって外装壁材の結露を防止する防水材として、各種の商業ビルや集合住宅、戸建て住宅などに多く使用されており、特に外壁通気工法を採用する建物において多く使用されている。しかし、透湿性防水シートの重ね合わせ部は釘や粘着テープが使用されるため、長期間の間に釘穴や粘着テープの隙間から水分が浸入し、鉄骨や木材などの各種建築基材にダメージを与えることがある。透湿性防水シートの重ね合わせ部の隙間を通して入る外部空気に含まれる水蒸気及び該水蒸気が凝縮して生じた水分もまた、各種建築基材に大きなダメージを与える。これ以外にも、外部空気が隙間を通して内部へ入ることで建物内部の温度が変化し易くなり、温度調節の効率が低下し、エネルギーロスを引き起こしたりしている。本発明の硬化性組成物は、液状塗布可能であるために容易にシームレスな塗膜を形成することができ、外部からの水分や空気の浸入を十分に防止できることから、建物の外壁下地用塗膜防水材として特に有用である。
なお、本発明の硬化性組成物を外壁下地へ塗付する際の下地としては特に限定は無いが、例えば、コンクリート壁、コンクリート板、コンクリートブロック、CMU(Concrete Masonry Unit)、モルタル板、ALC板、石膏板(Dens Glass Gold:Georgia Pacific社製など)、スレート板などの無機系下地や、木材、合板、OSB(Oriented Strand Board)などの木質系下地、ウレタンフォーム断熱材などの有機系下地であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物を外壁下地へ塗付する方法としては特に限定は無いが、刷毛、ローラー、エアースプレー、エアレススプレーなどの塗布方法が挙げられ、特に大面積ではローラーやエアースプレー、エアレススプレーによる塗布が塗布効率の点から好ましい。
本発明の硬化性組成物を外壁下地へ塗付し硬化させた後の塗膜の厚みは、0.005〜0.05inchであることが好ましく、0.01〜0.04inchであることがより好ましく、0.015〜0.035inchであることが更に好ましく、0.02〜0.03inchであることが特に好ましい。塗膜の厚みがこの範囲を下回ると、塗膜の長期耐久性、防水性、引き裂き抵抗性等の塗膜物性が低下する傾向がある。塗膜の厚みがこの範囲を上回ると、透湿性が低下し、また、高コストになる傾向がある。
本発明の硬化性組成物を外壁下地へ塗付し硬化させた後には、各種の外装仕上げ材が施工される。外装の仕上げ方に特に限定はないが、例えば、内断熱工法の場合、本発明の硬化性組成物を外壁下地へ塗布して硬化させた後、スタッコや塗料、レンガ、タイル、石材、サイディングボード、金属パネルなどを施工して仕上げる方法が好ましい。また、外断熱工法の場合、本発明の硬化性組成物を外壁下地へ塗布して硬化させた後、断熱ボードを敷設してからスタッコや塗料、レンガ、タイル、石材、サイディングボード、金属パネルなどを施工して仕上げる方法が好ましい。
また、窓やドアなどの建物の開口部周辺(サッシ下端や窓枠周囲など)の防水は、形状が複雑であるために、防水の難易度が高く、漏水のクレームの多くが開口部周辺で発生している。こうした漏水を防止するため、透湿性防水シート間の隙間や重ね合わせ部、端部などに粘着剤層付き防水テープが使用されたりしている。しかし、本防水テープの粘着剤層はゴム系やアスファルト系から成るため、本部位の透湿性は大幅に低下し、結露によって窓やドアなどの周りの材料を腐食させることがある。また、結露はカビ発生の原因となり、それによって建物内部の空気が汚染され、住人や労働者の健康障害などを引き起こしたりする。本発明の硬化性組成物は、液状塗布可能であるために複雑な形状に対応しやすく、硬化後の塗膜は十分な防水性と透湿性を示すことから、建物の開口部周辺用透湿性塗膜防水材として特に有用である。又、本発明の硬化性組成物は、ダクト周り、壁手すりや、手すりコーナー等にも有用である。
なお、本発明の硬化性組成物を建物の開口部周辺に塗付する際の下地としては特に限定は無いが、例えば、木材、合板、OSB(Oriented Strand Board)などの木質系下地、コンクリート板、コンクリートブロック、CMU(Concrete Masonry Unit)、モルタル板、ALC板、石膏板(Dens Glass Gold:Georgia Pacific社製など)、スレート板などの無機系下地であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物を建物の開口部周辺に塗付する方法としては特に限定は無いが、刷毛、ローラー、エアースプレー、エアレススプレーなどの塗布方法が挙げられ、特に刷毛やローラーによる塗布が塗りむらが生じ難い点で好ましい。
本発明の硬化性組成物を建物の開口部周辺に塗付し硬化させた後の塗膜の厚みは、0.005〜0.05inchであることが好ましく、0.01〜0.04inchであることがより好ましい。塗膜の厚みがこの範囲を下回ると、塗膜の長期耐久性、防水性、引き裂き抵抗性等の塗膜物性が低下する傾向がある。塗膜の厚みがこの範囲を上回ると、透湿性が低下し、また、高コストになる傾向がある。
本発明の硬化性組成物を建物の開口部周辺に塗付し硬化させた後には、各種の窓やドア、ダクトなどがその開口部へ組み込まれる。
更に、本発明の硬化性組成物は、継ぎ目がない塗膜を形成するので防水の信頼性が高いことから、高い防水性能を必要とする屋根用透湿性塗膜防水材として特に有用である。建物の屋根用透湿性塗膜防水材は、野地板などの屋根用下地材に塗布する防水材である。
本発明の硬化性組成物は、上記の用途以外に、限定はされないが、建築用弾性シーリング材、サイディングボード用シーリング材、複層ガラス用シーリング材、車両用シーリング材等建築用および工業用のシーリング材、太陽電池裏面封止剤などの電気・電子部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材などの電気絶縁材料、粘着剤、接着剤、弾性接着剤、コンタクト接着剤、タイル用接着剤、反応性ホットメルト接着剤、塗料、粉体塗料、コーティング材、発泡体、缶蓋等のシール材、放熱シート、電気電子用ポッティング剤、フィルム、ガスケット、マリンデッキコーキング、注型材料、各種成形材料、人工大理石、および、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材、自動車や船舶、家電等に使用される防振・制振・防音・免震材料、自動車部品、電機部品、各種機械部品などにおいて使用される液状シール材、防水材等の様々な用途に利用可能である。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
ブタノールを開始剤とし、アルカリ金属触媒(KOH)を用いて重合した分子量2,400のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体=50/50(モル比)のブトキシ片末端のポリオキシアルキレンモノオールの水酸基に対して、1.2倍等量のNaOCHのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリルオキシ基に変換した。脱塩精製処理を実施して得られた片末端アリルオキシポリオキシプロピレン重合体600gに対して、共沸溶剤としてヘキサンを加えて90℃で共沸脱水を行い、ヘキサンを減圧下留去した後、窒素置換した。これに対して、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3重量%のイソプロパノール溶液を120μl加え、攪拌しながら、ジメトキシメチルシラン27gを90℃で6時間反応させた後、減圧脱気することにより、分子量が2,400のジメトキシメチルシリル基を有するブトキシ片末端のポリオキシアルキレン重合体(A−1)を得た。H−NMR(日本電子製JNM−LA400を用いて、CDCl溶媒中で測定)の測定の結果、ジメトキシメチルシリル基は1分子あたり平均して0.8個であった。
(合成例2)
メタノールを開始剤とし、アルカリ金属触媒(KOH)を用いて重合した分子量約1,500のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体=47/53(モル比)のメトキシ片末端のポリオキシアルキレンモノオールの水酸基に対して、1.2倍等量のNaOCHのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリルオキシ基に変換した。脱塩精製処理を実施して得られた片末端アリルオキシポリオキシプロピレン重合体600gに対して、共沸溶剤としてヘキサンを加えて90℃で共沸脱水を行い、ヘキサンを減圧下留去した後、窒素置換した。これに対して、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3重量%のイソプロパノール溶液を120μl加え、攪拌しながら、ジメトキシメチルシラン49.8gを90℃で6時間反応させた後、減圧脱気することにより、分子量が約1,500のジメトキシメチルシリル基を有するメトキシ片末端のポリオキシアルキレン重合体(A−2)を得た。H−NMR(日本電子製JNM−LA400を用いて、CDCl溶媒中で測定)の測定の結果、ジメトキシメチルシリル基は1分子あたり平均して0.8個であった。
(合成例3)
ポリプロピレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてテトラヒドロフラン存在下、プロピレンオキシドの重合を行い、分子量約10,000の水酸基末端ポリオキシプロピレン重合体を得た。続いて、この水酸基末端ポリオキシプロピレン重合体の水酸基に対して1.2倍当量のNaOCHのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリルオキシ基に変換した。脱塩精製処理を実施して得られたアリルオキシ末端ポリオキシプロピレン重合体2,000gに対し、酸化防止剤として2,6ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、共沸溶剤としてヘキサンを加えて90℃で共沸脱水を行い、ヘキサンを減圧下留去した後、窒素置換した。これに対して、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3重量%のイソプロパノール溶液を100μl加え、攪拌しながら、ジメトキシメチルシラン35.4gを90℃で2時間反応させた後、減圧脱気することにより、分子量が約10,000のジメトキシメチルシリル基を有する直鎖構造のポリオキシプロピレン重合体(B−1)を得た。H−NMR(日本電子製JNM−LA400を用いて、CDCl溶媒中で測定)の測定の結果、ジメトキシメチルシリル基は1分子あたり平均して1.6個であった。
(合成例4)
ポリプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてテトラヒドロフラン存在下、プロピレンオキシドの重合を行い、分子量約12,000の分岐構造の水酸基末端ポリオキシプロピレン重合体を得た。続いて、この水酸基末端ポリオキシプロピレン重合体の水酸基に対して1.2倍当量のNaOCHのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリルオキシ基に変換した。脱塩精製処理を実施して得られたアリルオキシ末端ポリオキシプロピレン重合体2,000gに対し、酸化防止剤として2,6ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、共沸溶剤としてヘキサンを加えて90℃で共沸脱水を行い、ヘキサンを減圧下留去した後、窒素置換した。これに対して、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3重量%のイソプロパノール溶液を100μl加え、攪拌しながら、ジメトキシメチルシラン35.6gを90℃で2時間反応させた後、減圧脱気することにより、分子量が約12,000のジメトキシメチルシリル基を有する分岐構造のポリオキシプロピレン重合体(B−2)を得た。H−NMR(日本電子製JNM−LA400を用いて、CDCl溶媒中で測定)の測定の結果、ジメトキシメチルシリル基は1分子あたり平均して2.2個であった。
(合成例5)
水酸基当量が0.36mmol/gであり、分子量が約5,000のポリオキシプロピレンジオール100g(20mmol)と、NCO/OHの比が1.25となるMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、和光純薬工業製)5.6g(22.5mmol)を窒素雰囲気下で混合し、90℃で3時間反応させ、NCO末端ポリオキシプロピレンを得た後、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製)1.6g(9mmol)を追加し、40℃で1時間反応させた後、減圧脱気することにより、トリメトキシシリル基末端ポリオキシプロピレン(B−3)を得た。また、H−NMRを用い、シリル基導入率を調べた結果、末端のトリメトキシシリル基は1分子あたり平均して1.7個であった。
(合成例6)
分子量約3,000のポリオキシプロピレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてテトラヒドロフラン存在下、プロピレンオキシドの重合を行い、末端が水酸基である分子量約17,000の2官能ポリプロピレンオキシド(これを重合体Qとする)を得た。
重合体Q100重量部に対し、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン1.8重量部を加え、90℃で5時間反応させた後、減圧脱気することにより、トリメトキシシリル基末端ポリオキシプロピレン系重合体(B−4)を得た。また、H−NMRを用い、シリル基導入率を調べた結果、末端のトリメトキシシリル基は1分子あたり平均して1.4個であった。
(合成例7)
ブタノールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてテトラヒドロフラン存在下、プロピレンオキシドを用いた重合を行い、分子量約5,400の水酸基末端ポリオキシプロピレン重合体を得た。続いて、この水酸基末端ポリオキシプロピレン重合体の水酸基に対して1.2倍当量のNaOCHのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリルオキシ基に変換した。脱塩精製処理を実施して得られたアリルオキシ末端ポリオキシプロピレン重合体2,000gに対し、酸化防止剤として2,6ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、共沸溶剤としてヘキサンを加えて90℃で共沸脱水を行い、ヘキサンを減圧下留去した後、窒素置換した。これに対して、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3重量%のイソプロパノール溶液を100μl加え、攪拌しながら、ジメトキシメチルシラン37.2gを90℃で2時間反応させた後、減圧脱気することにより、分子量が約5,400のジメトキシメチルシリル基を有するポリオキシプロピレン重合体(C−1)を得た。H−NMR(日本電子製JNM−LA400を用いて、CDCl溶媒中で測定)の測定の結果、ジメトキシメチルシリル基は1分子あたり平均して0.96個であった。
(実施例1〜6、比較例1〜2)
表1に示す処方にしたがって、有機重合体(I)、有機重合体(II)、可塑剤、充填剤、チクソ性付与剤、各種安定剤、脱水剤、接着付与剤および硬化触媒などをそれぞれ計量し、ミキサーを用いて、脱水条件下にて実質的に水分の存在しない状態で混練した後、防湿性の容器(ポリエチレン製カートリッジ)に密閉し、1液型硬化性組成物を得た。表1の1液型組成物は、使用時に各カートリッジから各1液型組成物を押し出し、後述の評価を行った。
Figure 2014504303
なお、有機重合体(I)と有機重合体(II)、可塑剤C−1成分以外の各種配合剤は、以下に示すものを使用した。
<可塑剤>Ucon LB−65(ダウケミカル製、ポリプロピレングリコール)
Ucon 50−HB−260(ダウケミカル製、ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールブロックポリマー)
<膠質炭酸カルシウム>Ultra−Pflex(スペシャルティミネラルズ製)
<表面処理重質炭酸カルシウム>Hubercarb G2T(Huber Engineered Materials製)
<酸化チタン>Ti−Pure R902+(デュポン製)
<チクソ性付与剤>Crayvallac SL(クレー・バレー製、アマイドワックス系チクソ性付与剤)
<紫外線吸収剤>チヌビン328(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
<光安定剤>チヌビン770(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
<アミノ基含有シランカップリング剤>A−1120(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)
<その他シランカップリング剤>A-171(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製、ビニルトリメトキシシラン)
<硬化触媒>ネオスタンU-220H(日東化成製、ジブチルスズビスアセチルアセトナート)
FomrezSUL−4(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製、ジブチルスズジラウレート)
(硬化物の透湿性)
ASTM E96のWater Method(ウェットカップ法)に準じて評価した。
表1の各組成物を、テフロン(登録商標)フィルム上に塗布し、厚さ約30milとなるようにスペーサーと平スパチュラで調整した後、恒温恒湿室(23℃/50%RH)で4日間、そして50℃オーブン中で3日間、養生した。養生後、硬化物シートをカップサイズに切り取り、厚み(α)を測定した。Gardco社製,透湿度測定専用カップへ水を約15g入れた後、硬化物シート、クランピングリング、キャップの順にセットした。重量を測定した後、恒温恒湿室(23℃/50%RH)で4日間に亘り、約24時間間隔で重量を測定し、透湿度(β)を算出した。更に、(α)、(β)値を使用し、透湿性[α×β/1000」(単位:Perm・inch)を算出した。
(硬化物表面への可塑剤の移行)
表1の各組成物を、テフロン(登録商標)フィルム上に塗布し、厚さ約30milとなるようにスペーサーと平スパチュラで調整した後、恒温恒湿室(23℃/50%RH)で4日間、そして50℃オーブン中で3日間、養生し、塗膜状の硬化物を得た。恒温恒湿室(23℃/50%RH)又は15℃/95%RH下で放置し、塗膜表面への可塑剤の移行を目視と指触で評価した。可塑剤の移行が認められない場合Aとし、可塑剤の移行が僅かに認められた場合Bとし、可塑剤の移行が明らかに認められた場合Cとし、著しく可塑剤の移行が認められた場合Dとした。
(硬化物の水中浸漬による可塑剤の流出)
表1の各組成物を、テフロン(登録商標)フィルム上に塗布し、厚さ約3cmとなるようにスペーサーと平スパチュラで調整した後、恒温恒湿室(23℃/50%RH)で4日間、そして50℃オーブン中で3日間養生し、その後硬化物を約1inchx1inchサイズに切り取った。各サンプルの重量(W1)を測定した後、純水の入ったガラス瓶の中へ入れ、恒温恒湿室で1週間静置した。サンプルを水中から取り出した後、70℃オーブン中で1週間水分を蒸発させた。恒温恒湿室で数時間静置した後、重量(W2)を測定し、各サンプルの可塑剤の流出率(R)を算出した。
R=(W2−W1)/W1×100(%)
表1に示すとおり、有機重合体(I)と有機重合体(II)を含有する実施例1〜6の硬化性組成物は、有機重合体(I)を含まない比較例1や2と比較し、高い透湿性を維持してかつ効果的に可塑剤の移行や水中への流出を抑えることができている。

Claims (14)

  1. 一分子に平均して1個未満の加水分解性ケイ素基を有し、オキシエチレン単位の含有量が5〜80重量%である有機重合体(I)を含有する硬化性組成物。
  2. 有機重合体(I)が、オキシエチレン単位を5〜80重量%含有するポリオキシアルキレン系重合体であることを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 有機重合体(I)が1個の活性水素を有する化合物を出発原料として製造されることを特徴とする請求項1または2記載の硬化性組成物。
  4. 有機重合体(I)が出発原料の活性水素を加水分解性ケイ素基に変換して製造されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 有機重合体(I)の数平均分子量が500〜15,000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 有機重合体(I)がエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 1分子に平均して1個以上の加水分解性ケイ素基を有する有機重合体(II)100重量部、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機重合体(I)5〜200重量部を含むことを特徴とする硬化性組成物。
  8. 有機重合体(II)が、ポリオキシアルキレン系重合体であることを特徴とする請求項7記載の硬化性組成物。
  9. 有機重合体(II)の主鎖がオキシプロピレン単位からなることを特徴とする請求項7または8記載の硬化性組成物。
  10. 有機重合体(II)の数平均分子量が2,000〜50,000であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  11. 有機重合体(II)が複合金属シアン化物錯体触媒を用いたアルキレンオキシドの開環付加重合で製造されることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  12. 有機重合体(II)の主鎖骨格中に、一般式(2):
    −NR−C(=O)− (2)
    (Rは水素原子または1価の有機基である)で表される基を有することを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  13. 有機重合体(II)100重量部、有機重合体(I)5〜200重量部、充填材1〜250重量部、アミノ基含有シランカップリング剤0.1〜20重量部、硬化触媒0.01〜10重量部、を含むことを特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の硬化性組成物からなる塗膜防水材。
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