JP2002188003A - フッ素ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents

フッ素ゴム組成物及びその製造方法

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JP2002188003A
JP2002188003A JP2000388164A JP2000388164A JP2002188003A JP 2002188003 A JP2002188003 A JP 2002188003A JP 2000388164 A JP2000388164 A JP 2000388164A JP 2000388164 A JP2000388164 A JP 2000388164A JP 2002188003 A JP2002188003 A JP 2002188003A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)分子中に少なくとも2個のアルケ
ニル基を有し、かつ主鎖中に2価のパーフルオロアルキ
レン又は2価のパーフルオロポリエーテル構造を有する
液状パーフルオロ化合物
100重量部 (B)補強性フィラー
1〜100重量部 (C)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む
付加反応可能な化合物(C)成分のヒドロシリル基/
(A)成分のアルケニル基(モル比)=0.1〜0.9
9となる量を付加反応触媒の存在下でプレキュアしてな
るプレキュアベース (D)(A)成分のポリマーに溶解しないフッ素含有オ
イル 上記(A)成分100重量部に対し1〜30重量部 (E)上記(A)成分の架橋剤
架橋有効量を含有することを特徴とするフッ
素ゴム組成物。 【効果】 本発明のフッ素ゴム組成物は、表面潤滑性に
優れるために機械化、ロボット化を代表とする成型品の
自動装着に適しており、かつ、その硬化物は従来の特性
である耐寒性、耐薬品性、耐油性などにも優れ、機械的
なゴム特性も良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保存中にブリード
アウトすることなく、架橋後にブリードアウトして表面
潤滑性に優れた硬化物となり、かつ成型作業性に優れ、
耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、低温特性、機械的強度が
良好な硬化物を与えるフッ素ゴム組成物及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
フッ化ビニリデン系フッ素ゴムは、耐熱性、耐薬品性、
機械的強度などに優れたエラストマーなので自動車及び
機械産業を中心に広い分野で工業的に使用されている。
【0003】しかしながらその耐薬品性は不十分であ
り、ケトン系、低級アルコール系、カルボニル系、有機
酸系などの極性溶剤には容易に膨潤してしまい、アミン
を含む薬品には劣化してゴム強度や伸びが極端に低下し
てしまうという欠点を有している。
【0004】そこで、それらの欠点を改善するためにパ
ーフルオロ化合物と含フッ素オルガノ水素ポリシロキサ
ンとを主成分とする含フッ素硬化性組成物が提案されて
いる。
【0005】しかしながら、これら組成物はパーフロロ
化合物が低重合度の液状であることから液状の組成物と
なるため、FIPG工法やLIMS成型などには適して
いるものの、従来よりゴム成型で用いられている圧縮成
型では作業性が劣ってしまう。
【0006】特に成型作業性、エアーの巻き込みによる
不良の多発などにより従来のゴム用2枚金型が使用でき
ないことが多く、専用のLIMS金型を新たに作成しな
ければ安定した生産は困難である。
【0007】しかし、LIMS金型は、一般的に従来の
ゴム用2枚金型に比べて高価であり、LIMS成型機へ
の取り付けに手間取ったり、金型取り付け後の機械の調
整に時間がかかるなどの問題点があり、多品種少量生産
には不向きである。
【0008】このような背景からゴム用ロール作業が可
能で圧縮成型用ゴム金型による成型が可能なタイプのゴ
ム組成物(以下、ミラブルタイプ組成物と呼ぶ)をパー
フルオロ化合物と含フッ素オルガノヒドロポリシロキサ
ンとを主成分とする含フッ素硬化性組成物により製造す
る方法が望まれている。
【0009】一方で、近年は大量生産において組み立て
工程を機械化、ロボット化することが一般的となり、ゴ
ム加工品も人間が装着するより機械によって組み込まれ
ることが増えてきた。この場合、ゴム表面の粘着性が機
械化を阻害することが多く、表面粘着性の除去や潤滑性
の付与が求められている。
【0010】フッ化ビニリデン系フッ素ゴムは、アミン
系の化合物に対して反応性があるために成型品表面にヘ
キサメチレンジアミンなどを塗布することによって、容
易に表面粘着性を除去し、表面の滑り性を向上させるこ
とが可能であるが、上記の含フッ素硬化性組成物はその
薬品安定性のために表面改質が困難であるという欠点を
有している。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、低温特性、機械的強
度が良好な硬化物を与える上、ゴム用ロール作業が可能
で圧縮成型用ゴム金型による成型が可能であり、かつ表
面潤滑性の優れた硬化物を与えるフッ素ゴム組成物及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記問題を解決するため鋭意検討を行った結
果、(A)下記に示す液状パーフルオロ化合物、(B)
補強性フィラー、(C)分子中に少なくとも2個のヒド
ロシリル基を含む付加反応可能な化合物を付加反応触媒
の存在下でプレキュアしてなるプレキュアベース、
(D)(A)成分のポリマーに溶解しないフッ素含有オ
イル、(E)上記(A)成分の架橋剤を含有してなるフ
ッ素ゴム組成物が、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、低温
特性、機械的強度が良好な硬化物を与える上、ゴム用ロ
ール作業が可能で、圧縮成型用ゴム金型による成型が可
能であり、かつ保存中にブリードアウトすることなく、
架橋後にブリードアウトして表面潤滑性に優れた硬化物
となることを見出した。
【0013】即ち、含フッ素硬化性組成物に下記に示す
フッ素含有オイルを添加することにより、硬化後に該フ
ッ素含有オイルが硬化物表面にブリードアウトすること
によって、ゴム表面の粘着性を除去し、潤滑性が付与さ
れた硬化物となることを見出し、本発明をなすに至った
ものである。
【0014】従って、本発明は、 (A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に2価のパー フルオロアルキレン又は2価のパーフルオロポリエーテル構造を有する液状パー フルオロ化合物 100重量部 (B)補強性フィラー 1〜100重量部 (C)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む付加反応可能な化合物 (C)成分のヒドロ シリル基/(A)成分のアルケニル基(モル比)=0.1〜0.99となる量 を付加反応触媒の存在下でプレキュアしてなるプレキュアベース (D)(A)成分のポリマーに溶解しないフッ素含有オイル 上記(A)成分100重量部に対し1〜30重量部 (E)上記(A)成分の架橋剤 架橋有効量 を含有することを特徴とするフッ素ゴム組成物、及び上
記(A)〜(C)成分を混合、反応させた後に(D),
(E)成分を添加混合する工程で得られるフッ素ゴム組
成物の製造方法を提供する。
【0015】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のフッ素ゴム組成物の(A)成分は、分子中に少
なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に2価
パーフルオロアルキレン又は2価パーフルオロポリエー
テル構造を有する液状パーフルオロ化合物である。
【0016】ここで、上記(A)成分のパーフルオロ化
合物は、樹脂又はゴムのような高分子量重合体に合成す
ることが技術的に困難である化合物で、分子中に少なく
とも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に2価パー
フルオロアルキレン又は2価パーフルオロポリエーテル
構造を有し、好ましくは25℃における粘度が25〜
1,000,000cStである直鎖状パーフルオロ化
合物であり、このパーフルオロ化合物としては、例えば
下記一般式(1)で示されるものが挙げられる。
【0017】
【化3】
【0018】ここで、Rfは、2価パーフルオロアルキ
レン基又は2価パーフルオロポリエーテル基であり、特
に2価パーフルオロアルキレン基としては −Cm2m− (但し、m=1〜10、好ましくは2〜6である。)で
示されるものが好ましく、2価パーフルオロポリエーテ
ル基としては下記式で示されるものが好ましい。
【0019】
【化4】
【0020】次に、Qは下記一般式(2),(3)又は
(4)で示される基である。
【化5】
【0021】ここで、R1は水素原子又は置換又は非置
換の1価炭化水素基であり、置換又は非置換の1価炭化
水素基としては炭素数1〜12のものが好ましく、これ
らの基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、te
rt−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等
のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、
トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベ
ンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の
アラルキル基あるいはこれらの基の水素原子の一部又は
全部をフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子等で置換し
たクロロメチル基、ブロモエチル基、クロロプロピル
基、トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,5,
5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等を挙げるこ
とができる。
【0022】R3は置換又は非置換の2価炭化水素基で
あり、これは炭素数1〜10、特に2〜6のものが好適
である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピ
レン基、メチルエチレン基、ブチレン基、へキサメチレ
ン基等のアルキレン基、シクロへキシレン基等のシクロ
アルキレン基、フェニレン基、トリレン基、キシリレン
基、ナフチレン基、ビフェニレン基等のアリーレン基、
あるいはこれらの水素原子の一部をハロゲン原子で置換
した基等を挙げることができる。なお、式(4)におい
て、2個のR3は互いに同一でも異なっていてもよい。
【0023】R4は結合途中に酸素原子、窒素原子、ケ
イ素原子及び硫黄原子の1種又は2種以上を介在させて
もよい置換又は非置換の2価炭化水素基、あるいは下記
一般式(5)又は(6)で示される基である。
【0024】
【化6】 (式中、R5は置換又は非置換の1価炭化水素基であ
り、R6は炭素原子、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子
及び硫黄原子の1種又は2種以上を主鎖構造中に含む基
である。)
【0025】ここで、R4の式(5),(6)で示され
る基において、R5の1価炭化水素基としては、R1で説
明した置換又は非置換の1価炭化水素基と同様のものが
挙げられる。また、R6の例として、置換又は非置換の
2価炭化水素基が挙げられるが、これは炭素数1〜2
0、特に1〜10の2価炭化水素基が好適であり、具体
的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチ
ルエチレン基、ブチレン基、へキサメチレン基等のアル
キレン基、シクロへキシレン基等のシクロアルキレン
基、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチ
レン基、ビフェニレン基等のアリーレン基、これらの基
の水素原子の一部をハロゲン原子等で置換した基、ある
いはこれらの置換又は非置換のアルキレン基、アリーレ
ン基の組合せなどが例示される。
【0026】また、R6の他の例として酸素原子、窒素
原子、ケイ素原子、硫黄原子の1種又は2種以上を主鎖
構造中に含む2価の基が挙げられる。
【0027】この場合、酸素原子は−O−、硫黄原子は
−S−、窒素原子は−NR−(Rは水素原子又は炭素数
1〜8、特に1〜6のアルキル基又はアリール基であ
る)などとして介在させることができ、またケイ素原子
はオルガノシロキサンを含有する基あるいはオルガノシ
リレン基として介在させることもでき、具体的には下記
の基を例示することができる。
【0028】
【化7】
【0029】一方、R4の結合途中に酸素原子、窒素原
子、ケイ素原子及び硫黄原子の1種又は2種以上を介在
させてもよい置換又は非置換の2価炭化水素基として
は、上記R6で説明した置換又は非置換の2価炭化水素
基及びこれに上記酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、硫
黄原子介在基を介在させたものが示される。
【0030】上記式(2),(3),(4)により示さ
れる式(1)中のQとしては、具体的に下記の基が例示
される。なお、以下の一般式において、Meはメチル
基、Phはフェニル基を示す。
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】なお、上記式(1)において、aは0以上
の整数であり、従って、式(1)の含フッ素化合物は1
分子中に2価パーフルオロアルキレン基又は2価パーフ
ルオロポリエーテル基を1個以上含むものであるが、a
は好ましくは0〜10、特に0〜6の整数である。
【0034】次に、Xは、下記に挙げられるものであ
る。
【化10】
【0035】また、pは0又は1であり、式(1)のパ
ーフルオロ化合物は両末端にビニル基、アリル基等を有
するものである。
【0036】上記式(1)で表されるパーフルオロ化合
物の具体例としては、例えば下記式で表される直鎖状フ
ルオロポリエーテル化合物等が挙げられる。
【0037】
【化11】 (但し、式中、m,nは0以上の整数であり、好ましく
は25℃における粘度を25〜1,000,000cS
tとする値である。)
【0038】上記(A)成分の直鎖状パーフルオロ化合
物は、25℃での粘度が25〜1,000,000cS
tの範囲にあることが好ましく、特に100〜60,0
00cStであることが好ましい。粘度がこの範囲外で
あるときは満足する特性を有するゴム硬化物を形成する
ことが困難となったり、作業性が低下する等の不都合を
生じるおそれがある。
【0039】本発明のフッ素ゴム組成物の(B)成分は
補強性フィラーである。この補強性フィラーは、ロール
作業性、機械的強度、熱安定性、耐候性、耐薬品性、難
燃性等を向上させたり、硬化時における熱収縮の減少、
硬化して得られる弾性体の熱膨張率の低下、ガス透過率
を下げるなどの目的で添加されるが、主としてミラブル
タイプの組成物にするため、ロール作業性と機械的強度
を向上させる目的で配合される。
【0040】補強性フィラーとしては、例えば、ヒュー
ムドシリカ、コロイダルシリカ、珪藻土、石英粉末、ガ
ラス繊維、カーボンや、酸化鉄、酸化チタン、酸化セリ
ウム等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム等の金属炭酸塩などを挙げることができ、これらは各
種表面処理剤で処理したものであってもよい。これらの
中では、機械的強度の点からヒュームドシリカが好まし
く、特に分散性を向上させるためにシラン系等の分子中
にケイ素を含む表面処理剤で処理されたものが好まし
い。
【0041】補強性フィラーの配合量は、(A)成分1
00部(重量部、以下同様)に対して1〜100部であ
る。1部未満ではフィラーの補強性が低下すると共に、
ロール作業性が低下し、100部を超えるとゴムの柔軟
性が失われたり、ロールに巻き付かなくなるなどの不都
合が生じる。
【0042】なお、(B)成分の補強性フィラー配合時
に任意成分として表面処理剤を添加してもよい。表面処
理剤は、補強性フィラーとポリマー間の濡れ性を向上さ
せ、補強性フィラー配合と分散を容易にすることで配合
作業を容易にして組成物の機械的強度を向上させるため
の任意成分であり、この表面処理剤としては、フィラー
表面との親和性を有するシラノール基とポリマーのパー
フルオロ主鎖との親和性を有するフロロアルキル基又は
フルオロポリアルキルエーテル基を分子中に少なくとも
1つ含有しているものが好ましい。
【0043】次に、(C)成分の分子中に少なくとも2
個のヒドロシリル基を含むアルケニル基と付加反応可能
な化合物としては、有機化合物中にヒドロシリル基を含
有するものや、有機ケイ素化合物中にヒドロシリル基を
含有するものでもよいが、分散性や耐熱性を考慮する
と、以下に示す式(7)又は式(8)の化合物が望まし
い。
【0044】
【化12】
【0045】Rf,X及びpについては上述した通りで
あるが、式(7),(8)におけるRf,X及びpと式
(1)におけるRf,X及びpとは互いに同一であって
も異なっていてもよい。
【0046】また、Zは、下記一般式(9)で示される
基である。
【化13】
【0047】ここで、R2は置換又は非置換の1価炭化
水素基であり、R2の置換又は非置換の1価炭化水素基
としては、炭素数1〜8のものが好ましく、これらの基
として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−
ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロ
アルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のア
リール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキ
ル基あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフ
ッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子等で置換したクロロ
メチル基、ブロモエチル基、クロロプロピル基、トリフ
ルオロプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,
6−ノナフルオロヘキシル基等を挙げることができる。
【0048】また、bは、式(7)の化合物の場合は
1,2又は3、式(8)の化合物の場合は2又は3であ
る。
【0049】(C)成分の配合量は、(A)成分と
(C)成分との割合が、(C)成分中のヒドロシリル基
量/(A)成分中のアルケニル基量がモル比で0.1〜
0.99、好ましくは0.3〜0.8となる範囲であ
る。この比が0.1未満であると組成物が多少増粘する
程度であり、流動性が残るため、ゴム用2本ロールで分
出し作業を行うことが困難な液状ゴムになってしまい、
0.99を超えるとゴムの硬化物になり、フィラーの添
加が困難になったり、ロールに巻き付かないなどの不具
合が生じる。
【0050】本発明においては、上記(A)、(B)、
(C)成分を付加反応触媒の存在下でプレキュアし、プ
レキュアベースを得て、これを配合成分とする。
【0051】ここで、付加反応触媒としては、白金族金
属化合物が望ましい。白金族金属化合物は一般に貴金属
の化合物であり、高価格であることから、比較的入手し
やすい白金化合物がよく用いられる。
【0052】白金化合物としては、例えば塩化白金酸又
は塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、アル
コールやビニルシロキサンとの錯体、白金/シリカ又は
アルミナ又はカーボン等を例示することができるが、こ
れらに限定されるものではない。白金化合物以外の白金
族金属化合物としては、ロジウム、ルテニウム、イリジ
ウム、パラジウム系化合物も知られており、例えばRh
Cl(PPh33、RhCl(CO)(PPh32、R
hCl(C242、Ru3(CO)12、IrCl(C
O)(PPh32、Pd(PPh34等を例示すること
ができる。
【0053】これらの触媒の使用量は、特に制限される
ものではなく、触媒量で所望とする硬化速度を得ること
ができるが、経済的見地又は良好な硬化物を得るために
は、(A),(C)成分の全量に対して0.1〜1,0
00ppm(白金族金属換算)、より好ましくは0.1
〜500ppm(同上)程度の範囲とするのがよい。
【0054】上記プレキュアのための付加反応の条件は
適宜選定でき、反応は室温で行ってもよいが、反応を速
めるには100〜200℃に加熱して10秒〜60分行
うことができる。
【0055】(D)成分のフッ素含有オイルは、本発明
の重要な添加剤であり、この種類と添加量により組成物
の安定性や潤滑性が大きく変化するものである。
【0056】このフッ素含有オイルは、(A)成分の液
状ポリマーに溶解するものであってはならない。(A)
成分のポリマーに溶解するものであると組成物中で安定
に分散してしまいブリードアウトとすることがなく、可
塑剤として作用してしまうためにゴム硬度が低下して表
面粘着性が増加してしまうので、本来の目的である表面
潤滑性付与剤として作用しなくなる。
【0057】また、分子中にフッ素含有基を有すること
も必要である。フッ素含有基がない場合は、ポリマーと
の親和性がないために組成物に練り込まれた場合に表面
へ移動してブリードアウトすることがなくなる。
【0058】よって、本発明のフッ素含有オイルの必要
条件は(A)成分のポリマーとある程度の親和性と非相
溶解性を兼ね備えたものでなければならない。
【0059】具体的な好ましい化学構造としては、下記
一般式(10)で表されるものが挙げられる。 CF3-[(O-CF2-CF2)n-(O-CF2)m]-O-CF3 …(10) (但し、n,mは整数である。)
【0060】更に、本発明のフッ素含有オイルは、上記
条件に加えて粘度も重要である。添加オイルの粘度が低
い場合は硬化前の組成物の状態でもブリードアウトして
しまい、組成物の保存性が問題となり、高粘度の場合は
オイルの表面への移動速度が遅くなってしまう。本発明
においては、プレス成型時の加熱及び成型後のポストキ
ュアーによりブリードアウトすることが望ましく、その
粘度範囲は50〜500,000cSt、更に好ましく
は100〜50,000cStであることが望ましい。
【0061】また、その添加量は、(A)成分のポリマ
ーに対して1〜30部であり、1部未満であると表面潤
滑の効果が少なくなり、30部を超えると機械的強度が
低下してしまう。更に好ましくは3〜20部である。
【0062】本発明の(E)成分は架橋剤であり、これ
は、本発明組成物乃至(A)成分を完全硬化させるもの
である。架橋剤としては、(E−1)ヒドロシリル基を
分子中に含む付加反応可能な架橋剤、又は、(E−2)
パーオキサイド架橋剤が用いられる。
【0063】この場合、(E−1)成分の架橋剤として
は、分子中にヒドロシリル基を少なくとも2個、好まし
くは3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキ
サンを挙げることができ、このオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンとしては、付加反応硬化型シリコーンゴ
ム組成物に通常用いられるオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンを使用することができるが、特に上記(C)
成分と同様のものを使用することができる。
【0064】この(E−1)成分の添加量は、上記
(A)成分中の残存アルケニル基と反応し、(A)成分
を硬化するに十分な量である。この場合、この架橋剤
は、保存安定性の点から従来のミラブルゴム組成物と同
様にゴム成型直前に添加することが望ましいが、その添
加量は、(A)成分をプレキュアする際に用いた(C)
成分の架橋材料を考慮して決定することがゴム物性を安
定化する上で重要であり、 {(C)成分中のヒドロシリル基量+(E)成分のヒド
ロシリル基量}/(A)成分中のアルケニル基量 が0.5〜5、特に0.8〜2の範囲であることが好ま
しい。
【0065】また、上記(E−1)成分には、必要に応
じ、白金族金属化合物等の付加反応触媒を配合すること
ができるが、上記(C)成分の添加に使用した付加反応
触媒が(A)成分中に残存している場合は、必ずしも添
加しなくてもよい。なお、添加量は触媒量であり、上記
と同様でよい。
【0066】一方、(E−2)成分のパーオキサイド架
橋剤としては、例えば、ジベンゾイルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ−
t−ブチルパーオキシヘキサンなどが挙げられるが、保
存安定性やスコーチ防止の点から、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサンが好まし
い。
【0067】上記パーオキサイド架橋剤の添加量は、
(A)成分を硬化させるに十分な量であればよいが、
(A)成分100部に対して0.1〜5部、特に0.5
〜3部が好ましい。0.1部に満たないと架橋が不十分
になったり架橋が遅くなる場合があり、5部を超えると
物性に悪影響を与える場合がある。
【0068】本発明組成物は、上記成分を含有するだけ
で十分安定であるが、更にカーボンブラック、金属酸化
物及び金属水酸化物などの耐熱性向上剤を添加してもよ
い。これら耐熱性向上剤は、熱時に発生するラジカルや
フッ化水素などの酸性物質を吸収もしくは中和する作用
により耐熱性を向上させるものと考えられる。
【0069】上記耐熱性向上剤は粉末であるが、(B)
成分の補強性フィラーと異なり、機械的強度を向上する
目的で添加するものでなく、熱時に発生するラジカルや
酸性物質を吸着又は中和するものであるから、表面処理
を行うと表面活性が失われて効果が低下してしまう。従
って、表面処理を行ったり、表面処理剤と同時に添加す
ることは好ましくない。
【0070】カーボンブラックとしては、ランプブラッ
ク、各種ファーネスブラック及びアセチレンブラックな
どが挙げられるが、不純物の含有による架橋特性及びゴ
ム物性の低下の心配のないアセチレンブラックが好まし
い。
【0071】金属酸化物としては、酸化鉄、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化銅、
酸化チタン、酸化アルミ、酸化カドミウム、酸化コバル
ト、酸化セリウム等が挙げられるが、ゴムへの練り込み
やすさやコンパウンド内での安定性を考慮すると、酸化
マグネシウム、酸化鉄、酸化セリウムが好ましく使用で
きる。
【0072】金属水酸化物としては、水酸化カリウム、
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、
水酸化アルミなどが挙げられるが、水酸化物の安定性や
取扱い上の安全性を考慮すると、水酸化カルシウムが好
ましく使用できる。
【0073】また、これら耐熱性向上剤は、単独に添加
しても十分な耐熱性の向上となるが、2成分以上を併用
することで、その効果は極めて向上する。
【0074】耐熱性向上剤の配合量は、1成分を単独使
用する場合であっても2成分以上を併用する場合であっ
ても、(A)成分100部に対して0.01〜10部が
好適であり、0.01部未満であると、耐熱性向上剤と
しての効果が少なくなるおそれがあり、10部を超える
と、ヒュームドシリカのような補強性がないので、ゴム
の機械的強度を維持するのが難しくなる場合がある。更
に好ましくは0.1〜5部であり、これによって機械的
強度と耐熱性を兼ね備えたフッ素ゴム組成物とすること
ができる。
【0075】本発明の組成物には、その実用性を高める
ために種々の添加剤を必要に応じて添加することができ
る。これら添加剤として具体的には、この組成物の硬化
速度を制御する目的で加えるCH2=CH(R)SiO
単位(式中、Rは水素原子又は置換もしくは非置換の1
価炭化水素基である。)を含むポリシロキサン(特公昭
48−10947号公報参照)及びアセチレン化合物
(米国特許第3445420号及び特公昭54−377
4号公報参照)、更に、重金属のイオン性化合物(米国
特許第3532649号参照)等を例示することができ
る。
【0076】本発明のフッ素ゴム組成物の製造工程は、
(A)〜(C)成分を混合し、プレキュアする第一工
程、(D)成分のオイルブリード剤を配合する第二工
程、(E)成分の架橋剤、触媒及び架橋助剤などを配合
する第三工程からなる。
【0077】この第一工程の(A)〜(C)成分を混合
する装置としては、一般的なゴムの配合に用いられるゴ
ム用ニーダー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー等を
用いればよく、これらの配合の際は常温であっても何ら
問題ないが、剪断熱を安定にするなどの目的によりポリ
マーが分解しない温度範囲で加熱してもよく、その条件
は100〜300℃で10分〜8時間程度が望ましい。
【0078】この第一工程では、パーフルオロ化合物の
一部の反応基をヒドロシリル基を用いて架橋させること
により分子量を増大させることが重要であり(プレキュ
アーと呼ぶ)、この工程により液状もしくはペースト状
の組成物をゴム用2本ロールによる配合が可能なミラブ
ルタイプの組成物にするものであり、この工程で分子量
を増大させないとゴムロールによる配合や分出しが困難
な組成物になってしまう。
【0079】次に、第二工程は、(D)成分のオイルブ
リード剤を配合する工程であり、オイルを均一に分散さ
せるためには、上述した第一工程と最終次工程の架橋剤
等を配合する工程との間に配合することが好ましく、第
一工程で使用するニーダーなどの混練り装置で添加して
も最終工程使用のゴム用2本ロールなどの混練り装置に
よる配合であってもよい。
【0080】また、このときの温度及び混練り時間は、
特に注意する必要はなく、オイルが十分に分散する各混
練り装置の適正条件であればよい。
【0081】最後に第三工程は、(E)成分の架橋剤、
触媒及び架橋助剤などを配合する工程であり、この工程
で使用する混練り装置としては、ニーダー、加圧ニーダ
ー、バンバリーミキサーなどは混合発熱により架橋が進
行するスコーチ現象の危険があり好ましくなく、分出し
作業も行うことができるゴム用2本ロールが望ましく、
練り作業時の発熱による架橋の進行を抑えるために冷却
設備を有するものがよい。その混練り条件は、ロール表
面温度を20℃以下に維持しつつ、添加剤が十分に分散
するまでロール混練作業を行う。
【0082】また、本発明のフッ素ゴム組成物の硬化条
件としては、100〜200℃で10秒〜60分、好ま
しくは120〜170℃で1〜30分である。
【0083】
【発明の効果】本発明のフッ素ゴム組成物は、表面潤滑
性に優れるために機械化、ロボット化を代表とする成型
品の自動装着に適しており、かつ、その硬化物は従来の
特性である耐寒性、耐薬品性、耐油性などにも優れ、機
械的なゴム特性も良好である。
【0084】また、添加した含フッ素オイルはプレス成
型時にも僅かにブリードするために金型離型性も向上す
るので成型作業の効率化にも寄与する。
【0085】従って、自動車、航空機、宇宙、電気、電
子、機械、化学プラント、半導体などに用いられるパッ
キンやガスケットなどのシール材料、ダイヤフラム材
料、バルブ材料などの弾性が必要な部品として幅広く利
用可能なのでその工業的な利用範囲は極めて広い。
【0086】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。なお、下記の例で部は重量部を示し、粘度
は25℃の値である。また、下記例で使用した物質、各
配合方法及び評価方法は下記の通りである。
【0087】
【化14】
【0088】付加反応触媒 PL50T,信越化学工業社製商品名 白金化合物触媒補強性フィラー R976,日本アエロジル社製商品名 ケイ素系表面処
理剤で処理されたヒュームドシリカ反応制御剤 エチニルシクロヘキサノール,50%トルエン溶液カーボンブラック デンカブラック,電気化学工業社製商品名 アセチレン
ブラックオイル1 FONBLIN Z60、AUSIMONT社商品名
パーフルオロポリエーテルオイルオイル2 FONBLIN YPL1500、AUSIMONT社
商品名 パーフルオロポリエーテルオイルオイル3 FONBLIN Y45、AUSIMONT社商品名
パーフルオロポリエーテルオイルオイル4 デムナムS65、ダイキン社商品名 パーフルオロポリ
エーテルオイルオイル5 KF96、信越化学工業社商品名 ジメチルシリコーン
オイルベース組成物の配合 5リットル試験用加圧ニーダー中の温度を170℃に上
昇させ、ポリマー、プレキュアー架橋剤及び触媒、フィ
ラー、表面処理剤、耐熱性向上剤を表1に示すような配
合にて添加した。
【0089】フィラーの添加終了後、同様の温度にて1
時間混練りを続けてベース組成物を得た。オイル添加剤配合 上記ベース組成物をニーダーから取り出し、ゴム用2本
ロールに巻き付け、各種オイルをポリマー100部に対
して表2及び3に示す量を配合し、最終コンパウンドを
得た。架橋剤配合 最後に、ゴム用2本ロールで上記最終コンパウンドに付
加反応制御剤と付加反応架橋剤を配合して硬化可能なフ
ッ素ゴム組成物を得た。組成物物性評価方法 得られた硬化可能なフッ素ゴム組成物をゴム用75トン
プレスにて150℃,10分間の条件で2mm厚のゴム
シートを作成した後に200℃,4時間のポストキュア
ーを行った。このシートをJISゴム評価方法に従い物
性測定(硬度、伸び、引っ張り強度)を行った。表面潤滑性評価 上記で得られたシートをポストキュアー終了後24時間
放置してから表面性測定機(ポリレコーダーHEIDO
N,新東科学株式会社製)を用いて摩擦係数を測定し、
オイルのブリードに起因する表面潤滑性を評価した。
【0090】
【表1】
【0091】[実施例1〜4]パーフロロポリエーテル
構造を有し、ポリマーに溶解することのないオイル1を
変量し、ベース組成物に添加して上記の方法でゴム組成
物を作製し、このゴム組成物を上記の方法でゴム物性及
び表面特性を評価したところ、良好な結果を得た。オイ
ルの添加量及び評価結果を表2に示す。また、この時、
ゴム成型シートの表面にオイルのブリードが目視で観察
できた。
【0092】[実施例5]実施例3と同様な添加部数で
オイル2の添加効果を実施例3と同様にしてゴム物性及
び表面特性を評価して確認したところ、実施例3には多
少劣るものの比較例4のオイル未添加に比較して摩擦係
数の小さい表面特性を有するゴムシートが得られた。こ
のときのオイルブリードは実施例3に比較して少なかっ
た。オイルの添加量及び評価結果を表2に示す。
【0093】[比較例1,2]実施例3と同様な添加部
数で実施例に類似のパーフロロポリエーテル構造を有す
るオイル3及び4を添加して、この添加効果を実施例3
と同様にしてゴム物性及び表面特性を評価して確認した
が、このオイルはポリマーに熔解してしまうことから表
面にブリードすることがなく、表面特性の改善は僅かで
あった。オイルの添加量及び評価結果を表3に示す。
【0094】[比較例3]実施例3と同様な添加部数で
オイル5の添加効果を実施例3と同様にしてゴム物性及
び表面特性を評価して確認したところ、ポリマー構造が
全く異なるシリコーン系オイルであるためポリマーへの
溶解はないが、ポリマーとの親和性も全くないために表
面にオイルが移動することができず、ブリードは発生し
なかった。オイルの添加量及び評価結果を表3に示す。
【0095】[比較例4]オイルを添加する前の組成物
について実施例と同様な評価を行ったところ、オイルを
添加する前の組成物は摩擦係数が大きく、多少の表面粘
着性を有するものであった。この評価結果を表3に示
す。
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 71/02 C08L 71/02 83/05 83/05 Fターム(参考) 4J002 CH023 CH051 CH052 CP044 DA016 DA038 DE078 DE088 DE096 DE098 DE108 DE116 DE118 DE136 DE148 DE158 DE236 DJ016 DJ036 DL006 EK037 EK047 EK057 EK067 FA046 FB096 FD144 FD147 GJ02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ 主鎖中に2価のパーフルオロアルキレン又は2価のパーフルオロポリエーテル構 造を有する液状パーフルオロ化合物 100重量部 (B)補強性フィラー 1〜100重量部 (C)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む付加反応可能な化合物 (C)成分のヒドロ シリル基/(A)成分のアルケニル基(モル比)=0.1〜0.99となる量 を付加反応触媒の存在下でプレキュアしてなるプレキュアベース (D)(A)成分のポリマーに溶解しないフッ素含有オイル 上記(A)成分100重量部に対し1〜30重量部 (E)上記(A)成分の架橋剤 架橋有効量 を含有することを特徴とするフッ素ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 前記(A)成分中のパーフルオロ化合物
    が下記一般式(1)で示される化合物である請求項1記
    載の組成物。 【化1】
  3. 【請求項3】 前記(C)成分の分子中に少なくとも2
    個のヒドロシリル基を有するアルケニル基と付加反応可
    能な化合物が下記一般式(7)又は(8)で示される化
    合物である請求項1又は2記載の組成物。 【化2】
  4. 【請求項4】 前記(B)成分の補強性フィラーがヒュ
    ームドシリカ又は分子中にケイ素を含む表面処理剤で処
    理されたヒュームドシリカである請求項1乃至3のいず
    れか1項記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記(D)成分の(A)成分のポリマー
    に溶解しないフッ素含有オイルの粘度が50〜500,
    000cStであり、その分子構造が下記一般式(1
    0)で示されるものである請求項1乃至4のいずれか1
    項記載の組成物。 CF3-[(O-CF2-CF2)n-(O-CF2)m]-O-CF3 …(10) (但し、n,mは整数である。)
  6. 【請求項6】 更に、カーボンブラック、金属酸化物及
    び金属水酸化物から選ばれる1種又は2種以上を併用し
    た耐熱性向上剤を配合した請求項1乃至5のいずれか1
    項記載の組成物。
  7. 【請求項7】 上記(A)〜(C)成分を混合、反応さ
    せた後に(D),(E)成分を添加混合することを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のフッ素ゴム
    組成物の製造方法。
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