JP4618230B2 - 含フッ素ポリマー組成物及び硬化体 - Google Patents
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従来、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物を含有する硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この組成物におけるポリマーは、主鎖がパーフルオロ構造であり、パーフルオロ化合物以外の素材や化合物との相溶性に乏しく、他材との接着や配合剤の混合が難しいという問題があった。また、ポリマーの合成において高価なジカルボン酸化合物が必要であるという問題があった。
主鎖の両末端がSi−H基であり、数平均分子量が500〜500000であることを特徴とするメチレン基含有含フッ素ポリマーである。
以下に本発明を詳細に説明する。
上記メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)は、上記ヒドロシリル化反応触媒(B)の存在下にヒドロシリル化反応をするものである。
本明細書において、上記ヒドロシリル化反応は、炭素−炭素二重結合にSi−H基が付加する反応である。本明細書において、上記「Si−H基」とは、4価のケイ素原子と、このケイ素原子に結合している水素原子1個とからなる基を意味する。
上記メチレン基は、−CH2−で表される化学構造である。
上記メチレン基含有繰り返し単位は、上記メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)の分子構造上の繰り返し単位のうち−CH2−で表される化学構造を含む繰り返し単位である。
上記メチレン基含有繰り返し単位としては−CH2−で表される化学構造を含むものであれば特に限定されず、例えば、−CH2−CF2−、−CH2−CH(CH3)−、−CH2−CH2−等が挙げられ、これらは、例えば、ビニリデンフルオライド〔VdF〕、プロピレン〔Pr〕、エチレン〔Et〕等を重合させることにより導入することができる。
上記メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)が上記メチレン基含有繰り返し単位を主鎖中に有することにより、本発明の含フッ素ポリマー組成物における添加剤の混合が容易になり、本発明の硬化体と他材との接着性を向上することができる。上記メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)は、上記メチレン基含有繰り返し単位以外の繰り返し単位を主鎖中に有していてもよい。
上記共重合体(I)は、VdFの単独重合体であってもよいが、VdFとその他の共単量体とを重合することにより得られる共重合体であってもよい。
CF2=CFO(CF2CFYO)p−(CF2CF2CF2O)q−Rf
(式中Yは、F又はCF3を表し、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。pは、0〜5の整数を表し、qは、0〜5の整数を表す。)で表されるものである。
上記共重合体(I)は、ビニリデンフルオライド繰り返し単位が、ビニリデンフルオライド繰り返し単位と上記共重合体(I)におけるその他の共単量体に由来する繰り返し単位との合計モル数の40モル%以上、85モル%以下であるものであることが好ましい。より好ましい下限は45モル%、更に好ましい下限は50モル%であり、より好ましい上限は80モル%である。
上記メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)は、TFEとPrとからなる共重合体(II)であることが、硬化体の耐熱性と耐塩基性に優れることから好ましい。
上記プロピレン繰り返し単位は、上記共重合体(II)の分子構造上の一部分であって、Prに由来する部分であり、−CH2−CH(CH3)−で表される。
上記共重合体(III)は、ヘキサフルオロプロピレン繰り返し単位が、ヘキサフルオロプロピレン繰り返し単位とエチレン繰り返し単位との合計モル数の15モル%以上、50モル%以下であるものであることが好ましい。より好ましい下限は、20モル%であり、より好ましい上限は、45モル%である。
上記ヘキサフルオロプロピレン繰り返し単位は、上記共重合体(III)の分子構造上の一部分であって、HFPに由来する部分であり、−CF2−CF(CF3)−で表される。
上記エチレン繰り返し単位は、上記共重合体(III)の分子構造上の一部分であって、Etに由来する部分であり、−CH2−CH2−で表される。
本明細書において、上記「鎖の一端」及び上記「鎖の他端」における「鎖」は、主鎖及び側鎖の両方を含む概念である。従って、(i)「鎖の一端」及び「鎖の他端」がともに主鎖末端である場合、(ii)「鎖の一端」が主鎖末端であり、「鎖の他端」が側鎖末端である場合、(iii)「鎖の一端」及び「鎖の他端」がともに側鎖末端である場合等が考えられるが、特に硬化性部位を主鎖末端に有さずに主鎖途中に有するものである場合、この主鎖途中の架橋点から主鎖末端にかけての主鎖部分が架橋に直接寄与しないばかりでなく、可塑剤のように作用し硬化体の機械的強度が低下しやすいことから、本発明の含フッ素ポリマー組成物においては、(i)又は(ii)であることが好ましく、(iii)であることがより好ましい。
本明細書において、上記「主鎖途中にも硬化性部位を有する」は、主鎖を構成している炭素原子のうち主鎖の両末端にある炭素原子以外の炭素原子に直接結合している場合と、側鎖に存在している場合の両方を含む概念である。上記主鎖途中に硬化性部位を有する場合としては、硬化性反応に関与しやすい点から、側鎖に存在している場合が好ましい。
上記メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)は、また、常温で流動性を有するものであることが好ましい。
本明細書において、上記「常温」とは、0〜50℃を意味する。上記メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)は、このように常温で流動性を有するものであるので、複雑な形状の成形品を容易に得ることができ、また、現場施工型の成形が可能となる。
本明細書において、上記ムーニー粘度は、JIS K 6300(1994年)に準拠して、ムーニー粘度計(商品名:MV2000、モンサント社製)を用いて測定して得られる値である。
本明細書において、上記数平均分子量は、末端基濃度を定量して求めた値である。上記末端基濃度は、核磁気共鳴法〔NMR〕又は赤外線分光分析法[IR]により定量することができる。
上記ビニリデンフルオライドからなる共重合体(I)、上記TFEとPrとからなる共重合体(II)、上記HFPとEtとからなる共重合体(III)は、それぞれ先述と同様のものが好ましい具体例として挙げられる。
本明細書において、以下、特に別の記載をしない限り、「メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)」は上記メチレン基含有含フッ素ポリマー(A1)を含む概念である。
上記メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)の主鎖末端に炭素−炭素二重結合が導入されたことは、核磁気共鳴法〔NMR〕、赤外分光分析法〔IR〕等によって知ることができる。
上記メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)の主鎖途中として炭素−炭素二重結合又はSi−H基を導入する方法としては、他の種類の硬化性部位から変換する上述の方法が挙げられる。
上記メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)の主鎖末端にSi−H基が導入されたことは、NMR、IR等によって知ることができる。
上記ヒドロシリル化反応触媒(B)は、ヒドロシリル化反応を促進するために用いられるものである。
上記ヒドロシリル化反応により、鎖の末端にSi−H基を有するメチレン基含有含フッ素ポリマー(A)と、鎖の末端に炭素−炭素二重結合を有するメチレン基含有含フッ素ポリマー(A)との間で硬化性反応が進行し、硬化体を得ることができる。また、本発明の含フッ素ポリマー組成物が後述のヒドロシリル化性化合物(C)を含むものである場合、上記メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)とヒドロシリル化性化合物(C)との間で架橋が進行し硬化体を得ることができる。
上記ロジウム系触媒としては、ロジウム、ロジウム化合物、塩化ロジウム酸等からなるもの、例えば、RhCl(PPh3)3、RhCl(CO)(PPh3)2、RhCl(C2H4)2(Phは、フェニル基を表す。)等が挙げられる。
上記ルテニウム系触媒としては、例えばRu3(CO)12等が挙げられ、上記イリジウム系触媒としては、例えばIrCl(CO)(PPh3)2(Phは、フェニル基を表す。)等が挙げられる。
上記ヒドロシリル化反応触媒(B)は、用いるヒドロシリル化反応触媒(B)の公知の触媒量で使用することができるが、白金族元素よりなる付加反応触媒である場合、上記付加反応触媒に含まれる白金族元素の質量が、上述のメチレン基含有含フッ素ポリマー(A)と、所望により添加する後述のヒドロシリル化性化合物(C)との合計質量の0.1ppm以上、1%以下となる量で添加することが好ましく、0.1ppm以上、1000ppm以下となる量で添加することがより好ましい。
上記ヒドロシリル化性化合物(C)は、上記メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)における主鎖の両末端が炭素−炭素二重結合であるときには、分子中に少なくとも2個のSi−H基を有するSi−H基含有化合物(C1)であることが好ましい。
(CH3)3SiO−(SiH(CH3)−O)d−Si(CH3)3
(式中、dは、2以上の整数を表す。)
(CH3)3SiO−(Si(CH3)2−O)e−(SiH(CH3)−O)f−Si(CH3)3
(式中、eは、1以上の整数を表し、fは、2以上の整数を表す。)
HOSi(CH3)2O−(SiH(CH3)−O)2−Si(CH3)2OH
HOSi(CH3)2O−(Si(CH3)2−O)e−(SiH(CH3)−O)f−Si(CH3)2OH
(式中、eは、1以上の整数を表し、fは、2以上の整数を表す。)
HSi(CH3)2O−(Si(CH3)2−O)e−Si(CH3)2H
(式中、eは、1以上の整数を表す。)
HSi(CH3)2O−(SiH(CH3)−O)e−Si(CH3)2H
(式中、eは、1以上の整数を表す。)
HSi(CH3)2O−(Si(CH3)2−O)e−(SiH(CH3)−O)h−Si(CH3)2H
(式中、e及びhは、それぞれ、1以上の整数を表す。)
<2価のパーフルオロアルキレン基>−CkF2k−(式中、kは1〜20、好ましくは2〜10の整数を表す。)
<1価のパーフルオロオキシアルキル基>
<2価のパーフルオロオキシアルキレン基>
(式中、m及びnは、それぞれ、1〜50の整数を表す。)
上記Si−H基含有化合物(C1)としては、例えば下記の化合物が挙げられる。下記式でMeはメチル基、Phはフェニル基を表す。なお、これらの化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記ヒドロシリル化性ポリマー(Cp)は、シリコーンゴム及び/又はフルオロシリコーンゴムであることが好ましい。
上記添加剤類は、本発明の効果を損なわない範囲内で公知の量で使用することができ、特に限定されないが、合計で本発明の含フッ素ポリマー組成物の0.5〜50質量%の量で添加することが好ましい。
本発明の含フッ素ポリマー組成物は、必要に応じて水性媒体に分散させたものであってもよいし、有機溶剤に溶解したものであってもよい。上記水性媒体は、水と有機溶剤との混合物であってもよい。
本発明の硬化体は、例えば、本発明の含フッ素ポリマー組成物について上述した方法により硬化したものであってよい。
本発明の含フッ素ポリマー組成物を硬化する方法としては、上記FIPG法、LIM法等が好ましい。
上記基材としては特に限定されず、例えば、アルミニウム等の金属、セラミック等の無機材料からなるもの、合成樹脂等の有機材料からなるもの等が挙げられる。上記基材一体型成形体は、公知の塗布法や射出法により成形したものであってもよいが、FIPG法又はLIM成形法により成形したものが好ましい。上記基材一体型成形体は、また、FIPG法、LIM成形法、公知の塗布法、射出成形法等により基材上に含フッ素ポリマー組成物を用いて成形後、必要に応じて加熱することにより、上記基材と含フッ素ポリマー組成物から成形される成形体との一体成形を行ったものであってもよい。
またチューブを分析・理化学機器分野に用いることができる。
工程1.〔(CH3)3COCH2CF2COO〕2 の合成
100mlの3口フラスコに、20質量%NaCl水溶液を50g入れ、−15℃に冷却した。Na2O2を1.05g加えると−10℃まで温度が上昇した。再び−15℃に冷却し、(CH3)3C−OCH2CF2COClを4.91g滴下した。滴下完了後、−15℃に冷却しながら30分撹拌した。−15℃に冷却した1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンを5.0ml加えて、更に30分撹拌した。静置するとすぐに2層に分離するので、下層の白色懸濁液を採取すると、6.0mlの溶液が得られた。
ヨウ素滴定法により標記パーオキサイドの濃度を求めたところ、134mg/mlの濃度であった。
100mlのステンレス製反応容器を−50℃に冷却し、工程1.で得られたパーオキサイドの1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン溶液4.6mlを加え、窒素ガスで置換した後、ヘキサフルオロプロピレン10.9g、ビニリデンフルオライド6.5gを仕込んだ。上記ステンレス製反応容器を20℃で2.5時間振盪させて、重合を行った。上記ステンレス製反応容器の内圧は1.28MPa・Gから1.17MPa・Gまで低下した。重合終了後、未反応モノマーと1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンを蒸発させると、液状ポリマー(a)4.2gが得られた。
核磁気共鳴法〔NMR〕による分析で、ビニリデンフルオライド繰り返し単位とヘキサフルオロプロピレン繰り返し単位とのモル比は、76.5:23.5であった。
上記液状ポリマー(c)は、常温で流動性を有するものであった。
上記液状ポリマー(c)の数平均分子量は、5400であった。
Mn2=(1/(液状ポリマー(c)中のアリル基の濃度))×2
上記液状ポリマー(c)のIRスペクトルは、1736cm−1(C=O);1650cm−1(H2C=CH−)であった。
また、上記液状ポリマー(c)の1H−NMR(溶媒:アセトン−d6 TMS標準)は、5.7〜5.8ppm(1H)、4.9〜5.1ppm(2H)、3.6〜3.7ppm(4H)であった。
得られた液状ポリマー(c)3.5gに、トリメチルシリル基で処理された比表面積140m2/gのヒュームドシリカ(商品名:RX200、日本アエロジル社製)0.53gを加えて25℃で20分間混合した後、塩化白金酸をCH2=CH−Si(CH3)2−O−Si(CH3)2−CH=CH2で変性して得られたヒドロシリル化反応触媒のトルエン溶液(白金濃度0.1重量%)0.0027g、2−エチニルイソプロパノールの10%トルエン溶液0.0027g、及び、メチルヒドロシクロシロキサン(商品名:SIM6510.0、アヅマックス社製)0.121gを加え、25℃で20分間混合した。これを減圧下で脱泡し、長方形の締め枠に置き、再び空気抜きし、12MPa、150℃で60分間プレス硬化した。プレス硬化により、粘着性がなくゴム弾性のある硬化体が得られた。
180℃で7時間加熱処理した上記液状ポリマー(c)0.1gにメチルハイドロシロキサン/ジメチルシロキサン共重合体(商品名:HMS−301、GELEST,INC.製、分子量1900〜2000、メチルハイドロシロキサンは共重合体の25〜30質量%)0.0157gと0.06%白金触媒のトルエン溶液0.0080g[商品名:PT−VTSC−12.0VTS(オーエムジープレシャスメタルズ・ジャパン社製)をトルエンで200倍に希釈して調製]を添加して、50℃にて2時間混合し、液状ポリマー組成物(i)を得た。この液状ポリマー組成物(i)は、粘着性があった。
上記液状ポリマー組成物(i)を2枚のフッ素樹脂フィルムに挟み、シート状にした後、150℃で1時間加熱した。加熱により、粘着性のない硬化体が得られた。得られた硬化体をアセトンに浸漬したが、溶解することはなく、シート形状を保つことが確認された。尚、この硬化体をIR測定したところ、硬化前の上記液状ポリマー(c)で観察される1650cm−1のIR吸収は、ほとんど検出されず、上記液状ポリマー(c)の末端アリル基がヒドロシリル化反応により、硬化体の生成に寄与したことが分かった。
180℃で7時間加熱処理した上記液状ポリマー(c)0.1gとメチルハイドロシロキサン/ジメチルシロキサン共重合体[商品名:HMS−301、GELEST,INC.製、分子量1900〜2000、メチルハイドロシロキサンは、共重合体の25〜30質量%]0.0157gと0.06%白金触媒のトルエン溶液0.0080g[商品名:PT−VTSC−12.0VTS(オーエムジープレシャスメタルズ・ジャパン社製)をトルエンで200倍に希釈して調製]をアセトン1.0gに溶解させ、液状ポリマー組成物(i)のアセトン溶液(「コーティング剤」ともいう)を調製した。
上記液状ポリマー組成物(i)のアセトン溶液をガラス製シャーレに移し、150℃にて1時間加熱することにより、シート状の硬化体を得た。溶媒のアセトン及びトルエンは、上記加熱により揮発した。得られた硬化体は、弾性を有していたが、上記液状ポリマー(c)に見られる粘着性はなかった。得られた硬化体のIRスペクトルには、1650cm−1の吸収がなく、上記液状ポリマー(c)の主鎖末端の不飽和基が上記メチルハイドロシロキサン/ジメチルシロキサン共重合体と反応したことが確認された。
実施例2で得られた液状ポリマー組成物(i)のアセトン溶液(コーティング剤)を、表面をブラスト処理したアルミニウム板に塗布し、大気圧下、50℃にて5時間加熱し、溶液の溶媒を蒸発させた後、続いて100℃にて3分間加熱し、更に150℃で3時間加熱することにより、表面に含フッ素共重合体のコーティング層を持つ複層品を得た。
180℃にて7時間加熱処理した上記液状ポリマー(c)0.1g、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン2.0g、及び、0.06%白金触媒のトルエン溶液0.0080g[商品名:PT−VTSC−12.0VTS(オーエムジープレシャスメタルズ・ジャパン社製)をトルエンで200倍に希釈して調製]をアセトン1.0gに溶解させ、液状ポリマー組成物(ii)のアセトン溶液とした。
上記液状ポリマー組成物(ii)のアセトン溶液をガラス製シャーレに移し、150℃にて1時間加熱することにより、液状ポリマー(d)を0.1g得た。溶媒のアセトン及びトルエン、並びに、過剰量の1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンは、上記加熱により揮発した。得られた液状ポリマー(d)は、常温で流動するが、IRスペクトルには、1650cm−1の吸収がなく、液状ポリマー(d)は主鎖両末端がSi−H基に変換されていることが確認された。
液状ポリマー(d)0.1g、トリアリルイソシアヌレート0.004g及び0.06%白金触媒のトルエン溶液0.0080g、アセトン1.0gを混合して、液状ポリマー組成物(iii)のアセトン溶液を調製した。
上記液状ポリマー組成物(iii)のアセトン溶液をガラス製シャーレに移し、150℃にて1時間加熱することにより、シート状の硬化体を得た。溶媒のアセトン及びトルエンは、上記加熱により揮発した。得られた硬化体は、弾性を有していたが、液状ポリマー(d)に見られる粘着性はなかった。
実施例1で得られた液状ポリマー組成物(i)をディスペンサー(商品名:デジタルコントロールドディスペンサー ML−606GX、武蔵エンジニアリング社製)の10mlシリンジに充填した。このシリンジを50℃に加熱し、上記ディスペンサーを用いてFIPG法によりパソコン用ハードディスクドライブ用の金属性の基板に液状ポリマー組成物(i)をコーティングした。
コーティングされた液状ポリマー組成物(i)は、150℃にて1時間加熱することにより硬化し、金属基板に含フッ素ポリマー硬化物のシール層を持つハードディスクドライブ用の金属基材と一体となったガスケットを得た。
Claims (15)
- メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)及びヒドロシリル化反応触媒(B)、及び、ヒドロシリル化性化合物(C)を含有する含フッ素ポリマー組成物であって、
前記メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)は、主鎖の両末端がSi−H基であるビニリデンフルオライド共重合体であり、前記ヒドロシリル化反応触媒(B)の存在下にヒドロシリル化反応をするものであり、
前記ヒドロシリル化性化合物(C)は、分子中に少なくとも2個の炭素−炭素二重結合を有する二重結合含有化合物(C2)である
ことを特徴とする含フッ素ポリマー組成物。 - メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)は、常温で流動性を有するものである請求の範囲第1項記載の含フッ素ポリマー組成物。
- メチレン基含有含フッ素ポリマー(A)は、数平均分子量が500以上、20000以下であるものである請求の範囲第1又は2項記載の含フッ素ポリマー組成物。
- ヒドロシリル化性化合物(C)は、ヒドロシリル化性ポリマー(Cp)からなるものである請求の範囲第1、2又は3項記載の含フッ素ポリマー組成物。
- ヒドロシリル化性ポリマー(Cp)は、シリコーンゴム及び/又はフルオロシリコーンゴムである請求の範囲第4項記載の含フッ素ポリマー組成物。
- シリコーンゴム及び/又はフルオロシリコーンゴムは、常温で液状のものである請求の範囲第5項記載の含フッ素ポリマー組成物。
- 請求の範囲第1、2、3、4、5又は6項記載の含フッ素ポリマー組成物から得られる
ことを特徴とする硬化体。 - 請求の範囲第1、2、3、4、5又は6項記載の含フッ素ポリマー組成物を含有する
ことを特徴とするコーティング剤。 - 基材と、前記基材上に請求の範囲第8項記載のコーティング剤をコーティングして得られるコーティング層とからなる
ことを特徴とする複層品。 - 請求の範囲第1、2、3、4、5又は6項記載の含フッ素ポリマー組成物を用いてFIPG法又はLIM成形法により基材上に成形してなる基材一体型成形体であって、
前記基材一体型成形体は、パッキン類である
ことを特徴とする基材一体型成形体。 - 請求の範囲第1、2、3、4、5又は6項記載の含フッ素ポリマー組成物を用いてなる
ことを特徴とする磁気記録装置(ハードディスクドライブ)用のガスケット。 - 請求の範囲第1、2、3、4、5又は6項記載の含フッ素ポリマー組成物を用いてなる
ことを特徴とする燃料電池用のシール材。 - 請求の範囲第1、2、3、4、5又は6項記載の含フッ素ポリマー組成物を用いてなる
ことを特徴とするクリーン設備用シール材。 - 請求の範囲第2項記載の含フッ素ポリマー組成物を用いてFIPG法又はLIM成形法によりパッキン類を成形する
ことを特徴とするパッキン類の成型方法。 - ビニリデンフルオライド共重合体(I)であって、
主鎖の両末端がSi−H基であり、
数平均分子量が500〜500000である
ことを特徴とするメチレン基含有含フッ素ポリマー。
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