JP2005330429A - 硬化性組成物及びゴム加工品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)1分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する一般組成式(1)の有機ケイ素化合物、(B)硬化剤を含有する硬化性組成物。
AaRbSiO(4-a-b)/2 (1)
(Aはエポキシ基含有基、Rは水素原子、炭素数1〜20の1価炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、トリアルコキシシリル含有基、パーフルオロアルキル含有基、パーフルオロオキシアルキル含有基から選択される基、0.01≦a≦4、0≦b≦3、1≦a+b≦4。)
【効果】 本発明の硬化性組成物は、ゴム材料のコーティング用途に利用でき、耐熱性を有し、高密度に架橋している皮膜形成が可能であるため、自動車用、航空機用ゴム材料、半導体製造装置用シール材料、テント膜材料、シーラント、成形部品、押出部品、被覆材、複写機ロール材料、電気用防湿材、センサー用ポッティング材、剥離紙用材料などのコーティング塗料材料として有用である。
【選択図】 なし
AaRbSiO(4-a-b)/2 (1)
(Aはエポキシ基含有基、Rは水素原子、炭素数1〜20の1価炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、トリアルコキシシリル含有基、パーフルオロアルキル含有基、パーフルオロオキシアルキル含有基から選択される基、0.01≦a≦4、0≦b≦3、1≦a+b≦4。)
【効果】 本発明の硬化性組成物は、ゴム材料のコーティング用途に利用でき、耐熱性を有し、高密度に架橋している皮膜形成が可能であるため、自動車用、航空機用ゴム材料、半導体製造装置用シール材料、テント膜材料、シーラント、成形部品、押出部品、被覆材、複写機ロール材料、電気用防湿材、センサー用ポッティング材、剥離紙用材料などのコーティング塗料材料として有用である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ゴム材料の粘着性、固着性、耐溶剤性を改良するためのコーティング剤を主目的とした硬化性組成物及びそれを塗布したゴム加工品に関するものである。
ゴム材料は、一般的に室温では表面粘着性(タック)があり、更に高温で圧縮した場合には金属や樹脂などの相手基材と固着してしまう欠点がある。
特にフッ素ゴムや、フルオロシリコーンゴム、シリコーンゴムなどは耐熱性を必要とする用途においては固着した場合に不具合が発生することがある。
特にフッ素ゴムや、フルオロシリコーンゴム、シリコーンゴムなどは耐熱性を必要とする用途においては固着した場合に不具合が発生することがある。
一般的な固着防止方法としては、2硫化モリブデンを代表とする非粘着成分を配合した塗料を塗布するのが一般的であるが、ゴム成分との密着力、耐熱性、耐薬品性等に劣るために耐久性に問題を残している。
特に、特許文献1:特許第2990646号公報等で提案されている1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物を主成分とするゴム組成物は、極めて安定なゴム硬化物になることから、表面に安定な皮膜を形成するのは困難であった。
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、耐熱性に優れたゴム部品の表面に安定な皮膜を形成することが可能な硬化性組成物及びこれを塗布したゴム加工品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般組成式(1)
AaRbSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Aはエポキシ基含有基、Rは水素原子、炭素数1〜20の1価炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、トリアルコキシシリル含有基、パーフルオロアルキル含有基、パーフルオロオキシアルキル含有基から選択される基、a、bは0.01≦a≦4、0≦b≦3、1≦a+b≦4を満足する数である。)
で示されるエポキシ基含有有機ケイ素化合物の硬化皮膜をゴム表面に形成することにより、ゴム表面の粘着性、固着性、耐溶剤性を改良し得、またこの硬化皮膜がゴム表面に安定して保持されることを知見し、本発明をなすに至った。
AaRbSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Aはエポキシ基含有基、Rは水素原子、炭素数1〜20の1価炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、トリアルコキシシリル含有基、パーフルオロアルキル含有基、パーフルオロオキシアルキル含有基から選択される基、a、bは0.01≦a≦4、0≦b≦3、1≦a+b≦4を満足する数である。)
で示されるエポキシ基含有有機ケイ素化合物の硬化皮膜をゴム表面に形成することにより、ゴム表面の粘着性、固着性、耐溶剤性を改良し得、またこの硬化皮膜がゴム表面に安定して保持されることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
(A)1分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する上記一般組成式(1)で示される有機ケイ素化合物
(B)硬化剤
を含有することを特徴とする硬化性組成物を提供する。
(A)1分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する上記一般組成式(1)で示される有機ケイ素化合物
(B)硬化剤
を含有することを特徴とする硬化性組成物を提供する。
また、本発明は、上記硬化性組成物の硬化皮膜をフルオロオレフィン系フッ素ゴム、パーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム及びシリコーンゴムから選択される材料の表面に形成してなることを特徴とするゴム加工品を提供する。この場合、パーフルオロポリエーテル系フッ素ゴムが、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物、1分子中にヒドロシリル基を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物及びヒドロシリル化反応触媒を含有する組成物の硬化物であることが好ましい。また、上記硬化性組成物(コーティング剤)による硬化皮膜を形成したゴム加工品が、燃料噴射装置用やクイックコネクター用などの各種O−リング、チェックバルブ、電磁弁などの各種バルブ、あるいはオイルシール、ダイヤフラム、ガスケット、ホースなどの自動車用ゴム部品、航空機用エンジンオイル、ジェット燃料、ハイドロ−リックオイル、スカイドロール等の流体配管用などの各種O−リング、バルブ、フェースシール、ダイヤフラム、ガスケット、パッキン、ホースなどの航空機用ゴム部品、O−リング、バルブ、ダイヤフラム、ガスケット、パッキン、チューブ、ホース、ロール、ベルトなどの分析、理化学機器用ゴム部品、化学プラント用ゴム部品、医療機器用ゴム部品、印刷機用ゴム部品、半導体製造装置用ゴム部品、電気電子機器用ゴム部品、土木、建設、建築用ゴム部品、船舶用ゴム部品、一般機械用ゴム部品、及び発電装置用ゴム部品などとして有効である。
本発明の硬化性組成物は、種々の耐熱性を有するゴム材料のコーティング用途に利用することができる。即ち、耐熱性を有し、高密度に架橋している皮膜形成が可能であるため、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、また、透湿性も低く、低表面エネルギーを有するため、離型性、撥水性に優れており、かつ耐酸性に優れているため、耐油性を要求される自動車用、航空機用ゴム材料、半導体製造装置用シール材料、テント膜材料、シーラント、成形部品、押出部品、被覆材、複写機ロール材料、電気用防湿材、センサー用ポッティング材、剥離紙用材料などのコーティング塗料材料として有用である。
本発明に係る硬化性組成物は、ゴム用コーティング剤として好適に用いられるもので、
(A)1分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する下記一般組成式(1)で示される有機ケイ素化合物
AaRbSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Aはエポキシ基含有基、Rは水素原子、炭素数1〜20の1価炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、トリアルコキシシリル含有基、パーフルオロアルキル含有基、パーフルオロオキシアルキル含有基から選択される基、a、bは0.01≦a≦4、0≦b≦3、1≦a+b≦4を満足する数である。)
(B)硬化剤
を含有する。
(A)1分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する下記一般組成式(1)で示される有機ケイ素化合物
AaRbSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Aはエポキシ基含有基、Rは水素原子、炭素数1〜20の1価炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、トリアルコキシシリル含有基、パーフルオロアルキル含有基、パーフルオロオキシアルキル含有基から選択される基、a、bは0.01≦a≦4、0≦b≦3、1≦a+b≦4を満足する数である。)
(B)硬化剤
を含有する。
ここで、(A)成分の有機ケイ素化合物としては、上記式(1)で示されるものであればいずれのものでもよいが、特には、下記一般式(2)、(3)、(4)で示されるものが好ましい。
AcSiR4-c (2)
(式中、A、Rは上記と同じ、cは1〜4の整数を示す。)
(式中、A、Rは上記と同じ、pは1〜8、qは0〜7、p+qは3〜8の整数を示す。)
AαR3-αSiO(ARSiO)m(R2SiO)nSiAβR3-β (4)
(式中、A、Rは上記と同じ、mは1〜100、nは0〜100、m+nは1〜200の整数、α、βは0又は1〜3の整数を示す。)
AcSiR4-c (2)
(式中、A、Rは上記と同じ、cは1〜4の整数を示す。)
(式中、A、Rは上記と同じ、pは1〜8、qは0〜7、p+qは3〜8の整数を示す。)
AαR3-αSiO(ARSiO)m(R2SiO)nSiAβR3-β (4)
(式中、A、Rは上記と同じ、mは1〜100、nは0〜100、m+nは1〜200の整数、α、βは0又は1〜3の整数を示す。)
また、Rの1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロぺニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これらの非置換1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、トリアルコキシシリル含有基としては、−(CH2)z−SiR’3(z=1〜5、R’は上記と同様のアルコキシ基)で示されるものが挙げられる。
パーフルオロアルキル含有基、パーフルオロオキシアルキル含有基において、パーフルオロアルキル基としては、
CgF2g+1−
(式中、gは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
で示されるものが挙げられ、パーフルオロオキシアルキル基としては、
(式中、fは2〜200、好ましくは2〜100、hは1〜3の整数である。)
で示されるものが挙げられる。
CgF2g+1−
(式中、gは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
で示されるものが挙げられ、パーフルオロオキシアルキル基としては、
(式中、fは2〜200、好ましくは2〜100、hは1〜3の整数である。)
で示されるものが挙げられる。
これらパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキル基とケイ素原子とをつなぐ2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基及びそれらの組み合わせ、あるいはこれらの基にエーテル結合酸素原子、アミド結合、カルボニル結合等を介在させたものであってもよく、例えば、
−CH2CH2−
−CH2CH2CH2−
−CH2CH2CH2OCH2−
−CH2CH2CH2−NH−CO−
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−(但し、Phはフェニル基である。)
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−
−CH2CH2CH2−O−CO−
等の炭素数2〜12のものが挙げられる。
−CH2CH2−
−CH2CH2CH2−
−CH2CH2CH2OCH2−
−CH2CH2CH2−NH−CO−
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−(但し、Phはフェニル基である。)
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−
−CH2CH2CH2−O−CO−
等の炭素数2〜12のものが挙げられる。
(A)成分は、硬化性組成物の主剤となるものであり、分子中のエポキシ基が(B)成分のOH基と反応して硬化するものである。この場合、硬化剤には耐熱性が必要であるため、(A)成分は硬化途中に揮発するおそれがあるので、沸点は100℃以上のものが好ましい。皮膜の耐熱性や安定性を考慮すると、SiO単位を3個以上含む鎖状もしくは環状シロキサンがよく、側鎖に複数の官能基を有する化学構造にもし易い。
また、上記エポキシ基含有有機ケイ素化合物のケイ素の側鎖にはフッ素原子を含有するものがあれば、フッ素ゴム系のコーティング剤としてはなじみがよく好都合である。かかる点から、上記(A)成分の有機ケイ素化合物が、1分子中に少なくとも1個のエポキシ基に加えて少なくとも1個のパーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロオキシアルキル基を含むことが好ましい。
一方、(B)成分の硬化剤は、(A)成分のエポキシ基と反応して硬化させるため、1分子中に2個以上の水酸基を有しているものが使用され、特に、(B)成分も耐熱性が必要であることから、1分子中に2個以上の水酸基を有する芳香族化合物及び/又はフッ素基含有ポリオール化合物であることが好ましい。特には、芳香族ポリオールの場合、80℃以上の融点が望ましく、これより低温であると硬化加熱時に揮発する可能性がある。これら芳香族中にフッ素原子を含有するものであれば更に望ましい。また、芳香族を含まないフッ素基含有ポリオールの場合、(A)成分と同様に硬化途中に揮発するおそれがあるので、沸点は100℃以上であることが好ましい。
上記芳香族化合物として具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールAF、ビスフェノールB、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ヒドロキシレゾルシン、2−t−ブチルヒドロキノン、2−メチルレゾルシン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3,5,5−テトラクロロビスフェノールA、4,4−ジヒドロキシジフェニルなどであり、これらをフッ素変性したものであれば更によい。
また、フッ素基含有ポリオール化合物としては、耐熱性の観点から高度にフッ素化したものが望ましく、具体的には、
CF2(CF2CH2OH)2
HOCH2(CF2)4OCF(CF3)CH2OH
CF2(CFHCF2CH2OH)2
(CF2)3(CFHCF2CH2OH)2
などが挙げられる。
CF2(CF2CH2OH)2
HOCH2(CF2)4OCF(CF3)CH2OH
CF2(CFHCF2CH2OH)2
(CF2)3(CFHCF2CH2OH)2
などが挙げられる。
最も好ましく使用できるものとしては、ビスフェノールAをフッ素化したビスフェノールAFが挙げられる。ビスフェノールAFはフッ化ビニリデン系のフッ素ゴムの架橋剤として工業的に生産されていることから入手も容易で安全性にも実績がある。
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して1〜200質量部、特に5〜150質量部である。
更に、本発明の硬化性組成物には、(C)成分として硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤としては、オニウム塩、酸無水物等の公知のエポキシ開環触媒等が挙げられる。その配合量は、(A)成分100質量部に対して0〜10質量部、好ましくは0〜5質量部である。
また、組成物の粘度を調整する目的で、(D)成分として(A)成分、(B)成分のいずれか一方又は(A)、(B)両成分を溶解させる溶剤を配合することができる。このような溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)、メチルエチルケトン(MEK)等の有機溶剤や、これらに加えて相溶性を向上させる目的でヘキサフルオロメタキシレン(HFMX)などのフッ素系溶剤との混合物等を例示できる。
また、上記組成物には、機械的強度を向上もしくは粘度を調整する目的で各種フィラーを添加してもよい。補強性フィラーは機械的強度、熱安定性、耐候性、耐薬品性あるいは難燃性を向上させたり、硬化時における熱収縮の減少、硬化して得られる弾性体の熱膨脹率の低下、ガス透過率を下げる目的で添加されるが、機械的強度を向上させることが主目的である。
フィラーとしては、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、粉砕シリカ、炭酸カルシウム、珪藻土、カーボンブラック、各種金属酸化物粉末などを挙げることができ、これらを各種表面処理剤で処理したものであってもよいが、機械的強度の向上の点から特に好ましくはヒュームドシリカであり、分散性を向上させるためにシラン系表面処理剤で処理したものであれば更に好ましいものになる。
このフィラーの添加量としては、(A)成分100質量部に対して0〜100質量部であればよいが、より好ましくは0〜60質量部で、機械的特性が安定しており好ましい特性が得られる。
更に必要に応じて、適当な顔料、染料等を配合することもできる。
更に必要に応じて、適当な顔料、染料等を配合することもできる。
本発明の硬化性組成物は、フルオロオレフィン系フッ素ゴム、パーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム、シリコーンゴム等のゴムに対するコーティング剤として好適に用いられ、これらフッ素ゴム系とシリコーンゴム系の材料表面に硬化性組成物の硬化皮膜を形成することができる。
即ち、本発明の硬化性組成物は、フッ素ゴム系材料として適当なコーティング剤がないパーフルオロポリエーテル系のゴムに好適に適用されるが、本発明の組成物はパーフルオロポリエーテル系だけに限らず、高度にフッ素化された弾性共重合体に適用可能で、これにはビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロペンとの弾性共重合体、ペンタフルオロプロペン、トリフルオロエチレン、ビニルフルオライド、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などの1種又は2種以上との弾性共重合体などが例示されるが、これらのうちではビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロペン二元弾性共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペン三元弾性共重合体が好ましいものである。
その他のゴム材料としては、Si−Oを主骨格としたシリコーンゴムが挙げられる。
各種シリコーンゴムのうち、適当なコーティング剤のない側鎖にフッ素基を含有するフルオロシリコーンゴムに対しても効果がある。
各種シリコーンゴムのうち、適当なコーティング剤のない側鎖にフッ素基を含有するフルオロシリコーンゴムに対しても効果がある。
ここで、パーフルオロポリエーテル系フッ素ゴムについて詳述すると、これは、(a)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物、(b)1分子中にヒドロシリル基を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物及び(c)ヒドロシリル化反応触媒を含有する組成物の硬化物である。
この場合、上記(a)成分は、1分子中に2個以上のアルケニル基を有する直鎖状ポリフルオロ化合物であり、下記一般式(i)で示されるものが好ましい。
CH2=CH−(X)a−Rf2−(X’)a−CH=CH2 (i)
[式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR2−CO−(Yは−CH2−又は下記構造式(Z)
で表されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)で表される基、R2は水素原子、置換もしくは非置換の1価炭化水素基、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−(Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)
で表されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)で表される基であり、R2は上記と同じ基である。Rf2は2価のパーフルオロポリエーテル基であり、aは独立に0又は1である。]
CH2=CH−(X)a−Rf2−(X’)a−CH=CH2 (i)
[式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR2−CO−(Yは−CH2−又は下記構造式(Z)
で表されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)で表される基、R2は水素原子、置換もしくは非置換の1価炭化水素基、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−(Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)
で表されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)で表される基であり、R2は上記と同じ基である。Rf2は2価のパーフルオロポリエーテル基であり、aは独立に0又は1である。]
ここで、R2としては、水素原子以外の場合、炭素数1〜12、特に1〜10のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素等のハロゲン原子で置換した置換1価炭化水素基などが挙げられる。
また、上記一般式(i)のRf2は2価のパーフルオロポリエーテル構造であり、下記一般式(ii)、(iii)で表される化合物が好ましい。
(式中、p及びqは1〜150の整数であって、かつpとqの和の平均は2〜200である。また、rは0〜6の整数、tは2又は3である。)
(式中、uは1〜200の整数、vは1〜50の整数、tは上記と同じである。)
(式中、p及びqは1〜150の整数であって、かつpとqの和の平均は2〜200である。また、rは0〜6の整数、tは2又は3である。)
(式中、uは1〜200の整数、vは1〜50の整数、tは上記と同じである。)
Rf2基の好ましい例としては、例えば、下記式(iv)〜(vi)のものが挙げられる。更に好ましくは式(iv)の構造の2価の基である。
(式中、m及びnは1以上の整数、m+n(平均)=2〜200である。)
(式中、m及びnは1以上の整数、m+n(平均)=2〜200である。)
(式中、mは1〜200の整数、nは1〜50の整数である。)
(式中、m及びnは1以上の整数、m+n(平均)=2〜200である。)
(式中、m及びnは1以上の整数、m+n(平均)=2〜200である。)
(式中、mは1〜200の整数、nは1〜50の整数である。)
(A)成分の好ましい例として、下記一般式(vii)で表される化合物が挙げられる。
[式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR2−CO−(Yは−CH2−又は下記構造式(Z)
で表されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)で表される基、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−(Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)
で表されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)で表される基であり、R2は上記と同じ基である。aは独立に0又は1、Lは2〜6の整数、b及びcはそれぞれ0〜200の整数である。]
[式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR2−CO−(Yは−CH2−又は下記構造式(Z)
で表されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)で表される基、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−(Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)
で表されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)で表される基であり、R2は上記と同じ基である。aは独立に0又は1、Lは2〜6の整数、b及びcはそれぞれ0〜200の整数である。]
上記一般式(vii)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
なお、上記一般式(vii)の直鎖状ポリフルオロ化合物の粘度(23℃)は、100〜100,000mPa・s、より好ましくは500〜50,000mPa・s、更に好ましくは1,000〜20,000mPa・sの範囲内にあることが、本組成物をシール、ポッティング、コーティング、含浸等に使用する際に、硬化物においても適当な物理的特性を有しているので望ましい。当該粘度範囲内で、用途に応じて最も適切な粘度を選択することができる。
これらの直鎖状ポリフルオロ化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
(b)成分は、1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上、好ましくは3個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサンである。本発明の(b)成分は、上記(a)成分の架橋剤ないし鎖長延長剤として機能するものであり、また、(a)成分との相溶性、分散性、硬化後の均一性等の観点から、1分子中に1個以上の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロオキシアルキレン基等のフッ素含有基を有するものが好ましい。
このフッ素含有基としては、例えば下記一般式で表されるもの等を挙げることができる。
1価のパーフルオロアルキル基:
CgF2g+1−
(式中、gは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
2価のパーフルオロアルキレン基:
−CgF2g−
(式中、gは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
1価のパーフルオロオキシアルキル基:
(式中、fは2〜200、好ましくは2〜100、hは1〜3の整数である。)
2価のパーフルオロオキシアルキレン基:
(式中、i及びjは1以上の整数、i+jの平均は2〜200、好ましくは2〜100である。)
−(CF2O)r−(CF2CF2O)s−CF2−
(但し、r及びsはそれぞれ1〜50の整数である。)
1価のパーフルオロアルキル基:
CgF2g+1−
(式中、gは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
2価のパーフルオロアルキレン基:
−CgF2g−
(式中、gは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
1価のパーフルオロオキシアルキル基:
(式中、fは2〜200、好ましくは2〜100、hは1〜3の整数である。)
2価のパーフルオロオキシアルキレン基:
−(CF2O)r−(CF2CF2O)s−CF2−
(但し、r及びsはそれぞれ1〜50の整数である。)
また、これらパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキル基、パーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基とケイ素原子とをつなぐ2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基及びそれらの組み合わせ、あるいはこれらの基にエーテル結合酸素原子、アミド結合、カルボニル結合等を介在させたものであってもよく、例えば、
−CH2CH2−
−CH2CH2CH2−
−CH2CH2CH2OCH2−
−CH2CH2CH2−NH−CO−
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−(但し、Phはフェニル基である。)
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−
−CH2CH2CH2−O−CO−
等の炭素数2〜12のものが挙げられる。
−CH2CH2−
−CH2CH2CH2−
−CH2CH2CH2OCH2−
−CH2CH2CH2−NH−CO−
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−(但し、Phはフェニル基である。)
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−
−CH2CH2CH2−O−CO−
等の炭素数2〜12のものが挙げられる。
このようなフッ素含有基を有する(b)成分としては、例えば下記の化合物が挙げられる。これらの化合物は、1種単独でも2種以上を併用して用いてもよい。下記式において、Meはメチル基、Phはフェニル基を示す。
上記(b)成分の配合量は、(a)成分を硬化する有効量であり、通常(a)成分中に含まれるビニル基、アリル基、シクロアルケニル基等のアルケニル基1モルに対し(b)成分のヒドロシリル基、即ちSi−H基を好ましくは0.5〜3.0モル、より好ましくは0.8〜2.0モルとなる量である。ヒドロシリル基(≡Si−H)が少なすぎると、架橋度合が不十分となる結果、硬化物が得られない場合があり、また、多すぎると硬化時に発泡してしまう場合がある。
(c)成分は、ヒドロシリル化反応触媒である。ヒドロシリル化反応触媒は、(a)成分中のアルケニル基と、(b)成分中のヒドロシリル基との付加反応を促進する触媒である。このヒドロシリル化反応触媒は、一般に貴金属の化合物であり、高価格であることから、比較的入手し易い白金又は白金化合物がよく用いられる。
白金化合物としては、例えば塩化白金酸又は塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、アルコールやビニルシロキサンとの錯体、シリカ、アルミナ、カーボン等に担持した金属白金等を挙げることができる。白金化合物以外の白金族金属触媒として、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム系化合物も知られており、例えばRhCl(PPh3)3、RhCl(CO)(PPh3)2、Ru3(CO)12、IrCl(CO)(PPh3)2、Pd(PPh3)4等を例示することができる。なお、前記式中、Phはフェニル基である。
これらの触媒の使用にあたっては、それが固体触媒であるときには固体状で使用することも可能であるが、より均一な硬化物を得るためには塩化白金酸や錯体を適切な溶剤に溶解したものを(a)成分の直鎖状ポリフルオロ化合物に相溶させて使用することが好ましい。
(c)成分の使用量は、触媒量でよいが、例えば(a)成分の100質量部に対して0.1〜500ppm(白金族金属原子換算)を配合することが好ましい。
本発明の硬化性組成物の塗布方法は、ゴム加工品の形状や膜厚に合わせて任意に選べばよく、この場合の粘度調整は、前述したように低粘度が必要な場合は溶剤で希釈し、高粘度が必要な場合はフィラーを添加して調整すればよい。
具体的な塗布方法は、ディップコート、スプレーコート、転写印刷、スクリーン印刷、スピンコート、タンポ印刷、ハケ塗りなどが挙げられるが、粘度調整を自由に行えるため、その他あらゆる塗布方法が適用可能である。
ゴム表面へ塗布した後の皮膜硬化方法としては、溶剤を添加している場合には溶剤を揮発後に100〜250℃で10分〜24時間焼き付けることで、良好な皮膜を形成することができる。
特にフッ素ゴムやシリコーンゴムなどの耐熱性を有するゴムの場合ポストキュアーを行うのが一般的なのでポストキュアー前に塗布を行い、ポストキュアー条件で皮膜を硬化させれば好都合である。
なお、硬化性組成物の硬化皮膜の厚さは、適宜選定される。
具体的な塗布方法は、ディップコート、スプレーコート、転写印刷、スクリーン印刷、スピンコート、タンポ印刷、ハケ塗りなどが挙げられるが、粘度調整を自由に行えるため、その他あらゆる塗布方法が適用可能である。
ゴム表面へ塗布した後の皮膜硬化方法としては、溶剤を添加している場合には溶剤を揮発後に100〜250℃で10分〜24時間焼き付けることで、良好な皮膜を形成することができる。
特にフッ素ゴムやシリコーンゴムなどの耐熱性を有するゴムの場合ポストキュアーを行うのが一般的なのでポストキュアー前に塗布を行い、ポストキュアー条件で皮膜を硬化させれば好都合である。
なお、硬化性組成物の硬化皮膜の厚さは、適宜選定される。
本発明の硬化性組成物の硬化皮膜が形成されるゴム加工品としても、先に述べたように、自動車用ゴム部品、航空機用ゴム部品、分析・理化学機器用ゴム部品、化学プラント用ゴム部品、医療機器用ゴム部品、印刷機用ゴム部品、半導体製造装置用ゴム部品、電気電子機器用ゴム部品、土木、建設、建築用ゴム部品、船舶用ゴム部品、一般機械用ゴム部品、発電装置用ゴム部品等が挙げられる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例及び比較例で用いられるベース組成物及び物性測定
[A成分]
(a)下記式に示す化合物、沸点:100℃(5mmHg)以上
(b)下記式に示す化合物、沸点:120℃(5mmHg)以上
(c)下記式に示す化合物、沸点:120℃(2mmHg)以上
[A成分]
(a)下記式に示す化合物、沸点:100℃(5mmHg)以上
(b)下記式に示す化合物、沸点:120℃(5mmHg)以上
(c)下記式に示す化合物、沸点:120℃(2mmHg)以上
[B成分]
(イ)ビスフェノールAF(和光純薬工業社製試薬):融点162℃、沸点400℃
(ロ)ビスフェノールA(和光純薬工業社製試薬):融点153℃、沸点252℃
[溶剤]
ヘキサフルオロメタキシレン(HFMX)
[塗布用ゴム材料]
(I)パーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム:SIFEL3511(信越化学工業社製、標準硬化物)
(II)ビニリデン系フッ素ゴム:バイトンGLT(ディポン社製、標準硬化物)
(III)シリコーンゴム:KE951(信越化学工業社製、標準硬化物)
(IV)フルオロシリコーンゴム:FE251(信越化学工業社製、標準硬化物)
上記(I)〜(IV)を2mmに成形したゴムシートに各種硬化性組成物を塗布して表面状態を確認した。
(イ)ビスフェノールAF(和光純薬工業社製試薬):融点162℃、沸点400℃
(ロ)ビスフェノールA(和光純薬工業社製試薬):融点153℃、沸点252℃
[溶剤]
ヘキサフルオロメタキシレン(HFMX)
[塗布用ゴム材料]
(I)パーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム:SIFEL3511(信越化学工業社製、標準硬化物)
(II)ビニリデン系フッ素ゴム:バイトンGLT(ディポン社製、標準硬化物)
(III)シリコーンゴム:KE951(信越化学工業社製、標準硬化物)
(IV)フルオロシリコーンゴム:FE251(信越化学工業社製、標準硬化物)
上記(I)〜(IV)を2mmに成形したゴムシートに各種硬化性組成物を塗布して表面状態を確認した。
ゴム材料への硬化物塗布方法
バーコートを基本にして組成物粘度によりハケ塗り、スクリーン印刷、スプレー塗布で塗膜を形成してから適正温度で硬化させた。
バーコートを基本にして組成物粘度によりハケ塗り、スクリーン印刷、スプレー塗布で塗膜を形成してから適正温度で硬化させた。
硬化物非粘着(タック)特性評価
組成物皮膜を塗布、硬化したゴムシートに4φに加工したSUS製の治具で300gの荷重を30秒間押し付けてからそれを引き剥がすのに要する力(タック力)を東洋精機社製ストログラフVES10で測定した。
硬化物とゴム密着性評価
組成物皮膜を塗布、硬化したゴムシートを180度に10回折り曲げてからセロハンテープを貼り付け、組成物塗膜がゴムシートから剥がれる具合で評価した。
◎:セロハンテープでは塗膜が剥がれない
○:塗膜剥がれが20%未満
△:塗膜剥がれが20%以上80%未満
×:塗膜剥がれが80%以上100%以下
組成物皮膜を塗布、硬化したゴムシートに4φに加工したSUS製の治具で300gの荷重を30秒間押し付けてからそれを引き剥がすのに要する力(タック力)を東洋精機社製ストログラフVES10で測定した。
硬化物とゴム密着性評価
組成物皮膜を塗布、硬化したゴムシートを180度に10回折り曲げてからセロハンテープを貼り付け、組成物塗膜がゴムシートから剥がれる具合で評価した。
◎:セロハンテープでは塗膜が剥がれない
○:塗膜剥がれが20%未満
△:塗膜剥がれが20%以上80%未満
×:塗膜剥がれが80%以上100%以下
[実施例1〜11及び比較例1]
硬化性組成物の組成及び評価結果を表1,2に示す。
比較例1として硬化性組成物を塗布しない場合のタック力を示す。
実施例では塗膜密着性に多少の差異はあるものの、タック力はすべて0であり、非粘着皮膜として効果が確認できた。
硬化性組成物の組成及び評価結果を表1,2に示す。
比較例1として硬化性組成物を塗布しない場合のタック力を示す。
実施例では塗膜密着性に多少の差異はあるものの、タック力はすべて0であり、非粘着皮膜として効果が確認できた。
[実施例12〜14]
パーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム以外の耐熱性を有するゴム材料を実施例8の硬化性組成物を用いて塗膜密着性とタック力を測定したところ、表3に示す良好な結果が得られた。
パーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム以外の耐熱性を有するゴム材料を実施例8の硬化性組成物を用いて塗膜密着性とタック力を測定したところ、表3に示す良好な結果が得られた。
[実施例15]
実施例8の硬化性組成物に溶剤を添加して粘度を下げ、ハケ塗りを行ったところ、膜厚は5〜30μmとばらついたが、塗膜密着性とタック力は全く同じで良好な結果が得られた。
実施例8の硬化性組成物に溶剤を添加して粘度を下げ、ハケ塗りを行ったところ、膜厚は5〜30μmとばらついたが、塗膜密着性とタック力は全く同じで良好な結果が得られた。
[実施例16]
実施例15で作製したコーティングされたゴムシートを表4に示す各種溶剤に室温で80日間浸漬し、外観変化を確認した。結果を表4に示す。
実施例15で作製したコーティングされたゴムシートを表4に示す各種溶剤に室温で80日間浸漬し、外観変化を確認した。結果を表4に示す。
[比較例2〜4]
ゴム材料(I)を用いて、下記に示す市販のコーティング剤(接着剤)にて皮膜形成を確認したところ、表5に示すようにゴム材料との接着性が無く、塗膜密着性に劣るものであった。
コーティング剤
エポキシ :1液タイプ熱硬化性エポキシ接着剤
(日立化成ポリマー社製、ハイボン3591)
シリコーン:1液タイプ熱硬化性シリコーン接着剤
(信越化学工業社製、KE1820)
SIFEL:1液タイプ熱硬化性パーフルオロポリエーテル系接着剤
(信越化学工業社製、SIFEL612)
ゴム材料(I)を用いて、下記に示す市販のコーティング剤(接着剤)にて皮膜形成を確認したところ、表5に示すようにゴム材料との接着性が無く、塗膜密着性に劣るものであった。
コーティング剤
エポキシ :1液タイプ熱硬化性エポキシ接着剤
(日立化成ポリマー社製、ハイボン3591)
シリコーン:1液タイプ熱硬化性シリコーン接着剤
(信越化学工業社製、KE1820)
SIFEL:1液タイプ熱硬化性パーフルオロポリエーテル系接着剤
(信越化学工業社製、SIFEL612)
Claims (15)
- (A)1分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する下記一般組成式(1)で示される有機ケイ素化合物
AaRbSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Aはエポキシ基含有基、Rは水素原子、炭素数1〜20の1価炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、トリアルコキシシリル含有基、パーフルオロアルキル含有基、パーフルオロオキシアルキル含有基から選択される基、a、bは0.01≦a≦4、0≦b≦3、1≦a+b≦4を満足する数である。)
(B)硬化剤
を含有することを特徴とする硬化性組成物。 - 上記(A)成分の有機ケイ素化合物が、下記一般式(2)で示される有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
AcSiR4-c (2)
(式中、A、Rは上記と同じ、cは1〜4の整数を示す。) - 上記(A)成分の有機ケイ素化合物が、下記一般式(4)で示される有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
AαR3-αSiO(ARSiO)m(R2SiO)nSiAβR3-β (4)
(式中、A、Rは上記と同じ、mは1〜100、nは0〜100、m+nは1〜200の整数、α、βは0又は1〜3の整数を示す。) - 上記(A)成分の有機ケイ素化合物が、1分子中に少なくとも1個のエポキシ基に加えて少なくとも1個のパーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロオキシアルキル基を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 上記(B)成分の硬化剤が、1分子中に2個以上の水酸基を有する芳香族化合物及び/又はフッ素基含有ポリオール化合物である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 上記(B)成分の硬化剤が、ビスフェノールAもしくはビスフェノールAFである請求項6に記載の硬化性組成物。
- (A)成分100質量部に対して(B)成分1〜200質量部を含有する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 更に、(C)成分として硬化促進剤を含有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 更に、(D)成分として(A)成分、(B)成分のいずれか一方又は(A)、(B)両成分を溶解させる溶剤を配合した請求項1乃至9のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の硬化性組成物の硬化皮膜をフルオロオレフィン系フッ素ゴム、パーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム及びシリコーンゴムから選択される材料の表面に形成してなることを特徴とするゴム加工品。
- パーフルオロポリエーテル系フッ素ゴムが、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物、1分子中にヒドロシリル基を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物及びヒドロシリル化反応触媒を含有する組成物の硬化物であることを特徴とする請求項11に記載のゴム加工品。
- 自動車用ゴム部品である請求項11又は12に記載のゴム加工品。
- 航空機用ゴム部品である請求項11又は12に記載のゴム加工品。
- 分析、理化学機器用ゴム部品、化学プラント用ゴム部品、医療機器用ゴム部品、印刷機用ゴム部品、半導体製造装置用ゴム部品、電気電子機器用ゴム部品、土木、建設、建築用ゴム部品、船舶用ゴム部品、一般機械用ゴム部品、又は発電装置用ゴム部品である請求項11又は12に記載のゴム加工品。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010282936A (ja) * | 2009-06-08 | 2010-12-16 | Tozai Co Ltd | 集成マイカ板 |
KR101654893B1 (ko) * | 2015-04-23 | 2016-09-06 | 주식회사 비앤비 | 상수도관 긴급보수 방법 |
KR101841648B1 (ko) | 2010-05-20 | 2018-05-04 | 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 함불소 (메타)아크릴 변성 유기 규소 화합물 및 이것을 포함하는 경화성 조성물 |
WO2018216406A1 (ja) * | 2017-05-25 | 2018-11-29 | 信越化学工業株式会社 | フルオロポリエーテル基含有ポリマー変性有機ケイ素化合物、表面処理剤及び物品 |
US11213976B2 (en) * | 2016-12-22 | 2022-01-04 | Illumina, Inc. | Imprinting apparatus |
-
2004
- 2004-05-21 JP JP2004151743A patent/JP2005330429A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20200013687A (ko) * | 2017-05-25 | 2020-02-07 | 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 플루오로폴리에테르기 함유 폴리머 변성 유기 규소 화합물, 표면처리제 및 물품 |
KR102565511B1 (ko) | 2017-05-25 | 2023-08-10 | 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 플루오로폴리에테르기 함유 폴리머 변성 유기 규소 화합물, 표면처리제 및 물품 |
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