JP5233952B2 - 硬化性パーフルオロポリエーテル組成物及びその硬化物を用いたゲル製品 - Google Patents
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Description
(A)下記一般式(1)
で表される重量平均分子量1万〜10万である直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、
(B)下記式
(D)ヒドロシリル化反応触媒、
(E)下記一般式(2)
Rf 2 −(X’) p −CH=CH 2 (2)
[式中、X’は−CO−NR 2 −Y’−(但し、Y’は下記構造式(Z’)で示される基であり、pは1である。
Rf 2 は、下記一般式
F−[CF(CF 3 )CF 2 O] w −CF(CF 3 )−
(式中、wは1〜500の整数で表される。)]
で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物
を含有し、濃硫酸(98%)に対する重量増加率(23℃)が8%以下のゲル状硬化物を与える硬化性パーフルオロポリエーテル組成物、及びその硬化物を含むゲル製品を提供する。
[(A)成分]
本発明の(A)成分は、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造、好ましくは二価のパーフルオロアルキルエーテル構造を有する、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が1万〜10万のものである。
(CaF2aO)q (7)
(式中、qは50〜600、好ましくは50〜400、より好ましくは50〜200の整数である。)
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O−
−C(CF3)2O−
これらの中では、特に下記単位が好適である。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。]等を介して結合していてもよい。アルケニル基は1分子中に少なくとも2個有する。
CH2=CH−(X)p−Rf1−(X’)p−CH=CH2 (8)
CH2=CH−(X)p−Q−Rf1−Q−(X’)p−CH=CH2 (9)
[式中、Xは独立に−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−(但し、Yは−CH2−又は下記構造式(Z)で示される基であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)であり、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−(但し、Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基であり、
Rf1は二価のパーフルオロポリエーテル構造であり、上記式(7)、即ち(CaF2aO)qで示されるものが好ましい。Qは炭素数1〜15の二価の炭化水素基であり、エーテル結合を含んでいてもよく、具体的にはアルキレン基、エーテル結合を含んでいてもよいアルキレン基である。)、pは独立に0又は1である。]
(B)成分は、(A)成分の架橋剤、鎖長延長剤として作用するものである。この(B)成分は1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物である。但し、(A)成分又は後述する(E),(F)成分との相溶性、分散性、硬化後の均一性等の観点から、1分子中に1個以上の一価のパーフルオロアルキル基、一価のパーフルオロオキシアルキル基、二価のパーフルオロアルキレン基又は二価のパーフルオロオキシアルキレン基を有しているものを使用することができる。
一価のパーフルオロアルキル基:
CbF2b+1−
(但し、bは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
−CH2CH2−
−CH2CH2CH2−
−CH2CH2CH2OCH2−
−CH2CH2CH2−NH−CO−
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−
(但し、Phはフェニル基である。)
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−
−CH2CH2CH2−O−CO−
−CcF2c−
(但し、cは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
(但し、m,nはそれぞれ1〜50の整数である。)
本発明の(C)成分である補強性フィラーは、硬化性パーフルオロポリエーテルゴム組成物において、機械的強度、熱安定性、耐候性、耐薬品性あるいは難燃性を向上させたり、硬化時における熱収縮の減少、硬化して得られる弾性体の熱膨張率を低下させたり、ガス透過率を低下させる目的で添加されるが、主な目的は、機械的強度の向上である。
本発明の(D)成分は、ヒドロシリル化反応触媒である。ヒドロシリル化反応触媒は、(A)成分及び(E)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のヒドロシリル基との付加反応を促進する触媒である。このヒドロシリル化反応触媒は、一般に貴金属の化合物であり、高価格であることから、比較的入手し易い白金又は白金化合物がよく用いられる。
(E)成分は、1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、ポリフルオロモノアルケニル化合物である。特に、下記式(2)のポリフルオロモノアルケニル化合物が好ましい。
Rf2−(X’)p−CH=CH2 (2)
[式中、X’及びpは上記と同じであり、Rf2は、下記一般式で示される。
F−[CF(CF3)CF2O]w−CF(CF3)−
(式中、wは1〜500の整数で表される。)]
本発明のパーフルオロポリエーテル系ゴム及びゲル組成物が、(F)成分として−CaF2aO−の繰り返し(aは上記と同様)単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する、アルケニル基を含有しない無官能フッ素ポリマーを更に含有することができる。この無官能フッ素ポリマーは、特に直鎖状のものが好ましい。
A−O−(CF2CF2CF2O)d−A (3)
(式中、Aは式:CeF2e+1−(eは1〜3)で表される基であり、dは1〜500の整数である。)
A−O−(CF2O)f(CF2CF2O)h−A (4)
(式中、Aは上記と同じであり、f及びhはそれぞれ1〜300の整数である。)
CF3O−(CF2CF2CF2O)n−CF2CF3
CF3−[(OCF2CF2)n(OCF2)m]−O−CF3
(m+n=1〜200、m=1〜200、n=1〜200)
本組成物においては、上記の(A)〜(F)成分以外にも、各種配合剤を添加することは任意である。ヒドロシリル化反応触媒の制御剤として、例えば1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノールなどのアセチレンアルコールや、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等、あるいはポリメチルビニルシロキサン環式化合物、有機リン化合物等が挙げられ、その添加により硬化反応性と保存安定性を適度に保つことができる。
本発明のパーフルオロポリエーテルゲル組成物は、上記した組成物を硬化させることにより、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、撥水性、撥油性、耐候性等に優れている上、特に耐酸性が良好な硬化物を形成させることができ、各種の用途に使用することができる。
式(12)で示されるポリマー65質量部と下記式(15)で示されるポリマー(粘度650cSt)10質量部に、式(16)で示されるポリマー25質量部、エチニルシクロヘキサノールの50%トルエン溶液0.15質量部、塩化白金酸のビニルシロキサン錯体のエタノール溶液(白金金属濃度3.0質量%)0.015質量部、下記式(17)で示される化合物14.2質量部を加え、混合して組成物を調製した。
式(10)で示されるポリマー45質量部と下記式(18)で示されるポリマー(粘度1000cSt)22質量部に、式(19)で示されるポリマー33質量部、エチニルシクロヘキサノールの50%トルエン溶液0.15質量部、塩化白金酸のビニルシロキサン錯体のエタノール溶液(白金金属濃度3.0質量%)0.015質量部、下記式(20)で示される化合物8.5質量部を加え、混合して組成物を調製した。
式(14)で示されるポリマー35質量部と式(15)で示されるポリマー(粘度1000cSt)40質量部に、式(16)で示されるポリマー25質量部、エチニルシクロヘキサノールの50%トルエン溶液0.15質量部、塩化白金酸のビニルシロキサン錯体のエタノール溶液(白金金属濃度3.0質量%)0.015質量部、下記式(21)で示される化合物13.5質量部を加え、混合して組成物を調製した。
式(10)で示されるポリマー40質量部と式(15)で示されるポリマー(粘度1000cSt)35質量部に、式(16)で示されるポリマー25質量部、エチニルシクロヘキサノールの50%トルエン溶液0.15質量部、塩化白金酸のビニルシロキサン錯体のエタノール溶液(白金金属濃度3.0質量%)0.015質量部、下記式(22)で示される化合物8.1質量部を加え、混合して組成物を調製した。
30φ×15mmtのガラス容器に実施例及び比較例の組成物を秤取し、硬化させたサンプルを、ガソリン中に浸漬して飽和膨潤時の重量変化率を測定した。
8φ×90mmの試験管内に実施例及び比較例の組成物を、試験管の底面から30mmの高さになるまで挿入した後硬化してサンプルを作製し、所定の濃度の酸性溶液に23℃にて3日間浸漬し、浸漬前と後の重量変化率を測定した。試験結果を表2に示す。
8φ×90mmの試験管内に実施例及び比較例の組成物を、試験管の底面から30mmの高さになるまで挿入した後硬化してサンプルを作製し、所定の濃硫酸溶液に23℃にて3日間浸漬し、浸漬前後の針入度の変化を測定した。試験結果を表2に示す。
上記の耐酸試験において、濃硫酸溶液に23℃にて3日間浸漬した後のサンプル外観を下記の基準で評価した。
○ 変化無し
△ 変化小(微濁)
× 変化大(白濁)
×× 溶解
ゲルF:KE1052(信越化学工業(株)製、商品名)ジメチルシリコーンをベースとしたシリコーンゲル
耐酸試験(実機)
実施例1,2及び比較例1,2で得られたゲルA〜Dを用いて、下記図1及び2に示される各種の実施形態で電子部品を封止、保護し、耐酸試験に供した。ここで、図1,2において、1はハウジング、2は櫛型電極、3はキャビティ、4はインサートピン(リード)、5は台座、5aは接着剤、6はボンディングワイヤ、7は保護材料(ゲルA〜D)である。ゲルA〜Dにて保護された電子部品を濃度50%の硫酸水溶液及び硝酸水溶液に60℃にて500時間開放浸漬した。500時間後、外観観察による部品の腐食確認を行ったところ、表2の結果が得られた。
2 櫛型電極
3 キャビティ
4 インサートピン(リード)
5 台座
5a 接着剤
6 ボンディングワイヤ
7 保護材料(ゲルA〜D)
Claims (5)
- (A)下記一般式(1)
で表される重量平均分子量1万〜10万である直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、
(B)下記式
(D)ヒドロシリル化反応触媒、
(E)下記一般式(2)
Rf 2 −(X’) p −CH=CH 2 (2)
[式中、X’は−CO−NR 2 −Y’−(但し、Y’は下記構造式(Z’)で示される基であり、pは1である。
Rf 2 は、下記一般式
F−[CF(CF 3 )CF 2 O] w −CF(CF 3 )−
(式中、wは1〜500の整数で表される。)]
で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物
を含有し、濃硫酸(98%)に対する重量増加率(23℃)が8%以下のゲル状硬化物を与えることを特徴とする硬化性パーフルオロポリエーテル組成物。 - 前記パーフルオロポリエーテル組成物が、(F)成分として更に、下記一般式(3)
A−O−(CF2CF2CF2O)d−A (3)
[式中、Aは式:CeF2e+1−(eは1〜3)で表される基であり、dは1〜500の整数である。]、及び、下記一般式(4)
A−O−(CF2O)f(CF2CF2O)h−A (4)
(式中、Aは上記と同じであり、f及びhはそれぞれ1〜300の整数である。)
で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の直鎖状ポリフルオロ化合物を含有することを特徴とする請求項1記載のパーフルオロポリエーテル組成物。 - パーフルオロポリエーテル組成物のフッ素含有率が60%以上である、請求項1又は2記載のパーフルオロポリエーテル組成物。
- 請求項1乃至3のいずれか1項記載の硬化性パーフルオロポリエーテル組成物の硬化物を含むことを特徴とするゲル製品。
- 請求項1乃至3のいずれか1項記載の硬化性パーフルオロポリエーテル組成物の硬化物を含むことを特徴とする、自動車用、化学プラント用、インクジェットプリンタ用、半導体製造ライン用、分析・理化学機器用、医療機器用、航空機用又は燃料電池用材料であるゲル製品。
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