JP2015131879A - ゴム用改質剤、ゴム組成物及び成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車のシート、内装部品等のゴム成形品の防汚性を改善するゴム用改質剤を提供する。【解決手段】パーフルオロポリエーテルを含むことを特徴とするゴム用改質剤。【選択図】 なし

Description

本発明は、ゴム用改質剤、ゴム組成物及び成形品に関する。
特許文献1には、自動車に乗降する際に通常より強い摩擦が生じるため衣類の染料(特に代表的なものとしてジーンズ染料)が付着したり、街中でドアを開閉することで空気中に浮遊する塵や埃、排気ガスの煤(カーボンブラック)などの汚れが皮革に付着したりする問題を解決するために、皮革の表面に、合成樹脂バインダーによる塗膜を形成し、その塗膜の表面に、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とメタクリル酸エステル共重合体による被膜を形成することが記載されている。
特許文献2には、自動車内で付着する汚れとして、(1)乗降の際に通常より大きい摩擦が生じるために衣類の染料(代表的な染料としてはジーンズ染料)による汚れ、(2)人の皮脂が付着したことによる汚れ、(3)車内での飲食によるコーヒーやケチャップの細かい飛まつによる汚れ、(3)自動車のドアを開閉することによる車外の浮遊する塵や埃が車内の持ち込まれる結果による汚れ及び(4)車外に発生する排気ガスの煤(カーボンブラック)などを取り込んでしまうことによる汚れが指摘されている。
そして、特許文献2では、アクリル樹脂、アクリルシリカ樹脂、アクリルポリシロキサン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、イソシアネート架橋剤及びシリコーン系触感剤からなる塗膜層が、自動車内部固有の汚れに対して防汚性を有するとともに、付着した汚れは、除去しやすい状態で付着している特性を有する、耐摩耗性、及び柔軟性を付与した天然皮革のコーティング層中のトップコート層として使用できることが記載されている。
特開2010−116488号公報 特開2010−241963号公報
しかしながら、塗膜を形成することにより皮革に防汚性を付与するためには、塗装工程が必要である。また、上述した先行技術は、ゴム成形品の表面の防汚性を改善する技術ではない。
本発明の目的は、自動車のシート、内装部品等のゴム成形品の防汚性を改善するゴム用改質剤を提供することにある。
本発明は、パーフルオロポリエーテルを含むことを特徴とするゴム用改質剤である。
上記ゴム用改質剤は、ゴム成形品の表面に防汚性を付与するためのゴム用改質剤であることが好ましい。
更に、上記ゴム用改質剤は、ゴム成形品の表面が布地の染料で汚染することを防止するためのゴム用改質剤であることがより好ましい。
本発明は、ゴムと上述のゴム用改質剤とからなるゴム組成物でもある。
上記ゴムはフッ素ゴムであることが好ましい。
本発明は、上述のゴム組成物からなる成形品でもある。
上記成形品は、自動車シート用保護カバー、自転車サドル用保護カバー、自動車内装部品、家具用保護シート、時計用ベルト、物品(但し時計を除く)を身体に保持させるためのベルト、ポータブル電子デバイスのハウジング又はポータブル電子デバイス用保護カバーであることも、好適な態様の1つである。
本発明のゴム用改質剤は、上記の構成を有することから、ゴム成形品の材料であるゴムと混合して使用することができ、ゴム成形品の表面の防汚性を改善することができる。
本発明のゴム組成物からは、上記の構成を有することから、防汚性に優れた成形品を得ることができる。
本発明の成形品は、上記の構成を有することから、防汚性に優れ、ケチャップの飛まつによる汚れや、衣類の染料による汚れが付着しにくく、付着しても拭き取りが容易である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明のゴム用改質剤は、パーフルオロポリエーテルを含むことを特徴とする。
上記パーフルオロポリエーテルとしては、以下の一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
−(OC−(OC−(OC−(OCF−R・・・(I)
式中、Rは、1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し、好ましくは1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基である。好ましくは、上記1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいアルキル基は、末端炭素原子がCFH−であり他のすべての炭素原子がフッ素により全置換されているフルオロアルキル基、又はパーフルオロアルキル基であり、より好ましくはパーフルオロアルキル基である。
は、水素原子、フッ素原子、又は1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し、好ましくは1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基である。好ましくは、上記1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいアルキル基は、末端炭素原子がCFH−であり他のすべての炭素原子がフッ素により全置換されているフルオロアルキル基、又はパーフルオロアルキル基であり、より好ましくはパーフルオロアルキル基である。
a、b、c及びrは、ポリマーの主骨格を構成するパーフルオロポリエーテルの4種の繰り返し単位数をそれぞれ表し、互いに独立して0以上300以下の整数であって、a、b、c及びrの和は少なくとも1、好ましくは1〜100である。添字a、b、c又はrを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。これら繰り返し単位のうち、−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−及び−(OCFCF(C))−のいずれであってもよく、好ましくは−(OCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCF)−、−(OCF(CF)CF)−及び−(OCFCF(CF))−のいずれであってもよく、好ましくは−(OCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCF)−及び−(OCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCF)−である。
市販されているパーフルオロポリエーテルとしては、商品名デムナム(ダイキン工業(株)製)、フォンブリン(ソルベイスペシャルティポリマーズジャパン(株)製)、バリエルタ(NOKクリューバー(株)製)、クライトックス(デュポン(株)製)などが挙げられる。
上記パーフルオロポリエーテルは、1000〜30000の平均分子量を有することが好ましい。
上記ゴム用改質剤は、ゴム成形品の表面に防汚性を付与するために使用することができ、特にゴム成形品の表面が布地の染料で汚染することを防止するために好適に使用することができる。
上記ゴム用改質剤は、ゴムと混合して使用することができる。上記ゴム用改質剤とゴムとを混合してゴム組成物を調製した後、上記ゴム組成物を成形し、架橋することによりゴム成形品を得ることができる。得られたゴム成形品は、防汚性に優れる。上記ゴム用改質剤とゴムとからなるゴム組成物、及び、上記ゴム組成物からなる成形品も本発明の1つである。
上記ゴムとしては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)又はその水素化物(HNBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)などのジエン系ゴム、エチレン−プロピレン−ターモノマー共重合体ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴムを挙げることができ、なかでも、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレン−プロピレン−ターモノマー共重合体ゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴムであることが好ましく、フッ素ゴムであることがより好ましい。
上記フッ素ゴムとしては、例えば、パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴム、ポリオール架橋可能なフッ素ゴム、ポリアミン架橋可能なフッ素ゴム等を挙げることができる。
上記パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムとしては特に限定されず、パーオキサイド架橋可能な部位を有するフッ素ゴムであればよい。上記パーオキサイド架橋可能な部位としては特に限定されず、例えば、ヨウ素原子、臭素原子等を挙げることができる。
上記ポリオール架橋可能なフッ素ゴムとしては特に限定されず、ポリオール架橋可能な部位を有するフッ素ゴムであればよい。上記ポリオール架橋可能な部位としては特に限定されず、例えば、フッ化ビニリデン(VdF)単位を有する部位等を挙げることができる。上記架橋部位を導入する方法としては、フッ素ゴムの重合時に架橋部位を与える単量体を共重合する方法等が挙げられる。
上記フッ素ゴムとしては、成型温度を上げても着色しにくい点から、パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムであることが好ましい。
上記フッ素ゴムとしては、ビニリデンフルオライド(VdF)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系フッ素ゴム、VdF/HFP/テトラフルオロエチレン(TFE)系フッ素ゴム、TFE/プロピレン系フッ素ゴム、TFE/プロピレン/VdF系フッ素ゴム、エチレン/HFP系フッ素ゴム、エチレン/HFP/VdF系フッ素ゴム、エチレン/HFP/TFE系フッ素ゴム、VdF/TFE/パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)系フッ素ゴム、VdF/CTFE系フッ素ゴム等を挙げることができ、なかでも、ビニリデンフルオライド(VdF)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系フッ素ゴム、VdF/HFP/テトラフルオロエチレン(TFE)系フッ素ゴム、VdF/TFE/パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)系フッ素ゴムからなる群より選択される少なくとも1種のフッ素ゴムであることが好ましい。さらにフッ素ゴム中のフッ素原子の割合が64質量%以上の組成であることが好ましく、68質量%以上の組成であることがより好ましく、70質量%以上の組成であることが更に好ましい。
上記ゴム用改質剤は、ゴム100質量部に対して0.01〜20質量部の量を混合することが好ましく、より好ましい上限は10質量部であり、更に好ましい上限は7質量部であり、より好ましい下限は0.1質量部であり、更に好ましい下限は0.3質量部であり、特に好ましい下限は0.5質量部である。
本発明のゴム組成物は、上記ゴム用改質剤と上記ゴムに加えて、架橋剤、架橋助剤、充填剤、加工助剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、着色剤、安定剤、接着助剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、粘着付与剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤、紫外線吸収剤、耐油性向上剤、発泡剤、スコーチ防止剤、滑剤、エポキシ樹脂などの各種添加剤を配合することができる。
上記架橋剤としては、ゴムを架橋するために使用する一般的な架橋剤が使用できる。パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムに使用する架橋剤を特に例示すれば、パーオキサイド系架橋剤が例示できる。パーオキサイド系架橋剤としては、有機過酸化物が挙げられる。上記パーオキサイド系架橋剤としては、熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジカルを発生するものが好ましく、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどを例示することができる。そのなかでも好ましいものはジアルキル化合物である。一般に活性−O−O−の量、分解温度などから種類ならびに配合量が選ばれる。配合量は、通常、ゴム100質量部に対して0.1〜15.0質量部、好ましくは0.3〜5.0質量部である。
上記架橋助剤としては、ゴムを架橋するために使用する一般的な架橋助剤が使用できる。上述したパーオキサイド系架橋剤と共に使用できる架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。配合量は、通常、ゴム100質量部に対して0.2〜10質量部、好ましくは0.5〜6質量部、より好ましくは1〜5質量部である。
上記ゴム用改質剤とゴムの混合には、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、二軸押し出し機等のゴム混練り装置を使用することができる。
上記ゴム組成物を成形し、架橋することにより成形品を得ることができる。上記ゴム用改質剤とゴムとを混合して得られるゴム組成物は、従来公知の方法で成形することができる。成形及び架橋の方法及び条件としては、採用する成形及び架橋において公知の方法及び条件の範囲内でよい。成形及び架橋の順序は限定されず、成形した後架橋してもよいし、架橋した後成形してもよいし、成形と架橋とを同時に行ってもよい。
成形方法としては、例えば金型などによる加圧成形法、インジェクション成形法などが例示できるが、これらに限定されるものではない。架橋方法としては、スチーム架橋法、加熱により架橋反応が開始される通常の方法、放射線架橋法等が採用でき、なかでも、加熱による架橋反応が好ましい。限定されない具体的な架橋条件としては、通常、140〜250℃の温度範囲、1分間〜24時間の架橋時間内で、使用する架橋剤などの種類により適宜決めればよい。
本発明の成形品は、様々な分野で使用することができ、例えば、自動車(二輪含む)、スポーツ、家電、文具、雑貨、家具、衣料、園芸、建材分野で使用され得る。
本発明の成形品は、防汚性に優れることから、自動車シート用保護カバー、自転車サドル用保護カバー、自動車内装部品、家具用保護シート、時計用ベルト、物品(但し時計を除く)を身体に保持させるためのベルト、ポータブル電子デバイスのハウジング又はポータブル電子デバイス用保護カバーに特に好適に使用できる。
自動車は、二輪自動車、三輪自動車、四輪自動車であってよい。
本発明の成形品からなる自動車シート用保護カバー、自転車サドル用保護カバー及び家具用保護シートは、適度な柔軟性を有することから、自動車シート、自転車サドル及び家具の全体を覆うように設置することが可能であり、自動車シート、自転車サドル及び家具への汚れの付着を抑制することができる。また、特に自動車シート及び自転車サドルに設置すれば、乗員が乗降を繰り返すことにより、衣服と何度も擦れたとしても、衣服の染料により汚染されにくく、保護カバー自体の美麗さについても、長期に渡って維持することができる。
本発明の成形品からなる自動車内装部品は、その全体が本発明の成形品から形成されていても、表面のみが本発明の成形品で形成されていてもよい。
上記自動車内装部品は、少なくとも表面がゴムで形成されていることから、滑りにくく、適度な柔軟性を有するとともに、乗員が乗降を繰り返すことにより、衣服と何度も擦れたとしても、衣服の染料により汚染されにくく、自動車内装部品自体の美麗さについても、長期に渡って維持することができる。
上記自動車内装部品としては、シフトノブ、シフトブーツ、サンバイザー、ハンドルカバー、フットペダル用カバー、シートカバー、フロアマット、内張り、内装パネル類を挙げることができる。
本発明の成形品からなる時計用ベルトは、適度な柔軟性を有することから、装着者の腕、腰、頭等にしっかりと巻きつけることが可能であり、衣服と擦れても衣服の染料により汚染されにくく、美麗さを長期に渡って維持することができる。
本発明の成形品からなる物品(但し時計を除く)を身体に保持させるためのベルトは、適度な柔軟性を有することから、装着者の腕、腰、頭等にしっかりと巻きつけることが可能であり、衣服と擦れても衣服の染料により汚染されにくく、美麗さを長期に渡って維持することができる。
上記物品としては、ポータブル電子デバイスが挙げられ、ポータブル電子デバイスとしては、コンパクトメディアプレーヤ、ポータブルコンピューティングデバイス等が挙げられる。また、ポータブル電子デバイスは、携帯電話、ポータブル音楽プレーヤ、ポータブルビデオプレーヤ、ポータブルゲーム機、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレットコンピュータ、ペンダント装置、ヘッドホン、又は、イヤホンであってよい。
ポータブル電子デバイスは、カバンや衣服のポケットに収納されて携帯されることが多く、布地と擦れることにより布地の染料により汚染され、変色してしまうことがある。
本発明の成形品からなるポータブル電子デバイスのハウジングは、ゴムにより形成されていることから、ポータブル電子デバイスをユーザーが手に持って操作する際に滑りにくく、デバイスを落下させる可能性を低減することができるとともに、デバイスが落下しても、落下による衝撃を吸収して、デバイスを損傷から保護することができる。しかも、布地と擦れても布地の染料により汚染されにくく、美麗さを長期に渡って維持することができる。
上記ハウジングは、電子デバイスの内部構成要素を収容するために使用される。
ポータブル電子デバイスのハウジングは、通常、金属や熱可塑性樹脂で形成されているが、このハウジングの上に本発明の成形品からなるポータブル電子デバイス用保護カバーを装着することによっても、ポータブル電子デバイスのハウジングを本発明の成形品から形成する場合と、同様の効果を得ることができる。
本発明は、布地との接触を繰り返しながら使用される成形品が衣服の染料で汚染することを防止するためのフルオロポリエーテルのゴム用改質剤としての使用でもある。上記使用は、フルオロポリエーテルとゴムとを混合する工程を含むことが好ましい。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
<架橋特性>
ゴム組成物について、プレス架橋時にJSR型キュラストメーターII型を用いて160℃における架橋曲線を求め、トルクの変化より、最低粘度(ML)、最高粘度(MH)、誘導時間(T10)及び最適架橋時間(T90)を求めた。
<切断時引張応力及び切断時伸び>
実施例及び比較例で得られた厚さ2mmの架橋シートを用いて、引張試験機(テンシロン、オリエンテック製)を使用して、JIS K6251(1993年)に準じて、500mm/分の条件下、ダンベル5号にて、23℃における切断時引張応力及び切断時伸びを測定した。
<硬さ>
実施例及び比較例で得られた厚さ2mmの架橋シートを用いて、タイプAデュロメーター(商品名:ASKER、高分子計器社製)を使用して、JIS K6253(1997年)に準拠してピーク値を測定した。
<防汚性試験1>
実施例及び比較例で得られた厚さ2mmの架橋シートから30×30mmの試験片を採取し、表面にケチャップ(カゴメ(株)製 商品名:カゴメケチャップ)を直径20mmの円状に塗布し、23℃で30分間放置した。その後、水で洗い、紙(キムワイプ/日本製紙クレシア製)で拭き取り、表面の状態を目視で観察した。試験液に接していた部分と接していなかった部分とで、表面の色又は光沢に差がない場合は○、変化が認められる場合を×とした。
<防汚性試験2>
実施例及び比較例で得られた厚さ2mmの架橋シートから50mm×120mmの試験片を採取し、ラビングテスター(株式会社井元製作所製IMC−151E型)の試験台に固定した。さらに布生地(リーバイ・ストラウス ジャパン 商品名:リーバイス501ジーンズ 00501−1484)に、20℃で相対湿度60%の環境下、表2及び3に記載の荷重をかけて、往復速度60回/分、移動距離70mmの条件で、500往復の摩擦試験を行った。
試験後、試験片を試験台より取り外して、目視により表面の汚れを観察した。布生地と接していた部分と接していなかった部分とを比較し、前者に汚れが全く観察されないものを等級5、わずかに認められるがめだたないものを等級4、わずかではあるが明らかに認められるものを等級3、やや著しいものを等級2、かなり著しいもの等級1とした。
表1中の成分は、それぞれ次に示すものである。
フッ素ゴム1:ヨウ素移動重合法で製造されたパーオキサイド架橋可能な2元フッ素ゴム(VdF/HFP=78/22(モル%))。ムーニー粘度は、69(ML1+10、100℃)。
フッ素ゴム2:ヨウ素移動重合法で製造されたパーオキサイド架橋可能な3元フッ素ゴム(VdF/HFP/TFE=50/30/20(モル%))。ムーニー粘度は、50(ML1+10、100℃)。
充填剤1:酸化チタンR−650 (堺化学工業(株)製)
充填剤2:酸化亜鉛1種(堺化学工業(株)製)
架橋助剤1:タイク WH60(日本化成(株)製)
有機過酸化物1: パーヘキサ25B−40(日油(株)製)
パーフルオロポリエーテル1:デムナムS−200(平均分子量;8,400、構造式;F−(CFCFCFO)−C、ダイキン工業(株)製)
パーフルオロポリエーテル2:デムナムS−65(平均分子量;4,500、構造式;F−(CFCFCFO)−C、ダイキン工業(株)製)
パーフルオロポリエーテル3:バリエルタJ100 FLUID(平均分子量;3,500、構造式;F−[CF(CF)CFO]−C、NOKクリュ−バー(株)製)
パーフルオロポリエーテル4:バリエルタJ400 FLUID(平均分子量;7,500、構造式;F−[CF(CF)CFO]−C、NOKクリュ−バー(株)製)
ゴム組成物A1〜8及びB1〜2の調整
表1の処方に従ってそれぞれの成分を配合し、オープンロール上で混練りしてゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物の架橋特性を表1に示す。
実施例1〜16及び比較例1〜4
調製したゴム組成物A1〜8及びB1〜2を表2及び3の処方に従って、プレス架橋及びオーブン架橋を施し、厚さ2mmの架橋シートの被験サンプルを作製した。得られた架橋シートの常態物性評価(硬さ、切断時引張応力及び切断時伸び)、防汚性試験1及び2の結果を表2及び3に示す。
Figure 2015131879
Figure 2015131879
Figure 2015131879
本発明のゴム用改質剤は、ゴム成形品の防汚性を向上させるために、ゴムを成形架橋する前に、ゴムと練り合わせて使用することができる。特に自動車用シートの保護カバーや自動車内装部品等の衣服と擦れ合う状態で使用されるゴム成形品に使用すれば、衣服の染料が付着しにくくなり、付着しても容易に拭き取ることができる。

Claims (7)

  1. パーフルオロポリエーテルを含むことを特徴とするゴム用改質剤。
  2. ゴム成形品の表面に防汚性を付与するためのゴム用改質剤。
  3. ゴム成形品の表面が布地の染料で汚染することを防止するためのゴム用改質剤。
  4. ゴムと請求項1、2又は3記載のゴム用改質剤とからなるゴム組成物。
  5. ゴムはフッ素ゴムである請求項4記載のゴム組成物。
  6. 請求項4又は5記載のゴム組成物からなる成形品。
  7. 自動車シート用保護カバー、自転車サドル用保護カバー、自動車内装部品、家具用保護シート、時計用ベルト、物品(但し時計を除く)を身体に保持させるためのベルト、ポータブル電子デバイスのハウジング又はポータブル電子デバイス用保護カバーである請求項6記載の成形品。
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