JP2004307765A - ふっ素ゴム系配合物 - Google Patents

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Abstract

【目的】ふっ素ゴムの有する本来のゴム物性及び製造工程におけるロール混練作業性を低下させることなく、ゴム部品の潤滑性を確保することのできる潤滑性ゴム組成物を提供すること。
【構成】Oリング等のゴム部品に好適なふっ素ゴム系のゴム配合物。ふっ素ゴム100質量部に油状パーフルオロポリエーテル0.5〜30質量部を他の副資材とともに添加したものである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ふっ素ゴム系配合物及び当該ふっ素ゴム系配合物から成形されてなる挿入装着シールゴム部品に関する。
【0002】
本明細書においては、上記ふっ素ゴム系配合物から成形される挿入装着シールゴム部品として、主としてOリングを例に採り説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、低い挿入抵抗特性(いわゆる良好な装着性)を要求される種々の汎用ゴム部品(例えば、リップパッキン)が例示可能である。また、本発明のふっ素ゴム系配合物は、挿入装着シールゴム部品以外の用途(例えば、ダイヤフラム)にも適用可能である。
【0003】
【従来の技術】
ふっ素ゴムは、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性等に優れているため、Oリング等で代表される挿入装着シールゴム部品の材料として好適に使用されている。
【0004】
図1にOリング(ゴム部品)12を用いた部材組み付け方法の一例を模式図として示す。図1の如く、挿入用部材(ピストン)14を被挿入用部材(シリンダ)16に挿入装着して部材相互間のシールを行う場合、Oリング12が高い摩擦係数を有すると、挿入力が大となり組み付け性が悪く、さらにはOリング12自身が破断するおそれがあることが指摘されている。一般的にゴム材料(加硫ゴム)は摩擦係数が高いため、上記問題を解決することを目的として、従来、いくつかの提案がなされている。
【0005】
例えば、▲1▼オイルやグリースをOリング12あるいは部材14、16に塗布する方法、▲2▼ポリテトラフルオロエチレンコーティングなどでOリング12の表面処理を行う方法、▲3▼合成ワックスや脂肪酸アミド等の固体潤滑剤を含有するゴム組成物を用いてOリング12を得る方法(特許文献1等参照)、▲4▼オイル等を含有するゴム組成物を用いてOリング12を得る方法(特許文献2等参照)等が検討されつつある。しかし、上記方法は、それぞれ下記の如き問題点を有している。
【0006】
上記▲1▼、▲2▼の如く塗布、表面処理を用いる方法は、生産工程の増加に伴うコスト上昇に繋がるため経済的ではない。また、上記▲3▼の固体潤滑剤を用いる方法は、圧縮永久歪みの低下等、本来のゴム物性が低下してしまう。さらに上記▲4▼のオイルを使用する方法は、製造工程におけるロール混練作業性の低下(非粘着性によるロール巻き悪化)を避けるために、ゴム組成物中のオイル含有量を制限する必要があり、ゴム部品の摩擦係数低下のため(潤滑性確保のため)に充分なオイル量を含有させることができない。
【0007】
さらに、架橋(加硫)温度の高いふっ素ゴムをゴム組成物のポリマー成分として使用する際に上記▲3▼、▲4▼の方法を適用すると、ゴム組成物の架橋時(特に高温雰囲気下におけるポスト加硫時)において、含有されたオイル、固体潤滑剤が分解、揮発し、ゴム部材12の潤滑性を低下させる傾向も見られる。
【0008】
【特許文献1】
特開昭62−277448号公報
【特許文献2】
特開2001−348460公報
【0009】
【発明の開示】
本発明は、上記にかんがみて、ふっ素ゴムの有する本来のゴム物性及び製造工程におけるロール混練作業性を低下させることなく、ゴム部品の潤滑性を確保することのできるふっ素ゴム系配合物、及び、当該ふっ素ゴム系配合物から成形されてなる挿入装着シールゴム部品を提供することを目的とする。
【0010】
本発明者らは、上記目的(課題)を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、油状パーフルオロポリエーテルを潤滑性改善剤として添加することにより、上記課題が解決できることを知見して、下記構成のふっ素ゴム系配合物及び該ふっ素ゴム系配合物から成形されてなる挿入装着シールゴム部品に想到した。
【0011】
本発明のふっ素ゴム系配合物は、ふっ素ゴム系配合物において、ふっ素ゴム100質量部に油状パーフルオロポリエーテル0.5〜30質量部が他の副資材とともに添加されたものであることを特徴とする。油状パーフルオロポリエーテルを所定量添加することによりすることにより、ふっ素ゴムの有する本来のゴム物性及び製造工程におけるロール混練作業性を低下させることなく、ゴム部材の潤滑性を確保することのできるふっ素ゴム系配合物を提供することができる。
【0012】
上記構成において、ふっ素ゴムが三元系ふっ素ゴム、特に分子末端よう素であるよう素系であるとともに、有機過酸化物架橋系であることが望ましい。ゴム部品の潤滑性、ゴム物性維持効果及びゴム組成物のロール混練作業性がより良好になるためである。
【0013】
上記構成において、平均分子量(M)が1500以上である油状パーフルオロポリエーテルを好適に使用することができる。下記構造式で示される側鎖タイプの油状パーフルオロポリエーテルを好適に使用することができる。より潤滑性(ゴム部品挿入性)を確保し易いためである。
【0014】
【化2】
Figure 2004307765
【0015】
上記条件を満たす油状パーフルオロポリエーテルを潤滑性改善剤として使用することで、Oリング等の製造に好適に適用可能なふっ素ゴム系配合物を得ることができる。また、体積変化率を目標値以下とすることができる。
【0016】
一方、本発明の挿入装着シールゴム部品は、上記記載のふっ素ゴム系配合物から成形されてなることを特徴とするものである。そして、当該ゴム部品はOリングとして好適なものである。
【0017】
【構成の詳細な説明】
以下、本発明のふっ素ゴム系配合物(ふっ素ゴム系組成物)及び挿入装着シールゴム部品について、詳細に説明を行う。以下の説明で配合単位は、特に断らない限り「質量」単位である。
【0018】
本発明のふっ素ゴム系配合物は、潤滑性改善剤として油状パーフルオロポリエーテル(以下「油状PFPE」と称す。)を所定量、他の副資材とともに添加したことを特徴とするものである。ここで油状(オイル状)とは、常温液状ばかりでなく、ペーストやグリースの如く常温で流動性を有する半固状のものを含む。
【0019】
ふっ素ゴムは、工業的に製造される範囲のものであれば、いずれのふっ素ゴムでも適用可能である。
【0020】
具体的には、二元系ふっ素ゴムとして、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系(VDF−CTFE系)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系(VDF−HFP系)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系(TFE−PAVE系)、テトラフルオロエチレン−プロピレン系(TFE−Pr系)を;
三元系ふっ素ゴムとして、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系(VDF−HFP−TFE系)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン系(VDF−PAVE−TFE系)、テトラフルオロエチレン−プロピレン−ビニリデンフルオライド系(TFE−Pr−VDF系)を;
その他、含フッ素シリコーン系、含フッ素サーモプラスチックエラストマ−等を例示でき、これらの中から一種又は複数選択して使用することができる。
【0021】
上記のうち、特に三元系ふっ素ゴムであることが望ましい。ゴム部品の潤滑性、ゴム物性維持効果及びゴム組成物のロール混練作業性がより良好になるためである。
【0022】
また、上記ふっ素ゴムの架橋系は、ポリアミン架橋系、ポリオール架橋系、有機過酸化物架橋系(パーオキサイド架橋系)等、汎用の架橋系が適応可能である。これらのうちで、特に分子末端よう素であるよう素系であるとともに、有機過酸化物架橋系であることが望ましい。ゴム部品の潤滑性、ゴム物性維持効果及びゴム組成物のロール混練作業性がより良好になるためである。
【0023】
潤滑性改善剤として添加する油状PFPEは、主鎖中にエーテル結合を有するポリマーである。本発明の如くゴム成分の一部として添加されることで、ふっ素ゴムの有する本来のゴム物性及び製造工程におけるゴム組成物のロール混練作業性を低下させることなく、成形されるゴム部品の潤滑性を確保することができる。
【0024】
油状PFPEの具体例としては、例えば下記化学式で示される如く、四フッ化エチレン(パーフルオロエチレン)から合成される直鎖タイプのものがある。
【0025】
【化3】
Figure 2004307765
【0026】
上記直鎖タイプの油状PFPEを使用する場合、平均分子量(M)4000以上のものを好適に使用できる。Oリング等に好適に適用可能なふっ素ゴム系配合物を得ることができるからである。また、体積変化率を目標値以下とすることができる。
【0027】
一方、下記化学式の如く六ふっ化プロピレンから合成される側鎖を有するタイプも存在する。本発明のふっ素ゴム系配合物材料としては、上記直鎖タイプに比してより、潤滑性の見地からからより好適に使用できる。
【0028】
【化4】
Figure 2004307765
【0029】
上記側鎖を有するタイプの油状PFPEを使用する場合、平均分子量(M)1500以上、望ましくは2000以上、より望ましくは4000以上、さらに望ましくは6000以上のものを好適に使用できる。上記同様、Oリング等に好適に適用可能なふっ素ゴム系配合物を得ることができるからである。特に、Mを6000以上としたときは、体積変化率を高度の目標値以下(例えば、+0.2%以下)とすることが可能となる。
【0030】
また、油状PFPEの平均Mの上限は、油状であれば、特に限定されず、通常約10000以下、望ましくは約8500以下とする。
【0031】
上記油状PFPEの添加量は、ふっ素ゴム100部に対して1〜30部、望ましくは2〜20部、さらに望ましくは4〜18部である。添加量が少なすぎると、ゴム配合物から成形されるゴム部品に充分な潤滑性を付与することができず、逆に添加量が多すぎると、製造工程におけるゴム配合物のゴム混練作業性が低下する。
【0032】
本発明のふっ素ゴム系配合物には、上記ゴム成分(ポリマー成分)に加え、その他必要に応じて適宜、充填剤(補強剤、補強充填剤等を含む)、加工助剤、架橋剤、架橋助剤等の副資材を、必要量添加することができる。
【0033】
ゴムの充填剤は、補強剤としての機能を有するものが多く、例えばカーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、けい酸、けい酸塩、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等が用いられる。
【0034】
加工助剤としては、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、油状ポリブタジエン等が用いられる。
【0035】
また、架橋剤としては、ゴム成分として使用されるふっ素ゴムの種類に応じて適宜選択すればよいが、本発明においては有機過酸化物系架橋剤を好適に使用できる。例えば、1,3−ビス(第3ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,4−(第3ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、第3ブチルヒドロキシパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が用いられる。
【0036】
また、上記有機化酸化物架橋剤を使用した場合、架橋助剤として、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、N,N−m−フェニレンジマレイミド等の多官能性不飽和化合物を使用することができる。
【0037】
一方、本発明の挿入装着シールゴム部品は、上記記載のふっ素ゴム系配合物から成形されてなることを特徴とするものである。即ち、上記記載のふっ素ゴム系配合物を目的の形状に成形し、汎用法の架橋(加硫)方法を用いて架橋することで挿入装着シールゴム部品を得ることができる。
【0038】
ゴム配合物の架橋は、例えば上記ゴム配合物をオープンロール等で混練して目的の形状に成形したのち、一次架橋(例えば、約150〜200℃×5〜10min)を行い、ついでポスト加硫(二次架橋)(例えば、約150〜230℃×1〜24h)を行うことでゴム部品とすることができる。
【0039】
上記架橋後、ゴム配合物中に含有されている油状PFPEは、ゴム部品表面にブリードし、ゴム部品表面の摩擦係数を低下させる。よって、オイルやグリースを塗布しなくても、潤滑性に優れ、挿入装着性が良好なゴム部品となる。
【0040】
なお、ふっ素ゴムは一般的に物性向上のため、上記の如く高温で長時間ポスト加硫が行われるが、油状PFPEは耐熱性に優れており、ポスト加硫温度下においても、分解や揮発等が起こらない。よって、従来使用されていたオイル、固体潤滑剤等の潤滑性付与剤と異なり、架橋に伴いゴム部品の潤滑性低下をひき起こすことがない。
【0041】
上記の如く、本発明のふっ素ゴム系配合物から成形される挿入装着シールゴム部品は、潤滑性の良好なゴム部品であるため部材装着性が良好である。よって、オイルやグリースの塗布、あるいは表面処理等の必要性がなく、製造工程増加に伴うコスト上昇の問題も解消できる。
【0042】
このような特徴を有する本発明のふっ素ゴム系配合物は、オイルシール、トナーシール、Oリング、パッキン等の成形材料として有効に用いることができる。
【0043】
【試験例・実施例】
以下、本発明のふっ素ゴム系配合物の効果を確認するために行った試験例・実施例について説明を行う。
【0044】
<試験例>
油状PFPEの平均分子量(M)がゴム部品の体積変化率に与える影響を確認するため、下記処方よりなるゴム配合物をオープンロールで混練し、170℃で6分間架橋したのち、150℃で2時間のポスト加硫を行い、得られた厚さ20mm×50mm×2mmの架橋ゴムを各試験例のゴム試験片とした。
【0045】
フッ素ゴム配合処方
ふっ素ゴム(VDF−PAVE三元系ゴム) 100部
カーボンブラック(N990) 25部
有機過酸化物(*1) 3.8部
架橋助剤 4部
(*1)日本油脂製品「パーヘキサ25B40」
得られたゴム試験片を、JIS K6258「加硫ゴムの浸漬試験方法」に準拠し、60℃×70hの条件で浸漬試験(表1に示す各分子量のパーフルオロポリエーテルに浸漬)を行い、さらに、JIS K6268「加硫ゴム−密度測定」に準拠し、ゴム試験片の体積変化を測定した。結果を表1及び図3に示す。
【0046】
【表1】
Figure 2004307765
【0047】
表1から、平均分子量(M)が低いほど、体積変化率が大きくなることがわかる。本発明においては、体積変化率の目標値(+0.2%)を達成するため、分子量4000以上の側鎖タイプの油状PFPEを使用することが望ましいことが分かる。
【0048】
<実施例・比較例>
本発明の効果を確認するために、それぞれ下記の如く各実施例・比較例のゴム試験片を作成して物性評価を行った。ゴム試験片は以下の如く作成した。
【0049】
下記表2(実施例1〜6)及び表3(比較例1〜4)に記載された処方のゴム配合物をオープンロールで混練し、170℃で6min架橋したのち、150℃で2時間のポスト加硫を行い、得られた厚さ2mmの架橋ゴムシート及び内径φ6.6mm、線径φ2.4mmのOリング12をゴム試験片とした。
【0050】
なお、各実施例、比較例で使用した組成物中の成分を列記する。
【0051】
・ふっ素ゴム:ダイキン工業製品「ダイエルLT302」(VDF−PAVE三元系ゴム)
・カーボンブラック:N990
・過酸化物:日本油脂製品「パークミルD」
・架橋助剤:日本化成製品「タイク」
・油状PFPE
:実施例1〜3…アウジモント製品「フォンブリンYR1800」
:実施例4…アウジモント製品「フォンブリンY45」
:実施例5…アウジモント製品「フォンブリンY04」
:実施例6…ダイキン工業製品「デムナムS65」
・クロロトリフルオロエチレン:ダイキン工業製品「ダイフロイル#20」・シリコーンオイル:東レダウコーニング製品「SH200CV10000CS」
・脂肪酸アマイド:花王製品「アーモスリップE」
【0052】
【表2】
Figure 2004307765
【0053】
【表3】
Figure 2004307765
【0054】
上記各ゴム試験片を用いて、常態物性等の各種項目についての評価及び測定を行った。項目及び測定・評価方法を以下に記す。
【0055】
・ロール混練作業性:○…一般的な材料と同レベルの作業性と判断できるもの
×…ロール巻付き性が悪く、混練性困難と判断されるもの
・挿入力(摩擦力):図2に示す試験機を用いて、挿入用部材14にOリング12を装着し、室温下において被挿入用部材16に押し込んで(押込速度10mm/min)測定を行った。なお、治具の溝寸法については、JIS B2401に従った。
【0056】
・圧縮永久歪性:JIS K6262 (130℃×72時間)に従った。
【0057】
・その他の常態物性:それぞれ、JIS K6251、JIS K6253に従った。
【0058】
結果を表4に示す。
【0059】
【表4】
Figure 2004307765
【0060】
表4の結果より、本発明に相当する実施例(油状PFPE添加)では、良好なロール混練作業性、圧縮永久歪性を維持しながら、低い挿入力(良好な潤滑性)を示していることが分かる。特に、分子量6000以上の側鎖タイプのパーフルオロポリエーテルを添加した場合(実施例6・7・8)は、低い挿入力を示すことが分かる。
【0061】
一方、比較例1(潤滑剤無添加処方)は、ロール混練作業性は良好であるが挿入力が高いことが分かる。比較例2(クロロトリフルオロエチレン添加)は、挿入力は低くなる傾向にあるが、圧縮永久歪性が悪いことが分かる。比較例3(シリコーンオイル添加)は、挿入力は低いがロール混練作業性が悪く、圧縮永久歪性も悪化傾向にあることが分かる。比較例4(脂肪酸アマイド添加)は、ロール混練作業性は良好であるが、挿入力が高く、圧縮永久歪性も悪いことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Oリング12を用いた部材組み付け方法の一例を示す模式図である。
【図2】試験例2における挿入力(摩擦力)試験機の模式図である。
【図3】各分子量のパーフルオロポリエーテルのふっ素ゴムに対する体積変化率の試験結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
12 Oリング(ゴム部品)
14 挿入用部材
16 被挿入用部材

Claims (9)

  1. ふっ素ゴム系のゴム配合物において、ふっ素ゴム(ゴム成分)100質量部に油状パーフルオロポリエーテル0.5〜30質量部が他の副資材とともに添加されたものであることを特徴とするふっ素ゴム系配合物。
  2. 前記ふっ素ゴムが三元系ふっ素ゴムであるとともに、有機過酸化物架橋系であることを特徴とする請求項1記載のふっ素ゴム系配合物。
  3. 前記油状パーフルオロポリエーテルの平均分子量(M)が1500以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のふっ素ゴム系配合物。
  4. 前記油状パーフルオロポリエーテルが、下記構造式で示される側鎖タイプであることを特徴とする請求項1又は2記載のふっ素ゴム系配合物。
    Figure 2004307765
  5. 前記油状パーフルオロポリエーテルが、平均分子量(M)4000以上で、その配合量が1〜18質量部であることを特徴とする請求項4記載のふっ素ゴム系配合物。
  6. 前記ふっ素ゴムが分子末端よう素であるよう素系であることを特徴とする請求項2記載のふっ素ゴム系配合物。
  7. ふっ素ゴム配合物において、潤滑性改善剤として油状パーフルオロポリエーテルが添加されたものであることを特徴とするふっ素ゴム系配合物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のふっ素ゴム系配合物から成形されてなる挿入装着シールゴム部品。
  9. ゴム部品がOリングであることを特徴とする請求項8記載の挿入装着シールゴム部品。
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