JP2653325B2 - フッ素ゴム組成物 - Google Patents

フッ素ゴム組成物

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JP2653325B2
JP2653325B2 JP20313792A JP20313792A JP2653325B2 JP 2653325 B2 JP2653325 B2 JP 2653325B2 JP 20313792 A JP20313792 A JP 20313792A JP 20313792 A JP20313792 A JP 20313792A JP 2653325 B2 JP2653325 B2 JP 2653325B2
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rubber composition
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伸一 佐藤
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康久 大沢
則之 小池
高至 松田
博和 山田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はロール加工性、押出し特
性に優れ、かつ良好な機械的強度、伸びを有し、相溶性
の良好な加硫成型物を与えるフッ素ゴム組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
フッ素ゴムは、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性等に優れて
いることから種々の分野で利用されている。
【0003】しかし、フッ素生ゴムは非常に高粘度で硬
く、ロール加工の際に充填剤がフッ素生ゴム中に均一に
混練され難く、また、ロール上での切り返し等の混合操
作が容易でないなどロール加工性に劣る上、押出し加工
時に高動力を必要とし、発熱も大きいという問題があっ
た。このためフッ素ゴム組成物においてはロール加工性
や押出し特性の改良が要望されていた。
【0004】このフッ素ゴム組成物の加工性改良につい
ては、特開昭62−277456号公報に下記構造の低
粘度フッ素ゴムを反応性可塑剤として添加する方法等が
提案されている。
【0005】
【化2】
【0006】しかし、フッ素ゴム内添剤を用いる上記方
法では、硬化後にゴム表面へのブリードが認められる
上、加硫成型物の機械的強度、伸び等が損なわれ易いと
いう問題があった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
ロール加工性、押出し特性に優れている上、良好な機械
的強度、伸びを有し、しかもブリードのない相溶性の良
好な加硫成型物を与えるフッ素ゴム組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、未加硫のフ
ッ素ゴムに対し、下記一般式(I)で示される含フッ素
有機珪素化合物を添加することにより、ロール加工性、
押出し特性が顕著に改良されると共に、これを加硫する
ことにより得られる加硫成型物は機械的強度、伸びが損
なわれることなく、しかもブリードの発生もなく相溶性
が良好であることを知見し、本発明をなすに至った。
【0009】
【化3】
【0010】従って、本発明は、(1)未加硫のフッ素
ゴム、(2)上記式(I)の含フッ素有機珪素化合物、
及び(3)加硫剤を配合してなるフッ素ゴム組成物を提
供する。
【0011】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明のフッ素ゴム組成物の第一成分であるフッ素ゴムとし
ては、種々のものが使用可能であり、例示すると、フッ
化ビニリデン系共重合体、例えばフッ化ビニリデン及び
四フッ化エチレンから選ばれる少なくとも一種と六フッ
化プロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデン、四フッ
化エチレン、五昇化プロピレン及び六フッ化プロピレン
から選ばれる少なくとも1種とこれらと共重合可能な単
量体との共重合体(例えばトリフルオロエチレントリフ
ルオロメチルエーテル等の側鎖にエーテル結合を持つオ
レフィン類、エチレン、プロピレン、イソブチレン等の
オレフィン類、トリフルオロエチレン、モノクロルトリ
フルオロエチレン等のハロゲン化オレフィン類、パーフ
ルオロブチルエチレン(C49CH=CH2)、パーフ
ルオロヘキサエチレン(C613CH=CH2)、パーフ
ルオロオクチルエチレン(C817CH=CH2)等のフ
ッ化アルキル基を有するオレフィン類、パーフルオロパ
ーフルオロビニルエーテル、アルキル−フルオロビニル
エーテル等のハロゲン化エーテル類、エチルビニルエー
テル等のエーテル類など)が挙げられ、これらの1種又
は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0012】このようなフッ素ゴムとして具体的には、
市販品のデュポン社製VITONシリーズ、3M社製フ
ローレルシリーズ、ダイキン工業社製ダイエルシリー
ズ、JSR・旭硝子社製アフラスシリーズ、旭モント社
製テクノフロンシリーズ等を用いることができる。
【0013】本発明の第二成分は、下記一般式(I)で
示される含フッ素有機珪素化合物である。
【0014】
【化4】
【0015】ここで、上記式中R1は一価炭化水素基を
示し、好ましくは炭素数1〜8のものであり、具体例と
してはメチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基
などのアルキル基、シクロアルキル基などのシクロアル
キル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェ
ニル基、トリル基などのアリール基あるいは3,3,3
−トリフルオロエチル基、3−クロルプロピル基などの
前記の基の水素原子が部分的にハロゲン原子で置換され
た基などが例示される。またR2は二価炭化水素基を示
し、好ましくは炭素数1〜8のものであり、具体例とし
てはメチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキ
レン基、ベンジレン基、トリレン基等のアリーレン基な
どが例示される。
【0016】上記式(I)において、Rfは二価パーフ
ロロアルキレン基(好ましくは炭素数1〜15のもの)
又は二価パーフロロポリエーテル基(好ましくは炭素数
2〜100のもの)であり、具体的には下記式のものが
例示される。
【0017】
【化5】
【0018】更にQは下記一般式(II)、(III)
又は(IV)で示される二価シロキシ基である。
【0019】
【化6】
【0020】ここで、R3 ,R4,R5,R6としては上述
したR1と同様の基が挙げられる。このようなQとして
は具体的には、下記式のものが例示される。なお、式中
Phはフェニル基を示す。
【0021】
【化7】
【0022】上述した含フッ素有機珪素化合物は1種を
単独で又は2種以上を併用することかでき、その添加量
は第一成分のフッ素ゴム100部(重量部、以下同様)
に対して0.01〜50部、特に2〜30部とすること
が好ましい。含フッ素有機珪素化合物の添加量が0.0
1部に満たないとロール加工性、押出し性への効果がほ
とんどなく、また50部を越えるとフッ素ゴムのゴム物
性が低下する場合がある。
【0023】本発明の第三成分の加硫剤はフッ素ゴムの
種類により適宜選定され、公知のものを使用し得るが、
例えばアミン化合物、含フッ素ポリオール化合物、パー
オキサイド化合物等を使用することができる。
【0024】加硫剤の添加量は特に制限されないが、フ
ッ素ゴム100部に対して0.01〜5部、特に0.1
〜1部とすることが好ましい。
【0025】本発明のフッ素ゴム組成物には必要応じて
種々の添加剤、例えばカーボンブラック、シリカ、クレ
ー、けい藻土、タルク等の充填剤やその他フッ素ゴムに
通常添加される各種添加剤を所定量配合することができ
るが、特に加硫に常用されている受酸剤を配合すること
が好ましい。この受酸剤としては酸化マグネシウム、酸
化亜鉛等の金属酸化物、水酸化カルシウム等の金属水酸
化物、エポキシ化合物、有機スズ化合物、アルカリ土類
金属塩などが挙げられる。上記受酸剤は1種を単独で又
は2種以上を組み合わせて用いることができ、その添加
量はフッ素ゴム100部に対して1〜30部の割合とす
ることが好ましい。
【0026】本発明のフッ素ゴム組成物は、通常の方法
で製造することができ、例えば必要な配合成分をゴム混
練用ロール、加圧ニーダー等の混合機を用いて通常30
〜100℃、好ましくは30〜60℃で混合することに
より、ゴム組成物を製造することができる。この場合、
混合温度が30℃より低いと、上記有機化合物の均一な
混合が困難となる場合が生じ、逆に混合温度が高すぎて
100℃を超えてもうまく混合できない場合がある。
【0027】更に、成形は、押出し成形、射出成形、カ
レンダー成形等の各種成形法を採用して行うことができ
る。また、上記フッ素ゴム組成物は、まず一次加硫成形
をした後、二次加熱処理を行うことが望ましく、この処
理により加硫成形物の引張強度、伸び、引裂強度等の物
性を更に向上させることができる。なお、一次加硫成形
は通常50〜250℃で0.1〜1時間行うことが好ま
しく、二次加熱処理は通常150〜250℃で2〜48
時間、特に4〜24時間程度とすることが好ましい。
【0028】
【発明の効果】本発明のフッ素ゴム組成物は、ロール加
工性、押出し特性に優れている上、良好な機械的強度、
伸びを有し、しかもブリードもなく、相溶性が良好なも
ので、各種分野で幅広く利用することができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
【0030】〔実施例1〜6、比較例1〜4〕表1に示
す配合成分を二本ロールで充分混練りしてフッ素ゴム組
成物を調製した。このフッ素ゴム組成物に使用した含フ
ッ素有機珪素化合物は下記の通りである。
【0031】
【化8】
【0032】次に、得られたゴム組成物を170℃で1
5分間プレス加硫した後、230℃で24時間オーブン
加硫して、加硫ゴムシートを作成した。
【0033】この加硫ゴムシートについて、その硬度、
引張強さ、伸び、引き裂き強さ、反撥弾性及び圧縮永久
歪みをJIS−K−6301記載の方法で測定した。ま
た、下記方法でゴム組成物のロール加工性(ロール加工
後のロール表面の汚れの度合、プレス加工性(シート分
出し性)、加硫物の金型離型性)、ブリード性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0034】ロール加工性 ロール間隔、ロール時間20分/バッチでロール加工中
のロール切返し操作を何回できるかを測定し、またその
時の充填剤の混合状態及びゴム組成物のロール表面の付
着性を観察し、下記の基準で評価した。 ○:40回以上の切り返しができる。充填剤の混合状態
は良好である。ゴム組成物のロールへの付着は1回もな
い。 △:25〜39回の切り返しができる。充填剤の混合状
態は表面に充填剤の層が認められる。ゴム組成物が加工
中にロール表面に付着する傾向を示し、ロール剥離性が
悪い。 ×:切り返し操作を25回未満しかできない。充填剤の
混合状態は表面に充填剤の層が認められる。ゴム組成物
が加工中にロール表面に付着し、ロール作業中にロール
を停止し、ロール表面を冷却しなければならない。
【0035】ブリード性 前述の方法で作成したシートを1日室温で放置し、ガラ
ス板をシートに押し付け、ガラス表面へのブリードを観
察した。 ○:ガラス表面にオイル状物はほとんど観察されない。 ×:ガラス表面にオイル状物が観察される。
【0036】次に、下記方法でフローテスタによる流動
性測定した。結果を図1,2に示す。フローテスタによる流動性の測定 島津製作所製フローテスタCFT−500Aを用い、圧
力40atmをかけて各温度における流れ値Q(cm3
/sec)を測定し、各組成物の流動性(加工性)を測
定した。
【0037】
【表1】 *1)ダイキン工業社製(パーオキサイド加硫型フッ素
ゴム)、商品名ダイエル *2)Can Carb社製サーマックスN−990 *3)トリアリルイソシアヌレート *4)ダイキン工業社製(パーオキサイド加硫型低粘度
フッ素ゴム)、商品名ダイエル
【0038】表1及び図1,2の結果より、本発明のフ
ッ素ゴム組成物は、ロール加工性、流動性に優れている
上、機械的強度、伸びが良好であることが確認された。
【0039】更に、図1,2の結果から剪断速度10s
ec-1に達する温度を見ると、比較組成物に比べて本発
明組成物は50℃以上低く、ハーゲンポアズーエの粘度
式から計算するまでもないが、同一温度の粘度は100
分の1以下に低下していることがわかる。それ故、本発
明組成物は、粘性流動により成形する押出加工、カレン
ダー加工、金型成形等を採用して著しい低温加工又は高
速成形が可能であることが確認された。特に本発明組成
物をスコーチし易い配合組成物、例えば低温加硫型のパ
ーオキサイド(例えばベンイルパーオキサイド、2,4
−ジクロルベンゾイルパーオキサイド)配合組成物、ア
ミン配合組成物、第4級アルミニウム系ポリオール配合
組成物として調製すると、高い加工安全性を得ることが
可能であることもわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で得られたフッ素ゴム組成物
のフローテスタによる流動性測定結果を示すグラフであ
る。
【図2】実施例及び比較例で得られたフッ素ゴム組成物
のフローテスタによる流動性測定結果を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大沢 康久 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 小池 則之 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 松田 高至 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 山田 博和 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平3−287649(JP,A) 特開 平3−227352(JP,A) 特開 昭63−213545(JP,A) 特開 昭62−112647(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)未加硫フッ素ゴム、(2)下記一
    般式(I)で示される含フッ素有機珪素化合物、及び
    (3)加硫剤を配合してなることを特徴とするフッ素ゴ
    ム組成物。 【化1】
JP20313792A 1992-07-07 1992-07-07 フッ素ゴム組成物 Expired - Lifetime JP2653325B2 (ja)

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