JP2019131722A - 熱可塑性エラストマー組成物及び接合部材 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物及び接合部材 Download PDF

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Abstract

【課題】摺動性、押出材との融着性および高温での圧縮永久歪(へたり性)に優れ、射出成形に適した流動性を有する熱可塑性エラストマー組成物よりなる接合部材を提供する。【解決手段】下記(A)、(B)及び(C)を含み、成分(A)100質量部に対して成分(B)を100〜140質量部、成分(C)を60〜140質量部含む熱可塑性エラストマー組成物よりなる接合部材。成分(A):ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックと、ブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A1)と、ブロック共重合体(A1)の水素添加物(A2)との混合物。ブロック共重合体(A1)の溶液粘度は5Pa・s以下。成分(A)中のブロック共重合体(A1)の割合は5〜35質量%成分(B):炭化水素系ゴム用軟化剤成分(C):ポリプロピレン系樹脂【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物、この熱可塑性エラストマー組成物よりなる接合部材及びその製造方法と、この接合部材を用いた自動車用複合成形体に関する。詳しくは、摺動性、押出材との融着性および高温での圧縮永久歪(へたり性)に優れ、射出成形に適した流動性を有する熱可塑性エラストマー組成物と、この熱可塑性エラストマー組成物よりなる接合部材及びその製造方法と、この接合部材を用いた自動車用複合成形体に関する。
ポリプロピレン系樹脂及びスチレン-ブタジエンブロック共重合体を動的熱処理して得られる熱可塑性エラストマー組成物は、ゴム的な軟質材料としての特性を示しながらも加硫工程が不要であり、熱可塑性樹脂と同様の成形加工性を有するものである。このため、このような熱可塑性エラストマー組成物は、製造工程の合理化やリサイクル性等の観点から注目され、自動車部品、家電用品、医療用機器部品、電線、雑貨等の分野で広く使用されている。特に、この熱可塑性エラストマー組成物は、自動車用シール材や建材用シール材としての用途において多用されてきている。
自動車用シール材や建材用シール材は複雑な構造を有するため、通常、熱可塑性エラストマー組成物からなる部材同士を接合して目的の部材が製造されている。この際、熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体同士を接合するために、接着剤等を用いずに接合させる技術として、例えば、特許文献1に記載されているように、オレフィン系共重合ゴムと鉱物油系ゴム用軟化剤およびポリプロピレン系樹脂を一定の比率で混合し、動的架橋してなる接合部材によって熱融着させる技術が知られている。
また、特許文献2には、加硫ゴム成形体同士を十分に融着させる自動車用複合成形体用の接合コーナー部材の熱可塑性エラストマーを得るための技術として、オレフィン系共重合ゴムと結晶性エチレン系共重合体およびポリプロピレン系樹脂を一定の比率で混合し、動的架橋する技術が開示されている。
特開2008−266615号公報 特開2003−155386号公報
近年、熱可塑性エラストマー組成物からなる自動車用複合成形体の接合部材としては、十分な引張性能を保ちつつ、摺動性、押出材との融着性および高温での圧縮永久歪(へたり性)などの性能にも優れ、成形性(流動性)も良好であることが求められている。
上記特許文献1に記載されている熱可塑性エラストマー組成物からなる接合部材は、エラストマー成形体への接着性は良好であるが、特許文献1では、自動車用複合成形体の接合部材として必要な摺動性について言及されていない。
一般に、シリコーンオイルやオレイン酸アミドなどの滑剤を添加すると、高い摺動性を得ることができるが、このような滑剤は、表面張力が低く、成形体との接着面に露出し融着性を低下させる原因となる。
また、特許文献1では、ポリプロピレン系樹脂として、低流動性のプロピレン単独重合体(MFR:0.7g/10分(230℃、21.18N))を使用していることから、流動性が低く、射出成形性が不十分であった。
特許文献2に記載されている熱可塑性エラストマー組成物よりなる接合部材は、加硫ゴム成形体への接着性は良好であるが、特許文献2でも自動車用複合成形体の接合部材として必要な摺動性について言及されていない。また、70℃・22時間の圧縮永久歪(へたり性)について記載はあるが、60%を超えるものもあり不十分であるし、高温(100℃・22時間)での圧縮永久歪については更に悪化する恐れがある。
このように、従来において、摺動性及び融着性、高温での圧縮永久歪(へたり性)と成形加工性を全てバランス良く備え、自動車用複合成形体の接合部材として好適な熱可塑性エラストマー組成物は提供されていないのが現状である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、エラストマーとして十分な引張性能を保ちつつ優れた摺動性及び融着性と成形加工性に加え、高温での圧縮永久歪(へたり性)も良好な、熱可塑性エラストマー組成物と、この熱可塑性エラストマー組成物よりなる接合部材及びその製造方法と、この接合部材を用いた自動車用複合成形体を提供することを課題とする。
本発明者は、特定粘度のスチレン−ブタジエン系非水添ブロック共重合体とスチレン−ブタジエン系水添ブロック共重合体とを併用すると、高温での圧縮永久歪が良好になるばかりか摺動性の向上にも有効であるという、従来全く知られていなかった新規知見を得、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 下記(A)、(B)及び(C)を含み、成分(A)100質量部に対して成分(B)を100〜140質量部、成分(C)を60〜140質量部含む熱可塑性エラストマー組成物よりなる接合部材。
成分(A):ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックと、ブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A1)と、該ブロック共重合体(A1)の水素添加物(A2)との混合物であって、該ブロック共重合体(A1)の溶液粘度が5Pa・s以下であり、成分(A)中の該ブロック共重合体(A1)の割合が5〜35質量%
成分(B):炭化水素系ゴム用軟化剤
成分(C):ポリプロピレン系樹脂
[2] 前記熱可塑性エラストマー組成物が、更に下記成分(D)を含む、[1]に記載の接合部材。
成分(D):架橋剤
[3] 前記成分(C)が、融解ピーク温度が100℃以上157℃未満であるプロピレン系ランダム共重合体を含む、[1]又は[2]に記載の接合部材。
[4] 前記熱可塑性エラストマー組成物が、前記成分(A)100質量部に対して前記成分(D)を0.5質量部以上10.0質量部以下含む、[2]又は[3]に記載の接合部材。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の接合部材を備える自動車用複合成形体。
[6] 下記(A)、(B)、(C)及び(D)を含み、成分(A)100質量部に対して成分(B)を100〜140質量部、成分(C)を60〜140質量部含む熱可塑性エラストマー組成物を溶融混練し、混練物を射出成形する接合部材の製造方法。
成分(A):ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックと、ブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A1)と、該ブロック共重合体(A1)の水素添加物(A2)との混合物であって、該ブロック共重合体(A1)の溶液粘度が5Pa・s以下であり、成分(A)中の該ブロック共重合体(A1)の割合が5〜35質量%
成分(B):炭化水素系ゴム用軟化剤
成分(C):ポリプロピレン系樹脂
成分(D):架橋剤
[7] 下記(A)、(B)及び(C)を含み、成分(A)100質量部に対して成分(B)を100〜140質量部、成分(C)を60〜140質量部含む熱可塑性エラストマー組成物。
成分(A):ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックと、ブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A1)と、該ブロック共重合体(A1)の水素添加物(A2)との混合物であって、該ブロック共重合体(A1)の溶液粘度が5Pa・s以下であり、成分(A)中の該ブロック共重合体(A1)の割合が5〜35質量%
成分(B):炭化水素系ゴム用軟化剤
成分(C):ポリプロピレン系樹脂
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、エラストマーとして十分な引張性能を保ちつつ摺動性及び融着性、高温での圧縮永久歪(へたり性)に優れ、成形加工性も良好であり、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を用いて、摺動性及び融着性、高温での圧縮永久歪(へたり性)に優れた複合成形体用接合部材を、良好な成形加工性のもとに得ることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなる接合部材は、その優れた摺動性及び融着性、高温での圧縮永久歪(へたり性)と成形加工性から、自動車用シール材、建材用シール材として有用であり、特に自動車用グラスランチャンネル等の自動車用複合成形体の接合部材として有用である。
本発明が適用される自動車用グラスランチャンネルの一例を示す斜視図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。なお、本明細書において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
〔熱可塑性エラストマー組成物〕
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、少なくとも下記成分(A)〜(C)を所定の割合で含み、好ましくは、下記成分(D)の存在下で動的熱処理を行うことで製造される。
成分(A):ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックと、ブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A1)と、該ブロック共重合体(A1)の水素添加物(A2)との混合物であって、該ブロック共重合体(A1)の溶液粘度が5Pa・s以下であり、成分(A)中の該ブロック共重合体(A1)の割合が5〜35質量%
成分(B):炭化水素系ゴム用軟化剤
成分(C):ポリプロピレン系樹脂
成分(D):架橋剤
[メカニズム]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、エラストマーとして十分な引張性能を保ちつつ摺動性及び融着性、高温での圧縮永久歪(へたり性)に優れ、成形加工性も良好であるという効果を奏する。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物がこのような効果を奏する理由の詳細は定かではないが、成分(A)100質量部のうちの5質量部以上35質量部以下である溶液粘度5Pa・s以下の非水添ブロック共重合体(A1)の非水添部分が、成分(D)の架橋剤および架橋助剤と結びつき架橋点となって、高温でのゴム弾性すなわち圧縮永久歪(へたり性)が向上したと考えられる。また、該非水添ブロック共重合体(A1)は、粘度が低いために細かな分散径で分散し、十分な引張性能を保ちつつ、成形体表面の平滑性にも寄与することで良好な摺動性が得られたと推定される。このように良好な摺動性が成分(A)のゴム成分によってもたらされる結果として、表面張力(被着体との融着性)の低下効果のあるシリコーンオイル等の滑剤の添加量を抑えることができるため、融着性が良好になると考えられる。
更に、本発明の熱可塑性エラストマー組成物のゴム成分である成分(A)がビニル芳香族化合物単位を主体としているために、オレフィン系ゴムと比較して多くのゴム用軟化剤を含むことができ、射出成形に適した10〜30g/10分(230℃,21.2N)というような適度な流動性を示すようになり、成形加工性も良好となる。
前述の特許文献1、2のように、従来、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムを用いて、得られる成形体の融着性や圧縮永久歪(へたり性)を向上させる方法は一般に良く知られているが、ビニル芳香族化合物単位を主体とするブロック共重合体の水添および非水添物の組み合わせと架橋システムを利用し、摺動性及び融着性、高温での圧縮永久歪(へたり性)を満足させ、更に成形加工性も良好なものとする技術は、本発明によって初めて確立されたものである。
[成分(A)]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に用いる成分(A)は、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロック(以下、「ブロックP」と称す場合がある。)と、ブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロック(以下、「ブロックQ」と称す場合がある。)とを有し、溶液粘度が5Pa・s以下のブロック共重合体の非水添物(非水添ブロック共重合体)(A1)およびその水添物(水添ブロック共重合体)(A2)よりなり、成分(A)100質量部のうち、非水添ブロック共重合体(A1)が5質量部以上35質量部以下であることが必要である。
成分(A)100質量部のうち、溶液粘度5Pa・s以下の非水添ブロック共重合体(A1)が上記範囲の下限値以上であると良好な摺動性と融着性を得ることができ、上記上限値以下であると、引張特性が良好となる。成分(A)のうち、溶液粘度5Pa・s以下の非水添ブロック共重合体(A1)は、成分(A)100質量部に対して通常5質量部以上であり、10質量部以上であることがより好ましく、15質量部以上であることがさらに好ましい。また、成分(A)のうち、溶液粘度5Pa・s以下の非水添ブロック共重合体(A1)は、成分(A)100質量部に対して通常35質量部以下であり、34質量部以下用いることが好ましく、33質量部以下であることがより好ましい。
一方、成分(A)100質量部中の水添ブロック共重合体(A2)の割合は、50質量部以上であることが好ましく、55質量部以上であることがより好ましく、85質量部以下であることが好ましく、84質量部以下であることがより好ましい。成分(A)中の水添ブロック共重合体(A2)が上記範囲内であると引張強度と流動性(成形加工性)が良好となり、好ましい。
ここで、「ビニル芳香族化合物を主体とする重合体」とは、ビニル芳香族化合物を主体とする単量体を重合したものを意味し、「ブタジエンを主体とする重合体」とは、ブタジエンを主体とする単量体を重合したものを意味する。また、ここで「主体とする」とは、50モル%以上であることを意味する。
また、以下において、「非水添ブロック共重合体」と「水添ブロック共重合体」を「(非)水添ブロック共重合体」と総称する。
(非)水添ブロック共重合体のブロックPを構成する単量体のビニル芳香族化合物は限定されないが、スチレンおよび/またはα−メチルスチレンなどのスチレン誘導体が好ましい。中でも、スチレンを主体とすることが好ましい。なお、ブロックPには、ビニル芳香族化合物以外の単量体が原料として含まれていてもよい。
ブロックQには、ブタジエン以外の単量体、例えばイソプレンが原料として含まれていてもよい。
成分(A)の(非)水添ブロック共重合体におけるブロックPの重量割合は限定されないが、5質量%上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、一方、55質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、45質量%以下であることがさらに好ましい。ブロックPの重量割合が上記範囲であることにより、架橋反応の割合が良好となる傾向にある。
成分(A)の(非)水添ブロック共重合体の化学構造は直鎖状、分岐状または放射状等の何れであってもよいが、下記式(1)又は(2)で表される(非)水添ブロック共重合体である場合が好ましく、機械的強度向上の観点から、より好ましくは下記式(1)の構造である。
P−(Q−P)m (1)
(P−Q)n (2)
(式中PはブロックPを、QはブロックQをそれぞれ表し、mは1〜5の整数を表し、nは2〜5の整数を表す)
式(1)又は(2)においてm及びnは、ゴム的高分子体としての秩序−無秩序転移温度を下げる点では大きい方がよいが、製造のしやすさ及びコストの点では小さい方がよい。本発明においてはm及びnが1〜5の整数で与えられるものが好ましく、より好ましくは2〜4である。
成分(A)の(非)水添ブロック共重合体としては、ゴム弾性に優れることから、式(2)で表される(非)水添ブロック共重合体よりも式(1)で表される(非)水添ブロック共重合体の方が好ましく、mが3以下である式(1)で表されるブロック共重合体がより好ましく、mが2以下である式(1)で表される(非)水添ブロック共重合体が更に好ましい。
成分(A)の水添ブロック共重合体(A2)の数平均分子量は限定されないが、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと略記する場合がある)により測定したポリスチレン換算の値として、100000以上であることが好ましく、より好ましくは150000以上、さらに好ましくは200000以上であり、600000以下であることが好ましく、より好ましくは550000以下、さらに好ましくは500000以下であることが好ましい。
成分(A)の非水添ブロック共重合体(A1)の溶融粘度は、通常0.5Pa・s以上であり、0.6Pa・s以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.7Pa・s以上であり、通常5.0Pa・s以下であり、4.5Pa・s以下であることが好ましく、より好ましくは4.0Pa・s以下であることが好ましい。
成分(A)の水添ブロック共重合体(A2)の数平均分子量および非水添ブロック共重合体(A1)の溶融粘度が前記範囲内でれば、十分な引張物性を有しつつ、良好な摺動性を得ることができる。
なお、本発明において、非水添ブロック共重合体(A1)の溶融粘度は、ポリマー濃度25質量%のトルエン溶液中、25℃で測定された値である。
本発明における成分(A)の(非)水添ブロック共重合体製造方法は、上述の構造と物性が得られればどのような方法でもよく、特に限定されない。具体的には、例えば、特開平7−97493号公報に記載された方法によりリチウム触媒等を用いたブロック重合を行うことによって得ることができる。また、ブロック共重合体の水素添加(水添)は、例えば、特開昭59−133203号公報などに記載された方法により、不活性溶媒中で水添触媒の存在下で行うことができる。
成分(A)の水添ブロック共重合体(A2)の市販品としては、台湾合成ゴム(TSRC)社製「TAIPOL−6151」、「TAIPOL−6159」、クレイトンポリマージャパン株式会社製「G1651」、「G1633」、クラレ社製「セプトン4099」などが挙げられる。
また、成分(A)の非水添ブロック共重合体(A1)の市販品としては、クレイトンポリマージャパン株式会社製「D1101」、「D1155」などが挙げられる。
上記の成分(A)の非水添ブロック共重合体(A1)と水添ブロック共重合体(A2)は、それぞれ1種のみを用いてもよく、組成や物性の異なるものを2種以上組み合わせて用いてもよい。
[成分(B)]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、成形性を向上させる観点から、成分(B)の炭化水素系ゴム用軟化剤を、成分(A)100質量部に対して100質量部以上140質量部以下含むことが必要である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物中の成分(B)の含有量の下限は、成分(A)100質量部に対し、成形性の観点から、通常100質量部以上であり、好ましくは102量部以上であり、より好ましくは104質量部以上である。また、成分(B)の含有量の上限は、成分(A)100質量部に対し、柔軟性の観点から、通常140質量部以下であり、好ましくは138質量部以下であり、より好ましくは136質量部以下である。
成分(B)の炭化水素系ゴム用軟化剤としては、鉱物油系軟化剤、合成樹脂系軟化剤等が挙げられるが、他の成分との親和性の観点から鉱物油系軟化剤が好ましい。鉱物油系軟化剤は、一般的に、芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素及びパラフィン系炭化水素の混合物であり、全炭素原子の50%以上がパラフィン系炭化水素であるものがパラフィン系オイル、全炭素原子の30〜45%がナフテン系炭化水素であるものがナフテン系オイル、全炭素原子の35%以上が芳香族系炭化水素であるものが芳香族系オイルと各々呼ばれている。これらの中で、本発明においては、パラフィン系オイルを用いることが好ましい。
成分(B)の炭化水素系ゴム用軟化剤の40℃における動粘度は特に限定されないが、好ましくは20cSt以上、より好ましくは50cSt以上であり、また、好ましくは800cSt以下、より好ましくは600cSt以下である。また、炭化水素系ゴム用軟化剤の引火点(COC法)は、好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上である。
成分(B)の炭化水素系ゴム用軟化剤は市販品として入手することができる。該当する市販品としては、例えば、JX日鉱日石エネルギー社製「日石ポリブテン(登録商標)HV」シリーズ、出光興産社製「ダイアナ(登録商標)プロセスオイルPW」シリーズ等が挙げられ、これらの中から該当品を適宜選択して使用することができる。
成分(B)の炭化水素系ゴム用軟化剤は1種のみを用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
[成分(C)]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は成形性を向上させる観点から、成分(C)のポリプロピレン系樹脂を、成分(A)100質量部に対して60質量部以上140質量部以下含むことが必要である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物中の成分(C)の含有量の下限は、成分(A)100質量部に対し、成形性の観点から、通常60質量部以上であり、70質量部以上であることが好ましく、80質量部以上であることがより好ましい。一方、成分(C)の含有量の上限は、成分(A)100質量部に対し、成形品として十分な柔軟性のある硬度を得るという観点から通常140質量部以下であり、130質量部以下であることが好ましく、120質量部以下であることがより好ましい。
成分(C)は、融解ピーク温度が100℃以上157℃未満であるプロピレン系重合体(以下、「成分(C1)」と称す場合がある。)を含むことが好ましいが、上記成分(C1)を含むものであれば、成分(C)は後述の成分(C2)のような、その他のポリプロピレン系樹脂を含むものであってもよい。なお、本発明において、「ポリプロピレン系樹脂」とはプロピレン単位の含有量が50質量%以上であるものを意味する。本発明において、成分(C1)は主に射出成形性に寄与する。
成分(C)に含まれる成分(C1)の融解ピーク温度が上記下限値以上であると耐熱性の観点で好ましく、上記上限値未満であると成分(A)との相溶性の観点で好ましい。
なお、成分(C1)及び後述の成分(C2)の融解ピーク温度は、JIS K7121に従い、以下の方法により測定することができる。
即ち、示差走査熱量計(エスエスアイ・ナノテクノロジー社製DSC6220)を用いて、以下の工程(1)〜(3)を順に実施してポリプロピレン系樹脂の融解挙動を測定する。
各工程において横軸に時間、縦軸に融解熱量をプロットして融解曲線を取得し、工程(3)において観測されるピークのピークトップを融解ピーク温度とする。
工程(1):試料5mgを室温から100℃/分の速度で40℃から200℃まで昇温し、昇温終了後、3分間保持する。
工程(2):200℃から10℃/分の速度で40℃まで降温し、降温終了後、3分間保持する。
工程(3):40℃から10℃/分の速度で200℃まで昇温する。
成分(C1)は、プロピレン系ランダム共重合体であることが好ましく、成分(C1)のプロピレン系ランダム共重合体中のプロピレン単位の含有量は、成分(C1)を構成する単量体単位の合計量に対し、好ましくは60〜99質量%であり、より好ましくは80〜98質量%である。成分(C1)のプロピレン単位の含有量が上記範囲であると、前述の融解ピーク温度の範囲となり易いために好ましい。
なお、成分(C1)の各構成単位の含有量は赤外分光法により求めることができる。後述の成分(C2)についても同様である。
成分(C1)のプロピレン系ランダム共重合体は、プロピレン単位とプロピレン単位以外の構成単位を有する共重合体である。プロピレン単位以外の構成単位として、具体的には、エチレン単位やプロピレン単位以外のα−オレフィン単位が挙げられる。成分(C1)が含んでいてもよいプロピレン単位以外の構成単位としては、例えば、エチレン単位、1−ブテン単位、1−ペンテン単位、1−ヘキセン単位、1−へプテン単位、1−オクテン単位、1−ノネン単位、1−デセン単位、1−ウンデセン単位、1−ドデセン単位、1−トリデセン単位、1−テトラデセン単位、1−ペンタデセン単位、1−ヘキサデセン単位、1−ヘプタデセン単位、1−オクタデセン単位、1−ノナデセン単位、1−エイコセン単位、3−メチル−1−ブテン単位、3−メチル−1−ペンテン単位、4−メチル−1−ペンテン単位、2−エチル−1−ヘキセン単位、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン単位等が挙げられる。成分(C1)は、これらの1種のみを含むものであっても、2種以上を含むものであってもよい。成分(C1)に含まれるプロピレン単位以外の構成単位の好ましいものとしては、エチレン単位、1−ブテン単位等が挙げられる。
成分(C)に含まれる成分(C1)以外のポリプロピレン系樹脂としては、例えば融解ピーク温度が157℃以上175℃以下であるプロピレン系重合体(以下、「成分(C2)」と称す場合がある。)が挙げられる。成分(C2)は主として熱可塑性エラストマー組成物に耐熱性を付与する成分である。
成分(C2)の融解ピーク温度が157℃以上であることにより、耐熱性が付与される。この観点から、成分(C2)の融解ピーク温度は、好ましくは160℃以上である。一方、その上限は押出部材との融着性の観点から175℃以下、好ましくは170℃以下である。
成分(C2)のプロピレン系重合体において、プロピレン単位の含有量は、成分(C2)を構成する単量体単位の合計量に対し、好ましくは90質量%以上、より好ましくは98〜100質量%である。成分(C2)のプロピレン単位の含有量が上記範囲であると、前述の融解ピーク温度の範囲となり易いために好ましい。
成分(C2)のプロピレン系重合体は、プロピ.レン以外の構成単位を有するものであってもよく、例えば、エチレンやプロピレン以外のα−オレフィンと共重合されたものを含むものであってもよい。この場合、成分(C2)が含んでいてもよいα−オレフィン単位としては、例えば、1−ブテン単位、1−ペンテン単位、1−ヘキセン単位、1−へプテン単位、1−オクテン単位、1−ノネン単位、1−デセン単位、1−ウンデセン単位、1−ドデセン単位、1−トリデセン単位、1−テトラデセン単位、1−ペンタデセン単位、1−ヘキサデセン単位、1−ヘプタデセン単位、1−オクタデセン単位、1−ノナデセン単位、1−エイコセン単位、3−メチル−1−ブテン単位、3−メチル−1−ペンテン単位、4−メチル−1−ペンテン単位、2−エチル−1−ヘキセン単位、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン単位等が挙げられる。成分(C2)はこれらの1種のみを含むものであっても、2種以上を含むものであってもよい。成分(C2)がプロピレン単位以外の構成単位を含む場合、他の構成単位の好ましいものとしては、エチレン単位、1−ブテン単位等が挙げられる。
成分(C)が成分(C2)を含む場合、成分(C)中の成分(C2)の含有量は50質量%以下、例えば5〜50質量%であることが好ましい。成分(C)が成分(C2)を含むことで、耐熱性が付与されるが、その含有量が多過ぎると押出部材との融着性が低下する可能性がある
成分(C1)及び成分(C2)のプロピレン系重合体の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒を用いた重合法を挙げることができる。該重合法には、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等を用いることができ、これらを2種以上組み合わせてもよい。
成分(C1)及び成分(C2)は市販品として入手することもできる。これらに該当する市販品としては、プライムポリマー社のPrim Polypro(登録商標)、住友化学社の住友ノーブレン(登録商標)、サンアロマー社のポリプロピレンブロックコポリマー、日本ポリプロ社のノバテック(登録商標)PP、LyondellBasell社のMoplen(登録商標)、ExxonMobil社のExxonMobil PP、Formosa Plastics社のFormolene(登録商標)、Borealis社のBorealis PP、LG Chemical社のSEETEC PP、A.Schulman社のASI POLYPROPYLENE、INEOS Olefins&Polymers社のINEOS PP、Braskem社のBraskem PP、SAMSUNG TOTAL PETROCHEMICALS社のSumsung Total、Sabic社のSabic(登録商標)PP、TOTAL PETROCHEMICALS社のTOTAL PETROCHEMICALS Polypropylene、SK社のYUPLENE(登録商標)等があり、これらの中から適宜選択し、組み合わせて用いることができる。
成分(C1)及び成分(C2)はそれぞれ1種のみを用いてもよく、組成や物性の異なるものを2種以上組み合わせて用いてもよい。
[成分(D)]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(D)として架橋剤を含むことが好ましく、この場合、成分(D)の架橋剤の存在下で動的熱処理を行うことにより、成分(A)の少なくとも一部を架橋することで、ゴム弾性を良好なものとすることができる。
架橋剤としては、有機過酸化物、フェノール樹脂、その他の架橋助剤等を用いることができ、これらの架橋剤は1種のみで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋剤として用いることのできる有機過酸化物としては、芳香族系有機過酸化物及び脂肪族系有機過酸化物のいずれも使用することが可能である。具体的には、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のジアルキルパーオキシド類;t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル類;アセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド等のヒドロパーオキシド類等が挙げられる。これらの中でも、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。これらの有機過酸化物は1種類のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋剤として用いることのできるフェノール樹脂としては、アルキルフェノールホルムアルデヒド、臭化アルキルフェノールノールホルムアルデヒド等が挙げられる。これらのフェノール樹脂は1種類のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機過酸化物及びフェノール樹脂以外の架橋助剤としては、例えば、硫黄、p−キノンジオキシム、p−ジニトロソベンゼン、1,3−ジフェニルグアニジン等の過酸化物用助剤;塩化第一錫・無水物、塩化第一錫・二水和物、塩化第二鉄等のフェノール樹脂用架橋助剤;ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
成分(D)の使用量は、成分(A)の合計100質量部に対して架橋反応を十分に進行させる観点から、好ましくは0.5質量部以上であり、より好ましくは1.0質量部以上であり、更に好ましくは1.5質量部以上である。一方、成分(D)の使用量は、成分(A)の合計100質量部に対し、架橋反応を制御する観点から、好ましくは10.0質量部以下であり、より好ましくは9.0質量部以下であり、更に好ましくは8.0質量部以下である。
[その他の成分]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造には、成分(A)〜(D)以外に本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてその他の成分を原料として用いることができる。
その他の成分としては、例えば、成分(A)および成分(C)以外の熱可塑性樹脂やエラストマー等の樹脂、酸化防止剤、充填材、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、金属不活性化剤、分子量調整剤、防菌剤、防黴材、蛍光増白剤等の各種添加物等を挙げることができる。これらは任意のものを単独又は併用して用いることができる。
成分(A)および成分(C)以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリオレフィン樹脂(だだし、成分(C)に該当するものを除く。)等を挙げることができる。また成分(A)および成分(C)以外のエラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー(ただし、成分(A)に該当するものを除く);ポリエステル系エラストマー;ポリブタジエン等を挙げることができる。
滑剤(以下、「成分(E)」と称す場合がある。)としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーンマスターバッチ、液体シロキサンワックス等が挙げられる。滑剤を用いる場合、滑剤は、成分(A)の合計100質量部に対して、通常0.5〜50質量部、好ましくは1〜25質量部の範囲で用いられる。前述の通り、本発明では、成分(A)による摺動性の向上効果で滑剤の使用量を抑えることができ、上記の通り、成分(A)の合計100質量部に対して20質量部以下の少量添加で、融着性の低下を抑えて優れた摺動性を得ることができる。
酸化防止剤(以下、「成分(F)」と称す場合がある。)としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤を用いる場合、酸化防止剤は、成分(A)の合計100質量部に対して、通常0.01〜3.0質量部、好ましくは0.15〜0.6質量部の範囲で用いられる。上記範囲内であると良好な熱安定性が得られる。
充填材としては、例えば、ガラス繊維、中空ガラス球、炭素繊維、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、チタン酸カリウム繊維、シリカ、金属石鹸、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。充填剤を用いる場合、充填剤は、成分(A)の合計100質量部に対して、通常0.3〜100質量部で用いられる。
[熱可塑性エラストマー組成物の製造方法]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、好ましくは、成分(A)、成分(B)、成分(C)及びその他の成分等を所定量含有する組成物を架橋剤である成分(D)の存在下で動的熱処理して得られるものである。
本発明において「動的熱処理」とは架橋剤の存在下で溶融状態又は半溶融状態で混練することを意味する。この動的熱処理は、溶融混練によって行うのが好ましく、そのための混合混練装置としては、例えば非開放型バンバリーミキサー、ミキシングロール、ニーダー、二軸押出機等が用いられる。これらの中でも二軸押出機を用いることが好ましい。この二軸押出機を用いた製造方法の好ましい態様としては、複数の原料供給口を有する二軸押出機の原料供給口(ホッパー)に各成分を供給して動的熱処理を行うものである。
動的熱処理を行う際の温度は、通常80〜300℃、好ましくは100〜250℃である。また、動的熱処理を行う時間は通常0.1〜30分である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を二軸押出機により動的熱処理を行うことにより製造する場合においては、二軸押出機のバレル半径(R(mm))、スクリュー回転数(N(rpm))及び吐出量(W(kg/時))の間に下記式(I)の関係を保ちながら押出することが好ましく、下記式(II)の関係を保ちながら押出することがより好ましい。
2.6<NW/R<22.6 (I)
3.0<NW/R<20.0 (II)
二軸押出機のバレル半径(R(mm))、スクリュー回転数(N(rpm))及び吐出量(W(kg/時))との間の前記関係が上記下限値より大きいことが熱可塑性エラストマー組成物を効率的に製造するために好ましい。一方、前記関係が上記上限値より小さいことが、剪断による発熱を抑え、外観不良の原因となる異物が発生しにくくなるために好ましい。
[熱可塑性エラストマー組成物の物性]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、JIS K7210の規格に準拠した方法で測定温度230℃、測定荷重21.2Nで測定したメルトフローレート(MFR)が10g/10分以上であることが成形性の観点から好ましく、より好ましくは15g/10分以上であり、更に好ましくは20g/10分以上である。また、成形性の観点から、メルトフローレート(MFR)は、100g/10分以下であることが好ましく、95g/10分以下であることがより好ましく、90g/10分以下であることが更に好ましく、60g/10分以下、更には30g/10分以下であることがとりわけ好ましい。
〔成形体・用途〕
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、通常、熱可塑性エラストマー組成物に用いられる成形方法、例えば、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形等の各種成形方法により、成形体とすることができ、これらの中でも射出成形が好適である。また、これらの成形を行った後に積層成形、熱成形等の二次加工を行った成形体とすることもできる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物よりなる成形体は、表皮、ウェザーストリップ、天井材、内装シート、バンパーモール、サイドモール、エアスポイラー、エアダクトホース、シール材等の自動車部品;止水材、目地材、窓枠、シール材等の土木・建材部品;ゴルフクラブのグリップ部、テニスラケットのグリップ部等のスポーツ用品;ホースチューブ、ガスケット等の工業用部品;ホース、パッキン類等の家電部品;医療用容器、ガスケット、パッキン等の医療用部品;容器、パッキン等の食品用部品;医療用機器部品;電線;雑貨等の広汎な分野に適用することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物よりなる成形体は以上に挙げたものの中でも自動車用シール材、建材用シール材として好適であり、自動車用シール材、特に自動車用グラスランチャンネルとして好適である。
〔接合部材〕
本発明の接合部材は、上述の本発明の熱可塑性エラストマー組成物よりなるものであり、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を溶融混練し、混練物を射出成形することにより製造される。
特に本発明の接合部材は、自動車用グラスランチャンネル等の自動車用複合成形体に用いられる接合部材として好適である。
図1は、自動車用複合成形体3としての自動車用グラスランチャンネルの一例を示す斜視図であり、別途熱可塑性エラストマー組成物の押出成形により製造された線状部を構成する押出成形部材1A,1Bを、本発明の接合部材2よりなるコーナー部で融着一体化させたものである。
このような複合成形体3は、例えば、予め製作された押出成形部材1A,1Bの接合端側を射出成形用金型に挿入し、この金型内に本発明の熱可塑性エラストマー組成物を射出成形してコーナー部の接合部材2を成形すると共に、押出成形部材1A,1Bの端面と融着一体化することにより製造することができる。
押出成形部材1A,1Bを構成する熱可塑性エラストマー組成物としては特に制限はないが、本発明の熱可塑性エラストマー組成物との融着性に優れると共に、自動車用グラスランチャンネルの枠部としての機械的強度や圧縮永久歪(へたり性)にも優れることから、オレフィン系熱可塑性系エラストマー、スチレン熱可塑性系エラストマーが好ましい。
以下、実施例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
〔原材料〕
以下の実施例及び比較例で使用した原材料は以下の通りである。
[実施例用成分(A)]
{非水添ブロック共重合体(A1)}
<A1−1>
スチレン・ブタジエン・スチレン非水添ブロック共重合体(前記式(1)の構造を有する。スチレン(ブロックP)含有量:31質量%、溶融粘度:4Pa・s/クレイトンポリマージャパン株式会社製「D1101」
<A1−2>
スチレン・ブタジエン・スチレン非水添ブロック共重合体(前記式(1)の構造を有する。スチレン(ブロックP)含有量:40質量%、溶融粘度:0.7Pa・s/クレイトンポリマージャパン株式会社製「D1155」
{水添ブロック共重合体(A2)}
<A2−1>
スチレン・ブタジエン・スチレン水添ブロック共重合体(前記式(1)の構造を有する。スチレン(ブロックP)含有量:32質量%、溶融粘度:1.8Pa・s、数平均分子量:220000/台湾合成ゴム(TSRC)社製「TAIPOL−6151」
[比較例用成分(A)]
{非水添ブロック共重合体(a1)}
<a1−1>
スチレン・ブタジエン・スチレン非水添ブロック共重合体(前記式(1)の構造を有する。スチレン(ブロックP)含有量:30質量%、溶融粘度:19Pa・s/DYNASOL社製「C−711」
<a1−2>
スチレン・ブタジエン・スチレン非水添ブロック共重合体(前記式(1)の構造を有する。スチレン(ブロックP)含有量:30質量%、溶融粘度:19Pa・s/DYNASOL社製「C−411」
<a1−3>
スチレン・ブタジエン・スチレン非水添ブロック共重合体(前記式(1)の構造を有する。スチレン(ブロックP)含有量:30質量%、溶融粘度:20Pa・s/旭化成株式会社製「T−411G」
<a1−4>
スチレン・イソプレン・スチレン非水添ブロック共重合体(前記式(1)の構造を有する。スチレン(ブロックP)含有量:20質量%、溶融粘度:0.5Pa・s/株式会社クラレ製「ハイブラー5127」
{水添ブロック共重合体(a2)}
<a2−1>
スチレン・イソプレン・スチレン水添ブロック共重合体(前記式(1)の構造を有する。スチレン(ブロックP)含有量:30質量%、溶融粘度:0.67Pa・s、数平均分子量:320000/クラレ社製「セプトン4099」
[成分(B)]
<B−1>
パラフィン系ゴム用軟化剤(40℃の動粘度:95.5cSt、流動点:−15℃、引火点:272℃)/出光興産株式会社製「ダイアナ(登録商標)プロセスオイルPW90」
[成分(C)]
<C−1>
プロピレン・エチレンランダム共重合体(MFR(JIS K7210):30g/10分(230℃、21.2N)、融解ピーク温度:155℃、プロピレン単位含有量:98質量%)/日本ポリプロ株式会社製「ノバテック(登録商標)PP MG03BD」
[成分(D)]
<D−1>
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン40質量部と炭酸カルシウム60質量部の混合物/化薬アクゾ株式会社製「カヤヘキサAD40C」
<D−2>
ジビニルベンゼン55質量部とエチルビニルベンゼン45質量部の混合物/和光純薬工業社製「ジビニルベンゼン」
[成分(E)]
<E−1>
シリコーンオイル/信越化学社製「KF96−100CS」
[成分(F)]
<F−1>
フェノール系酸化防止剤/BASFジャパン社製「イルガノックス(登録商標)1010」
[評価方法]
以下の実施例及び比較例における熱可塑性エラストマー組成物の評価方法は以下の通りである。
なお、以下の(1)〜(6)の測定には、各熱可塑性エラストマー組成物を用い、インラインスクリュウタイプ射出成形機(東芝機械社製「IS130」)にて、射出圧力50MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃の条件で射出成形して得られたシート(横120mm、縦80mm、肉厚2mm)を使用した。
(1)硬度デュロA:JIS K6253に準拠(JIS−A)して、試験片に針を押し付けてから15秒後の値を測定した。
硬度デュロAは35〜95、特に40〜98の範囲であることが好ましい。
(2)圧縮永久歪:JIS K6262に準拠して、70℃、22時間、25%圧縮の条件で測定した。
70℃、22時間、25%圧縮の条件で測定した圧縮永久歪みは、60%未満であることが好ましく、58%未満であることがより好ましい。
(3)高温での圧縮永久歪:JIS K6262に準拠して、100℃、22時間、25%圧縮の条件で測定した。
圧縮永久歪(へたり性)の測定値(CS)から下記基準で評価した。
○:CS 76%未満
△:CS 76%以上80%未満
×:CS 80%以上
(4)切断時引張応力:JIS K6251の切断時引張応力の測定法に準拠した手順で行った。
切断時引張応力の測定値から下記基準で評価した。
○:切断時引張応力 7.4MPa以上
△:切断時引張応力 7.0MPa以上7.4MPa未満
×:切断時引張応力 7.0MPa未満
(5)切断時伸び:JIS K6251の切断時伸びの測定法に準拠した手順で行った。
切断時伸びの測定値から下記基準で評価した。
◎:切断時伸び 500%以上
○:切断時伸び 450%以上500%未満
△:切断時伸び 400%以上450%未満
×:切断時伸び 400%未満
(6)静摩擦係数と動摩擦係数
射出成形して得られたシート(横120mm、縦80mm、肉厚2mm)を60cm×45cm×大きさに切り出し、そのテストピースの上を、ガラス板(縦110mm×横110mm×厚み3mm)と両面テープで接着させた200gの重りを6cm移動させることで、静摩擦係数と動摩擦係数を測定した。3回測定し、平均値を算出した。
静摩擦係数については、下記基準で評価した。
◎:静摩擦係数 1.50未満
○:静摩擦係数 1.50以上1.60未満
△:静摩擦係数 1.60以上1.70未満
×:静摩擦係数 1.70以上
(7)TPV(動的架橋熱可塑性エラストマー)との融着強度および融着伸び
オレフィン系動的架橋熱可塑性エラストマー(三菱ケミカル株式会社製「TREXPRENE(登録商標)3855N」)の厚さ2mmの射出シートを10cm×5cmの大きさに切り出し、110ton射出成形機の金型内に装填し、各熱可塑性エラストマー組成物をシリンダー温度210℃、金型温度40℃設定で前記金型内に射出し、インサート成形法により、複合成形体を得た。該複合成形体をJIS3号ダンベルで打ち抜き、200mm/minの引張速度で引張り、融着強度および融着伸びを測定した。
融着強度については、下記基準で評価した。
◎:融着強度 3.55MPa以上
○:融着強度 3.50MPa以上3.55MPa未満
△:融着強度 3.45MPa以上3.50MPa未満
×:融着強度 3.45MPa未満
本評価は、射出シートを用いた融着性の評価であるが、この評価結果から、図1に示したような複合成形体にした際の融着性の良否も評価できる。
[実施例/比較例]
<実施例1>
(A1−1)33質量部、(A2−1)67質量部、(B−1)133質量部、(C−1)100質量部、(D−1)2.0質量部(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン40質量部と炭酸カルシウム60質量部の混合物)、(D−2)2.0質量部(ジビニルベンゼン55質量部とエチルビニルベンゼン45質量部の混合物)、(E−1)10質量部、(F−1)0.3質量部をヘンシェルミキサーにて1分間ブレンドして混合物を得た。この混合物を、同方向二軸押出機(日本製鋼所製「TEX30α」、L/D=46、シリンダーブロック数:13)の供給部へ合計15kg/hの速度で投入し、110〜180℃の範囲で昇温させ溶融混練を行い、ペレット化して熱可塑性エラストマー組成物を製造した。
得られた熱可塑性エラストマー組成物について、JIS K7210の規格に準拠した方法で測定温度230℃、測定荷重21.2Nでメルフローレート(MFR)を測定すると共に、前述の(1)〜(7)の評価を行った。評価結果を表−1に示す。
<実施例2〜5及び比較例1〜13>
表−1〜3に示したように配合組成を変更した以外は実施例1と同様にして実施し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物について、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表−1〜3に示す。
なお、表1〜3中、成分(D−1)については、実際の配合量ではなく、成分(D−1)のうちの2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンのみの配合量(実配合量の40%)で示し、成分(D−2)についても、実際の配合量ではなく、成分(D−2)のうちのジビニルベンゼンのみの配合量(実配合量55%)で示す。
Figure 2019131722
Figure 2019131722
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<評価結果>
表−1に示す通り、実施例1〜5は「引張特性」、「摺動性(静摩擦係数)」、「押出材との融着性」と「高温(100℃)での圧縮永久歪」の評価において優れ、成形性についても射出成形に適した流動性10〜30g/10分(230℃、21N)を満たしている。
比較例1、2は実施例1、2で使用している(A1−1)の量を増やし、その増加分(A2−1)を減らした例であるが、「引張特性(切断時引張応力、切断時伸び)」の評価が劣っている。
比較例3、4は実施例4で使用している(A1−2)の量を増やし、その増加分(A2−1)を減らした例であるが、「引張特性(切断時引張応力、切断時伸び)」の評価が劣っている。
比較例5〜8は実施例1で使用している(A1−1)を、それぞれ(a1−1)又は(a1−4)に変更した例であるが、「引張特性(切断時引張応力、切断時伸び)」の評価が劣っている。
比較例9〜11は、実施例1で使用している(A1−1)を、全量(A2−1)〜(a2−1)にそれぞれ置き換えた例であるが、「摺動性(静摩擦係数)」、「押出材との融着性」の評価が劣っている。
比較例12、13は、実施例1で使用している成分(A)の(A1−1)と(A2−1)の比率を変更し、かつ、成分(B)の(B−1)を減らして、その減少分成分(C)の(C−1)を増加させた例であるが、「摺動性(静摩擦係数)」、「高温(100℃)での圧縮永久歪」の評価が劣っている。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、表皮、ウェザーストリップ、天井材、内装シート、バンパーモール、サイドモール、エアスポイラー、エアダクトホース、シール材等の自動車部品;止水材、目地材、窓枠、シール材等の土木・建材部品;ゴルフクラブのグリップ部、テニスラケットのグリップ部等のスポーツ用品;ホースチューブ、ガスケット等の工業用部品;ホース、パッキン類等の家電部品;医療用容器、ガスケット、パッキン等の医療用部品;容器、パッキン等の食品用部品;医療用機器部品;電線;雑貨等の広汎な分野で用いることができる。本発明の熱可塑性エラストマー組成物は以上に挙げたものの中でも自動車用シール材、建材用シール材として好適であり、自動車用シール材、特に自動車用グラスランチャンネルとして好適である。
1A,1B 押出成形部材
2 接合部材
3 複合成形体

Claims (7)

  1. 下記(A)、(B)及び(C)を含み、成分(A)100質量部に対して成分(B)を100〜140質量部、成分(C)を60〜140質量部含む熱可塑性エラストマー組成物よりなる接合部材。
    成分(A):ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックと、ブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A1)と、該ブロック共重合体(A1)の水素添加物(A2)との混合物であって、該ブロック共重合体(A1)の溶液粘度が5Pa・s以下であり、成分(A)中の該ブロック共重合体(A1)の割合が5〜35質量%
    成分(B):炭化水素系ゴム用軟化剤
    成分(C):ポリプロピレン系樹脂
  2. 前記熱可塑性エラストマー組成物が、更に下記成分(D)を含む、請求項1に記載の接合部材。
    成分(D):架橋剤
  3. 前記成分(C)が、融解ピーク温度が100℃以上157℃未満であるプロピレン系ランダム共重合体を含む、請求項1又は2に記載の接合部材。
  4. 前記熱可塑性エラストマー組成物が、前記成分(A)100質量部に対して前記成分(D)を0.5質量部以上10.0質量部以下含む、請求項2又は3に記載の接合部材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の接合部材を備える自動車用複合成形体。
  6. 下記(A)、(B)、(C)及び(D)を含み、成分(A)100質量部に対して成分(B)を100〜140質量部、成分(C)を60〜140質量部含む熱可塑性エラストマー組成物を溶融混練し、混練物を射出成形する接合部材の製造方法。
    成分(A):ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックと、ブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A1)と、該ブロック共重合体(A1)の水素添加物(A2)との混合物であって、該ブロック共重合体(A1)の溶液粘度が5Pa・s以下であり、成分(A)中の該ブロック共重合体(A1)の割合が5〜35質量%
    成分(B):炭化水素系ゴム用軟化剤
    成分(C):ポリプロピレン系樹脂
    成分(D):架橋剤
  7. 下記(A)、(B)及び(C)を含み、成分(A)100質量部に対して成分(B)を100〜140質量部、成分(C)を60〜140質量部含む熱可塑性エラストマー組成物。
    成分(A):ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2個の重合体ブロックと、ブタジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A1)と、該ブロック共重合体(A1)の水素添加物(A2)との混合物であって、該ブロック共重合体(A1)の溶液粘度が5Pa・s以下であり、成分(A)中の該ブロック共重合体(A1)の割合が5〜35質量%
    成分(B):炭化水素系ゴム用軟化剤
    成分(C):ポリプロピレン系樹脂
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