JP2021161128A - 熱可塑性エラストマー組成物、成形体及びインストルメントパネル用表皮 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物、成形体及びインストルメントパネル用表皮 Download PDF

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Abstract

【課題】幅広い温度領域での易破断性と優れた柔軟性とを両立し、インストルメントパネル用表皮として用いた際に、エアバッグ展開時に表皮が易展開することが可能な熱可塑性エラストマー組成物を提供する。【解決手段】下記成分(a)〜(d)を含み、成分(a)〜(d)の合計100質量%に対し、成分(c)を1〜20質量%含有し、下記成分(e)で架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物、該熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる成形体、及び、該熱可塑性エラストマー組成物からなるインストルメントパネル用表皮。成分(a):エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム成分(b):オレフィン系樹脂成分(c):ガラス転移温度が0℃以上の、ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水素添加物成分(d):炭化水素系ゴム用軟化剤成分(e):架橋剤【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物に関する。詳しくは、本発明は、柔軟性と易破断性に優れた熱可塑性エラストマー組成物、該熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる成形体、及び、該熱可塑性エラストマー組成物からなるインストルメントパネル用表皮に関する。
従来、インストルメントパネル用表皮に使用される自動車内装シートには、表面が皮革模様にエンボス加工されたポリ塩化ビニルと発泡体層、更に必要に応じて樹脂基材層が順次積層された積層体が用いられてきた。しかしながら、自動車の軽量化、リサイクル性、易焼却性等の環境問題や、耐熱性、耐寒性、耐熱老化性、耐候性、低臭気性、柔軟性、高級感等のニーズに対応するため、近年、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)が実用に供されている。
このような自動車内装表皮に使用し得るTPOの例として、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム、ポリプロピレン系樹脂、高圧法により製造された密度が0.910〜0.940g/cmのポリエチレンを有機過酸化物存在下で動的熱処理して得られる熱可塑性エラストマー組成物が知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムと、高圧法により製造された密度が0.910〜0.940g/cmのポリエチレンとを組み合わせて用いることで、低温領域(−20℃程度)〜高温(85℃程度)領域にわたる幅広い温度領域での易破断性を良好にできることが記載されている。
特開2016−11396号公報
近年、より低温環境下でのエアバッグ展開性能が求められており、このような低温環境下で良好なエアバッグ展開性能を発揮させるために、材料面からのアプローチとして、熱可塑性エラストマー組成物本来の柔軟性を維持した上でより低い温度領域であっても易破断性に優れた熱可塑性エラストマーの開発が求められる。
特許文献1に記載の熱可塑性エラストマー組成物は、幅広い温度領域での易破断性を得るために比較的硬いポリエチレンを使用しており、より柔軟性を求められる用途で改良の余地がある。
本発明の目的は、上記の従来品における課題を解決し、幅広い温度領域での易破断性と優れた柔軟性とを両立し、インストルメントパネル用表皮として用いた際に、エアバッグ展開時に表皮が易展開することが可能な熱可塑性エラストマー組成物、該熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる成形体、及び、該熱可塑性エラストマー組成物からなるインストルメントパネル用表皮を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム、オレフィン系樹脂及び炭化水素系ゴム用軟化剤に、特定の熱特性を有するビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水素添加物を特定の含有割合で含有し、架橋剤で架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物が、幅広い温度領域での易破断性と優れた柔軟性とを両立し、インストルメントパネル用表皮として用いた際にエアバッグ展開時に表皮が易展開することが可能な熱可塑性エラストマー組成物、該熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる成形体、及び、該熱可塑性エラストマー組成物からなるインストルメントパネル用表皮を実現できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は以下の特徴を有する。
[1] 下記成分(a)〜(d)を含み、成分(a)〜(d)の合計100質量%に対し、成分(c)を1〜20質量%含有し、下記成分(e)で架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物。
成分(a):エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム
成分(b):オレフィン系樹脂
成分(c):ガラス転移温度が0℃以上の、ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水素添加物
成分(d):炭化水素系ゴム用軟化剤
成分(e):架橋剤
[2] 前記成分(a)が非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの場合、重量平均分子量が100,000以上300,000未満であり、油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの場合、重量平均分子量が300,000以上1,000,000以下である、[1]に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[3] 前記成分(a)〜(d)の合計100質量%に対し、前記成分(d)を10〜79質量%含有する、[1]又は[2]に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物の成形体。
[5] 射出成形してなる、[4]に記載の成形体。
[6] 押出成形してなる、[4]に記載の成形体。
[7] [1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物からなるインストルメントパネル用表皮。
[8] エアバッグ機構を備える、[7]に記載のインストルメントパネル用表皮。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、幅広い温度領域での易破断性と優れた柔軟性とを両立するものである。このため、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる成形体、特に本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなるインストルメントパネル用表皮は、エアバッグ展開時に表皮が幅広い温度範囲において易展開するために安全性に優れ、柔軟性が求められる用途に好適なインストルメントパネル用表皮が得られる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。
本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後に記載される数値あるいは物性値を含む意味で用いることとする。また、上限、下限として記載した数値あるいは物性値は、その値を含む意味で用いることとする。
[熱可塑性エラストマー組成物]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、下記成分(a)〜(d)を含み、成分(a)〜(d)の合計100質量%に対し、成分(c)を1〜20質量%含有し、下記成分(e)の存在下で架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物である。
成分(a):エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム
成分(b):オレフィン系樹脂
成分(c):ガラス転移温度が0℃以上の、ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水素添加物
成分(d):炭化水素系ゴム用軟化剤
成分(e):架橋剤
本発明の熱可塑性エラストマー組成物において、成分(c)を所定の割合で用いることにより、柔軟性を維持しながらより低温領域での易破断性を良好なものとできる。
[成分(a):エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム]
本発明に用いる成分(a)のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムは、共重合成分として、エチレンとプロピレンと非共役ジエン化合物とを含有する共重合体ゴムである。エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムには、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムと炭化水素系ゴム用軟化剤との混合物(以下、「油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム」と称することもある。)である油展タイプのものと、炭化水素系ゴム用軟化剤を含まない非油展タイプのものがあり、本実施形態では非油展タイプを含むことが好ましいが、油展タイプのものも好適に用いることができる。すなわち、本発明において、成分(a)のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムは、油展タイプと非油展タイプのいずれでも使用可能であり、非油展タイプのもの又は油展タイプのものの1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよく、油展タイプの1種又は2種以上と非油展タイプの1種又は2種以上とを任意の組み合わせ及び比率で用いることもできる。
後述の通り、油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムと非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムとを特定の割合で併用することで、易破断性をより高めることができる。
なお、ここで、成分(a)が油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムである場合、この油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムに含まれる炭化水素系ゴム用軟化剤は、成分(d)としての炭化水素系ゴム用軟化剤に含まれるものである。
成分(a)のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムにおける非共役ジエン単位としては、ジシクロペンタジエン単位、1,4−ヘキサジエン単位、シクロオクタジエン単位、メチレンノルボルネン単位、エチリデンノルボルネン単位、ビニリデンノルボルネン単位等が挙げられる。これらの中でもエチリデンノルボルネン単位及び/又はビニリデンノルボルネン単位が含まれていると、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムに適度な架橋構造を与えることができるために好ましい。以上に挙げた非共役ジエン単位は、これらの1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムにおけるエチレン単位の含有率は、特に限定されないが、成分(a)を構成する単量体単位の合計100質量%に対し、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは55質量%以上であり、更に好ましくは60質量%以上である。一方、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下であり、更に好ましくは80質量%以下である。エチレン単位の含有率が上記範囲であると適度な柔軟性を付与し易くなる。
また、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムにおけるプロピレン単位の含有率は、成分(a)を構成する単量体単位の合計100質量%に対し、好ましくは9質量%以上であり、より好ましくは12質量%以上である。一方、好ましくは45質量%以下であり、より好ましくは37質量%以下である。プロピレン単位の含有率が上記範囲であると適度な柔軟性を付与し易くなる。
更に、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムにおける非共役ジエン単位の含有率は、成分(a)を構成する単量体単位の合計100質量%に対し、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上である。一方、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下である。非共役ジエン単位の含有率が上記下限値以上であると熱可塑性エラストマー組成物の架橋度を高める観点から好ましく、また、上記上限値以下であると成形性の観点から好ましい。
なお、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムにおける各構成単位の含有率は赤外分光法により求めることができる。
成分(a)のうち、非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムのゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法(GPC法)によるポリプロピレン換算の重量平均分子量は、異物の発生を抑え、得られる成形体の外観を良好なものとする観点から、好ましくは300,000未満であり、より好ましくは280,000未満であり、更に好ましくは250,000未満である。また、押出成形体の意匠性の観点から、好ましくは100,000以上であり、より好ましくは120,000以上であり、更に好ましくは150,000以上である。
一方で、油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムのGPC法によるポリプロピレン換算の重量平均分子量は、炭化水素系ゴム用軟化剤のブリードアウト防止の観点から、好ましくは300,000以上であり、より好ましくは350,000以上であり、更に好ましくは400,000以上である。また、得られる成形体の外観の観点から、好ましくは1,000,000以下であり、より好ましくは900,000以下であり、更に好ましくは800,000以下である。
成分(a)におけるエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムのGPC法による重量平均分子量の測定条件は以下の通りである。
機器:Waters製液体クロマトグラム用RI検出器「WATERS150C」
カラム:ShodexAD806MS×3(8.0mm内径×300mm長さ)
検出器:IR(分散型、3.42μm)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
温度:140℃
流速:1.0mL/分
注入量:200μL
濃度:10mg/mL
較正試料:多分散標準ポリエチレン
較正法:Mark−Houwink式を用いてポリプロピレン換算
油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムに用いられる炭化水素系ゴム用軟化剤としては、鉱物油系軟化剤、合成樹脂系軟化剤等が挙げられるが、他の成分との親和性の観点から、鉱物油系軟化剤が好ましい。鉱物油系軟化剤は、一般的に、芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素及びパラフィン系炭化水素の混合物であり、全炭素原子の50%以上がパラフィン系炭化水素であるものがパラフィン系オイル、全炭素原子の30〜45%がナフテン系炭化水素であるものがナフテン系オイル、全炭素原子の35%以上が芳香族系炭化水素であるものが芳香族系オイルと各々呼ばれている。これらの中でも、パラフィン系オイルが好ましい。なお、炭化水素系ゴム用軟化剤は、1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムにおいて、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムと炭化水素系ゴム用軟化剤の含有割合は、[エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの質量]/[炭化水素系ゴム用軟化剤部の質量]が、通常100/10〜150であり、好ましくは100/20〜120である。
成分(a)のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた重合方法が挙げられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体の錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法で製造することができる。
本発明において用いる成分(a)のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムのうち、非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム、即ち、油展されていないエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4、125℃)は、通常10〜100以下であり、好ましくは15〜95である。
一方、油展エチレン・プロピレン・共役ジエン共重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4、125℃)は、通常20〜100以下であり、好ましくは30〜90である。
成分(a)のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムのムーニー粘度が上記下限以上であれば、得られる成形体の外観が良好となり、上記上限以下であると成形性が良好となる。
油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムを製造する方法(油展方法)としては公知の方法を用いることができる。例えば、ミキシングロールやバンバリーミキサーを用い、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムと炭化水素系ゴム用軟化剤を機械的に混練して油展する方法、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムに所定量の炭化水素系ゴム用軟化剤を添加し、その後スチームストリッピング等の方法により脱溶媒する方法、クラム状のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムと炭化水素系ゴム用軟化剤の混合物をヘンシェルミキサー等で撹拌して含浸させる方法が挙げられる。
成分(a)のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムは、市販品として入手することが可能である。非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの例としては、JSR社製JSR EPR、三井化学社製三井EPT、住友化学社製エスプレン(登録商標)、LANXESS社製Keltan(登録商標)、Dow社製Engage(登録商標)、三井化学社製タフマー(登録商標)が挙げられる。
油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの例としては、JSR社製のJSR EPR、三井化学社製の三井EPT、住友化学社製のエスプレン(登録商標)、ARLANXEO社製のKeltan(登録商標)、DOW CHEMICAL社製NORDEL(登録商標)、KUMHO POLYCHEM社製のKEPが挙げられる。
[成分(b):オレフィン系樹脂]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物において、成分(b)は成形性に寄与する。
本発明に用いる成分(b)のオレフィン系樹脂は、プロピレン系樹脂が好適であり、全単量体単位に対するプロピレン単位の含有率が50質量%よりも多いプロピレン系樹脂が好ましく、プロピレン単位の含有率は60質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。プロピレン系樹脂のプロピレン単位の含有率が上記下限値以上であることにより、耐熱性及び剛性が良好となる傾向にある。一方、上限については特に制限されず、通常100質量%である。なお、プロピレン系樹脂のプロピレン単位の含有率は、赤外分光法により求めることができる。
成分(b)のプロピレン系樹脂としては、その種類は特に制限されず、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体等のプロピレン共重合体等いずれも使用することができる。成分(b)のプロピレン系樹脂は、これらの1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
成分(b)がプロピレンランダム共重合体である場合、プロピレンと共重合する単量体としては、エチレン、1−ブテン、2−メチルプロピレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンを例示することができる。また、成分(b)がプロピレンブロック共重合体である場合、多段階で重合して得られるプロピレンブロック共重合体が挙げられ、より具体的には、第一段階でポリプロピレンを重合し、第二段階でプロピレン・エチレン共重合体を重合して得られるプロピレンブロック共重合体が挙げられる。
成分(b)の230℃、荷重21.2Nでのメルトフローレート(MFR)は通常、0.05g/10分以上であり、流動性の観点から、好ましくは0.1g/10分以上であり、より好ましくは0.5g/10分以上である。一方、成分(b)のMFRは、通常100g/10分以下であり、成形性の観点から、好ましくは70g/10分以下であり、より好ましくは50g/10分以下であり、易破断性の観点から、更に好ましくは30g/10分以下であり、特に好ましくは10g/10分以下である。
成分(b)のプロピレン系樹脂の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒を用いた多段重合法を挙げることができる。この多段重合法には、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等を用いることができ、これらを2種以上組み合わせて製造してもよい。
また、成分(b)のプロピレン系樹脂は市販の該当品を用いることも可能である。市販のプロピレン系樹脂としては下記に挙げる製造者等から調達可能であり、適宜選択することができる。入手可能な市販品としては、プライムポリマー社のPrimPolypro(登録商標)、住友化学社の住友ノーブレン(登録商標)、サンアロマー社のポリプロピレンブロックコポリマー、日本ポリプロ社のノバテック(登録商標)PP、LyondellBasell社のMoplen(登録商標)、ExxonMobil社のExxonMobilPP、FormosaPlastics社のFormolene(登録商標)、Borealis社のBorealisPP、LGChemical社のSEETECPP、A.Schulman社のASIPOLYPROPYLENE、INEOSOlefins&Polymers社のINEOSPP、Braskem社のBraskemPP、SAMSUNGTOTALPETROCHEMICALS社のSumsungTotal、Sabic社のSabic(登録商標)PP、TOTALPETROCHEMICALS社のTOTALPETROCHEMICALSPolypropylene、SK社のYUPLENE(登録商標)等がある。
[成分(c):ガラス転移温度が0℃以上の、ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水素添加物]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に用いられる成分(c)は、ガラス転移温度が0℃以上の、ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水素添加物(以下、「水添共重合体」と称す場合がある。)である。成分(c)のガラス転移温度を0℃以上とすることで、柔軟性を維持しながら低温領域の易破断性を良好なものとできる。成分(c)のガラス転移温度は低温での引張特性の観点から、その下限は10℃以上が好ましい。常温での引張特性の観点から、その上限は40℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましい。
成分(c)のガラス転移温度はJIS K6394を参照して以下の測定条件及び測定方法で測定できる。
<測定条件>
測定装置:TA Instruments社製 動的粘弾性計測装置「RSA−III」
測定モード:引張
雰囲気:窒素
温度:−20〜100℃
昇温速度:2℃/分
ソーク時間:30秒
周波数:1Hz
<測定方法>
成分(c)を温度200℃でプレス成形によって厚さ1mmの平板としたのち、幅4mmの短冊に切り出したものを上記測定装置に固定し、上記測定条件で測定を行う。
成分(c)のビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水素添加物は、ハードセグメントを構成するビニル芳香族化合物の重合体ブロックAと、ソフトセグメントを構成するビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体ブロックBとからなるものの水素添加物であることが好ましい。
重合体ブロックAのビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン等のスチレン化合物、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等の多環芳香族化合物が挙げられ、これらのうちスチレン化合物が好ましく、特にスチレンが好ましい。
共重合体ブロックBに用いるビニル芳香族化合物は、前記重合体ブロックAに用いるビニル芳香族化合物と同じものを用いることができる。
共重合体ブロックBに用いる共役ジエンとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが挙げられ、これらのうちブタジエン、イソプレン、又はブタジエンとイソプレンの混合物が好ましく、特にブタジエンが好ましい。
また、重合体ブロックBは、得られる熱可塑性エラストマー組成物に柔軟性を与えるため、ランダム共重合体ブロックであるのが好ましい。
成分(c)は、上記ブロック共重合体の共役ジエンに由来する炭素−炭素二重結合を水素添加して得られる水添ブロック共重合体であり、全て水素添加されたもの(完全水添)であっても、部分的に水素添加されたもの(選択水添)であってもよい。
成分(c)のブロック共重合体に占める重合体ブロックAの含有率は、通常3質量%以上70質量%以下である。重合体ブロックAの含有率が上記下限以上であれば、熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度や耐熱性に優れる傾向がある。重合体ブロックAの含有率の下限としては、4質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。一方、重合体ブロックAの含有率の上限としては、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。重合体ブロックAの含有率が上記上限以下であれば、柔軟性を維持し得ると共に、炭化水素系ゴム用軟化剤のブリードを抑制することができる。
成分(c)の共重合体の水素添加物に占めるビニル芳香族化合物に由来する構成単位の割合は、通常50質量%以上80質量%以下である。熱可塑性エラストマー組成物の耐傷付き性を良好にする観点からビニル芳香族化合物に由来する構成単位の割合の下限としては55質量%以上が好ましく、上限としては75質量%以下が好ましい。
従って、重合体ブロックBにおけるビニル芳香族化合物に由来する構成単位の割合は、重合体ブロックAにおけるビニル芳香族化合物に由来する構成単位との合計で、成分(c)中のビニル芳香族化合物に由来する構成単位の割合が上記範囲となる割合であることが好ましい。
成分(c)のブロック共重合体のGPC法により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度が良好にする観点から、下限としては50,000以上が好ましく、75,000以上がより好ましい。また、その上限としては、成形加工性の観点から、1,000,000以下が好ましく、500,000以下がより好ましい。
成分(c)のブロック共重合体は、公知の任意の方法により製造することができる。例えば、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でブロック重合を行う方法(特公昭40−23798号公報等参照)が挙げられる。また、ブロック共重合体の水素添加処理は、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下で行うことができる(特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭59−133203号公報、特開昭60−79005号公報等参照)。また、成分(c)の水添共重合体は市販の該当品を用いることも可能である。市販の水添共重合体としては、例えば、「タフテック(登録商標)SOE−SS」(旭化成株式会社製)が挙げられる。
成分(c)のビニル芳香族化合物と共役ジエンの水添共重合体は、1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
[成分(d):炭化水素系ゴム用軟化剤]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、得られる熱可塑性エラストマー組成物を軟化させ、柔軟性と弾性を増加させるとともに、得られる熱可塑性エラストマー組成物の加工性、流動性を向上させるために、成分(d)として炭化水素系ゴム用軟化剤を含む。
成分(d)の炭化水素系ゴム用軟化剤は、成分(a)の油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムに含まれる炭化水素系ゴム用軟化剤と同様のものが使用できる。ただし、油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムに含まれる炭化水素系ゴム用軟化剤と成分(d)として添加される炭化水素系ゴム用軟化剤とは同一のものである必要はなく、異なるものであってもよい。
成分(d)の炭化水素系ゴム用軟化剤の40℃における動粘度は、20センチストークス(cSt)以上であることが好ましく、50cSt以上であることがより好ましく、一方、800cSt以下であることが好ましく、600cSt以下であることがより好ましい。また、炭化水素系ゴム用軟化剤の引火点(COC法)は、200℃以上であることが好ましく、250℃以上がより好ましい。
成分(d)の炭化水素系ゴム用軟化剤は1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
[成分(e):架橋剤]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(e)の架橋剤で架橋されている。本発明の熱可塑性エラストマー組成物において、成分(e)の架橋剤は動的熱処理において架橋剤として作用する。成分(e)の架橋剤としては、有機過酸化物、架橋助剤等を用いることができる。これらの架橋剤は1種のみで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機過酸化物としては、芳香族系有機過酸化物及び脂肪族系有機過酸化物のいずれも使用することが可能である。具体的には、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のジアルキルパーオキシド類;t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)−3−ヘキシン等のパーオキシエステル類;アセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド等のヒドロパーオキシド類が挙げられる。これらの中でも、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。なお、以上に挙げた有機過酸化物は1種類のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を製造する際には、前記有機過酸化物と共に架橋助剤の存在下で動的熱処理を行うことが好ましい。
架橋助剤としては、例えば、硫黄、p−キノンジオキシム、p−ジニトロソベンゼン、1,3−ジフェニルグアニジン等の過酸化物用助剤;ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[配合割合]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の原料の配合割合について以下に説明する。なお、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は成分(a)〜(d)を含む組成物を成分(e)の存在下で、好ましくは動的熱処理することにより架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物であり、以下に説明する各成分の配合割合は動的熱処理を行う前の仕込み量を意味するものである。
成分(a)の含有率は、成分(a)〜(d)の合計100質量%に対し、柔軟性の観点から好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上である。また、成形加工性の観点から、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下である。
成分(b)の含有率は、成分(a)〜(d)の合計100質量%に対し、成形加工性の観点から、好ましくは10質量%以上である。一方、柔軟性の観点から好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下である。
成分(c)の含有率は、成分(a)〜(d)の合計100質量%に対し、易破断性の観点から1質量%以上であり、好ましくは4質量%以上である。一方、柔軟性の観点から20質量%以下である。
成分(d)の含有率は、成分(a)〜(d)の合計100質量%に対し、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上である。一方、好ましくは79質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下である。成分(d)の含有率が上記下限値以上であると柔軟性や成形加工性が良好となる傾向にあり、上記上限値以下であると成形し易くなる傾向にある。なお、成分(a)として油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムを用いた場合、前述の通り、成分(a)中の炭化水素系ゴム用軟化剤は成分(d)としての炭化水素系ゴム用軟化剤に含まれる。
成分(e)の有機過酸化物の使用量は、架橋反応を十分に進行させるため、成分(a)〜(d)の合計100質量部に対し、好ましくは0.05質量部以上であり、より好ましくは0.1質量部以上であり、更に好ましくは0.3質量部以上である。一方、架橋反応を制御する観点から、好ましくは5.0質量部以下であり、より好ましくは4.0質量部以下であり、更に好ましくは3.0質量部以下である。
成分(e)の架橋助剤の使用量は、成分(a)〜(d)の合計100質量部に対し、通常0.01〜4.0質量部の範囲で用いられ、好ましくは0.05〜3.0質量部で用いられる。上記下限値以上であると架橋助剤の使用効果が得られ、上記上限値以下であることがコスト面で好ましい。
成分(a)として、油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムと非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムとを併用する場合、油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムと非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの質量比は、好ましくは1:0.1〜10であり、より好ましくは1:0.2〜8であり、更に好ましくは1:0.5〜5であり、特に好ましくは1:0.7〜4である。この質量比で油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムと非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムとを併用することで特に易破断性に優れたものとなる傾向にある。
[その他の成分]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、上記した成分(a)〜(e)以外に本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じてその他の成分を配合することができる。
その他の成分としては例えば、充填材、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、金属不活性化剤、分子量調整剤、防菌剤、防黴材、蛍光増白剤等の各種添加物、成分(a)〜(c)以外の熱可塑性樹脂、成分(a)〜(c)以外のエラストマー等を挙げることができる。これらは任意のものを単独又は併用して用いることができる。
充填材としては、ガラス繊維、中空ガラス球、炭素繊維、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、チタン酸カリウム繊維、シリカ、金属石鹸、二酸化チタン、カーボンブラック等を挙げることができる。充填剤を用いる場合、成分(a)〜(d)の合計100質量部に対して通常0.1〜50質量部で用いられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤を用いる場合には成分(a)〜(d)の合計100質量部に対して通常、0.01〜3.0質量部で用いられる。
成分(a)〜(c)以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート系樹脂、オレフィン系樹脂(だだし、成分(a),(b)に該当するものを除く。)を挙げることができる。また、成分(a)〜(c)以外のエラストマーとしては、例えばスチレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン共重合体ゴム等のスチレン系エラストマー(ただし、成分(c)に該当するものを除く。);ポリエステル系エラストマー;ポリブタジエンを挙げることができる。
[熱可塑性エラストマー組成物の製造方法]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(a)〜(d)を所定の含有割合で成分(e)の存在下に動的熱処理することにより架橋させて得られるものが好ましい。
本発明において「動的熱処理」とは溶融状態又は半溶融状態で混練することを意味する。この動的熱処理は、溶融混練によって行うのが好ましく、そのための混合混練装置としては、例えば非開放型バンバリーミキサー、ミキシングロール、ニーダー、二軸押出機が用いられる。これらの中でも二軸押出機を用いることが好ましい。この二軸押出機を用いた製造方法の好ましい態様としては、複数の原料供給口を有する二軸押出機の原料供給口(ホッパー)に各成分を供給して動的熱処理を行うものである。
動的熱処理を行う際の温度は、通常80〜300℃、好ましくは100〜250℃である。また、動的熱処理を行う時間は通常0.1〜30分である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を二軸押出機により動的熱処理を行う場合においては、二軸押出機のバレル半径R(mm)、スクリュー回転数N(rpm)及び吐出量Q(kg/時間)の間に下記式の関係を保ちながら押出することが好ましく、下記式(2)の関係を保ちながら押出することがより好ましい。
2.6<NQ/R<22.6(1)
3.0<NQ/R<20.0(2)
二軸押出機のバレル半径R(mm)、スクリュー回転数N(rpm)及び吐出量Q(kg/時間)との間の前記関係が上記下限値より大きいことが熱可塑性エラストマー組成物を効率的に製造するために好ましい。一方、前記関係が上記上限値より小さいことが、剪断による発熱を抑え、外観不良の原因となる異物が発生しにくくなるために好ましい。
[熱可塑性エラストマー組成物の物性]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、柔軟性に優れ、また、低温から高温の広い温度領域での易破断性に優れるものである。
本発明においては、後掲の実施例に示す方法で測定した切断時引張強さの値を易破断性の指標とする。強度を維持したまま易破断性に優れるものが好ましいため、切断時引張強さの値は、−35℃においては25.0MPa未満であることが好ましく、20.0MPa未満であることがより好ましい。一方、5.0MPa以上であることが好ましい。また、23℃においては5.5MPa未満であることが好ましく、5.0MPa未満であることがより好ましく、4.5MPa未満であることが更に好ましく、一方、2.0MPa以上であることが好ましい。更に、85℃においては2.7MPa未満であることが好ましく、2.4MPa未満であることがより好ましく、2.1MPa未満であることが更に好ましく、一方、0.5MPa以上であることが好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、JIS K7210に準拠した温度230℃、測定荷重49Nでのメルトフローレート(MFR)が、成形性に優れたものとするため、0.5〜200g/10分であることが好ましい。熱可塑性エラストマー組成物のMFRが0.5g/10分以上であると流動性が良好となる傾向にあり、また、200g/10以下であると成形時のバリ等を抑えやすいために好ましい。流動性の観点からは、本発明の熱可塑性エラストマー組成物のMFRはより好ましくは1.0g/10分以上であり、更に好ましくは5.0g/10分以上であり、特に好ましくは10g/10分以上である。一方、射出成形時にバリ等を抑える観点からは、本発明の熱可塑性エラストマー組成物のMFRはより好ましくは150g/10分以下であり、更に好ましくは120g/10分以下である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、柔軟性の観点から、硬度デュロAの値が40〜70であることが好ましく、40〜60であることがより好ましい。硬度デュロAの測定方法は後掲の実施例に示す。
[成形体・用途]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、通常、熱可塑性エラストマー組成物に用いられる成形方法、例えば、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形等の各種成形方法により、成形体とすることができ、これらの中でも射出成形、押出成形により得られた成形体が好適である。また、これらの成形を行った後に積層成形、熱成形等の二次加工を行った成形体とすることもできる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は前記効果を奏するため、インストルメントパネル用表皮として好適であり、エアバッグ機構を備えたインストルメントパネル用表皮として特に好適である。本発明の熱可塑性エラストマー組成物の用途はインストルメントパネル用表皮に制限されず、インストルメントパネル用表皮以外の自動車部品(ウェザーストリップ、天井材、内装シート、バンパーモール、サイドモール、エアスポイラー、エアダクトホース、各種パッキン類等)、土木・建材部品(止水材、目地材、窓枠等)、スポーツ用品(ゴルフクラブやテニスラケットのグリップ類等)、工業用部品(ホースチューブ、ガスケット等)、家電部品(ホース、パッキン類等)、医療用部品(医療用容器、ガスケット、パッキン等)、食品用部品(容器、パッキン等)、医療用機器部品、電線、雑貨等の広汎な分野で用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
[原材料]
以下の実施例・比較例で使用した原材料は以下の通りである。
<成分(a)>
(a−1):油展エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴム/JSR株式会社製JSR EPR EP505EC
エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴム100質量部に対しパラフィン系オイルを100質量部含有するもの。
ムーニー粘度(ML1+4,125℃):65
プロピレン単位含有率:29.5質量%
エチレン単位含有率:66質量%
エチリデンノルボルネン単位含有率:4.5質量%
ポリプロピレン(PP)換算の重量平均分子量:647,000
(a−2):非油展エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴム/三井化学社製三井EPT3092PM
ムーニー粘度(ML1+4,125℃):57
プロピレン単位含有率:29.5質量%
エチレン単位含有率:66質量%
エチリデンノルボルネン単位含有率:4.5質量%
ポリプロピレン(PP)換算の重量平均分子量:223,000
<成分(b)>
(b−1):プロピレン・エチレンランダム共重合体/日本ポリプロ株式会社製ノバテック(登録商標)EG8B
MFR:0.8g/10分(測定条件:230℃、荷重21.2N)
<成分(c)>
(c−1):ハードセグメントを構成するビニル芳香族化合物の重合体ブロックAとソフトセグメントを構成するビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体ブロックBとからなるブロック共重合体の水素添加物/旭化成株式会社製タフテック(登録商標)SOE−SS「S1605」
水素添加:完全水添
ガラス転移温度:16℃
重合体ブロック:スチレン
共重合体ブロックB:スチレンとブタジエン
スチレン単位含有率:60質量%
重量平均分子量:203,000
(c−2):ハードセグメントを構成するビニル芳香族化合物の重合体ブロックAとソフトセグメントを構成するビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体ブロックBとからなるブロック共重合体の水素添加物/旭化成株式会社製タフテック(登録商標)SOE−SS「S1609」
水素添加:選択水添
ガラス転移温度:17℃
重合体ブロックA:スチレン
共重合体ブロックB:スチレンとブタジエン
重量平均分子量;203,000
(c´−1):ハードセグメントを構成するビニル芳香族化合物の重合体ブロックAとソフトセグメントを構成するビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体ブロックBとからなるブロック共重合体の水素添加物/旭化成株式会社製タフテック(登録商標)SOE−SS「S1606」
水素添加:完全水添
ガラス転移温度:−15℃
重合体ブロックA:スチレン
共重合体ブロックB:スチレンとブタジエン
重量平均分子量;150,000
(c´−2):ハードセグメントを構成するビニル芳香族化合物の重合体ブロックAとソフトセグメントを構成する共役ジエンの重合体ブロックBとからなるブロック共重合体の水素添加物/Kraton株式会社製クレイトンG「G1657」
水素添加:完全水添
ガラス転移温度:−57℃
重合体ブロックA:スチレン
重合体ブロックB:ブタジエン
重合体ブロックA含有率:13質量%
重量平均分子量;109,000
<成分(d)>
(d−1):パラフィン系オイル/出光興産株式会社製 ダイアナ(登録商標)プロセスオイル PW−90
40℃の動粘度:95.54cSt
引火点:272℃
<成分(e)>
(e−1):2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン40質量%と炭酸カルシウム60質量%の混合物/化薬ヌーリオン株式会社製トリゴノックス101−40C
(e−2):トリメチロールプロパントリメタクリレート/三菱ケミカル株式会社製アクリエステルTMP
[評価方法]
以下の実施例・比較例における熱可塑性エラストマー組成物の評価方法は以下の通りである。
(1)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210の規格に準拠した方法で測定温度230℃、測定荷重49Nで測定した。
(2)硬度デュロA
インラインスクリュウタイプ射出成形機(東芝機械社製「IS130」)にて、射出圧力50MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃の条件で射出成形して横120mm、縦80mm、肉厚2mmのシートを得た。これを用い、ISO 7619に準拠して硬度を測定した。
(3)切断時引張強さ
ラボプラストミル(東洋精機社製「4C150」)180℃の条件下、厚み0.5mmの押し出しシートを作成して試験片形状のダンベルにて打ち抜き、測定に用いた。JIS K6251を参照(JIS−3号ダンベル、引張速度500mm/分)し、恒温槽を用いて槽内にて−20℃、23℃、85℃の各温度条件で切断時引張強さを測定した。切断時引張強さはその値が小さいほど優れたものと判断され、以下の基準で評価した。
<温度:−35℃>
◎:5.0MPa以上20.0MPa未満
○:20.0MPa以上25.0MPa未満
△:25.0MPa以上30.0MPa未満
×:30.0MPa以上又は5.0MPa未満
<温度:23℃>
◎:2.0MPa以上4.5MPa未満
○:4.5MPa以上5.5MPa未満
△:5.5MPa以上6.0MPa未満
×:6.0MPa以上又は2.0MPa未満
<温度:85℃>
◎:0.5MPa以上2.1MPa未満
○:2.1MPa以上2.4MPa未満
△:2.4MPa以上2.7MPa未満
×:2.7MPa以上又は0.5MPa未満
[実施例/比較例]
<実施例1>
成分(a−1)(パラフィン系オイルを除いたエチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴムのみの量として)29質量%、成分(a−2)10質量%、成分(b−1)12質量%、成分(c−1)5質量%、成分(d−1)(成分(a−1)中のパラフィン系オイルとの合計量として)44質量%、これらの合計100質量部に対して成分(e−1)0.7質量部、成分(e−2)0.7質量部を、噛合い式ミキサー(東洋精機製作所「20C−200」、ミキサー「R−60H」)を用いて、供給口から各原料成分を供給し、180〜190℃の範囲で昇温させ、5分間溶融混練を行い、熱可塑性エラストマー組成物を製造した。得られた熱可塑性エラストマー組成物について評価を実施した結果を表−1に示す。
<実施例2〜4及び比較例1〜6>
表−1に示したように配合組成を変更した以外は実施例1と同様に実施し、熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物について実施例1と同様の評価を実施した結果を表−1に示す。
Figure 2021161128
<評価結果>
表−1に示す通り、実施例1〜4は柔軟性と−35℃、23℃、85℃の各温度領域での易破断性に優れることがわかる。一方、比較例1は成分(c)を用いなかった例であり、比較例2〜6は、ガラス転移温度が0℃未満の、ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水素添加物を用いた例であり、それぞれ柔軟性は良好であるが、易破断性、特に−35℃での易破断性が劣る結果となった。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は柔軟性に優れ、また、低温から高温の広い温度領域での易破断性に優れるものである。このためインストルメントパネル用表皮として好適であり、エアバッグ機構を備えたインストルメントパネル用表皮として特に好適である。本発明の熱可塑性エラストマー組成物の用途はインストルメントパネル用表皮に制限されず、インストルメントパネル用表皮以外の自動車部品(ウェザーストリップ、天井材、内装シート、バンパーモール、サイドモール、エアスポイラー、エアダクトホース、各種パッキン類等)、土木・建材部品(止水材、目地材、窓枠等)、スポーツ用品(ゴルフクラブやテニスラケットのグリップ類等)、工業用部品(ホースチューブ、ガスケット等)、家電部品(ホース、パッキン類等)、医療用部品(医療用容器、ガスケット、パッキン等)、食品用部品(容器、パッキン等)、医療用機器部品、電線、雑貨等の広汎な分野で用いることができる。

Claims (8)

  1. 下記成分(a)〜(d)を含み、成分(a)〜(d)の合計100質量%に対し、成分(c)を1〜20質量%含有し、下記成分(e)で架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物。
    成分(a):エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム
    成分(b):オレフィン系樹脂
    成分(c):ガラス転移温度が0℃以上の、ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水素添加物
    成分(d):炭化水素系ゴム用軟化剤
    成分(e):架橋剤
  2. 前記成分(a)が非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの場合、重量平均分子量が100,000以上300,000未満であり、油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの場合、重量平均分子量が300,000以上1,000,000以下である、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 前記成分(a)〜(d)の合計100質量%に対し、前記成分(d)を10〜79質量%含有する、請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の成形体。
  5. 射出成形してなる、請求項4に記載の成形体。
  6. 押出成形してなる、請求項4に記載の成形体。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物からなるインストルメントパネル用表皮。
  8. エアバッグ機構を備える、請求項7に記載のインストルメントパネル用表皮。
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