JP6501000B2 - ゴム用改質剤、ゴム組成物及び成形品 - Google Patents
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Description
そして、特許文献2では、アクリル樹脂、アクリルシリカ樹脂、アクリルポリシロキサン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、イソシアネート架橋剤及びシリコーン系触感剤からなる塗膜層が、自動車内部固有の汚れに対して防汚性を有するとともに、付着した汚れは、除去しやすい状態で付着している特性を有する、耐摩耗性、及び柔軟性を付与した天然皮革のコーティング層中のトップコート層として使用できることが記載されている。
上記ゴム用改質剤は、ゴム成形品の表面に防汚性を付与するためのゴム用改質剤であることが好ましい。
更に、上記ゴム用改質剤は、ゴム成形品の表面が布地の染料で汚染することを防止するためのゴム用改質剤であることがより好ましい。
上記成形品は、自動車シート用保護カバー、自転車サドル用保護カバー、自動車内装部品、家具用保護シート、時計用ベルト、物品(但し時計を除く)を身体に保持させるためのベルト、ポータブル電子デバイスのハウジング又はポータブル電子デバイス用保護カバーであることも、好適な態様の1つである。
本発明のゴム組成物からは、上記の構成を有することから、防汚性に優れた成形品を得ることができる。
本発明の成形品は、上記の構成を有することから、防汚性に優れ、ケチャップの飛まつによる汚れや、衣類の染料による汚れが付着しにくく、付着しても拭き取りが容易である。
R1−(OC4F8)r−(OC3F6)a−(OC2F4)b−(OCF2)c−R2・・・(I)
式中、R1は、1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し、好ましくは1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基である。好ましくは、上記1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいアルキル基は、末端炭素原子がCF2H−であり他のすべての炭素原子がフッ素により全置換されているフルオロアルキル基、又はパーフルオロアルキル基であり、より好ましくはパーフルオロアルキル基である。
R2は、水素原子、フッ素原子、又は1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し、好ましくは1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基である。好ましくは、上記1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいアルキル基は、末端炭素原子がCF2H−であり他のすべての炭素原子がフッ素により全置換されているフルオロアルキル基、又はパーフルオロアルキル基であり、より好ましくはパーフルオロアルキル基である。
a、b、c及びrは、ポリマーの主骨格を構成するパーフルオロポリエーテルの4種の繰り返し単位数をそれぞれ表し、互いに独立して0以上300以下の整数であって、a、b、c及びrの和は少なくとも1、好ましくは1〜100である。添字a、b、c又はrを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。これら繰り返し単位のうち、−(OC4F8)−は、−(OCF2CF2CF2CF2)−、−(OCF(CF3)CF2CF2)−、−(OCF2CF(CF3)CF2)−、−(OCF2CF2CF(CF3))−、−(OC(CF3)2CF2)−、−(OCF2C(CF3)2)−、−(OCF(CF3)CF(CF3))−、−(OCF(C2F5)CF2)−及び−(OCF2CF(C2F5))−のいずれであってもよく、好ましくは−(OCF2CF2CF2CF2)−である。−(OC3F6)−は、−(OCF2CF2CF2)−、−(OCF(CF3)CF2)−及び−(OCF2CF(CF3))−のいずれであってもよく、好ましくは−(OCF2CF2CF2)−である。−(OC2F4)−は、−(OCF2CF2)−及び−(OCF(CF3))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCF2CF2)−である。
上記パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムとしては特に限定されず、パーオキサイド架橋可能な部位を有するフッ素ゴムであればよい。上記パーオキサイド架橋可能な部位としては特に限定されず、例えば、ヨウ素原子、臭素原子等を挙げることができる。
上記ポリオール架橋可能なフッ素ゴムとしては特に限定されず、ポリオール架橋可能な部位を有するフッ素ゴムであればよい。上記ポリオール架橋可能な部位としては特に限定されず、例えば、フッ化ビニリデン(VdF)単位を有する部位等を挙げることができる。上記架橋部位を導入する方法としては、フッ素ゴムの重合時に架橋部位を与える単量体を共重合する方法等が挙げられる。
上記フッ素ゴムとしては、成型温度を上げても着色しにくい点から、パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムであることが好ましい。
上記自動車内装部品は、少なくとも表面がゴムで形成されていることから、滑りにくく、適度な柔軟性を有するとともに、乗員が乗降を繰り返すことにより、衣服と何度も擦れたとしても、衣服の染料により汚染されにくく、自動車内装部品自体の美麗さについても、長期に渡って維持することができる。
上記自動車内装部品としては、シフトノブ、シフトブーツ、サンバイザー、ハンドルカバー、フットペダル用カバー、シートカバー、フロアマット、内張り、内装パネル類を挙げることができる。
上記物品としては、ポータブル電子デバイスが挙げられ、ポータブル電子デバイスとしては、コンパクトメディアプレーヤ、ポータブルコンピューティングデバイス等が挙げられる。また、ポータブル電子デバイスは、携帯電話、ポータブル音楽プレーヤ、ポータブルビデオプレーヤ、ポータブルゲーム機、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレットコンピュータ、ペンダント装置、ヘッドホン、又は、イヤホンであってよい。
本発明の成形品からなるポータブル電子デバイスのハウジングは、ゴムにより形成されていることから、ポータブル電子デバイスをユーザーが手に持って操作する際に滑りにくく、デバイスを落下させる可能性を低減することができるとともに、デバイスが落下しても、落下による衝撃を吸収して、デバイスを損傷から保護することができる。しかも、布地と擦れても布地の染料により汚染されにくく、美麗さを長期に渡って維持することができる。
上記ハウジングは、電子デバイスの内部構成要素を収容するために使用される。
ゴム組成物について、プレス架橋時にJSR型キュラストメーターII型を用いて160℃における架橋曲線を求め、トルクの変化より、最低粘度(ML)、最高粘度(MH)、誘導時間(T10)及び最適架橋時間(T90)を求めた。
実施例及び比較例で得られた厚さ2mmの架橋シートを用いて、引張試験機(テンシロン、オリエンテック製)を使用して、JIS K6251(1993年)に準じて、500mm/分の条件下、ダンベル5号にて、23℃における切断時引張応力及び切断時伸びを測定した。
実施例及び比較例で得られた厚さ2mmの架橋シートを用いて、タイプAデュロメーター(商品名:ASKER、高分子計器社製)を使用して、JIS K6253(1997年)に準拠してピーク値を測定した。
実施例及び比較例で得られた厚さ2mmの架橋シートから30×30mmの試験片を採取し、表面にケチャップ(カゴメ(株)製 商品名:カゴメケチャップ)を直径20mmの円状に塗布し、23℃で30分間放置した。その後、水で洗い、紙(キムワイプ/日本製紙クレシア製)で拭き取り、表面の状態を目視で観察した。試験液に接していた部分と接していなかった部分とで、表面の色又は光沢に差がない場合は○、変化が認められる場合を×とした。
実施例及び比較例で得られた厚さ2mmの架橋シートから50mm×120mmの試験片を採取し、ラビングテスター(株式会社井元製作所製IMC−151E型)の試験台に固定した。さらに布生地(リーバイ・ストラウス ジャパン 商品名:リーバイス501ジーンズ 00501−1484)に、20℃で相対湿度60%の環境下、表2及び3に記載の荷重をかけて、往復速度60回/分、移動距離70mmの条件で、500往復の摩擦試験を行った。
フッ素ゴム1:ヨウ素移動重合法で製造されたパーオキサイド架橋可能な2元フッ素ゴム(VdF/HFP=78/22(モル%))。ムーニー粘度は、69(ML1+10、100℃)。
フッ素ゴム2:ヨウ素移動重合法で製造されたパーオキサイド架橋可能な3元フッ素ゴム(VdF/HFP/TFE=50/30/20(モル%))。ムーニー粘度は、50(ML1+10、100℃)。
充填剤1:酸化チタンR−650 (堺化学工業(株)製)
充填剤2:酸化亜鉛1種(堺化学工業(株)製)
架橋助剤1:タイク WH60(日本化成(株)製)
有機過酸化物1: パーヘキサ25B−40(日油(株)製)
パーフルオロポリエーテル1:デムナムS−200(平均分子量;8,400、構造式;F−(CF2CF2CF2O)n−C2F5、ダイキン工業(株)製)
パーフルオロポリエーテル2:デムナムS−65(平均分子量;4,500、構造式;F−(CF2CF2CF2O)n−C2F5、ダイキン工業(株)製)
パーフルオロポリエーテル3:バリエルタJ100 FLUID(平均分子量;3,500、構造式;F−[CF(CF3)CF2O]n−C2F5、NOKクリュ−バー(株)製)
パーフルオロポリエーテル4:バリエルタJ400 FLUID(平均分子量;7,500、構造式;F−[CF(CF3)CF2O]n−C2F5、NOKクリュ−バー(株)製)
表1の処方に従ってそれぞれの成分を配合し、オープンロール上で混練りしてゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物の架橋特性を表1に示す。
調製したゴム組成物A1〜8及びB1〜2を表2及び3の処方に従って、プレス架橋及びオーブン架橋を施し、厚さ2mmの架橋シートの被験サンプルを作製した。得られた架橋シートの常態物性評価(硬さ、切断時引張応力及び切断時伸び)、防汚性試験1及び2の結果を表2及び3に示す。
Claims (3)
- ゴム成形品の表面に防汚性を付与するためのゴム用改質剤であって、
前記ゴムは、パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムであり、
パーフルオロポリエーテルを含み、
前記ゴム成形品は、自動車シート用保護カバー、自転車サドル用保護カバー、自動車内装部品、時計用ベルト、物品(但し時計を除く)を身体に保持させるためのベルト、ポータブル電子デバイスのハウジング又はポータブル電子デバイス用保護カバーである
ことを特徴とするゴム用改質剤。 - パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムと請求項1記載のゴム用改質剤とからなるゴム組成物。
- 請求項2記載のゴム組成物からなるゴム成形品。
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