JP2019135171A - ビール貯蔵容器の飲料取出部の改造方法 - Google Patents

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弘 古市
Hiroshi Furuichi
弘 古市
湯浅 達夫
Tatsuo Yuasa
達夫 湯浅
元博 稲垣
Motohiro Inagaki
元博 稲垣
威仁 村井
Takehito Murai
威仁 村井
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Abstract

【課題】ビール貯蔵容器から飲料取出管支持部が安易に取り外されることを防止し、かつ、飲料取出部の寿命の長期化を図る技術を提供する。【解決手段】ビール貯蔵容器の飲料取出部は、雌ネジ部を有する口金部と、雌ネジ部に螺合する雄ネジ部を有する飲料取出管支持部とを具備する。飲料取出部の改造方法は、口金部から飲料取出管支持部を取り外す取外工程と、飲料取出管支持部の上端に環状部材を溶接する第1溶接工程と、飲料取出管支持部と口金部との間のシールリングが圧縮されるように、飲料取出管支持部を口金部にねじ込むねじ込み工程と、環状部材を口金部にスポット溶接する第2溶接工程とを備える。【選択図】図6

Description

本発明は、ビール貯蔵容器の飲料取出部の改造方法に関する。
ビール貯蔵容器の口金部にフィッティング(例えば、ウェル型のフィッティング)を固定することにより、飲料取出部を形成する技術が知られている。
図1は、従来のビール貯蔵容器1を示している。図1には、フィッティング3の取付部材4の雄ネジ部4sと、口金部2の雌ネジ部2sとの間の螺合により、フィッティング3が口金部2に装着された様子が記載されている。
従来のフィッティング3では、取付部材4と口金部2との間から雨水等が侵入するおそれがある。隙間から侵入した雨水等はシールリングSによりビール貯蔵容器内への侵入は阻止されるが、雨水等が、取付部材4と口金部2との間の隙間に長期間留まることは衛生上好ましいものではない。また、従来のフィッティング3では、取付部材4のねじ込み量が不足していると、取付部材4と口金部2との間の係合状態が緩む可能性があり、他方、取付部材4のねじ込み量が過大であると、シールリングSが過圧縮されてシールリングSの寿命が短くなるおそれがある。また、取付部材4が容易に取り外し可能であることは、ビール貯蔵容器1の製品管理上好ましくない。
関連する技術として特許文献1には、取付部材のつば部と口金とを溶接することにより、取付部材の安易な取り外しを防止することが開示されている。
特開2010−173710号公報
本発明の目的は、ビール貯蔵容器から取付部材(換言すれば、飲料取出管支持部)が安易に取り外されることを防止し、かつ、飲料取出部の寿命の長期化を図る技術を提供することである。
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
いくつかの実施形態におけるビール貯蔵容器(5)の飲料取出部(10)の改造方法において、前記飲料取出部(10)は、雌ネジ部(11s)を有する口金部(11)と、少なくとも上側部分(13E)が筒状体であり、前記雌ネジ部(11s)に螺合する雄ネジ部(13s)を有する飲料取出管支持部(13)とを具備する。前記改造方法は、前記口金部(11)から前記飲料取出管支持部(13)を取り外す取外工程と、前記飲料取出管支持部(13)の上端に環状部材(20)を溶接する第1溶接工程と、前記飲料取出管支持部(13)と前記口金部(11)との間のシールリングが圧縮されるように、前記飲料取出管支持部(13)を前記口金部(11)にねじ込むねじ込み工程と、前記環状部材(20)を前記口金部(11)にスポット溶接する第2溶接工程とを具備する。
上記改造方法において、前記第2溶接工程は、前記環状部材(20)の上面(20u)から下面(20w)に延在する貫通孔(20h)に溶接材料を溶かし入れることにより、前記環状部材(20)と前記口金部(11)とを溶接することを含んでいてもよい。
上記改造方法において、前記第2溶接工程は、前記環状部材(20)の中央部分に設けられた下向き凸部(23)と前記口金部(11)とをスポット溶接することを含んでいてもよい。
上記改造方法において、前記環状部材(20)の下面は、前記環状部材(20)の外縁(20b)から内側に向かうにつれて、上方に向かう深さが深くなる凹面(20f)を備えていてもよい。
上記改造方法において、前記環状部材(20)の内縁部(20a)は、下方に向けて突出するリング状突出部(201)を有していてもよい。また、前記第1溶接工程において、前記リング状突出部(201)と前記飲料取出管支持部(13)の上端(13u)とが溶接されてもよい。
上記改造方法において、前記ねじ込み工程により圧縮されるシールリングは、前記取外工程の前に前記飲料取出管支持部(13)に装着されていた第1シールリング(30p)とは異なる第2シールリング(30n)であってもよい。また、前記第2シールリング(30n)の断面積は、前記第1シールリング(30p)の断面積よりも大きくてもよい。
上記改造方法は、前記取外工程の後に、前記飲料取出管支持部(13)のシールリング保持凹部(131)を切削加工する切削工程を更に具備していてもよい。
上記改造方法において、前記環状部材(20)と前記口金部(11)との間の接触部(20c)の高さから、前記飲料取出管支持部(13)と前記環状部材(20)との溶接部(M1)の高さを減算することによって得られる値(V1)は、−1.0mm以上2.0mm以下であてもよい。
上記改造方法は、前記環状部材(20)に、前記シールリングの型番、前記シールリングの交換日、ビール貯蔵容器(5)への飲料の充填履歴、または、ビール貯蔵容器(5)の使用履歴を記録するRFID(28)を装着する工程を更に具備していてもよい。
上記改造方法において、前記環状部材(20)は、前記シールリングの型番、または、前記シールリングの交換日を表示する表示部(29)を有していてもよい。
本発明により、ビール貯蔵容器から飲料取出管支持部が安易に取り外されることを防止し、かつ、飲料取出部の寿命の長期化を図る技術を提供することができる。
図1は、従来のビール貯蔵容器を模式的に示す断面図である。 図2は、改造対象のビール貯蔵容器の一例を示す概略断面図である。 図3は、第1の実施形態におけるビール貯蔵容器の飲料取出部の改造方法の一例を示すフローチャートである。 図4は、口金部から飲料取出管支持部が取り外された状態を示す概略断面図である。 図5は、飲料取出管支持部に環状部材を溶接した後の状態を示す概略断面図である。 図6は、口金部に飲料取出管支持部を装着した後の状態を示す概略断面図である。 図7は、環状部材と口金部との間の溶接状態の第1例を示す図である。 図8は、環状部材と口金部との間の溶接状態の第2例を示す図である。 図9は、環状部材と口金部との間の溶接状態の第3例を示す図である。 図10は、環状部材の形状の一例を示す図である。 図11は、環状部材の形状の他の一例を示す図である。 図12は、第2シールリングの断面積を大きくするための構成の第1例について説明するための図である。 図13は、第2シールリングの断面積を大きくするための構成の第1例について説明するための図である。 図14は、第2シールリングの断面積を大きくするための構成の第1例について説明するための図である。 図15は、第2シールリングの断面積を大きくするための構成の第2例について説明するための図である。 図16は、シールリングの交換日等の情報を記録または表示する方法について説明するための図である。 図17は、改造後のビール貯蔵容器の一例を示す概略断面図である。 図18は、飲料容器用シールリングの第1例について説明するための図である。 図19は、飲料容器用シールリングの第2例について説明するための図である。 図20は、飲料容器用シールリングの第3例について説明するための図である。 図21は、飲料容器用シールリングを用いたシール構造について説明するための図である。
以下、ビール貯蔵容器5の飲料取出部10の改造方法に関して、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については、同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しとなる説明は省略される。なお、以下の説明において、「ビール貯蔵容器」は、ビールを貯蔵可能な容器を意味する。ビール貯蔵容器は、例えば、ステンレス鋼製の容器である。
(第1の実施形態)
図2乃至図17を参照して、第1の実施形態におけるビール貯蔵容器5の飲料取出部10の改造方法について説明する。図2は、改造対象のビール貯蔵容器5の一例を示す概略断面図である。図3は、第1の実施形態におけるビール貯蔵容器5の飲料取出部10の改造方法の一例を示すフローチャートである。図4は、口金部11から飲料取出管支持部13が取り外された状態を示す概略断面図である。図5は、飲料取出管支持部13に環状部材20を溶接した後の状態を示す概略断面図である。図6は、口金部11に飲料取出管支持部13を装着した後の状態を示す概略断面図である。図7は、環状部材20と口金部11との間の溶接状態の第1例を示す図である。図8は、環状部材20と口金部11との間の溶接状態の第2例を示す図である。図9は、環状部材20と口金部11との間の溶接状態の第3例を示す図である。図10は、環状部材20の形状の一例を示す図である。図11は、環状部材20の形状の他の一例を示す図である。図12乃至図14は、第2シールリング30nの断面積を大きくするための構成の第1例について説明するための図である。図15は、第2シールリング30nの断面積を大きくするための構成の第2例について説明するための図である。図16は、シールリングの交換日等の情報を記録または表示する方法について説明するための図である。図17は、改造後のビール貯蔵容器5の一例を示す概略断面図である。
(改造対象のビール貯蔵容器5)
図2を参照して、改造対象のビール貯蔵容器5、換言すれば、既存のビール貯蔵容器5の概要について説明する。ビール貯蔵容器5は、飲料(すなわち、ビール)を取り出すために使用される飲料取出部10を備える。
飲料取出部10は、雌ネジ部11sを有する口金部11と、少なくとも上側部分13Eが筒状体であり、雄ネジ部13sを有する飲料取出管支持部13とを備える。口金部11の雌ネジ部11sに飲料取出管支持部13の雄ネジ部13sが螺合することにより、口金部11に飲料取出管支持部13が装着される。口金部11は、ステンレス鋼製であり、ステンレス鋼製の容器本体6に溶接されている。図2に記載の例では、口金部11の上端には、径外方向に向けて突出する環状の突出部21が設けられている。また、飲料取出管支持部13は、ステンレス鋼製である。飲料取出管支持部13は、口金部11内に挿入される筒状の部材であり、飲料取出管支持部13は、ウェル(well:「井戸」を意味する。)型フィッティングを構成する。飲料取出管支持部13の構造の詳細については、図17等を参照して後述される。
(飲料取出部10の改造方法)
図3に示されるように、第1ステップST1において、口金部11から飲料取出管支持部13が取り外される。第1ステップST1は、飲料取出管支持部13の取外工程(以下、単に、「取外工程」という。)である。取外工程は、飲料取出管支持部13を、口金部11に対して、口金部中心軸AXまわりに相対回転させることにより実行される。より具体的には、当該相対回転により、口金部11の雌ネジ部11sと飲料取出管支持部13の雄ネジ部13sとの間の螺合が解除される。図4には、第1ステップST1を実行後の状態が示されている。
第2ステップST2において、飲料取出管支持部13の上端13uに環状部材20(例えば、ステンレス鋼製の環状部材)が溶接される。第2ステップST2は、第1溶接工程である。図5には、第2ステップST2を実行後の状態が示されている。第2ステップST2では、環状部材20の内縁部20aが、上端13uに全周溶接されることが好ましい。この場合、内縁部20aと上端13uとの間に環状の溶接部が形成され、内縁部20aと上端13uとの間から飲料(ビール)が漏れることがない。
なお、第2ステップST2は、飲料取出管支持部13から、第1シールリング30p(図4を参照)が取り外され、かつ、飲料取出管支持部13から、飲料取出管90等が取り外された後に実行されることが好ましい。
第3ステップST3において、飲料取出管支持部13が口金部11にねじ込まれる。第3ステップST3は、ねじ込み工程である。図6には、第3ステップST3を実行後の状態が示されている。
なお、図6には、飲料取出管支持部13に、飲料取出管ユニットU1が支持されている状態が示されている。第3ステップST3は、飲料取出管支持部13に飲料取出管ユニットU1が支持されている状態で実行されてもよいし、第3ステップST3の実行後に、飲料取出管支持部13に飲料取出管ユニットU1が支持されるようにしてもよい。
第3ステップST3について、より詳細に説明する。第3ステップST3において、まず、シールリング(30n)が、飲料取出管支持部13のシールリング保持凹部131に装着される。なお、シールリング(30n)は、上述の取外工程(第1ステップST1)の前に飲料取出管支持部13に装着されていた第1シールリング30p(図4を参照)とは異なる新品のシールリングである。以下の説明において、第3ステップST3において飲料取出管支持部13に装着されるシールリング(30n)のことを第2シールリング30nと呼ぶ。
第2シールリング30nの断面積(すなわち、リング周方向に対して垂直な面における断面積)は、第1シールリング30pの断面積(すなわち、リング周方向に対して垂直な面における断面積)よりも大きいことが好ましい。第2シールリング30nの断面積を大きくすることにより、第2シールリング30nが圧縮される際の圧縮率を小さくすることが可能となる。その結果、第2シールリング30nの耐用年数(製品寿命)が長くなる。第2シールリング30nの断面積を大きくするために採用される具体的構成については、後述される。
次に、飲料取出管支持部13を、口金部11に対して、口金部中心軸AXまわりに相対回転させることにより、飲料取出管支持部13が口金部11に装着される。口金部11に対する飲料取出管支持部13の相対回転(換言すれば、ねじ込み)は、環状部材20の接触部20cが、口金部11の上面11uに接触するまで行われる。飲料取出管支持部13のねじ込み量が、環状部材20の接触部20cと口金部11の上面11uとの間の接触により規制されるため、飲料取出管支持部13が過剰にねじ込まれること、換言すれば、第2シールリング30nが過剰に圧縮されることがない。このため、第2シールリング30nの耐用年数(製品寿命)が長くなる。なお、図6に記載の例では、接触部20cは、環状部材20の外縁下端である。
第2シールリング30nの耐用年数(製品寿命)を長くする観点から、ねじ込み工程を実行することによる第2シールリング30nの高さ方向の圧縮率は、30%以下(より好ましくは、25%以下)であることが好ましい。例えば、無負荷時における第2シールリング30nの高さを「高さH1」と定義し、口金部11に飲料取出管支持部13をねじ込むことによって形成されるシールリング受容室SPの高さを「高さH2」と定義するとき、(H1−H2)/H1の値が0.3以下(より好ましくは、0.25以下)となることが好ましい。
また、口金部11に飲料取出管支持部13をねじ込むことによって形成される第1通路P1から、口金部11に飲料取出管支持部13をねじ込むことによって形成される第2通路P2に向かって液体が漏出するのを防止する観点から、ねじ込み工程を実行することによる第2シールリング30nの高さ方向の圧縮率は、5%以上(より好ましくは、10%以上)であることが好ましい。図6に記載の例では、第1通路P1は、シールリング受容室SPの内縁部の直下に配置された通路であって、ビール貯蔵容器内部UAに連通する通路である。また、第2通路P2は、シールリング受容室SPの外縁部直上に配置された通路であって、ビール貯蔵容器5の外部に連通する通路である。
第4ステップST4において、環状部材20が口金部11にスポット溶接される。第4ステップST4は、第2溶接工程である。
第4ステップST4は、例えば、環状部材20を口金部11の上面11uにスポット溶接することにより実行される。なお、本明細書において、「スポット溶接」とは、複数箇所で溶接することであって、隣接する溶接箇所間に溶接されていない領域が存在するように溶接することを意味する。このため、本明細書において、スポット溶接は、抵抗溶接に限定されない。
図7に記載の例では、環状部材20の外縁20bと、口金部11の上面11uとがスポット溶接されている。代替的に、図8に示されるように、第2溶接工程(第4ステップST4)は、環状部材20の上面20uから下面20wに延在する貫通孔20hに溶接材料を溶かし入れることにより、環状部材20と口金部11とを溶接することを含んでいてもよい。この場合、第2溶接工程を実行した後、上面20uが平滑となるように上面20uが研磨されることが好ましい。貫通孔20hに溶接材料を溶かし入れることにより、環状部材20と口金部11とを溶接する場合には、溶接部M2が外部に露出しない。このため、溶接部M2が意図せずして破壊されるリスクが低い。なお、環状部材20の貫通孔20hは、第2溶接工程(第4ステップST4)よりも前に、例えば、任意の穿孔機により形成しておけばよい。なお、貫通孔20hの直径に特に制限はないが、貫通孔20hの直径は、例えば、0.5mm以上2mm以下である。
更に代替的に、図9に示されるように、第2溶接工程(第4ステップST4)は、環状部材20の中央部分(換言すれば、内端縁および外端縁以外の部分)に設けられた下向き凸部23と口金部11とをスポット溶接することを含んでいてもよい。この場合、下向き凸部23と口金部11の上面11uとの間の接触部をスポット溶接機によって圧接溶接することにより、下向き凸部23と口金部11とが溶接される。
下向き凸部23と口金部11とをスポット溶接する場合には、溶接部M2が外部に露出しない。このため、溶接部M2が意図せずして破壊されるリスクが低い。なお、環状部材20の下向き凸部23は、第2溶接工程(第4ステップST4)よりも前に、例えば、任意のプレス機により形成しておけばよい。なお、下向き凸部23の直径に特に制限はないが、下向き凸部23の直径は、例えば、2mm以上3mm以下であることが好ましい。
第1の実施形態におけるビール貯蔵容器5の飲料取出部10の改造方法は、飲料取出管支持部13の上端にステンレス鋼製の環状部材20を溶接する第1溶接工程と、環状部材20を口金部11にスポット溶接する第2溶接工程とを備える。口金部11と、環状部材20と、飲料取出管支持部13とが溶接により一体化されることにより、飲料取出管支持部13が口金部11から安易に取り外されることが防止される。また、飲料取出管支持部13の上方への移動が規制されるため、飲料取出管支持部13が口金部11から緩むことも抑制される。
また、環状部材20は、飲料取出管支持部13のねじ込み量を規制する部材として機能する。このため、飲料取出管支持部13が過剰にねじ込まれること、換言すれば、第2シールリング30nが過剰に圧縮されることが防止される。その結果、第2シールリング30nの耐用年数(製品寿命)が長くなる。
さらに、第1の実施形態では、環状部材20と口金部11との間の溶接がスポット溶接である。このため、万が一、第2シールリング30nが劣化または破損することにより、第2シールリング30nのシール機能が損なわれた場合には、ビール貯蔵容器5の内部からガス(炭酸ガス)が、第1通路P1、シールリング受容室SP、第2通路P2、および、複数の溶接部M2間の隙間を介して、吹き出す。よって、万が一、第2シールリング30nが劣化または破損した場合であっても、当該劣化または破損を容易に検出することが可能である。よって、第2シールリング30nによるシール機能が損なわれた状態で、ビール貯蔵容器5が使用されることが防止される。
なお、図7乃至図9には、スポット溶接による溶接部M2の数が4個である例が記載されているが、溶接部M2の数は、2個、3個、あるいは、5個以上であってもよい。
(環状部材20の形状)
図10を参照して、環状部材20の形状の第1例について説明する。図10の上側には、環状部材20の概略平面図が記載され、図10の下側には、環状部材20の概略断面図(飲料取出管支持部13に溶接された状態における概略断面図)が記載されている。
図10に記載の例では、環状部材20は、環状部材20の外縁20bから内側に向かうにつれて、上方に向かう深さが深くなる凹面20f(窪んだ面)を備える。環状部材20が凹面20fを備えることにより、以下の4つの効果が奏される。1つ目の効果は、環状部材20の外縁側の領域の断面形状が略アーチ形状となるため、環状部材20の強度が向上することである。2つ目の効果は、ビール貯蔵容器5を長期間使用している間に、環状部材20の外縁側が、上方に向かって反るように変形することが抑制されることである。3つ目の効果は、飲料取出管支持部13を口金部11にねじ込んでいくと、環状部材20の外縁20bが口金部11に接触することとなるため、外縁20bと口金部11との間の隙間が小さくなることである。外縁20bと口金部11との間の隙間が小さくなることにより、当該隙間から雨水等が侵入することが抑制される。4つ目の効果は、凹面20fと、口金部11の上面11uとの間にスペースSP1が形成されることにより、第2シールリング30nのシール機能が損なわれた場合に、ビール貯蔵容器5の内部からガス(炭酸ガス)が、第1通路P1、シールリング受容室SP、第2通路P2、スペースSP1、および、複数の溶接部M2間の隙間を介して吹き出し易くなることである。なお、4つ目の効果は、スポット溶接の構成と、凹面20fの構成とにより相乗的に奏される効果である。
図11を参照して、環状部材20の形状の第2例について説明する。図11の上側には、環状部材20の概略平面図が記載され、図11の下側には、環状部材20の概略断面図(飲料取出管支持部13に溶接された状態における概略断面図)が記載されている。
図10に記載の例では、環状部材20の内縁部20aは、環状部材の径内方向かつ水平方向に延びており、環状部材20の下側主面と、飲料取出管支持部13の上端13uとが、上述の第1溶接工程(第2ステップST2)により全周溶接される。図11に記載の例では、環状部材20の内縁部20aは、下方に向けて突出するリング状突出部201を有し、当該リング状突出部201(すなわち、環状部材20の端面)と、飲料取出管支持部13の上端13uとが、上述の第1溶接工程(第2ステップST2)により全周溶接される点で、図10に記載の例とは異なる。その他の点では、図11に記載の例は、図10に記載の例と同様である。
第2例(図11に記載の例)の環状部材20は、第1例(図10に記載の例)の環状部材20と同様の効果を奏する。加えて、第2例の環状部材20は、下方に向けて突出するリング状突出部201を有するため、環状部材20の断面形状が、よりアーチ形状に近くなる。その結果、環状部材20の強度が更に向上する。また、第2例では、環状部材20と飲料取出管支持部13との間の溶接が、端面と側面との間の溶接ではなく、端面と端面との間の溶接となる。このため、環状部材20に荷重が作用する際に溶接部における応力集中が緩和される。さらに、リング状突出部201の下方への突出量に応じて、シールリング受容室SPの高さH2(図6を参照。)が変化するため、リング状突出部201の下方への突出量を調整することにより、シールリング受容室SPの高さH2を最適な高さに設定することが可能である。
(第2シールリング30nの断面積を大きくするための構成)
図12乃至図14を参照して、第2シールリング30nの断面積を大きくするための構成の第1例について説明する。
図12に記載の例では、ビール貯蔵容器5の飲料取出部10の改造方法は、上述の取外工程(第1ステップST1)の後、且つ、上述のねじ込み工程(第3ステップST3)の前に、飲料取出管支持部13のシールリング保持凹部131を切削加工する切削工程を具備する。なお、当該切削工程は、上述の第1溶接工程(第2ステップST2)の前に実行されてもよいし、上述の第1溶接工程(第2ステップST2)の後に実行されてもよい。
図12(a)には、切削加工実行前の飲料取出管支持部13が記載され、図12(b)には、切削加工実行後の飲料取出管支持部13が記載されている。図12(a)および図12(b)から把握されるように、切削加工実行後の飲料取出管支持部13のシールリング保持凹部131(すなわち、環状凹部)の深さは、切削加工実行前の飲料取出管支持部13のシールリング保持凹部131(すなわち、環状凹部)の深さよりも深い。このため、切削加工実行後には、改造方法の実行前に装着されていた第1シールリング30pよりも太い第2シールリング30nをシールリング保持凹部131に装着することが可能となる(図12(c)を参照)。なお、シールリングの太さを太くすることは、シールリングの断面積を大きくすることに対応する。
図12に記載の例では、シールリング保持凹部131の深さが、飲料取出管支持部13の高さ方向に一定であるように切削加工が行われる例が示されている。代替的に、図13に示されるように、シールリング保持凹部131の深さが、飲料取出管支持部13の高さ方向に変化するように切削加工が行われてもよい。図13(b)に記載の例では、シールリング保持凹部131の上側部分1311の深さが、上方に向かうにつれて浅くなるように切削加工が行われている。
図13(b)に記載の例では、シールリング保持凹部131の上面131uが、飲料取出管支持部13の径外方向に向かうにつれて上方に向かう傾斜面である。このため、第2シールリング30nが上面131uにより押圧されると、第2シールリング30nは、径外方向に向けて変形し易い。その結果、第2シールリング30nと口金部11の内面11aとの間のシール性が向上する(図13(d)を参照)。
図13(b)に記載の例では、シールリング保持凹部131の下側部分1312の深さが、飲料取出管支持部13の高さ方向に一定であるように切削加工が行われる例が示されている。代替的に、図14(b)に示されるように、シールリング保持凹部131の下側部分1312の深さが、飲料取出管支持部13の高さ方向に変化するように切削加工が行われてもよい。図14(b)に記載の例では、シールリング保持凹部131の下側部分1312の深さが、上方に向かうにつれて深くなるように切削加工が行われている。
図12(a)、図13(a)および図14(a)に示されるように、既存の飲料取出管支持部13のシールリング保持凹部131に対応する壁部の最小肉厚t1は、例えば、1.5mmである。これに対し、切削加工により、飲料取出管支持部13のシールリング保持凹部131に対応する壁部の最小肉厚t2を、0.6mm以上0.8mm以下の範囲とすることも可能である。また、当該切削加工により、シールリング保持凹部131に装着される第2シールリング30nの断面積(すなわち、リング周方向に対して垂直な面における断面積)を、改造方法の実行前に装着されていた第1シールリング30pの断面積(すなわち、リング周方向に対して垂直な面における断面積)の1.3倍以上、1.6倍以上、1.8倍以上、あるいは、2.5倍以上にすることも可能である。なお、図12乃至図14に記載の例において、切削加工は、例えば、旋盤を用いて実行される。
図15を参照して、第2シールリング30nの断面積を大きくするための構成の第2例について説明する。
図15に記載の例では、口金部11に対する飲料取出管支持部13のねじ込み可能量は、環状部材20における接触部20cの高さ(高さ方向の位置)から、飲料取出管支持部13と環状部材20との溶接部M1の高さ(高さ方向の位置)を減算することによって得られる値V1に依存する。当該値V1が大きい時には、ねじ込み可能量が大きくなり、当該値が小さい時(負の値を含む)には、ねじ込み可能量が小さくなる。そして、ねじ込み可能量が小さいことは、シールリング受容室SPの高さH2が高いことに対応し、かつ、第2シールリング30nの高さ(高さ方向の長さ)を大きくできることに対応する。
そこで、第2シールリング30nの断面積を大きくするための構成の第2例では、環状部材20における接触部20cの高さ(高さ方向の位置)から、飲料取出管支持部13と環状部材20との溶接部M1の高さ(高さ方向の位置)を減算することによって得られる値V1が小さな値に設定される。例えば、環状部材20における接触部20cの高さ(高さ方向の位置)から、飲料取出管支持部13と環状部材20との溶接部M1の高さ(高さ方向の位置)を減算することによって得られる値V1は、−1.0mm(マイナス1.0mm)以上2.0mm以下である。
図15に記載の例では、V1が小さいことにより、シールリング受容室SPの高さH2を高くし、第2シールリング30nの高さ(高さ方向の長さ)を大きくできる。その結果、第2シールリング30nの断面積を、改造方法の実行前に装着されていた第1シールリング30pの断面積よりも大きくすることができる。
(シールリングの交換日等の記録)
図16を参照して、シールリングの交換日等の情報を記録する方法について説明する。図16に記載の例では、環状部材20に、シールリング(第2シールリング30n)の型番、シールリングの交換日(換言すれば、第2シールリング30nの装着日)、ビール貯蔵容器5への飲料の充填履歴、または、ビール貯蔵容器5の使用履歴等の情報を記録するRFID28(Radio−frequency identification)が装着されている。RFID28(RFIDタグ)に、シールリングの型番が記録されている場合には、RFID28をリーダで読み込むことにより、環状部材20を取り外すことなく、ビール貯蔵容器5に使用されているシールリング(第2シールリング30n)の種類を把握することができる。また、RFID28にシールリングの交換日が記録されている場合には、RFID28をリーダで読み込むことにより、ビール貯蔵容器5に使用されているシールリング(第2シールリング30n)の使用年数、および/または、新たなシールリングに交換すべき交換時期を容易に把握することができる。また、RFID28に、ビール貯蔵容器5への飲料の充填履歴が記録されている場合には、RFID28をリーダで読み込むことにより、ビール貯蔵容器5にどのような種類のビールが充填されていたかを容易に把握することができる。また、RFID28に、ビール貯蔵容器5の使用履歴が記録されている場合には、いつ、どこにビール貯蔵容器5が納品されていたかを容易に把握することができる。
図16に記載の例では、RFID28が、環状部材20の下面(より具体的には、凹面20f)に装着されている。RFID28が、環状部材20と口金部11との間に配置される場合には、RFID28が、環状部材20および口金部11によって保護される。このため、RFID28が損傷するリスクが小さい。
(シールリングの交換日等の表示)
図16を参照して、シールリングの交換日等の情報を表示する方法について説明する。図16に記載の例では、環状部材20は、シールリングの型番、または、シールリングの交換日等の情報を表示する表示部29を備える。表示部29は、例えば、レーザー印字等の方式で情報を印字した印字部であってもよい。
環状部材20に、シールリングの型番が表示されている場合には、環状部材20を取り外すことなく、ビール貯蔵容器5に使用されているシールリング(第2シールリング30n)の種類を把握することができる。また、環状部材20に、シールリングの交換日が表示されている場合には、ビール貯蔵容器5に使用されているシールリング(第2シールリング30n)の使用年数、および/または、新たなシールリングに交換すべき交換時期を容易に把握することができる。
図16に記載の例では、表示部29が、環状部材20の上面に設けられている。よって、作業者は、一見して、シールリングの型番、シールリングの交換日等の情報を容易に把握することができる。図16に記載の例では、環状部材20に、RFID28が装着され、かつ、表示部29が設けられている。代替的に、環状部材20に、RFID28、表示部29のうちの一方のみが配置されていてもよい。
(フィッティングの構造)
図17を参照して、フィッティングの構造の一例について説明する。図17に記載の例では、飲料取出管支持部13の上側部分13Eが、筒状体Cによって構成されており、当該筒状体には、ディスペンスヘッドの下端部が装着される。より具体的には、筒状体Cには、ディスペンスヘッドの下端部と係合する係止部138が設けられている。飲料取出管支持部13の上側部分13Eが、筒状体によって構成されていることは、飲料取出管支持部13がウェル型のフィッティングを構成していることに対応する。
飲料取出管支持部13の上側部分13E(筒状体C)の内周部には、第2弁体92aに接触する第2弁座部92bが配置されており、第2弁体92aと第2弁座部92bとによって、ガス弁92が構成される。ガス弁92は、ビール貯蔵容器5の内部と外部との間でのガスの移動を禁止または許容する弁である。なお、第2弁体92aは、飲料取出管90の上端部に装着されている。
飲料取出管支持部13の下側部分13Fは、筒状体Dによって構成されている。筒状体Dの底壁には、飲料取出管90が挿通される底部孔Dh1が設けられている。また、筒状体Dの側壁には、複数の貫通孔Dh2が設けられている。ガス弁92を介して筒状体D内に供給されるガス(炭酸ガス)は、当該貫通孔Dh2を介して、筒状体Dの外部、換言すれば、ビール貯蔵容器5の内部に移動する。
筒状体Dの底壁と飲料取出管90の上端部との間には、第2付勢部材94(ばね)が配置されており、飲料取出管90は、第2付勢部材94を介して、筒状体Dの底壁によって支持される。また、第2付勢部材94は、第2弁体92aを上方に付勢し、第2付勢部材94によって、ガス弁92が閉弁状態に維持される。
第2弁体92aは、飲料供給弁91の弁座部(換言すれば、第1弁座部91b)としても機能する。第1弁座部91bには、第1弁体91a(飲料供給弁91の弁体)が接触可能である。図17に記載の例では、飲料取出管90の内部に第1付勢部材93(ばね)が配置されており、当該第1付勢部材93は、第1弁体91aを上方に付勢する。そして、第1付勢部材93によって、飲料供給弁91が閉弁状態に維持される。なお、飲料供給弁91は、ビール貯蔵容器5の内部と外部との間での飲料の移動を禁止または許容する弁である。
(第2の実施形態)
図18乃至図20を参照して、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、飲料容器用シールリング80n、および、飲料容器用シールリング80nを用いたシール構造に関する実施形態である。
まず、図18を参照して、飲料容器用シールリング80nの第1例について説明する。図18(a)は、第1例における飲料容器用シールリング80nを示す概略断面図である。図18(b)は、飲料容器用シールリング80nが、外側部材61と内側部材63との間に配置された状態を示す概略断面図である。図18(c)は、図18(b)の一部拡大図であり、かつ、飲料容器用シールリング80nの記載を省略した図である。
飲料容器用シールリング80nは、図18(b)に示されるように、内側部材63と外側部材61との間の第1通路P1から、第1通路P1よりも外側(換言すれば、第1通路P1よりも内側部材63の径外方向)かつ上方に配置された第2通路P2に向かって飲料が漏出するのを防止するシールリングである。なお、第1通路P1は、例えば、環状の通路であり、第2通路P2は、例えば、環状の通路である。
飲料容器用シールリング80nの材質は、例えば、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等のゴムである。
図18(a)に記載の例では、飲料容器用シールリング80nは、底部81と、頂部82と、底部81と頂部82との間の中間部83とを具備する。なお、飲料容器用シールリング80nの断面(リング周方向に対して垂直な面における断面)の形状および大きさは、基本的に、シールリングの周方向位置に依存せずに一定である。
底部81は、下方に向かって突出する第1凸部811を有する。第1凸部811は、底面視で、円環状の凸部である。図18(a)に記載の例では、第1凸部811は、断面(リング周方向に対して垂直な面における断面)が半円形状の凸部である。なお、本明細書において、半円形状には、略半円形状も包含される。第1凸部811は、図18(b)に示されるように、外側部材61の段部68の上面68uに接触する。第1凸部811の中間部83からの突出量(H12)は、例えば、約1mm(0.5mm以上1.5mm以下)である。
また、底部81は、第1凸部811と、底部内縁部81bとの間において、凹面部812を有する。
図18(a)から把握されるように、第1凸部811の最下端811eは、シールリングの外縁寄り(換言すれば、シールリングの内縁よりもシールリングの外縁に近い側)に配置されている。
第1凸部811が段部68の上面68uに接触可能、かつ、第1凸部811の最下端811eがシールリング(80n)の外縁寄りに配置されていることにより、飲料容器用シールリング80nが圧縮された時に、第1通路P1側に突出するシールリングの突出量が小さくて済む(図18(b)において矢印Aで示される部分を参照。)。このため、第1通路P1側に突出するシールリングの一部が千切れて、第1通路P1を介して飲料容器本体内に入り込むことが防止される。
また、頂部82は、外縁部82bの高さが内縁部82aの高さよりも高い。より具体的には、頂部82の上面82uは、外縁部82bおよび内縁部82aを除いて、外側に向かうにつれて高さが短調に増加する傾斜面である。このため、飲料容器用シールリング80nが圧縮された時に、頂部82が外側部材61に向けて変形し易い。その結果、第2通路P2への飲料の漏れをより確実に防止することが可能となる(図18(b)において矢印Bで示される部分を参照。)。
図18に記載の例では、底部81に第1凸部811を設けて、底部81が第1通路P1側に突出することを抑制しつつ、頂部82の外縁部82bの高さを高くすることにより、頂部82が第2通路P2側に突出するようにしている点で画期的である。なお、頂部82の一部が千切れて、第2通路P2側に入り込んだとしても、シールリング受容室SPには飲料容器用シールリング80nが存在しているため、当該千切れ片が、飲料容器本体内に入り込むことはない。
図18(a)に記載の例では、飲料容器用シールリング80nの断面(リング周方向に対して垂直な面における断面)において、飲料容器用シールリング80nの高さH1は、約6mm(4mm以上7mm以下)であり、飲料容器用シールリング80nの幅Wは、約3mm(2.5mm以上4mm以下)である。また、頂部82の高さH11は、例えば、約1.3mm(1mm以上2mm以下)であり、底部81の高さH12は、約1mm(0.5mm以上1.5mm以下)である。
図18(a)に記載の例では、飲料容器用シールリング80nの断面(リング周方向に対して垂直な面における断面)の断面積が約15mm(10mm以上25mm以下である)。当該断面積は、従来のビール貯蔵容器で使用されていたシールリング(上述の第1シールリング30p)の断面積の約2.5倍(1.6倍以上4倍以下)である。図18(a)に記載の例では、飲料容器用シールリング80nの断面積が大きいため、飲料容器用シールリング80nが圧縮されたときの飲料容器用シールリング80nの圧縮率を小さくすることが可能である。その結果、飲料容器用シールリング80nの耐用年数(製品寿命)を長くすることが可能である。
例えば、無負荷時における飲料容器用シールリング80nの高さを「高さH1」と定義し、内側部材63を、段部68に向けて移動させることによって形成されるシールリング受容室SPの高さを「高さH2」と定義するとき、(H1−H2)/H1の値が0.3以下(より好ましくは、0.25以下)となる。
図19を参照して、飲料容器用シールリング80nの第2例について説明する。図19(a)は、第2例における飲料容器用シールリング80nを示す概略断面図である。図19(b)は、飲料容器用シールリング80nが、外側部材61と内側部材63との間に配置された状態を示す概略断面図である。図19(c)は、図19(b)の一部拡大図であり、かつ、飲料容器用シールリング80nの記載を省略した図である。
図19に記載の例において、飲料容器用シールリング80nの材質、機能は、図18に記載の飲料容器用シールリング80nの材質、機能と同様である。図19に記載の例においても、飲料容器用シールリング80nの断面(リング周方向に対して垂直な面における断面)の形状および大きさは、基本的に、シールリングの周方向位置に依存せずに一定である。
図19(a)に記載の例では、飲料容器用シールリング80nは、下方に向かって突出する第1凸部811(図18(a)を参照。)の代わりに、飲料容器用シールリング80nの径内方向に向かって突出する第2凸部831を有する。図19(a)に記載の例では、飲料容器用シールリング80aに第1凸部811が設けられていないため、飲料容器用シールリング80aにおいて、中間部83と底部81との間に明確な境界はない。
図19(a)に記載の例では、シールリング内周面80cは、下縁部83bから上方に向かうにつれて内径が小さくなる第1内周面80c1と、上縁部(82b)から下方に向かうにつれて内径が小さくなる第2内周面80c2とを備える。そして、第1内周面80c1と第2内周面80c2との間の境界部(82a)の内径が最も小さい。
また、頂部82は、外縁部82bの高さが内縁部82aの高さよりも高い。より具体的には、頂部82の上面82uは、外縁部82bおよび内縁部82aを除いて、外側に向かうにつれて、高さが短調に増加する傾斜面である。このため、飲料容器用シールリング80nが圧縮された時に、頂部82が外側部材61に向けて変形し易い。その結果、第2通路P2への飲料の漏れをより確実に防止することが可能となる(図19(b)において矢印Bで示される部分を参照。)。
図19(a)に記載の例では、飲料容器用シールリング80nの断面(リング周方向に対して垂直な面における断面)において、飲料容器用シールリング80nの高さH1は、約4mm(3mm以上6mm以下)であり、飲料容器用シールリング80nの幅Wは、約3.5mm(2.5mm以上4.5mm以下)である。また、頂部82の高さH11は、例えば、約1.3mm(1mm以上2mm以下)である。
図19(a)に記載の例では、飲料容器用シールリング80nの断面(リング周方向に対して垂直な面における断面)の断面積が約11mm(8mm以上20mm以下である)。当該断面積は、従来のビール貯蔵容器で使用されていたシールリング(上述の第1シールリング30p)の断面積の約1.8倍(1.3倍以上3.5倍以下)である。図19(a)に記載の例では、飲料容器用シールリング80nの断面積が大きいため、飲料容器用シールリング80nが圧縮されたときの飲料容器用シールリング80nの圧縮率を小さくすることが可能である。その結果、飲料容器用シールリング80nの耐用年数(製品寿命)を長くすることが可能である。
例えば、無負荷時における飲料容器用シールリング80nの高さを「高さH1」と定義し、内側部材63を、段部68に向けて移動させることによって形成されるシールリング受容室SPの高さを「高さH2」と定義するとき、(H1−H2)/H1の値が0.3以下(より好ましくは、0.25以下)となる。
図20を参照して、飲料容器用シールリング80nの第3例について説明する。図20(a)は、第3例における飲料容器用シールリング80nを示す概略断面図である。図20(b)は、飲料容器用シールリング80nが、外側部材61と内側部材63との間に配置された状態を示す概略断面図である。
図20に記載の例において、飲料容器用シールリング80nの材質、機能は、図18または図19に記載の飲料容器用シールリング80nの材質、機能と同様である。図20に記載の例においても、飲料容器用シールリング80nの断面(リング周方向に対して垂直な面における断面)の形状および大きさは、基本的に、シールリングの周方向位置に依存せずに一定である。
図20(a)に記載の例では、飲料容器用シールリング80nは、下方に向かって突出する第1凸部811、および、飲料容器用シールリング80nの径内方向に向かって突出する第2凸部831を有する。第1凸部811の形状および機能については、図18(a)を参照しつつ説明済みであるので、繰り返しとなる説明は省略する。また、第2凸部831の形状および機能については、図19(a)を参照しつつ説明済みであるので、繰り返しとなる説明は省略する。
図20(a)に記載の例では、飲料容器用シールリング80nの断面(リング周方向に対して垂直な面における断面)において、飲料容器用シールリング80nの高さH1は、約6mm(4mm以上7mm以下)であり、飲料容器用シールリング80nの幅Wは、約3.5mm(2.5mm以上4.5mm以下)である。また、頂部82の高さH11は、例えば、約1.3mm(1mm以上2mm以下)であり、底部81の高さH12は、約1mm(0.5mm以上1.5mm以下)である。
図20(a)に記載の例では、図18(a)に記載の例および図19(a)に記載の例と比較して、飲料容器用シールリング80nの断面(リング周方向に対して垂直な面における断面)の断面積を更に大きくすることが可能である。
続いて、図21を参照して、飲料容器用シールリング80nを用いたシール構造について説明する。
図21に示されるシール構造は、雄ネジ63s付き内側部材63と、雌ネジ61s付き外側部材61と、飲料容器用シールリング80nとを備える。
そして、内側部材63と外側部材61との間には、第1通路P1と、第1通路P1よりも外側かつ上方に配置された第2通路P2と、第1通路P1の上方かつ第2通路P2の下方に配置されたシールリング受容室SPとが形成されている。
飲料容器用シールリング80nは、シールリング受容室SPに配置されて、第1通路P1から第2通路P2に向かって飲料が漏出するのを防止する。
飲料容器用シールリング80nは断面積が大きく、圧縮時における飲料容器用シールリング80nの圧縮率が相対的に小さいため、上述のシール構造は、長期間にわたって飲料の漏出を防止することが可能である。
また、図21に記載の例では、内側部材63は、外側部材61に対する内側部材63の下限位置を規定する位置規定部70を有する。なお、位置規定部70の形状は、内側部材63が下限位置にあるときの飲料容器用シールリング80nの高さ方向の圧縮率が30%以下(あるいは、25%以下)となるように設定されていることが好ましい。この場合、上述のシール構造は、長期間にわたって飲料の漏出を防止することが可能である。
図18乃至図21に記載のシール構造は、第1の実施形態で説明されたビール貯蔵容器5に適用することが可能である。この場合、第2の実施形態における「飲料容器用シールリング80n」、「内側部材63」、「外側部材61」、「飲料容器」、「雄ネジ63s」、「雌ネジ61s」、「位置規定部70」は、それぞれ、第1の実施形態における「第2シールリング30n」、「飲料取出管支持部13」、「口金部11」、「ビール貯蔵容器5」、「雄ネジ部13s」、「雌ネジ部11s」、「環状部材20」に読み替えられる。
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態にも適用可能である。さらに、各実施形態における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
1 :ビール貯蔵容器
2 :口金部
2s :雌ネジ部
3 :フィッティング
4 :取付部材
4s :雄ネジ部
5 :ビール貯蔵容器
6 :容器本体
10 :飲料取出部
11 :口金部
11a :内面
11s :雌ネジ部
11u :上面
13 :飲料取出管支持部
13E :上側部分
13F :下側部分
13s :雄ネジ部
13u :上端
20 :環状部材
20a :内縁部
20b :外縁
20c :接触部
20f :凹面
20h :貫通孔
20u :上面
20w :下面
21 :突出部
23 :下向き凸部
28 :RFID
29 :表示部
30n :第2シールリング
30p :第1シールリング
61 :外側部材
61s :雌ネジ
63 :内側部材
63s :雄ネジ
68 :段部
68u :上面
70 :位置規定部
80a :飲料容器用シールリング
80c :シールリング内周面
80c1 :第1内周面
80c2 :第2内周面
80n :飲料容器用シールリング
81 :底部
81b :底部内縁部
82 :頂部
82a :内縁部
82b :外縁部
82u :上面
83 :中間部
83b :下縁部
90 :飲料取出管
91 :飲料供給弁
91a :第1弁体
91b :第1弁座部
92 :ガス弁
92a :第2弁体
92b :第2弁座部
93 :第1付勢部材
94 :第2付勢部材
131 :シールリング保持凹部
131u :上面
138 :係止部
201 :リング状突出部
811 :第1凸部
811e :最下端
812 :凹面部
831 :第2凸部
1311 :上側部分
1312 :下側部分
C :筒状体
D :筒状体
Dh1 :底部孔
Dh2 :貫通孔
M1 :溶接部
M2 :溶接部
P1 :第1通路
P2 :第2通路
S :シールリング
SP :シールリング受容室
SP1 :スペース
U1 :飲料取出管ユニット
UA :ビール貯蔵容器内部


Claims (10)

  1. ビール貯蔵容器の飲料取出部の改造方法であって、
    前記飲料取出部は、
    雌ネジ部を有する口金部と、
    少なくとも上側部分が筒状体であり、前記雌ネジ部に螺合する雄ネジ部を有する飲料取出管支持部と
    を具備し、
    前記改造方法は、
    前記口金部から前記飲料取出管支持部を取り外す取外工程と、
    前記飲料取出管支持部の上端に環状部材を溶接する第1溶接工程と、
    前記飲料取出管支持部と前記口金部との間のシールリングが圧縮されるように、前記飲料取出管支持部を前記口金部にねじ込むねじ込み工程と、
    前記環状部材を前記口金部にスポット溶接する第2溶接工程と
    を具備する
    ビール貯蔵容器の飲料取出部の改造方法。
  2. 前記第2溶接工程は、前記環状部材の上面から下面に延在する貫通孔に溶接材料を溶かし入れることにより、前記環状部材と前記口金部とを溶接することを含む
    請求項1に記載のビール貯蔵容器の飲料取出部の改造方法。
  3. 前記第2溶接工程は、前記環状部材の中央部分に設けられた下向き凸部と前記口金部とをスポット溶接することを含む
    請求項1に記載のビール貯蔵容器の飲料取出部の改造方法。
  4. 前記環状部材の下面は、前記環状部材の外縁から内側に向かうにつれて、上方に向かう深さが深くなる凹面を備える
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のビール貯蔵容器の飲料取出部の改造方法。
  5. 前記環状部材の内縁部は、下方に向けて突出するリング状突出部を有し、
    前記第1溶接工程において、前記リング状突出部と前記飲料取出管支持部の上端とが溶接される
    請求項4に記載のビール貯蔵容器の飲料取出部の改造方法。
  6. 前記ねじ込み工程により圧縮されるシールリングは、前記取外工程の前に前記飲料取出管支持部に装着されていた第1シールリングとは異なる第2シールリングであり、
    前記第2シールリングの断面積は、前記第1シールリングの断面積よりも大きい
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のビール貯蔵容器の飲料取出部の改造方法。
  7. 前記取外工程の後に、前記飲料取出管支持部のシールリング保持凹部を切削加工する切削工程を更に具備する
    請求項6に記載のビール貯蔵容器の飲料取出部の改造方法。
  8. 前記環状部材と前記口金部との間の接触部の高さから、前記飲料取出管支持部と前記環状部材との溶接部の高さを減算することによって得られる値は、−1.0mm以上2.0mm以下である
    請求項6または7に記載のビール貯蔵容器の飲料取出部の改造方法。
  9. 前記環状部材に、前記シールリングの型番、前記シールリングの交換日、ビール貯蔵容器への飲料の充填履歴、または、ビール貯蔵容器の使用履歴を記録するRFIDを装着する工程を更に具備する
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載のビール貯蔵容器の飲料取出部の改造方法。
  10. 前記環状部材は、前記シールリングの型番、または、前記シールリングの交換日を表示する表示部を有する
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載のビール貯蔵容器の飲料取出部の改造方法。




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