JP2019113564A - 多重特異性結合物の結合パートナーを検出するための方法 - Google Patents

多重特異性結合物の結合パートナーを検出するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料中の二重特異性抗体の抗原の存在および/または量を測定するための方法を提供する。【解決手段】以下の段階を含む、検出されるべき抗原が、該多重特異性抗体の第1の結合部位によって特異的に結合され得、かつ該抗原が二重特異性抗体と複合体を形成する方法:該抗原および該二重特異性抗体を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階。【選択図】図11

Description

本発明は、試料中で多重特異性結合物によって特異的に結合され得る、多重特異性結合物の遊離型すなわち複合体形成していない結合パートナーを検出/測定するための方法であって、多重特異性結合物に結合した結合パートナーを試料から枯渇させた後に遊離型の結合パートナーを検出する、方法を対象としている。枯渇させた多重特異性結合物は、複合体形成した結合パートナーを検出/測定するのに使用され得る。
発明の背景
抗体を用いた標準的な固相イムノアッセイ法は、固相に吸着させた/固定した抗体(捕捉抗体)と、抗原と、酵素または検出可能な標識と連結させた、抗原の別のエピトープに対する抗体(トレーサー抗体)との間での複合体形成を伴う。このアッセイ法において、固相/捕捉抗体/抗原/トレーサー抗体というサンドイッチが形成される。サンドイッチによって触媒される反応において、特に、抗体と連結された酵素の活性は、インキュベーション媒体中の抗原濃度に比例する。抗イディオタイプ抗体アッセイ法は、例えば、US5,219,730(特許文献1);WO87/002778(特許文献2);EP0139389(特許文献3);およびEP0170302(特許文献4)において言及されている。Wadhwa, M., et al. (J. Immunol. Methods 278 (2003) 1-17)(非特許文献1)では、治療用の生物由来物質によって誘発される望まれない抗体の検出、測定、および特徴付けのための戦略が報告されている。抗イディオタイプ抗体を作製するための方法は、EP1917854(特許文献5)において報告されている。
Chen, Y.-P., et al. (Clin. Vac. Immunol. 14 (2007) 720-725)(非特許文献2)では、ヒト赤血球およびB型肝炎ウイルス表面抗原の両方に対する二重特異性ダイアボディに媒介された凝集アッセイ法による、B型肝炎ウイルス表面抗原の迅速な検出が報告されている。Porter, R., et al.によって、自己組織化された単層修飾電極を利用する電気活性系のイムノアッセイ法(EASIアッセイ法)が報告されている(Biosensors Bioelec. 16 (2001) 9-12)(非特許文献3)。hTNF-αおよび西洋ワサビペルオキシダーゼに対する二重特異性抗体を用いるヒト腫瘍壊死因子-α(hTNF-α)を測定するための酵素イムノアッセイ法の開発が、Berkova,, N., et al. (Biotechnol. Appl. Biochem. 23 (1996) 163-171)(非特許文献4)によって報告されている。EP0962771(特許文献6)では、検出装置およびそのための方法が報告されている。Reinhartz, H.W., et al. (Analyst 121 (1996) 767-771)(非特許文献5)によって、抗原阻害酵素結合免疫吸着測定法を開発するためにリアルタイム相互作用解析によって研究した二重特異性多価抗体が報告されている。二重特異性抗体の化学的作製は、Doppalapudi, V.R., et al. (Proc. Natl. Acad. Sci. 107 (2010) 22611-22616)(非特許文献6)によって報告されている。
US5,219,730 WO87/002778 EP0139389 EP0170302 EP1917854 EP0962771
Wadhwa, M., et al.、J. Immunol. Methods 278 (2003) 1-17 Chen, Y.-P., et al.、Clin. Vac. Immunol. 14 (2007) 720-725 Porter, R., et al.、Biosensors Bioelec. 16 (2001) 9-12 Berkova,, N., et al.、Biotechnol. Appl. Biochem. 23 (1996) 163-171 Reinhartz, H.W., et al.、Analyst 121 (1996) 767-771 Doppalapudi, V.R., et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. 107 (2010) 22611-22616
試料中の遊離型すなわち複合体形成していない結合パートナーの存在を検出するためまたは量を測定するための方法であって、結合パートナーが、多重特異性結合物の少なくとも1つの結合特異性によって、すなわち、第1の結合特異性によって特異的に結合され得る方法が、本明細書において報告される。
多重特異性結合物によって特異的に結合された結合パートナー、すなわち、結合パートナーと多重特異性結合物との複合体を試料から枯渇させた後に、遊離型の結合パートナーの量を測定するのが有利であることが判明している。
本明細書において報告する方法によれば、測定されるべき結合パートナー、すなわち第1の結合パートナーに結合しない、多重特異性結合物の異なる、すなわち第2の結合特異性によって特異的に結合され得る結合パートナー、すなわち第2の結合パートナーと共に、または多重特異性結合物の1つの結合特異性に特異的に結合する単一特異性結合物であって、測定されるべき結合パートナーに結合しない多重特異性結合物の結合特異性に特異的に結合する単一特異性結合物と共に、試料をインキュベートすることによって、多重特異性結合物の枯渇が実現する(図2を参照されたい)。
本明細書において報告される1つの局面は、以下の段階を含む、試料中の二重特異性抗体の(第1の)抗原の存在および/または量を測定するためのインビトロの方法であって、検出されるべき抗原が、該二重特異性抗体の第1の結合特異性によって特異的に結合され得、かつ該抗原が二重特異性抗体と複合体形成する(抗原と二重特異性抗体との複合体)、方法である:
‐該抗原および該二重特異性抗体を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
‐抗原および二重特異性抗体を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
-抗原と二重特異性抗体と抗イディオタイプ抗体との複合体を検出し、それによって、二重特異性抗体の抗原の存在および/または量を測定する段階。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-抗原および二重特異性抗体を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
-第1の段階で形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体の該抗原の存在および/または量を測定する段階。
1つの態様において、方法は、二重特異性抗体と複合体形成する、二重特異性抗体の抗原の存在および/または量を測定するためのものである。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-抗原および二重特異性抗体を含む試料を提供する段階であって、少なくとも90%の該抗原が該二重特異性抗体と複合体形成する、段階、
-該抗原および該二重特異性抗体を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
-第1の段階で形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体の該抗原の存在および/または量を測定する段階。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-抗原および二重特異性抗体を含む試料をインキュベートする段階であって、該二重特異性抗体が、少なくとも90%の該抗原が該二重特異性抗体と複合体形成する試料を提供する量である、段階、
-該二重特異性抗体と複合体形成した該抗原を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
-前の段階で形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体の該抗原の存在および/または量を測定する段階。
1つの態様において、二重特異性抗体の量は、約1μg/ml〜10μg/ml、好ましくは約1.5μg/mlである。
1つの態様において、二重特異性抗体の量は、1mg/ml試料である。
1つの態様において、少なくとも95%の抗原が、二重特異性抗体と複合体形成する。1つの態様において、少なくとも98%の抗原が、二重特異性抗体と複合体形成する。
本明細書において報告される1つの局面は、以下の段階を含む、試料中の、二重特異性抗体の抗体結合型(第1の)抗原の量を測定するためのインビトロの方法であって、該抗原が、該二重特異性抗体の第1の結合特異性によって特異的に結合され得る、方法である:
-抗原および二重特異性抗体を含む試料の第1のアリコートをインキュベートする段階であって、該二重特異性抗体が、少なくとも90%の該抗原が該二重特異性抗体と複合体形成する試料を提供する量である、段階、
-該二重特異性抗体と複合体形成した該抗原を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
-前の段階で形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体の該抗原の存在および/または量を測定し、かつそれによって、該試料中に存在する該抗原の総量を測定する段階、
-該抗原および該二重特異性抗体を含む該試料の第2のアリコートを、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
-形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合している該エピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中に存在する二重特異性抗体の遊離型抗原の量を測定する段階、ならびに
-試料中に存在する該抗原の総量と試料中に存在する遊離型抗原の量の差によって、二重特異性抗体の抗体結合型抗原の量を測定する段階。
1つの態様において、二重特異性抗体の量は、約1μg/ml〜10μg/ml、好ましくは約1.5μg/mlである。
1つの態様において、二重特異性抗体の量は、1mg/ml試料である。
本明細書において報告される1つの局面は、多重特異性結合物の第1の結合特異性によって特異的に結合され得る結合パートナー(抗原、標的、分析物)の存在および/または量をインビトロで測定するための方法であって、多重特異性結合物の第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の結合パートナー、または多重特異性結合物の第2の結合特異性に特異的に結合する単一特異性結合物と共に試料をインキュベートすることによって、試料中に存在する多重特異性結合物に結合された結合パートナーの画分を枯渇させた後に結合パートナーを検出する、方法である。
1つの態様において、検出されるべき結合パートナーは、複合体形成していない結合パートナーまたは遊離型の結合パートナーである。
したがって、本明細書において報告される1つの局面は、以下の段階を含む、多重特異性結合物の(第1の)結合パートナーの存在および/または量を測定するためのインビトロの方法であって、結合パートナーが、多重特異性結合物の第1の結合特異性によって特異的に結合され得る、方法である:
-(第1の)結合パートナーおよび多重特異性結合物を含む試料を、多重特異性結合物の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の結合パートナーと共にインキュベートする段階。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-(第1の)結合パートナーおよび多重特異性結合物を含む試料を、多重特異性結合物の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する単一特異性結合物と共にインキュベートする段階、ならびに
-多重特異性結合物を枯渇させた試料中の(遊離型の第1の)結合パートナーの量を測定する段階。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-(第1の)結合パートナーおよび多重特異性結合物を含む試料を、多重特異性結合物の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する単一特異性結合物と共にインキュベートする段階、
-単一特異性結合物と多重特異性結合物との複合体を試料から枯渇させた後に、遊離型の結合パートナーの存在または量を測定する段階、ならびに
-多重特異性結合物を枯渇させた試料中の(遊離型の第1の)結合パートナーの量を測定する段階。
多重特異性結合物の第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の結合パートナーと共にインキュベートすることによって、多重特異性結合物は試料から除去される/枯渇させられる。同時に、(第1の)結合パートナーと多重特異性結合物との複合体もまた、試料から除去される。
1つの態様において、多重特異性結合物は、抗体、抗体もしくは抗体断片および非抗体ポリペプチドを含む融合ポリペプチド、抗体もしくは抗体断片および可溶性受容体を含む融合ポリペプチド、または抗体もしくは抗体断片およびペプチド性結合分子を含む融合ポリペプチドから選択される。
1つの態様において、多重特異性結合物は抗体である。1つの態様において、抗体は、二重特異性抗体、または三重特異性抗体、または四重特異性抗体、または五重特異性抗体、または六重特異性抗体である。1つの態様において、抗体は二重特異性抗体である。
1つの態様において、単一特異性結合物は、抗イディオタイプ抗体である。
1つの態様において、結合特異性は、結合部位、または抗体重鎖可変ドメインおよび抗体軽鎖可変ドメインのペアである。
1つの態様において、第2の結合パートナーまたは単一特異性結合物は、固相に結合されている。
1つの態様において、第2の結合パートナーはビオチン標識され、固相はストレプトアビジンでコーティングされている。1つの態様において、固相は、ストレプトアビジンでコーティングされた常磁性ビーズまたはストレプトアビジンでコーティングされたセファロースビーズである。
本明細書において報告される1つの局面は、イムノアッセイ法を用いて試料中の多重特異性結合物の結合パートナーの存在および/または量を免疫学的に測定するための方法であって、多重特異性結合物を試料から枯渇させた後に結合パートナーを測定する、方法である。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、結合パートナーは、遊離型の結合パートナー、すなわち、多重特異性結合物と結合もしておらず複合体も形成していない、結合パートナーである。
1つの態様において、第2の結合パートナーは、ビオチン標識された第2の結合パートナーであり、ストレプトアビジンを介して固相に連結されている。
本明細書において報告される方法の1つの態様において、第2の結合パートナーは、固相に連結されている部位が異なる少なくとも2種の第2の結合パートナーを含む混合物である。1つの態様において、この部位は、第2の結合パートナーのアミノ酸配列のアミノ酸位置である。
1つの態様において、第1の結合パートナーはポリペプチドである。
1つの態様において、第2の結合パートナーはポリペプチドである。
1つの態様において、連結パートナーへのポリペプチドの連結は、ポリペプチドのアミノ酸骨格のN末端基および/もしくはε-アミノ基(リジン)、異なるリジンのε-アミノ基、カルボキシ官能基、スルフヒドリル官能基、ヒドロキシル官能基、および/もしくはフェノール官能基、ならびに/またはポリペプチドの炭水化物構造の糖アルコール基を介した化学的結合によって実施される。
1つの態様において、第2の結合パートナーは、少なくとも2つの異なるアミノ基を介して固相に連結された第2の結合パートナーを含む混合物である。異なるアミノ基を介したこのような連結(coupling)は、第1の段階において、例えばシトラコニル化による、化学的保護剤によるε-アミノ基の一部分のアシル化によって実施することができる。第2の段階において、残存するアミノ基を介して連結が実施される。続いて、シトラコニル化(citraconylation)が取り消され、残存する遊離アミノ基を介して、結合パートナーが固相に連結される。すなわち、得られる結合パートナーは、シトラコニル化によって保護されていないアミノ基を介して固相に連結されている。適切な化学的保護剤は、保護されていない側鎖アミンにおいて結合を形成し、N末端における結合よりも安定性は低く、N末端における結合とは異なっている。このような多くの化学的保護剤が公知である(例えば、EP0651761を参照されたい)。1つの態様において、化学的保護剤には、マレイン酸無水物またはシトラコニル(citraconylic)酸無水物のような環式ジカルボン酸無水物が含まれる。
1つの態様において、第2の結合パートナーは、受動的吸着によって固相に連結されている。受動的吸着は、例えば、Butler, J.E., in "Solid Phases in Immunoassay" (1996) 205-225およびDiamandis, E.P., and Christopoulos, T.K. (Editors), in "Immunoassay" (1996) Academic Press (San Diego)によって説明されている。
1つの態様において、第2の結合パートナーは、特異的結合対によって連結(固定)されている。1つの態様において、このような結合対(第1の構成要素/第2の構成要素)は、ストレプトアビジンまたはアビジン/ビオチン、抗体/抗原(例えば、Hermanson, G.T., et al., Bioconjugate Techniques, Academic Press (1996)を参照されたい)、レクチン/多糖、ステロイド/ステロイド結合タンパク質、ホルモン/ホルモン受容体、酵素/基質、IgG/プロテインAおよび/またはプロテインGなどより選択される1つの態様において、第2の結合パートナーはビオチンに連結され、固定されたアビジンまたはストレプトアビジンを介して固定化が行われる。
本明細書において報告される1つの局面は、以下の段階を含む、試料中の多重特異性抗体の(第1の)抗原の存在および/または量を測定するためのインビトロの方法であって、検出されるべき抗原が、該多重特異性抗体の第1の結合特異性によって特異的に結合され得る、方法である:
-多重特異性抗体、多重特異性抗体結合型の(第1の)抗原、および遊離型の(第1の)抗原を含む試料を、該多重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の抗原と共にインキュベートする段階。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-多重特異性抗体、多重特異性抗体結合型の(第1の)抗原、および遊離型の(第1の)抗原を含む試料を、該多重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の抗原と共にインキュベートする段階、ならびに
-多重特異性抗体を枯渇させた試料中の(第1の)抗原の量を測定する段階。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-(第1の)抗原および多重特異性抗体を含む試料を、該多重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の抗原と共にインキュベートする段階、
-第2の抗原と多重特異性抗体との複合体を試料から枯渇させた後に、遊離型抗原の存在または量を測定する段階、ならびに
-多重特異性抗体を枯渇させた試料中の(第1の)抗原の量を測定する段階。
多重特異性抗体の第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の抗原と共にインキュベートすることによって、多重特異性抗体は試料から除去される。同時に、(第1の)抗原と多重特異性抗体との複合体もまた、試料から除去される。
1つの態様において、試料は、多重特異性抗体、遊離型の(第1の)抗原および多重特異性抗体と抗原との複合体を含み、検出は、多重特異性抗体の遊離型の(第1の)抗原についてである。
1つの態様において、第2の抗原は、常磁性ビーズに連結されている。
1つの態様において、第2の抗原は、固相に連結されている。
1つの態様において、第2の抗原はビオチン標識され、固相はストレプトアビジンでコーティングされている。1つの態様において、固相は、ストレプトアビジンでコーティングされた常磁性ビーズまたはストレプトアビジンでコーティングされたセファロースビーズである。
1つの態様において、結合特異性は結合部位である。1つの態様において、結合部位は、抗体重鎖可変ドメインおよび抗体軽鎖可変ドメインのペアである。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-多重特異性抗体、多重特異性抗体結合型の(第1の)抗原、および遊離型の(第1の)抗原を含む試料を、該多重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の抗原と共にインキュベートして、第2の抗原と多重特異性抗体との複合体形成させる段階、ならびに
-第2の抗原と多重特異性抗体との複合体を該試料から除去する段階。
1つの態様において、第2の抗原と多重特異性抗体との複合体は、第2の抗原と多重特異性抗体との複合体および第2の抗原と多重特異性抗体と(第1の)抗原との複合体の混合物である。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-(第1の)抗原および多重特異性抗体を含む試料を、該多重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の抗原と共にインキュベートして、第2の抗原と多重特異性抗体との複合体形成させる段階、
-第2の抗原と多重特異性抗体との複合体を該試料から除去する段階、ならびに
-多重特異性抗体を枯渇させた試料中の(第1の)抗原の量を測定する段階。
1つの態様において、(第1の)抗原の量を測定する段階は、以下の段階を含む:
-多重特異性抗体を枯渇させた試料を、(第1の)抗原に特異的に結合する捕捉抗体と共にインキュベートして、捕捉抗体と(第1の)抗原との複合体形成させる段階、および
-形成された捕捉抗体と(第1の)抗原との複合体を、試料中の(第1の)抗原の量と関連付ける段階。
1つの態様において、(第1の)抗原の量を測定する段階は、以下の段階を含む:
-多重特異性抗体を枯渇させた試料を、(第1の)抗原に特異的に結合する捕捉抗体と共にインキュベートして、捕捉抗体と(第1の)抗原との複合体形成させる段階、
-捕捉抗体と(第1の)抗原との複合体をトレーサー抗体と共にインキュベートする段階であって、捕捉抗体およびトレーサー抗体が(第1の)抗原上の重複しないエピトープに結合する、段階、ならびに
-形成された捕捉抗体と(第1の)抗原とトレーサー抗体との複合体を、該試料中の該抗原の量と関連付ける段階。
1つの態様において、(第1の)抗原の量を測定する段階は、以下の段階を含む:
-多重特異性抗体を枯渇させた試料を、(第1の)抗原に特異的に結合する捕捉抗体と共にインキュベートして、捕捉抗体と(第1の)抗原との複合体形成させる段階、
-捕捉抗体と(第1の)抗原との複合体をトレーサー抗体と共にインキュベートする段階であって、捕捉抗体およびトレーサー抗体が(第1の)抗原上の重複しないエピトープに結合する、段階、
-捕捉抗体と(第1の)抗原とトレーサー抗体との複合体を、検出可能な標識を含む検出抗体と共にインキュベートする段階であって、該検出抗体が、該トレーサー抗体の可変ドメインの外側のエピトープにおいて該トレーサー抗体に特異的に結合する、段階、ならびに
-形成された捕捉抗体と(第1の)抗原とトレーサー抗体との複合体を、試料中の(第1の)抗原の量と関連付ける段階。
1つの態様において、多重特異性抗体は、第1の抗原にまたは抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する第1の結合特異性を有しかつ第2の抗原にまたは抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合特異性を有する、二重特異性抗体である。
1つの態様において、第1の抗原および第2の抗原は同じ抗原であり、第1の結合特異性は抗原上の第1のエピトープに結合し、第2の結合特異性は抗原上の第2のエピトープに結合し、その際、第2のエピトープは第1のエピトープに重複しないエピトープであり、第1の結合特異性の結合は、第2の結合特異性の結合の邪魔をしない。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-形成された複合体を試料から枯渇させた後に、(第1の)抗原の存在または量を測定する段階。
本明細書において報告される1つの局面は、以下の段階を含む、試料中の多重特異性抗体の(第1の)抗原の存在および/または量を測定するためのインビトロの方法であって、検出されるべき抗原が、該多重特異性抗体の第1の結合特異性によって特異的に結合され得る、方法である:
-(第1の)抗原を含む試料を、二重特異性抗体と第2の抗原との複合体、または二重特異性抗体と、二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体との複合体と共にインキュベートする段階。
1つの態様において、第2の抗原は、標識された第2の抗原である。1つの態様において、第2の抗原は、特異的結合対を介して固相に固定されている。1つの態様において、特異的結合対はビオチンおよびストレプトアビジンである。
1つの態様において、方法は、第2の段階として以下の段階を含む:
-第1の段階で形成された複合体を、二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて第1の抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートする段階。
本明細書において報告される1つの局面は、以下の段階を含む、試料中の二重特異性抗体の(第1の)抗原の存在および/または量を測定するためのインビトロの方法であって、検出されるべき抗原が、該二重特異性抗体の第1の結合特異性によって特異的に結合され得る、方法である:
-(第1の)抗原を含む試料を、二重特異性抗体および第2の抗原、または二重特異性抗体および二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、第2の抗原または抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階。
1つの態様において、方法は、第2の段階として以下の段階を含む:
-第1の段階で形成された複合体を、二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて第1の抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体の(第1の)抗原の量を測定する段階。
本明細書において報告される1つの局面は、以下の段階を含む、二重特異性抗体と複合体形成している(第1の抗原と二重特異性抗体との複合体)、試料中の二重特異性抗体の(第1の)抗原の存在および/または量を測定するためのインビトロの方法であって、検出されるべき抗原が、該二重特異性抗体の第1の結合特異性によって特異的に結合され得る、方法である:
-(第1の)抗原および該二重特異性抗体を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階。
1つの態様において、方法は、第2の段階として以下の段階を含む:
-第1の段階で形成された複合体を、二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて第1の抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体と複合体形成している(第1の抗原と二重特異性抗体との複合体)、二重特異性抗体の(第1の)抗原の量を測定する段階。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-形成された複合体を試料から枯渇させた後に、(第1の)抗原の存在または量を測定する段階。
[本発明1001]
以下の段階を含む、試料中の二重特異性抗体の抗原の存在および/または量を測定するための方法であって、検出されるべき抗原が、該二重特異性抗体の第1の結合特異性によって特異的に結合され得、かつ該抗原が二重特異性抗体と複合体形成する(抗原と二重特異性抗体との複合体)、方法:
-該抗原および該二重特異性抗体を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階。
[本発明1002]
以下の段階を含むことを特徴とする、本発明1001の方法:
-抗原および二重特異性抗体を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
-抗原と二重特異性抗体と抗イディオタイプ抗体との複合体を検出し、それによって、二重特異性抗体の抗原の存在および/または量を測定する段階。
[本発明1003]
以下の段階を含むことを特徴とする、本発明1001または1002の方法:
-抗原および二重特異性抗体を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
-第1の段階で形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体の該抗原の存在および/または量を測定する段階。
[本発明1004]
二重特異性抗体と複合体形成する該二重特異性抗体の抗原の存在および/または量を測定するためのものであることを特徴とする、本発明1001〜1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
以下の段階を含むことを特徴とする、本発明1001〜1004のいずれかの方法:
-抗原および二重特異性抗体を含む試料を提供する段階であって、少なくとも90%の該抗原が該二重特異性抗体と複合体形成する、段階
-抗原および二重特異性抗体を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
-第1の段階で形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体の該抗原の存在および/または量を測定する段階。
[本発明1006]
以下の段階を含むことを特徴とする、本発明1001〜1004のいずれかの方法:
-抗原および二重特異性抗体を含む試料をインキュベートする段階であって、該二重特異性抗体が、少なくとも90%の該抗原が該二重特異性抗体と複合体形成する試料を提供する量である、段階、
-該二重特異性抗体と複合体形成した該抗原を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
-前の段階で形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体の該抗原の存在および/または量を測定する段階。
[本発明1007]
二重特異性抗体の量が、1μg/ml試料〜10μg/ml試料の間であることを特徴とする、本発明1006の方法。
[本発明1008]
少なくとも95%の抗原が二重特異性抗体と複合体形成することを特徴とする、本発明1006または1007の方法。
[本発明1009]
少なくとも98%の抗原が二重特異性抗体と複合体形成することを特徴とする、本発明1008の方法。
[本発明1010]
以下の段階を含む、試料中の、二重特異性抗体の抗体結合型抗原の量を測定するための方法であって、該抗原が、該二重特異性抗体の第1の結合特異性によって特異的に結合され得る、方法:
-抗原および二重特異性抗体を含む試料の第1のアリコートをインキュベートする段階であって、該二重特異性抗体が、少なくとも90%の該抗原が該二重特異性抗体と複合体形成する試料を提供する量である、段階、
-該二重特異性抗体と複合体形成した該抗原を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
-前の段階で形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体の該抗原の存在および/または量を測定し、かつそれによって、該試料中に存在する該抗原の総量を測定する、段階、
-該抗原および該二重特異性抗体を含む該試料の第2のアリコートを、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
-形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合している該エピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中に存在する二重特異性抗体の遊離型抗原の量を測定する段階、ならびに
-試料中に存在する該抗原の総量と試料中に存在する遊離型抗原の量の差によって、二重特異性抗体の抗体結合型抗原の量を測定する段階。
[本発明1011]
以下の段階を含む、試料中の多重特異性抗体の抗原の存在および/または量を測定するための方法であって、該抗原が、該多重特異性抗体の第1の結合特異性によって特異的に結合され得る、方法:
-抗原および多重特異性抗体を含む試料を、該多重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の抗原と共にインキュベートする段階、ならびに
-第2の抗原と多重特異性抗体との複合体を試料から除去した後に、抗原の存在および/または量を測定する段階。
[本発明1012]
第2の抗原が固相に連結されていることを特徴とする、本発明1011の方法。
[本発明1013]
第2の抗原が常磁性ビーズに連結されていることを特徴とする、本発明1011または1012の方法。
[本発明1014]
以下の段階を含むことを特徴とする、本発明1011〜1013のいずれかの方法:
-抗原および多重特異性抗体を含む試料を、該多重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の抗原と共にインキュベートして、第2の抗原と多重特異性抗体との複合体形成させる段階、
-第2の抗原と多重特異性抗体との複合体を該試料から除去する段階、ならびに
-多重特異性抗体を枯渇させた試料中の該抗原を測定する段階。
[本発明1015]
抗原を測定する段階が以下の段階を含むことを特徴とする、本発明1011〜1014のいずれかの方法:
-多重特異性抗体を枯渇させた試料を、該抗原に特異的に結合する捕捉抗体と共にインキュベートして、捕捉抗体と抗原との複合体形成させる段階、および
-形成された捕捉抗体と抗原との複合体を、該試料中の該抗原の量と関連付ける段階。
[本発明1016]
抗原を測定する段階が以下の段階を含むことを特徴とする、本発明1011〜1015のいずれかの方法:
-多重特異性抗体を枯渇させた試料を、該抗原に特異的に結合する捕捉抗体と共にインキュベートして、捕捉抗体と抗原との複合体形成させる段階、
-該捕捉抗体と抗原との複合体をトレーサー抗体と共にインキュベートする段階であって、該捕捉抗体および該トレーサー抗体が該抗原上の重複しないエピトープに結合する、段階、ならびに
-形成された捕捉抗体と抗原とトレーサー抗体との複合体を、該試料中の該抗原の量と関連付ける段階。
[本発明1017]
抗原を測定する段階が以下の段階を含むことを特徴とする、本発明1011〜1016のいずれかの方法:
-多重特異性抗体を枯渇させた試料を、該抗原に特異的に結合する捕捉抗体と共にインキュベートして、捕捉抗体と抗原との複合体形成させる段階、
-該捕捉抗体と抗原との複合体をトレーサー抗体と共にインキュベートする段階であって、該捕捉抗体および該トレーサー抗体が該抗原上の重複しないエピトープに結合する、段階、
-捕捉抗体と抗原とトレーサー抗体との複合体を、検出可能な標識を含む検出抗体と共にインキュベートする段階であって、該検出抗体が、該トレーサー抗体の可変ドメインの外側のエピトープにおいて該トレーサー抗体に特異的に結合する、段階、ならびに
-形成された捕捉抗体と抗原とトレーサー抗体との複合体を、該試料中の該抗原の量と関連付ける段階。
[本発明1018]
多重特異性抗体が、第1の抗原にまたは抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する第1の結合特異性を有しかつ第2の抗原にまたは該抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合特異性を有する、二重特異性抗体であることを特徴とする、本発明1011〜1017のいずれかの方法。
[本発明1019]
測定が、多重特異性抗体の遊離型抗原についてであることを特徴とする、本発明1011〜1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
以下の段階を含む、試料中の二重特異性抗体と複合体形成している該二重特異性抗体の抗原の量を測定するための方法:
-該抗原および該二重特異性抗体を含む試料を、該抗原が結合されている結合特異性とは異なる該二重特異性抗体の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階。
[本発明1021]
第2の段階として以下の段階を含むことを特徴とする、本発明1020の方法:
-第1の段階で形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合している該エピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体と複合体形成している二重特異性抗体の抗原の量を測定する、段階。
発明の詳細な説明
前臨床試料および臨床試料において二重特異性抗体/薬物のような多重特異性結合物の「遊離型結合パートナーおよび/またはすべての結合パートナー(total binding partner)」を検出するために試料を前処理するためのインビトロの方法が、本明細書において報告される。
多重特異性結合物を試料から枯渇させた後に遊離型の結合パートナーを検出するのが有利であることが判明している。
試料中のほぼすべての(about the total)結合パートナーを所定の複合体に変換するために、試料を試料の多重特異性結合物と共にインキュベートすることが有利であることが判明している。
抗イディオタイプ抗体を用いて多重特異性結合物を捕捉することが有利であることが判明している。
治療的多重特異性抗体の第1の結合特異性によって結合され得るが結合されていない(遊離型の第1の)抗原のレベルを測定するにあたっての、治療的多重特異性抗体の第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の結合パートナーの使用が、本明細書において報告される。第2の抗原は、多重特異性抗体および多重特異性抗体と検出されるべき抗原との複合体を試料から枯渇させるために使用される。
したがって、多重特異性結合物の第1の結合特異性によって特異的に結合され得る、多重特異性結合物の遊離型の(第1の)結合パートナー(抗原、標的、分析物)を測定するためのインビトロの方法であって、多重特異性結合物の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性によって特異的に結合され得かつそれによって多重特異性結合物および多重特異性結合物と(第1の)結合パートナーとの複合体を試料から枯渇させる第2の結合パートナーと共に、試料をインキュベートすることによって、遊離型の結合パートナーを測定する前に多重特異性結合物を試料から枯渇させる、方法が、本明細書において報告される。
以下に、多数の抗原または同じ抗原上のエピトープに特異的に結合する多重特異性抗体を多重特異性結合物の態様として用い、多重特異性抗体の第1の結合特異性によって特異的に結合され得る(第1の)抗原を(第1の)結合パートナーの態様として用いて、本明細書において報告される方法を例示する。
本明細書における「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、限定されるわけではないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、および所望の抗原結合活性を示す限りにおいて抗体断片を含む、様々な抗体構造体を包含する。
一定の態様において、抗体は、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体である。一定の態様において、結合特異性の内の一方は、第1の抗原に対するものであり、他方は、異なる第2の抗原に対するものである。一定の態様において、二重特異性抗体は、同じ抗原の2つの異なるエピトープに結合してよい。二重特異性抗体は、完全長抗体または抗体断片として調製することができる。1つの態様において、抗体は、第1の抗原および第2の抗原に特異的に結合する二重特異性抗体である。1つの態様において、二重特異性抗体は、i)第1の抗原にまたは抗原上の第1のエピトープに特異的に結合する第1の結合特異性を有し、かつii)第2の抗原にまたは同じ抗原上の第2のエピトープに特異的に結合する第2の結合特異性を有する。1つの態様において、同じ抗原上の第2のエピトープは、重複しないエピトープである。
多重特異性抗体は、WO2009/080251、WO2009/080252、WO2009/080253、WO2009/080254、WO2010/112193、WO2010/115589、WO2010/136172、WO2010/145792、またはWO2010/145793において説明されている。
「抗体断片」とは、インタクト抗体が結合する抗原に結合するインタクト抗体の一部分を含む、インタクト抗体以外の分子を意味する。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab'、Fab'-SH、F(ab')2;ダイアボディ、直鎖状抗体、単鎖抗体分子(例えばscFv)、および抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
抗体の「クラス」とは、その重鎖が有する定常ドメインまたは定常領域のタイプを意味する。抗体には5つの主要なクラス、すなわちIgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、これらの内のいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2にさらに分類され得る。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。
「遊離型抗原」という用語は、ある抗体の結合特異性によって特異的に結合され得るが、現在はこの結合特異性に結合していない抗原を意味する。1つの態様において、遊離型抗原は、抗体に結合されていない抗原または抗体と複合体形成していない抗原である。
本明細書における「Fc領域」という用語は、定常領域の少なくとも一部分を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。この用語は、天然配列のFc領域および変種Fc領域を含む。1つの態様において、ヒトIgG重鎖Fc領域は、重鎖のCys226またはPro230からカルボキシル末端まで伸びる。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、存在する場合もあれば存在しない場合もある。本明細書において別段の指定が無い限り、Fc領域中または定常領域中のアミノ酸残基の番号付与は、EU指標とも呼ばれるEU番号付与方式に従い、これは、Kabat, E.A. et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991), NIH Publication 91-3242において説明されている。
「フレームワーク」または「FR」は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を意味する。一般に、可変ドメインのFRは、4つのFRドメイン、すなわちFR1、FR2、FR3、およびFR4からなる。したがって、一般に、HVR配列およびFR配列はVH(またはVL)中に次の順序で現われる:FR1-H1(L1)-FR2-H2(L2)-FR3-H3(L3)-FR4。
「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞によって産生されるか、またはヒト抗体レパートリーもしくは他のヒト抗体コード配列を使用する非ヒト供給源に由来する抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を具体的には除く。
「ヒト化」抗体とは、非ヒトHVRに由来するアミノ酸残基およびヒトFRに由来するアミノ酸残基を含むキメラ抗体を意味する。一定の態様において、ヒト化抗体は、HVR(例えばCDR)のすべてまたは実質的にすべてが非ヒト抗体のものに相当し、FRのすべてまたは実質的にすべてがヒト抗体のものに相当する、少なくとも1つ、および典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含む。ヒト化抗体は、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部分を任意で含んでよい。抗体、例えば、非ヒト抗体の「ヒト化型」とは、ヒト化を受けた抗体を意味する。
本明細書において使用される「超可変領域」または「HVR」という用語は、配列が超可変性であり、かつ/または特徴的な構造の(structurally defined)ループ(「超可変ループ」)を形成する、抗体可変ドメインの各領域を意味する。一般に、天然の4鎖抗体は6個のHVRを含む。3個はVH中にあり(H1、H2、H3)、3個はVL中にある(L1、L2、L3)。一般に、HVRは、超可変ループおよび/または「相補性決定領域」(CDR)に由来するアミノ酸残基を含み、後者は、配列の可変性が最も高く、かつ/または抗原認識に関与している。例示的な超可変ループは、アミノ酸残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、91〜96(L3)、26〜32(H1)、53〜55(H2)、および96〜101(H3)に存在する(Chothia, C. and Lesk, A.M., J. Mol. Biol. 196 (1987) 901-917)。例示的なCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3)は、L1のアミノ酸残基24〜34、L2のアミノ酸残基50〜56、L3のアミノ酸残基89〜97、H1のアミノ酸残基31〜35B、H2のアミノ酸残基50〜65、およびH3のアミノ酸残基95〜102に存在する(Kabat, E.A. et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991), NIH Publication 91-3242)。VH中のCDR1は例外として、一般に、CDRは、超可変ループを形成するアミノ酸残基を含む。また、CDRは、抗原に接触する残基である「特異性決定残基」または「SDR」も含む。SDRは、短縮CDRまたはa-CDRと呼ばれるCDR領域内に含まれる。例示的なa-CDR(a-CDR-L1、a-CDR-L2、a-CDR-L3、a-CDR-H1、a-CDR-H2、およびa-CDR-H3)は、L1のアミノ酸残基31〜34、L2のアミノ酸残基50〜55、L3のアミノ酸残基89〜96、H1のアミノ酸残基31〜35B、H2のアミノ酸残基50〜58、およびH3のアミノ酸残基95〜102に存在する(Almagro, J.C. and Fransson, J., Front. Biosci. 13 (2008) 1619-1633)。別段の定めが無い限り、本明細書において、可変ドメイン中のHVR残基および他の残基(例えばFR残基)は上記のKabat et al.に従って番号を付与する。
本明細書において使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体集団から得られた抗体を意味する。すなわち、この集団を構成する個々の抗体は、存在し得る変種抗体を除いて、同一であり、かつ/または同じエピトープに結合する。例えば、天然に存在する変異を含むか、またはモノクローナル抗体調製物を作製する間に発生するこのような変種は通常、少量で存在する。様々な決定基(エピトープ)を対象とする様々な抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、1つの抗原上の単一の決定基を対象とする。したがって、「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体集団から得られたものであるという抗体の特徴を示し、いずれかの特定の方法によって抗体を作製することを要すると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用するためのモノクローナル抗体は、限定されるわけではないが、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、およびヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部または一部分を含むトランスジェニック動物を使用する方法を含む、様々な技術によって作製することができ、モノクローナル抗体を作製するためのこのような方法および他の例示的な方法は、本明細書において説明される。
「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって連結されたアミノ酸からなるポリマーであり、天然に産生されるか、または合成的に作製されるかを問わない。約20個未満のアミノ酸残基からなるポリペプチドは、「ペプチド」と呼ばれ得るのに対し、2つもしくはそれ以上のポリペプチドからなるか、または100個より多いアミノ酸残基からなる1つのポリペプチドを含む分子は、「タンパク質」と呼ばれ得る。また、ポリペプチドは、炭水化物基、金属イオン、またはカルボン酸エステルなどの非アミノ酸構成要素を含んでもよい。非アミノ酸構成要素は、ポリペプチドが発現される場の細胞によって付加されてよく、細胞のタイプによって様々であり得る。本明細書において、ポリペプチドは、それらのアミノ酸骨格構造またはそれをコードする核酸の観点から定義される。通常、炭水化物基などの付加は詳述されないが、それでもなお存在してよい。
「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、抗体が抗原に結合するのに関与している抗体重鎖または抗体軽鎖のドメインを意味する。一般に、天然抗体の重鎖および軽鎖(それぞれVHおよびVL)の可変ドメインは、4つの保存されているフレームワーク領域(FR)および3つの超可変領域(HVR)を各ドメインが含む、類似した構造を有する (例えば、Kindt, T.J. et al. Kuby Immunology, 6th ed., W.H. Freeman and Co., N.Y. (2007), page 91を参照されたい)。1つのVHドメインまたはVLドメインは、抗原結合特異性を与えるのに十分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体は、その抗原に結合する抗体に由来するVHドメインまたはVLドメインを用いて、相補的なVLドメインまたはVHドメインのライブラリーをそれぞれスクリーニングして、単離することができる(例えば、Portolano, S. et al., J. Immunol. 150 (1993) 880-887; Clackson, T. et al., Nature 352 (1991) 624-628を参照されたい)。
「抗イディオタイプ抗体」という用語は、親抗体の結合部位のような結合特異性に特異的に結合する、すなわち、例えば親抗体の抗原結合部位に対する、抗体を意味する。1つの態様において、抗イディオタイプ抗体は、親抗体のCDRの内の1つまたは複数に特異的に結合する。1つの態様において、親抗体は治療的抗体である。1つの態様において、親抗体は多重特異性抗体である。1つの態様において、親抗体は二重特異性抗体である。
次の場合、2つのエピトープは重複している:問題のエピトープの濃度を20〜50nM、エピトープ重複を検出すべき抗体の濃度を100nMとした、固定された抗体および可溶性抗原(逆もまた同様)を用いた表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイ法によって、50%またはそれ以上、1つの態様においては75%またはそれ以上のシグナル低下が検出された場合。あるいは、同じ抗原に結合する2種の抗体のエピトープ重複を競合試験系の助けを借りて判定する方法を使用することもできる。この目的のために、例えば、組換え抗原エピトープを発現する細胞を使用する細胞ベースの酵素免疫測定法(ELISA)の助けを借りて、エピトープ重複を検出すべき抗体が、固定された抗原への結合を得るために他の抗体と競合するかが試験される。この目的のために、固定された抗原は、標識された形態の抗体および過剰量のエピトープ重複を判定すべき抗体と共にインキュベートされる。結合された標識を検出することによって、エピトープ重複を容易に確認することができる。公知の抗体を基準として(referred to the known antibody)、同濃度において70%を超える、1つの態様においては80%を超えるシグナル低下、または高濃度(1つの事例では105倍過剰のエピトープ重複を判定すべき抗体を用いる)において80%を超える置換(displacement)、1つの態様においては90%を超える置換が測定される場合、エピトープの同一性または重複が存在し、両方の抗体が、同じ抗原上の同じエピトープまたは重複するエピトープに結合する。
様々なイムノアッセイ法の原理は、例えば、Hage, D.S. (Anal. Chem. 71 (1999) 294R-304R)によって説明されている。Lu, B., et al. (Analyst 121 (1996) 29R-32R)によって、イムノアッセイ法において使用するための抗体の方向付けられた固定が報告されている。アビジン-ビオチンを媒介としたイムノアッセイ法は、例えば、Wilchek, M., and Bayer, E.A., in Methods Enzymol. 184 (1990) 467-469によって報告されている。
ポリペプチドならびにモノクローナル抗体およびそれらの定常ドメインは、結合パートナー、例えば、表面(surface)、タンパク質、ポリマー(例えば、PEG、セルロース、もしくはポリスチロール)、酵素、または結合パートナーのメンバーに結合するためのいくつかの反応性アミノ酸側鎖を含む。アミノ酸の化学的反応性基は、例えば、アミノ基(リジン、α-アミノ基)、チオール基(シスチン(cystin)、システイン、およびメチオニン(methionin))、カルボン酸基(アスパラギン酸、グルタミン酸)、ならびに糖アルコール基である。このような方法は、例えば、Aslam M., and Dent, A., in "Bioconjugation", MacMillan Ref. Ltd. 1999, pp. 50-100によって説明されている。
ポリペプチドおよび抗体の最も一般的な反応性基の内の1つは、アミノ酸リジンの脂肪族ε-アミンである。一般に、ほぼすべてのポリペプチドおよび抗体が、豊富なリジンを含んでいる。リジンのアミンは、pH8.0より上でかなり良い求核剤であり(pKa=9.18)、したがって、様々な試薬と容易かつきちんと(cleanly)反応して、安定な結合を形成する。アミン反応性の試薬は、リジンおよびタンパク質のα-アミノ基と主に反応する。反応性エステル、特にN-ヒドロキシ-スクシンイミド(NHS)エステルは、アミン基の修飾のために最も一般的に使用される試薬の1つである。水性環境における反応のための最適pHは、pH8.0〜9.0である。イソチオシアナートは、アミン修飾試薬であり、タンパク質とチオ尿素結合を形成する。これらは、(最適には、pH9.0〜9.5で)水溶液中のタンパク質アミンと反応する。アルデヒドは、穏やかな水性条件下で脂肪族および芳香族のアミン、ヒドラジン、およびヒドラジドと反応して、イミン中間体(シッフ塩基)を形成する。シッフ塩基は、穏やかな還元剤または強力な還元剤(水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなど)を用いて選択的に還元して、安定なアルキルアミン結合を誘導することができる。アミンを修飾するのに使用されている他の試薬は、酸無水物である。例えば、ジエチレントリアミン五酢酸無水物(DTPA)は、2つのアミン反応性無水物基を含む、二官能性キレート剤である。これは、アミノ酸のN末端基およびε-アミン基と反応してアミド結合を形成することができる。無水物環が開いて、配位化合物中の金属にしっかりと結合できる多価の金属キレート化アーム(metal-chelating arm)を作り出す。
ポリペプチドおよび抗体中の別の一般的な反応性基は、硫黄含有アミノ酸シスチンおよびその還元生成物システイン(またはハーフシスチン)に由来するチオール残基である。システインは、アミンよりも求核性が高く、通常、タンパク質中の最も反応性の高い官能基である、遊離チオール基を含む。通常、チオールは中性pHにおいて反応性であり、したがって、アミンの存在下で選択的に他の分子と結合し得る。遊離スルフヒドリル基は比較的よく反応するため、これらの基を有するタンパク質はしばしば、それらがジスルフィド基またはジスルフィド結合として酸化された形態で存在する。このようなタンパク質では、反応性の遊離チオールを生じさせるために、ジチオスレイトール(DTT) のような試薬を用いてジスルフィド結合を還元することが必要とされる。チオール反応性試薬は、ポリペプチド上のチオール基に結合して、チオエーテル結合生成物を形成するものである。これらの試薬は、微酸性〜中性pHで迅速に反応し、したがって、アミン基の存在下で選択的に反応させることができる。反応性アミノ基を介して複数のスルフヒドリル基を導入する効率的な方法を提供するためにトラウト試薬(Traut's reagent)(2-イミノチオラン)、スクシンイミジル (アセチルチオ)アセタート(SATA)、およびスルホスクシンイミジル6-[3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド] ヘキサノアート (スルホ-LC-SPDP)などのいくつかのチオール化架橋試薬を使用することが、文献で報告されている。ハロアセチル誘導体、例えばヨードアセトアミドは、チオエーテル結合を形成し、これらもまた、チオール改変用の試薬である。さらなる有用な試薬はマレイミドである。マレイミドとチオール反応性試薬との反応は、ヨードアセトアミドと本質的に同じである。マレイミドは、微酸性から中性pHで迅速に反応する。
ポリペプチドおよび抗体中の別の一般的な反応性基は、カルボン酸である。ポリペプチドおよび抗体は、C末端位に、ならびにアスパラギン酸およびグルタミン酸の側鎖内にカルボン酸基を含む。カルボン酸の水中での反応性は比較的低いため、ポリペプチドおよび抗体を選択的に改変するためにこれらの基を使用することは、通常、困難である。これを行う場合、通常は、水溶性カルボジイミドの使用によってカルボン酸基を反応性エステルに変換し、アミン、ヒドラジド、またはヒドラジンなどの求核試薬と反応させる。より高塩基性のリジンのε−アミンの存在下で活性化カルボン酸と選択的に反応させて安定なアミド結合を形成させるために、アミン含有試薬は弱塩基性であるべきである。pHを8.0より高くに上げると、タンパク質の架橋が起こり得る。
過ヨウ素酸ナトリウムは、抗体に結合した炭水化物部分内の糖のアルコール部分を酸化してアルデヒドにするために使用することができる。各アルデヒド基は、カルボン酸について説明したように、アミン、ヒドラジド、またはヒドラジンと反応させることができる。炭水化物部分は抗体の結晶化可能な断片(Fc)領域に主に存在するため、抗原結合部位から離れた炭水化物を部位特異的に改変することによって連結を実現することができる。シッフ塩基中間体が形成され、水溶性還元剤のシアノ水素化ホウ素ナトリウム(穏やかで選択的)または水素化ホウ素ナトリウム(強力)を用いてこの中間体を還元することによって、アルキルアミンに還元することができる。
「試料」という用語は、生物または元は生物であったものに由来する任意の量の物質を含むが、それに限定されるわけではない。このような生物には、ヒト、マウス、サル、ラット、ウサギ、および他の動物が含まれるが、それらに限定されるわけではない。1つの包埋(embedment)において、試料は、サル、特にカニクイザル、もしくはウサギ、またはマウスもしくはラットから取得される。このような物質には、1つの態様において個体由来の全血、血清、または血漿が含まれ、これらは臨床ルーチンにおいて最も広く使用される試料源であるが、それらに限定されるわけではない。
「固相」という用語は、非流動性物質を意味し、ポリマー、金属(常磁性粒子、強磁性粒子)、ガラス、およびセラミックなどの材料から作製された粒子 (微粒子およびビーズを含む);シリカ、アルミナ、およびポリマーゲルなどのゲル物質;ポリマー、金属、ガラス、および/またはセラミック製であり得るキャピラリー;ゼオライトおよび他の多孔性物質;電極;マイクロタイタープレート;ソリッドストリップ(solid strip);ならびにキュベット、チューブ、または他の分光計用試料容器が含まれる。「固相」が、試料中のある物質と相互作用すると意図される少なくとも1つの部分をその表面に含むという点で、固相構成要素は、不活性な固体表面と区別される。固相は、チューブ、ストリップ、キュベット、もしくはマイクロタイタープレートなどの静止構成要素であってよく、またはビーズおよび微粒子などの非静止構成要素であってよい。タンパク質および他の物質の非共有結合または共有結合のいずれかを可能にする様々な微粒子が、使用され得る。このような粒子には、ポリスチレンおよびポリ(メチルメタクリラート)などのポリマー粒子;金ナノ粒子および金コロイドなどの金粒子;ならびにシリカ、ガラス、および金属酸化物粒子などのセラミック粒子が含まれる。例えば、Martin, C.R., et al., Analytical Chemistry-News & Features, 70 (1998) 322A-327AまたはButler, J.E., Methods 22 (2000) 4-23を参照されたい。
1つの態様において、検出可能な標識は、色素原(蛍光基または発光基および色素)、酵素、NMR-活性基、金属粒子、またはジゴキシゲニン(digoxygenin)のようなハプテンから選択される。また、検出可能な標識は、光で活性化され得る架橋基、例えばアジド基またはアジリン基であってもよい。1つの態様において、電気化学発光に基づいて検出できる金属キレートもまた、シグナルを発する基であり、ルテニウムキレート、例えばルテニウム(ピスピリジル)3 2+キレートが特に好ましい。適切なルテニウム標識基は、例えば、EP0580979、WO90/05301、WO90/11511、およびWO 92/14138において説明されている。
試料中の多重特異性抗体の(遊離型の第1の)抗原の存在および/または量を測定するための方法であって、(遊離型の第1の)抗原の量を測定する前に該試料から複合型と非複合型両方の多重特異性抗体を枯渇させるための、測定されるべき(遊離型の第1の)抗原に特異的に結合する多重特異性抗体の結合特異性ではない該多重特異性抗体の1つの結合特異性によって特異的に結合され得る、固相に固定された第2の抗原を含む、方法が、本明細書において報告される。
1つの態様において、この方法は、第2の抗原と多重特異性抗体との複合体を試料から枯渇させた後に、遊離型の(第1の)存在または量を測定する段階を含む。
1つの態様において、多重特異性抗体を枯渇させた試料中の(遊離型の第1の)抗原の存在および/または量の測定は、抗原架橋(bridging)イムノアッセイ法による。1つの態様において、イムノアッセイ法は、捕捉抗体およびトレーサー抗体を含み、捕捉(capture)は固相に連結されており、トレーサー抗体は検出可能な標識に連結されている。
本明細書において報告される1つの局面は、以下の段階を含む、試料中の多重特異性抗体の(遊離型の第1の)抗原の存在および/または量を測定するためのインビトロの方法であって、検出されるべき抗原が、該多重特異性抗体の第1の結合特異性によって特異的に結合され得る、方法である:
-(第1の)抗原および多重特異性抗体を含む試料を、該多重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の抗原と共にインキュベートし、それによって多重特異性抗体を試料から除去する段階。
当業者は、抗原およびその抗原に特異的に結合できる抗体を含む試料が、平衡熱力学のために遊離型抗原、抗体結合型抗原、および遊離型抗体の混合物を含むことを認識している。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-(第1の)抗原および多重特異性抗体を含む試料を、該多重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の抗原と共にインキュベートして、第2の抗原と多重特異性抗体との複合体形成させる段階、ならびに
-第2の抗原と多重特異性抗体との複合体を該試料から除去する段階。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-(第1の)抗原および多重特異性抗体を含む試料を、該多重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の抗原と共にインキュベートして、第2の抗体(antibody)と多重特異性抗体との複合体形成させる段階、
-第2の抗原と多重特異性抗体との複合体を該試料から除去する段階、ならびに
-多重特異性抗体を枯渇させた試料中の(第1の)抗原の量を測定する段階。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-第2の抗原と多重特異性抗体との複合体を試料から枯渇させた後に、遊離型の(第1の)抗原の存在または量を測定する段階。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-(第1の)抗原および多重特異性抗体を含む試料を、該多重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性によって特異的に結合され得る第2の抗原と共にインキュベートする段階、
-第2の抗原と多重特異性抗体との複合体を試料から枯渇させた後に、遊離型の(第1の)抗原の存在または量を測定する段階、ならびに
-多重特異性抗体を枯渇させた試料中の(第1の)抗原の量を測定する段階。
1つの態様において、(第1の)抗原の存在および/または量を測定する段階は、抗原架橋イムノアッセイ法による。
1つの態様において、(第1の)抗原の存在および/または量を測定する段階は、遊離型の(第1の)抗原の量を測定する段階である。
1つの態様において、(第1の)抗原の存在および/または量を測定する段階は、以下の段階を含む:
-多重特異性抗体を枯渇させた試料を、(第1の)抗原に特異的に結合する捕捉抗体と共にインキュベートして、捕捉抗体と抗原との複合体形成させる段階、および
-形成された捕捉抗体と(第1の)抗原との複合体の量を、該試料中の該抗原の量と関連付ける段階。
1つの態様において、(第1の)抗原の存在および/または量を測定する段階は、以下の段階を含む:
-多重特異性抗体を枯渇させた試料を、(第1の)抗原に特異的に結合する捕捉抗体と共にインキュベートして、捕捉抗体と(第1の)抗原との複合体形成させる段階、
-捕捉抗体と(第1の)抗原との複合体をトレーサー抗体と共にインキュベートする段階であって、捕捉抗体およびトレーサー抗体が(第1の)抗原上の重複しないエピトープに結合する、段階、ならびに
-形成された捕捉抗体と(第1の)抗原とトレーサー抗体との複合体を、試料中の(第1の)抗原の量と関連付ける段階。
1つの態様において、トレーサー抗体は、検出可能な標識を含む。
1つの態様において、(第1の)抗原の存在および/または量を測定する段階は、以下の段階を含む:
-多重特異性抗体を枯渇させた試料を、(第1の)抗原に特異的に結合する捕捉抗体と共にインキュベートして、捕捉抗体と(第1の)抗原との複合体形成させる段階、
-捕捉抗体と(第1の)抗原との複合体をトレーサー抗体と共にインキュベートする段階であって、捕捉抗体およびトレーサー抗体が(第1の)抗原上の重複しないエピトープに結合する、段階、
-捕捉抗体と(第1の)抗原とトレーサー抗体との複合体を、検出可能な標識を含む検出抗体と共にインキュベートする段階であって、該検出抗体が、該トレーサー抗体の可変ドメインの外側のエピトープにおいて該トレーサー抗体に特異的に結合する、段階、ならびに
-形成された捕捉抗体と(第1の)抗原とトレーサー抗体との複合体を、試料中の(第1の)抗原の量と関連付ける段階。
1つの態様において、捕捉抗体およびトレーサー抗体は、(第1の)抗原上の重複しないエピトープに結合する。
本明細書において報告される方法の1つの態様において、(第1の)抗原は、遊離型の(第1の)抗原である。
1つの態様において、第2の抗原および/または捕捉抗体は、固相に連結されている。
本明細書において報告される方法において有用な第2の抗原および/または捕捉抗体は、固相に連結され得る。1つの態様において、連結は、抗原もしくは抗体のアミノ酸骨格のN末端基および/もしくはε-アミノ基(リジン)、異なるリジンのε-アミノ基、カルボキシ官能基、スルフヒドリル官能基、ヒドロキシル官能基、および/もしくはフェノール官能基、ならびに/または抗原および/もしくは抗体の炭水化物構造の糖アルコール基を介した化学的結合によって実施される。1つの態様において、第2の抗原および/または捕捉抗体は、固相に連結されている部位が異なる、固相に連結された少なくとも2つの第2の抗原および/または抗体の混合物である。例えば、固相に連結された少なくとも2つの第2の抗原および/または2つの抗体の混合物は、アミノ酸骨格のアミノ酸を介した固相への連結および炭水化物構造の糖アルコール基を介した固相への連結を含み得る。また、例えば、固相に連結された少なくとも2つの第2の抗原および/または2つの抗体の混合物は、それらのアミノ酸骨格の異なるアミノ酸残基を介して固相に連結された第2の抗原および/または抗体を含んでもよい。「異なるアミノ酸残基」という表現は、例えば、リジンおよびアスパラギン酸もしくはチロシンおよびグルタミン酸など2つの異なる種類のアミノ酸、または第2の抗原および/もしくは抗体のアミノ酸配列における位置が異なる、アミノ酸骨格の2つのアミノ酸残基のいずれかを意味する。後者の場合、アミノ酸は、同じ種類のものでも、異なる種類のものでもよい。「抗体部位が異なる」という表現は、部位の種類が異なること、例えば、アミノ酸基もしくは糖アルコール基、または例えば第2の抗原および/または抗体が固相に連結されている位置の、アミノ酸骨格のアミノ酸の番号が異なることのいずれかを意味する。逆もまた同様に、同じことが、本明細書において報告される方法において有用なトレーサー抗体に当てはまる。
方法の1つの態様において、イムノアッセイ法は、捕捉抗体、トレーサー抗体、および検出抗体を含み、その際、捕捉抗体は、ストレプトアビジンを介して固相に連結された抗原に対するビオチン標識抗体であり、トレーサー抗体は、ジゴキシゲニンに連結された抗原に対する抗体であり、検出抗体は、西洋ワサビペルオキシダーゼに連結されたジゴキシゲニンに対する抗体である。
抗原Xまたは抗原Yをそれぞれ測定するために、抗原Xおよび抗原Yに特異的に結合する二重特異性抗体からなる複合体を、抗原Xおよび/または抗原Yを含む試料から枯渇させるための一般的方法は、以下の段階を含む:
-抗原Xおよび抗原Yに特異的に結合する二重特異性抗体(抗X/Y抗体)との複合体を構築する段階:
一定濃度の抗原Xを、第1の結合特異性によって抗原Xに特異的に結合し、第2の結合特異性によって抗原Yに特異的に結合する漸増量の二重特異性モノクローナル抗体(抗X/Y抗体)と共に室温で1時間インキュベートする。その後、この試料を枯渇段階の陽性対照として使用する。
-枯渇段階:
抗X/Y抗体に結合した抗原Xを枯渇させる場合、ビオチン標識抗原(Y-BI)をストレプトアビジンでコーティングされた約10μg/mlの磁性ビーズ(SA-ビーズ)に結合させる。各試料について、600μlのSA-ビーズを洗浄し、磁気分離器を用いて上清から分離させる。ビオチン標識抗原Yを含む溶液600μlをSA-ビーズと混合し、室温で約1時間インキュベートする。磁気分離器を用いてビーズを3回洗浄することによって、過剰の未結合抗原を除去する。その後、抗原Yでコーティングされたビーズを、抗X/Y抗体と抗原Xとの複合体を含む約250μlの試料と共にインキュベートする。室温で約1時間、振盪しながら、混合物をインキュベートする。インキュベーション後、磁気分離器を用いてビーズを試料から分離させる。ELISAによって「遊離型」抗原Xの分析をするために、上清を採取する(例えば、実施例2を参照されたい)。残存しているビーズをELECSYS容器に移した。ユーザーガイドの標準的な操作手順に従ってELECSYS 2010分析器を用いて、ビーズに結合した抗原X(二重特異性抗体結合型抗原X)を分析する。
抗X/Y抗体に結合した抗原Yを枯渇させる場合、ビオチン標識抗原X(X-BI)を、ストレプトアビジンでコーティングされた約10μg/mlの磁性ビーズ(SAビーズ)に結合させる。各試料について、600μlのSA-ビーズを洗浄し、磁気分離器を用いて上清から分離させる。ビオチン標識抗原Xを含む溶液600μlをSA-ビーズと混合し、室温で約1時間インキュベートする。磁気分離器を用いてビーズを3回洗浄することによって、過剰の未結合抗原Xを除去する。その後、抗原Xビーズを、抗X/Y抗体と抗原Yとの複合体を含む約250μlの試料と共にインキュベートする。室温で約1時間、振盪しながら、混合物をインキュベートする。インキュベーション後、磁気分離器を用いてビーズを試料から分離させる。ELISAによって「遊離型」抗原Yの分析をするために、上清を採取する(例えば、実施例2を参照されたい)。残存しているビーズをELECSYS容器に移した。ユーザーガイドの標準的な操作手順に従ってELECSYS 2010分析器を用いて、ビーズに結合した抗原Y(二重特異性抗体結合型抗原Y)を分析する。
多重特異性抗体の薬物動態学的特性をインビボで測定する場合、遊離型の第1の抗原、遊離型の第2の抗原、遊離型の多重特異性抗体、ならびに多重特異性抗体と第1および/または第2の抗原との複合体の分布または量を測定することができる。
本明細書において報告される1つの局面は、以下の段階を含む、二重特異性抗体の遊離型の(第1の)抗原の存在および/または量を測定するのに適したインビトロの方法であって、(第1の)抗原が、二重特異性抗体の第1の結合特異性によって特異的に結合され得る、方法である:
-(第1の)抗原および二重特異性抗体を含む試料を、二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階。
1つの態様において、方法は、以下の段階を含む:
-(第1の)抗原および二重特異性抗体を含む試料を、二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階、
-抗イディオタイプ抗体と二重特異性抗体との複合体を該試料から除去する段階、ならびに
-二重特異性抗体を枯渇させた試料中の該抗原の量を測定する段階。
抗イディオタイプ抗体は、固相に結合され得る。
二重特異性抗体の検出は、捕捉分子、トレーサー分子、および検出分子を含む架橋アッセイ法を用いる免疫学的測定として実施することができる。
捕捉分子は、固相に結合され得る。通常、捕捉分子は、二重特異性抗体の結合パートナー(例えば、抗原の内の1つ)、二重特異性抗体の一般的な複合体形成物質(complexing agent)(例えば、完全長抗体の場合のFc受容体もしくは抗Fc領域抗体)、または二重特異性抗体の1つの結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体のいずれかであってよい。
トレーサー分子は、多重特異性結合物の結合パートナー(例えば、二重特異性抗体の抗原の内の1つ、ただし、1つの抗原が捕捉分子として使用されている場合には、別の抗原がトレーサー分子として使用されなければならない)、二重特異性抗体の一般的な複合体形成物質(例えば、完全長抗体の場合のFc受容体(ただし、この分子が捕捉分子として既に使用されていないことを条件とする)もしくは完全長抗体の場合の抗Fc領域抗体(ただし、同じ種類の抗体が捕捉分子としても使用されている場合は、この抗体が別のエピトープに結合することを条件とする))、または二重特異性抗体が結合対の第2のパートナーで誘導体化されている場合には結合パートナーの第1のパートナー(ただし、別の結合対が、捕捉分子を固定するのに使用されるものとして使用されることを条件とする)、または二重特異性抗体の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体(ただし、捕捉分子として使用される場合は、抗イディオタイプ抗体とは異なる結合特異性にこれが結合することを条件とする)のいずれかであってよい。
本明細書において報告される1つの局面は、以下の段階を含む、二重特異性抗体と複合体形成している(第1の抗原と二重特異性抗体との複合体)、試料中の二重特異性抗体の(第1の)抗原の存在および/または量を測定するためのインビトロの方法であって、検出されるべき抗原が、該二重特異性抗体の第1の結合特異性によって特異的に結合され得る、方法である:
-(第1の)抗原および該二重特異性抗体を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階。
1つの態様において、抗イディオタイプ抗体と二重特異性抗体と(第1の)抗原との複合体が、方法の第1の段階において形成される。
1つの態様において、方法は、第2の段階として以下の段階を含む:
-第1の段階で形成された複合体を、二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて(第1の)抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体と複合体形成している((第1の)抗原と二重特異性抗体との複合体)、二重特異性抗体の(第1の)抗原の存在および/または量を測定する段階。
全抗原、抗体結合型抗原、および遊離型抗原の測定は、治療的抗体を用いた治療法をモニターするの役に立つ。例えば、ANG2およびVEGFに特異的に結合する二重特異性抗体の場合、作用メカニズムは、両方の抗原が対応する受容体上に結合するのを妨害するものである。遊離型のリガンドがない場合、シグナル経路が遮断される。したがって、遊離型抗原および抗体結合型抗原の割合を測定することが可能であるかは、治療法、特に、用量設定および投薬頻度に影響する。全抗原は、遊離型抗原および(抗体)結合型抗原の合計に相当する。
患者の治療中、抗原および治療的抗体は同時に患者中に存在し、その複合体が形成される。したがって、抗体結合型抗原と遊離型抗原の間の平衡がインビボで存在する。平衡点(location of the equilibrium)は、例えば、試料の希釈または検出もしくは捕捉用に選択された抗体の影響をインビトロで受け得る。特に遊離型抗原の場合、「インビボ」で存在する量と「インビトロ」で測定された量の間には潜在的な不一致があり得る。前処理法に加えて、抗体結合型抗原および全抗原を分析的に測定し、続いて、それに基づいて遊離型抗原を測定することによって、これをさらに克服することができる。抗体結合型抗原および全抗原を測定するためのアッセイ法形式は、しばしば、異なった様式で設定される。例えば、アッセイ法のタイプが異なる場合があり、捕捉および検出のために使用される抗体が異なる場合があり、抗体結合型抗原の測定用に使用されるアッセイ法と全抗原の測定用に使用されるアッセイ法とでインキュベーション段階の順序および時間が異なる場合がある。
一方、実施例9および図13において、全抗原および抗体結合型抗原の両方の測定に使用され得るアッセイ法を説明する。この独特な特徴は、(治療的)抗体の二重特異性によって可能になり、第2の結合特異性に対する抗イディオタイプ抗体を利用する。
結合された標的は、インビボ試料、例えば血漿試料中で直接測定される。
簡潔には、過剰の二重特異性抗体をインビトロで添加することによって、試料中に存在する遊離型抗原が抗体結合型抗原に変換される。したがって、上記の結合された標的の場合とまったく同じアッセイ法の2回目を実施することによって、全抗原が測定される。二重特異性抗体のインビトロ添加を行った場合と行わなかった場合のアッセイ結果の差は、変換された標的、すなわち初めに存在した遊離型標的の量を反映している。
以下の実施例および添付の図面は、本発明の理解を助けるために提供され、本発明の真の範囲は添付の特許請求の範囲において説明される。本発明の精神から逸脱することなく、説明される手順に変更を加え得ることが理解される。
薬物結合型標的(二重特異性抗体に結合した抗原)と遊離型標的(遊離型抗原)の間の平衡。 HER3を用いた、抗c-MET/HER3二重特異性抗体に結合したc-METの枯渇;ストレプトアビジンでコーティングされた磁性ビーズ上に固定されたビオチン標識HER3;これらの磁性ビーズを試料、例えば血清試料と共にインキュベートした後、抗c-MET/HER3二重特異性抗体は、固定されたHER3によって結合され枯渇させられる;二重特異性抗体に結合したc-METも同時に枯渇させられる:遊離型c-MET(二重特異性抗体に結合していない)は、試料の上清中に残存する。 c-METを検出するためのサンドイッチELISA:ビオチン標識した抗c-MET抗体を、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレートに結合させる;固定された抗c-MET抗体は遊離型c-METに特異的に結合し、DIG標識した第2の抗c-MET抗体によって、結合型c-METの検出が可能になる;このアッセイ法は、枯渇後の試料上清中の「遊離型」c-METを検出するのに使用される。 免疫枯渇させる前および後の緩衝液中のc-METのアッセイシグナルレベル:100ng/ml c-METおよび漸増量の抗c-MET/HER3二重特異性抗体を含む試料を調製した:磁性ビーズに結合させたビオチン標識HER3を用いて、bsmAbと結合型c-METとの複合体を枯渇させた;図は、ELISAによって測定した、枯渇前および枯渇後のc-MET濃度を示す。 免疫枯渇させる前および後の血清中のc-METのアッセイシグナルレベル:100ng/ml c-METおよび漸増量の抗c-MET/HER3二重特異性抗体を含む試料を調製した:磁性ビーズに結合させたビオチン標識HER3を用いて、bsmAbと結合型c-METとの複合体を枯渇させた;図は、ELISAによって測定した、枯渇前および枯渇後のc-MET濃度を示す。 図5(A):他の抗原の助けを借りて二重特異性抗体の抗原を検出するためのELISA:ビオチン標識HER3を、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレートに結合させ、抗c-MET/HER3二重特異性抗体を固定するのに使用した;c-METは、固定された抗c-MET/HER3二重特異性抗体に結合する;(DIG標識した)第2の抗c-MET抗体をHRP標識したポリクローナル抗DIG抗体と共に用いることにより、結合型c-METの検出が可能になる。図5(B):二重特異性抗体の抗原を、この二重特異性抗体の他の結合特異性に対する抗イディオタイプ抗体の助けを借りて検出するためのELISA:HER3に特異的に結合する結合特異性に対するビオチン標識抗イディオタイプ抗体(idmAb<HER3>-BI)を、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレートに結合させ、抗c-MET/HER3二重特異性抗体を固定するのに使用した;c-METは、固定された抗c-MET/HER3二重特異性抗体に結合する;(DIG標識した)第2の抗c-MET抗体をHRP標識したポリクローナル抗DIG抗体と共に用いることにより、結合型c-METの検出が可能になる。 他の抗原の助けを借りて二重特異性抗体の抗原を検出するためのELISAの検量線。 抗ANG2/VEGF抗体を用いた、VEGF(二重特異性抗体に結合されたVEGF)を検出するためのサンドイッチELISA:二重特異性抗体のANG2結合特異性に対するビオチン標識抗イディオタイプ抗体を、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレートに結合させる。固定された抗イディオタイプ抗ANG2抗体は、抗ANG2/VEGF抗体との複合体を形成する。第2のジゴキシゲニン標識抗VEGF抗体を、二重特異性抗体結合型VEGFの検出のために使用する。 VEGFと抗ANG2/VEGF抗体との複合体を検出するためのELISAの検量線。0ng/ml〜50ng/mlのVEGF希釈系列を、500μg/mlの抗ANG2/VEGF抗体を含む血清に添加し、室温で1時間インキュベートした。実施例6で説明したようにして、試料を分析した。 ANG2と抗ANG2/VEGF抗体との複合体(二重特異性抗体に結合されたANG2)を検出するためのサンドイッチELISA:二重特異性抗体のVEGF結合特異性に対するビオチン標識抗イディオタイプ抗体を、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレートに結合させる。抗VEGF抗体に対する固定された抗イディオタイプ抗体は、抗ANG2/VEGF抗体との複合体を形成する。第2のジゴキシゲニン標識抗ANG2抗体を、結合型ANG2の検出のために使用する。 ANG2と抗ANG2/VEGF抗体との複合体を検出するためのELISAの検量線。0ng/ml〜5000ng/mlのANG2希釈系列を、5μg/mlの抗ANG2/VEGF抗体を含む血清に添加し、室温で1時間インキュベートした。実施例7で説明したようにして、試料を分析した。 VEGFと抗ANG2/VEGF抗体との複合体(二重特異性抗体に結合されたVEGF)を検出するためのサンドイッチELISA:ビオチン標識抗VEGF抗体を、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレートに結合させる。固定された抗VEGF抗体は、抗ANG2/VEGF抗体-VEGF複合体との複合体を形成する。抗ANG2抗体に対するジゴキシゲニン標識抗イディオタイプ抗体は、抗体結合型複合体を検出するのに使用される。 VEGFと抗ANG2/VEGF抗体との複合体を検出するためのELISAの検量線。0ng/ml〜10ng/mlのVEGF希釈系列を、抗ANG2/VEGF抗体を含む血清に添加し、室温で1時間インキュベートした。 ANG2と抗ANG2/VEGF抗体との複合体(二重特異性抗体に結合されたANG2)を検出するためのサンドイッチELISA:試料を抗ANG2/VEGF二重特異性抗体と共にインキュベートすることによって、遊離型ANG2を抗体結合型ANG2に変換する。二重特異性抗体のVEGF結合特異性に対するビオチン標識抗イディオタイプ抗体を、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレートに結合させる。抗VEGF抗体に対する固定された抗イディオタイプ抗体は、ANG2-抗ANG2/VEGF抗体複合体との複合体を形成する。抗ANG2/VEGF抗体とは異なるANG2上のエピトープに特異的に結合する第2のジゴキシゲニン標識抗ANG2抗体を、全ANG2の検出のために使用する。
実施例1
二重特異性薬物分子の場合の、薬物に結合された標的(抗体結合型抗原)の枯渇
A)抗c-MET/HER3二重特異性抗体とc-METとの複合体の構築
一定濃度のc-METを、第1の結合特異性によってc-METに特異的に結合し、第2の結合特異性によってHER3に特異的に結合する漸増量の二重特異性抗体(抗c-MET/HER3二重特異性抗体)と共に室温で1時間インキュベートした。その後、これらの試料を枯渇段階の陽性対照として使用した。
B)枯渇段階
抗c-MET/HER3二重特異性抗体に結合したc-METを枯渇させる場合、ビオチン標識HER3(HER3-BI)を、ストレプトアビジンでコーティングされた10μg/mlの磁性ビーズ(SAビーズ)に結合させた。各試料について、600μlのSA-ビーズを洗浄し、磁気分離器を用いて上清から分離させた。HER3-BIを含む溶液約600μlをSA-ビーズと混合し、室温で1時間インキュベートした。磁気分離器を用いてビーズを3回洗浄することによって、過剰の未結合HER3-BIを除去した。その後、抗原でコーティングされたビーズを、抗c-MET/HER3二重特異性抗体とc-METとの複合体を含む試料250μlと共にインキュベートした。試料を振盪しながら室温で1時間インキュベートした。インキュベーション後、磁気分離器を用いてビーズを試料から分離させた。ELISAによって「遊離型」c-METの分析をするために、上清を採取した(実施例2を参照されたい)。
実施例2
c-METを検出するためのELISA
第1の段階において、c-METに対するビオチン標識モノクローナル抗体をストレプトアビジンマイクロタイタープレートにコーティングした。枯渇段階から得た上清試料(実施例1を参照されたい)を10倍希釈し、抗c-MET抗体でコーティングしたマイクロプレートのウェルに添加した。マイクロプレートのウェルにコーティングされた抗c-MET抗体が、試料中に含まれる遊離型c-METに結合した。室温で1時間のインキュベーション期間の後、プレートを3回洗浄することによって試料を除去した。その後、コーティングしている抗体とは特異性、すなわちエピトープが異なるDIG標識モノクローナル抗c-MET抗体をウェルに添加し、室温でさらに1時間インキュベートした。洗浄段階をもう1度行った後、HRP標識ポリクローナル抗DIG抗体をプレートに添加し、さらに1時間インキュベートした。ABTS基質溶液を用いて、呈色反応を開始させた(図3を参照されたい)。
実施例3
ヒト血清および緩衝液中の薬物結合型c-METの枯渇。
実施例1に従って、抗c-MET/HER3二重特異性抗体を濃度20μg/ml、10μg/ml、5μg/ml、1μg/ml、0.5μg/ml、0.1μg/ml、および0μg/mlにそれぞれ希釈し、一定濃度100ng/mlのc-METと共にインキュベートした。希釈物は以下の2種の異なるマトリックス中で作製した:
・PBS/BSA緩衝液
・ヒト血清プール(Trina、NHSベースのマトリックス(NHS Base matrix))
試料を室温で1時間インキュベートした。その後、実施例1で説明したようにして試料を枯渇させた。
HER3-BIを用いて、c-METと抗c-MET/HER3二重特異性抗体との複合体を捕捉した。
枯渇後、実施例2で説明したようにして、c-MET ELISAにおいて上清を測定した。
図4aに示したように、抗c-MET/HER3二重特異性抗体に結合したc-METは、免疫枯渇によって除去される。5μg/mlまたはそれ以上の二重特異性抗体の存在下では、枯渇後のc-METシグナルは、アッセイのバックグラウンドシグナルに近い。
図4bに示したように、血清試料においても同様の挙動が観察された。
実施例4
他の抗原の助けを借りて二重特異性抗体の抗原を検出するためのELISA
a)試料中の(全)c-METの量の検出
第1の段階において、ビオチン標識HER3をストレプトアビジンマイクロタイタープレートに結合させた。並行して、試料/標準物質と共に抗c-MET/HER3二重特異性抗体を1時間プレインキュベートした。プレインキュベーションの間、試料中のc-METを抗c-MET/HER3二機能性抗体に結合させた。ストレプトアビジンでコーティングされたプレートを洗浄した後、プレインキュベートしたc-METおよび抗c-MET/HER3抗体の混合物をプレートに添加し、室温で1時間インキュベートした。洗浄段階をもう1度行って、未結合成分を試料から除去した後、ジゴキシゲニン標識抗c-MET抗体(抗c-MET/HER3二機能性抗体として異なるc-METエピトープに結合する)を添加し、1時間インキュベートした。洗浄段階をもう1度行った後、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識ポリクローナル抗DIG抗体をプレートに添加し、1時間インキュベートした。ABTS基質溶液を用いて、呈色反応を開始させた(図5aを参照されたい)。
b)試料中の抗c-MET/HER3二重特異性抗体とc-METとの(既存の)複合体の検出
第1の段階において、ビオチン標識HER3をストレプトアビジンマイクロタイタープレートに結合させた。プレートを洗浄した後、試料および標準物質をプレートに添加し、室温で1時間インキュベートした。抗c-MET/HER3二重特異性抗体とc-METとの複合体を、固定したHER3-BIに結合させた。洗浄段階をもう1度行った後、抗c-MET/HER3二機能性抗体として異なるc-METエピトープに特異的に結合するジゴキシゲニン標識抗c-MET抗体を添加し、1時間インキュベートした。洗浄段階をもう1度行った後、HRP標識ポリクローナル抗DIG抗体をプレートに添加し、1時間インキュベートした。ABTS基質溶液を用いて、呈色反応を開始させた(図5(A)を参照されたい)。
実施例5
二重特異性抗体の第1の抗原を、この二重特異性抗体の第2の結合特異性に対する抗イディオタイプ抗体の助けを借りて検出するためのELISA
a)試料中の(全)c-METの量の検出
HER3に特異的に結合する結合特異性に対するビオチン標識抗イディオタイプ抗体(抗HER3抗体に対する抗イディオタイプ抗体-BI)を、第1の段階で、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレートに結合させる。並行して、試料または標準物質と共に抗c-MET/HER3二重特異性抗体を1時間プレインキュベートする。プレインキュベーション段階で、試料中のc-METに抗c-MET/HER3二重特異性抗体を特異的に結合させる。ストレプトアビジンでコーティングされたプレートを洗浄した後、プレインキュベートしたc-METおよび抗c-MET/HER3二重特異性抗体の混合物をプレートに添加し、室温で1時間インキュベートする。洗浄段階をもう1度行って未結合成分を除去した後、(抗c-MET/HER3二重特異性抗体として異なるc-METエピトープに特異的に結合する)ジゴキシゲニン標識抗c-MET抗体を添加し、1時間インキュベートする。洗浄段階をもう1度行った後、HRP標識ポリクローナル抗DIG抗体をプレートに添加し、さらに1時間インキュベートする。ABTS基質溶液を用いて、呈色反応を開始させる(図5(B)を参照されたい)。
b)試料中の抗c-MET/HER3抗体とc-METとの(既存の)複合体の検出
HER3に特異的に結合する結合特異性に対するビオチン標識抗イディオタイプ抗体(抗HER3抗体に対する抗イディオタイプ抗体-BI)を、第1の段階で、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレートに結合させる。プレートを洗浄した後、試料および標準物質を室温で1時間、プレートに添加する。抗c-MET/HER3抗体とc-METとの複合体を、固定した抗イディオタイプ抗体によって捕捉する。洗浄段階をもう1度行った後、抗c-MET/HER3二重特異性抗体として異なるc-METエピトープに特異的に結合するジゴキシゲニン標識抗c-MET抗体を添加し、1時間インキュベートする。洗浄段階をもう1度行った後、HRP標識ポリクローナル抗DIG抗体をプレートに添加し、1時間インキュベートする。ABTS基質溶液を用いて、呈色反応を開始させる(図5(B)を参照されたい)。
実施例6
VEGFと抗ANG2/VEGF二重特異性抗体との複合体を検出するためのELISA
抗ANG2/VEGF抗体のANG2結合特異性に特異的に結合する、抗ANG2抗体に対するビオチン標識モノクローナル抗イディオタイプ抗体を、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレート(MTP)にコーティングした。未知の量のVEGFと抗ANG2/VEGF抗体との複合体を含む試料を10倍希釈し、抗ANG2抗体に対する抗イディオタイプ抗体でコーティングしたMTPのウェルに添加した。ANG2およびVEGFに特異的に結合する二重特異性抗体は、二重特異性抗体のANG2結合特異性を有するCDRに対する固定された抗イディオタイプ抗体と複合体形成した。二重特異性抗体とVEGFとの複合体もまた、結合された。室温で1時間のインキュベーション期間の後、試料/上清を除去し、次いで、プレートを3回洗浄した。その後、(検出されるべき抗ANG2/VEGF二重特異性抗体とは異なるVEGFエピトープに結合する)ジゴキシゲニン標識モノクローナル抗VEGF抗体をウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした。洗浄段階の後、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識ポリクローナル抗ジゴキシゲニン抗体(抗DIG抗体)をプレートに添加し、1時間インキュベートした。上清を除去し洗浄した後、呈色反応のためにABTS基質溶液を添加した(図7を参照されたい)。
実施例7
ANG2と抗ANG2/VEGF二重特異性抗体との複合体を検出するためのELISA
抗ANG2/VEGF抗体のVEGF結合特異性に特異的に結合するビオチン標識モノクローナル抗イディオタイプ抗体を、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレート(MTP)にコーティングした。未知の量のANG2と抗ANG2/VEGF抗体との複合体を含む試料を10倍希釈し、抗VEGF抗体に対する抗イディオタイプ抗体でコーティングしたMTPのウェルに添加した。ANG2およびVEGFに特異的に結合する二重特異性抗体は、抗ANG2/VEGF二重特異性抗体のVEGF結合特異性を有するCDRに対する固定された抗イディオタイプ抗体と複合体形成した。二重特異性抗体とANG2との複合体もまた、結合された。室温で1時間のインキュベーションの後、試料/上清を除去し、次いで、プレートを3回洗浄した。その後、(抗ANG2/VEGF二重特異性抗体のANG2結合特異性とは異なるエピトープに特異的に結合する)ジゴキシゲニン標識モノクローナル抗ANG2抗体をウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした。洗浄段階の後、HRP標識ポリクローナル抗ジゴキシゲニン抗体をプレートに添加し、1時間インキュベートした。上清を除去し洗浄した後、呈色反応のためにABTS基質溶液を添加した(図9を参照されたい)。
実施例8
VEGFと抗ANG2/VEGF二重特異性抗体との複合体を検出するためのELISA
VEGFに対するビオチン標識モノクローナル抗体を、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレート(MTP)にコーティングした。洗浄後、未知の量のVEGFと抗ANG2/VEGF抗体との複合体を含む試料を10倍希釈し、抗VEGF抗体でコーティングしたMTPのウェルに添加した。VEGFに対する固定された抗体は、抗ANG2/VEGF二重特異性抗体と比べて異なる結合部位においてVEGFに結合する。VEGFと抗ANG2/VEGF抗体との複合体は、固定された抗VEGF抗体に結合する。室温で1時間のインキュベーションの後、試料/上清を除去し、次いで、プレートを3回洗浄した。その後、抗ANG2/VEGF抗体のANG2結合特異性に特異的に結合するジゴキシゲニン標識モノクローナル抗イディオタイプ抗体をウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした。洗浄段階の後、HRP標識ポリクローナル抗ジゴキシゲニン抗体をプレートに添加し、1時間インキュベートした。上清を除去し洗浄した後、呈色反応のためにABTS基質溶液を添加した(図11を参照されたい)。対応する検量線を図12に示す。
実施例9
遊離型ANG2の抗体結合型ANG2への変換および抗ANG2/VEGF二重特異性抗体とのインキュベーションによる、全ANG2を検出するためのELISA
抗ANG2/VEGF抗体のVEGF結合特異性に特異的に結合するビオチン標識モノクローナル抗イディオタイプ抗体を、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレート(MTP)に結合させた。遊離型ANG2を抗ANG2/VEGF抗体結合型ANG2に変換するために、未知の量のANG2を含む試料の第1のアリコートを1.5μg/mLの抗ANG2/VEGF二重特異性抗体と共に1時間インキュベートした。第2の(すなわち、インキュベートしていない)試料アリコートおよび抗体と共にインキュベートした(antibody incubated)試料アリコートを10倍希釈し、二重特異性抗体のVEGF結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体でコーティングしたMTPのウェルに添加した。二重特異性抗体は、固定された抗イディオタイプ抗体によって結合された。同様に、複合体形成したANG2が、二重特異性抗体を介して結合された。室温で1時間のインキュベーション期間の後、上清(=試料)を除去し、次いで、プレートを3回洗浄した。その後、(抗ANG2/VEGF二重特異性抗体のANG2結合特異性とは異なるエピトープに特異的に結合する)ジゴキシゲニン標識モノクローナル抗ANG2抗体をウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした。洗浄段階の後、HRP標識ポリクローナル抗ジゴキシゲニン抗体をプレートに添加し、1時間インキュベートした。上清を除去し洗浄した後、呈色反応のためにABTS基質溶液を添加した(図13を参照されたい)。第1のアリコートから得られた結果と第2のアリコートから得られた結果の差から、遊離型ANG2の量を算出した。このようにして、このアッセイ法によって、抗体結合型ANG2および遊離型ANG2の量を決定した。

Claims (8)

  1. 以下の段階を含む、試料中の二重特異性抗体の抗原の存在および/または量を測定するための方法であって、検出されるべき抗原が、該二重特異性抗体の第1の結合特異性によって特異的に結合され得、かつ該抗原が二重特異性抗体と複合体形成する(抗原と二重特異性抗体との複合体)、方法:
    -該抗原および該二重特異性抗体を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、および
    -抗原と二重特異性抗体と抗イディオタイプ抗体との複合体を検出し、それによって、複合体を形成している二重特異性抗体の抗原の存在および/または量を測定する段階。
  2. 以下の段階を含むことを特徴とする、請求項1記載の方法:
    -抗原および二重特異性抗体を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
    -第1の段階で形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体の該抗原の存在および/または量を測定する段階。
  3. 以下の段階を含むことを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項記載の方法:
    -抗原および二重特異性抗体を含む試料を提供する段階であって、少なくとも90%の該抗原が該二重特異性抗体と複合体形成する、段階
    -抗原および二重特異性抗体を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
    -第1の段階で形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体の該抗原の存在および/または量を測定する段階。
  4. 以下の段階を含むことを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項記載の方法:
    -抗原および二重特異性抗体を含む試料をインキュベートする段階であって、該二重特異性抗体が、少なくとも90%の該抗原が該二重特異性抗体と複合体形成する試料を提供する量である、段階、
    -該二重特異性抗体と複合体形成した該抗原を含む試料を、該二重特異性抗体の第1の結合特異性とは異なる第2の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、ならびに
    -前の段階で形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体の該抗原の存在および/または量を測定する段階。
  5. 二重特異性抗体の量が、1μg/ml試料〜10μg/ml試料の間であることを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 少なくとも95%の抗原が二重特異性抗体と複合体形成することを特徴とする、請求項4または5記載の方法。
  7. 少なくとも98%の抗原が二重特異性抗体と複合体形成することを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 以下の段階を含む、試料中の二重特異性抗体と複合体形成している該二重特異性抗体の抗原の量を測定するための方法:
    -該抗原および該二重特異性抗体を含む試料を、該抗原が結合されている結合特異性とは異なる該二重特異性抗体の結合特異性に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体と共にインキュベートする段階であって、該抗イディオタイプ抗体が固相に結合されている、段階、および
    -第1の段階で形成された複合体を、該二重特異性抗体が結合している該エピトープとは異なるエピトープにおいて該抗原に特異的に結合する抗体と共にインキュベートし、かつそれによって、試料中の二重特異性抗体と複合体形成している二重特異性抗体の抗原の量を測定する、段階。
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