JPH0975096A - ラクトフェリンの測定法 - Google Patents

ラクトフェリンの測定法

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JPH0975096A
JPH0975096A JP7262199A JP26219995A JPH0975096A JP H0975096 A JPH0975096 A JP H0975096A JP 7262199 A JP7262199 A JP 7262199A JP 26219995 A JP26219995 A JP 26219995A JP H0975096 A JPH0975096 A JP H0975096A
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lactoferrin
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plate
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Hiroshi Kawakami
浩 川上
Shunichi Dosemari
俊一 堂迫
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 標的抗原をラクトフェリンとする二重特異性
抗体、それを産生するハイブリッドハイブリドーマ及び
この抗体を用いるラクトフェリン濃度の測定法の提供。 【解決手段】 ラクトフェリン及びペルオキシダーゼに
対して抗原特異性を有する二重特異性抗体。抗ラクトフ
ェリン抗体及び抗ペルオキシダーゼ抗体を産生する2種
類のハイブリドーマを細胞配合し、このハイブリドーマ
のみを選択培養して得ることのできる二重特異性抗体を
産生するハイブリドーマ。この二重特異性抗体を用いて
ELISA法により試料中のラクトフェリン濃度を迅速
簡便で精度高く測定する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラクトフェリンと
ペルオキシダーゼに対し抗原特異性を有する二重特異性
抗体、その抗体を産生するハイブリッドハイブリドー
マ、及びその抗体を用いたラクトフェリンの測定法に関
する。詳しくは、ウシラクトフェリンと西洋ワサビペル
オキシダーゼに対し抗原結合性を有する二重特異性抗
体、それを産生するマウスハイブリッドハイブリドー
マ、及びその抗体を用いたウシラクトフェリンの測定法
に関する。本発明により、迅速簡便で精度の高いラクト
フェリンの測定が可能になる。
【0002】
【従来の技術】ラクトフェリンは乳中に含まれる分子量
約8万の糖タンパク質であり、1分子のラクトフェリン
は2分子の鉄と結合することが知られ、乳中の鉄輸送蛋
白質と考えられている。この蛋白質は、乳あるいは涙液
等に含まれており、非特異的な抗菌活性を有することが
知られている。この活性より敗血症、化学療法や自己免
疫疾患等による免疫低下に伴う炎症及び感染症の予防及
び治療薬、又、点眼薬や創傷の治療剤として従来より用
いられている。さらにこのような活性を期待して、食品
に添加する試みもなされている。しかし、ウシラクトフ
ェリンはヒトに対し抗原性を有する。それゆえ、アレル
ギー疾患等が懸念され、その配合量を考慮しなければな
らない。
【0003】従来、ラクトフェリン濃度の測定は、ポリ
クローナル抗体を用いたロケット免疫電気泳動のよう
な、非常に繁雑な方法で行なわれることが多かった。し
かし、近年では酵素免疫測定法(ELISA)によるラ
クトフェリンの測定が可能になった。この酵素免疫測定
法には、サンドイッチELISA法及び競争ELISA
法の2種類の方法が知られている。サンドイッチELI
SA法は、目的とする抗原に対する抗体(1次抗体)を
プレートに固定化し、これに抗原を反応させる。さらに
酵素標識した抗体(酵素標識2次抗体、モノクローナル
抗体の場合はプレートに固定化したものとは異なるエピ
トープを認識する抗体)を加え、プレートに結合した酵
素活性によって抗原濃度を決定することができる。この
場合、抗原濃度の増加とともに、抗原濃度の指標となる
酵素活性は増加する。しかし、この方法は反応ステップ
が多い、測定に時間がかかる、又、酵素標識した二次抗
体をあらかじめ用意しておく必要がある等煩雑であり、
簡便性に問題を有する。一方、競争ELISA法による
ELISAは、酵素標識した抗体を抗原と反応させ、抗
原と反応しなかった標識抗体をELISAプレート上の
抗原に結合させることにより、試料中の抗原濃度を決定
することができる。この場合、抗原濃度増加とともに、
抗原濃度の指標となる酵素活性は減少する。この方法は
反応ステップは少ないが、やはり標識抗体の調製は必須
である。
【0004】従来よりモノクローナル抗体を用いた抗原
の免疫学的測定又は治療法が多く考案されているが、さ
らに、その効果を上げるため、二重特異性を有するハイ
ブリッドモノクローナル抗体を用いる方法も示されてい
る。例えば、特開平2-79970号公報には、ヒトリンホト
キシン及び癌細胞表面膜上の腫瘍関連抗原のそれぞれに
対し特異性を有する二重特異性抗体、又、特開平3-4709
0 号公報には、アンサトマイシン類及び標的抗原のそれ
ぞれに対し特異性を有する二重特異性抗体、又、特開平
4-50768 号公報には、標的抗原及びビオチン又はその誘
導体のそれぞれに対し特異性を有する二重特異性抗体、
又、特表平5-506563号公報には、ヒト癌細胞及びプロド
ラッグ活性化酵素のそれぞれに対し特異性を有する二重
特異性抗体等が開示されている。しかし、ラクトフェリ
ンを標的抗原とし、さらにその測定を簡便かつ高精度に
行える二重特異性抗体は存在しなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、ラクト
フェリンの有用性は非常に高いが、その測定は煩雑であ
り、迅速簡便で精度の高い測定方法が求められていた。
本発明者らは、このような状況に鑑み鋭意研究の結果、
あらかじめ酵素標識抗体を作製することなく、ただ混合
するだけで酵素結合抗体複合体が形成され、目的の抗原
に対する親和性もあわせて持つような二重特異性抗体を
作出することに成功した。従って本発明は、ラクトフェ
リンを標的抗原とする二重特異性抗体、その抗体を産生
するハイブリッドハイブリドーマ、及びその抗体を用い
たラクトフェリン濃度の迅速簡便で精度の高い測定法を
提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の二重特異性抗体
は、ハイブリッドハイブリドーマ法(米国特許第 4,47
4,893号)によって調製される。具体的には、抗ラクト
フェリン抗体及び抗ペルオキシダーゼ抗体を産生する2
種類のハイブリドーマを細胞融合し、そのハイブリッド
ハイブリドーマのみを選択培養することにより得られ
る。この時、抗ラクトフェリン抗体を得るための抗原と
しては、ウシ由来のものが好ましく、又、抗ペルオキシ
ダーゼ抗体を得るための抗原としては、西洋ワサビ由来
のものが好ましいが、それぞれと共通のエピトープを有
するものであれば、その由来は特に限定されない。細胞
融合はポリエチレングリコール法(M.R.Suresh et al.,
Methods in Enzymology, vol.121, pp210-228(198
6))、電気パルス法(H.Tachibanaet al.,Human Antibo
dies and Hybridomas, vol.4, pp42-46(1993))などを
用いることができる。細胞融合後、適当な選択培地を用
いて培養し、もとのハイブリドーマを死滅させ、ハイブ
リッドハイブリドーマのみを増殖させる。このハイブリ
ッドハイブリドーマを選択培養を行なうためには、ハイ
ブリドーマへの薬剤選択マーカーの付与が必須であり、
例えば6チオグアニン耐性や5ブロモデオキシウリジン
耐性のようなアミノプテリンによって細胞が死滅するも
の、ウアバイン耐性、ネオマイシン耐性などを利用す
る。又、アクチノマイシンDのような、細胞増殖を不可
逆的に停止させる薬品処理でも良い。2種類のハイブリ
ドーマから増殖したハイブリッドハイブリドーマが、目
的とする二重特異性抗体を分泌しているかどうかはEL
ISA法によって測定する。目的抗原であるラクトフェ
リンを固定化したELISAプレートにハイブリッドハ
イブリドーマが産生した二重特異性抗体を反応させ、さ
らにマーカーとなるペルオキシダーゼを添加して、プレ
ートに結合した酵素活性を測定する。ハイブリッドハイ
ブリドーマの培養、二重特異性抗体の精製等は常法に従
って行なう。小規模であればペトリディッシュやカルチ
ャーフラスコを用いる。中規模〜大規模培養ではスピナ
ーフラスコ、ホローファイバーあるいはタンクによる培
養を行なう。培地からの抗体の精製は塩析法、イオン交
換法、ヒドロキシアパタイト法、プロテインA法、プロ
テインG法、抗原固定化カラム法などで行なうことがで
きる。
【0007】得られた二重特異性抗体を用いた抗原の測
定は、サンドイッチELISA法あるいは競争ELIS
A法によって行なう。サンドイッチELISA法の場合
には、他に抗原に対するポリクローナル抗体、あるいは
二重特異性抗体とは異なるエピトープを認識するモノク
ローナル抗体がプレート固定化抗体として必要である。
サンドイッチELISAでは、上述のような抗体をEL
ISAプレートに固定化し、抗原、二重特異性抗体、酵
素を反応させて、最終的にプレートに結合した酵素活性
を測定する。又、競争ELISA法の場合には、抗原を
ELISAプレートに結合させ、プレートに結合する酵
素結合二重特異性抗体を、抗原で競争的に阻害すること
により、最終的にプレートに結合した酵素活性を測定す
ればよい。
【0008】
【発明の実態の形態】以下の実施例により本発明をより
詳細に説明するが、単に例示するのみであり、本発明は
これらにより限定されるものではない。
【実施例1】抗西洋ワサビペルオキシダーゼモノクローナル抗体の作
(1)抗原感作マウス脾臓細胞の調製 Balb/cマウス(雌)を西洋ワサビペルオキシダーゼで免
疫した。西洋ワサビペルオキシダーゼ(シグマ社)100
μg をフロイント完全アジュバント(DIFCO社)と
ともにマウス腹腔に投与し、3週間後に西洋ワサビペル
オキシダーゼ(シグマ社)250 μg をアジュバントなし
で追加免疫した。追加免疫の3日後にマウスを頚椎脱臼
により屠殺し、脾臓を摘出した。脾臓をハサミで細切
し、ERDF培地(極東製薬社)10mlに浮遊させ、激
しくピペッティングすることにより脾臓細胞を分離し、
全細胞(2〜4×108 個)をERDF培地に浮遊させ
た。
【0009】(2)ミエローマ細胞の調製 ミエローマ(骨髄腫)細胞としては、Balb/cマウス由来
で抗体非分泌性の8アザグアニン耐性株SP2/O-Ag14 (SP
2/O)(国立衛生試験所より譲受)を用いた。SP2/O 株は
10%ウシ胎仔血清(FCS)を含むERDF培地で培
養し、細胞培養直前にはFCSを含まないERDF培地
で3回洗浄し、3×107 個の細胞を同培地に浮遊させ
た。
【0010】(3)細胞融合 上記(1)及び(2)で調製した細胞浮遊液を50ml遠沈
管中で混合し、1500rpm で15分間遠心分離した。上清
を除去後、1mlの50%ポリエチレングリコールを1分
間かけて滴下し、細胞融合を行なった。ポリエチレング
リコールをERDF培地でゆっくり希釈し(30秒に1
mlずつ添加混合)、ERDF培地を10ml添加したとこ
ろで細胞を遠心した。細胞ペレットを15%FCSを含
むERDF培地80mlに浮遊させ、これを96穴マイク
ロカルチャープレート5枚に播種した。プレートは5%
炭酸ガス/95%空気のインキュベーターにおいて37
℃で培養した。翌日、10%FCS、0.1mMヒポキサン
チン、 0.4μMアミノプテリン、16μM チミジンを含
むERDF培地培地(HAT培地)を各穴に100μl添
加した。さらに2〜3日おきに各穴の培地を半量、新し
いHAT培地と交換した。
【0011】(4)ハイブリドーマの選択 培養2週間後に、プレートにハイブリドーマのコロニー
が肉眼でも観察されるようになったところで、培養上清
の抗西洋ワサビペルオキシダーゼ抗体の存在の有無を、
以下の方法に従って測定した。即ち、抗マウスγ(Fc)
(コスモバイオ社)を0.05M炭酸水素ナトリウムで1000
倍希釈し、96穴ELISAプレート(住友化学社)に
50μl ずつ分注した。4℃で1夜静置後、4倍希釈し
たブロックエース(雪印乳業社)でプレートを1時間ブ
ロッキングした。ブロッキングしたプレートを0.02%T
ween20を含むリン酸緩衝生理食塩水(TPBS)
で3回洗浄し、ここにハイブリドーマの培養上清50μ
l を加えて1時間静置した。培養上清を捨て、プレート
をTPBSで3回洗浄後、4倍希釈したブロックエース
に溶解した西洋ワサビペルオキシダーゼ(0.5 μg/ml)
50μl を加え、1時間静置した。西洋ワサビペルオキ
シダーゼ溶液を捨て、ELISAプレートをTPBSで
6回洗浄後、プレートに結合したペルオキシダーゼ活性
を2,2’−アジノ−ビス−(3−エチルベンゾチアゾ
リン−6−スルホン酸)(ABTS;和光純薬社)を基
質として測定した。3回の細胞融合から3つの抗西洋ワ
サビペルオキシダーゼ抗体陽性のハイブリドーマを得
た。ハイブリドーマは96穴プレートから24穴プレー
ト、10cmディッシュに培養を拡大し、一部を凍結保存
した。
【0012】(5)クローニング 増殖が良好なハイブリドーマ2株を10%FCSを含む
ERDF培地に浮遊させ、丸底96穴プレート5枚に、プ
レートあたり30個の細胞となるように播種し培養し
た。合計109 個のクローンが増殖し、このうち4個のク
ローンが強い抗西洋ワサビペルオキシダーゼ抗体を分泌
していた。最も増殖のよいクローンを選択し、HS@0
3と名付けた。ハイブリドーマHS@03が分泌するモ
ノクローナル抗体のクラスはIgG1であった。
【0013】
【実施例2】二重特異性抗体の作製 (1)ハイブリドーマHS@03からの6チオグアニン
耐性株の取得 ハイブリドーマHS@03を10%FCSおよび20μ
g/mlの6チオグアニンを含むERDF培地に浮遊させ、
96穴プレート5枚に穴あたり2×104 個を播種し培養
した。このうち、42穴に6チオグアニン耐性ハイブリ
ドーマが増殖した。最も増殖の早い6チオグアニン耐性
ハイブリドーマをクローニングし、クローン03AR1
0−2を得た。6チオグアニン耐性株はヒポキサンチン
グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼを欠損して
いるため、HAT培地で増殖することができない。クロ
ーン03AR10−2はHAT培地中で全く増殖できな
かった。
【0014】(2)HB8852細胞からの5ブロモデ
オキシウリジン耐性株の取得 ウシラクトフェリンに対するモノクローナル抗体(Ig
G1)を分泌するハイブリドーマは川上ら(J. Dairy S
ci. Vol.70, No.4, pp752-759 (1987))の作製したAT
CC寄託HB8852細胞を用いた。HB8852細胞
を10%FCS及び25μg/mlの5ブロモデオキシウリ
ジンを含むERDF培地に浮遊させ、96穴プレート2
枚に穴あたり1×104 個播種し培養した。このうち59
穴に5ブロモデオキシウリジン耐性ハイブリドーマが増
殖した。最も増殖の早い5ブロモデオキシウリジン耐性
ハイブリドーマをクローニングし、クローンHB885
2TK−3−1を得た。5ブロモデオキシウリジン耐性
株はチミジンキナーゼを欠損しているため、HAT培地
で増殖することができない。クローンHB8852TK
−3−1はHAT培地中で全く増殖できなかった。
【0015】(3)細胞融合 クローン03AR10−2とクローンHB8852TK
−3−1量をそれぞれ1×107 個ずつ50ml遠沈管中で
混合し、1500rpm で15分間遠心分離した。上清を除去
後、1mlの50%ポリエチレングリコールを1分間かけ
て滴下し、細胞融合を行なった。ポリエチレングリコー
ルをERDF培地でゆっくり希釈し、遠心後細胞ペレッ
トを15%FCSを含むERDF培地30mlに浮遊さ
せ、これを96穴マイクロカルチャープレート2枚に播
種し培養した。翌日、HAT培地を各穴に100 μl添加
し、さらに2〜3日おきに各穴の培地を半量、新しいH
AT培地と交換した。
【0016】(4)ハイブリドーマの選択およびクロー
ニング 培養2週間後にプレートにハイブリドーマのコロニーが
肉眼でも観察されるようになったところで、培養上清の
二重特異性抗体存在の有無を測定した。即ち、ウシラク
トフェリンを0.05M炭酸水素ナトリウムに1μg/mlに溶
解し、96穴ELISAプレートに50μlずつ分注し
た。4℃で一夜静置後、プレートをブロックエースで1
時間ブロッキングした。ブロッキングしたプレートをT
PBSで3回洗浄し、ここにハイブリドーマの培養上清
50μl を加えて1時間静置した。培養上清を捨て、プ
レートをTPBSで3回洗浄後、ブロックエースに溶解
した0.5μg/ml西洋ワサビペルオキシダーゼ50μl を
加え、1時間静置した。西洋ワサビペルオキシダーゼ溶
液を捨て、ELISAプレートをTPBSで6回洗浄
後、プレートに結合したペルオキシダーゼ活性をABT
Sを基質として測定した。 この結果、一回の細胞融合
から42個の抗体陽性のハイブリドーマが得られた。得
られたハイブリドーマのうち増殖の速いものを、96穴
プレートから24穴プレート、10cmディッシュに培養
を拡大し、クローニングしてハイブリッドハイブリドー
マHH−1−4−3を得た。このハイブリドーマHH1
−4−3を無血清培地(ITES−ERDF培地、極東
製薬社)で培養した培養上清を、還元条件下でSDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動した結果を図1に示
す。この図に示されるように、ハイブリドーマHH1−
4−3の培養上清の電気泳動パターンに、2本のH鎖と
1本のL鎖が観察された。この時、培養上清中の二重特
異性抗体に含まれる2種類のL鎖は同じ分子量であると
考えられる。
【0017】
【実施例3】二重特異性抗体を用いたウシラクトフェリンの測定 (1)ウシラクトフェリン固定化プレートの作製 実施例2の(4)に記載した方法により、ウシラクトフ
ェリンをELISAプレートに固定化し、ブロックエー
スでブロッキングした。
【0018】(2)競争ELISA法によるウシラクト
フェリンの測定 本発明抗体(実施例2で得られた二重特異性抗体)、西
洋ワサビペルオキシダーゼ、ウシラクトフェリンの希釈
には、いずれも4倍希釈したブロックエース(雪印乳業
社)を用いた。 1.6μg/mlの二重特異性抗体溶液(ハイ
ブリドーマーHH1−4−3の培養上清を希釈)、2〜
100 μg/mlのウシラクトフェリン溶液および 0.5μg/ml
の西洋ワサビペルオキシダーゼそれぞれ50μlずつを
混和し、室温で60分間反応させた。上記(1)で用意
したウシラクトフェリン固定化ELISAプレートに反
応液を加え、室温で60分間静置後反応液を捨て、TP
BSで6回洗浄した。ELISAプレートに結合したペ
ルオキシダーゼ活性は、ABTSを基質として測定し
た。酵素活性は405nm の吸光度で表わした。測定結果を
図2に示す。 図2に示されるように、反応液に添加し
たウシラクトフェリンの濃度とともに、ELISAプレ
ートに結合するペルオキシダーゼ活性は減少した。この
ラクトフェリン−酵素活性の関係から、2〜100 μg/ml
の濃度のウシラクトフェリンを測定することが可能であ
るとの結果が得られた。
【0019】
【実施例4】二重特異性抗体を用いた乳中のラクトフェリン量の測定 非加熱牛乳試料3種、市販の高温殺菌乳、及び出産後2
ヵ月後の人乳を試料とし、これらの試料に含まれるラク
トフェリンを、本発明の抗体を用いた競争ELISA、
及び従来法としてサンドイッチELISA法によって測
定した。本発明の抗体を用いた競争ELISA法は、実
施例3の方法に従って行った。従来法としてのサンドイ
ッチELISA法は、以下の方法に従って行った。即
ち、ウサギ抗ラクトフェリンポリクローナル抗体IgG
画分(ヤガイ社)を0.05M炭酸水素ナトリウムで5μg/
mlに希釈し、この50mlを96穴ELISAプレートに
分注し、実施例2−(4)記載の方法に従って抗体を吸
着させ、ブロッキングを行った。試料50μlをプレー
トに分注して1時間静置後TPBSで洗浄し、HB88
52抗体(10μg/ml)50μlを加え、さらに1時間
静置した。プレートをTPBSで洗浄後、1000倍希釈し
たペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG(TAGO社)
50μlを加え、1時間静置後、プレートに結合したペ
ルオキシダーゼ活性を実施例3−(4)に従って測定し
た。標準試料から作成した検量線より、試料中のラクト
フェリン濃度を算出した。結果を表1に示す。
【0020】
【表1】 ────────────────────────────── ウシラクトフェリン濃度(μg/ml) ───────────────────── 試 料 本発明方法 従来法 ────────────────────────────── 非加熱牛乳1 76 81 2 125 122 3 105 110 高温殺菌乳 0 0 人乳 0 0 ──────────────────────────────
【0021】以上の結果より、本発明の抗体による競争
ELISA法及び従来法であるサンドイッチELISA
法において、ほぼ同等の測定値が得られた。本発明の抗
体を用いた競争ELISAは、ブロッキング以降に要す
る測定時間が約 2.5時間、従来法では約4時間であっ
た。又、いずれの方法においても加熱殺菌乳及び人乳と
は反応しなかった。
【0022】
【発明の効果】以上の結果から、本発明によりラクトフ
ェリン及びペルオキシダーゼに対する二重特異性抗体を
用いて、試料中のラクトフェリン濃度を迅速簡便に、且
つ高精度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で作製したハイブリッドハイブリドー
マが分泌する二重特異性抗体の、還元条件下でのSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す。レー
ン1は、分子量マーカー(タンパク質分子量マーカーII
I ;第一化学薬品社)を表す。レーン2は、本発明の抗
体を表す。
【図2】実施例3で測定したウシラクトフェリン濃度と
405 nmの吸光度(ペルオキシダーゼ活性)の関係を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/02 C07K 14/415 C12Q 1/28 14/79 // C07K 14/415 C12N 5/00 B 14/79 9162−4B 15/00 C (C12P 21/08 C12R 1:91) (C12N 5/10 C12R 1:91)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクトフェリン及びペルオキダーゼに対
    し抗原特異性を有する二重特異性抗体。
  2. 【請求項2】 ラクトフェリンがウシラクトフェリンで
    ある、請求項1記載の二重特異性抗体。
  3. 【請求項3】 ペルオキシダーゼが西洋ワサビペルオキ
    シダーゼである、請求項1記載の二重特異性抗体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の二重特異性抗体を産
    生する、ハイブリッドハイブリドーマ。
  5. 【請求項5】 ハイブリッドハイブリドーマがマウスハ
    イブリッドハイブリドーマである請求項4記載のハイブ
    リッドハイブリドーマ。
  6. 【請求項6】 ハイブリッドハイブリドーマがHH1−
    4−3(FERMP−15122)である、請求項5記
    載のハイブリッドハイブリドーマ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3記載の二重特異性抗体を、
    試料及びペルオキシダーゼと反応させ、この混合液をさ
    らにラクトフェリンを固定化したプレートと接触させた
    後、プレートに結合したペルオキシダーゼ酵素活性を測
    定することによりラクトフェリン濃度を測定することを
    特徴とする、ラクトフェリンの測定法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015507193A (ja) * 2012-02-01 2015-03-05 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft 多重特異性結合物の結合パートナーを検出するための方法

Cited By (2)

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