JPH0789998A - 抗ミクロシスチンモノクローナル抗体およびそれを産生するハイブリドーマ - Google Patents

抗ミクロシスチンモノクローナル抗体およびそれを産生するハイブリドーマ

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JPH0789998A
JPH0789998A JP5239275A JP23927593A JPH0789998A JP H0789998 A JPH0789998 A JP H0789998A JP 5239275 A JP5239275 A JP 5239275A JP 23927593 A JP23927593 A JP 23927593A JP H0789998 A JPH0789998 A JP H0789998A
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Yoshio Ueno
芳夫 上野
Satoshi Nagata
諭志 永田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ミクロシスチン−LRをハプテンとする抗原
で予め免疫されたマウスのリンパ球とマウスのミエロー
マとの細胞融合により形成されたハイブリドーマから産
生される抗ミクロシスチン−LRモノクローナル抗体お
よびそれを産生するハイブリドーマ。 【効果】 本発明によれば、ミクロシスチンの免疫測定
法に有用な、ミクロシスチンに対する特異性が高く、安
定した品質のモノクローナル抗体が供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗ミクロシスチンモノ
クローナル抗体およびそれを産生するハイブリドーマに
関する。
【0002】
【従来の技術】ミクロシスチン(Microcystin)は藍藻類
により産生される毒素である。ミクロシスチン−LR
(以下、MLRということがある)はミクロシスチンの
中で最も強力な毒性を有するものの1つであり、マウス
でLD50値が32.5または100μg/kgと、その急性
毒性は青酸カリよりはるかに強い。慢性毒性について
は、ラットを用いた動物実験により、肝発ガンプロモー
ター活性を有することが明らかにされている。藍藻類に
よる家畜の死亡が最初に報告されたのは1878年で、
1913年には魚の大量死が報告され、1940年代以
降には北アメリカをはじめオーストラリア、南アフリ
カ、北欧などの放牧の盛んな国々で頻発した。1980
年代になると、世界各地の湖沼、ダム湖に有毒藍藻類が
発生していることが明らかにされ、特に湖沼の富栄養化
に伴っての異常発生は今や社会問題となっている。
【0003】ミクロシスチンを湖沼などの水あるいは藻
類から検出する方法としては、高速液体クロマトグラフ
ィーやバイオアッセイ法等が用いられており、最近では
免疫測定法も試みられている。さて、免疫測定法で特異
的にミクロシスチンを測定するためには、特異性の高い
抗体が必要であることは論ずるまでもない。ミクロシス
チン−LRのような低分子化合物に対する抗体を作製す
る場合は、低分子化合物それ自身が免疫原性を持たない
ので、蛋白質などの高分子キャリアーと結合させてハプ
テン抗原とし、動物を免疫するのが通常の方法である。
ミクロシスチン−LRに対する抗体の作製も、ミクロシ
スチン−LRをポリリジンまたはウシ血清アルブミンに
結合させたハプテン抗原でウサギを免疫して行われてき
た〔たとえば、F. S. Chu, X. Huang, R. D. VVei and
W. W. CarmiChael, Appl. Environ. Microbiol., 55, 1
928(1989) 参照〕。しかしながら、現在までに免疫測定
法への応用が報告されている抗ミクロシスチン抗体はポ
リクローナル抗体であり、量的制限や抗体のロット差等
の問題点があった。そこで一般に広く用い得るミクロシ
スチンの免疫測定法を開発するために、均一な抗体を無
制限に供給することを可能にするモノクローナル抗体の
作製が強く待ち望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
な抗ミクロシスチンモノクローナル抗体を提供すること
にある。本発明の他の目的は、ミクロシスチン類に対し
て特異性の高い抗ミクロシスチンモノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマを提供することにある。本発明
の更に他の目的および利点は、以下の説明から明らかと
なろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ハプテン抗
原で免疫し、目的とする抗原に特異的に作用する抗体を
産生するクローンを選びだして単クローンとすることに
より、特異性の高い抗体を製造することができることを
見出し、かかる事実に基づいて本発明を完成するに至っ
たものである。また、一般に抗血清の製造を目的とし
て、動物を免疫する都度新たにハプテン抗原を作製する
従来の方法では、ハプテン抗原の作り方や動物の個体
差、免疫の仕方によって、その都度、力価、特異性、抗
体サブクラスの異なった抗体が得られ、そのため、この
抗体を測定試薬に応用した場合、測定結果に微妙な影響
を与えるが、本抗体産生ハイブリドーマを用いて抗体を
製造すれば、その都度抗原を作る必要もなく、また、動
物の個体差にわずらわされずに常に安定した品質の抗体
が得られる。これは本発明のもう一つの利点である。
【0006】上記本発明の目的および利点は、本発明に
よれば、第1に、ミクロシスチン−LRをハプテンとす
る抗原で予め免疫されたマウスのリンパ球とマウスのミ
エローマとの細胞融合により形成されたハイブリドーマ
から産生される抗ミクロシスチンモノクローナル抗体に
よって達成される。本発明の目的を達成するための第一
段階は、抗体を産生する新規な単クローンハイブリドー
マを確立することである。このハイブリドーマを確立す
る方法の具体的詳細は実施例で示すが、簡単には次の3
工程からなる。 1.免疫 2.細胞融合 3.ハイブリドーマの選択と単クローン化
【0007】ミクロシスチン−LRは単独では抗原にな
り得ないため、ミクロシスチン−LRを蛋白質と結合さ
せて免疫抗原とする。蛋白質としては一般に入手出来る
ものなら特に制限はないが、通常入手し易いウシ血清ア
ルブミンなどが有利に用いられる。ミクロシスチン−L
Rと蛋白質との結合には、公知の方法、たとえば前記の
Chu, F. S.らの方法が有効に採用される。蛋白質の結合
方法としては、例えば1−エチル−3,3−ジエチルア
ミノ−プロピル−カルボジイミドを用いて、ミクロシス
チン−LRをウシ血清アルブミンや卵白アルブミンと結
合させる。
【0008】免疫する動物は、細胞融合に使用する腫瘍
細胞株によって決められる。一般にはラット、マウスが
多く用いられる。マウスの種類の中でも、免疫グロブリ
ンを産生しない腫瘍細胞株の確立されているBALB/
c系統がよく用いられる。ハプテン抗原は、等張緩衝液
あるいは生理食塩水などに溶解して使用するが、マウス
1匹当たり1回に10μg から300μg を投与するの
が好ましい。免疫は数回に分けて行うが、初回免疫はア
ジュバンドと共に投与することが多い。アジュバンドと
しては、ミョウバン、結核死菌、核酸などが使用され
る。免疫は2〜4週間隔で行い、最終免疫にはアジュバ
ンドを使用せず、生理食塩水等に溶解した抗原を腹腔内
あるいは静脈内に投与する。最終免疫2〜4日後にリン
パ節あるいは脾臓を摘出し、得られるリンパ球を細胞融
合に供する。一方、細胞融合に使用される腫瘍細胞株と
しては、初期にはMPC−11、P3−X63−Ag8
等があったが、これらは自身免疫グロブリンを産生する
ので、最近ではP3−X63−Ag8−U1、P3−N
S−1、SP2/O−Agl4(SP2/O)、P3−
X63−Ag8・653(653)等が汎用されてい
る。
【0009】細胞融合には、腫瘍細胞に比べリンパ球を
5〜20倍量多く用いる。DMEM培地、McCoy培
地、RPMI1640培地、あるいは等張緩衝液等で洗
浄した腫瘍細胞とリンパ球を混合後、遠心分離し、ペレ
ットとする。ペレットをほぐした後、HVJ(センダイ
ウイルス)あるいはポリエチレングリコール(PEG)
で細胞を融合させるが、一般には取扱いの便利な平均分
子量1,000〜8,000のPEGの40〜60%溶
液を0.5〜2ml使用する。融合を促進するためにコル
ヒチン、ジメチルスルホキシド、ポリ−L−アルギニン
等を添加することもあるが、必須ではない。
【0010】PEG溶液で融合反応を1〜10分間程度
行った後、DMEM培地やRPMI1640培地等を1
0〜50ml徐々に加え、融合反応を停止させる。停止
後、遠心し、上清を除去する。ウシ胎児血清(FCS)
を5〜20%含むDMEM培地またはRPMI1640
培地を加え、24穴の培養プレートに、リンパ球が1穴
当たり1×105 〜5×106 個となるよう1mlずつ分
注する。あるいは96穴培養プレートに、リンパ球が1
穴当たり1〜2×105 個となるよう0.1mlずつ分注
する。両方共にフィーダー細胞を添加した方が好まし
い。フィーダー細胞としては、ラットの胸腺細胞、脾細
胞、マウスの胸腺細胞、脾細胞等が用いられ、濃度が
0.5〜2×106/mlとなるように添加する。
【0011】次に、ヒポキサンチン1×104 M 、アミ
ノプテリン4×10-7M 、チミジン1.6×10-5M を
含むRPMI1640培地(またはDMEM培地)、即
ちHAT培地に培地を換えて行く。HAT培地交換の方
法は、一般には、融合の翌日に培養プレートに融合時に
分注した容量と等容量のHAT培地を加え、更に翌日H
AT培地で半量を交換する。その後2〜3日毎にHAT
培地で半量ずつ交換する。融合後10〜14日目にアミ
ノプテリンを除いたHAT培地、即ちHT培地で半量交
換し、更にその1〜3日後より1〜3日毎に培地の半量
をHATを含まない通常の培地と交換する。
【0012】ハイブリドーマの増殖の盛んな穴の細胞培
養上清を、種々の分析法(例えばRIA、プラーク法、
凝集反応、ELISAなど)で試験し、目的の抗体産生
ハイブリドーマを選択する。
【0013】ハイブリドーマを得たならクローニングを
行う。クローニングの方法としては、FACS(Fluore
scent Activated Cell Sorter)を用いたり、ソフトアガ
ー(Soft Agar )を用いてコロニーを拾い上げる方法、
一般によく用いられている限界希釈法などがある。クロ
ーニングは、コロニーが1つのハイブリドーマから形成
されるような細胞濃度で行う。限界希釈法では、96穴
プレートの1穴当たり細胞が0.6個以下になるように
行う。どの方法を用いてもクローニングは2回繰り返し
行い、単一クローンとする。
【0014】クローンを確立したなら、それを大量にin
vitroで培養するか、またはin vivo で培養することに
よって抗体を産生させる。in vitroで産生された抗体
は、他の抗体の混入はないが抗体濃度は低い。in vivo
で産生された抗体には宿主からの抗体が若干混じるが、
抗体濃度はin vitroのものに比し非常に高い。どちらの
方法で抗体を産生させるかは目的による。抗ミクロシス
チン−LRモノクローナル抗体は、RIA、ELISA
等に応用出来る。ELISAに使用する時は、標準酵素
としてβ−ガラクトシダーゼ、アルカリホスファター
ゼ、ペルオキシダーゼ等を用いることが出来る。以下に
実施例を挙げて更に詳細に説明するが、実施例が発明の
範囲を拘束するものではない。
【0015】
【実施例】
抗ミクロシスチン−LRモノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマおよび抗体の作製: 1)免疫抗原、分析用抗原の作製 ウシ血清アルブミン(BSA)6.4mgを0.05M リ
ン酸緩衝液(pH7.0、PBS)1mlに溶解し、続いて
この溶液にミクロシスチン−LR1mgを溶解した。この
溶液に1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド(EDPC)の3.2mg /0.5mlPBS
溶液を混合し、24時間室温で攪拌した。反応後、PB
Sに対して透析し、非透析画分を2,000rpm で10
分間遠心して不溶物を沈殿させ、上清をミクロシスチン
−LR−BSAのPBS溶液とした。また、BSAの代
わりに卵白アルブミン(OVA)を用いて、上記と同様
の操作でミクロシスチン−LR−OVAを作製した。更
にカサ貝の一種のヘモシアニン(KLH)を用いて、ミ
クロシスチン−LR−KLHも作製した。
【0016】2)免疫 ミクロシスチン−LR−BSAまたはミクロシスチン−
LR−KLHのPBS溶液を等量のフロイントの完全ア
ジュバンドと混合してエマルジョンとし、BALB/c
マウス(雌性、6週齢)の背部皮内に投与した(25μ
g 抗原/マウス)。14日後、フロイントの不完全アジ
ュバンドを用いて同様の方法で追加免疫した(25μg
抗原/マウス)。更に、21日後および28日後に、4
0μg の各抗原を腹腔内投与または尾静脈に注射するこ
とにより追加免疫を行った。
【0017】3)細胞融合 最終免疫より3日後、マウスの脾臓を摘出し、10mlの
MEM培地を入れたプラスチックシャーレ中で脾リンパ
球をほぐした。脾リンパ球は、遠心操作(1,000rp
m 、10分)を繰り返し、MEM培地で3回洗浄した。
脾リンパ球1.0×108 個と8−アザグアニン耐性ミ
エローマSP2/O−Ag14(SP2/O)2×10
7 個を混合し、1,000rpm で10分遠心してペレッ
トとした。上清のMEM培地を吸引除去し、ペレットを
ほぐした。50%PEG4000の1mlを1分間かけて
加え、用いたピペットで攪拌しながら37℃で1分間反
応させた。続いて1mlのDMEM培地1mlを37℃で1
分間かけて加えた。同様の操作をもう1度行った後、3
7℃に温めておいたMEM培地7mlを2〜3分間で加え
た。直ちに、800rpm で6分、室温で遠心して、上清
を除去した。37℃に温めておいた20%ウシ胎児血清
(FCS)−IMDM培地30mlを加え、ペレットを懸
濁させた。更に30mlの20%FCS−IMDM培地を
加えて良く懸濁させた後、96穴培養プレートにこの懸
濁液を1穴当たり0.1ml分注し、CO2 インキュベー
ター内で培養した。以下、細胞融合を行った日を第0日
として記述する。
【0018】4)HAT選択 第1日に、HAT培地(ヒポキサンチン1×10-4M 、
アミノプテリン4×10-7M 、チミジン1.6×10-5
M を含む20%FCS−IMEM培地)を1穴当たり
0.1ml加えた。第2、3、5、8および11日目に培
地の半分を吸引除去し、HAT培地0.1mlを加えた。
以後3〜4日毎に同様の操作でHT培地(アミノプテリ
ンを除いたHAT培地)と交換した。ハイブリドーマは
ほぼ全穴に増殖してきた。
【0019】5)ハイブリドーマの選択 融合して2週間後から3週間後までの間、3〜4日毎に
培養上清を各穴から集め、ELISAにて分析した。先
ず、PBS50μl 中に溶解した2μgのミクロシスチ
ン−LR−BSA、ミクロシスチン−LR−OVAまた
はミクロシスチン−LR−KLHをELISAプレート
の各穴に分注し、4℃で一晩静置して抗原をプレートに
固定化した。Tween 20を0.05%含むPBSで3回洗
浄した後、培養上清中の蛋白質の非特異的吸着を避ける
ため、0.5%ゼラチンを含むPBS溶液を100μl
ずつ分注し、室温で1時間静置した。次に、同上緩衝液
で3回洗浄後、上記の各細胞培養上清を50μl 分注
し、室温で1時間静置した。陰性対照として20%FC
S−IMDM培地100μl を分注した。更に同上緩衝
液で4回洗浄後、抗マウス免疫グロブリン抗体−アルカ
リホスファターゼ複合体溶液50μl をプレートに分注
し、室温で1時間静置した。同上緩衝液で4回洗浄後、
p−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム・6H2 O(1
mg/ml )溶液を100μl ずつ分注し、室温で1時間反
応後、405nmの光学密度を測定して、アルカリホスフ
ァターゼ活性を定量した。また、カルボジイミドを用い
て作製した抗原は、カルボジイミドの一部が分子内転移
を起こし、N−置換ウレアとして蛋白質に残るので、カ
ルボジイミドのみで処理したBSA、OVA、KLH
(EDPC−BSA、EDPC−OVA、EDPC−K
LH)を作製し、これらをプレートに固定化してELI
SAを行い、ミクロシスチン−LRの結合蛋白質3種に
対して陽性を示し、かつ、EDPC処理蛋白質3種に対
して陰性を示した抗体を産生しているハイブリドーマ
を、抗ミクロシスチン−LRMAb産生ハイブリドーマ
として選択した。
【0020】6)1mlの培養スケールへの拡大 どの穴の細胞が抗ミクロシスチン−LR抗体を産生して
いるかが判明したら、24穴培養プレートへ植え換え、
1mlスケールでの培養を行った。HT培地0.5mlを2
4穴培養プレートに分注し、そこに96穴培養プレート
における抗体産生穴の細胞懸濁液を移す。これを再懸濁
し、そのうちの250μl を元の96穴培養プレートの
穴にもどした。これが複製となり、新しい細胞株の喪失
をふせぐことができる。2〜3日後、24穴培養プレー
トに20%FCS−IMDM培地0.5mlを加えた。そ
の翌日には細胞がほぼ全面に拡がり、良好な増殖を示し
たので、それらの培養上清を用いて遊離型ミクロシスチ
ンによる阻害試験を行い、抗ミクロシスチン抗体産生を
確認した。即ち、5)で述べたELISAの実験系で
0.5μgのミクロシスチン存在下での各穴のミクロシ
スチン−LR−BSAに対する抗体活性を測定し、ミク
ロシスチンによる活性阻害の有無を調べた。その結果、
24穴培養プレートに移した全てのハイブリドーマの培
養上清でミクロシスチンによる競合阻害が認められ、抗
ミクロシスチン抗体産生が、最終的に6穴で確認され
た。以上の操作によりミクロシスチン−LR−BSA免
疫マウスより4クローン、ミクロシスチン−LR−KL
H免疫マウスより2クローンの抗ミクロシスチンMAb
産生ハイブリドーマが得られた。
【0021】7)単クローン化 24穴培養プレートに増殖したハイブリドーマを、限界
希釈法によるクローニングで単クローン化した。クロー
ニング培地は、20%FCS−IMDM培地である。抗
ミクロシスチン−LR抗体産生ハイブリドーマを計数
し、クローニング培地1ml中に10個の細胞が含まれる
ように希釈した。この懸濁液を100μl ずつ96穴培
養プレート中の60穴に分注した。5日目に100μl
の培地を加えた。10日目にELISAにより活性を測
定し、活性のあるクローンを24穴培養プレートで増殖
させた。更に、同様の方法で再クローニングを行い、抗
ミクロシスチン−LR抗体産生ハイブリドーマのクロー
ン6株(以下、1A6、7D4、8H5、9D1、1C
2および1H4;6株という)を得た。これらクローン
の中でミクロシスチン−LRとの反応性に優れるモノク
ローナル抗体を産生する8H5株をA−MLR 8H
5.1F12と命名した。
【0022】この抗ミクロシスチン−LRMAb産生ハ
イブリドーマA−MLR 8H5.1F12は、工業技
術院生命工学工業技術研究所に受託番号:FERM P
−13778として寄託されている。
【0023】8)モノクローナル抗体の生産 モノクローナル抗体は培養上清中に10〜50μg/ml分
泌される。ハイブリドーマを増殖させた後、ほとんど全
てのハイブリドーマを死ぬ直前まで培養し、培養上清を
回収した。また、上記6株の各培養細胞のそれぞれ2×
106 個をDMEM培地0.5mlに浮遊させ、BALB
/cマウス(雌性、6週齢、予め3〜10日前にプリス
タン0.5mlを腹腔内投与しておいたもの)の腹腔内に
投与し、腹水を回収した。
【0024】9)モノクローナル抗体のクラスの決定 それぞれのハイブリドーマクローンが産生する免疫グロ
ブリンのクラスは、各クラスに特異的な抗血清(抗Ig
1 、IgG2 a、IgG2 b、IgM、IgA)を用
いたイムノブロット法(市販のキット)により決定し
た。その結果、上記株が産生するモノクローナル抗体の
うち、5株(1A6、7D4、9D1、1C2、8H
5)はIgG1 に属することがわかった。また1H4株
のモノクローナル抗体はIgAに属することがわかっ
た。
【0025】10)モノクローナル抗体の反応性 市販ELISA用マイクロプレートにミクロシスチン−
LRの牛血清アルブミンとの結合体を固定し、これにモ
ノクローナル抗体およびミクロシスチン−LRあるいは
その類縁化合物を混合して加え、4℃で1晩静置して固
定抗原との競合反応を行わせた後、マイクロプレートに
結合したモノクローナル抗体をパーオキシダーゼ標識抗
マウスIgG抗体(市販)を用いて検出した。抗マウス
IgG抗体標識のパーオキシダーゼ活性は、テトラメチ
ルベンジジン、過酸化水素を基質として測定した。その
結果を第1表に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表中、モノクローナル抗体の反応性は、各
クローンから得られたモノクローナル抗体とミクロシス
チン−LRとの競合率を100とする相対値で示した。
第1表から明らかなとおり、それぞれのハイブリドーマ
が産生するモノクローナル抗体は、ミクロシスチン−L
Aとはほとんど反応せず、またミクロシスチン−YR、
ミクロシスチン−RRとはミクロシスチン−LRと近似
した反応性を有していた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 9161−4B G01N 33/53 D 33/577 B // C12N 15/02 (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミクロシスチン−LRをハプテンとする
    抗原で予め免疫されたマウスのリンパ球とマウスのミエ
    ローマとの細胞融合により形成されたハイブリドーマか
    ら産生される抗ミクロシスチンモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 ミクロシスチン−LRをハプテンとする
    抗原で予め免疫されたマウスのリンパ球とマウスのミエ
    ローマとの細胞融合により形成され、抗ミクロシスチン
    モノクローナル抗体を産生することを特徴とするハイブ
    リドーマ。
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