JPH06113832A - ジゴキシンに対し高い親和性を有するモノクローナル抗体を産生するハイブリッドセルライン及びその製造法 - Google Patents

ジゴキシンに対し高い親和性を有するモノクローナル抗体を産生するハイブリッドセルライン及びその製造法

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JPH06113832A
JPH06113832A JP5127341A JP12734193A JPH06113832A JP H06113832 A JPH06113832 A JP H06113832A JP 5127341 A JP5127341 A JP 5127341A JP 12734193 A JP12734193 A JP 12734193A JP H06113832 A JPH06113832 A JP H06113832A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハイブリッドセルライン及びその製造方法。 【構成】 ジゴキシンをマウスに免疫しその脾細胞とミ
エローマ細胞とを融合し、得られる融合細胞から、ジギ
トキシン及びスピロノラクトンに対して低い交叉反応性
を示しジゴキシンに対して高い親和性を有するモノクロ
ーナル抗体を産生するハイブリッドセルラインを選択す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジギタリス配糖体である
ジゴキシンに対し高い親和性を有し、関連する配糖体や
スピロノラクトンに対して低い選択性を有するモノクロ
ーナル抗体、このモノクローナル抗体を産生するセルラ
イン、この抗体の使用、そしてこのモノクローナル抗体
を含む試験系に関する。
【0002】
【従来の技術】現在西ドイツにおいて毎日300万人の
心臓病患者がジギタリス配糖体による治療を受けている
〔J.R.Ochs,G.Bodem.Med.Wel
t 30,602(1978)〕。従ってこの群の配糖
体は最も頻繁に処方されている。この群の中でジゴキシ
ンが最も重要であり、90%以上はジゴキシンが使用さ
れている。しかしジギタリス配糖体が広く頻繁に使用さ
れているからといって、これらの物質が治療範囲の狭い
という危険性を有している物質であることを忘れてはな
らない。従って効果的かつ安全な治療を行なうためには
ジギタリス濃度を連続的に追跡することが必須であり、
この目的のために種々の異なった試験方法が開発されて
いる。これらの方法においては、配糖体に対して生体に
より産生された抗体が試薬として使用されている。これ
らの抗体は、ジギタリスで免疫した動物の血清から得ら
れる。こうしてポリクローナル抗体、すなわち異なった
抗体を含有する抗血清が得られる。しかしながら多くの
ジゴキシンの試験系における大きな問題はジギトキシン
(第12位に水酸基が存在しない点のみがジゴキシンと
異なる物質)との強い交叉反応である。
【0003】
【化1】 (1)ジゴキシン、(2)ジギトキシン、(3)スピロ
ノラクトンの構造式
【0004】しかしジギトキシンの交叉反応よりもさら
に重要な問題は、スピロノラクトン(たとえばAlda
ctoneTM)による交叉反応性妨害の可能性があるこ
とである。スピロノラクトンはアルドステロン拮抗剤で
あり、ジゴキシンと共に頻繁に投与され、多くの測定
系、さらに市販製剤において存在する。スピロノラクト
ンは実質的に高い投与量で使用されるため、試験系がス
ピロノラクトンとジゴキシンを充分区別できない場合
は、スピロノラクトンが高ジゴキシン濃度として現われ
る危険性がある。ウサギやヒツジにおいて常法により産
生される抗血清の交叉反応性を改良するために、アフィ
ニティクロマトグラフィーによる面倒な精製が試みられ
ている。しかしここでの問題は(精製収率が低いために
起きる)大量の抗血清の不足であり、交叉反応性の改良
にはしばしば検出感度の有意な低下がつきまとうことで
ある。収率が悪いのは、高感度の原因となる高親和性の
抗体はアフィニティカラムからの溶出が非常に困難であ
るか又は不可能であるためである。
【0005】抗体産生の従来法に変わるものとして19
70年代末期より、KohlerとMilsteinの
先駆的な仕事1975/76〔Nature,256
495(1975)〕に基くハイブリドーマセルライン
の細胞培養による抗体の産生がしだいに重要になってき
た。これらのセルラインはあらかじめ免疫したマウスの
脾細胞をマウスの腫瘍セルラインと体細胞融合させ、次
にクローニング操作を繰返すことにより得られる。ハイ
ブリドーマ細胞は全て単一の親細胞に由来しているた
め、均一な特異性を有する単一の型の抗体、モノクロー
ナル抗体(mAK)のみを産生するという点で区別され
る。ハイブリドーマ細胞は腫瘍セルラインであるため理
論的には無限に増殖でき、理論的に無限大の量の抗体を
産生することができる。ジゴキシンによる治療を受けて
いる患者の連続的な追跡、や中毒の治療の試験のために
は、前述の代表的な性質から、試験系にmAKを用いる
ことが当然好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は体細胞
融合により、ジギタリス配糖体であるジゴキシンに対し
高い親和性を有するモノクローナル抗体を開発すること
であった。すでに述べた様にジゴキシン検査においては
他物質による交叉反応の問題が特に重要である。したが
って本発明のもうひとつの目的は、関連の配糖体(特に
ジギトキシン)に対する親和性が低く、アルドステロン
拮抗剤であるスピロノラクトンに対し感度が低いことを
特徴とする、ジギタリス配糖体であるジゴキシンに対し
高い親和性を有するモノクローナル抗体を開発すること
であった。抗体は全ての抗体に共通の定常部分と、ポリ
ペプチドの可変部分から成り、抗体の特異性は可変部に
のみ依存する。生物を抗原で刺激して抗体を作らせる
と、この抗原に対する免疫グロブリンが産生される。し
かし抗原にはいくつかの抗原決定基があり抗体の結合部
位がいくつか存在するため、同じ抗原に対する抗体では
あるが親和定数が異なり特異性の異なる抗体の混合物が
作られる。問題は、もし可能ならばジゴキシンに対し高
い親和性と特異性という2つの性質を兼ね備えた抗体を
この混合物の中から見つけることである。これまで使用
されてきた試験で得られた好ましい感度を有するモノク
ローナル抗体は、ポリクローナル抗体と同じ短所を有し
ている。すなわちそれらはジゴキシンに対し親和性はあ
るが、ジギトキシン及び/又はスピロノラクトンに対す
る交叉反応性も無視できないということである。
【0007】
【課題を解決するための手段】ジゴキシンで免疫した後
得られたマウスの脾細胞をマウスの腫瘍セルラインと公
知の方法により融合し、この体細胞融合させた細胞を適
当な培地中で培養し、特別なスクリーニング試験により
同定、選択することにより、所期の抗体(すなわちジゴ
キシンに対する高い親和性と感度を有するモノクローナ
ル抗体)を産生するハイブリッド細胞を得ることがで
き、本発明の目的は驚く程うまく達成された。このため
同一の細胞培養液の上澄液の同一の試料について、一方
ではジゴキシンに対する結合活性を、もう一方ではジギ
トキシンに対する結合活性をラジオイムノアッセイ法で
調べた。この活性を相互に比較することにより、ジゴキ
シン存在下ではきわめて活性が強く、ジギトキシン存在
下では活性の弱いmAKを産生するセルラインを選択す
ることができた。この高度に特殊な細胞を単離し、確立
した。
【0008】マウスの免疫、脾細胞の単離、細胞の融
合、ハイブリッドの培養と選択、所期の抗体を産生する
ハイブリッドのサブクローニング、ハイブリッドや抗体
の単離は全て、当業者に公知の方法に従い実施した。文
献としてはKohler and Milsteinの
Nature 256,495(1975)、Hoch
keppelらのEur.J.Biochem. 11
,437(1981)及びSecherらのNatu
re 285,446(1980)を参照。免疫には、
当業者は通常使用されるBalb/cマウスを用いるこ
とができる。ハイブリッドの安定化及び複製には培養は
in vitro又はin vivoでできる。in
vivo培養の場合は、あらかじめ腫瘍刺激物質で処理
したマウスの腹腔にハイブリッドを注入する。次に腹水
より所期の特異性を有する複製されたモノクローナル抗
体を単離し、必要な場合は精製する。
【0009】本発明によるこのモノクローナル抗体はジ
ゴキシンに対し高い親和性を有することが判明し、試験
系に使用するための基本的条件は満たしている。ポリク
ローナル性の大多数の通常の抗ジゴキシン血清や文献
〔Yelton.D.E.,Scharff,M.
D.;Ann.Rev.Biochem.50,657
−680,(1981);margolies,N.
M.,Hunter,M.M.;Smith, T.
W.;Novotny,J.;HaberE.;in:
Monoclonal Antibodies and
Fcellhybridomas;Hammerli
ng,G.J.;Hammerling,U.;Kea
rney,J.F.;eds.;pp367−374
Elsevier/North Holland(19
81);Bang,B.E.;Hurme,M.;Iu
ntunen,K.;Makela,O.;Scan
d.J.Clin.Lal.Invest.41,75
−78(1981);Hunder.M.M.;mar
golies,M.N.Ju,A.;Haber.
E.;J.Immunol.,129,1165−11
72(1982)〕に記載のいくつかの他のモノクロー
ナル抗ジゴキシン抗体と比較すると、本発明のmAKは
ジゴキシンに対する特異性が著しく高い。ジゴキシンに
類似のジギトキシンのような物質も明瞭に区別される
(交叉反応性は約1.3%)。
【0010】他の構造が類似の化合物(たとえばステロ
イド)についても交叉反応性が見られないことは確認さ
れた。ジゴキシンと共に投与されることの多いアルドス
テロンの拮抗剤であるスピロノラクトンに対する親和性
が極めて小さいことから、治療の追跡にこのmAKの使
用は特に好ましい。この場合交叉反応性はわずかに0.
007%と無視できる程小さい。この抗−ジゴキシンモ
ノクローナル抗体を用いてMicrotiterTMプレ
ート中で試験系を確立した。この試験系により時間がか
なり節約できたばかりでなく、必要な試薬の量も大幅に
減少した。特に「ミクロ−RIA」(RIA=ラジオイ
ムノアッセイ)ではその感度(検出限界:0.8ng/
ml)のよさのため、治療量のジゴキシンの投与後の、
前処理をしていない血漿試料の測定が可能になる。要す
るに本発明のmAKを用いる試験系は、現在市販されて
いるキットに比較して感度、特異性共に優れている。
【0011】このミクロ試験系は、ルーチンの検査とし
て有効に実施可能である。モノクローナル抗体を用いる
RIAの特別の利点は、増殖し続けるセルライン(細胞
培養の浮遊液中、又はマウスの腹水中)として、一定の
性質を持ったモノクローナル抗体を理論的に無限量産生
できる抗体の供給源に、理論的に無限の期間戻ることが
できるだろうということである。 図面の説明 図1:2匹の動物における抗体産生の増加。 図2:10日増殖後の細胞クローンの顕微鏡像。 図3:腹水のアフィニティクロマトグラフィーによる精
製の溶出パターン(DEAE Affi Gel Bl
ueTMを使用)。 図4:mAK D50(“ミクロ−RIA”系)を使用
した場合のジゴキシン−RIAの感度。4回の測定値の
平均値(±標準偏差)(mAK稀釈1:40,000,
T=6,000cpm,bo=40%,NSB=1.7
%)。 図5:ジゴキシンミクロ−RIAにおける、構造類似物
質の妨害。 図6:「ミクロ−RIA」の操作の流れ。個々の操作は
1.9.2(方法)に詳述されている。 要約:100μlの試料又はジゴキシン標準物質、10
0μlの 125I−ジゴキシン、そして100μlの抗ジ
ゴキシンmAKをピペットで採りMicrotiter
TMプレートの穴に入れる。室温でインキュベーション
後、結合した放射能と遊離の放射能をテキストラン活性
炭を用いて分離する。各混合液の一定量をとり結合した
放射能を測定する。
【0012】以下本発明をさらに詳しく説明する。 1. 方法 1.1 免疫物質の調製 ハプテンとしてのジゴキシンと担体分子としての牛血清
アルブミン(BSA、マイルズ)より成る免疫物質複合
体はButler & Chen.Proc.Nat.
Sci.(USA)57,71−78(1967)の方
法により調製した。 1.2 供血体であるマウスの免疫 免疫にはBalb/c株のマウスのみ用い、20匹のマ
ウスの群を免疫する。ジゴキシン−BSAと完全フロイ
ントアジュバント(CFA,ディフコラボラトリーズ)
1:3の比の乳濁液を各マウスの腹腔内に投与する(マ
ウス一匹につき免疫原20−50μg)。4週間後に
0.9%NaCl中のジゴキシン−BSAを20−50
μg追加免疫する。必要であれば4週間おきにこの追加
免疫を数回繰返す。マウスの免疫反応を定期的に血液試
料を採取して追跡する(Pl.retroorbita
ls)全血中の抗体価を測定するために市販のRIAキ
ット(DIAGNOSTIC PRODUCTS社)の
試薬を用いる。
【0013】1.3 マウスの癌セルラインの培養 セルライン×63.AG8−653〔Kearney
ら、J.Immunol.123,1548(197
9)〕を融合に用いる。この細胞は凍結用培地中で液体
窒素で−196℃にして保存する。融合の一週間前に一
部をとって溶かし、RPMI 1640培地のはいった
シャーレ(直径10cm、Greiner)に入れる。
対数増殖期の細胞を融合に用いる。 1.4 体細胞融合 最後の追加免疫をしてから3−4日後に無菌条件下で、
免疫したマウスの脾臓をとり出す。ステンレス製の網
(孔の大きさ100μm)の上で注意深くすりつぶした
後、脾細胞から結合組織を分離し、PBS(リン酸緩衝
生理食塩水)につける。DPBS(ダルベッコーPB
S)で2回洗い(1,000rpmで5分間遠心分
離)、次にDPBSにつける。この混合液中で脾細胞と
Ag8細胞を2:1で混合する。ポリエチレングリコー
ル−DPBS(ダルベッコーPBS中PEG4000
71%,DMSO 6%;ROTH/SIGMA/SE
ROMEDより販売)を加えて、細胞融合を開始する。
1分後にダルベッコーPBS(DPBS)を加えてPE
Gを稀釈する。PEGが完全になくなるまで細胞浮遊液
を洗い、次に106 細胞/mlの濃度になるようにヒポ
キサンチン/アミノプテリン/チミジン選択培地(Li
ttlefieldのHAT培地)に入れる。この選択
培地中では融合した細胞のみ生存でき、浮遊液中の融合
してない細胞やAg8細胞は生存できない。
【0014】1.5 ハイブリドーマ細胞の培養 融合後の細胞浮遊液(HAT培地中)をピペットで20
0μlずつとり、MicrotiterTMプレート(C
OSTAR type 3596)の96個の穴の中に
入れる。37℃、相対湿度95%で、93%の空気と7
%のCO2 の雰囲気中で培地を変えないでインキュベー
ター中で通気をしながら7−10日間インキュベートす
る。この間に定期的に細胞の増殖を追跡する。2−3週
間後に、この目的のために開発した特別のスクリーニン
グ法(1.9を参照)を用いて、陽性の培養液(すなわ
ち所期の特異性を有する免疫グロブリンを産生している
培養液)を同定する。同時に培養液をHAT培地からH
T培地にそしてRPMI 1640培地に順番にかえて
いく。 1.6 ハイブリドーマ培養細胞のクローニング 陽性の増殖培養液を大容量の培養容器(COSTAR細
胞培養プレートtype3524又は3506)中で増
殖させる。以下のクローニングは「限界稀釈クローニン
グ」法により実施する。この方法では陽性の培養液を稀
釈して新しく培養を始めたとき移植された細胞数が統計
的にそれぞれ10又は1個になるようにする。8−12
日後に単一の細胞から出発した大きなコロニーがすでに
見えるようになる。本当にモノクローナルの細胞(単一
の共通の親細胞から得られた培養細胞)が増殖している
ことを確認するため、クローニング操作は少なくとも2
回行なう。
【0015】1.7 ハイブリドーマ培養細胞の増加 1.7.1 培養細胞の増加(in vitro) 約103 個の細胞を10mlのRPMI 1640のは
いったシャーレ(直径10cm,GREINER)の中
にまく。シャーレのかわりに細胞培養ビンを使ってもよ
い。数日後に細胞を含まない上澄液中に細胞の分泌した
mAKが含まれている。これは直接RIAに使用し得
る。 1.7.2 マウスの腹水の増加(in vivo) 腹膜を調整するために鉱物油PristanTM(ROT
H)0.5mlをBalb/cマウスに腹腔内投与す
る。7−60日以内にこうして前処理したマウスの腹腔
内に一匹あたり106 −107 個のハイブリドーマ細胞
の浮遊液(PBS中)を投与する。8−10日後に腹腔
にカニューレをさしこんで細胞を含有する腹水を集め
る。遠心分離(1,000rpm,10分)により腹水
から細胞成分を分離する。モノクローナル抗体を含有す
る上澄画分も(必要な場合は稀釈してから)分注して−
70℃で保存するか、又はアフィニティクロマトグラフ
ィーで精製する。
【0016】1.8 腹水の精製 Bruckらの方法〔J.Immunol.Meth.
53,313−319(1982)〕により精製する。 1.8.1 腹水の前処理 腹水を1,000×gで5分間遠心分離して細胞成分を
沈澱させる。超遠心分離(100,000×g,30
分)により細胞断片とフィブリン塊を分離除去する。次
に上澄画分を100倍量のトリス−HCl緩衝液(0.
02m/l、pH7.2)で一晩透析する。そして1
0,000×gで15分間遠心分離する。 1.8.2 クロマトグラフィー 前処理した腹水1mlをDEAE Affi−Gel
BlueTM(BIO−RAD)(ベッド容積7ml)を
充填したカラムに添加する。カラムをカラムの緩衝液
(トリス−HCl、0.02m/l、pH7.2)で洗
う。異なる蛋白をNaClの濃度勾配(0−100mm
ol/l)で流速30−40ml/hで溶出する。1−
2mlの画分を集める。溶出中各画分の蛋白含量を追跡
する。抗体を含む画分を集め0.02%NaN3 添加後
4℃で保存する。
【0017】1.9 全血、細胞培養上澄画分と腹水に
おける抗体検出のためのスクリーニング試験 ジゴキシンのmAKの開発の過程に細胞培養上澄画分に
おける抗体を見出す方法として2つの方法(固相酵素免
疫定量法とラジオイムノアッセイ)を用いた。スクリー
ニング段階ですでに、ジゴキシンに対し交叉反応性の低
いmAKの選択にはラジオイムノアッセイが特に優れて
いることがわかった。 1.9.1 固相免疫定量法 ELISAプレートの調製 固相酵素免疫定量法(SP−ELISA)として抗体産
生の一般的スクリーニング試験を行なった(ELISA
=enzyme labelled immunoso
rbent assay)。免疫において免疫物質とし
て用いたジゴキシンBSA結合物で、Microtit
erTMプレートの96個の穴をまず被覆し(56μg/
穴)、37℃で90分インキュベートする。残っている
遊離の非特異的結合部位を牛血清アルブミン(BSA)
(PBS中0.5%BSA、0.05%ツイーン20、
0.02%NaN3 )でブロックする。生理食塩水(2
回蒸留水中0.15M NaCl、0.05%ツイーン
20、0.02%NaN3)で2回洗浄後、こうして前
処理したプレートを湿潤箱中4℃で4週間まで保存す
る。
【0018】ELISA法 各細胞培養上澄画分を、あらかじめ被覆したプレートの
各穴にピペットで入れる。37℃で90分間インキュベ
ーション後、穴の中の内容物を捨て、プレートを生理食
塩水で3回洗う。抗原(ジゴキシン−BSA)に結合し
得る抗体、したがって細胞上澄画分の固相に結合し得る
抗体を検出するために、検出試薬としてアルカリ性ホス
ファターゼで標識した第2抗体(MEDAC Ltd.
製のヤギ抗マウス免疫グロブリン、抗−IgM)を用い
る。さらにインキュベーション(90分、37℃)後、
ホスファタゼーゼ基質(p−ニトロフェニルホスフェー
トの2ナトリウム塩、SIGMA,0.1%ジエタノー
ルアミン緩衝液、pH9.0、100μl/穴)を添加
して酵素反応を開始させる。室温で約1時間反応後、陽
性の培養液の細胞上澄画分を含有するプレート中の穴
に、有意な黄色の発色がみられる。Miciotite
TM系に一致する8−チャンネル光度計(Titert
ek Multiskan.Flour Labora
tories製)を用いて、プレート中の発色反応を直
接定量する。
【0019】1.9.2 抗体産生のスクリーニングの
ためのラジオイムノアッセイ スクリーニング用RIAはマイクロタイタープレート中
で「ミクロ−RIA」(下記)として行なう。混合液は
下記の試薬より成る。 細胞培養上澄液100μl125 I−ジゴキシントレーサー100μl (DIAGNOSTIC PRODUCTS) 又は 125I−ジゴキシントレーサー100μl (DIAGNOSTIC PRODUCTS) 正常ヒト血清100μl(MAINTZ血液銀行) 周囲温度でインキュベーション(30−45分)後、遊
離の放射活性と抗体に結合した放射活性をデキストラン
被覆活性炭(MERCK)のリン酸緩衝液浮遊液を加え
て1500×gで10分間遠心分離して分離する。Mi
crotiterTMプレートの各穴から一部採り、結合
した放射活性(上澄液中)をガンマシンチレーションカ
ウンター(KONTRON MR 480C)で測定す
る。
【0020】1.10 ジゴキシンのラジオイムノアッ
セイ 1.9.2で記載したスクリーニング試験と同様にし
て、ジゴキシンRIAをMicrotiterTMプレー
ト中の「シクロ−RIA」として行なう。この場合の混
合液は下記の試薬より成る。 抗ジゴキシンmAK100μl125 I−ジゴキシントレーサー100μl 血漿試料100μl 又は血漿中のジゴキシン標準液100μl ピペッティング操作は(各試料又は標準液を採取する場
合を除き)8チャンネル又は12チャンネルピペット
(TITERTEKTM FLOW Laborator
ies製)を用いて行なう。インキュベーション時間や
他の操作は全てスクリーニングRIAと同じである。
【0021】1.11 mAKの免疫グロブリンのサブ
クラスの決定 mAKは固相ELISA系において一層特徴が出る。M
icrotiterTMプレートの穴を抗原(ジゴキシン
−BSA)で被覆する。こうして細胞培養液のmAKで
調製したプレートをインキュベーション(37℃で2時
間)後、種々のクラスそしてサブクラスの抗マウス免疫
グロブリンや種々のクラスの免疫グロブリンのL鎖やH
鎖を使用して、2回目のインキュベーション(37℃で
1時間)を行なう。次に酵素標識ヤギ抗ウサギ免疫グロ
ブリンを加え1時間インキュベートし、p−ニトロフェ
ニルホスフェートを添加して酵素反応を開始させる。
【0022】2. 結果 2.1 マウスの免疫応答 免疫後何週間かすると20匹の群のマウスのうち13匹
の全血中に、ラジオイムノアッセイで抗ジゴキシン抗体
を産生しているのが検出される。特に免疫反応性の高い
ことがわかったマウスだけを、次の融合実験における脾
臓の提供マウスとして用いる。図1に2匹のマウスの抗
体産生の上昇の例を示してある。 2.2 ハイブリドーマセルラインの確立 融合のもうひとつのセルラインとしてはP3×63.A
g8−635−Thのみを用いる。こうして50−80
%の融合頻度(HAT選択培地で生存している細胞の比
率)が規則的に得られる(表1)。
【0023】
【表1】 HAT選択培地 特異抗体を分 確立した 融合番号 で増殖している 融合頻度 泌しているコ ハイブリ コロニーの数 ロニーの数 ドーマ ─────────────────────────────────── 17 314 81.7% 1 1 20 299 52.0% 3 1 28 448 77.8% 6 1 ───────────────────────────────────
【0024】表1 例としてあげた3回の融合実験にお
ける融合収率の要約。 融合17:もともと384個の培養からスタートした;
融合20と28:もともと576個の培養。安定した増
殖と抗体産生を示すコロニーを「限界稀釈クローニン
グ」法(培養した細胞を融合後稀釈し、2個のMicr
otiterTMプレート(192個の培養)に入れ、各
新しい培養液中の細胞数が統計的に1であるようにす
る)によりクローニングする。10日後にプレートの各
穴に最初のクローン細胞が肉眼で検出できる。この段階
では顕微鏡で規則的で均一な細胞の増殖が容易にみられ
る(図2)。正確に1週間おきにまず固相ELISA法
でそして次にRIA法で、各クローンの抗ジゴキシン抗
体の産生を追跡する。数週間にわたって継続的に抗体を
産生するクローンを2つの異なる方法で増やす。第1の
方法では培養細胞の浮遊液を大きなシャーレの中か又は
細胞培養ビンの中へ入れる(in vitro系)。第
2の方法では、PristanTMで前処理したマウスの
腹膜における腹水としてハイブリドーマクローンを増殖
させる(in vivo系)。細胞浮遊液の一部を凍結
保存する。
【0025】2.3 培養細胞と腹水におけるmAKの
産生 2つの系におけるセルラインの遺伝的安定性従って目的
のモノクローナル抗体を産生する能力を、RIA法によ
り抗体価を絶えず調べることによりかなり長期間にわた
って追跡する。こうすると安定なクローンは比較的少数
であることがわかる。大多数のクローンでは数週間する
と抗体価が絶えず低下するため、RIAにおける放射性
トレーサーの同一の結合力を得るためには、腹水又は培
養細胞の上澄液をさらに濃縮しなければならないという
事実より、それらのクローンは遺伝的に不安定であるこ
とがわかる。ハイブリドーマ株が腹水として増殖してい
るマウスはまた種々の物質、特に蛋白、従って免疫グロ
ブリンそして破壊的酵素(例えばプロテアーゼ)を腹水
中に放出する。これらの成分は又後で腹水を試験系で使
用するとき問題となるので、腹水を精製することが好ま
しい。
【0026】2.4 腹水の精製 DEAE Affi Gel BlueTMを用いるアフ
ィニティクロマトグラフィーで腹水を精製する。NaC
l濃度勾配(0−100m mol/l)で溶出中にI
gG画分を破壊的プロテアーゼ(これはNaCl濃度が
120m mol/lより高いときのみ溶出される)や
アルブミンから分離する(図3)。モノクローナル抗ジ
ゴキシン抗体は、NaCl 35−50m mol/l
のIgGピークで溶出される。ピーク画分(65−7
0)の蛋白濃度は80μg/mlである。プロテアーゼ
検査キット(BIQ RAD)を用いると、IgGピー
クの画分にはプロテアーゼが汚染していないことが証明
できる。IgGピークの蛋白濃度が最も高い画分が、放
射活性ジゴキシントレーサーに対し最も親和性の高い画
分と必ずしも一緒に溶出していないことが結合定量法
(RIA)によりわかる。
【0027】2.5 ジゴキシンに対するmAKの性質 2.5.1 免疫グロブリンサブクラス 抗ジゴキシン抗体mAK D28−A91−16−B6
4(D50と省略)はサブクラスIgG1 の免疫グロブ
リンでありL鎖はカッパ型である。 2.5.2 親和性 mAK D28−A91−16−B64についてジゴキ
シンに対する結合の親和定数はラジオイムノアッセイの
データを用いて求める。この測定結果と2つの市販のR
IAキットのポリクローナル抗体と比較した結果を表2
に示す。
【0028】
【表2】 ─────────────────────────────────── 結合試薬 Ka-1〔モル-1〕 ─────────────────────────────────── mAK D50 4.1×109 抗血清Diagnostic Products 6.0×109 抗血清Becton-Dickson 4.1×109 ───────────────────────────────────
【0029】表2 mAK D50のKa値と市販のキ
ットの抗血清のKa値の比較 ジゴキシンに対するmAKの親和定数はRIAのデータ
より求めた。表のKa値より抗ジゴキシンmAKは親和
性の高い抗体であることがわかる。その親和定数はポリ
クローナル抗体と同じオーダーである。 2.5.3 感度 mAK D50を用いるRIA系の感度を求めるため
に、標準液濃度が0.03ng/mlから100ng/
mlの範囲で各濃度に4点を用いて測定する(図4)。
検出限界(「ミクロ−RIA」では)は1ng/mlよ
り有意に低値であり、この点からもmAKのジゴキシン
に対する親和性の高さがわかる。
【0030】2.5.4 特異性 図4から明らかな様に、各点の何回かの測定値の変動は
非常に少ない。測定の再現性の正確さを示す例として、
表3に絶対標準偏差及び相対標準偏差と共に図4の標準
曲線を得たデータを示す。
【0031】
【表3】 ─────────────────────────────────── ジゴキシン %b/b(c) 絶対 相対 〔ng/ml〕 標準偏差 標準偏差 ─────────────────────────────────── 0.03 99.24 2.35 2.37% 0.05 98.53 3.03 3.08% 0.1 97.13 1.93 1.99% ───────────────────────────────────
【0032】表3 ジゴキシン「ミクロ−RIA」の精
度(試験のパラメータについては図4を参照) 試験系(たとえば追跡治療)において抗ジゴキシン抗体
を用いている場合は特に、ジゴキシンと他の類似の物質
(たとえばある場合にはステロイドのような内因性の物
質、又はアルドステロンの拮抗剤であるスピロノラクト
ンのようにジゴキシン療法において一緒に投与される物
質)をどれだけ区別できるかということがきわめて重要
である。又ジゴキシンと、ステロイド環の12位のOH
基がないという点でのみジゴキシンと異なるジギトキシ
ンを明瞭に区別できることが好ましい。mAK D28
−A91−16−B64は「ミクロ−RIA」において
ジゴキシンに対し非常に優れた特異性を示す(図5)。
ジギトキシンとの交叉反応性は1.3%であり、スピロ
ノラクトンに対する交叉反応性は0.007%である。
同様に試験した種々のステロイドによる妨害はほんのわ
ずかである(図5)。
【0033】2.4.5 ジゴキシン測定用「ミクロ−
RIA」 スクリーニング試験においてはマイクロタイター系が特
に優れていた。培養細胞の上澄液画分を同じ格子構造を
有する試験プレートに移す可能性があるため特別のピペ
ッティング装置(12チャンネルピペット)を使用する
ことができ、人手と時間が大幅に減少できる。スクリー
ニングアッセイでの充分な経験を考慮してマイクロタイ
ター格子系の利点をジゴキシンの検査自身にも使用し
た。従来のRIA試験管(プラスチック試験管、75×
12mm、SARSTEDT)でもともと実施されてい
たRIAを、マイクロタイター系に適応させた。この目
的のために測定容積を300μlに減らした。結合した
放射能と遊離の放射能の分離は、50μlを越えない量
の適当な濃度の活性炭浮遊液により行なう。こうして有
用なRIA系が得られる。この系の操作を図6に模式的
に示す。本明細書のRIAのデータは全て(標準曲線、
特異性の証拠など)、この測定系を用いて求めた。測定
容量が少ないということは、操作時間が大幅に節約でき
る(「ミクロ−RIA」系では1時間あたり約300本
の試料が処理できる)のみでなく、必要な試薬の量も減
らすことができる。セルラインMAK D50(D28
−A91−16−B64)は1983年12月21日に
番号I−272でCNCM(Collection n
ationale de cultures de m
icroorganismes)、パスツール研究所、
パリーに寄託した。
【0034】使用した緩衝液と培地の組成 1. 緩衝液 1.1 ダルベッコーPBS(DPBS,量はmg/
l) 文献:Earle,W.R.et.al.,J.Na
t.cancer Inst.4,165(1943) Hanks,JH.and R.E.Wallace,
Proc.Soc.Exp.Biol.Med.71,
196(1949) Dulbecco,R. and M.Vogt,J.
Exp.Med.99,167(1954) PBS Earl's Hanks' (ダルベッコー) Salts Salts NaCl 8000 6800 8000 KCl 200 400 400 Na2 HPO4 1150 - 48 NaH2 PO4 ・H2 O - 140 - KH2 PO4 200 - 60 MgCl2 ・6H2 O 100 - - * MgSO4 ・7H2 O - 200 200 * CaCl2 100 200 140 グルコース - 1000 1000 フェノールレッド - 10 10 NaHCO3 - 2200 350 * 本来の組成はMgCl2 6H2 O 100mg/l
とMgSO4 7H2 O100mg/lである。
【0035】1.2 リン酸緩衝液(PBS,量はg/
l) 9.6mM,pH=7.4 NaCl 8.0 KCl 0.2 Na2 HPO4 ・2H2 O 1.44 KH2 PO4 0.2 1.3 炭酸水素ナトリウム緩衝液 0.1mol/l NaHCO3 (2回蒸留水中) 0.1mol/l Na2 CO3 (2回蒸留水中) pH9.0に調整 1.4 酢酸ナトリウム緩衝液(0.1mol/l) 8.203g CH3 COONa 29.22g NaCl 800ml H2 O中 酢酸でpH4.0に調整し、2回蒸留水で1リットルに
調整する。
【0036】1.5 グリシンHCl緩衝液(0.1m
ol/l) 溶液a:0.1mol/lグリシン(7.505g/
l)+0.1M NaCl(5.85g/l) 溶液b:0.1mol/l HCl 緩衝液の組成:溶液a 88% 溶液b 12% pH3.2 1.6 生理食塩水洗浄液(ELISA用) 0.15mol/l NaCl 0.05%ツイーン20 0.02%NaN3 2回蒸留水中 1.7 ブロッキング緩衝液(ELISA用) 0.5% HSA 0.05%ツイーン20 PBS中 0.02%NaN3 1.8 ジエタノールアミン緩衝液(ELISA用) ジエタノールアミン48ml MgCl2 (52.26mg MgCl2 ・6H2 O)
2 ・6H2 O) 2回蒸留水400ml 1mol/lのHClでpH9.0に調整し、2回蒸留
水で500mlにする
【0037】2. ポリエチレングリコール溶液(融合
用) PEG 4000 20g 20分間オートクレーブ(121℃) 80℃に冷やす 28mlのDPBS(15%DMSO含む)を加える 3. 細胞培養培地 3.1 PPMI 1640培地(量はmg/l) 文献:Moore,G.E.et.al.,J.Am.
Med.Assoc.199,519(1967) NaCl 6000 KCl 400 Na2 HPO4 ・7H2 O 1512 MgSO4 ・7H2 O 100 Ca(NO3 2 ・4H2 O 100 D−グルコース 2000 フェノールレッド 5 NaHCO3 2000 L−アルギニン 200 L−アスパラギン 50 L−アスパラギン酸 20 L−シスチン 50 L−グルタミン 300 L−グルタミン酸 20 グリシン 10 L−ヒスチジン 15 L−ヒドロキシプロリン 20 L−イソロイシン 50 L−ロイシン 50 L−リジン−HCl 40 L−メチオニン 15 L−フェニルアラニン 15 L−プロリン 20 L−セリン 30 L−スレオニン 20 L−トリプトファン 5 L−チロシン 20 L−バリン 20 グルタチオン 1 ビオチン 0.2 ビタミンB12 0.005 D−CA−パントテン酸塩 0.25 塩化コリン 3 葉酸 1 L−イノシトール 35 ニコチンアミド 1 p−アミノ安息香酸 1 ピリドキシン・HCl 1 リボフラビン 0.2 チアミン・HCl 1 液体培地は10mg/lのフェノールレッドを含有する
さらに: 0.002mol/l L−グルタミン 105 U/l ペニシリン−ストレプト
マイシン 2×10-5 mol/l メルカプトエタノール 10−15% FCS
【0038】3.2 HAT培地/HT培地 A :アミノプテリン3.82mg/200ml 2回
蒸留水 HT:ヒポキサンチン272.20mg(200ml
2回蒸留水中)チミジン76.50mg HAT培地:基礎溶液A10ml+基礎溶液HT10m
l RPMI 1640(添加物を全て加えてある)1
000ml HT培地:基礎溶液HT10ml RPMI(添加物を全て加えてある)1000ml 3.3 凍結用培地 70%DPBS 10%DMSO(ジメチルスルホキサイド) 20%FCS(牛胎児血清)
【図面の簡単な説明】
【図1】2匹の動物における抗体産生の増加。
【図2】10日増殖後の細胞クローンの顕微鏡像。
【図3】腹水のアフィニティクロマトグラフィーによる
精製の溶出パターン(DEAEAffi Gel Bl
ueTMを使用)。
【図4】mAK D50(“ミクロ−RIA”系)を使
用した場合のジゴキシン−RIAの感度。4回の測定値
の平均値(±標準偏差)(mAK稀釈1:40,00
0,T=6,000cpm,bo=40%,NSB=
1.7%)。
【図5】ジゴキシンミクロ−RIAにおける、構造類似
物質の妨害。
【図6】「ミクロ−RIA」の操作の流れ。個々の操作
は1.9.2(方法)に詳述されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/06 C12P 21/08 8214−4B G01N 33/53 G 8310−2J 33/577 B 9015−2J //(C12N 5/20 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジゴキシンに対し高い親和性と選択性を
    有するモノクローナル抗体を産生することを特徴とす
    る、ハイブリッドセルライン。
  2. 【請求項2】 産生するモノクローナル抗体のジギトキ
    シンに対する交叉反応性が1.3%未満であることを特
    徴とする、請求項1記載のハイブリッドセルライン。
  3. 【請求項3】 産生するモノクローナル抗体のスピロノ
    ラクトンに対する交叉反応性が0.007%未満である
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のハイブリッド
    セルライン。
  4. 【請求項4】 マウスにジゴキシンを免疫し、ジゴキシ
    ン、ジギタリス配糖体およびスピロノラクトンを用い
    て、体細胞融合の通常の操作段階に必要なハイブリッド
    細胞の選択をすることにより産生される、請求項1から
    3のいずれか1項に記載のハイブリッドセルライン。
  5. 【請求項5】 ジギタリス配糖体としてジギトキシンを
    用いることにより産生される、請求項4記載のハイブリ
    ッドセルライン。
  6. 【請求項6】 a) マウスを免疫原で処理し、 b) これらのマウスの脾細胞をマウスのミエローマ細
    胞で融合し、 c) 融合していない細胞のハイブリッドを分離除去
    し、 d) 免疫原に対するモノクローナル抗体を産生するハ
    イブリッドを選択し、そして e) 必要な場合にはハイブリッドを単離する請求項1
    から3のいずれか1項に記載のハイブリッドセルライン
    の製造方法において、ジゴキシンをa)の免疫原として
    使用し、ジゴキシン、ジギタリス配糖体そしてスピロノ
    ラクトンを用いてd)の選択を行なうことを特徴とす
    る、上記方法。
  7. 【請求項7】 ジギタリス配糖体としてジギトキシンを
    用いることを特徴とする、請求項6記載の方法。
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