JPH0543358B2 - - Google Patents

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JPH0543358B2
JPH0543358B2 JP60069170A JP6917085A JPH0543358B2 JP H0543358 B2 JPH0543358 B2 JP H0543358B2 JP 60069170 A JP60069170 A JP 60069170A JP 6917085 A JP6917085 A JP 6917085A JP H0543358 B2 JPH0543358 B2 JP H0543358B2
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Yoshio Ueno
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Ube Industries Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の属する技術分野] 本発明は、T−2トキシンに対して特異性の高
いモノクローナル抗体及びそれを産生するハイブ
リドーマ及びそれらの製造方法並びにその抗T−
2トキシンモノクローナル抗体を用いるT−2ト
キシンの測定方法に関するものである。
[従来の技術とその問題点] T−2トキシン類は、フサリウム(Fusarium)
属のある種のものにより生産される有毒二次代謝
産物である。T−2トキシンはマイコトキシンの
中でも毒性の強いものの一つであり、現在では穀
物、飼料や食肉などの汚染が問題となつている。
T−2トキシンを穀物あるいはその加工製品か
ら検出する方法としては、TLCやGLC等が用い
られており、最近では免疫測定法も試みられてい
る。
さて免疫測定法で特異的にT−2トキシンを測
定するためには特異性の高い抗体が必要であるこ
とは論ずるまでもない。
T−2トキシンのような低分子化合物に対する
抗体を作製する場合は、それ自身が免疫原性を持
たないので、蛋白質などの高分子キヤリアーと結
合させてハプテン抗原となし動物に免疫するのが
通常の方法である。又、T−2トキシンなどのト
リコテセン系化合物の場合、その中の一種の化合
物にのみ特異的な抗体を作製することは困難であ
り、通常得られる抗体はその化合物が属する群の
その他の多くの化合物と交叉反応する場合が多
い。
T−2トキシンに対する抗体の特性は、従来T
−2トキシンをウシ血清アルブミン(BSA)に
結合させたハプテン抗原でウサギを免疫して行つ
てきたが、得られた抗体の特異性は十分ではな
く、T−2トキシン類全般に交叉反応を示した。
このように特異性の高いT−2トキシンに対する
抗体としては、これまでの多くの研究者の努力に
もかかわらず未だ充分なものが得られていない。
このため、穀類中のT−2トキシンの特異的な測
定法の開発が要求されている折から、特異抗体の
作製が強く待ち望まれている。
又、動物を免疫する都度に新たにハプテン抗原
を作製する従来の抗血清の製造方法では、一般に
ハプテン抗原の作り方や動物の固体差、免疫の仕
方によつてその都度力価、特異性、抗体サブクラ
スの異なつた抗体が得られるため、測定試薬に応
用した場合、測定結果に微妙な影響が生じる。
[発明の目的] 本発明の目的は、T−2トキシンに対し特異性
の高いモノクローナル抗体を提供するとともに、
該モノクローナル抗体を用いてT−2トキシン類
を精度良く測定し得る方法を提供することにあ
る。
[発明の概要] 本発明者らは、ハプテン抗原を用いて免疫すれ
ば、動物の免疫担当臓器、主に脾臓における多数
の抗体産生クローンの中から目的の抗原に特異的
な抗体を産生するクローンが出現するとの着想を
得、クローニングによりその目的のクローンを選
び出して単クローンとすることにより特異性の高
い抗体の製法が確立出来ると考えて研究を進め、
本発明を完成するに至つた。
マウスのミエローマと、T−2トキシンをハプ
テンとした抗原であらかじめ免疫されたマウスか
らのリンパ球との細胞融合により形成されたハイ
ブリドーマから産生される抗T−2トキシンモノ
クローナル抗体。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の目的を達成するための第一段階は、抗
体を産生する新規な単クローンハイブリドーマを
確立することである。このハイブリドーマを確立
する方法の具体的詳細は実施例で示すが、簡単に
は次の3工程から成る。
1 免疫 2 細胞融合 3 ハイブリドーマの選択と単クローン化 免 疫 本発明において、T−2トキシンとしては、例
えばフサリウム・スポロトリチオイデス
(Fusarium sporotrichioides)の培養液より分
離・精製したものを使用することができる。
T−2トキシンは単独では抗原になり得ないた
め、T−2トキシンを蛋白質と結合して免疫抗原
とする。蛋白質としては、一般に入手できるもの
であれば特に選択の必要はないが、通常入手し易
いウシ血清アルブミン(BSA)などが用いられ
る。この他に、卵白アルブミン(OVA)、陣笠貝
ヘモシアニリン(KLH)などを使用してもよい。
T−2トキシンと蛋白質との結合には、自体公知
の方法が有効に利用できる。
蛋白質との結合方法としては、T−2トキシン
の水酸基に無水コハク酸を反応させて得られるT
−2ヘミサクシネート(T−2−HS)のカルボ
キシル基を利用し、カルボジイミドで脱水縮合さ
せるカルボジイミド法、酸無水物を利用する酸無
水物法などがある。
免疫抗原が作製できたならば、次に免疫動物を
選ぶ必要があるが、その選択は細胞融合に使用す
る腫瘍細胞株によつて決められる。一般にはラツ
ト、マウスが多く用いられる。マウスの中でも免
疫グロブリンを産生しない腫瘍細胞株の確立され
ているBalb/Cがよく用いられる。
ハプテン抗原は、等張緩衝液或は生理食塩水な
どに溶解して使用するが、マウス一匹あたり1回
に10μgから300μgを投与するのが好ましい。免
疫は数回に分けて行うが、初回免疫はアジユバン
トと共に投与することが多い。アジユバントとし
ては、ミヨウバン、結核死菌、核酸、フロイント
アジユバントなどが使用される。免疫は2〜4週
間隔で行い、最終免疫はアジユバントを使用せず
生理食塩水等に溶解し腹腔内或は静脈内に投与す
る。
細胞融合 最終免疫後2〜4日後にリンパ節或いは脾臓を
摘出し、得られるリンパ球を細胞融合に供する。
一方、細胞融合に使用される腫瘍細胞株として
は、初期にはMPC−11、P3−X63−Ag8等があ
つたがこれらは自身免疫グロブリンを産生するの
で、近来ではP3−X63−Ag8−U1、P3−NS−1
及びSP2/0−Ag14(SP2/0)等が汎用されて
いる。
細胞融合時は、腫瘍細胞に比べリンパ球を5〜
20倍量多く用いる。DMEM培地、McCoy培地、
RPMI1640培地又は等張緩衝液等で洗浄した腫瘍
細胞とリンパ球とを混合後遠心分離し、ペレツト
とする。ペレツトをほぐした後、HVJ(センダイ
ウイルス)又は、ポリエチレングリコール
(PEG)で細胞を融合させるが、一般には取扱い
が便利な平均分子量1000〜8000のPEG40〜60%
溶液を0.5〜2ml使用する。融合を促進するため
にコルヒチン、ジメチルスルホキシド、ポリ−L
−アルギニン等を添加することもあるが必須では
ない。
PEG溶液で融合反応を1〜10分間程度行なつ
た後、DMEM培地又はRPMI1640培地等を10〜
50ml徐々に加え融合反応を停止させる。停止後遠
心し上清に除去する。ウシ胎児血清(FCS)を5
〜20%含むDMEM培地或いはRPMI1640培地を
加え、24穴の培養プレートにリンパ球が1穴あた
り1×105〜5×106個となるよう1ml毎分注す
る。或いは96穴培養プレートにリンパ球が1穴当
り1〜2×106個となるよう0.1ml毎分注する。両
方共にフイーダー細胞は添加した方が好ましい。
フイーダー細胞としてはラツトの胸線細胞、脾臓
胞、マウスの胸線細胞、脾臓胞等が用いられ、そ
の濃度が0.5〜2×106/mlとなるように添加す
る。次に、ヒポキサンチン1×404M、アミノプ
テリン4×10-7M、チミジン1.6×10-5Mを含む
RPMI1640培地(或いはDMEM培地)、即ち
HAT培地に換えて行く。HAT培地交換の方法
は一般には翌日培養プレートに融合時に分注した
容量と等容量加え、更に翌日その半量をHAT培
地と交換する。その後2〜3日毎HAT培地で半
量ずつ交換する。融合後10〜14日目にアミノプテ
リンを除いたHAT培地、即ちHT培地に半量交
換し、更にその1〜3日後より1〜3日毎に培地
の半量をHATを含まない通常の培地に交換す
る。
ハイブリドーマの選択と単クローン化 ハイブリドーマの増殖の盛んな穴の細胞培養上
清を種々の分析法(例えばRIA、ブラーク法、凝
集反応、ELISAなど)で目的の抗体産生ハイブ
リドーマを選択する。ハイブリドーマを得たなら
クローニングを行う。クローニングの方法として
はFACS(Fluorescent Activated Cell Sorter)
を用いたり、Soft Agarを用いてコロニーを拾い
上げる方法の他に、一般によく用いられる限界希
釈法などがある。クローニングはコロニーが一つ
のハイブリドーマから形成されるような細胞濃度
で行なう。限界希釈法では96穴プレートの1穴あ
たり細胞が0.6個以下になるように行う。どの方
法を用いてもクローニングは2回繰返し行ない、
単一クローンとする。
抗T−2トキシンモノクローナル抗体の産生 クローンを確立したなら抗体は大量にin vitro
で培養するか、或いはin vivoで培養するかによ
つて産生される。in vitroで産生された抗体は他
の抗体の混入はないが抗体価は低い。in vivoで
産生された抗体は宿主成分が若干混じるが、抗体
価はin vitroに比し非常に高い。どちらの方法で
抗体を産生させるかは目的による。
上記方法により、抗T−2トキシンモノクロー
ナル抗体のT2.1、T2.2、T2.3、T2.4、T2.5及び
T2.6が得られる。これら10種のモノクローナル
抗体はいずれもT−2トキシンに対して高い特異
性を有する。
T−2トキシン類の測定 抗T−2トキシンモノクローナル抗体を用いて
特異的にT−2トキシンを測定するためには、通
常RIA又はELISA等によつて行う。ELISAに使
用する時は標識酵素としてβ−ガラクトシダー
ゼ、アルカリホスフアターゼ又はペルオキシダー
ゼ等を用いることができる。
以下に実施例を挙げて更に詳細に説明するが、
以下の実施例が発明の範囲を拘束するものではな
い。
[発明の実施例] 実施例 1 抗T−2トキシンモノクローナル抗体を産生す
るハイブリドーマ及び抗体の作製 (1) T−2ヘミサクシネート(T−2−HS)の
作製 T−2トキシン50mgを無水ピリジン2mlに加
え、溶解後さらにその溶液に無水コハク酸600
mgを加え、80℃で2時間ヘミサクシニル化を行
つた。この操作によりT−2トキシンはT−2
−ヘミサクシネート(T−2−HS)に誘導さ
れた。次に、この反応液に2mlの蒸留水を加え
て過剰の無水コハク酸を分解した後、等量のク
ロロホルムを加え、T−2−HS誘導体を抽出
した。副反応物及び残存ピリジンを完全に除去
する目的でこのクロロホルム溶液で蒸留水で10
回洗浄し、クロロホルム溶液を減圧乾固し、T
−2−HSを得た。
(2) 免疫抗原、分析用抗原の作製 ウシ血清アルブミン(BSA)40mgを0.01Mリ
ン酸緩衝食塩水(PBSPH7.0)4mlに溶解し、
1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミド(EDPC)80mgを加えた。この
溶液に、T−2−HS5mgをジメチルホルムアミ
ド(DMF)0.1mlに溶解したものを室温撹拌
下、滴下した。
さらに、12時間室温撹拌を行つた後、反応液
を生理食塩水に対して透析し、非透析画分を
2000r.p.m.で10分間遠心し、若干の不純物を沈
澱させ、上清をT−2−HS−BSAの生理食塩
水液とした。
またBSAの代わりに卵白アルブミン
(OVA)、陣笠貝ヘモシアニリン(KLH)を用
いて、上記と同様の操作でT−2−HS−
OVA、T−2−HS−KLHを作製した。
さらに、T−2−HSのかわりにオクラトキ
シンA(OTA)を用い、同様の操作でOTA−
BSA、OTA−OVA、OTA−KLHを作製し
た。
(3) 免疫 T−2−HS−BSA2mgを溶解した生理食塩
水1mlとフロイントの完全アジユバント1mlを
混合してエマルジヨンとし、その0.1mlを
Balb/cマウス(雌性、4週齢)の背部皮内
に投与した。10日後及び20日後、T−2−HS
−BSA10μgの生理食塩水溶液を腹腔内投与あ
るいは尾静脈に注射することにより追加免疫を
行つた。
(4) 細胞融合 最終免疫より3日後、マウスの脾臓を抽出
し、10mlのMEM培地を入れたプラスチツクシ
ヤーレ中で脾リンパ球をほぐした。脾リンパ球
は、遠心操作(1000回転、10分間)を繰返し、
MEM培地で3回洗浄した。脾リンパ球1.8×
108個と8−アザグアニン耐性ミエローマ
SP2/0−Ag14(SP2)2×107個を混合し、
1000回転、10分遠心してペレツトとした。上清
のMEM培地を吸引除去し、ペレツトをほぐし
た。1mlの50%PEG 4000を1分間かけて加
え、用いたピペツトで撹拌しながら37℃で1分
間反応させた。続いて1mlのDMEM培地を37
℃のもと、1分間かけて加えた。同様の操作を
もう1度行なつた後、37℃に温めておいた
DMEM培地7mlを2〜3分間で加えた。直ち
に、800回転で6分間室温にて遠心し、上清を
除去した。次いで、37℃に温めていた20%ウシ
胎児血清(FCS)−DMEM培地30mlを加え、ペ
レツトを懸濁させた。さらに30mlの20%FCS−
DMEM培地を加えて良く懸濁させた後、96穴
培養プレート7枚にこの懸濁液を1穴あたり
0.1ml分注し、CO2インキユベーター内で培養
した。以下、細胞融合を行なつた日を第0日と
して記述する。
(5) HAT選択 第1日に、HAT培地(ヒポキサンチン1×
10-4M、アミノプテリン4×10-7M、チミジン
1.6×10-5Mを含む20%FCS−DMEM培地)を
1穴あたり0.1ml加えた。第2、3、5、8及
び11日目に培地の半分を吸引除去し、HAT培
地0.1mlを加えた。以降3、4日毎にHT培地
(アミノプテリンを除いたHAT培地)を同様
の操作で交換した。ハイブリドーマは全穴に増
殖してきた。
(6) ハイブリドーマの選択 融合して2週間から3週間後までの間、3、
4日毎に培養上清を各穴ごとに集め、ELISA
にて分析した。
先ず、ELISAプレートにT−2−HS−
KLH(2μg/100μ)を分注し、25℃で2時間
整地して抗原をプレートに固定化した。
Tween20を0.05%含むPBSで3回洗浄した後、
培養上清中の蛋白質の非特異的吸着を避けるた
め、卵白アルブミンOVA500μg/100μ)を
分注し、25℃で1時間静置した。次に同上緩衝
液で3回洗浄後、上記の各細胞培養上清を
100μを分注し、25℃で1時間静置した。一
方、陰性対照としして20%FCS−DMEM培地
100μを分注した。更に同上緩衝液で4回洗
浄後、抗マウス免疫グロブリン抗体−アルカリ
フオスフアターゼ複合体溶液100μをプレー
トに分注し、室温にて1時間静置した。同上緩
衝液で4回洗浄後、p−ニトロフエニルリン酸
2ナトリウム・6H2O(1mg/ml)溶液を100μ
ずつ分注し、室温で30分間反応後、O.
D.405nmを測定してアルカリフオスフアター
ゼ活性を定量した。
同様にT−2−HS−BSA、T−2−HS−
OVA、OTA−KLH、OTA−BSA、OTA−
OVAをプレートに固定化してELISAを行い、
T−2−HS−KLH、T−2−HS−BSA、T
−2−HS−OVAに対して陽性、かつ、OTA
−KLH、OTA−BSA、OTA−OVAに対して
陰性を示した培養上清で増殖しているハイブリ
ドーマを抗T−2トキシン抗体産生ハイブリド
ーマとして選択した。
390穴中60穴に抗T−2トキシン抗体産生が
認められた。
さらに、真の抗T−2トキシン抗体産生ハイ
ブリドーマを同定するために、遊離型T−2ト
キシンによる阻害試験を行つた。すなわち、実
施例1の5で述べたELISAの実験系で0.5μgの
T−2トキシン存在下での各穴のT−2−HS
−OVAに対する活性を測定し、T−2トキシ
ンで活性が阻害されるものを真の抗T−2トキ
シン抗体産生ハイブリドーマと決定した。抗T
−2トキシン抗体産生ハイブリドーマは、最終
的に35穴に認められた。
(7) 1mlへの培養スケールの拡大 どの穴で抗T−2抗体を産生しているかが判
明したら、24穴培養プレートへ植え換え、1ml
スケールでの培養を行つた。この際、Balb/
cマウスの胸線細胞を支持細胞として用いた。
HT培地0.5mlを24穴培養プレートに分注す
る。それぞれの穴に1〜2×107個の胸線細胞
を加える。これには4、5週齢のマウスから胸
線を摘出し、少なくとも3回洗浄した後、胸線
1個あたり1mlの20%FCS−DMEM培地に懸
濁する。この懸濁液を50〜100μずつそれぞ
れの穴に加えればよい。それから、96穴培地プ
レートにおける抗体産生穴の細胞懸濁液を24穴
培養プレートに移す。これを再懸濁し、そのう
ちの250μを元の96穴培養プレートの穴にも
どす。これが、複製となり、新しい細胞株の損
失をふせぐことができる。
2、3日後、24穴培養プレートに20%FCS−
DMEM培地0.5mlを加える(ここでは支持細胞
は必要としない)。さらに2日後、上清を除き
新しい培地を加える。細胞が、ほぼ全面に広が
つてきたら、抗体活性を再テストする。
もし引続き抗体を産生しているようであれば
即座にクローニングを行う。
もしも、抗体を産生している穴がそれほど多
くなければ、96穴培養プレートで培養している
段階から、直接クローニングをしてもよい。し
かし、24穴培養プレートに植え換えてもなお抗
体を産生しているものからクローニングするこ
とにより、より不安定な株をクローニングする
という無駄を省くことができる。
(8) モノクローン化 クローニング培地は、Balb/cマウスの胸
線細胞を107個/ml含んだ20%FCS−DMEM培
地である。もし、クローニングを直接96穴培養
プレートから行うときには、培地はHT培地を
用いる。
抗T−2抗体産生ハイブリドーマを計数し、
クローニング培地1ml中に10個の細胞が含まれ
るように希釈した。この懸濁液を100μずつ、
96穴培養プレート中の60穴に分注する。5日目
に100μの培地を加えた。14日目に、ELISA
により活性を測定し、活性のあるクローンを24
穴培養プレートで増殖させた。さらに、同様の
方法で再クローニングを行い、抗T−2トキシ
ン抗体産生ハイブリドーマのクローンT2.1、
T2.2、T2.3、T2.4、T2.5及びT2.6を得た。
(9) モノクローナル抗体の産生 モノクローナル抗体は培養上清中に10〜50μ
g/ml分泌される。
T2.1ハイブリドーマを増殖させた後、ほと
んど全てのハイブリドーマを死ぬ直前まで培養
し、培養上清を回収した。
また、T2.1ハイブリドーマの2×106個を
DMEM培地0.5mlに浮遊させ、Balb/cマウス
(雌性、6週齢、あらかじめ3〜10日前にプリ
スタン0.5mlを腹腔内投与しておいたもの)の
腹腔内に投与し、腹水を回収した。
(10) モノクローナル抗体のクラスの決定 それぞれのハイブリドーマ−クローンの産生
する免疫グロブリンのクラスは、各クラスに特
異的な抗血清(抗IgG1、IgG2a、IgG2b、
IgM、IgA)を用いたオクタロニー法によつて
決定した。各ハイブリドーマの産生する抗体
は、T2.1モノクローナル抗体をはじめとして、
その多くがIgG1に属することが判明した。
実施例 2 モノクローナル抗体の特異性 抗T−2トキシンモノクローナル抗体の特異性
を調べるため、各抗体のT−2−HS−OVAに対
する結合反応がT−2トキシン及びその類縁体に
よつてどの程度阻害されるかを検討した。
測定操作は実施例1の6のハイブリドーマの選
択で記載した方法に準じた。
T2.1の産生するT2.1モノクローナル抗体は、
T−2トキシンにより強く阻害されるが、HT−
2ではさほど阻害されない。すなわち、次式: 相対的結合阻害活性=B/A (Aは、T−2−HS−OVAと本発明の抗体との
結合を50%阻害するのに必要なT−2トキシン類
縁体の濃度;Bは、T−2−HS−OVAと本発明
の抗体との結合を50%阻害するのに必要なT−2
トキシンの濃度) で求められる相対的な結合阻害活性をパーセント
に変換したものが交差反応性であり、HT−2に
ついては、図から、 交差反応性=(約1ng/分析)/(約30ng/分析)×1
00 =約3% であることがわかる。また、ネオソラニオール及
びデオキシニバレノールによつては全く阻害され
ない。
また、このT2.1抗体を用いたELISAによるT
−2トキシンの検出感度はおよそ25pg/分析で
あつた(図参照)。
他のモノクローナル抗体についても同様の測定
結果が得られた。
[発明の効果] 本発明により得られる新規なモノクローナル抗
体はT−2トキシンと特異的に反応し、他のT−
2トキシン類とはほとんど反応しない。したがつ
て、本発明のモノクローナル抗体を用いれば、T
−2トキシンを精度良く高感度で測定することが
可能になる。
更に、本発明ではハイブリドーマを用いてモノ
クローナル抗体を産生しているが、ハイブリドー
マを培養さえしておけば、いつでも必要なときに
モノクローナル抗体を得ることができ、しかも一
定の特性を有するものが得られるため、動物を免
疫する毎にハプテン抗原を調整する必要はなく、
動物の固体差に影響されることなく常に安定した
品質の抗体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
図は、T2.1モノクローナル抗体のT−2トキ
シン、HT−2及びネオソラニオールに対する交
叉反応性を調べた結果を示したものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 マウスのミエローマと、T−2トキシンをハ
    プテンとした抗原であらかじめ免疫されたマウス
    からのリンパ球との細胞融合により形成されたハ
    イブリドーマから産生される抗体であつて、ネオ
    ソラオニールおよびデオキシニバレノールとは実
    質的に反応せず、HT−2との交差反応性が約3
    %であり、T−2トキシンの検出感度が約
    25pg/アツセイである、抗T−2トキシンモノ
    クローナル抗体。 2 マウスのミエローマと、T−2トキシンをハ
    プテンとした抗原であらかじめ免疫されたマウス
    からのリンパ球との細胞融合により形成されたハ
    イブリドーマから産生される抗体であつて、ネオ
    ソラニオールおよびデオキシニバレノールとは実
    質的に反応せず、HT−2との交差反応性が約3
    %であり、T−2トキシンの検出感度が約
    25pg/アツセイである、抗T−2トキシンモノ
    クローナル抗体を用いるT−2トキシン類の測定
    方法。
JP60069170A 1985-04-03 1985-04-03 抗t−2トキシンモノクロ−ナル抗体及びこれを用いるt−2トキシン類の測定方法 Granted JPS61229899A (ja)

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