JPH06321998A - 抗フモニシンモノクローナル抗体、ハイブリドーマ、ハプテン抗原及びその製造法 - Google Patents

抗フモニシンモノクローナル抗体、ハイブリドーマ、ハプテン抗原及びその製造法

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JPH06321998A
JPH06321998A JP5108445A JP10844593A JPH06321998A JP H06321998 A JPH06321998 A JP H06321998A JP 5108445 A JP5108445 A JP 5108445A JP 10844593 A JP10844593 A JP 10844593A JP H06321998 A JPH06321998 A JP H06321998A
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Japan
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fumonisin
protein
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hybridoma
monoclonal antibody
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JP5108445A
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Ayumi Nagahara
歩 長原
Masaru Fukuda
賢 福田
Mamoru Kikuchi
護 菊地
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Original Assignee
Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フモニシンB1と必要により還元された牛血
清アルブミン又はヘモシアニン等の蛋白質とをマレイミ
ドベンゾイルオキシサクシイミド、グルタルアルデヒド
等の架橋剤を介して結合させたハプテン抗原フモニシン
1蛋白質結合体、及びその製法。上記ハプテン抗原フ
モニシンB1蛋白質結合体を用いて得られるIgG2b
抗フモニシンモノクローナル抗体産生能を有するハイブ
リドーマ、及びこのハイブリドーマから産生されたIg
2b型抗フモニシンモノクローナル抗体。 【効果】 本発明により、コレラトキシンのような高価
な蛋白質を使用せず、牛血清アルブミン等の入手が容易
な蛋白質を結合蛋白質に用いたハプテン抗原を得ること
ができた。そして、このハプテン抗原を用いて抗体産生
ハイブリドーマを得、このハイブリドーマを用いてIg
2b型抗フモニシンモノクローナル抗体を得ることがで
きた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハプテン抗原及びその
製造法、ハイブリドーマ及び抗フモニシンモノクローナ
ル抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】フモニシン類は、真菌類のフザリウム(F
usarium)属の微生物により産生され、その内フザリウム
・モニリホルメ(Fusarium・moniliforme)が主となり産生
する有毒二次代謝産物である。フモニシンは、近年海外
で問題になっており、幾つかの同属体が知られている全
く新しいタイプのカビ毒である。これまでに知られてい
るフモニシンの毒性は、Leukoencephalomalocia(馬の白
脳炎)、更にラットに対する発癌性や人に対する食道癌
(南アフリカ))の発生も報告されている。当初、フモ
ニシンの汚染は、トウモロコシそのものについて注目さ
れたが、それらを原料とした食品の汚染も報告され、米
国USDAも本格的な調査を開始している。また、日本
国内においてもフモニシンの認識はまだ低く、公の規制
もまだない。しかし、トウモロコシの輸入量増加に伴い
汚染が問題化すると考えられる。フモニシンを穀物、特
にトウモロコシ、あるいはその加工品から検出するに
は、薄層クロマトグラフィー(TLC)や高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)等が用いられているが、ま
だ、公定法に至っていない。また、近年では免疫測定法
も試みられている。免疫測定法においては、フモニシン
を選択的に検出するために、フモニシンに対して特異性
の高い抗体を得ることが最も重要なポイントとなる。
【0003】フモニシンB1のような低分子化合物は、
それ自体免疫原性を有しないので、蛋白質等の高分子物
質との結合体、すなわちハプテン抗原を合成し動物に免
疫を施すのが常法となっている。フモニシンB1に対す
るポリクローナル抗体の作製は、従来法では結合蛋白質
にコレラトキシンを用い、グルタルアルデヒドを架僑剤
としてこのコレラトキシンをフモニシンB1と結合させ
たハプテン抗原で動物を免疫して作製されていた。しか
し、従来、牛血清アルブミンを結合蛋白質として使用し
たハプテン抗原については充分な抗体の産生が不可能で
あつた〔J.I.Azcona-Olivra,et al.,Applied and Envir
onmental Microbiology,58,169(1992)〕。また、抗体の
モノクローナル抗体の作製については、同じく、結合蛋
白質にコレラトキシンを用いたハプテン抗原により動物
を免疫し、IgG1型の抗体が作製されていた。投与方
法も静脈内投与という高度な方法に依存している〔J.I.
Azcona-Olivera et al.,J.Agric.Food Chem.,40,531(19
92)〕。このため、コレラトキシンのような特殊 で高価
な蛋白質を使用せず、牛血清アルブミン等の入手が容易
な蛋白質を結合蛋白質に用いたハプテン抗原の開発、及
び免疫法も腹腔内投与のような一般的で容易な方法が望
まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、牛血清アル
ブミンを結合蛋白質としたフモニシンB1のハプテン抗
原を開発し、腹腔内投与のような一般的で容易な方法で
免疫を施して、IgG2b型のモノクローナル抗体を提供
すること等を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、上
記実情に鑑み種々検討した結果、フモニシンB1に、マ
レイミドベンゾイルオキシサクシイミド、グルタルアル
デヒド等の架橋剤を結合させ、次いで、これに、必要に
より還元された牛血清アルブミン、ヘモシアニン等の蛋
白質を架橋化させれば、容易にハプテン抗原フモニシン
1蛋白質結合体を効率よく作製できること、また、こ
のハプテン抗原により免疫を施した動物より得た抗体産
生細胞と増殖性の高い細胞との融合細胞より、目的とす
る抗原に対して特異的に反応する抗体を産生するクロー
ンが得られ、これをモノクローン化すれば、特異性の高
い抗体が創製できること等の知見を得、これらの知見に
基づいて本発明を完成した。すなわち、本発明は、以下
の構成を含むものである。 (1) フモニシンB1と必要により還元された牛血清
アルブミン又はヘモシアニン等の蛋白質とをマレイミド
ベンゾイルオキシサクシイミド、グルタルアルデヒド等
の架橋剤を介して結合させたハプテン抗原フモニシンB
1蛋白質結合体。 (2) フモニシンB1に、マレイミドベンゾイルオキ
シサクシイミド、グルタルアルデヒド等の架橋剤を結合
させ、次いで、これに、必要により還元された牛血清ア
ルブミン又はヘモシアニン等の蛋白質を結合させること
を特徴とするハプテン抗原フモニシンB1蛋白質結合体
の製造法。 (3) 動物を、上記(1)記載のハプテン抗原フモニ
シンB1蛋白質結合体で免疫し、該動物からの抗体産生
細胞と増殖性の高い細胞との細胞融合によって形成され
たIgG2b型抗フモニシンモノクローナル抗体産生能を
有するハイブリドーマ。 (4) 上記(3)記載のハイブリドーマから産生され
たIgG2b型抗フモニシンモノクローナル抗体。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。フモニシ
ンB1は、フザリウム(Fusarium)属の微生物により産生
される低分子化合物(W.C.A.Gelderblom, et. al.,Appl
ied and Environment Microbiology,54, 1806 (1988))
であり、単独では抗原とはなり得ないため、フモニシン
1を蛋白質と結合させてハプテン抗原に供する。該蛋
白質としては、如何なるものでもよく、例えば、通常入
手が容易で安価な牛血清アルブミン、ヘモシアニン等が
挙げられる。そして、フモニシンB1と蛋白質とを結合
させる架橋剤としては、例えば、マレイミドベンゾイル
オキシサクシイミド、グルタルアルデヒド等が挙げら
れ、とりわけマレイミドベンゾイルオキシサクシイミド
は好適である。先ずフモニシシンB1に、上記架橋剤を
結合させるには、例えば、pH6-8、好ましくは、pH7程
度、温度20-40℃、好ましくは、30℃前後で20分以上好
ましくは、30分程度必要により攪拌しつつ行なうことが
できる。上記 pH条件に保つには、適宜適当な緩衝液を
選択すればよい。次いで、このようにして得られたフモ
ニシンB1- 架橋剤に、必要により還元された蛋白質を
架橋化させてハプテン抗原を得るには、上記結合条件と
同様に行なうことができる。なお、架橋剤として、マレ
イミドベンゾイルオキシサクシイミドを用いる場合に
は、還元された蛋白質を使用する必要がある。そして、
この還元された蛋白質は、例えば、蛋白質核酸酵素 別
冊 No.31 酵素免疫測定法 第27−33頁(1987) 特に第
30−31頁『b.MBS型の異反応性2価試薬を使用する方
法』記載の方法等により得ることができる。抗体産生細
胞としては、例えば脾細胞、リンパ節細胞、B−リンパ
球等が例示される。免疫動物は、細胞融合に使用する増
殖性の高い細胞によって決定され、例えば、マウス、ラ
ット等が用いられ、マウスの種類の内でも免疫グロブリ
ンを産生しない腫瘍細胞株の確立されているBALB/c系統
が好ましい。
【0007】増殖性の高い細胞としては、例えば、P3X6
3Ag8U.1(U1)(ATCC CRL 1597)、P3X63-Ag8.653(653)(ATC
C CRL 1580)、P3/NS1/1-Ag4-1(NS-1)(ATCC TIB 18)、SP
2/0-Ag14(SP2)(ATCC CRL 1581)等が挙げられる。このよ
うにして得られたハプテン抗原を、例えば、等張緩衝
液、生理食塩水等に溶解して、マウスの場合1匹当たり
1回に10〜300μgを投与する。通常免疫は、数回に分
けて行ない、初回免疫は、アジュバンドと共に投与す
る。アジュバンドとしては、ミョウバン、結核死菌体、
核酸等を常用する。免疫は、2〜4週間隔で行ない、最終
免疫は、使用せず行なう。投与方法は、マウスの場合、
腹腔、皮下等が一般的であり、静脈内投与等も行なうこ
とができる。最終免疫2〜4日後にリンパ節又は脾臓を摘
出し、得られたリンパ球を増殖性の高い細胞との細胞融
合に供する。細胞融合は、例えば、〔G.Galfre.Nature,
266,550(1977)〕に記載の方法又はこれに準ずる方法に
よって行なうことができる。この際30〜50ポリエチレン
グリコール(平均分子量)を用いて30〜40℃の温度下に
約1〜3分間程度反応させると好適である。なお、胸腺細
胞(フィーダ細胞)としては、BALB/cマウスの胸腺細
胞、インターロイキン6等の細胞増殖促進成分等を用い
ることができる。
【0008】細胞融合によって得られた融合細胞は、常
法に従い、目的とするモノクローナル抗体を産生するク
ローンのスクリーニングに供する。即ち、当該細胞を、
例えばマイクロプレート(96穴培養プレート等)中で培
養し、増殖の見られた穴の培養上清中の抗体価を、例え
ば酵素抗体法(ELISA)等によって測定し、適切な
抗体を産生している穴を得る。このような穴から更に例
えばFACS(Fluoresent Activated Cell Sorter)、So
ft Agarを用いてコロニーを拾い上げる方法、一般によ
く用いられる限外稀釈法等によってクローニングを行な
ってクローンを得る。このクローンは、例えば、予めプ
リスタンを投与したBALB/cマウスあるいはヌードマウス
の腹腔内へ移植し、7〜14日後にモノクローナル抗体を
高濃度に含む腹水を採取し、検定する。または、牛血清
アルブミン(0.1〜1%)含有無血清培地中でも増殖さ
せることができる。即ち、0.5%牛血清アルブミン含有
無血清培地(例えばRITC55-9培地)中で増殖させ、
培養上清を採取する。選ばれたクローンの産生するモノ
クローナル抗体の回収は、免疫グロブリンの精製法とし
て従来既知の硫安分画法、ポリエチレングリコール分画
法、エタノール分画法、陰イオン交換体、或いはイムノ
グロブリン・アフィニティーカラム等を応用することで
容易に行うことができる。かくして本発明は、フモニシ
ンB1蛋白質結合体をハプテン抗原としてマウス腹腔内
投与により得られた抗体を提供する。即ち、フモニシン
1に特異的な抗原を認識し、フモニシンB1への結合が
フモニシンB1により阻害され、コントロール(ミルク
蛋白によるブロックのみを行なったELISAプレー
ト)に反応しないIgG2b型の抗フモニシンB1モノク
ローナル抗体を産生するハイブリドーマクローン4株、
FB-1(6B10;5;6;5),FB-1(6B10;5;6;6),FB-1(6B10;7;10;
2)及びFB-1(6B10;7;10;23)を提供する。
【0009】
【発明の効果】本発明により、コレラトキシンのような
高価な蛋白質を使用せず、牛血清アルブミン等の入手が
容易な蛋白質を結合蛋白質に用いたハプテン抗原を得る
ことができた。そして、このハプテン抗原を用いて抗体
産生ハイブリドーマを得、このハイブリドーマを用いて
IgG2b型抗フモニシンモノクローナル抗体を得ること
ができた。一般に抗血清の製造を目的としてウサギなど
の動物に免疫を施す場合、免疫する度に新たなハプテン
抗原を投与することが行われているが、この方法ではハ
プテン抗原の調製や、動物の個体差、免疫の仕方によっ
てその都度、抗体価、特異性、抗体の型の異なった物が
得られる。そのためこの抗体を測定試薬に供した場合、
測定結果に悪影響を与える等の欠点があるが、本発明の
抗体産生ハイブリドーマを用いて抗体を製造すれば、抗
原を調製する必要がなく又、動物の個体差、免疫法の差
に煩わされず常に安定した品質の抗体を得ることができ
る。
【0010】以下に、本発明を実施例により具体的に説
明する。ただし、これら実施例は本発明を限定するもの
ではない。
【実施例】 抗フモニシンB1モノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマ及び抗体の作成 1.フモニシンB1牛血清アルブミン結合体の作製 フモニシンB1(以下、FB1という)7.2mgを0.05M リ
ン酸ナトリウム緩衝液1ml中に溶解したものに、攪拌し
ながら、500μlのテトラヒドロフラン(以下、THFと
いう)に溶解した3.14mgのマレイミドベンゾイルオキシ
サクシイミド(以下、MBSという)を添加し、30℃で
30分間反応させた。反応終了後、窒素ガスにより溶剤を
除去し、メチレンクロライドで3回抽出を行ない、未反
応のMBSを除去し、フモニシンB1とMBSの反応物
を含む水層を得た。牛血清アルブミン(以下、BSAと
いう)10mgをリン酸緩衝溶液(以下、PBSという)1m
lに溶解したものに、水素化ホウ素ナトリウム20mgを10
分間かけて添加し、消泡剤としてブタノールを0.2ml添
加した。合計30分間反応させ、0.1Mリン酸1ナトリウム
1mlとアセトン0.4mlを添加し、ジスルフィド結合の還元
された牛血清アルブミンを得た。この反応液に、フモニ
シンB1及びMBSの反応物を含む水層を、攪拌しなが
ら滴下し、室温にて時々攪拌しながら2時間反応させ
た。得られた反応液を3M尿素に対して透析し、フモニシ
ンB1牛血清アルブミン結合体約8.4mg を得た。免疫抗
原分析用抗原にはグルタルアルデヒドを用い、フモニシ
ンB1卵白アルブミン(以下、OVAという)結合体及
びフモニシンB1貝由来ヘモシアニン(以下、KLHと
いう)結合体を作製し分析に供した。
【0011】2.免疫 フモニシンB1牛血清アルブミン結合体をPBSにて1,0
00μg/mlとなるように稀釈し、この稀釈液1mlと、フロ
イントの完全アジュバント1mlを混合してエマルジョン
とし、その200,50μlをBALB/cマウス(雌、8週
齢)に腹腔内投与した。14日後に同量の抗原をフロイ
ントの不完全アジュバントと共に腹腔内投与を行ない追
加免疫を施した。更に、28日目、融合3日前に同量の
抗原をアジュバント無で腹腔内に投与し、最終免疫を行
なった。 3.胸腺細胞浮遊液の作製 ハイブリドーマ形成率を高めるフィーダー細胞として使
用する胸腺細胞浮遊液を作製した。ddYマウス、4〜6
週齢、雌を頚椎脱臼法により斃死させ、胸腺を摘出し、
10mlの生細胞洗浄液(MEM培地)を入れたプラスチッ
ク・シャーレ中で胸腺細胞を注意深くほぐし出した(マ
ウス3〜4匹分)。ほぐされた胸腺細胞は、メッシュ濾
過後遠心管に移し、2,000回転、5分間遠心し、上清を吸
引後30mlの生細胞洗浄液を加え洗浄、遠心し、これをH
AT培地〔ヒポキサンチン13.6mg/l、アミノプテリン0.
176mg/l、チミジン3.8mg/l(以下、HAT溶液という)を
含むハイブリドーマ増殖培地〕に添加し、5×108個の胸
腺細胞を含む浮遊液100mlを得た。本細胞浮遊液を、200
cm2フラスコに移し、炭酸ガス培養装置内で1日間培養
した。なお、ハイブリドーマ増殖培地は、抗生物質を含
む20%FCS−IMDM培地にL−グルタミン酸、2−
メルカプト・エタノール、トランスフェリン及びインス
リンを添加した培地である。
【0012】4.細胞融合 最終免疫より3日後、マウスの脾臓を摘出し、10mlの生
細胞洗浄液(以下、MEM培地という)を入れたプラス
チック・シャーレ中で脾臓リンパ球を注意深く押し出し
た(マウス3〜4匹分)。ほぐされた脾臓リンパ球を、
メッシュ濾過後遠心管に移して、更に生細胞洗浄液を添
加し全量50mlとし、遠心操作(1,600回転、5分)を繰り
返し2回洗浄し、1〜2×108個の脾臓リンパ球を含む浮
遊液50mlを得た。6−チオグアニン耐性ミエローマ Sp-
2/O-Ag14細胞の浮遊液(2×107個の細胞を含む)及び1
×108個の脾臓リンパ球を含む浮遊液を混合し1,600回
転、5分間遠心してべレット化した。上清の培地を吸引
除去し、ペレットを丁寧にほぐした。PEG溶液(PEG#
4,000+DMSO他)1mlを1分間かけてゆっくりと加え、用い
たピペットで攪拌しながら37℃、1分間融合させた。続
けて基本培地(IMDM培地)1mlを37℃で1分間かけて加
えた。更にもう一度同様の操作を繰り返した後、基本培
地8mlを37℃で3分間かけて添加した。得られた融合細胞
浮遊液を実施例項目3で調製した胸腺細胞(フィーダー
細胞)HAT培地浮遊液に添加し充分懸濁させ、96穴培
養プレート10〜14枚にこの細胞懸濁液を1穴当り0.1ml分
注し、炭酸ガス培養装置内で37℃で10日間培養を行なっ
た。 5.HAT選択 培養後1日目に、更にHAT培地を1穴当り0.15m添加
し、第3、6及び10日目に培地の半分を吸引除去し、H
AT培地を1穴当り0.1〜0.15ml添加した。10日目でハイ
ブリドーマの増殖を確認したところ、ほぼ全穴での増殖
が観察された。
【0013】6.ハイブリドーマの選択 融合して12〜13日後に培養上清を採取し、ELISA法
にて抗体陽性穴の選択を行なった。ELISA用96穴プ
レートに、フモニシンB1卵白アルブミン又はフモニシ
ンB1貝由来ヘモシアニンを100μl分注し、4℃で一晩
または、室温で1時間放置して抗原をプレートに固定し
た。液を良く取り除き、培養上清中の蛋白質の非特異的
吸着を避けるために、2%スキムミルクブロッキング液
を100μl各穴に分注し、室温で5分間放置した。液を良
く取り除いた後、上記の各細胞培養上清を100μl分注
し、室温で1時間静置した。なお、陰性対照としては20
%FCS-IMDM培地を100μl分注した。次に、0.02%のTween2
0を含むバッファー液(洗浄液)で3〜5回洗浄し、マウ
ス免疫グロブリン抗体−西洋ワサビパーオキシダーゼ複
合体溶液100μlをプレートに分注し室温で1時間放置し
た。同上洗浄液で3〜5回洗浄後、ABTS(2,2'-Azido-
bis(3-etylbenzthiazoline)-6-sulfonic acid)溶液(0.6
mg/ml)を100μlずつ添加し、室温で1時間反応後、酵素
反応停止液(Sodium dodecyl sulfate 5%溶液)を100μ
l加え反応を停止し、O.D.405nmを測定して、パーオキシ
ダーゼ活性を定量した。まき込み細胞700穴中の9穴
に抗フモニシンB1抗体産生が認められた。 7.培養のスケール拡大 どの穴で抗モニシンB1抗体を産生しているかが判明し
たら、HT培地〔ヒポキサンチン13.6mg/l、チミジン3.
8mg/l(以下、HT溶液)を含むハイブリドーマ増殖培
地〕を分注した24穴培養プレートへ移植しスケールの
拡大を行なった。即ち、予めHT培地500μlを24穴培
養プレート分注し、夫々の穴に96穴培養プレートにお
ける抗体産生穴の細胞懸濁液を24穴培養プレートへ移
植し、炭酸ガス培養装置内で37℃で4日間培養を行なっ
た。培養2-3日後に各穴に、更に、1mlのHT培地を添
加し、各穴の上清をELISA法により抗体活性の再テ
ストを行ない、クローニングを行なう細胞穴を再選択し
た。
【0014】8.モノクローン化 クローニング培地としては、ヒトIL-6(1U/ml)を含むハ
イブリドーマ増殖培地を用いた。抗フモニシンB1抗体
産生ハイブリドーマを計数し、クローニング培地1ml当
りに5個の細胞が含まれるように稀釈した。この懸濁液
を200μlずつ、96穴培養プレートにまき込み炭酸ガス
培養装置内で37℃で10日間培養を行なった。約10日目に
増殖をチェックしながら、ELISAにより上清の抗体
活性を測定し、コロニーが大きく抗体活性の高い細胞穴
を1〜2穴選択、培養し、同じ方法で再クローニングを
行ない、抗フモニシンB1抗体産生ハイブリドーマのク
ローン4株、即ち、FB-1(6B10;5;6;5),FB-1(6B10;5;6;
6),FB-1(6B10;7;10;2)及びFB-1(6B10;7;10;23)を得た。
なお、上記抗フモニシンB1抗体産生ハイブリドーマの
クローン4株のうち、FB-1(6B10;7;10;23)は、工業技術
院生命工学工業技術研究所にFERM P-13615として寄託し
ている。 9.モノクローナル抗体の生産 各抗体産生株の培養細胞を、夫々1×107個でハイブリ
ドーマ増殖培地1mlに浮遊させ、BALB/cヌードマ
ウス(8週齢、雌)の腹腔内に投与し、約1週後、腹水
を回収した。 10.モノクローナル抗体のクラスの決定 夫々のハイブリドーマクローンの産生する免疫グロブリ
ンのクラスは、マウスモノクローナル抗体のアイソタイ
プ決定用キット(アマシャム・ジャパン製、RPN29
/ウエスタン・ブロット法)を用いて行なった。その結
果、4株ともIgG2bで共にL鎖がκであった。 11.モノクローナル抗体の精製 回収した腹水は、血清分離剤入り凝固促進型遠心管を用
いて分離し、抗体精製用プロテインGカラムを用いたク
ロマトグラフィーにより精製してモノクローナル抗体の
マウス1固体当たり5mgを得た。
【0015】12.モノクローナル抗体交差性 抗フモニシンB1モノクローナル抗体の交差性を調べる
ため、フモニシンB1の類似化合物である1,2,3,
−トリカルボキシルプロパンとの交差反応性を、ELI
SAにて検討した。測定方法は、実施例項目6に記載さ
れているハイブリドーマ選択法に準じて行ない、項目6
での培養細胞上清の代りに、濃度を調整したフモニシン
1あるいは1,2,3,−トリカルボキシルプロパン
の溶液50μlと同時に夫々のモノクローナル抗体を使用
し交差性の検討を行なった。その結果、図1より明らか
な如く、抗フモニシンB1モノクローナル抗体の全ての
株が、フモニシンB1の類似化合物である1,2,3,
−トリカルボキシルプロパンとの交差反応性を示さなか
った。 13.抗フモニシンB1モノクローナル抗体の特異性試
験 抗フモニシンB1モノクローナル抗体の特異性を調べる
ため、フモニシンB1の標準物質による抗原抗体反応に
対する阻害率を検討した。この方法はCI−ELISA
(コンペティティブ・インダイレクト・エライザ)法と
呼ばれる競合法の一つである。測定方法は、実施例項目
6に記載されているハイブリドーマ選択法に準じている
が、項目6での培養細胞上清の代りに、各濃度に稀釈し
たフモニシンB1の純粋な溶液(フリーなフモニシン
1)50μlと夫々のモノクローナル抗体を同時に添加
し、フリーなフモニシンB1による阻害を、パーオキシ
ダーゼ活性の定量により測定した。その結果、図2より
明らかな如く、フモニシンB1濃度に依存した阻害傾向
が観察され、フモニシンB1濃度10,000ng/ml以上では1
00%の阻害性を示し、高い特異性が認められた。
【0016】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のモノクローナル抗体、即ち、FB-1(6
B10;5;6;6)及びFB-1(6B10;7;10;23)についてのフモニシ
ンB1類似物質であるトリカルボキシプロパンとの交差
性を示す図である。
【図2】 本発明のモノクローナル抗体、即ち、FB-1(6
B10;5;6;6)及びFB-1(6B10;7;10;23)についてのフモニシ
ンB1に対する特異的結合性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 15/06 (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フモニシンB1と蛋白質とをマレイミド
    ベンゾイルオキシサクシイミド、グルタルアルデヒド等
    の架橋剤を介して結合させたハプテン抗原フモニシンB
    1蛋白質結合体。
  2. 【請求項2】 蛋白質が必要により還元された牛血清ア
    ルブミン又はヘモシアニン等の蛋白質である請求項1記
    載のハプテン抗原フモニシンB1蛋白質結合体。
  3. 【請求項3】 フモニシンB1に、マレイミドベンゾイ
    ルオキシサクシイミド、グルタルアルデヒド等の架橋剤
    を結合させ、次いで、これに、蛋白質を結合させること
    を特徴とするハプテン抗原フモニシンB1蛋白質結合体
    の製造法。
  4. 【請求項4】 蛋白質が必要により還元された牛血清ア
    ルブミン又はヘモシアニン等の蛋白質である請求項3記
    載のハプテン抗原フモニシンB1蛋白質結合体の製造
    法。
  5. 【請求項5】 動物を、請求項1又は2記載のハプテン
    抗原フモニシンB1蛋白質結合体で免疫し、該動物から
    の抗体産生細胞と増殖性の高い細胞との細胞融合によっ
    て形成されたIgG2b型抗フモニシンモノクローナル抗
    体産生能を有するハイブリドーマ。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のハイブリドーマから産生
    されたIgG2b型抗フモニシンモノクローナル抗体。
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