ユーザ情報に基づいてユーザの生体機能の状態とは必ずしも相関のない有益な情報を提供すべく、本発明の一態様に係る情報提供方法は、機器のユーザに当該ユーザが保有する移動体を介して情報を提供する情報提供方法であって、前記ユーザが使用した機器から、当該機器の動作状態に関する情報である生活情報を、受信することにより取得する生活情報取得部により、取得された生活情報と、移動した前記ユーザの位置を示す位置情報を受信することにより取得する位置情報取得部により、取得された位置情報とに応じて、前記ユーザに提供する情報を生成する情報提供方法である。
これにより、ユーザが日常的に使用する家電機器から、ユーザの行動様式の推定材料となるところのユーザの操作を示す生活情報を取得し、これとユーザの位置に係る情報とからユーザに提供する情報を生成する。従って、ユーザに有用な情報(ユーザに適した情報)を提供することができる。例えば、ユーザが今朝缶コーヒーを買う可能性を、ユーザの生体情報としての心拍数等だけから判断するのには無理がある。しかし、家電機器であるコーヒーメーカーの使用履歴(生活情報)からユーザが毎朝習慣としてコーヒーを飲むかどうかは推定可能である。そして、毎朝習慣としてコーヒーを飲むと推定されるユーザが今朝コーヒーを飲んでいない状況にあれば、ユーザがコーヒー関連商品等を購入する可能性が高いと予測することは可能である。このため、この情報提供方法によれば、ユーザに有用な情報を提供できる。また、この情報提供方法によれば、生活情報は家電機器から取得するため、ユーザに、自らの行動様式を示す情報を情報端末等から入力させること課す必要はない。
例えば、前記位置情報取得部は前記ユーザの位置情報を逐次取得し、前記生活情報取得部により取得された生活情報から、前記位置情報取得部により取得された前記ユーザの複数の位置情報から導出した位置においての当該ユーザの行動を予測する予測ステップと、前記予測ステップにおける予測の結果に基づいて、前記ユーザに提供する情報を生成する情報生成ステップとを含むこととしてもよい。
これにより、ユーザの行動様式を踏まえて将来のユーザの行動を予測し、その予測した行動とその将来時点におけるユーザの位置の予測結果とを合わせるので、より有用な情報の提供が可能となる。
また、例えば、前記予測ステップでは、前記機器の使用目的と一定の関連性を有する物品又はサービスに関わるユーザの行動を予測し、前記情報生成ステップでは、前記物品又は前記サービスに関連する情報の生成を行うこととしてもよい。
なお、例えば、コーヒーメーカー(家電機器)の属性である使用目的がコーヒーの提供であり、缶コーヒーという物品の属性やカフェでコーヒーを提供するサービスの属性は、コーヒーの需要に対応することである。これらの属性は互いに一定の関係性を有すると言える。
これにより、予測が妥当な範囲でなされ、有効な情報提供が可能となる。
また、例えば、前記生活情報取得部は複数のユーザが使用した複数の機器から、複数の生活情報を受信することにより取得し、前記予測ステップにおける前記予測は、前記複数のユーザ各々が使用した機器各々から取得された生活情報から、当該複数のユーザ各々の位置情報から導出した各位置においての、当該複数のユーザ各々の行動についての予測であることとしてもよい。
これにより、複数のユーザの生活情報を収集することで各ユーザの行動を予測した結果を提供する情報に反映できるため、より有用な情報提供が可能となる。
また、例えば、ユーザが使用した機器から前記生活情報取得部が生活情報の前記取得を行う前に、当該ユーザから、当該生活情報の取得に対する同意の取得を試みる同意ステップを含むこととしてもよい。
これにより、ユーザのプライバシーに配慮したものとなる。
また、例えば、前記情報生成ステップでは、前記同意ステップにおいて同意が取得できたユーザに対して、前記同意ステップにおいて同意が取得できなかったユーザと比べて、多くの内容を含む情報を提供するように、提供先のユーザを区別して情報の前記生成を行うこととしてもよい。
これにより、多数の情報を収集して一層有用な情報提供を実現するために、ユーザに同意を促進することができ、また、ユーザ間の公平性をある程度保つことができるようになる。
また、例えば、前記予測ステップでは、ユーザを計測する装置から当該ユーザの生体情報を受信することで取得する生体情報取得部により、取得された生体情報にも基づいて、当該ユーザの行動に係る前記予測を行うこととしてもよい。
これにより、予測の正確性を高めることができるので、一層有用な情報の提供が可能となる。
また、例えば、前記移動体は自機の位置を検出して送信し、前記位置情報取得部は、前記ユーザの位置を示す前記位置情報を、前記移動体から受信することにより取得することとしてもよい。
これにより、ユーザは、情報提供媒体である移動体と位置情報の取得のための機器とをそれぞれ別個に保有する必要がなくなる。
また、例えば、前記位置情報取得部は、位置情報を逐次取得し、前記予測及び前記ユーザに提供する情報の前記生成を逐次実行することとしてもよい。
これにより、現状に即した最新情報のリアルタイムな提供が実現できる。
また、本発明の一態様に係る情報提供方法は、機器のユーザに保有された移動体に備えられた装置に制御用の情報を提供する情報提供方法であって、前記移動体を保有するユーザが使用した機器から、当該機器の動作状態に関する情報である生活情報を、受信することにより取得する生活情報取得部により、取得された生活情報と、移動した前記ユーザの位置を示す位置情報を受信して取得する位置情報取得部により、取得された位置情報とに応じて、前記装置に提供する前記制御用の情報を生成する情報提供方法である。
これにより、生活情報及び位置情報に基づく、移動体に備えられた装置の自動制御が実現できる。
また、本発明の一態様に係る移動体は、機器のユーザに情報を提供する移動体であって、前記ユーザが使用した前記機器の動作状態に関する情報である生活情報を、受信することにより取得する生活情報取得部と、移動した前記ユーザの位置を検知することにより当該ユーザの位置情報を取得された位置情報取得部と、前記生活情報及び前記位置情報に応じて、前記ユーザに提供する情報を生成する情報生成部と、前記情報生成部により生成された情報を前記ユーザに提示する情報提示部とを備える移動体である。
この移動体は、上記構成により、ユーザの行動様式から導出される有用な情報を提供することができる。
なお、これらの包括的又は具体的な各種態様には、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体等の1つ又は複数の組み合わせが含まれる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、ここで示す実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であって本発明を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
各実施の形態では、主に、家電機器に対するユーザ操作に基づく情報を収集することで生活状況、嗜好、習慣等といったユーザの行動様式を推定してユーザの将来的な行動を予測しその結果に応じて有益な情報を生成して提供する情報提供方法について、説明する。ここで、ユーザの将来的な行動の予測は、例えば、ある特定の物品を取得しようとする行動欲求、ある特定のサービスを享受しようとする行動欲求等といった物品又はサービスの需要に関連する予測を含む。
(実施の形態1)
以下、本発明の一実施態様である実施の形態1について説明する。
図1は、実施の形態1に係る情報提供システム100を示す概略図である。
情報提供システム100は、次のような情報提供方法を実現する。概ね、ユーザの操作に応じて動作する家電機器の動作状態に関する情報である生活情報を記録し、生活情報に基づき家電機器のユーザの行動様式を推定して将来のユーザの行動を予測し、予測結果とユーザの位置情報とに基づいて生成した情報を提供する方法である。図1では、2つの家庭における2人の家電機器ユーザを想定した例で、情報提供システム100を示している。
図1に示すように情報提供システム100は、2つの家庭(家屋101、家屋102)に設置された家電機器101a、102aと、各家電機器のユーザがそれぞれ保有する移動体101b、102bと、ユーザがそれぞれ身に付けるウェアラブルセンサ101c、102cと、情報入力端末101d、102dと、これらの機器類をサーバ104と通信可能にするためのインターネット等のネットワーク103と、サーバ104とを備える。また、情報提示装置105がネットワーク103に接続されている。ネットワーク103を介して情報を送信する各機器類は送信先となる機器類のIPアドレス等の宛先情報を予め保持している。
図2は、情報提供システム100の各機器類の機能構成を示すブロック図である。同図では、家電機器101a、移動体101b、ウェアラブルセンサ101c、情報入力端末101d、サーバ104のみを示し、他の機器類は省略している。
ここで、家電機器101a、102aは、ユーザの操作に応じて動作する際の動作状態に関する情報である生活情報を記録する生活情報記録部11と、通信回路を含み生活情報を外部に送信する等を担う通信部12とを備える機器である。即ち、家電機器101a、102aは、ネットワーク103に無線接続又は有線接続する機器である。例えば無線接続には、Bluetooth(登録商標)や無線LAN等の無線通信技術が用いられる。なお、家電機器101a,102aがネットワーク103に接続された1台又は複数台の他の機器からユーザの生活情報を収集して記録する機能を含んでいてもよい。例えば、家電機器101a,102aは、コーヒーメーカー、冷蔵庫、テレビ、照明器具等の機器、或いはトイレ、システムバス、洗面台等の家庭内の設備、或いはこれらの組み合わせ等である。
また、家電機器101a、102aにより記録される生活情報としては、例えば操作情報、動作状況、消費電力、機器内部に搭載されている各種センサの出力等の情報が時刻と対応付けられたものが挙げられる。また、家電機器101a、102aは、それぞれ固有の家電機器ID(識別情報)を予め内部の不揮発性メモリ等に記憶しており、通信部12が生活情報を外部に送信する際には家電機器IDを付してその送信を行う。
移動体101b、102bは、位置計測部41及び通信部42を備える。例えば、移動体101b、102bは、GPSやWi-Fi(登録商標)ルーターの位置情報を利用した位置情報取得機能を備えるスマートフォンや、タブレット等の携帯端末、或いはGPSを利用したカーナビゲーション装置やこれを搭載した自動車等である。この移動体101b、102bも、ネットワーク103に無線接続又は有線接続し、無線接続には例えば携帯電話網(3G/LTE)やWi-Fi(登録商標)等が用いられる。また、移動体101b、102bは、それぞれ固有の移動体IDを予め内部の不揮発メモリ等に記憶しており、通信回路を含む通信部42が位置情報を外部に送信する際には移動体IDを付してその送信を行う。
ウェアラブルセンサ101c、102cは、体温や心拍数等の生体情報を計測する生体情報計測部21と、通信回路を含み生体情報を外部に送信する等を担う通信部22とを備え、人の身体に装着され又は体内に埋め込まれたものである。例えば、ウェアラブルセンサ101c、102cは、活動量計、心拍計、体温計、呼吸数計測計、血糖計、血圧計等のセンサ装置である。
このウェアラブルセンサ101c、102cも、ネットワーク103に無線接続又は有線接続し、無線接続には例えばBluetooth(登録商標)や無線LAN等の無線通信技術が用いられる。また、ウェアラブルセンサ101c、102cは、それぞれ固有のウェアラブルセンサIDを予め内部の不揮発性メモリ等に記憶しており、通信部22が生体情報を外部に送信する際にはウェアラブルセンサIDを付してその送信を行う。
情報入力端末101d、102dは、コンピュータ端末であり、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル等を介して入力を受け付ける入力受付部31と、通信回路を含み入力に応じて情報を外部に送信するための通信部32とを備える。送信する情報としては、登録情報や属性情報がある。登録情報は、家電機器の家電機器IDと、その家電機器のユーザに保有される移動体の移動体IDと、そのユーザに係るウェアラブルセンサのウェアラブルセンサIDとユーザIDとを関連付けた情報である。また、属性情報は、家電機器のユーザについての年齢、性別等とユーザIDとを対応付けた情報である。
サーバ104は、通信装置、記憶装置、プロセッサ等を備えるコンピュータで構成され、各種情報をネットワーク103を介して取得し、家電機器のユーザの行動を予測して提供すべき情報を生成し、情報提示装置105へと提供する装置である。各種情報は、家電機器101a、102aと、ウェアラブルセンサ101c、102cと、情報入力端末101d、102dと、移動体101b、102bとから送信される。
このサーバ104は、機能面において、通信部61、生活情報取得部71、生体情報取得部72、属性情報取得部73、登録情報取得部74、位置情報取得部75、生活情報記憶部81、生体情報記憶部82、属性情報記憶部83、登録情報記憶部84、位置情報記憶部85、行動予測部91及び提供用情報生成部92を備える。
ここで、通信部61は、通信回路を含み、ネットワーク103で接続された機器と通信する機能部である。また、生活情報記憶部81、生体情報記憶部82、属性情報記憶部83、登録情報記憶部84及び位置情報記憶部85は、メモリ、ハードディスク等の記憶媒体で構成される。
生活情報取得部71は、家電機器101a、102aから送信された生活情報及び家電機器IDを通信部61を介して取得し、生活情報記憶部81に蓄積する機能を有する。なお、蓄積される生活情報には家電機器101a、102aにおいて計測された時刻或いはサーバ104において取得された時刻等の時刻情報が付され、生活情報の履歴として管理される。なお、生活情報取得部71を、通信部61の受信機能を包含するよう構成してもよく、この場合、生活情報等は生活情報取得部71において受信されることにより取得される。
生体情報取得部72は、ウェアラブルセンサ101c、102cから送信された生体情報及びウェアラブルセンサIDを通信部61を介して取得し、生体情報記憶部82に蓄積する機能を有する。なお、蓄積される生体情報にはウェアラブルセンサ101c、102cにおいて計測された時刻或いはサーバ104において取得された時刻等の時刻情報が付され、生体情報の履歴として管理される。
属性情報取得部73は、情報入力端末101d、102dから送信された属性情報を通信部61を介して取得し、属性情報記憶部83に格納する機能を有する。また、登録情報取得部74は、情報入力端末101d、102dから送信された登録情報を通信部61を介して取得し、登録情報記憶部84に格納する機能を有する。
位置情報取得部75は、移動体101b、102bから送信された位置情報を通信部61を介して取得し、位置情報記憶部85に蓄積する機能を有する。なお、蓄積される位置情報には移動体101b、102bにおいて計測された時刻或いはサーバ104において取得された時刻等の時刻情報が付され、位置情報の履歴として管理される。
また、行動予測部91は、生活情報、生体情報及び属性情報に基づきユーザの行動を予測する予測アルゴリズムを含む制御プログラムをプロセッサが実行することにより次の機能を実現する。即ち、各ユーザIDに関連付けられた家電機器ID及びウェアラブルセンサIDと対応付けられた生活情報及び生体情報と、各ユーザIDに対応する属性情報とに基づいて、各ユーザの行動様式を推定する等により、各ユーザの行動を予測する機能である。なお、行動予測部91は、登録情報記憶部84に格納された登録情報を参照することにより、生活情報、生体情報、属性情報等の対応関係を得る。
この予測アルゴリズムは、予め定められて用いられるものである。その内容は、例えば、生活情報に基づきユーザによる家電機器の使用時刻の履歴を特定周期(1日単位等)で解析し、ユーザが特定時間帯に家電機器を使用する習慣を有することを推定し、この推定結果を用いてユーザの将来の行動を予測するもの等である。
有用な予測アルゴリズムの例としては、朝にコーヒーメーカーを使用する確率が高いユーザは、家庭で毎朝コーヒーを飲む習慣を有すると推定し、朝にコーヒーを飲まない日があれば外出先でコーヒー関連の飲料を飲む可能性が高いと予測するものが挙げられる。
なお、予測アルゴリズムにおいて、履歴を利用する方法として、1年単位、1週間単位、1日単位等と人の生活習慣を定める特定の単位毎においてその一部時間に共通する特性を利用してもよい。例えば1週間単位であれば月曜〜金曜まで等の平日にのみ共通する特性と、土曜及び日曜等の休日にのみ共通する特性とを区別し、特定行動を行う時間帯を平日と休日とで別個に予測する等である。また、1年単位であれば春夏にのみ共通する特性と秋冬にのみ共通する特性区別し、特定行動を行う時間帯を春夏と秋冬とで別個に予測する等である。
また、提供用情報生成部92は、行動予測部91の予測結果と位置情報とに基づき提供用情報を生成する情報生成アルゴリズムを含む制御プログラムをプロセッサが実行することにより次の機能を実現する。即ち、登録情報記憶部84に格納された登録情報を参照して、各ユーザIDに関連付けられた移動体IDに対応付けられた位置情報に基づき(例えば計測時刻を付した位置情報の複数の集合である履歴に基づき)、将来における各ユーザの移動先の位置を予測する。そして、行動予測部91の予測結果に基づき将来時点におけるユーザの行動予測を踏まえて、特定位置でのユーザ行動を予測し、その予測結果に応じて提供用情報を生成し、通信部61を介してその提供用情報を情報提示装置105に送信する機能である。なお、ここで、提供用情報の生成は、予め用意している複数の情報から1つを選定することで提供用情報として扱うことと決定することも含む。
この情報生成アルゴリズムは、例えば、将来特定の行動を実行する可能性が高いと予測されたユーザが、将来においてどの場所に位置するかを予測し、予測結果に応じてそのユーザや他の者に提供するための情報を生成するもの等として、予め定められている。なお、ユーザについての位置情報の履歴(複数の時刻それぞれにおけるユーザの位置を示す位置情報)に基づいて、将来の各時刻におけるユーザの位置を予測するアルゴリズムとしては、線形予測や他のいかなる方法を用いてもよい。
有用な情報生成アルゴリズムの例としては、コーヒー関連の飲料を飲む可能性が高いと予測されたユーザが将来の各時間帯にどの駅に移動するかを予測した上で、缶コーヒー販売業者等に提供するために駅での缶コーヒーの売り上げ数量に係る情報を生成することや、ユーザに提供するために、缶コーヒーの広告や最寄りのカフェの情報を生成すること等が挙げられる。
また、情報生成アルゴリズムにおいて、複数ユーザの位置情報を用いて時間単位、分単位、秒単位で変動する物品やサービスの需要を予測するようにしてもよい。この結果として、この情報生成アルゴリズムにより、より最適な品揃えの実現、より効果的な広告の提供、より利便性の高いサービスの提供等に必要な情報を生成して提供することが可能となる。なお、情報生成アルゴリズムにより生成される情報は、複数ユーザのそれぞれに対して異なり得るものとしてもよい。各ユーザは、情報生成アルゴリズムにより生成された情報を、自ら保有する携帯端末等を介して知得できる。
情報提示装置105は、コンピュータ端末であり、通信回路を含みサーバ104から送信される情報を受信するための通信部52と、受信した情報を、ディスプレイに表示する或いはスピーカー等から音声で出力する等により提示する情報提示部51とを備える。この情報提示装置105は、1台又は複数台の携帯型のスマートフォンやタブレット、或いは家庭に設置されたテレビであってもよく、また、デジタルサイネージ(電子看板)等であってもよい。なお、この情報提示装置105を特定の事業者が管理し、提示された情報を、そのまま或いは加工して別の事業体や個人の保有する装置や、特定の場所に設置された装置等に提供することとしてもよい。
以下、上述の構成を備える情報提供システム100の各機器類の動作を説明する。
図3は、家電機器101aにより実行される家電機器処理を示すフローチャートである。なお、この家電機器処理は、家電機器102aにおいても同様に実行される。
同図に示すように、家電機器101aは、ユーザ操作が成される毎に(ステップS301)、ユーザ操作に応じた動作処理を行う(ステップS302)。例えば、家電機器101aが、コーヒーメーカーであれば、ユーザによるスイッチ操作に応じて、ヒーター加熱によるドリップ開始等の処理を行う。なお、家電機器101aの具体内容によっては、ユーザ操作に応じて主体的ではなく結果的に動作するものもあり得る。例えば、家電機器101aが冷蔵庫であれば、ユーザによる扉を開く操作に応じて、結果として扉を開いた状態へと変化する。
動作に際して家電機器101aは、生活情報記録部11により、ユーザ操作に応じた動作内容や時刻等である生活情報を、自機内部の記憶媒体に記録する(ステップS303)。家電機器101aが、コーヒーメーカーであれば、生活情報は、例えば、スイッチオンにした時刻つまりドリップ開始した時刻を示す情報である。
また、家電機器101aは、送信条件が成立した場合には(ステップS304)、自機内部の記憶媒体の内容である生活情報と家電機器IDとを通信部12によりネットワーク103を介してサーバ104に送信する(ステップS305)。この送信条件は、例えば、毎日特定時刻到来時といった一定期間毎に生活情報をまとめて送信するための条件、サーバ104から要求を受けた時といった生活情報をまとめて送信するための条件、或いはユーザ操作が1回なされた毎といったリアルタイムに生活情報を送信するための条件等である。なお、サーバ104から要求を受けた時という条件にする場合には、サーバ104は一定時間毎等に逐次要求を発するように構成される必要がある。
図4は、ウェアラブルセンサ101cにより実行されるウェアラブルセンサ処理を示すフローチャートである。なお、このウェアラブルセンサ処理は、ウェアラブルセンサ102cにおいても同様に実行される。
同図に示すように、ユーザが身に付けているウェアラブルセンサ101cは、生体情報計測部21により、ユーザの体温や心拍数等の生体情報を計測して内部記憶媒体に記録する(ステップS401)。この生体情報の計測及び記録は、逐次繰り返される。
また、ウェアラブルセンサ101cは、送信条件が成立した場合には(ステップS402)、自機内部の記憶媒体の内容である生体情報とウェアラブルセンサIDとを通信部22によりネットワーク103を介してサーバ104に送信する(ステップS403)。この送信条件は、例えば毎日特定時刻到来時といった一定期間毎に生体情報をまとめて送信するための条件、サーバ104から要求を受けた時といった生体情報をまとめて送信するための条件、或いは生体情報の計測の都度といった条件等である。なお、この送信条件についてもサーバ104から要求を受けた時という条件にするのであれば、サーバ104は一定時間毎等に逐次要求を発するように構成される必要がある。
図5は、移動体101bにより実行される移動体処理を示すフローチャートである。なお、この移動体処理は、移動体102bにおいても同様に実行される。
同図に示すように、ユーザに保有されている移動体は、GPS機能等を備える位置計測部41により自機の位置即ちユーザの位置を計測する(ステップS501)。そして、計測結果である位置情報と内部の揮発性メモリ等に記憶されている自機固有の移動体IDとを通信部42によりネットワーク103を介してサーバ104に送信する(ステップS502)。この位置情報の計測及び送信は、逐次繰り返される。
図6は、情報入力端末101dにより実行される情報入力端末処理を示すフローチャートである。なお、この情報入力端末処理は、情報入力端末102dにおいて同様に実行される。
同図に示すように、情報入力端末101dは、入力受付部31により、ユーザID、家電機器ID、ウェアラブルセンサID及び移動体IDを特定するためにキーボード等を介してなされる家電機器のユーザによる入力を受け付ける(ステップS601)。この入力は、直接入力或いは選択肢の選定等の方法でなされる。続いて通信部32は、入力に応じて特定されたユーザID、家電機器ID、ウェアラブルセンサID及び移動体IDを登録情報としてネットワーク103を介してサーバ104に送信する(ステップS602)。この登録情報の送信は、各ユーザに対応する家電機器、ウェアラブルセンサ及び移動体をサーバにおいて識別するために用いられる。なお、ユーザIDは、各ユーザを識別可能な情報であれば足りる。
また、情報入力端末101dは、入力受付部31により、家電機器のユーザの年齢、性別等を示す属性情報の入力を受け付け(ステップS603)、この属性情報を通信部32により、ネットワーク103を介してサーバ104に送信する(ステップS604)。
図7は、サーバ104により実行されるサーバ処理を示すフローチャートである。
同図に示すように、サーバ104は、登録情報取得部74により、通信部61を介して各情報入力端末101d、102dから登録情報を受信して、この受信により取得した登録情報を登録情報記憶部84に記憶する(ステップS701)。これにより、サーバにおいて、各ユーザと、各家電機器、各ウェアラブルセンサ、各移動体との対応関係を把握することができる。
続いて、サーバ104は、ステップS702〜ステップS712を繰り返し実行することにより、逐次、各ユーザから情報を取得して、逐次、提供用情報を情報提示装置105に提供する。
サーバ104の生活情報取得部71は、家電機器IDが付された生活情報を通信部61が受信した場合には(ステップS702)、この生活情報と家電機器IDとを対応付けて生活情報記憶部81に格納する。即ち、生活情報記憶部81のデータベースに蓄積する(ステップS703)。
また、ウェアラブルセンサIDが付された生体情報を通信部61が受信した場合には(ステップS704)、生体情報取得部72は、この生体情報とウェアラブルセンサIDとを対応付けて生体情報記憶部82に格納する。即ち、生体情報記憶部82のデータベースに蓄積する(ステップS705)。
また、属性情報を通信部61が受信した場合には(ステップS706)、属性情報取得部73は、この属性情報を属性情報記憶部83に格納する(ステップS707)。
また、移動体IDが付された位置情報を通信部61が受信した場合には(ステップS708)、位置情報取得部75は、この位置情報と移動体IDとを対応付けて位置情報記憶部85に格納する(ステップS709)。
また、行動予測部91は、上述の予測アルゴリズムに従って、各ユーザの行動様式を推定することにより将来的な行動を予測する(ステップS710)。この推定及び予測は、登録情報記憶部84に格納された登録情報を参照し、生活情報記憶部81に格納された生活情報と生体情報記憶部82に格納された生体情報と属性情報記憶部83に格納された属性情報とに基づいて行われる。
続いて、提供用情報生成部92は、位置情報記憶部85に格納された位置情報に基づいて、各ユーザの移動位置を予測する。そして、登録情報記憶部84に格納された登録情報を参照して、移動位置に対応するユーザの行動の予測結果に基づき、上述の情報生成アルゴリズムに従って、提供用情報を生成する(ステップS711)。それから、この生成した提供用情報を、通信部61によりネットワーク103を介して情報提示装置105に送信する(ステップS712)。逐次取得される位置情報等に基づき、予測及び情報の生成は逐次実行される。そして情報の送信は、秒単位、分単位、時間単位、日単位、週単位等で変動する内容についてその単位に即してリアルタイムに行われるものとなる。
以上、情報提供システム100について、2つの家庭における2人の家電機器ユーザの例を用いて説明したが、3人以上の、より多数のユーザを対象とすることで、一層有用な情報提供が可能となり得る。この場合、サーバ104は、より多数のユーザ各々についての生活情報、生体情報、属性情報及び位置情報を取得し、多数の各ユーザの行動及び移動位置を予測することで情報を生成して提供することになる。
なお、複数(より多数であれば好ましい)のユーザ各々が、特定の物品の取得又は特定のサービスの享受という行動を実行する可能性を予測し、その可能性の高いユーザの移動位置を予測することとしてもよい。これにより、特定場所で特定時間帯において特定の物品又は特定のサービスの需要がどの程度かを予測することができるので、この予測結果に基づいて、特定の物品の売り上げ数量や特定のサービスに関する広告等といった有効な情報を提供することとしてもよい。
情報提供システム100が、特定の場所における特定の物又は特定のサービスの需要に係る情報を提供するために、予測アルゴリズム及び情報生成アルゴリズムを次のようにしてもよい。即ち、予測アルゴリズムを、複数のユーザ各々の生活情報から、各ユーザについて当該ユーザの行動様式を推定し当該ユーザが将来の特定時点(時間帯や複数の時点等でもよい。)において特定の物又は特定のサービスを必要とする可能性を予測するものとする。なお、ここで生活情報に、更に生体情報、属性情報を加えてもよい。また、情報生成アルゴリズムを、各ユーザについて当該ユーザの位置情報の履歴からその将来の特定時点における当該ユーザの位置を予測する部分を含むものとする。そして情報生成アルゴリズムを、特定時点において、特定の場所に位置するであろう、特定の物又は特定のサービスを必要とする可能性が一定基準より高いユーザの人数に基づいて、需要の度合いを定めてそれを表す情報を生成するものとする。
なお、生活情報をサーバ104に送信する家電機器101a、102aがユーザに提供する物又はサービスが、予測対象の需要に係る特定の物又は特定のサービスと同じ属性を有する場合に、需要予測は有効に働く。同じ属性の物品同士又は同じ属性のサービス同士は、人の嗜好対象としての観点で同類と認識されるものを含む。
例えば、コーヒーメーカーは、缶コーヒーと同じ属性を有するコーヒーをユーザに提供する機器である。従って、情報提供システム100は、コーヒーメーカーの使用履歴に基づき、毎朝コーヒーを飲む傾向が高いと推定されるユーザが今朝はコーヒーを飲んでいなければ、そのユーザが今日の午前中に缶コーヒーを飲むであろうと予測し得る。また、情報提供システム100では、そのユーザの午前中の移動先を予測し得る。このため、情報提供システム100では、このようなユーザの情報を多く集めることにより、特定の駅を通ることが予測され、かつ、今日の午前中に缶コーヒーを飲む可能性が高いであろうと予測されるユーザの数を示す情報等を生成して提示することが可能となる。なお、毎朝コーヒーを飲む傾向が高いと推定される各ユーザや、今日の午前中に缶コーヒーを飲む可能性が高いであろうと予測される各ユーザについて、現在位置又は将来位置の分布を地図上で示すような情報を生成して提示することとしてもよい。
なお、家電機器101a、102aが生活情報を、移動体101b、102bを経由させてサーバ104に送信することとしてもよい。
また、サーバ104が、ユーザに関わる生活情報、生体情報、位置情報、属性情報及び登録情報を取得することについて、ユーザのプライバシーに配慮して、ユーザの同意を得る同意ステップを含ませるようにしてもよい。この同意ステップは、例えば、家電機器101a、102a、移動体101b、102b、ウェアラブルセンサ101c、102c、情報入力端末101d、102dの各々において、ユーザに関わる情報の送信前に一度又は送信毎に実行されることとしてもよい。ユーザインタフェースを備えていない機器類については、同意ステップを他の機器を用いて代替的に実行させることとしてもよい。
例えば、移動体101bが、ディスプレイを備える携帯情報端末であることとし、図8に示すグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を介して、ユーザの同意を得るようにしてもよい。これにより、GUIを介して、ユーザが使用している家電機器101aから得られる生活情報をサーバ104に提供する同意、或いはこのサーバ104の管理を担うサービスプロバイダ804(同図中「○○」)に提供する同意を得ることが可能となる。
ここで、上述のGUIにおいては、情報提供先であるサービスプロバイダ804を表示し、ユーザが提供する生活情報の内容803を表示し、サービスプロバイダ804から提供されるサービス内容802を表示しておいてもよい。これにより、情報の提供目的や提供先を把握可能となり、ユーザにとって同意に係る判断が容易となり得る。なお、この同意の有無についての情報が登録情報等と対応付けてサーバに格納され、同意したユーザに対しては、同意しなかったユーザに比べて、情報提供システム100が多くの情報を提供するように、上述の情報生成アルゴリズムが構成されていてもよい。
また、図9に示すGUIを介して、ユーザが使用している家電機器101aから得られる各生活情報903を提示し、チェックボックス等でユーザがサービスプロバイダ804に提供を許可する生活情報を選択可能とする同意ステップを行うようにしてもよい。この図9の例は、家電機器101aが、コーヒーメーカー、冷蔵庫、トイレの組み合わせであることとして、移動体101bが、ディスプレイを備える携帯情報端末であることとした場合の例である。なお、この図9の例では、一度ユーザの同意が得られれば足りるため、ユーザによる確認作業の負担を軽減することができる。
また、上述した移動体101bと情報入力端末101dと情報提示装置105とサーバ104とが、一体的に構成された移動体101eに置き換わってもよい。
以下、情報提供システム100の変形例として、移動体101bと情報入力端末101dと情報提示装置105とサーバ104とが一体(移動体101e)となった態様について、変形部分を中心に説明する。
図10は、移動体101e、これに連携する家電機器101a及びウェアラブルセンサ101cの機能構成を示すブロック図である。
移動体101eは、スマートフォンや、タブレット等の携帯端末、或いはGPSを利用したカーナビゲーション装置やこれを搭載した自動車等である。
この移動体101eは、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル等を介して入力を受け付ける入力受付部31eと、GPS等を利用して自機の位置情報を生成する位置計測部41eと、通信回路を含みネットワーク103で接続された家電機器101a及びウェアラブルセンサ101cと通信する通信部61eと、生活情報取得部71eと、生体情報取得部72eと、属性情報取得部73eと、登録情報取得部74eと、位置情報取得部75eと、生活情報記憶部81eと、生体情報記憶部82eと、属性情報記憶部83eと、登録情報記憶部84eと、位置情報記憶部85eと、行動予測部91eと、提供用情報生成部92eと、情報提示部51eとを備える。
ここで、生活情報記憶部81e、生体情報記憶部82e、属性情報記憶部83e、登録情報記憶部84e及び位置情報記憶部85eは、メモリ、ハードディスク等の記憶媒体で構成される。
生活情報取得部71eは、家電機器101aから送信された生活情報及び家電機器IDを通信部61eを介して取得し、生活情報記憶部81eに蓄積する機能を有する。なお、蓄積される生活情報には家電機器101aにおいて計測された時刻、或いは移動体101eにおいて取得された時刻等の時刻情報が付され、生活情報の履歴として管理される。なお、生活情報取得部71eを、通信部61eの受信機能を包含するよう構成してもよく、この場合、生活情報等は生活情報取得部71eにおいて受信されることにより取得される。
生体情報取得部72eは、ウェアラブルセンサ101cから送信された生体情報及びウェアラブルセンサIDを通信部61eを介して取得し、生体情報記憶部82eに蓄積する機能を有する。なお、蓄積される生体情報にはウェアラブルセンサ101cにおいて計測された時刻或いは移動体101eにおいて取得された時刻等の時刻情報が付され、生体情報の履歴として管理される。
属性情報取得部73eは、入力受付部31eから受け付けられた入力に応じて、家電機器101aのユーザについての年齢、性別等とユーザIDとを対応付けた属性情報を特定して属性情報記憶部83eに格納する機能を有する。
登録情報取得部74eは、入力受付部31eからの入力に応じて、家電機器101aの家電機器IDと、ウェアラブルセンサ101cのウェアラブルセンサIDとユーザIDとを関連付けた登録情報を特定して、登録情報記憶部84eに格納する機能を有する。
また、位置情報取得部75eは、位置計測部41eから位置情報を取得して位置情報記憶部85eに蓄積する機能を有する。なお、蓄積される位置情報には計測された時刻等の時刻情報が付され、位置情報の履歴として管理される。
行動予測部91eは、生活情報、生体情報及び属性情報に基づきユーザの行動を予測する予測アルゴリズムを含む制御プログラムをプロセッサが実行することにより次の機能を実現する。即ち、登録情報を参照して、ユーザIDに関連付けられた家電機器ID及びウェアラブルセンサIDと対応付けられた生活情報及び生体情報と、ユーザIDに対応する属性情報とに基づき、ユーザの行動様式を推定する等により、ユーザの行動を予測する機能である。この予測アルゴリズムは、例えば上述したサーバ104の行動予測部91におけるものと同じである。
また、提供用情報生成部92eは、行動予測部91eの予測結果と位置情報とに基づき提供用情報を生成する情報生成アルゴリズムを含む制御プログラムをプロセッサが実行することにより次の機能を実現する。即ち、登録情報を参照し、ユーザIDに関連付けられた移動体IDに対応付けられた位置情報(例えば計測時刻を付した位置情報の集合である履歴)に基づき、将来時点におけるユーザの移動先の位置を予測する。そして、行動予測部91eの予測結果に基づき将来時点におけるユーザの行動予測を踏まえて、特定位置でのユーザ行動を予測し、その予測結果に応じて提供用情報を生成し、その提供用情報を情報提示部51eを介して提示する機能である。なお、この情報生成アルゴリズムは、例えば上述したサーバ104の提供用情報生成部92におけるものと同じである。
また、情報提示部51eは、ディスプレイ或いはスピーカーを備え、提供用情報生成部92eから与えられた提供用情報を、ティスプレイに表示、或いはスピーカーから出力する機能を有する。
図11は、移動体101eにより実行される移動体処理を示すフローチャートである。
同図に示すように、移動体101eの登録情報取得部74eは、入力受付部31eを介して、ユーザID、家電機器ID及びウェアラブルセンサIDを特定するためにキーボード等を介してなされる家電機器のユーザによる入力を受け付ける(ステップS1101)。
そして、入力に応じて特定されたユーザID、家電機器ID、及びウェアラブルセンサIDを登録情報として登録情報記憶部84eに格納する(ステップS1102)。
また、属性情報取得部73eは、入力受付部31eを介して、ユーザの年齢、性別等を示す属性情報の入力を受け付け(ステップS1103)、属性情報を属性情報記憶部83eに格納する(ステップS1104)。
続いて、移動体101eは、ステップS1105〜ステップS1113を繰り返し実行することにより、逐次、ユーザから情報を取得して、逐次、提供用情報を提示する。
移動体101eの生活情報取得部71eは、家電機器IDが付された生活情報を通信部61eが受信した場合には(ステップS1105)、この生活情報と家電機器IDとを対応付けて生活情報記憶部81eに蓄積する(ステップS1106)。
また、ウェアラブルセンサIDが付された生体情報を通信部61eが受信した場合には(ステップS1107)、生体情報取得部72eは、この生体情報とウェアラブルセンサIDとを対応付けて生体情報記憶部82eに蓄積する(ステップS1108)。
移動体101eの位置計測部41eは、自機の位置、即ち自機を保有するユーザの位置を計測し(ステップS1109)、計測結果である位置情報を位置情報取得部75eが取得して位置情報記憶部85eに蓄積する(ステップS1110)。
また、行動予測部91eは、上述の予測アルゴリズムに従って、ユーザの行動様式を推定することにより将来的な行動を予測する(ステップS1111)。この推定及び予測は、登録情報記憶部84eに格納された登録情報を参照し、生活情報記憶部81eに格納された生活情報と生体情報記憶部82eに格納された生体情報と属性情報記憶部83eに格納された属性情報とに基づき行われる。
続いて、提供用情報生成部92eは、位置情報記憶部85eに格納された位置情報に基づいて、ユーザの移動位置を予測する。そして、登録情報記憶部84eに格納された登録情報を参照して、移動位置に対応するユーザの行動の予測結果に基づき、上述の情報生成アルゴリズムに従って、提供用情報を生成する(ステップS1112)。それから、この生成した提供用情報を、情報提示部51eにより提示する(ステップS1113)。
なお、移動体101eを複数のユーザが交代で使用するのではなく1人のユーザしか使用しない場合において、家電機器ID、ウェアラブルセンサID、移動体ID及びユーザIDを用いないこととしてもよい。
この情報提供システムにおいては、移動体101eにより、自機の位置つまり移動体101eを保有する者の位置に応じて、その者に向けた、効果の高いピンポイント広告等の情報を提供することができる。効果の高いピンポイント広告は、購入可能性がより高いと思われる個人にターゲットを絞った広告であり、これにより、販売増が狙えるほか、情報提供用の機器類の省電力化等の効果が得られる。
なお、上述の例では、移動体101e(図10参照)において、生活情報、位置情報等に基づいて行動予測部91e及び提供用情報生成部92eにおける予測結果として提供用情報が生成され、情報提示部51eで情報が提示されることを示した。また、その前に述べた例では同様に、生活情報、位置情報等に基づいてサーバ104の行動予測部91及び提供用情報生成部92による予測結果として提供用情報が生成され、情報提示装置105で情報が提示されることを示した。これらの情報の提示の代わりに、生活情報、位置情報等に基づいた予測結果に応じて各種機器類を制御するための制御用情報を供給することで各種機器類の制御を実現するようなシステム構成も可能である。
また、上述した情報提供システムからウェアラブルセンサ101c、102cを取り除き、生体情報を利用しないこととしてもよい。但し、生体情報を利用すると、ユーザの状況の推定をより正確に実現できるようになり、その結果、情報提供システムは、より有用な情報の提供を行えるようになり得る。また、同様に、情報入力端末101d、102dを取り除き、属性情報を利用しないこととしてもよく、登録情報を利用しないこととしてもよい。なお、1人のユーザの生活情報だけに基づいて情報の生成及び提供を行うような場合においては、ユーザを識別する必要がなく、登録情報が不要となり得る。また、家電機器ID、ウェアラブルセンサID、移動体ID等の識別情報は、ユーザIDで代替も可能であり、また、1人のユーザのみを対象とする場合においては、家電機器ID等の識別情報は不要となる。
なお、上述した情報提供システム(図2、図10参照)における家電機器101a、102a、ウェアラブルセンサ101c、102c、移動体101b、102b又は移動体101eは、ユーザIDの入力受付や個人認証等により個人を識別する手段を備えていてもよい。個人認証は例えば顔認証、指紋認証、虹彩認証等である。これにより、個人を区別して、より正確に各ユーザの状況を推定し、より有効な情報の提供が可能となる。また、この個人の識別結果を、上述の登録情報の代わりとして用いるようにしてもよい。
また、上述した情報提供システムにおける行動予測部91、91eと提供用情報生成部92、92eとの機能分割は、一例にすぎず、機能の配分は変更可能であり、また両者を一体化してもよい。
以下、実施の形態2以降において、実施の形態1で説明した情報提供システムを一層具体化した実施態様例を説明する。実施の形態2以降の例においても、実施の形態1で説明した事項は基本的に当てはまるので、その説明を適宜省略する。
(実施の形態2)
以下、図1、図2を用いて上述した情報提供システム100における家電機器101a、102aをコーヒーメーカーとした例を中心として説明する。
本実施の形態における情報提供システムにおいて、コーヒーメーカーである家電機器101a、102aは、各個人が使用したことを検出する手段(検出機構)を備える。この検出機構としては、例えば、消費電力をモニタする手段や、使用時に加熱される部分に設置した温度センサ等が用いられる。この検出機構による検出結果(検出時刻等)が生活情報として生活情報記録部11に記録され通信部12により、生活情報とコーヒーメーカーを識別する家電機器IDとがネットワーク103を介してサーバ104に送信される。これにより、サーバ104においては、各ユーザ(個人)又は各家庭のコーヒーメーカー使用履歴が得られる。サーバ104では、そのコーヒーメーカー使用履歴から、ユーザの行動を予測することが可能となり、これに基づいて生成された情報を情報提示装置105に提供することが可能となる。この情報提示装置105は、例えば公共交通機関やその周辺に設置されて利用に供され得る。
なお、コーヒーメーカーが、コーヒーメーカー使用時の消費電力量や生成したコーヒーの量に関する情報を記録する機構を備えていてもよい。これにより、各個人のコーヒーを飲んだ量の情報を生活情報に含め、サーバ104においてユーザの行動予測に活用することが可能となる。
例えば、ユーザがコーヒーメーカーを使用してから一定時間が経過したらそのユーザはまたコーヒーを飲みたくなることを前提とした予測アルゴリズムにより、サーバ104では、近い将来にユーザがコーヒーを飲む可能性の程度を予測することが可能となる。その予測結果と、近い将来におけるユーザの移動先の予測結果とから、ある駅をユーザが通るときにその駅の販売店で缶コーヒーを購入する可能性を算定してその購入可能性を示す提供用情報を生成して、情報提示装置105において提示することが可能となる。
なお、各ユーザの位置履歴と鉄道等の公共交通機関の路線図(経路位置情報)とに基づき、公共交通機関を現在利用しているかどうかを推定することも可能である。更には、駅の位置情報を利用すれば各ユーザが何時にどの駅に到着予定であるかも推定可能となり、時刻表の情報を利用すればその推定精度を向上させることも可能となる。なお、情報生成アルゴリズムにおいては、各ユーザの位置情報の履歴を基に、ユーザ毎に同じ曜日の同じ時刻には同じ経路で公共交通機関を利用する確率が高いとして、各ユーザが今後いずれの駅で乗り換えるのかの予測を行うこととしてもよい。
これらにより、ある公共交通機関の駅を利用する各個人について、外出前に家庭でコーヒーメーカーを使用したかどうかの生活情報を得ることで、駅の販売店での缶コーヒーの購入可能性が予測できる。従って、例えば時間毎の缶コーヒーの売れ行きを予想し情報提示装置105に提示することが可能となる。
また、例えば、ある駅の利用者集団のなかで、缶コーヒーの購入可能性が高い人が多いと予測される時間帯にあわせて、その駅に設置された情報提示装置105による広告の内容を、缶コーヒーの広告に切り替える等、より効率的な広告が可能となる。
また、予測アルゴリズムにおいては、ユーザ各々のコーヒーメーカーの使用履歴からコーヒー利用頻度が一定基準より高いか低いかを区別してもよい。その上で、コーヒー利用頻度が高く、外出前にコーヒーメーカーを使用しなかったユーザ(即ち最後にコーヒーメーカーを使用してから一定時間以上が経過している状況のユーザ)ほど外出先での缶コーヒー購入可能性が高いと判断してもよい。そして、情報生成アルゴリズムにおいて、その各ユーザの状況を、駅での缶コーヒーの購入可能性に反映した情報を生成することとしてもよい。
また、ウェアラブルセンサ101c、102cは、各ユーザ(個人)の心拍数を計測可能なものであることとし、予測アルゴリズムを、計測される心拍数が低いほど、缶コーヒー購入可能性が高い状況であると予測するものとしてもよい。計測される心拍数が低いほど、その個人が眠い状態にあると推定できるためである。また、ウェアラブルセンサ101c、102cが、各ユーザ(個人)の体温を計測可能なものであることとし、予測アルゴリズムを、計測される体温が高いほど、缶コーヒー購入可能性が高い状況であると予測するものとしてもよい。計測される体温が高いほど、その個人が眠い状態にあると推定できるためである。これらの体温や心拍数等の生体情報と缶コーヒー購入可能性との関係について、統計等に基づいて予め関数を設定しておき、予測アルゴリズムにおいては生体情報及びその関数に基づいてコーヒー購入可能性を予測することとしてもよい。
また、本実施の形態の家電機器101a、102aは、コーヒーメーカーに加えて、通信機能を備えた睡眠計(睡眠時間の計測が可能な手段)も備えていてもよい。この場合、生活情報としてはコーヒーメーカーの使用状況に加えて睡眠時間が含まれることとなる。予測アルゴリズムは、睡眠時間を反映して、前日の睡眠時間が短いほど、翌日の缶コーヒーの購入可能性が高いと推定するものであってもよい。これにより、外出前のコーヒーメーカー使用の情報と、前日の睡眠時間の情報の両方から、より高精度に缶コーヒー購入可能性について予測することが可能となる。
また、電子決済システム等を用いて、各ユーザ(個人)の各駅での缶コーヒー購入履歴を記憶させておき、サーバに収集して予測アルゴリズムにおいて利用することとしてもよい。また、予測アルゴリズムは、缶コーヒー購入頻度が高かったユーザと缶コーヒー購入頻度が低かったユーザとを区別し、缶コーヒー購入頻度が高く外出前にコーヒーメーカーを利用しなかったユーザほど駅での缶コーヒー購入可能性が高いと予測するものでもよい。この結果、駅での缶コーヒーの売れ行きに係る情報を情報生成アルゴリズムにより生成して、情報提示装置105により、売れ行き予測結果に基づく情報を提示することが可能となる。また、電子決済システム等を用いて、各ユーザが過去に購入した缶コーヒーの商品名を記憶させておき、これを利用して情報生成アルゴリズムでは、商品毎の売れ行き。測を行った結果を生成することとしてもよい。この結果として、その日に売れそうな缶コーヒー(商品名)の広告を、駅に設置したデジタルサイネージ等の情報提示装置105により、提示すること等が可能となる。
また、家電機器101a、102aは、コーヒーメーカーに加えて、通信機能を備えた照明器具を備えていてもよい。これにより、サーバ104においては、照明の点灯履歴にも係る生活情報を収集することができる。このとき、予測アルゴリズムは、例えば、夜中3から4時間毎に照明が点灯していればユーザの家庭に乳児がいると推定し、ユーザが女性であれば缶コーヒーの購入可能性が著しく低下すると予測するものとしてもよい。これにより、より正確な缶コーヒーの販売予測が可能となる。また、照明の点灯時間から、乳児がいる家庭を抽出し、同家庭に住む住人(ユーザ)が複数の場合は、例えば、各住人(ユーザ)の過去のGPS記録から、出産のための病院入院期間の有無、通院の有無等が判断できる。このため、あるユーザが母親であるか、母親以外の同居人であるかの判断は可能となる。また、情報入力端末101dから入力される属性情報は、年齢、性別の他、嗜好、母親であるか否か等の情報であってもよい。これによれば、嗜好や乳児の母親であるという属性情報に基づいて、缶コーヒーの購入可能性をより正確に予測する予測アルゴリズムを定めておき利用することが可能となる。
以上、家電機器101a,102aがコーヒーメーカーを含み、缶コーヒーの売り上げ予測に係る情報提供を行う情報提供システムの例について説明した。この予測は、コーヒーメーカーという家電機器の目的がコーヒーの需要に関連してコーヒーを供給することであり、缶コーヒーという商品の売り上げと一定の関連性を有することに基づく、有効なものである。
このように、情報提供システムにおいて、家電機器101a、102aの使用目的と一定の関連性を有する特定の物品又は特定のサービスとの関連でユーザの行動(物品購入、サービス享受等)を予測し、特定の物品又は特定のサービスの需要を予測し得る。そして、その特定の物品又は特定のサービスに関連する情報を提供することが可能となる。なお、この場合、家電機器は、その特定の物品と同じ属性を有する物を提供する機能を有するもの、或いはその特定のサービスと同じ属性を有するサービスを提供する機能を有するものである。
以下、缶コーヒー以外の商品についての購入可能性に係る情報提供システムの例を説明する。
例えば、家電機器101a、102aは、使用状況を外部に通信する通信機能を備えたトースターであってもよい。使用状況はトースターの消費電力のモニタリングにより測定してもよい。サーバ104においては、ネットワーク103を介して、外出前に各ユーザがトースターを使用したかどうかの情報が得られる。予測アルゴリズムは、朝食を食べそびれたユーザは近い将来において軽食等を欲する可能性が高いと予測するものとする。そして、情報生成アルゴリズムは、各時間帯において、朝食を食べそびれたユーザがどの程度の人数、特定の駅に移動して来るかを推定して、サンドイッチ(軽食)の売り上げを予測してこれを反映して提示用の情報を生成するものとする。これにより、例えば、予測結果に応じてサンドイッチの広告を表示する時間と他の商品の広告を表示する時間との割合を変えた提示用の情報を生成することになる。これにより、駅に設置されたデジタルサイネージ等の情報提示装置105により、日毎、時間帯毎に、サンドイッチの広告と他の商品の広告との表示時間の割合を変える等、ある日又は時間帯の駅の利用者にとって効果的な広告を表示することが可能となる。
また、家電機器101a、102aを、コーヒーメーカー、トースター以外の他の調理用家電機器としてもよい。例えば、IH調理器、電子レンジ等の調理用家電機器の使用履歴をサーバ104が収集することで、サーバ104は、予測アルゴリズムにより、各ユーザの食事時間帯を推定して、将来的に食事をするであろう時刻を予測することが可能になる。この場合に、情報生成アルゴリズムを、各ユーザが食事を必要とする時刻における各ユーザの移動先の推定に基づいて特定場所における食品関連の商品や、飲食店における食事提供サービス等の需要を予測する部分を含むものとしてもよい。そして、需要の予測結果に基づいて、特定場所に設置された情報提示装置105において提示するための情報(商品やサービスの広告等)を生成するものとしてもよい。この提示するための情報には、需要を量として表現した情報を含ませてもよい。
なお、ウェアラブルセンサ101c、102cが、血糖計であれば、予測アルゴリズムにおいて、調理用家電機器等から得られる生活情報に加えて、各ユーザについての血糖値の変化に基づいて、より正確に食事の時間を推定することも可能となる。また、ウェアラブルセンサ101c、102cが、これを装着している者の発する音を計測して生体情報として送信するものであってもよい。これにより、予測アルゴリズムにおいては、例えば、会話の有無が判断できることにより、1人で移動中なのか、複数人で移動中なのかが判断でき、商品等の購入可能性が高い状態にあるか否かをより正確に予測可能となる。また、ウェアラブルセンサ101c、102cが、これを装着している者の単位時間当たりの歩数、活動量等を計測して生体情報として送信するものであってもよい。これにより、予測アルゴリズムにおいては、歩数、活動量等と一定の相関のある疲労度が推定でき、各ユーザが栄養ドリンク類、スポーツ飲料等の購入可能性が高い状態にあるか否かをより正確に予測可能となる。
また、家電機器101a、102aが、食品の調理、供給等に係る機器ではなく、通信機能を備えたテレビやラジオであってもよい。この場合、サーバ104は、ネットワーク103を介して、各ユーザが外出前にテレビやラジオを使用したかどうかの生活情報を取得できる。これに合わせて、予測アルゴリズムを、例えば、通勤前にテレビやラジオにてニュース番組を見逃したユーザについては、駅での新聞紙の購入可能性が高い状態にあると予測するものとしてもよい。また、情報生成アルゴリズムを、各駅において新聞紙の購入可能性が高いユーザが多数集まる時間帯を示す情報を生成するものとしてもよい。これによれば、情報提示装置105を見ることで、販売事業者等が、各駅の新聞紙の売り上げを認識することが可能となり、新聞紙を効率的に流通させ得るようになる。即ち、情報生成アルゴリズムを、駅毎、時間毎の各商品の販売予測、在庫(予測)数を算出するように定め、これにより生成された情報を情報提示装置105に表示させるようにしてもよい。これにより、在庫不足の駅、時間に別の駅から在庫を供給する等といった在庫管理を適切に行えるようになる。
また、家電機器101a、102aは、通信機能を備え、入浴を検知する人感センサや照明器具の使用履歴を計測する手段によって使用したかどうか検知することが可能なシステムバスであってもよい。この場合、サーバ104は、ネットワーク103を介して、各ユーザの入浴状況を示す生活情報を取得できる。これに合わせて、予測アルゴリズムを、例えば、前日に入浴していないユーザは、風邪気味である可能性が高いと推定することで、風邪薬や栄養ドリンクの購入可能性が高い状態にあると予測するものとしてもよい。これにより、駅等に設置したデジタルサイネージを用いて、風邪薬や栄養ドリンクの広告表示時間を増やす等の、より効果的な広告が可能となり得る。なお、各ユーザの入浴履歴として、長期(例えば一ヶ月以上の期間)の記録をサーバ104に残しておくことにより、例えば前日に入浴していないユーザが、毎日入浴する習慣がないのかあるのかを踏まえて、風邪気味である可能性がより正確に推定可能となる。つまり、より効果的に風邪薬や栄養ドリンクの広告表示時間を設定することが可能となる。また、ウェアラブルセンサ101c、102cが、体温計測機能を有するものとすれば、サーバ104においては収集した体温の情報も利用して、より正確に風邪気味であるか否かを推定可能となる。そして、情報提示装置105がユーザに携帯される端末であることとし、風邪気味であると推定したユーザに効果的に風邪薬や栄養ドリンクの広告を提示することとしてもよい。
また、本実施の形態の具体例(家電機器がコーヒーメーカーその他である各例)においても、図2に示す移動体101bと情報入力端末101dと情報提示装置105とサーバ104とが、一体的に構成された移動体101eに置き換わったものとしてもよい。即ち、スマートフォンや、タブレット等の移動体101eが、自機の位置つまりこれを保有するユーザの位置検出機能に加えて、次の機能群を持つように構成してもよい。ユーザの属性情報の入力機能、予測アルゴリズムに基づきユーザの行動を予測する機能、情報生成アルゴリズムに基づきユーザに提示すべき情報を生成する機能、及び生成された情報をユーザに提示する情報提示機能である(図10参照)。これにより、ユーザの位置を検出する移動体101eにおいてそのユーザに効果的に情報(ピンポイント広告)を提示することが可能になる。
また、情報提示機能を有する機器類(情報提示装置105、移動体101e)でユーザに提示される情報(ピンポイント広告)は、例えば、生活情報及び位置情報を提供するユーザのうち、ピンポイント広告配信希望者にのみ提示されることとしてもよい。例えば、希望者が、スマートフォン、タブレット等にピンポイント広告を配信するアプリケーションをインストールすれば、そのアプリケーションの起動時等にピンポイント広告が表示される。
ピンポイント広告によれば、広告を受ける個人にとっては、購入可能性の高い商品の広告を選択的に受けることができるので広告を確認する回数を減らせ、また、情報提示機能を有する機器類(スマートフォン等)の省電力化が図れる。
位置検出機能と情報提示機能を備えた機器類の画面例として、図12にスマートフォン304においてピンポイント広告を表示した画面例を示す。
図12に示す画面例では、風邪気味と判断した個人に対して栄養ドリンクの広告を表示している。このピンポイント広告では、同図に示すように、広告対象となる商品の商品名302と、広告対象となる商品に関する写真等の画像303とを表示し、更に、生活情報や生体情報を基に判断した個人の状態301について記載している。これにより、広告を受け取った個人に対して、広告商品がお勧めである理由が明らかとなり、購入意欲を一層高める効果が得られる。また、広告を受け取った個人を対象とした割引や特典サービス等の特典情報306も記載してもよい。これにより、購入意欲を一層高める効果が得られる。また、特典により、より多くのピンポイント広告配信希望者を獲得することが可能となる。
また、位置検出機能を有するスマートフォンにて得られた個人の位置情報を基に、販売店の位置に関する情報305を表示してもよい。広告を受け取った個人が、販売店を探す手間を軽減し、購入の可能性を一層高めることが可能となる。また、図示しないが、販売店の地図情報(画像)を更に表示してもよい。販売店については、各個人の現在地及びこの先の移動経路を考慮し、最寄りの販売店を表示してもよいし、また、各店舗の在庫の情報を基に、在庫に余裕がある店舗を優先的に表示してもよい。
(実施の形態3)
以下、図1、図2を用いて上述した情報提供システム100における家電機器101a、102aをトイレとした例を中心として説明する。
本実施の形態の情報提供システムでは、家庭のトイレ(便器)である家電機器101a、102aは、通信機能を有し、各ユーザ(個人)が使用したことを検出する手段(検出機構)を備える。この検出機構としては、例えば、赤外線を用いた人感知センサや排水を検知する流水センサ等が用いられる。トイレは家庭内の各ユーザを個別に識別するための生体認証手段を備えていてもよい。これによればユーザ毎のトイレ使用履歴(使用時刻等)が生活情報として生活情報記録部11に記録され、通信部12により、生活情報とトイレを識別する家電機器IDとがネットワーク103を介してサーバ104に送信される。また、サーバ104においては、各ユーザ(個人)又は各家庭のトイレ使用履歴が得られる。サーバ104では、そのトイレ使用履歴から、ユーザの行動を予測することが可能となり、これに基づいて生成された情報を情報提示装置105に提供することが可能となる。
ユーザの行動を予測する予測アルゴリズムは、ユーザのトイレ使用時の滞在時間に基づいて、トイレ使用用途(便、尿)を区別して参照するものであってもよい。このように使用用途を区別することで、ユーザの状況をより正確に推定することが可能となる。また、トイレが、排泄物の成分分析手段を備えることとすれば、より正確に便と尿を区別して生活情報を記録することができ、サーバ104において、ユーザの状況をより正確に推定することが可能となる。
なお、家電機器101a、102aは、家庭のトイレの便器そのものでなくても、通信機能を備えたトイレの照明器具や換気扇であってもよい。照明器具や換気扇の使用履歴を生活情報とすれば、サーバ104においては、この生活情報によりトイレの使用状況は推定可能となる。また、家電機器101a、102aは、トイレの便器自体ではなく、便座に通信機能を備えた装置であってもよく、この装置が着座状況を検出することで、家庭におけるトイレの使用を示す生活情報がサーバ104に送られることになる。
各ユーザの家庭のトイレの使用履歴を生活情報としてサーバ104が収集するこの情報提供システムによれば、サーバ104の予測アルゴリズムにより、各ユーザが外出先でトイレ(個室)を使用したくなる状態であるかを予測することができる。また、各ユーザの位置情報の履歴に基づきサーバ104の情報生成アルゴリズムにより、トイレ(個室)を使用したい状態の各ユーザがどこに移動しているかを推定することが可能となる。そして、鉄道等の公共交通機関毎や駅毎のトイレの混雑状況(例えばトイレ(個室)の待ち時間)を予測することが可能となる。予測された公共交通機関毎や駅毎のトイレの混雑状況を示す情報は、サーバ104から情報提示装置105に送信され、情報提示装置105において画面に表示又は音声として出力される。情報生成アルゴリズムにより生成された各駅等のトイレの混雑状況を示す情報は、提供用情報生成部92により、ユーザ毎の現在位置に応じてユーザの最寄り駅の情報に絞って、ユーザのスマートフォン等である情報提示装置105に配信されることとしてもよい。
以下、情報提示装置105が、各個人が携帯するスマートフォン等の携帯端末であるとし、駅のトイレの混雑状況に注目した例を説明する。
図13は、スマートフォン501において各駅のトイレの混雑状況を表示した画面例を示す。
スマートフォン501の画面には、同図に示すように、駅毎に区切られた枠502が表示され、枠502内には駅名510が表示される。ここで表示される駅は、例えば個人の位置情報を基に決められ、各個人が乗車中の場合は、次の停車駅(図5では○○駅)及びもう一つ先の停車駅(図5では△△駅)が表示されるようにしてもよい。これにより、各個人は現在位置の最寄り駅のトイレを確認することが可能となるため、より短時間で到着可能なトイレを確認することが可能となる。また、各個人が乗車中以外(駅のホームと改札の間)にいる場合は、滞在中の駅、周辺の駅を表示してもよい。
また、駅の枠502の中には、その駅に設置されている全てのトイレ(各個室群)それぞれを示すトイレの枠503が表示されることとしてもよい。これにより、各個人は、より短時間でトイレの利用状況を確認することが可能となる。また、各トイレの設置位置を示す位置情報(又はトイレ名)506を表示していてもよい。これにより、各個人は、より短時間でトイレの利用が可能となる。また、各トイレの個室の利用状況を示す数値505が表示されていてもよい。図13では、各トイレに設置された個室の数を分母とし、その内使用中の個室の数を分子として分数で表示している。これにより、各個人は、現在の各トイレの混雑状況を把握することが可能となる。また、各トイレの個室の利用状況等に併せて、各トイレの枠503内の背景は、異なる色やパターンで分けられていてもよい。これにより、各個人に、各トイレの混雑状況をより分かりやすく伝えることが可能となる。
また、各トイレを利用した個人による主観評価値508が表示されていてもよい。例えば、トイレの奇麗さ、清潔さについて、各トイレを利用した個人が利用後に主観で評価し、その平均値を表示することができる。これにより、各個人は、主観的に評価の高い(奇麗な或いは清潔な)トイレを選択することが可能となる。
なお、ウェアラブルセンサ101c、102cが、トイレ使用時の各ユーザの心拍数等の生体情報を記録してサーバ104に送信するものであるとしてもよい。これに応じ、サーバ104側では、心拍数等の生体情報に基づき各ユーザの交感神経、副交感神経の高まり等を推定し、これをリラックスできるトイレかどうか等の評価指標として用いることとし、トイレ毎の評価結果を提示用情報として生成することとしてもよい。これにより、各個人は客観的に評価の高い(リラックスできる)トイレを選択することが可能となる。主観評価がより多くの評価項目を設定可能となる利点を有する一方、各個人のウェアラブルセンサで得られる生体情報を用いた客観評価は、より信頼性が高いという利点を有する。
また、サーバ104で用いられる予測アルゴリズム或いは情報生成アルゴリズムを、各個人の位置情報の履歴に基づいて各個人が今後いずれの駅で降車するのかを予測するものとしてもよい。個人毎に、同じ曜日、同じ時刻、同じ経路で公共交通機関を利用することが多いと推定することにより、より正確に、トイレの混雑状況の予測ができるようになる。また、情報提示装置105をスマートフォン501であるとし、各個人の降車駅の情報を基に、各トイレの今後の混雑状況を予測した情報(混雑増件情報)については、このスマートフォン501に表示されるようにしてもよい。図13において、混雑増減情報504として、例えば、矢印で表示することができる。矢印が大きいほど今後混雑状況が増すことを表しており、これにより、各個人はより空いているトイレを把握することが可能となる。即ち、各個人は、混雑しているトイレを避けて、より短い待ち時間で駅のトイレを利用することが可能となる。
また、各個人と同じ列車に乗車中で、携帯端末等により同様に各トイレの混雑状況を確認中の他の個人が何人いるかを示す数値507を表示してもよい。これにより、各個人はより正確に空いているトイレを把握することが可能となる。
また、予測アルゴリズムを、各個人の生活情報(履歴)、生体情報等を用いて、各個人について、駅のトイレの使用確率を算定するものとしてもよい。これに合わせて、情報生成アルゴリズムを、各個人の駅のトイレの使用確率と位置情報(履歴)とに基づいて、各駅のトイレの使用可能性と時刻を算定して、この算定結果を反映した各駅のトイレの混雑増減情報504を生成するものとしてもよい。また、情報生成アルゴリズムを、例えば、日々の各個人の位置情報の履歴に基づいて、降車確率が高い駅のトイレの混雑度を増加させる(矢印を伸ばす)ように混雑増減情報504を生成するものとしてもよい。これにより、各個人はより正確に空いているトイレを把握することが可能となる。
また、図13では、スマートフォン501に駅毎の混雑増減情報504を表示した例を示したが、トイレ(個室群)毎の混雑増減情報を表示してもより。これにより、各個人は、より正確に空いているトイレを把握することが可能となる。例えば、日々の使用トイレの情報を基に、過去に使用したトイレを利用可能性が高いトイレとして、トイレの混雑度を増加させた(矢印を伸ばした)混雑増減情報を表示することとしてもよい。これにより、各個人は、より正確に空いているトイレを把握することが可能となる。
また、情報生成アルゴリズムを、各個人が乗車している車両の情報に基づいて、乗っている車両に近い位置のトイレを利用可能性が高いトイレと予測することで混雑増減情報を生成するものとしてもよい。これにより、各個人はより正確に空いているトイレを把握することが可能となる。
また、各個人のトイレ(自宅または駅、望ましくは両方)の長期(例えば1週間以上の期間)の使用履歴を記憶させる手段を用いて、予測アルゴリズムでは、この使用履歴に基づいて、トイレの利用可能性を予測してもよい。例えば、通勤前後のトイレ利用頻度が高い個人と利用頻度が低い個人を区別し、個人の習慣を推定し、通勤前の自宅のトイレ利用頻度が高く、その日、自宅トイレに行きそびれたと推定される個人ほど駅でのトイレ利用可能性が高いと予測することとしてもよい。
また、ウェアラブルセンサ101c、102cは、心拍計であってもよく、装着している者の心拍数を示す生体情報をサーバ104に送信するものであってもよい。この場合に、サーバ104の予測アルゴリズムは、心拍数が高いユーザほど、トイレに行きたい状態にあると推定し、近い将来においてトイレに行く可能性が高いと予測するものであるとしてもよい。
また、ウェアラブルセンサ101c、102cは、装着している者の発汗を計測し、発汗量を示す生体情報をサーバ104に送信するものであってもよい。この場合に、予測アルゴリズムは、普段より発汗が多いほど、ユーザがトイレに行きたい状態にあると推定し、近い将来においてトイレに行く可能性が高いと予測するものであるとしてもよい。
また、ウェアラブルセンサ101c、102cは、装着している者の血圧を計測し、血圧を示す生体情報をサーバ104に送信するものであってもよい。この場合に、予測アルゴリズムは、普段より血圧が高いほど、ユーザがトイレに行きたい状態にあると推定し、近い将来においてトイレに行く可能性が高いと予測するものであるとしてもよい。
また、サーバ104の情報生成アルゴリズムは、トイレに行く可能性が高いと予測された各ユーザの位置情報に基づき、乗車中の列車や車両を推定し、降車時刻における所在位置に近い駅のトイレの混雑度を増加させるように混雑増減情報を生成するものでもよい。この混雑増減情報が、サーバ104から、各個人のスマートフォン等に送信されることで、各個人はより正確に空いているトイレを把握することが可能となる。
上述したように、サーバ104において、予測アルゴリズムを実行して、各個人の駅のトイレ使用確率を予測することが可能となる。そして、情報生成アルゴリズムを実行して、各個人の駅のトイレ使用確率と、各個人の日々の位置情報履歴から推定される降車駅又は頻繁に利用するトイレの位置等の情報とを統合し混雑増減情報504を生成することが可能となる。これにより、混雑増減情報504は、より正確にトイレの混雑情報を予測した結果を示すものとなる。また、この混雑増減情報504を各個人のスマートフォン501に送信して提示させることが可能となる。これにより、スマートフォン501を利用した各個人はより正確に空いているトイレを把握することが可能となる。
また、本実施の形態の情報提供システムは、更にネットワーク103に接続された環境情報取得端末を備えていてもよい。この環境情報取得端末は、気温を検出しサーバ104に伝達するものである。サーバ104においては、提供用情報生成部92が、その気温の情報に基づいて、気温が低くなるほどトイレの混雑が増すと推定し、気温を反映した混雑増減情報504を生成するようにしてもよい。サーバ104がスマートフォン501に混雑増減情報504を送信することで、各個人は、より正確にトイレの混雑増減を把握することが可能となる。
また、本実施の形態の情報提供システムにおいて、家電機器101a、102aが、トイレに加えて通信機能を備えたコーヒーメーカーも含むこととしてもよい。これにより、トイレの使用状況に加えてコーヒーメーカーの使用状況が生活情報としてサーバ104に収集されることとなる。コーヒー等の飲料は利尿作用が高いため女性の場合はトイレの個室の混雑度合いを高めることとなることから、サーバ104の予測アルゴリズムを、各ユーザが出勤前にコーヒーを飲んだか否かを識別して各ユーザのトイレ利用可能性を予測するものとしてもよい。この予測結果が反映された混雑増減情報504をスマートフォン501で確認した各個人は、より正確に空いているトイレを把握することが可能となる。なお、サーバ104が、情報入力端末101d、102dから属性情報として性別を収集して、これに基づく予測を行うことにより、男性トイレ、女性トイレ、それぞれの混雑状況を区別して生成した混雑増減情報を各個人に提示することが可能となる。なお、属性情報に性別を含ませなくても、サーバ104において駅等における男性用トイレ及び女性用トイレの位置を取得しておき、各ユーザの位置情報の履歴から、過去にいずれのトイレを利用したかを識別して各ユーザの性別を推定することとしてもよい。
なお、本実施の形態の具体例(家電機器がトイレ等である各例)においても、図2に示す移動体101bと情報入力端末101dと情報提示装置105とサーバ104とが、一体的に構成された移動体101eに置き換わったものとしてもよい(図10参照)。
以上、家電機器101a,102aが家庭のトイレ等であり、駅等のトイレの混雑状況等の予測に係る情報提供を行う情報提供システムの例について説明した。家庭のトイレも駅等のトイレも同種の目的を達成する手段であることから、この予測は、家庭のトイレの使用状況が駅等のトイレの需要、混雑状況等と一定の関係性を有することに基づく、有効なものである。
(実施の形態4)
以下、図1、図2を用いて上述した情報提供システム100における家電機器101a、102aを冷蔵庫とした例を中心として説明する。
本実施の形態の情報提供システムは、ユーザの食事時間の推定に係るものである。
本実施の形態の情報提供システムでは、冷蔵庫である家電機器101a、102aは、通信機能を有し、各ユーザ(個人)が使用したことを検出する手段(検出機構)を備える。この検出機構は、冷蔵庫の扉の開閉センサーであり、ユーザが扉を開く度に冷蔵庫から、サーバ104に、使用されたこと(扉が開いた時刻等)を示す生活情報と冷蔵庫個体を識別する冷蔵庫ID(家電機器ID)がネットワーク103を介して送信される。なお、冷蔵庫が複数の扉を有する場合において、各扉により開いた部屋(野菜室、冷蔵室、冷凍室、氷室等)を識別する情報も生活情報に含まれて、冷蔵庫からサーバ104に送られる。
サーバ104では、各ユーザの冷蔵庫の使用履歴(例えば使用時刻毎における使用した部屋の情報)を収集することができる。その使用履歴から、サーバ104は、各ユーザの食事時間帯を推定して、次の食事時間等の各ユーザの行動を予測することが可能となり、この予測結果と各ユーザの位置情報とに基づいて生成された提供用情報を情報提示装置105に提供することが可能となる。この提供用情報は情報提示装置105により提示され、例えばこれを映画館運営会社が見ることにより、この映画館運営会社は、映画館への来場客についての映画鑑賞後の食事予定を把握することが可能となる。例えば、サーバ104においては、映画来場客の平均食事時刻からの経過時間が長い等といった空腹の来場客の割合が多いと予測される場合には映画上映前に食事に関する広告を提供し、映画館に設けられた情報提示装置105でこの食事に関する広告を放映する。これにより、広告を効果的に放映することが可能となる。
また、サーバ104が提供用情報として映画鑑賞後の空腹客の割合を示す情報を生成すれば、情報提示装置105を介してこの情報を得た映画運営会社等は、空腹客の割合が高いときに効果的に近隣の飲食店の割引チケット配布等のサービスを行うことも可能となる。
なお、サーバ104の予測アルゴリズムで各ユーザの次の食事時間を予測することとする場合において、冷蔵庫の各部屋が開いた時刻を示す生活情報に基づいて、野菜室、冷凍室、氷室等を区別した予測を行ってもよい。これにより、より正確にユーザの食事時間を推定するような予測アルゴリズムを定めることが可能となり、より正確に次の食事時刻を予測することが可能となる。
また、家電機器101a、102aは、冷蔵庫ではなく、通信機能を有するダイニングやキッチンの照明器具、IH調理器、電子レンジ等の機器としてもよい。これらの機器の使用状況(使用時刻等)を内容とした生活情報に基づいても、これらの機器の使用目的が食事と密接に関連することから、冷蔵庫の場合と同様にユーザの食事時間の推定が可能となる。なお、家電機器101a、102aを、冷蔵庫、ダイニングやキッチンの照明器具、IH調理器、電子レンジ等の複数台で構成されるものとしてもよく、これにより、より正確にユーザの食事時間を推定することが可能となる。
また、ウェアラブルセンサ101c、102cが血糖計であってもよい。これにより、各ユーザの血糖値を示す生体情報をサーバ104が収集できるため、サーバ104においては、血糖値の履歴から各ユーザが空腹であるか否かについて推定可能となり、より正確に各ユーザの次の食事時間を予測することが可能となる。
また、情報提示装置105は、各個人に情報を提供するためのスマートフォン、タブレット等の携帯端末であってもよい。これによって、サーバ104は、情報提示装置105の各携帯端末を保有する各ユーザにお勧めの飲食店等のピンポイント広告を提供することが可能となる。なお、各ユーザには、そのユーザの現在位置に近い飲食店の広告等を提供してもよい。またユーザの過去の位置情報の履歴を基にして現在位置からの近い将来の移動経路を予測して、予測された経路に近い飲食店の広告を提供してもよい。広告では、飲食店の店舗名、食事メニュー、店舗の位置、割引や特典サービス等の情報、或いは生活情報や生体情報に基づき推定したユーザの状態(図12の状態301参照)を表示するようにしてもよい。
また、ウェアラブルセンサ101c、102cが中性脂肪やコレステロールなどの血液中の各種成分濃度を計測する機能を有し、計測した血液の各種成分濃度を生体情報としてサーバ104に送信するものであることとしてもよい。サーバ104では、取得された生体情報に基づいて、各ユーザの健康状態を推定することができるため、各ユーザの健康改善に効果的な食事を提案する内容の提供用情報を生成して、情報提示装置105としての各ユーザの携帯端末に配信することとしてもよい。携帯端末に表示されるユーザの状態(図12の状態301参照)の内容は、血液中の各種成分濃度や、そのユーザに対する高脂血症、高コレステロール症、糖尿病等への該当可能性等の情報を含むようにしてもよい。これにより、各ユーザは、自身の健康改善に効果のある食事を選択することが可能となる。
また、情報入力端末101d、102dに、各ユーザが持病や体質等を入力して、これらが属性情報に含められ、サーバ104に送信されることとしてもよい。これにより、サーバ104は、各ユーザの持病、体質等に基づいて、ユーザ毎の健康改善に適した提供用情報を生成して、各ユーザへと提供することが可能となる。また、情報入力端末101d、102dは、各ユーザの入力に応じて、各ユーザの好きな食事、ダイエット中であるかどうか、喫煙者であるかどうか等の情報を含む属性情報を、サーバ104に送信するものであってもよい。これによっても、サーバ104は、各ユーザに適した提供用情報を生成し得るようになる。
なお、本実施の形態の具体例(家電機器が冷蔵庫等である各例)においても、図2に示す移動体101bと情報入力端末101dと情報提示装置105とサーバ104とが、一体的に構成された移動体101eに置き換わったものとしてもよい(図10参照)。
(実施の形態5)
以下、実施の形態4で説明した情報提供システムにおいてサーバ104が生成する提供用情報を変形した例を説明する。即ち、サーバ104により各ユーザの生活情報、生体情報、位置情報等に基づいて生成される食事に関する提供用情報を、ランキング形式のものにする例を説明する。
ここで、ランキング形式とは、ある評価パラメータ(数値)に基づいて提供用情報の各項目(情報の要素)に順位(ランク)を付けて各項目を順番に並べた形式をいう。また、この順位付けをランキングという。
例えば、各ユーザが飲食店で食事をする場合、食事の前後の心拍数等の生体情報について、ウェアラブルセンサ101c、102cにより計測し、ネットワーク103を介してサーバ104は情報を収集してもよい。これによって、例えば、心拍数から各ユーザの食事に際しての副交感神経の働きの程度を推定することで、各飲食店、各食事メニューについて、副交感神経を刺激する効果を評価することが可能となる。従って、サーバ104の提供用情報生成部92は、各飲食店、各食事メニューをこの評価結果を示す数値に応じてランキング形式に表した提供用情報を生成するようにしてもよい。この提供用情報はサーバ104から、例えば各ユーザのスマートフォン等である情報提示装置105に送信され、情報提示装置105では、提供用情報を例えば画面に表示する。
図14は、スマートフォン701において飲食店をランキング形式で表示する画面例を示す。
図14に示す画面を見た各ユーザは、自身の健康改善や嗜好に適した飲食店を探し出すことが可能となる。近年、いわゆる口コミといった個人の主観的評価による飲食店のランキングが広く知られているが、本実施の形態で示すような生体情報を基にしたランキングであれば、情報操作の恐れが少ない、より信頼性の高いものとなる。
以下、図14に示す画面例について説明する。
スマートフォン701の画面には、「免疫力を高める飲食店ランキング」と記したタイトル702、「副交感神経を刺激する飲食店ランキング」と記したサブタイトル703、カテゴリ704、ランキング順位705、飲食店名706、評価パラメータ707、飲食店の位置708、待ち時間709が含まれている。
ここで、タイトル702は、ランク付けの基礎となった評価パラメータ(数値)が高いものが表す意味(効果)を示す情報である。
サブタイトル703は、評価パラメータの意味や評価方法を示す情報である。これにより、評価内容が分かり易くなる。
カテゴリ704は、「洋食」、「和食」、「中華」等と食事内容を分類したものである。これにより、食べたいカテゴリを選んで高く評価されている飲食店を探すことが可能となる。なお、より細分化したカテゴリ分類を用いてもよい。また、大分類カテゴリ、中分類カテゴリ、小分類カテゴリ等と複数の階層の分類を予め用意しておき、情報を閲覧する者が必要に応じてどの階層の分類を用いるかを選択できるようにしてもよい。例えば、大分類カテゴリは、「和食」、「洋食」、「中華」、「イタリアン」、「カフェ」等としてもよい。また、「和食」についての中分類カテゴリを、「麺類」、「丼物」、「寿司」、「和定食」、「焼肉」等とし、「麺類」についての小分類カテゴリを、「そば」、「うどん」等としてもよい。
ランキング順位705は、評価パラメータ(数値)の高い順である順位である。これにより、評価の高い飲食店が分かり易くなる。
飲食店の位置708は、現在地からの距離で示される。これと現在の待ち時間709とにより、食事までの時間を考慮して飲食店を選択し易くなる。
このようなランキング形式の情報は、副交感神経を刺激する効果の高い飲食店等の情報に限られず、乳児がいる家庭がよく行く場所や店舗の情報であっても、花粉症患者がよく行く店舗や食事メニューの情報等であってもよい。例えば、家電機器101a、102aを浴室乾燥機であることとし、各ユーザの浴室乾燥機の使用状況を生活情報としてサーバ104が収集することとしてもよい。サーバ104における予測アルゴリズムを、例えば雨季以外の特定の時期(例えば3月頃)において浴室乾燥機の使用が増えているユーザは花粉症患者であると推定するものとしてもよい。これに合わせて、サーバ104における情報生成アルゴリズムを、店舗の位置情報と花粉症患者であると推定されるユーザの位置情報の履歴とに基づいて、花粉症患者がよく行く店舗を抽出して提供用情報として生成するものとしてもよい。なお、天気の情報を取得する構成を備えることとして、特定の時期(例えば3月頃)において晴天である日に浴室乾燥機の使用を行っているユーザが花粉症患者であると推定することとしてもよい。
また、複数の場所(公園、施設、店舗等)を、生活情報等に基づいて特定状態であると推定されたユーザが何人訪れたか等といった評価結果により順位を付けて、ランキング形式で提示することとしてもよい。また、生活情報等に基づいて推定されたユーザの状態毎に区別した形式で各状態のユーザに関連する情報を提示することとしてもよい。
また、サーバ104における情報生成アルゴリズムを、乳児がいると推定される各家庭のユーザの位置情報の履歴に基づいて、乳児がいる家庭がよく行く場所を抽出して提供用情報として生成するものとしてもよい。なお、乳児がいる家庭の推定には、例えば実施の形態2で示した方法を用いることができる。
また、子供部屋の照明の使用時間を示すような生活情報を家電機器から収集することで、その使用時間が昨年より増加していれば、家庭に受験生がいることが推定可能となる。また、家庭内の家電機器の使用時間を示す生活情報を家電機器から収集することで、夜間に比べて日中の家電使用頻度が少なくなれば家電機器のユーザは共働き夫婦であると推定可能である。このように、生活情報から各ユーザの特徴を抽出し、同じ特徴を有するユーザを集めた集団毎について、上述したような飲食店や食事メニュー等のランキングを行うようにしてもよい。
また、生活情報を基にしたユーザの特徴と、位置情報を基にしたユーザが利用した飲食店と、生体情報を基にした飲食店の評価とを合わせてランキングを行ってもよい。例えば、乳児がいる家庭が免疫力を高める飲食店のランキングや、花粉症患者が免疫力を高める飲食店のランキングというように、ユーザの特徴に基づくカテゴリ毎のランキングによって、よりユーザ個人に適した情報を提供することが可能となる。
また、図14に示した例は、心拍数を示す生体情報に基づき生成された内容であるが、生体情報の内容は心拍数以外であってもよい。例えばウェアラブルセンサ101c、102cを体温計として体温を示す生体情報を用いることとすれば、飲食前後の体温の計測結果に基づいて、身体が温まる飲食店のランキングを提供することが可能となる。
また、上述したような飲食店のランキングのみならず、他の場所、施設等についてのランキングも同様に行うことができる。例えば、飲食前後や入浴前後の心拍数を計測し、副交感神経の働きの高まりやリラックスの度合いを推定することで、リラックス効果の高い飲食店や温泉のランキングが可能となる。また、逆に交感神経の働きが高まった状態のユーザの位置情報を収集することにより、興奮度の高い遊園地(アトラクション)のランキングが可能となる。このように、情報提供システムにおいて、集団の生体情報を収集することにより、ランキング形式で多様な情報を提供することが可能となる。なお、ここで示したランキング形式は、各実施の形態における情報の提示の形式として利用可能である。
(実施の形態6)
以下、図1、図2を用いて上述した情報提供システム100における移動体101b、102b及び情報提示装置105を、自動車に搭載されたカーナビゲーション装置とした例を中心として説明する。
本実施の形態に係る情報提供システムは、ユーザの使用等に基づき家電機器から得られた生活情報に応じて、自動車運転中のユーザに対して、そのユーザに適した経路を提案するものとなる。なお、提案する経路はユーザ毎に異なり得る。
ここでは、まず、家電機器101a、102aが、実施の形態3で示したように家庭のトイレである構成とし、トイレの使用状況(使用時刻、使用時間等)が生活情報としてサーバ104に送信されることとする。
サーバ104では各ユーザのトイレの使用履歴を蓄積し、例えば、予め定めておく予測アルゴリズムに基づいて各ユーザが家庭外でトイレを利用したくなる状態にあるか否かを推定して外部のトイレを使用する可能性を予測する。また、予め定めておく情報生成アルゴリズムに基づいて、各ユーザの位置情報に基づいてトイレを使用する可能性の高いユーザか否かに応じてカーナビゲーション用の適切な走行ルートを提案するための提供用情報を生成する。それから、提供用情報を、該当ユーザのカーナビゲーション装置である情報提示装置105に送信する。これを受けて情報提示装置105は、走行ルートを提示する。
なお、走行ルートの提案のためのユーザの状態の推定及び予測と提供用情報の生成と提示の処理(走行ルート提示処理)については、システム構成上のサーバ104と情報提示装置105との処理分担の態様は、多様であり得る。提供用情報の一部を、カーナビゲーション装置である情報提示装置105において生成してもよく、また、情報提示装置105を通じてユーザから入力された行き先等の情報を受けてサーバ104が走行ルートを示す提供用情報を生成することとしてもよい。例えば、システム構成としては、図10で示したように、移動体101bと情報入力端末101dと情報提示装置105とサーバ104とが、一体的に構成された移動体101eであるとしてもよい。
なお、以下、説明の便宜上、図10に示したようなシステム構成であり、移動体101eが自動車に搭載されたカーナビゲーション装置であるとして、説明を続ける。
この移動体101eは、外部から受信する等により、道路の位置やトイレ提供施設の位置等の情報を含む地図情報を取得しており、カーナビゲーションのために必要な機能を備えている。トイレ提供施設の位置の情報については、例えば、カーナビゲーションの地図情報を提供するサービスプロバイダ、各トイレ提供施設等から提供される。
図15は、トイレ使用に係る生活情報を利用した走行ルート提示処理を示すフローチャートである。
同図に示すように、移動体101eは、ユーザの家庭内のトイレ使用履歴情報を取得し(ステップS1501)、直前(自動車乗車前)のトイレ使用時の使用時間(滞在時間)が5分未満であるか否かを判定する(ステップS1502)。5分未満であれば、予め設定されている目的地に向かう最短ルートを提示し(ステップS1503)、5分以上であれば公衆トイレやトイレ提供施設(コンビニ等)がルート沿いに多いルート(以後、「多トイレルート」という。)を提示する(ステップS1504)。この走行ルート提示処理は、トイレ使用時の使用時間が5分程度以上であればユーザが下痢気味であるとの推定を、前提とした処理となっている。これにより、下痢気味のユーザに、より安心して運転することができる多トイレルートを提案することが可能となる。
また、走行ルート提示処理においてユーザによる選択を受け付けるようにしてもよい。
図16は、ユーザ選択を含む走行ルート提示処理を示すフローチャートである。
同図に示すように、移動体101eは、ユーザの家庭内のトイレ使用履歴情報を取得し(ステップS1501)、直前(自動車乗車前)のトイレ使用時の使用時間(滞在時間)が5分未満であるか否かを判定する(ステップS1502)。5分未満であれば、予め設定されている目的地に向かう最短ルートを提示する(ステップS1503)。ステップS1502において、5分以上であれば、多トイレルートの提示を希望するか否かについてユーザの選択入力を受けて(ステップS1601)、多トイレルートが選択された場合に限り、多トイレルートを提示する(ステップS1504)。これにより、本当に必要なユーザに対してのみ多トイレルートを提示することが可能となる。
以下、図16のステップS1504で多トイレルートをユーザに提示する際におけるカーナビゲーション装置のユーザインタフェース(画面)について説明する。なお、カーナビゲーション装置はタッチパネルを備え、ユーザは、画面に表示されたボタン等にタッチすることで選択操作ができる。
図17は、カーナビゲーション装置の画面において地図に加えて多トイレルートが選択的に表示されている状態を示し、図18は、カーナビゲーション装置の画面において地図に加えて最短ルートが選択的に表示されている状態を示す。
図17及び図18におけるルート選択用ボタン群1301は、ユーザが最短ルートと多トイレルートとのいずれかを選択するためのボタンである。ユーザはボタンが表示されている領域にタッチすることで選択できる。最短ルートと多トイレルートとのうち現在表示されている方が強調(反転)表示されている。即ち、図17においては多トイレルートが選択的に表示されており、図18においては最短ルートが選択的に表示されている。
図中、マーク1302は、地図上でユーザの現在位置を表すマークであり、ルート1303は太線で走行ルートを表すものである。また、トイレマーク1304は地図上でトイレ提供施設が所在する位置を表すマークであり、使用中マーク1305は、トイレが使用中であることを表すマークである。
図17に示すように、多トイレルートを選択したユーザに対しては、走行ルート上のトイレ提供施設の場所にトイレマーク1304を表示している。これにより、ユーザにトイレの位置を容易に把握させることが可能となる。
また、トイレ提供施設に設置されているトイレ(個室)が全て使用中の場合は、トイレマーク1304の側に使用中マーク1305を表示している。これにより、ユーザはより短時間で使用できると予測されるトイレを選択することが可能となる。
また、図示しないが、各トイレ提供施設に設置されているトイレ(個室)の数がトイレマーク1304の側に表示されていてもよい。これにより、ユーザはより短時間で使用できるトイレを推定し選択することが可能となる。
また、上述の例は、最短ルートと多トイレルートの2択の例であるが、図19に示すように、「最速ルート」、「最短ルート」、「省エネルート」、「一般道路のみのルート」、「多トイレルート」等と3つ以上の走行ルートを提案してもよい。ユーザは各ルート名の文字領域周辺にタッチすることで、多数の走行ルートのうち希望する走行ルートを選択することが可能となる。
また、図19に示すように、各走行ルートについて、その走行ルートを選択した場合の目的地到着までの予想時間を表示してもよい。これにより、ユーザは各走行ルート選択時の長所短所を把握し、的確に希望する走行ルートを選択することが可能となる。また、図19に示すように、各走行ルートについて、その走行ルートを選択した場合に目的地到着までに使用すると予想される燃料の量を表示してもよい。これによっても、ユーザは各走行ルートの長所短所を把握し、的確に希望する走行ルートを選択することが可能となる。なお、図19の画面例では、ガソリン車、ハイブリッド車等に対応した例として、燃料の単位をリットルとしたが、電気自動車、燃料電池車等に対応して、単位として「Wh」等の電力量を用いることとしてもよい。或いは、単位として、必要となる電気料金の金額を用いることとしてもよい。金額で表示する場合は、走行ルートの途中に有料道路が含まれる場合にはその有料道路の通行料金と合算して表示してもよい。
また、カーナビゲーション装置の画面には、電池残量、ガソリン残量等の燃料の残量を基に、目的地までに充電や給油などの燃料補給が必要かどうかの情報も表示してもよい。これにより、ユーザは、各走行ルート選択時の長所、短所を比較することで的確に希望する走行ルートを選択することが可能となる。
以上の例では、トイレ使用履歴という生活情報に基づいてユーザが下痢気味であるか否かの推定をしている。この他に、トイレに排泄物の状態を計測する手段を備え、計測された状態を生活情報に含ませるようにして、その生活情報に基づいてユーザが下痢気味であるか否かの推定を行うようにしてもよい。例えば、トイレが排泄物を撮影して生成された画像を生活情報に含ませることとしてもよく、この画像を解析することで下痢か否かの推定を行うこととしてもよい。これによって、ユーザの状態をより正確に推定し、ユーザに最適な走行ルートを提案することが可能となる。
また、上述の例では、多トイレルートをユーザに提案するかどうかについて、トイレの使用時間等の生活情報に基づいて、ユーザの直前のトイレ使用時間について5分を基準として判断した。しかし、判断基準を別のもの(生活情報又は生体情報から得られる別の基準、或いは別の生活情報から得られる基準)としてもよく、また、ユーザ自身が判断のアルゴリズムを指定し得るようにしてもよい。
次に、家電機器101a、102aが、家庭の照明器具であることとし、照明使用状況(使用時刻、使用時間等)を生活情報として収集して、この生活情報に基づいて各ユーザに適した走行ルートを提案する情報提供システムの態様について説明する。
図20は、照明使用に係る生活情報を利用した走行ルート提示処理を示すフローチャートである。
同図に示すように、移動体101eは、ユーザの家庭内の照明使用履歴情報を取得し(ステップS2001)、昨夜、全部屋の照明をOFFとした時間が5時間以上であるか否かを判定する(ステップS2002)。5時間以上であれば、予め設定されている目的地に向かう最短ルートを提示し(ステップS2003)、5時間未満であれば、街灯の無い高速道路などの眠くなりやすいルートを避けたルート(以後、「多刺激ルート」という。)を提示する(ステップS2004)。この走行ルート提示処理は、昨夜において全部屋の照明をOFFとした時間が5時間以上であればユーザが睡眠不足であるとの推定を、前提とした処理となっている。これにより、睡眠不足のため眠気が強いはずのユーザに、より安心して運転することができる多刺激ルートを提案することが可能となる。
また、多刺激ルートの提示についても、上述した多トイレルートの提示と同様に、ユーザによる選択を受け付けてユーザに希望された場合に限ってその多刺激ルートの提示を行うこととしてもよい。また、多刺激ルートについても、目的地到着までの予想時間を表示してもよい。
また、ウェアラブルセンサ101cは、運転手の手に接するように自動車のハンドルに電極を設置して構成され、運転手の手を介して心拍を計測するものであることとしてもよい。心拍を示す生体情報に基づいて、心拍間隔を周波数解析して間隔の揺らぎが単一で低くなっていれば眠い状態であると推定することができる。このため、この推定と、上述の生活情報に基づく睡眠不足の推定とを併用することで、より正確に眠気が強いことの判断を行うことが可能となる。
また、家電機器101a、102aが、ユーザに使用された状況(使用時刻等)を生活情報として送信する、食事に関連する機器類の1台以上であってもよい。食事に関連する機器類としては、調理用の家電機器(IH調理器、冷蔵庫、電子レンジ)、食洗機、ダイニング又はキッチンの照明器具等が挙げられる。
この場合は、生活情報に基づいてユーザが外出前(自動車への乗車前)に食事をしたか否かを推定することができ、食事から乗車までの時間が長ければ(例えば5時間以内に食事していなければ)、ユーザが飲食店に寄る可能性が高いと予測することができる。このため、道路沿いに飲食店等の食事提供業者が多いルート(以下、「多飲食店ルート」という。」を提示することとしてもよい。また、ユーザの選択を受け付けてユーザに希望された場合に限って多飲食店ルートの提示を行うこととしてもよい。
上述した各例は、各ユーザについての生活情報を基にして、多トイレルート、多刺激ルート等の様々な走行ルートをユーザ毎に提案するものである。従って、全ユーザに対して全ての走行ルートを提示するのとは異なり、各ユーザにとって必要と予測される走行ルートに絞って提案をするので、希望の走行ルートを選択するユーザ負担(手間)を軽減することが可能となる。
以下、図2に示したようなシステム構成であり、移動体101b、102b及び情報提示装置105が自動車に搭載されたカーナビゲーション装置であるとして説明をする。
ウェアラブルセンサ101c、102cが、ユーザの心拍数等の生体情報をサーバ104に送信するものであり、移動体101b、102bがユーザの自動車に搭載され位置情報をサーバ104に送信するカーナビゲーション装置であってもよい。この場合、サーバ104においては、各ユーザ(各運転手)について、心拍数等に基づく眠気と位置の情報を収集することで、地図上で運転手が眠気を感じやすい道路(場所)を把握することが可能となる。これにより、地図上で多くの車の運転手が眠気を感じた道路の情報を作成しておき、これを利用して、睡眠不足のユーザや眠気を感じているユーザに対して、多刺激ルートを提案することが可能となる。
なお、予め道路毎に刺激度を算出しておいて、これを利用して多刺激ルートを提案することとしてもよい。以下、刺激度の算出方法の一例を示す。
刺激度としては、例えば、複数の車の運転手の眠気の度合いの平均値の逆数を用いることとしてもよい。この眠気の度合いは、心拍揺らぎの低さに比例するとしてもよい。また、刺激度の算出には、心拍に係る生体情報だけでなく、照明使用履歴等の生活情報も併用してもよい。例えば、昨晩の睡眠時間の短さに応じて、重み付けをしてもよい。例えば、全運転手の昨夜の睡眠時間の平均値を1として、各運転手の昨夜の睡眠時間を標準化し、眠気の度合い÷昨夜の睡眠時間(標準化後)の平均値を道路毎に算出し、刺激度としてもよい。このように、昨夜の睡眠時間によって、重み付けを行うことで、睡眠時間が短い運転手にとって刺激的な道路を把握することが可能となるため、睡眠時間が短い運転手に提案する多刺激ルートとしては、より適切な道路を選択することが可能となる。
また、昨夜の睡眠時間の情報を用いる別の例としては、昨夜の睡眠時間が5時間未満の運転手に限定して、眠気の平均値を道路毎に算出してもよい。これによっても、睡眠時間が短い運転手に提案する多刺激ルートとして、より適切な道路を選択することが可能となる。
なお、生活情報及び位置情報を用いてユーザへ情報を提示することについて上述した。ユーザへの情報提示以外の例として、トイレや照明の使用履歴や排泄物の情報等の生活情報を、例えば機器類(例えばユーザに保有された移動体に備えられた装置)を制御するための制御用データ(情報)の供給に利用するようなシステム構成も可能である。
例えば、全部屋の照明がOFFにされた時間に基づいて、ユーザが睡眠不足であることを推定し、自動車に搭載された空気調和装置において車内の二酸化炭素濃度が低くなるように空気の調節を行うように制御することとしてもよい。この制御は、制御用の情報を空気調和装置に供給することにより実現される。なお、二酸化炭素濃度は、赤外分光を用いた二酸化炭素濃度計を空気調和装置が内部又は外部に備えることで計測される。また、昨夜の全部屋の照明がOFFにされた時間が5時間以上であれば、車外と車内の空気の入れえを実施せず、5時間未満であれば車外と車内の空気の入れ替えを実施するようにしてもよい。これにより、睡眠不足のユーザにとって眠気が解消される効果が生じ、睡眠不足でないユーザにとっても空気調和装置の省電力の効果が生じる。また、トイレの使用時間や排泄物の状態(成分)を計測する手段(家電機器)の出力を生活情報として用いて、ユーザが下痢気味であるか否かを推定し、推定結果に応じて車内の空調温度を調節してもよい。下痢気味のユーザに対しては設定温度を上げ、下痢気味ではないユーザに対しては設定温度を低めにする等の空気調和を行うことで、ユーザの状態に合わせた空気調和が可能となる。
また、全部屋の照明がOFFにされた時間から、ユーザが睡眠不足であることを推定し、自動車のブレーキの効き安さを調節してもよい。寝不足の運転手に対しては、ブレーキの踏み込みに対して強めにブレーキを効かせることとしてもよい。これにより、事故の確率が高い睡眠不足の運転手に対しては事故防止、寝不足ではない運転手にとっては急ブレーキが少なく身体に与える急停止の負荷が少ない走行をそれぞれ提供することが可能となる。
また、ユーザ(運転手)の眠気を推定するために、心拍に係る生体情報を用いる例について上述したが、同様の生体情報に基づき、ユーザの心拍数の変化からヒヤリハットが生じた状態であると推定することとしてもよい。ここで、ヒヤリハットとは、重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例をいい、心拍数の急速な上昇があれば、ヒヤリハットが生じたと推定し得る。また、心拍数以外に基づいてもヒヤリハットの推定は可能である。例えば皮膚コンダクタンスを計測可能なウェアラブルセンサから計測された皮膚コンダクタンスを生体情報として収集し、皮膚コンダクタンスの急な上昇があればヒヤリハットが生じたと推定することとしてもよい。また、皮膚コンダクタンスと心拍数の両方の情報を併用して推定を行うことで、より正確にヒヤリハットの発生を推定することとしてもよい。そして、ユーザ(運転手)の位置情報から、ヒヤリハットの生じた場所を特定することが可能となる。このため、複数のユーザからの情報を収集して統合することで、運転手がヒヤッとし易い場所(道路)を特定し、事故が起こり易い(危険度の高い)道路についての情報(以下、「ヒヤリハット情報」という。)を、ユーザ等に提供することができるようになる。
図21は、カーナビゲーション装置の画面において地図に加えてヒヤリハット情報が表示されている状態を示す。
図21におけるヒヤリハット情報選択用ボタン群1601は、睡眠不足の運転手に関連するヒヤリハット情報のみを表示するための選択肢か、全運転手に関連するヒヤリハット情報を表示するための選択肢かを選択可能に表示するボタン群である。ユーザはボタンが表示されている領域にタッチすることで選択できる。睡眠不足の運転手に関連するヒヤリハット情報のみを表示するための選択肢と全運転手に関連するヒヤリハット情報を表示するための選択肢とのうち現在選択されている方が強調(反転)表示されている。
図中、マーク1302は、地図上でユーザの現在位置を表すマークであり、二重線1602は道路を表している。太線1603は、事故が起こり易い道路を示すものであり、事故が起こり易いのは往路であるか復路であるかを区別するため、道路の往路と復路との1つ以上に沿って付されている。また、例えば、太線1603の太さによって、ヒヤッとした運転手の割合の高さを表すこととしてもよい。また、要注意マーク1604は、事故が起こり易い程度が特に高い交差点に表示されるマークである。なお、要注意マーク1604は、事故の情報を収集することで実際に事故があった場所に表示されることとしてもよい。この要注意マーク1604により、特に注意すべき場所をユーザに通知することが可能となる。
また、図21のようなヒヤリハット情報の表示の代わりに、多くの運転手が記述の眠気の度合いが高い状態に陥る場所の情報を表示することとしてもよい。また、例えば、温泉施設に30分以上停車した車の運転手の心拍波形を計測し、温泉施設利用前後の心拍波形の変化から、副交感神経の働きの高まりを算出し、リラックスの度合いとして評価することで、リラックスできる温泉施設を特定することができる。従って、そのリラックスできる温泉施設を地図上に表示することも可能となる。また、同様に、リラックスできる飲食店を特定して地図上に表示することとしてもよい。
また、自動車内にマイクを設置し、乗車後のユーザのくしゃみの回数を計測して、ユーザの位置情報と合わせて用いることで、くしゃみ回数から空気の汚れ度合いを推定することにより、空気の汚れ度合いについての情報を地図上に表示することも可能となる。この場合、ユーザが花粉症であるかどうかの情報が得られていると空気の汚れの原因毎に、別個に地図で情報を提供することが可能となる。
また、上述したようなユーザの位置情報を得る機能及びユーザに情報を提示する機能を有するカーナビゲーション装置は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末であることとしてもよい。これにより携帯端末を所持したユーザは適切な移動のルート(走行ルート)を知ることができるようになる。また、ユーザに情報を提示する機能をカーナビゲーション装置が担い、ユーザの位置情報を得る機能を携帯端末が担うこととしてもよい。
(実施の形態7)
以下、上述したウェアラブルセンサ101c、102cの一態様例であるウェアラブルセンサ1701について説明する。
図22は、耳穴装着式のウェアラブルセンサの例を示す図である。
ウェアラブルセンサ1701は、耳穴に装着するタイプであって、少なくとも耳穴内の音を計測する手段を備えていてもよい。耳穴からは各種の音の計測が可能であり、耳穴装着式のウェアラブルセンサ1701を用いて、心音、呼吸音、声のうちの1つ以上の計測を行うようにすることで、ユーザの感情状態を推定することが可能となる。なお、心音からは心拍数、呼吸音からは呼吸数が導出され、これらはユーザの感情推定に利用できる。また、声の計測により、ユーザの会話の内容を記録することが可能となる。更に、ユーザと共に会話をする相手の声を計測しておいてもよい。これによって、ユーザが会話している相手の話の内容も記録することが可能となる。
また、ユーザと会話する相手の声をより高精度に計測するため、耳穴装着式のウェアラブルセンサ1701は、耳穴の空気の出入りを塞ぐ密閉式ではなく、非密閉式であってもよい。
また、ウェアラブルセンサ1701は、内部に生体情報を外部に送信するための通信手段を含む代わりに、通信手段を備える情報処理装置1702と接続されるものであってもよい。これによって、耳穴内への挿入部は小型で軽量にすることが可能となる。また、ユーザへの装着の負担も軽減される。なお、情報処理装置1702は、位置情報を検出する移動体101b、102bであってもよく、更に情報提示装置105の機能を備えていることとしてもよい。
(補足)
以上、情報提供方法を実現する情報提供システムの各実施態様について上述したが、上述の各実施態様は一例にすぎず、各種の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した移動体は、スマートフォンから自動車まで、ユーザに保有されユーザとともに移動し得るものであれば足りる。この移動体という概念は、ネットワークと接続可能な航空機内の装置、例えば航空機内の各座席に設置される装置や、ネットワークと接続可能なバスに備えられた装置、例えばバスの空調システム等も含む。従って、情報提供システムは、例えば、ユーザの生活情報を用いて、航空機内やバス車内において睡眠不足のユーザの状態に合わせて空調を行うために、空調装置等に制御用の情報を供給することを実現する構成であってもよい。また、航空機内やバス車内において、ユーザに適した情報を提供すること等を実現する構成であってもよい。
なお、上述した各機器類による各種処理(図3〜図7、図11、図15、図16、図20に示す処理等)の全部又は一部は、各機器類の機構(ハードウェア)により実行されても、ソフトウェアにより実行されてもよい。なお、ソフトウェアによる処理の実行は、各機器類に含まれるプロセッサがメモリに記憶された制御プログラムを実行することにより実現されるものである。また、その制御プログラムを記録媒体に記録して頒布や流通させてもよい。例えば、頒布された制御プログラムを機器類にインストールして、機器類のプロセッサに実行させることで、機器類に各種処理(図3〜図7、図11、図15、図16、図20に示す処理等)を行わせることが可能となる。
また、本発明の一実施態様としてのサーバ200は、図23に示すように、複数の機器各々のユーザについて当該ユーザが使用した当該機器から当該機器の動作状態に関する情報である生活情報を受信して取得する生活情報取得部210と、移動した各ユーザの位置情報を受信して取得する位置情報取得部220と、前記生活情報取得部により取得された各生活情報と前記位置情報取得部により取得された各位置情報とに応じて、プロセッサによって特定の場所における特定の物又は特定のサービスの需要を予測し、予測の結果に基づいて、提供する情報を生成する情報生成部230とを備える。
また、本発明の一実施態様としての移動体300は、図24に示すように、機器のユーザに情報を提供する移動体であって、前記ユーザが使用した前記機器の動作状態に関する情報である生活情報を、受信することにより取得する生活情報取得部310と、移動した前記ユーザの位置を検知することにより当該ユーザの位置情報を取得された位置情報取得部320と、前記生活情報及び前記位置情報に応じて、前記ユーザに提供する情報を生成する情報生成部330と、前記情報生成部により生成された情報を前記ユーザに提示する情報提示部340とを備える。
その他、上述した各実施形態に対して当業者が当然に思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、各実施形態で示した構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明の範囲に含まれる。