JP2019104806A - 熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物及び電気・電子部品 - Google Patents

熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物及び電気・電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】短時間で硬化し、かつ金属、セラミックス及びプラスチック等の各種基材に対して接着する硬化物を与える熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物、及びこれを用いた電気・電子部品の提供。【解決手段】接着付与剤として、1分子中に、1価のパーフルオロアルキル基若しくは1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するか、又は2価のパーフルオロアルキレン基若しくは2価のパーフルオロオキシアルキレン基を有し、さらにケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)を1個以上有し、かつ分子中にアルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基を有する含フッ素オルガノ水素シロキサンを用いた熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物、及びこれを用いた電気・電子部品に関する。
従来、含フッ素硬化性組成物として、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物、1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン及び白金族金属化合物を含む組成物が提案され、該組成物から、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、離型性、撥水性、撥油性、低温特性等のバランスが優れた硬化物を得られることが開示されている(特許文献1)。
また、特許文献1に記載の組成物から得られる硬化物よりも耐酸性が向上した硬化物を与える組成物として、直鎖状フルオロポリエーテル化合物を変更した組成物が提案されている(特許文献2)。
ところで、これらの組成物に、ヒドロシリル基とエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基とを有するオルガノポリシロキサンを添加することにより、金属及びプラスチック基材に対する自己接着性を付与した組成物が提案されている(特許文献3及び4)。
さらに、上記自己接着性を有する組成物に、環状無水カルボン酸残基を有するオルガノシロキサンを添加して、接着性を向上させた組成物が提案されている(特許文献5)。
しかしながら、これらの自己接着性を有する組成物は、硬化して接着性を発現するのに、150℃以上の硬化温度で、1時間以上の硬化時間が必要であった。電気・電子部品、特に車載用部品では、生産性向上の点から製造時間(タクトタイム)の短縮が課題となっており、これらの部品に使用される接着剤にも、硬化時間の短縮が望まれていた。
特許第2990646号公報 特許第5246190号公報 特許第3239717号公報 特許第5459033号公報 特許第3562578号公報
本発明は、短時間で硬化し、かつ金属、セラミックス及びプラスチック等の各種基材に対して接着する硬化物を与える熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物、及びこれを用いた電気・電子部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、接着付与剤として、1分子中に、1価のパーフルオロアルキル基若しくは1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するか、又は2価のパーフルオロアルキレン基若しくは2価のパーフルオロオキシアルキレン基を有し、さらにケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)を1個以上有し、かつ分子中にメチレン基を介して非共有電子対を有するヘテロ原子と結合したアルコキシシリル基を有する含フッ素オルガノ水素シロキサンを用いることによって、短時間で硬化し、かつ金属、セラミックス及びプラスチックの基材に対して接着する硬化物を与える熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明は、下記の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物、及びこれを用いた電気・電子部品を提供する。
[1]
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロ化合物:100質量部、
(B)1分子中に、1価のパーフルオロアルキル基若しくは1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するか、又は2価のパーフルオロアルキレン基若しくは2価のパーフルオロオキシアルキレン基を有し、さらにケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)を2個以上有し、かつ分子中にアルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基を有さない含フッ素オルガノ水素シロキサン:(A)成分中のアルケニル基1モルに対して(B)成分中のSiH基が0.2〜3モルとなる量、
(C)1分子中に、1価のパーフルオロアルキル基若しくは1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するか、又は2価のパーフルオロアルキレン基若しくは2価のパーフルオロオキシアルキレン基を有し、さらにケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)を1個以上有し、かつ分子中にアルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基を有する含フッ素オルガノ水素シロキサン:(A)成分中のアルケニル基1モルに対して(C)成分中のSiH基が0.01〜2モルとなる量、
(D)白金族金属系触媒:(A)成分に対して白金族金属原子の質量換算で0.1〜2,000ppmを含有する熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。
[2]
さらに、(E)成分として、カルボン酸無水物を(A)成分100質量部に対して0.010〜10.0質量部含有する[1]に記載の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。
[3]
前記(A)成分の直鎖状ポリフルオロ化合物のアルケニル基含有量が、0.005〜0.3mol/100gである[1]又は[2]に記載の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。
[4]
前記(A)成分が有するパーフルオロポリエーテル構造が、下記一般式(1)
−(Ca2aO)b− (1)
(式(1)中、aは1〜6の整数であり、bは1〜300の整数である。)
で表わされる構造を含む[1]〜[3]のいずれか1項に記載の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。
[5]
前記(A)成分が、下記一般式(2)
Figure 2019104806
(式(2)中、R1及びR2は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R1は互いに独立し、R2も互いに独立し、R1及びR2の合計六つのうち二つ以上はアルケニル基である。R3は互いに独立して、水素原子、又は非置換若しくは置換の1価の炭化水素基であり、c及びdはそれぞれ1〜150の整数であって、かつc+dの平均値は2〜300であり、eは1〜6の整数である。)
及び/又は下記一般式(3)
Figure 2019104806
(式(3)中、R1及びR2は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R1は互いに独立し、R2も互いに独立し、R1及びR2の合計六つのうち二つ以上はアルケニル基である。R4は互いに独立して、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R5は互いに独立して、水素原子又はフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である。c及びdはそれぞれ1〜150の整数であって、かつc+dの平均値は2〜300であり、eは1〜6の整数である。)
の直鎖状ポリフルオロ化合物である[1]〜[4]のいずれか1項に記載の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。
[6]
前記(C)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンが有する非共有電子対を有するヘテロ原子が、窒素、酸素及び硫黄の中から選ばれる[1]〜[5]のいずれか1項に記載の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。
[7]
前記(C)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンが有する、アルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基が、下記式(4)
Figure 2019104806
(式(4)中、Aは−NR8−(R8は、水素原子、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状若しくは環状の非置換若しくは置換のアルキル基、アルカノイル基、アリール基又はトリアルキルシリル基である)、酸素原子又は硫黄原子であり、R6は互いに独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、R7は互いに独立して、炭素数1〜4のアルキル基である。また、fは0〜2の整数であり、gは1〜3の整数であって、かつf+gは3である。)
で表される基である[1]〜[6]のいずれか1項に記載の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。
[8]
[1]〜[7]のいずれか1項に記載の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物の硬化物を有する電気・電子部品。
[9]
車載用である[8]に記載の電気・電子部品。
本発明の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物は、上記(A)〜(D)成分を含有することにより、短時間で硬化し、かつ金属、セラミックス及びプラスチック等の各種基材に対して接着する硬化物となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[(A)成分]
(A)成分は、1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、さらに主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロ化合物である。
上記(A)成分に含まれるアルケニル基としては、好ましくは炭素数2〜8、特に炭素数2〜6で、かつ末端にCH2=CH−構造を有するものが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が挙げられ、中でもビニル基やアリル基が特に好ましい。
(A)成分の直鎖状ポリフルオロ化合物のアルケニル基含有量は、0.005〜0.3mol/100gが好ましく、さらに好ましくは0.007〜0.2mol/100gである。該アルケニル基含有量が0.005mol/100g以上であれば、本発明の組成物の架橋度合いが十分となり硬化不具合が生じるおそれがない。一方、該アルケニル基含有量が0.3mol/100g以下であれば、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物の機械的特性が損なわれるおそれがない。
(A)成分が有するパーフルオロポリエーテル構造は、
−Ca2aO− (0)
(式(0)中、aは1〜6の整数である。)
で表される繰り返し単位を多数含むものであり、例えば下記一般式(1)で表されるもの等が挙げられる。
−(Ca2aO)b− (1)
(式(1)中、aは1〜6の整数であり、bは1〜300の整数、好ましくは1〜200の整数である。)
上記−Ca2aO−で表される繰り返し単位としては、例えば下記式で表される単位等が挙げられる。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O−
−C(CF32O−
これらの中では、特に下記式で表される繰り返し単位が好適である。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
なお、(A)成分が有するパーフルオロポリエーテル構造は、上記繰り返し単位の1種で構成されてもよいし、2種以上の組み合わせで構成されてもよい。
(A)成分の好ましい例としては、下記一般式(2)及び下記一般式(3)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物が挙げられる。
Figure 2019104806
(式(2)中、R1及びR2は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R1は互いに独立し、R2も互いに独立し、R1及びR2の合計六つのうち二つ以上はアルケニル基である。R3は互いに独立して、水素原子、又は非置換若しくは置換の1価の炭化水素基であり、c及びdはそれぞれ1〜150の整数であって、かつc+dの平均値は2〜300であり、eは1〜6の整数である。)
Figure 2019104806
(式(3)中、R1及びR2は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R1は互いに独立し、R2も互いに独立し、R1及びR2の合計六つのうち二つ以上はアルケニル基である。R4は互いに独立して、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R5は互いに独立して、水素原子又はフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である。c及びdはそれぞれ1〜150の整数であって、かつc+dの平均値は2〜300であり、eは1〜6の整数である。)
ここで、R1及びR2に含まれるアルケニル基としては、上記(A)成分に含まれるアルケニル基として例示したものと同じものが挙げられ、該アルケニル基以外の非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基としては、炭素数1〜12のものが好ましく、特に炭素数1〜10のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素等のハロゲン原子で置換した1価の炭化水素基などが挙げられる。R1及びR2としては、中でもビニル基、アリル基、メチル基及びエチル基が特に好ましい。
3に含まれる非置換若しくは置換の1価の炭化水素基としては、上述したR1及びR2の非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基の例示と同様の基が挙げられる。R3としては、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。
4は炭素数1〜6、好ましくは炭素数2〜6のアルキレン基であり、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基等が挙げられ、特にエチレン基及びプロピレン基が好ましい。
5は、互いに独立に水素原子又はフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基であり、フッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基、例えばトリフルオロメチル基等が挙げられる。この中でも、水素原子が好ましい。
また、c及びdはそれぞれ1〜150の整数が好ましく、より好ましくは1〜100の整数であって、かつc+dの平均値は2〜300が好ましく、より好ましくは2〜200である。また、eは1〜6の整数が好ましく、より好ましくは1〜4の整数である。
上記一般式(2)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。なお、Meはメチル基、Etはエチル基を示す。
Figure 2019104806
(式中、c及びdはそれぞれ1〜150の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、c及びdはそれぞれ1〜150の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、c及びdはそれぞれ1〜150の整数である。)
また、上記一般式(3)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 2019104806
(式中、c及びdはそれぞれ1〜100の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、c及びdはそれぞれ1〜100の整数である。)
なお、本発明において、粘度は回転粘度計(例えば、BL型、BH型、BS型、コーンプレート型、レオメータ等)により測定することができるが、特に、上記一般式(2)又は(3)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の粘度(23℃)は、JIS K7117−1に規定された粘度測定で、500〜100,000mPa・s、特に1,000〜50,000mPa・sが好ましい。該粘度が500mPa・s以上であれば、本発明の組成物の保存安定性が悪くなるおそれがなく、100,000mPa・s以下であれば、得られる組成物の伸展性が悪くなるおそれがない。
また、主鎖のパーフルオロポリエーテル構造を構成するパーフルオロオキシアルキレン単位の繰り返し数などが反映される直鎖状ポリフルオロ化合物の重合度(又は分子量)は、例えば、フッ素系溶剤を展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めることができる。
これらの直鎖状ポリフルオロ化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。即ち、上記一般式(2)又は(3)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の中で、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することが可能であり、さらに上記一般式(2)及び(3)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物を組み合わせて使用することもできる。
[(B)成分]
(B)成分は、1分子中に、1価のパーフルオロアルキル基若しくは1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するか、又は2価のパーフルオロアルキレン基若しくは2価のパーフルオロオキシアルキレン基を有し、さらにケイ素原子に直結した水素原子(ヒドロシリル基(SiH基))を2個以上有し、かつ分子中にアルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基を有さない含フッ素オルガノ水素シロキサンである。含フッ素オルガノ水素シロキサンは、好ましくは1分子中に上記の1価又は2価の含フッ素有機基(1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロオキシアルキレン基)を1個以上及びケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有し、かつアルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基や環状無水カルボン酸残基等のSiH基以外のその他の官能性基を有さないものであり、上記(A)成分の架橋剤として機能するものである。なお、(B)成分は、分子中に少なくともアルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基及び環状無水カルボン酸残基を含まないものである点において、後述する(C)成分及び(E)成分のいずれとも明確に区別されるものである。
但し、ここで「その他の官能性基」とは、パーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキル基、パーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基とシロキサンを構成するケイ素原子とを連結する2価の連結基中に含有してもよいエーテル結合酸素原子、アミド結合、カルボニル結合、エステル結合などの2価の極性基(極性構造)等は除くものとする。
上記1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基及び2価のパーフルオロオキシアルキレン基は、上記(A)成分との相溶性、分散性及び硬化後の均一性等の観点から導入される基である。
この1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基としては、下記一般式(5)又は(6)で表される基が挙げられる。
h2h+1− (5)
(式(5)中、hは1〜10の整数、好ましくは3〜7の整数である。)
Figure 2019104806
(式(6)中、iは1〜50の整数、好ましくは2〜30の整数である。)
また、上記2価のパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロオキシアルキレン基としては、下記一般式(7)〜(9)で表される基が挙げられる。
−Cj2j− (7)
(式(7)中、jは1〜20の整数、好ましくは2〜10の整数である。)

Figure 2019104806
(式(8)中、k及びlはそれぞれ1以上の整数、好ましくは1〜100の整数であり、k+lの平均値は2〜200、好ましくは2〜100である。)

−CF2O−(CF2CF2O)m(CF2O)n−CF2− (9)
(式(9)中、m及びnはそれぞれ1〜50の整数、好ましくは1〜30の整数であり、m+nの平均値は2〜100、好ましくは2〜80である。各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。)
また、これらのパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキル基、パーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基とシロキサンを構成するケイ素原子とは2価の連結基により繋がれていることが好ましい。該2価の連結基としては、酸素原子、窒素原子又はケイ素原子を有してもよい、非置換若しくは置換の、炭素数2〜13、特に炭素数2〜8の2価の炭化水素基であることが好ましい。具体的には、アルキレン基、アリーレン基及びそれらの組み合わせ、あるいはこれらの基にエーテル結合酸素原子、アミド結合、カルボニル結合、エステル結合、及びジメチルシリレン基等のジオルガノシリレン基からなる群より選ばれる1種又は2種以上の構造等を介在させたものが例示でき、例えば、
−CH2CH2−、
−CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2OCH2−、
−CH2CH2CH2−NH−CO−、
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH2CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH(CH32)−CO−、
−CH2CH2CH2−O−CO−、
−CH2CH2−Si(CH32−Ph’−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−Si(CH32−Ph’−N(CH3)−CO−
(但し、Phはフェニル基、Ph’はフェニレン基である。)
等の炭素数2〜13のものが挙げられる。
また、この(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンにおける上記の1価又は2価の含フッ素有機基及びケイ素原子に直結した水素原子以外のケイ素原子に結合した1価の置換基は、炭素数1〜20、好ましくは1〜12の非置換若しくは置換のアルキル基又はアリール基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子等のハロゲン原子、シアノ基等で置換された、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。この中でも、メチル基が好ましい。
(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンの構造としては、環状、鎖状、三次元網状及びそれらの組み合わせのいずれでもよい。この含フッ素オルガノ水素シロキサンのケイ素原子数は、特に制限されるものではないが、通常2〜60、好ましくは3〜30、より好ましくは4〜30程度である。
また、(B)成分は、1分子中にSiH基を2個以上有するものであり、SiH基含有量は、0.0001〜0.02モル/gが好ましく、さらに好ましくは0.0002〜0.01モル/gである。
上記(B)成分としては、例えば下記一般式(10)〜(16)で表されるものが挙げられる。
Figure 2019104806
(式(10)中、Dは互いに独立して、上記の、酸素原子、窒素原子又はケイ素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介してシロキサンを構成するケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基であり、1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基としては、上記一般式(5)又は(6)で表される基が挙げられる。R9は独立して、上記の、炭素数1〜20、好ましくは1〜12の非置換若しくは置換のアルキル基又はアリール基である。また、oは2〜6の整数、好ましくは3〜6の整数であり、pは1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数であり、o+pは4〜10の整数、好ましくは4〜9の整数である。但し、−(Si(H)(R9)O)−と−(Si(D)(R9)O)−の結合の順番は限定されない。)
Figure 2019104806
(式(11)中、Eは互いに独立して、上記Dと同じであり、R10は互いに独立して、上記R9と同じである。またqは2〜50の整数、好ましくは3〜30の整数である。)
Figure 2019104806
(式(12)中、Gは互いに独立して、上記Dと同じであり、R11は互いに独立して、上記R9と同じである。rは2〜50の整数、好ましくは3〜30の整数であり、sは1〜40の整数、好ましくは1〜20の整数であり、r+sは4〜60の整数、好ましくは4〜50の整数である。但し、−(Si(H)(R11)O)−と−(Si(G)(R11)O)−の結合の順番は限定されない。)
Figure 2019104806
(式(13)中、Jは互いに独立して、上記Dと同じであり、R12は互いに独立して、上記R9と同じである。tは2〜50の整数、好ましくは3〜30の整数であり、uは1〜40の整数、好ましくは1〜20の整数であり、t+uは4〜60の整数、好ましくは4〜50の整数である。但し、−(Si(H)(R12)O)−と−(Si(R122O)−の結合の順番は限定されない。)
Figure 2019104806
(式(14)中、Lは互いに独立して、上記Dと同じであり、R13は互いに独立して、上記R9と同じである。vは2〜50の整数、好ましくは3〜30の整数であり、wは1〜40の整数、好ましくは1〜20の整数であり、xは1〜40の整数、好ましくは1〜20の整数であり、v+w+xは5〜60の整数、好ましくは5〜50の整数である。但し、−(Si(H)(R13)O)−、−(Si(L)(R13)O)−及び−(Si(R132O)−の結合の順番は限定されない。)
Figure 2019104806
(式(15)中、Mは、酸素原子、アルキレン基、又は酸素原子若しくは窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介して隣接するケイ素原子にそれぞれ結合した2価のパーフルオロアルキレン基若しくは2価のパーフルオロオキシアルキレン基であり、2価のパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロオキシアルキレン基としては、上記一般式(7)〜(9)で表されるいずれかの基が挙げられる。また、Qは互いに独立して、上記Dと同じであり、R14は互いに独立して、上記R9と同じである。また、yは0又は1〜3の整数であり、zは0又は1〜3の整数であり、y+zは2〜6の整数、好ましくは3〜5の整数である。)
Figure 2019104806
(式(16)中、Tは上記Dと同じであり、R15は互いに独立して、上記R9と同じである。)
(B)成分として、具体的には下記の化合物が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、下記式において、Meはメチル基、Phはフェニル基を示す。
Figure 2019104806
(式中、a’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、b’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、c’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、d’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、e’は1〜50の整数であり、f’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、g’は1〜10の整数であり、h’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、i’は1〜10の整数であり、j’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、k’は1〜10の整数であり、l’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、m’は1〜20の整数であり、n’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、o’は1〜50の整数であり、p’は1〜20の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、q’は1〜10の整数であり、r’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、s’は1〜10の整数であり、t’及びu’はそれぞれ1〜100の整数であり、t’+u’は2〜200の整数であり、v’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、w’は1〜10の整数であり、x’及びy’はそれぞれ1〜50の整数であり、x’+y’は2〜100の整数であり、z’は1〜50の整数である。)
これらの(B)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
上記(B)成分の配合量は、上記(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、(B)成分中のケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)が0.2〜3モルとなる量であり、好ましくは0.3〜2モルとなる量(モル比)である。SiH基が0.2モルより少ないと、硬化後に得られる硬化物の強度が不十分になり、一方3モルより多いと、保存安定性が損なわれたり、硬化後に得られる硬化物の耐熱性が低下したりする。
[(C)成分]
(C)成分は、1分子中に、1価のパーフルオロアルキル基若しくは1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するか、又は2価のパーフルオロアルキレン基若しくは2価のパーフルオロオキシアルキレン基を有し、さらにケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)を1個以上有し、かつ分子中にアルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基を有する含フッ素オルガノ水素シロキサンであり、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物に自己接着性を与える接着付与剤としての機能を有する。なお、(C)成分は、分子中に環状無水カルボン酸残基を含まないものである点において、後述する(E)成分とは明確に区別されるものである。
1価又は2価の含フッ素有機基(1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基及び2価のパーフルオロオキシアルキレン基)は、上記(A)成分との相溶性、分散性及び硬化後の均一性等の観点から導入される基である。この1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基としては、上述した一般式(5)又は(6)で表される基が挙げられる。また、上記2価のパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロオキシアルキレン基としては、上記一般式(7)〜(9)で表される基が挙げられる。
また、上記1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロオキシアルキレン基は、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基(連結基)を介してシロキサンを構成するケイ素原子に繋がれていることが好ましい。該2価の炭化水素基としては、アルキレン基、アリーレン基及びそれらの組み合わせ、あるいはこれらの基にエーテル結合酸素原子、アミド結合、カルボニル結合、エステル結合、及びジメチルシリレン基等のジオルガノシリレン基からなる群より選ばれる1種又は2種以上の構造等を介在させたものであってもよく、例えば、
−CH2CH2−、
−CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2OCH2−、
−CH2CH2CH2−NH−CO−、
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH2CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH(CH32)−CO−、
−CH2CH2CH2−O−CO−、
−CH2CH2CH2−Si(CH32−O−Si(CH32−CH2CH2CH2−、
−CH2OCH2CH2CH2−Si(CH32−O−Si(CH32−CH2CH2−、
−CO−N(CH3)−Ph’−Si(CH32−CH2CH2−、
−CO−N(CH3)−Ph’−Si(CH32−CH2CH2−Si(CH32−O−Si(CH32−CH2CH2−、
−CO−NH−Ph’−[Si(CH32−CH2CH23−CH2−、
−CO−N(CH3)−Ph’−[Si(CH32−CH2CH23
(但し、Phはフェニル基、Ph’はフェニレン基である。)
等の炭素数2〜20のものが挙げられる。
また、この(C)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンにおける上記の1価又は2価の含フッ素有機基及びケイ素原子に直結した水素原子以外のケイ素原子に結合した1価の置換基は、炭素数1〜20、好ましくは1〜12の非置換若しくは置換のアルキル基又はアリール基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子等のハロゲン原子、シアノ基等で置換された、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。この中でも、メチル基が好ましい。
(C)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンの構造としては、環状、鎖状、三次元網状及びそれらの組み合わせのいずれでもよい。この含フッ素オルガノ水素シロキサンのケイ素原子数は、特に制限されるものではないが、通常1〜60、好ましくは2〜30、より好ましくは3〜30程度である。
また、(C)成分は、1分子中にSiH基を1個以上有するものであり、SiH基含有量は、0.0001〜0.02モル/gが好ましく、さらに好ましくは0.0002〜0.01モル/gである。
上記アルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基は、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物を、金属、セラミックス、プラスチックなどの基材に短時間で接着させるために導入される基である。
上記(C)成分が有する非共有電子対を有するヘテロ原子としては、窒素、酸素及び硫黄が好ましい。
さらに、上記(C)成分が有するアルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基としては、下記式(4)
Figure 2019104806
(式(4)中、Aは−NR8−(R8は、水素原子、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状若しくは環状の非置換若しくは置換のアルキル基、アルカノイル基、アリール基又はトリアルキルシリル基である)、酸素原子又は硫黄原子であり、R6は互いに独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、R7は互いに独立して、炭素数1〜4のアルキル基である。また、fは0〜2の整数であり、gは1〜3の整数であって、かつf+gは3である。)
で表される基が好ましい。
ここで、R6は、互いに独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基である。この中でも、メチル基が好ましい。
7は、互いに独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基である。この中でも、メチル基又はエチル基が好ましい。
さらに、R8は、水素原子、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状若しくは環状の非置換若しくは置換のアルキル基、アルカノイル基、アリール基又はトリアルキルシリル基である。この中でも、水素原子、メチル基、ホルミル基、アセチル基又はトリメチルシリル基が好ましい。
また、fは0〜2の整数であり、gは1〜3の整数であって、かつf+gは3である。この中でも、fが1でgが2、またはfが0でgが3であることが好ましく、特にfが0でgが3であることが好ましい。
上記アルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基は、シロキサンを構成するケイ素原子に繋がれていることが好ましい。これらを繋げる連結基は、特に限定されないが、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基が好ましい。
上記(C)成分としては、例えば下記一般式(17)〜(21)で表されるものが挙げられる。
以下、一般式(17)について説明する。
Figure 2019104806
(式(17)中、a’’は1〜6の整数、好ましくは1〜5の整数であり、b’’は1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数であり、c’’は1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数であり、a’’+b’’+c’’は4〜10の整数、好ましくは4〜8の整数である。また、R16は互いに独立して非置換又は置換の1価の炭化水素基であり、Xは互いに独立して、上記Dと同じであり、Zは互いに独立して、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介してシロキサンを構成するケイ素原子に結合した、アルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基である。但し、−(Si(H)(R16)O)−、−(Si(X)(R16)O)−及び−(Si(Z)(R16)O)−の結合の順番は限定されない。)
上記一般式(17)において、R16は互いに独立して非置換又は置換の1価の炭化水素基であり、上述したR9と同様の基が挙げられ、メチル基、エチル基が好ましい。
また、Xは互いに独立して、上記Dと同じであり、上記の、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介してシロキサンを構成するケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基である。この1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基としては、上述した一般式(5)又は(6)で表される基が挙げられる。
また、Zは互いに独立して、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介してシロキサンを構成するケイ素原子に結合した、アルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基である。このアルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基としては、上記式(4)で表される基が挙げられる。
以下、一般式(18)について説明する。
Figure 2019104806
(式(18)中、D’は互いに独立して、上記Dと同じであり、A’は互いに独立して、上記Zと同じであり、R17は互いに独立して、上記R16と同じである。d’’は2〜50の整数、好ましくは3〜30の整数であり、e’’は1〜20の整数、好ましくは1〜10の整数であり、d’’+e’’は3〜70の整数、好ましくは3〜40の整数である。但し、−(Si(H)(R17)O)−と−(Si(A’)(R17)O)−の結合の順番は限定されない。)
上記一般式(18)において、R17は互いに独立して非置換又は置換の1価の炭化水素基であり、上述したR16と同様の基が挙げられ、メチル基又はエチル基が好ましい。
また、D’は互いに独立して、上記の、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介してシロキサンを構成するケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基であり、この1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基としては、上述した一般式(5)又は(6)で表される基が挙げられる。
A’は互いに独立して、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介してシロキサンを構成するケイ素原子に結合した、アルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基である。このアルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基としては、上記式(4)で表される基が挙げられる。
以下、一般式(19)について説明する。
Figure 2019104806
(式(19)中、E’は互いに独立して、上記Dと同じであり、G’は互いに独立して、上記Zと同じであり、R18は互いに独立して、上記R16と同じである。f’’は2〜50の整数、好ましくは3〜30の整数であり、g’’は1〜40の整数、好ましくは1〜20の整数であり、h’’は1〜20の整数、好ましくは1〜10の整数であり、f’’+g’’+h’’は4〜110の整数、好ましくは4〜60の整数である。但し、−(Si(H)(R18)O)−、−(Si(E’)(R18)O)−及び−(Si(G’)(R18)O)−の結合の順番は限定されない。)
上記一般式(19)において、R18は互いに独立して非置換又は置換の1価の炭化水素基であり、上述したR16と同様の基が挙げられ、メチル基、エチル基が好ましい。
また、E’は互いに独立して、上記の、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介してシロキサンを構成するケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基であり、この1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基としては、上述した一般式(5)又は(6)で表される基が挙げられる。
また、G’は互いに独立して、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介してシロキサンを構成するケイ素原子に結合した、アルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基である。このアルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基としては、上記式(4)で表される基が挙げられる。
以下、一般式(20)について説明する。
Figure 2019104806
(式(20)中、J’は互いに独立して、上記Dと同じであり、L’は互いに独立して、上記Zと同じであり、R19は互いに独立して、上記R16と同じである。i’’は2〜50の整数、好ましくは3〜30の整数であり、j’’は1〜20の整数、好ましくは1〜10の整数であり、k’’は1〜40の整数、好ましくは1〜20の整数であり、i’’+j’’+k’’は4〜110の整数、好ましくは5〜60の整数である。但し、−(Si(H)(R19)O)−、−(Si(L’)(R19)O)−及び−(Si(R192O)−の結合の順番は限定されない。)
上記一般式(20)において、R19は互いに独立して非置換又は置換の1価の炭化水素基であり、上述したR16と同様の基が挙げられ、メチル基又はエチル基が好ましい。
また、J’は互いに独立して、上記の、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介してシロキサンを構成するケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基であり、この1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基としては、上述した一般式(5)又は(6)で表される基が挙げられる。
また、L’は互いに独立して、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介してシロキサンを構成するケイ素原子に結合した、アルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基である。このアルコキシシリル基としては、上記式(4)で表される基が挙げられる。
以下、一般式(21)について説明する。
Figure 2019104806
(式(21)中、M’は互いに独立して、上記Dと同じであり、Q’は互いに独立して、上記Zと同じであり、R20は互いに独立して、上記R16と同じである。l’’は2〜50の整数、好ましくは3〜30の整数であり、m’’は1〜40の整数、好ましくは1〜20の整数であり、n’’は1〜20の整数、好ましくは1〜10の整数であり、o’’は1〜40の整数、好ましくは1〜20の整数であり、l’’+m’’+n’’+o’’は5〜150の整数、好ましくは5〜80の整数である。但し、−(Si(H)(R20)O)−、−(Si(M’)(R20)O)−、−(Si(Q’)(R20)O)−及び−(Si(R202O)−の結合の順番は限定されない。)
上記一般式(21)において、R20は互いに独立して非置換又は置換の1価の炭化水素基であり、上述したR16と同様の基が挙げられ、メチル基又はエチル基が好ましい。
また、M’は互いに独立して、上記の、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介してシロキサンを構成するケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基であり、この1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基としては、上述した一般式(5)又は(6)で表される基が挙げられる。
また、Q’は互いに独立して、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介してシロキサンを構成するケイ素原子に結合した、アルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基であり、このアルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基としては、上記式(4)で表される基が挙げられる。
(C)成分としては、例えば下記の化合物が挙げられる。なお、Meはメチル基を示す。
Figure 2019104806
(式中、p’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、q’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、r’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、s’’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、t’’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、u’’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、v’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、w’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、x’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、y’’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、z’’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、a’’’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、b’’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、c’’’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、d’’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、e’’’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、f’’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、g’’’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、h’’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、i’’’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、j’’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、k’’’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、l’’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、m’’’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、n’’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、o’’’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、p’’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、q’’’は1〜50の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、r’’’は1〜10の整数である。)
Figure 2019104806
(式中、s’’’は1〜50の整数である。)
これらの(C)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。また、(C)成分の配合量は、上記(A)成分のアルケニル基1モルに対して、(C)成分中のケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)が0.01〜2モルとなる量であり、好ましくは0.05〜1.5モルとなる量(モル比)である。SiH基が0.01モルより少ないと、十分な接着性が得られず、一方、2モルより多いと、本発明の組成物の流動性が損なわれるおそれがある。
[(D)成分]
(D)成分である白金族金属系触媒は、ヒドロシリル化反応触媒である。ヒドロシリル化反応触媒は、組成物中に含有されるアルケニル基、特には(A)成分中のアルケニル基と、組成物中に含有されるSiH基、特には(B)成分及び(C)成分中のSiH基との付加反応を促進する触媒である。このヒドロシリル化反応触媒は、一般に貴金属又はその化合物であり、高価格であることから、比較的入手し易い白金又は白金化合物がよく用いられる。
白金化合物としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、白金とアルコール又はビニルシロキサンとの錯体、及び、シリカ、アルミナ、カーボン等に担持した金属白金等を挙げることができる。白金又はその化合物以外の白金族金属系触媒として、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム系化合物も知られており、例えば、RhCl(PPh33、RhCl(CO)(PPh32、Ru3(CO)12、IrCl(CO)(PPh32、Pd(PPh34等を例示することができる。なお、前記式中、Phはフェニル基である。
これらの触媒の使用にあたっては、それが固体触媒であるときには固体状で使用することも可能であるが、より均一な硬化物を得るためには塩化白金酸や錯体を、例えば、トルエンやエタノール等の適切な溶剤に溶解したものを(A)成分の直鎖状ポリフルオロ化合物に相溶させて使用することが好ましい。
(D)成分の配合量は、ヒドロシリル化反応触媒としての有効量であり、通常、(A)成分の質量に対して0.1〜2,000ppm、好ましくは0.1〜500ppm、特に好ましくは0.5〜200ppm(白金族金属原子の質量換算)であるが、希望する硬化速度に応じて適宜増減することができる。
[(E)成分]
本発明の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物は、任意成分として下記(E)成分を含有するものであることが好ましい。
(E)成分は、カルボン酸無水物であり、上記(C)成分の接着付与能力を向上させ、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物の自己接着性発現を促進させるためのものである。該成分としては、エポキシ樹脂用の硬化剤として使用されているものを使用できる。
(E)成分のカルボン酸無水物としては、例えば23℃下で固体のカルボン酸無水物が挙げられる。具体的には、下記化合物が例示される。なお、下記式において、Meはメチル基を示す。
Figure 2019104806
また、(E)成分のカルボン酸無水物としては、下記一般式(22)で表される、一分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基と、2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した環状無水カルボン酸残基とを有する環状オルガノポリシロキサン(即ち、含フッ素オルガノポリシロキサン変性無水カルボン酸化合物)であってもよい。
Figure 2019104806
式(22)中、T’は酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基であり、上記(B)成分のDと同様の基が挙げられる。これらは、(A)成分との相溶性、分散性及び硬化後の均一性等の観点から導入される基である。
また、R21は置換又は非置換の1価の炭化水素基であり、上述した上述したR9と同様の基が挙げられ、メチル基、エチル基が好ましい。
さらに、t’’’は1〜6の整数、好ましくは2〜5の整数、u’’’は1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数、v’’’は1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数、t’’’+u’’’+v’’’は4〜10の整数、好ましくは4〜8の整数である。ただし、−(Si(H)(R21)O)−、−(Si(T’)(R21)O)−、及び−(Si(X’)(R21)O)−の結合の順番は限定されない。
また、上記1価のパーフルオロアルキル基や1価のパーフルオロオキシアルキル基とケイ素原子を繋ぐ、酸素原子又は窒素原子を有してもよい2価の炭化水素基としては、上記(B)成分で例示した2価の連結基と同様の基が挙げられる。
また、X’は2価の炭化水素基を介してケイ素原子に結合した環状無水カルボン酸残基であり、具体的には下記一般式(23)で表される基を挙げることができる。
Figure 2019104806
式(23)中、R22は、炭素数1〜15の2価の炭化水素基であり、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられ、中でもプロピレン基が好ましい。
上記一般式(22)で表される環状オルガノポリシロキサンとしては、例えば下記の化合物が挙げられる。なお、下記式において、Meはメチル基を示す。
Figure 2019104806
Figure 2019104806
これらの(E)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。その際、上記23℃下で固体のカルボン酸無水物と上記一般式(22)で表される環状オルガノポリシロキサンとを併用してもよい。
上記(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.010〜10.0質量部、好ましくは0.10〜5.0質量部である。0.010質量部以上の場合、本発明の組成物の接着性発現を促進させるのに十分な効果が得られるため好ましい。一方、10.0質量部以下の場合、本発明の組成物の流動性が良くなり、また該組成物の保存安定性が得られるため好ましい。
[その他の成分]
本発明の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物には、その実用性を高めるために、上記の(A)〜(E)成分以外にも、任意成分として、ヒドロシリル化付加反応制御剤((F)成分)、無機質充填剤((G)成分)、可塑剤、粘度調節剤、可撓性付与剤等の各種配合剤を必要に応じて添加することができる。これら添加剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で任意である。
ヒドロシリル化付加反応制御剤((F)成分)の例としては、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノール等のアセチレン性アルコール;上記一般式(5)で表される1価のパーフルオロアルキル基、又は上記一般式(6)で表される1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するクロロシランとアセチレン性アルコールとの反応物;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン;トリアリルイソシアヌレート;ポリビニルシロキサン;有機リン化合物等が挙げられ、その添加により硬化反応性と保存安定性を適度に保つことができる。
無機質充填剤((G)成分)の例としては、煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ又は乾式シリカ)、沈降性シリカ(湿式シリカ)、球状シリカ(溶融シリカ)、ゾルゲル法シリカ、シリカエアロゲル等のシリカ粉末、又は該シリカ粉末の表面を各種のオルガノクロロシラン、オルガノジシラザン、環状オルガノポリシラザン等で処理してなるシリカ粉末、さらに該表面処理シリカ粉末を、上記一般式(5)で表される1価のパーフルオロアルキル基、又は上記一般式(6)で表される1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するオルガノシラン又はオルガノシロキサンで再処理してなるシリカ粉末等のシリカ系補強性充填剤、石英粉末、溶融石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム等の補強性又は準補強性充填剤、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、アルミン酸コバルト等の無機顔料、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、酸化セリウム、水酸化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン等の耐熱向上剤、アルミナ、窒化硼素、炭化珪素、金属粉末等の熱伝導性付与剤、カーボンブラック、銀粉末、導電性亜鉛華等の導電性付与剤等が挙げられる。
可塑剤、粘度調節剤、可撓性付与剤としては、下記一般式(24)、(25)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物、及び/又は下記一般式(26)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物を用いることができる。
F−(CF2CF2CF2O)w'''−Z’ (24)
(式(24)中、Z’はCx'''2x'''+1−(x’’’は1〜3の整数)で表される基であり、w’’’は1〜500の整数であり、好ましくは2〜300の整数である。)

A’’−{(OCF(CF3)CF2y'''−(OCF2CF2z'''−(OCF2a''''}−O−A’’ (25)
(式(25)中、A’’は上記Z’と同じであり、y’’’及びz’’’はそれぞれ0〜300の整数であり、好ましくは0〜150の整数である。但し、y’’’とz’’’が共に0の場合は除く。また、a’’’’は1〜300の整数であり、好ましくは1〜150の整数である。各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。)

Rf−(D’’)b''''−CH=CH2 (26)
[式(26)中、
Rfは下記一般式(27)
F−[CF(CF3)CF2O]c''''−Cd''''2d''''− (27)
(式(27)中、c’’’’は1〜200の整数、好ましくは1〜150の整数であり、d’’’’は1〜3の整数である。)
で示される基であり、
D’’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR20−E’’−〔なお、これら各基は、左端がRfに、右端が炭素原子に結合される。また、R20は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基であり、E’’は−CH2−、下記構造式(28)で示される基又は下記構造式(29)で示される基である。
Figure 2019104806
(o位、m位又はp位で示されるジメチルフェニルシリレン基であり、左端が窒素原子に、右端が炭素原子に結合される。)
Figure 2019104806
(左端が窒素原子に、右端が炭素原子に結合される。)〕であり、
b’’’’は0又は1である。]
上記一般式(24)又は(25)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の具体例としては、下記のものが挙げられる。
F−(CF2CF2CF2O)e''''−CF2CF3
(e’’’’は1〜200の整数である。)

CF3−{(OCF(CF3)CF2f''''−(OCF2g''''}−O−CF3
(f’’’’は1〜200の整数、g’’’’は1〜200の整数である。各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。)

CF3−{(OCF2CF2h''''−(OCF2i''''}−O−CF3
(h’’’’は1〜200の整数、i’’’’は1〜200の整数である。各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。)
上記一般式(24)又は(25)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
上記一般式(26)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物の具体例としては、下記のものが挙げられる。なお、下記式において、Meはメチル基を示す。
Figure 2019104806
(ここで、j’’’’は1〜200の整数である。)
上記一般式(26)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
本発明の組成物の製造方法は特に制限されず、上記(A)〜(D)成分、任意成分である(E)〜(G)成分及びその他の任意成分を練り合わせることにより製造することができる。その際、必要に応じて、プラネタリーミキサー、ロスミキサー、ホバートミキサー等の混合装置、ニーダー、三本ロール等の混練装置を使用することができる。
本発明の組成物の構成に関しては、上記(A)〜(G)成分、及びその他の任意成分全てを1つの組成物として取り扱う、いわゆる1液タイプとして構成してもよいし、あるいは、2液タイプとし、使用時に両者を混合するようにしてもよい。
なお、本発明の組成物を使用するに当たり、その用途、目的に応じて該組成物を適当なフッ素系溶剤、例えば1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、フロリナート(3M社製)、パーフルオロブチルメチルエーテル、パーフルオロブチルエチルエーテル等に所望の濃度に溶解して使用してもよい。特に、薄膜コーティング用途においては溶剤を使用することが好ましい。
また、JIS K7117−1に規定される23℃における本発明の組成物の粘度は、0.01〜1,000Pa・s、好ましくは0.1〜500Pa・sである。0.01Pa・s以上の場合、組成物の流動性が良好で、作業性に優れる。一方、1,000Pa・s以下であれば、レベリング性(平坦化)が良好で、例えば、基材の表面に該組成物を均一に塗布することができる。
本発明の組成物の硬化温度は、120℃以上200℃以下、好ましくは140℃以上180℃以下である。120℃以上であれば、各種基材に対して、本発明の組成物が接着性を短時間で発現することができる。一方、200℃以下であれば、本発明の組成物が分解するおそれがない。また、本発明の組成物の硬化時間は、硬化温度によって、架橋反応及び基材との接着反応が完了する時間を適宜選択すればよいが、一般的には、10分〜50分が好ましく、15分〜50分がより好ましい。10分以上であれば、各種基材に対して、本発明の組成物が接着性を発現することができる。一方、50分以下であれば、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物を構成の一部とする電気・電子部品の製造時間(タクトタイム)の短縮に有効である。
本発明の組成物は、上記硬化条件により、アルミニウム等の金属、アルミナセラミックス等のセラミックス、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等のプラスチックの基材に対して、短時間で良好な接着性を発現するものである。
本発明の組成物を短時間で硬化して得られる硬化物は、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、離型性、撥水性、撥油性、低温特性等に優れており、かつ各種基材に対して、良好な接着性を発現することから、電気・電子部品に用いる接着剤として好適である。中でも、車載用電気・電子部品に使用する接着剤には、排気ガスに含まれるNOxやSOx等に対する耐酸性など高い特性が要求されるため、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物は最適である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部は質量部を示し、Meはメチル基を示す。また、(A)成分の粘度は23℃における測定値を示す(JIS K6249に準拠)。
[実施例1〜14、比較例1〜6、参考例1〜6]
下記実施例、比較例及び参考例に用いられる(A)〜(G)成分を下記に示す。なお、下記の例において、Meはメチル基を示す。
(A)成分
(A−1):下記式(30)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物(粘度10,900mPa・s、ビニル基含有量0.0120モル/100g)
Figure 2019104806
(但し、k’’’’及びl’’’’は1以上の整数であり、k’’’’+l’’’’の平均値は90である。)
(A−2):下記式(31)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物(粘度11,000mPa・s、ビニル基含有量0.0122mol/100g)
Figure 2019104806
(但し、m’’’’及びn’’’’は1以上の整数であり、m’’’’+n’’’’の平均値は90である。)
(B)成分
(B−1):下記式(32)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(SiH基含有量0.00523モル/g)
Figure 2019104806
(B−2):下記式(33)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(SiH基含有量0.00394モル/g)
Figure 2019104806
(C)成分
(C−1):下記式(34)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(SiH基含有量0.00276モル/g)
Figure 2019104806
(C−2):下記式(35)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(SiH基含有量0.00292モル/g)
Figure 2019104806
(C−3):下記式(36)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(SiH基含有量0.00291モル/g)
Figure 2019104806
(C−4):下記式(37)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(SiH基含有量0.00333モル/g)
Figure 2019104806
(C−5):下記式(38)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(SiH基含有量0.00219モル/g)
Figure 2019104806
(C−6):下記式(39)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(SiH基含有量0.00231モル/g)
Figure 2019104806
(C−7):下記式(40)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(SiH基含有量0.00206モル/g)
Figure 2019104806
(C−8):下記式(41)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(SiH基含有量0.000944モル/g)
Figure 2019104806
(C−9):下記式(42)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(SiH基含有量0.000922モル/g)
Figure 2019104806
(C−10):下記式(43)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(SiH基含有量0.00101モル/g)
Figure 2019104806
(D)成分
(D−1):白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)
(E)成分
(E−1):下記式(44)で示されるカルボン酸無水物
Figure 2019104806
(E−2):下記式(45)で示されるカルボン酸無水物残基含有環状オルガノポリシロキサン
Figure 2019104806
(F)成分
(F−1):1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサンの50重量%トルエン溶液
(G)成分
(G−1):ヒュームドシリカ;Aerosil R972(Aerosil社製商品名)
実施例1〜14、比較例1〜6及び参考例1〜6において、上記(A)〜(G)成分を表1〜3に示す所定の量を用いて、下記の様に組成物を調製し、成形硬化させて、硬化物を得た。そして、下記方法に従って、該組成物の粘度及び該硬化物の引張せん断接着強さを測定した。結果を表1〜3に示す。
実施例1〜14の組成物の調製:
まず(A)成分及び(G)成分を、表1に示す所定の量にて、プラネタリーミキサーを用いて室温で30分間混練し、さらに−98.0kPaGの減圧下、150℃で1時間混練した。次に、混練物を室温まで冷却後、(D)成分を表1に示す所定の量加えて、室温で10分間混練した。次に、(F)成分を表1に示す所定の量加えて、室温で10分間混練した。最後に、(B)、(C)及び(E)成分を表1に示す所定の量加えて、室温で10分間混練し、組成物を得た。
比較例1〜6の組成物の調製:
(A)〜(G)成分を、表2に示す所定の量とした以外は、実施例と同様にして組成物を得た。
参考例1〜6の組成物の調製:
(A)〜(G)成分を、表3に示す所定の量とした以外は、実施例と同様にして組成物を得た。
組成物の粘度
実施例1〜14、比較例1〜6及び参考例1〜6の組成物について、JIS K7117−1に準じて23℃にて測定した。実施例1〜14の結果を表1に、比較例1〜6の結果を表2に、参考例1〜6の結果を表3に示す。
引張せん断接着強さ
実施例1〜14及び比較例1〜6
各種基材(アルミニウム、アルミナセラミックス及びPBT(ポリブチレンテレフタレート))の100mm×25mmのテストパネル2枚を、それぞれの端部が10mmずつ重複するように、厚さ1mmの実施例1〜14及び比較例1〜6の組成物の層を挟んで重ね合わせ、150℃で20分加熱することにより該組成物を硬化させ、各組成物の硬化物の試験片を作製した。次いで、この試験片について、JIS K6850に準じて引張せん断接着強さ試験(引張速度50mm/分)を行い、引張せん断接着強さ(MPa)及び凝集破壊率(面積%)を評価した。実施例1〜14の結果を表1に、比較例1〜6の結果を表2に示す。
参考例1〜6
硬化条件を150℃で1時間とした以外は、引張せん断接着強さ試験を実施例及び比較例と同様に行った。結果を表3に示す。
Figure 2019104806
Figure 2019104806
Figure 2019104806
Figure 2019104806
実施例1〜14の組成物は、150℃で20分加熱することにより、硬化して、各基材に対して良好な接着性を示した。一方、比較例1〜6の組成物は、(C)成分((C−8)〜(C−10))が分子中にメチレン基を介して非共有電子対を有するヘテロ原子に結合したアルコキシシリル基を有さないため、150℃で20分の加熱では、十分な接着性が得られなかった。参考例1〜6に示す通り、比較例1〜6の組成物が、実施例と同程度に、各基材に対して良好な接着性を示すには、150℃で1時間を要した。これらのことから、実施例1〜14の組成物は、比較例1〜6の組成物よりも、各基材に対して短時間で良好な接着性を示すことが明らかになった。
以上の結果より、本発明の組成物は、金属、セラミックス及びプラスチックの基材に対して、短時間で硬化して接着することが可能であることから、電気・電子部品、特に車載用電気・電子部品の接着剤として使用する場合、該部品の製造時間(タクトタイム)の短縮に有効である。

Claims (9)

  1. (A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロ化合物:100質量部、
    (B)1分子中に、1価のパーフルオロアルキル基若しくは1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するか、又は2価のパーフルオロアルキレン基若しくは2価のパーフルオロオキシアルキレン基を有し、さらにケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)を2個以上有し、かつ分子中にアルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基を有さない含フッ素オルガノ水素シロキサン:(A)成分中のアルケニル基1モルに対して(B)成分中のSiH基が0.2〜3モルとなる量、
    (C)1分子中に、1価のパーフルオロアルキル基若しくは1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するか、又は2価のパーフルオロアルキレン基若しくは2価のパーフルオロオキシアルキレン基を有し、さらにケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)を1個以上有し、かつ分子中にアルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基を有する含フッ素オルガノ水素シロキサン:(A)成分中のアルケニル基1モルに対して(C)成分中のSiH基が0.01〜2モルとなる量、
    (D)白金族金属系触媒:(A)成分に対して白金族金属原子の質量換算で0.1〜2,000ppmを含有する熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。
  2. さらに、(E)成分として、カルボン酸無水物を(A)成分100質量部に対して0.010〜10.0質量部含有する請求項1に記載の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。
  3. 前記(A)成分の直鎖状ポリフルオロ化合物のアルケニル基含有量が、0.005〜0.3mol/100gである請求項1又は2に記載の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。
  4. 前記(A)成分が有するパーフルオロポリエーテル構造が、下記一般式(1)
    −(Ca2aO)b− (1)
    (式(1)中、aは1〜6の整数であり、bは1〜300の整数である。)
    で表わされる構造を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。
  5. 前記(A)成分が、下記一般式(2)
    Figure 2019104806
    (式(2)中、R1及びR2は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R1は互いに独立し、R2も互いに独立し、R1及びR2の合計六つのうち二つ以上はアルケニル基である。R3は互いに独立して、水素原子、又は非置換若しくは置換の1価の炭化水素基であり、c及びdはそれぞれ1〜150の整数であって、かつc+dの平均値は2〜300であり、eは1〜6の整数である。)
    及び/又は下記一般式(3)
    Figure 2019104806
    (式(3)中、R1及びR2は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R1は互いに独立し、R2も互いに独立し、R1及びR2の合計六つのうち二つ以上はアルケニル基である。R4は互いに独立して、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R5は互いに独立して、水素原子又はフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である。c及びdはそれぞれ1〜150の整数であって、かつc+dの平均値は2〜300であり、eは1〜6の整数である。)
    の直鎖状ポリフルオロ化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。
  6. 前記(C)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンが有する非共有電子対を有するヘテロ原子が、窒素、酸素及び硫黄の中から選ばれる請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。
  7. 前記(C)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンが有する、アルコキシシリルメチレン基が結合した非共有電子対を有するヘテロ原子含有基が、下記式(4)
    Figure 2019104806
    (式(4)中、Aは−NR8−(R8は、水素原子、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状若しくは環状の非置換若しくは置換のアルキル基、アルカノイル基、アリール基又はトリアルキルシリル基である)、酸素原子又は硫黄原子であり、R6は互いに独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、R7は互いに独立して、炭素数1〜4のアルキル基である。また、fは0〜2の整数であり、gは1〜3の整数であって、かつf+gは3である。)
    で表される基である請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性フルオロポリエーテル系接着剤組成物の硬化物を有する電気・電子部品。
  9. 車載用である請求項8に記載の電気・電子部品。
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