JP2019099682A - 衣料用液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】尿臭除去効果、尿臭移り防止効果、及び安定性に優れた衣料用液体洗浄剤組成物を提供すること。【解決手段】(A)成分:ノニオン界面活性剤、(B)成分:アニオン界面活性剤、及び(C)成分:有機カルボン酸を含有し、前記(B)成分の含有量が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、2.5質量%以上であり、前記(C)成分の含有量が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、5質量%以上であり、前記(A)成分の含有量と前記(B)成分の含有量との合計が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、12質量%以上であり、(B)成分/(A)成分で表される質量比が0.05〜0.5であり、25℃におけるpHが7未満である、衣料用液体洗浄剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、衣料用液体洗浄剤組成物に関する。
高齢者や要介護者のいる家庭や介護施設では、衣類に付着した尿臭が問題となっている。さらに、尿臭は通常の洗濯では落としにくいという問題がある。このような状況に鑑み、市場においては、衣類に付着した尿臭を低減できる(尿臭除去効果が高い)洗剤が求められている。
特許文献1は、アニオン界面活性剤、クエン酸を含む、pH2〜6の酸性洗濯洗剤組成物について提案している。特許文献1の組成物によれば、洗浄力の向上が図られている。
特表2008−519148号公報
しかしながら、特許文献1の組成物では、尿臭除去効果は充分ではない。
さらに、衣料用液体洗浄剤には、尿臭移り防止効果(尿臭が他の被洗物に移ることを防ぐ効果)や、液体の安定性が要求される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、尿臭除去効果、尿臭移り防止効果、及び安定性に優れた衣料用液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは以下の衣料用液体洗浄剤組成物が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、以下の態様を有する。
[1] (A)成分:ノニオン界面活性剤、(B)成分:アニオン界面活性剤、及び(C)成分:有機カルボン酸を含有し、
前記(B)成分の含有量が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、2.5質量%以上であり、
前記(C)成分の含有量が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、5質量%以上であり、
前記(A)成分の含有量と前記(B)成分の含有量との合計が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、12質量%以上であり、
(B)成分/(A)成分で表される質量比が0.05〜0.5であり、
25℃におけるpHが7未満である、衣料用液体洗浄剤組成物。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物によれば、尿臭除去効果、尿臭移り防止効果、及び安定性を向上することができる。
≪衣料用液体洗浄剤組成物≫
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、以下の(A)〜(C)成分を含有する。
<(A)成分>
(A)成分はノニオン界面活性剤である。具体的には、下記式(a−1)で表されるポリ(オキシアルキレン)アルキルエーテルが挙げられる。
12−X−[(EO)/(PO)]−R13 ・・・(a−1)
式(a−1)中、R12は炭素数8〜18の炭化水素基であり、Xは−O−または−C(O)O−であり、R13は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数2〜6のアルケニル基である。sはEOの平均繰返し数を表し、3〜20の数である。tはPOの平均繰返し数を表し、0〜6の数である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、EOとPOとは混在して配列してもよい。
式(a−1)中、R12である炭化水素基の炭素数は8〜18であり、特に良好な洗浄力が得られやすい点で10〜18が好ましい。R13は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。R12は脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、又は直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基がより好ましい。
12としての炭化水素基は、1級又は2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等の原料に由来するものが挙げられる。具体的には、1級又は2級の高級アルコールからOH基を除いた残基、高級脂肪酸からC(O)OH基を除いた残基、高級脂肪酸アミドからC(O)NH基を除いた残基等である。
13としてのアルキル基の炭素数は1〜6であり、1〜3が好ましい。R13としてのアルケニル基の炭素数は2〜6であり、2〜3が好ましい。
Xは−O−または−C(O)O−である。Xが−O−のとき、(A)成分はアルコールアルコキシレートである。この場合において、洗浄力が良好であることから、R12の炭素数は10〜18であることが好ましく、R12は不飽和結合を有していてもよい。また、この場合において、R13は水素原子であることが好ましい。
Xが−C(O)O−であるとき、(A)成分は脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤である。この場合において、洗浄力が良好であることから、R12の炭素数は9〜18であることが好ましく、より好ましくは11〜18である。R12は不飽和結合を有していてもよい。また、この場合において、R13は、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
式中のsはEO(オキシエチレン基)の平均繰り返し数であり、tはPO(オキシプロピレン基)の平均繰り返し数である。s及びtは、それぞれ加重平均値を意味する。s及びtは、例えばガスクロマトグラフ質量分析計を用いて測定することができる。
sは3〜20である、好ましくは5〜18の数であり、より好ましくは10〜18、特に好ましくは14〜18の数である。上記下限値以上であると、尿臭除去効果を向上しやすい。上記上限値以下であると、尿臭除去効果を向上しやすく、酸素ガス吸収を防止しやすい。
tは0〜6であり、好ましくは0〜3の数である。tが6を超えると、高温下での保存安定性が低下する傾向にある。
EOとPOとは混在して配列してもよく、(EO)/(PO)は、EOとPOとがランダム状に付加していてもよく、ブロック状に付加していてもよい。
また、例えば下式(a−2)で表されるように、EOのブロック鎖−POのブロック鎖−EOのブロック鎖の順に付加したものでもよく、EOとPOのランダム鎖−EOのブロック鎖の順に付加したものでもよい。
14−O−[(EO)/(PO)]−(EO)−H ・・・(a−2)
式(a−2)中、R14は炭素数8〜18の炭化水素基である。pはEOの平均繰返し数を表し、qはPOの平均繰返し数を表し、rはEOの平均繰返し数を表し、p、q、rはp>1、r>1、0<q≦3、p+r=10〜20を満たす数である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、(EO)/(PO)におけるEOとPOはランダム状に配列していてもよく、ブロック状に配列していてもよい。
14は式(a−1)のR12と好ましい態様も含めて同様である。
式(a−2)で表される成分は、公知の方法で製造することができる。例えば炭化水素基を有するアルコールに対して、エチレンオキシド、プロピレンオキシドの順に付加反応した後、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとを混合付加(ランダム付加)した後、再度、エチレンオキシドを付加することで製造できる。
式(a−2)で表される(A)成分を用いると、適度な粘度が得られやすくなり、ゲル化も抑制される。また、泡立ち性が向上し、生分解性もより良好になる。
特に式(a−2)におけるEOとPOとの比率は、q/(p+r)で表される比で0.1〜0.5であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3である。q/(p+r)で表される比が下限値以上であると、泡が立ちすぎず、泡立ちの適正化が図られやすい。上限値以下であると、適度な粘度が得られやすくなり、ゲル化が抑制されやすい。
式(a−1)で表される(A)成分において、EO又はPOの平均繰返し数の分布は、(A)成分を製造する際の反応方法によって変動しやすく、特に限定されない。たとえば、一般的な水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ触媒を用いて、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを、炭化水素基を有する開始化合物(1級又は2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等)に付加させた場合には、比較的広い分布となる傾向にある。一方、特公平6−15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを該炭化水素基を有する開始化合物に付加させた際には、比較的狭い分布となる傾向にある。
(A)成分の具体例としては、三菱化学社製の商品名Diadol(C13、Cは炭素数を示す。以下同様。)、Shell社製の商品名Neodol(C12とC13との混合物)、Sasol社製の商品名Safol23(C12とC13との混合物)等のアルコールに対して、12モル相当、又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;
P&G社製の商品名CO−1214又はCO−1270等の天然アルコールに対して、12モル相当、又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;
ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(BASF社製の商品名Lutensol TO7);
ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、9モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(BASF社製の商品名Lutensol XP90);
ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(BASF社製の商品名Lutensol XL70);
ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、6モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(BASF社製の商品名Lutensol XA60);
炭素数12〜14の第2級アルコールに対して、9モル相当、又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(日本触媒社製の商品名ソフタノール90、ソフタノール150)等が挙げられる。
さらには、ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(ポリオキシエチレンヤシ脂肪酸メチルエステル(EO15モル)も挙げられる。
(A)成分として、特に洗浄性の点で、式(a−1)中、Xが−O−である、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(EOPO型ノニオン)等のポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤;もしくは、式(a−1)中、Xが−C(O)O−である、脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤が好ましい。より好ましくは脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤である。
(A)成分は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組合わせて用いてもよい。
(A)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、8質量%以上が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、15〜30質量%がさらに好ましい。
上記下限値以上であると、充分な尿臭除去効果を付与しやすい。
上記上限値以下であると、安定性を向上しやすい。
<(B)成分>
(B)成分はアニオン界面活性剤である。(B)成分としては、特に限定されず、繊維製品用等の洗浄剤に通常用いられているアニオン界面活性剤が挙げられる。
(B)成分としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖または分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩;脂肪酸又はその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型のアニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型のアニオン界面活性剤等が挙げられる。
これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩などのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
上記のうち、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものが特に好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキシドを付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩が好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20、好ましくは14〜17のアルキル基を有する2級アルカンスルホン酸塩が好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、炭素数10〜20のα−スルホ脂肪酸エステル塩が好ましい。
脂肪酸又はその塩としては、炭素数10〜20の脂肪酸又はその塩が好ましい。
これらの中でも、尿臭移り防止効果や安定性が高められやすい点から、(B)成分として、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩を用いることが好ましい。
(B)成分は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組合わせて用いてもよい。
(B)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、2.5質量%以上であり、2.5〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましく、4〜10質量%がさらに好ましい。
上記下限値以上であると、充分な尿臭移り防止効果を付与しやすい。
上記上限値以下であると、安定性を向上しやすい。
(A)成分の含有量と(B)成分との含有量との合計(以下、A+Bともいう)は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、12質量%以上であり、15〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。25〜35質量%が特に好ましい。
上記下限値以上であると、尿臭除去効果、及び尿臭移り防止効果を向上しやすい。
上記上限値以下であると、安定性を向上しやすい。
(B)成分/(A)成分で表される質量比(以下、B/A比ともいう)は、0.05〜0.5であり、0.1〜0.4が好ましく、0.2〜0.3がより好ましい。
上記下限値以上であると、尿臭移り防止効果を向上しやすい。
上記上限値以下であると、尿臭除去効果を向上しやすい。
<(C)成分>
(C)成分は有機カルボン酸である。有機カルボン酸としては、カルボキシ基とヒドロキシ基を有するヒドロキシカルボン酸(クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸等)、シュウ酸、マロン酸が挙げられる。
(C)成分は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組合せて用いてもよい。
(C)成分がヒドロキシカルボン酸を含むことが好ましい。ヒドロキシカルボン酸の中でも、性能や供給性の観点から、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸が好ましく、クエン酸、酒石酸がさらに好ましく、クエン酸が特に好ましい。
(C)成分の含有量は、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、5質量%以上であり、5〜20質量%が好ましく、7〜12質量%がより好ましい。
上記下限値以上であると、尿臭除去効果を向上しやすい。
上記上限値以下であると、安定性を向上しやすい。
(A)成分/(C)成分で表される質量比(以下、A/C比ともいう)は、1.0以上が好ましく、1.0〜5.0がより好ましく、2.0〜4.0がさらに好ましい。
上記下限値以上であると、尿臭除去性能を向上しやすい。
上記上限値以下であると、安定性を向上しやすい。
(B)成分/(C)成分で表される質量比(以下、B/C比ともいう)は、0.2以上が好ましく、0.2〜1.2がより好ましく、0.4〜1.0がさらに好ましい。
上記下限値以上であると、尿臭移り防止性能を向上しやすい。
上記上限値以下であると、安定性を向上しやすい。
<その他の任意成分>
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、上記の成分および水以外に、液体洗浄剤に用いられている公知の成分を適宜含有させることができる。
例えば、両性界面活性剤、酸化防止剤、酵素、pH調整剤、水混和性有機溶媒、金属イオン捕捉剤、防腐剤、風合い向上剤、移染防止剤、再汚染防止剤、パール剤、ソイルリリース剤、ハイドロトロープ剤、着香剤、着色剤、乳濁剤、蛍光剤、エキス等の任意成分が挙げられる。
その他の任意成分の合計の含有量は特に限定されないが、例えば、衣料用液体洗浄剤の総質量に対し、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
酸化防止剤としては、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、ビタミンE(トコフェロール)、エリソルビン酸ナトリウム、メトキシフェノール、二酸化硫黄、コーヒー豆抽出物(クロロゲン酸)、緑茶抽出物(カテキン)、ローズマリー抽出物等が挙げられる。酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
着香剤としては、通常洗剤に配合できるものが使用でき、洗剤の香料として使用される香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等で見られ、それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、着香剤として香料組成物を配合することが好ましく、その配合量は、衣料用液体洗浄剤の総質量に対し、0.01〜2質量%、好ましくは0.05〜1質量%、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン、アンモニア等が挙げられる。これらのなかでも、液体洗浄剤の経時安定性の面から、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンが好ましく、硫酸、水酸化ナトリウムが好ましい。pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
「水混和性有機溶媒」とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶媒であり、液体洗浄剤において公知のものを使用できる。
例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等の炭素数2〜4の一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、平均分子量約200〜5000のポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜4の多価アルコール;及びエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ダイセル社製セルトールEDGAC(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)等のグリコールエーテル系溶剤が挙げられる。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、25℃におけるpHが7未満であり、2〜6が好ましく、3〜5がより好ましい。pHがこのような範囲にあると、尿臭除去効果を向上しやすくなる。
衣料用液体洗浄剤組成物のpHは、必要に応じて、pH調整剤を添加することにより調整できる。
なお、本明細書において、pHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)により測定される値を意味する。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物の各成分の含有量の合計は、100質量%を超えない。
<製造方法>
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、従来公知の液体洗浄剤の製造方法に準じて製造することができる。例えば、分散媒である水の一部に、pH調整剤を除く各成分を加えて混合した後、pH調整剤を添加して任意のpHに調整した後、水の残部を加えて全体量を100質量%として、衣料用液体洗浄剤組成物とする。
<使用方法>
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物の使用方法としては、例えば、衣料用液体洗浄剤組成物を単独で、又は公知の漂白剤や柔軟剤と共に水に入れて洗浄液とし、この洗浄液に被洗物を入れ洗濯機で洗浄する方法、洗浄液に被洗物を一定時間漬け置きした後、その後、洗濯機で洗浄する方法等が挙げられる。
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、高齢者や要介護者の衣料(以下、介護用品ともいう)を洗浄するために好ましく用いられる。また発明の衣料用液体洗浄剤組成物は、高齢者や要介護者の衣料の洗浄に限定されるものでなく、尿汚れのある衣類、例えば軽失禁による尿汚れ衣類、乳幼児の尿汚れ衣類、またはペットの尿汚れ衣類やマット等にも好適に用いることができる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
表2及び3に示す組成に従い各成分を混合し、pH調整剤を加えてpHが表2及び3に示す値となるよう調製して各組成物を得た。
表中の配合量の単位は「質量%」であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
表中の空欄はその成分が配合されていないことを示す。
「バランス」は、各例の組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように水が配合されていることを意味する。
以下に、表中に示した成分について説明する。
<(A)成分>
・a−1:ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エーテル(EOの平均付加モル数15)、商品名「LMAO−90」、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製。式(a−1)中、R12=炭素数12〜14のアルキル基、X=O、s=15、t=0、R13=H。
・a−2:ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エーテル(EOの平均付加モル数9)、商品名「レオックスCL−90」、ライオン株式会社製。式(a−1)中、R12=炭素数12〜14のアルキル基、X=O、s=9、t=0、R13=H。
<(B)成分>
・b−1:LAS、炭素数10〜14のアルキル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸、商品名「ライポン(登録商標)LH−200」、ライオン株式会社製。
<(C)成分>
・c−1:クエン酸、商品名「くえん酸」、関東化学株式会社製。
・c−2:L(+)−酒石酸、商品名「L(+)−Tartaric Acid」、和光純薬社製。
・c−3:乳酸、商品名「PURAC HS50」、コービオンジャパン株式会社製。
<任意成分>
・PEG:ポリエチレングリコール、商品名「PEG#1000−60L」、ライオン株式会社製。
・安息香酸ナトリウム:商品名「安息香酸ナトリウム」、東亜合成株式会社製。
・BHT:商品名「SUMILZER BHT−R」、住友化学株式会社製。
・香料:表1の香料組成物。
・pH調整剤(NaOH):鶴見曹達(株)製、商品名:水酸化ナトリウム。
・pH調整剤(硫酸):和光純薬工業(株)製、商品名:硫酸。
・水。
<尿臭除去効果の評価>
(1)尿臭を有する衣料の調製
要介護者のいる10家庭から、綿パジャマの下穿きを尿モレ後に回収した。回収対象は、1年以上使用しており、尿モレ頻度が3回以上/週、かつ普段洗濯をしても尿臭が落ちていないものとした。回収後パネラーが下記(3)の官能評価に従い、臭気強度0点もしくは1点を選定した上で、さらに、p−クレゾール量が多い衣類に特長的な「重く独特で重く陰鬱なニオイ」がする衣類4家庭分を選定した。これを一辺が4cmの正方形に裁断し、試験布とした。
(2)組成物による洗浄
この試験布について下記のように洗浄試験を行った。洗浄試験器として、Terg−O−tometer(UNITED STATES TESTING社製)を用いた。洗浄液としては、水900mLに表2および3の衣料用液体洗浄剤組成物が833ppmになるように加え、30秒間撹拌して調製した洗浄液を用いた。前記洗浄試験器に、前記洗浄液900mLと、前記試験布5枚と、洗浄メリヤス布とを投入し、浴比20倍に合わせて、120rpm、15℃で20分間洗浄した。次に、二槽式洗濯機(三菱電機社製:製品名CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4゜DH)30L中で3分間濯ぎ、再度1分間脱水した。
(3)尿臭の官能評価
各パネラーが、1家庭分の試験布5枚を1組として、4組の臭いを嗅いで、下記の評価基準に基づいて臭気強度を6段階で評価し、各パネラー毎に4組の臭気強度の平均点を算出する方法で行った。臭気強度の点数が高いほど臭気が弱いことを表す。また官能評価の平均点(6名の平均点)に基づいて、下記の基準で尿臭除去効果を評価した。
(臭気強度の評価)
5点:異臭が全くしない。
4点:尿臭がやっと感知できる程度に感じられる。
3点:尿臭が弱く感じられる。
2点:尿臭がやや強く感じられる。
1点:尿臭が強く感じられる。
0点:尿臭が強烈に感じられる。
(評価基準)
◎:官能評価の平均点が3.0以上。
○:官能評価の平均点が2.5〜2.9。
△:官能評価の平均点が2.0〜2.4。
×:官能評価の平均点が1.9以下。
<尿臭移り防止効果の評価>
(1)尿臭を有する衣料の調製
要介護者のいる10家庭から、綿パジャマの下穿きを尿モレ後に回収した。回収対象は、1年以上使用しており、尿モレ頻度が3回以上/週、かつ普段洗濯をしても尿臭が落ちていない衣類とした。回収後パネラーが下記(3)の官能評価に従い、臭気強度0点もしくは1点を選定した上で、さらに、p−クレゾール量が多い衣類に特長的な「重く独特で重く陰鬱なニオイ」がする衣類4家庭分を選定した。これを一辺が4cmの正方形に裁断し、試験布とした。
(2)組成物による洗浄
この試験布について下記のように洗浄試験を行った。洗浄試験器として、Terg−O−tometer(UNITED STATES TESTING社製)を用いた。洗浄液としては、水900mLに表2および3の衣料用液体洗浄剤組成物が833ppmになるように加え、30秒間撹拌して調製した洗浄液を用いた。前記洗浄試験器に、前記洗浄液900mLと、前記試験布5枚と、湿式人工汚染布(財団法人洗濯科学協会製)5枚と、湿式人工汚染布(商品名「EMPA116」、EMPA製)5枚と、尿臭移り評価布として綿肌シャツ(LLサイズ、B.V.D.社製)を一辺が4cmの正方形に裁断したものを5枚と、洗浄メリヤス布とを投入し、浴比20倍に合わせて、120rpm、15℃で20分間洗浄した。次に、二槽式洗濯機(三菱電機社製:製品名CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4゜DH)30L中で3分間濯ぎ、再度1分間脱水した。
(3)尿臭移りの官能評価
各パネラーが、1家庭分の尿臭移り評価布5枚を1組として、4組の臭いを嗅いで、下記の評価基準に基づいて臭気強度を6段階で評価し、各パネラー毎に4組の臭気強度の平均点を算出する方法で行った。臭気強度の点数が高いほど臭気が弱いことを表す。また官能評価の平均点(6名の平均点)に基づいて、下記の基準で消臭効果を評価した。
(臭気強度の評価)
5点:異臭が全くしない。
4点:異臭がやっと感知できる程度に感じられる。
3点:異臭が弱く感じられる。
2点:異臭がやや強く感じられる。
1点:異臭が強く感じられる。
0点:異臭が強烈に感じられる。
(評価基準)
○:官能評価の平均点が4.0以上。
△:官能評価の平均点が3.0〜3.9。
×:官能評価の平均点が2.9以下。
<安定性の評価>
衣料用液体洗浄剤組成物100mLを透明のガラス瓶(広口規格びんPS−NO.11)に取り、蓋を閉めて密封した。この状態で室温(25℃)にて1ヵ月放置し、これを室温保存サンプルとした。別途、液体洗浄剤組成物100mLを透明のガラス瓶に取り、蓋を閉めて密封した。この状態で50℃の恒温槽中に置いて1ヶ月保存した。その後、恒温槽から取り出し、室温(25℃)にて1時間放置した。放置後の内容物の液外観を目視にて観察し、下記基準にて安定性を評価した。
(評価基準)
○:室温放置後及び50℃保存後サンプルのどちらも外観は透明均一である。
△:室温放置後サンプルは透明均一であるが、50℃保存後サンプルは沈殿及び/又は液分離が認められる。
×:室温放置後及び50℃保存後サンプルのどちらも沈殿及び/又は液分離が認められる。
Figure 2019099682
Figure 2019099682
Figure 2019099682
表2〜3の結果から、本発明を適用した実施例1〜15は、尿臭除去効果、尿臭移り防止効果、及び安定性のいずれにおいても優れていた。
(A)成分を含まない比較例1は、尿臭除去効果において劣っていた。
(B)成分の含有量が2.5質量%未満である比較例2は、尿臭移り防止効果において劣っていた。
A+Bが12質量%未満である比較例3は、尿臭除去効果、及び尿臭移り防止効果において劣っていた。
B/Aが0.5超である比較例4は、尿臭除去効果において劣っていた。
(C)成分を含まない比較例5は、尿臭除去効果、及び尿臭移り防止効果において劣っていた。
(C)成分の含有量が5質量%未満である比較例6は、尿臭除去性能において劣っていた。
pHが7である比較例7は、尿臭除去効果、及び安定性において劣っていた。

Claims (1)

  1. (A)成分:ノニオン界面活性剤、(B)成分:アニオン界面活性剤、及び(C)成分:有機カルボン酸を含有し、
    前記(B)成分の含有量が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、2.5質量%以上であり、
    前記(C)成分の含有量が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、5質量%以上であり、
    前記(A)成分の含有量と前記(B)成分の含有量との合計が、衣料用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、12質量%以上であり、
    (B)成分/(A)成分で表される質量比が0.05〜0.5であり、
    25℃におけるpHが7未満である、衣料用液体洗浄剤組成物。
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