JP2011236517A - 衣料の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 分子内の炭化水素基に不飽和基を有する柔軟剤を衣料に対して多量に使用し、太陽光の下で乾燥を行う場合にも、衣料の着色(黄色に着色)を抑制し得る衣料の処理方法の提供。
【解決手段】 分子内の炭化水素基に不飽和基を有する衣料用柔軟基剤(A)が付着した衣料に、衣料上で加水分解することによりオイゲノール、イソオイゲノール、カルバクロール、チモール、オルシノールモノメチルエーテル及びプロペニルグアエトールから選ばれる1種以上の芳香族アルコール(B)を発生させる化合物(B’)を噴霧し付着させる、衣料の着色を抑制する衣料の処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は衣料の着色を抑制する衣料の処理方法および組成物に関する。
一般的に、衣料用柔軟基剤としては、炭素数12以上の炭化水素基を分子内に少なくとも1つ以上有する第3級アミン、その酸塩、及びその4級化物から選ばれる化合物が用いられており、分子内の炭化水素基に不飽和結合を有する柔軟基剤を用いた柔軟剤の技術も多数知られている(特許文献1)。また、オイゲノールやカルバクロール、チモールなどの香料成分を含有する消臭剤の技術(特許文献2)、香料前駆体を含有する繊維製品処理剤の技術も知られている(特許文献3)。
特開2006−161229号公報 特開2009−263812号公報 特開昭54−59498号公報
一般的な衣料用柔軟基剤は、衣料に対する処理量が少ないと、衣料に十分な柔らかさをもたらすことができない。また大量に処理すると、衣料の吸水性を低下させることがある。これらを鑑み、衣料用柔軟剤の販売者は、衣料の質量に応じて柔軟剤の推奨使用量を設定している。
しかしながら、衣料が柔らかく仕上がらないことに対する不安感から、使用者は柔軟剤を常に過多に使用する傾向がある。一方、就学や就職等により家族との同居の生活から、一人暮らしの生活を始めるなど、生活スタイルの変化等の要因で、洗濯物の量が少なくなっている場合があるが、それにもかかわらず、柔軟剤の使用量を減らすことなく従来通り使用すると、販売者が推奨する使用量を遙かに超えた量の柔軟剤で衣料を処理することとなる。
分子内の炭化水素基に不飽和結合を有する柔軟基剤を用いる上記特許文献2記載の柔軟剤によれば、多量に柔軟剤を使用した場合にも衣料の吸水性低下の問題は軽減される。しかし、多量の柔軟剤で処理された衣料を太陽光の下で乾燥させた場合、又は多量の柔軟剤で処理された衣料を着用し長時間、太陽光にさらされた場合には、しばしば衣料が着色(黄色に着色)する問題のあることを見出した。とりわけ、分子内の炭化水素基に不飽和結合を有する柔軟剤で処理された、白色の衣料に関し着色が起こりやすいことを見出した。
従って本発明の課題は、柔軟基剤(とりわけ、分子内の炭化水素基に不飽和結合を有する柔軟基剤)を含有する柔軟剤を衣料に対して多量に使用し、太陽光の下で乾燥を行う場合、又は多量の柔軟剤で処理された衣料を着用し長時間、太陽光にさらされた場合にも、衣料の着色を抑制し得る衣料の処理方法を提供することにある。
上記特許文献1及び特許文献2に記載されるように、オイゲノールやカルバクロール、チモールなどは、柔軟剤組成物や消臭剤に用いられる香料成分として公知ではある。しかし、これらは多種の香料成分から成る香料組成物の一成分として使用されるものにすぎず、衣料に付着させても乾燥途中や着用中に速やかに衣料から蒸発/揮散するものであった。即ち、継続的及び/又は断続的にこれら特定の香料成分を衣料に接触させる技術は記載がなく、ましてや、これら特定の成分が、衣料の着色を抑制するという特別な効果を示すことに関しては何ら示唆がなかった。
さらに上記特許文献3に記載されるように、香料前駆体(加水分解することで香料を持続的に発生する化合物)を柔軟剤組成物などに応用することも知られているが、特定の化合物が衣料の着色を抑制し得るという特別な効果を示すことに関しては、やはり示唆を与えるものではなかった。
本出願人は、分子内の炭化水素基に不飽和結合を有する柔軟基剤が多量に付着した衣料に、衣料上で加水分解することによりオイゲノールやカルバクロール、チモールなどの特定の芳香族アルコール化合物を発生させる化合物を噴霧させて付着させることにより、該衣料を太陽光の下で乾燥させる場合や該衣料を着用し太陽光の下で長時間さらされる場合にも衣料の着色を抑制し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、一般式(1)で表される第3級アミン、その酸塩及びその4級化物から選ばれる1種以上の衣料用柔軟基剤(A)が付着した衣料に、衣料上で加水分解することによりオイゲノール、イソオイゲノール、カルバクロール、チモール、オルシノールモノメチルエーテル及びプロペニルグアエトールから選ばれる1種以上の芳香族アルコール(B)を発生させる化合物(B’)を噴霧し付着させる、衣料の着色を抑制する衣料の処理方法を提供する。
Figure 2011236517
〔式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、式R−A−R−で表される総炭素数12〜29の炭化水素基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜3のアルキル基であるが、R、R及びRのうち少なくとも1つは式R−A−R−で表される総炭素数12〜29の炭化水素基である(ここで、Rは飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、Aはエステル基又はアミド基、Rは炭素数1〜3のアルキレン基である)。但し、衣料用柔軟基剤(A)中、全Rの不飽和脂肪族炭化水素基/飽和脂肪族炭化水素基(質量比)は100/0〜20/80である。〕
本発明はまた、衣料上で加水分解することによりオイゲノール、イソオイゲノール、カルバクロール、チモール、オルシノールモノメチルエーテル及びプロペニルグアエトールから選ばれる1種以上の芳香族アルコール(B)を発生させる化合物(B’)を0.1〜10質量%含有し、更に水と、有機溶剤(C)及び/又は界面活性剤(D)から実質的になる、衣料の着色抑制用組成物を提供する。ここで、「実質的に」とは本発明の効果を損なわない限りにおいて、その他の成分を含んでいても良いことを表す。
本発明によれば、分子内の炭化水素基に不飽和基を特定量含有する柔軟基剤を含有する柔軟剤を、衣料に対して多量に使用し、太陽光の下で乾燥を行う場合にも、衣料の着色(黄色に着色)を抑制することができる。
<衣料用柔軟基剤(A)>
本発明に用いる衣料用柔軟基剤(A)〔以下、単に(A)成分ともいう〕は、一般式(1)で表される第3級アミン、その酸塩及びその4級化物から選ばれる1種以上の化合物である。
Figure 2011236517
〔式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、式R−A−R−で表される総炭素数12〜29の炭化水素基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基又は炭素数1〜3のアルキル基であるが、R、R及びRのうち少なくとも1つは式R−A−R−で表される総炭素数12〜29の炭化水素基である(ここで、Rは飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、Aはエステル基又はアミド基、Rは炭素数1〜3のアルキレン基である)。但し、衣料用柔軟基剤(A)中、全Rの不飽和脂肪族炭化水素基/飽和脂肪族炭化水素基(質量比)は100/0〜20/80である。〕
(B)成分による着色抑制効果をより享受できる観点から、(A)成分中の全Rに関し、不飽和脂肪族炭化水素基と飽和脂肪族炭化水素基の質量比が100/0〜30/70であることが好ましく、100/0〜40/60にて含有することがより好ましく、100/0〜60/40にて含有することが最も好ましい。また、(A)成分中の全Rに関し、不飽和結合を2個以上有する不飽和脂肪族炭化水素基を全R中の6〜30質量%、好ましくは10〜25質量%含有することが好ましい。(B)成分による着色抑制効果をより享受できる観点から、Aはエステル基又はアミド基であるが、好ましくは−CONH−又は−COO−であることが好適である。
本願において、全R中の不飽和脂肪族炭化水素基と飽和脂肪族炭化水素基の割合は、(A)成分を製造する際の原料の一つである下記記載の脂肪酸、若しくは脂肪酸低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜3)エステルの組成をガスクロマトグラフィーで分析して算出することができる。また、もう一方で、既に存在する(A)成分の場合は、(A)成分を加水分解して得られる脂肪酸をメチルエステル化した化合物をガスクロマトグラフィーで分析して算出することができる。
一般式(1)で表される化合物は、例えば下記一般式(2)で表されるアミン化合物(a1)と、炭素数12〜26の脂肪酸又はその低級アルキル(アルキル基炭素数1〜3)エステル(a2)とのエステル化反応、アミド化反応又はエステル交換反応により得ることができる。また、後述するように、その酸塩は、無機酸又は有機酸を用いてさらに中和反応させることにより、また、その4級化物は、アルキル化剤を用いてさらに4級化反応させることにより得ることができる。
Figure 2011236517
〔式中、X、Y、Zはそれぞれ独立に水素、ヒドロキシ基、1級アミノ基及び2級アミノ基から選ばれる基であり、X、Y、Zの少なくとも一つはヒドロキシ基から選ばれる基である。R、R、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基、又はプロピレン基である。〕
一般式(2)で表される化合物の好ましい具体例としては、特に制限されるものではないが、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−アミノプロピル)アミン、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、N,N−ジメチル−N−(3−アミノプロピル)アミン等が挙げられる。
(A)成分の製造に用いられる上記(a2)成分の具体例としては、特に制限されるものではないが、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸又はその低級アルキルエステル;ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸又はその低級アルキルエステル;牛脂、豚脂、パーム油、大豆油、ナタネ油、サフラワー油、ヒマワリ油、オリーブ油等の天然油脂を分解・精製して得られる脂肪酸又はその低級アルキルエステル(好ましくはメチルエステル又はエチルエステル);並びにこれらの硬化脂肪酸、部分硬化脂肪酸又はそれらの低級アルキルエステル(好ましくはメチルエステル又はエチルエステル)等を挙げることができる。
また、一般式(1)で表される第3級アミンを無機酸又は有機酸で中和することで酸塩を得ることができる。無機酸の具体例としては、塩酸又は硫酸等が挙げられ、有機酸の具体例としては、グリコール酸、安息香酸又はサリチル酸等の炭素数2〜8のモノカルボン酸、クエン酸又はマレイン酸等の炭素数3〜10の多価カルボン酸等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の4級化に用いられるアルキル化剤としては、メチルクロリド等のハロゲン化アルキル。ジメチル硫酸又はジエチル硫酸等のジアルキル硫酸が挙げられる。
<加水分解により芳香族アルコール(B)を発生する化合物(B’)>
本発明で用いる、加水分解することによりオイゲノール、イソオイゲノール、カルバクロール、チモール、オルシノールモノメチルエーテル及びプロペニルグアエトール(2−エトキシ−5−プロペニル−フェノール;CAS No. 94-86-0)から選ばれる1種以上の芳香族アルコール(B)を発生する化合物(B’)〔以下、単に(B’)成分ともいう〕としては、例えば、特開2009−149883号公報及び特開平10−95752号公報に記載されているエステル化合物を用いることができる。
衣料用柔軟基剤(A)が付着した衣料に(B’)成分を噴霧し付着させることで、(A)成分の近傍で(B’)成分が加水分解して芳香族アルコール(B)を継続的に衣料に接触させることができるため、効率良く本発明の効果を享受できる。
(B’)成分としては、下記一般式(3)で表されるケイ酸エステルを用いることが好適である。
Figure 2011236517
〔式中、Xは−OH、−R(Rは置換基としてフェニル基、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数1〜22の炭化水素基)、−OR10(R10は前記(B)成分からヒドロキシ基を一つ除いた残基)、又は−OR11(R11は炭素数1〜7の炭化水素基)、YはX又は−OSi(X)、nは平均値を示す0〜15の数である。複数個のX及びYは同一でも異なっていても良いが、一分子中に−OR10を少なくとも1つ有する。〕
は、好ましくは置換基としてフェニル基、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数1〜12の炭化水素基、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
10は、衣料の着色を抑制する観点から、好ましくはオイゲノール、イソオイゲノール及びプロペニルグアエトールからヒドロキシ基を一つ除いた残基、より好ましくは芳香族炭化水素基と共役可能な二重結合を有する置換基を分子内に有するイソオイゲノール及びプロペニルグアエトールからヒドロキシ基を一つ除いた残基、更に好ましくはイソオイゲノールからヒドロキシ基を一つ除いた残基である。
11としては、好ましくはメチル基、エチル基、フェニル基、又はベンジル基等が挙げられる。
一般式(3)において、全てのX及びYのうち少なくとも1つ以上が−OR10であれば本発明の効果を享受することが可能である。衣料の着色を抑制する効果の観点から、X及びYのうち一つが−Rであり、残りが−OR10であるケイ酸エステル、又は全てのX及びYが−OR10であるケイ酸エステルが特に好ましい。
nは、衣料の着色を抑制する効果の観点から、0〜5が好ましく、0がより好ましい。
一般式(3)で表されるケイ酸エステルは、特開昭54−59498号公報や特表2003−526644号公報などに記載されている方法で入手することができる。
[衣料の着色を抑制する衣料の処理方法]
本発明では、衣料用柔軟基剤(A)が付着した衣料に、上記化合物(B’)を噴霧し付着させることで、衣料の着色を抑制することができる。
<衣料用柔軟基剤(A)の衣料への付着>
衣料用柔軟基剤(A)は、衣料用柔軟基剤(A)を含有する柔軟剤組成物を用いて衣料を処理することで衣料に付着する。かかる処理の手順自体は本発明にとって重要ではないが、例えば、一般家庭における洗濯工程では、市販の衣料用洗剤で衣料を洗浄した後、すすぎ工程の段階で、衣料用柔軟基剤(A)を含有する柔軟剤組成物がすすぎ水に添加される。
衣料用柔軟基剤(A)が衣料1kgあたり3g以上、特に5g以上付着するように使用された場合に、処理後の衣料を太陽光の下で乾燥させると、しばしば着色(黄色に着色)の問題を呈し、審美的に好ましくない。
<化合物(B’)を衣料に噴霧し付着させる方法>
本発明の効果を十分に得る観点から、衣料用柔軟基剤(A)が付着した衣料を太陽光に暴露する前及び/又は暴露している間に、化合物(B’)を衣料に噴霧し付着させることが好適である。
具体的には、化合物(B’)と、有機溶剤(C)及び/又は界面活性剤(D)を含有する組成物(後述する着色抑制用組成物を参照)を、市販のトリガー式スプレーヤーなどの噴霧器を用いて、衣料に噴霧する方法を挙げることができる。
衣料への噴霧量は、衣料の着色(黄色に着色)を抑制する観点から、衣料1kgあたり、化合物(B’)が好ましくは0.03〜10g、より好ましくは0.08〜5gになる量が好適であり、また、衣料に付着している(A)成分に対する(B’)成分の質量比(即ち、(B’)/(A)質量比)が好ましくは1/100〜1/1、より好ましくは1/70〜1/2となる量が好適である。
また、着色抑制用の組成物を衣料に噴霧した直後、又は衣料に付着した組成物中の有機溶剤(C)及び/又は水が衣料から揮散した直後は、衣料上の(B’)成分の加水分解の程度が低い。衣料近傍の(B)成分の存在量を増加させ、噴霧直後から、より高い着色抑制効果を得る観点から、(B’)成分と共に(B)成分も衣料に噴霧し付着させることが好ましい。衣料に噴霧し付着させる際の(B’)成分と(B)成分の質量比(即ち、(B’)成分/(B)成分)は好ましくは95/5〜30/70であり、より好ましくは85/15〜50/50である。
[衣料の着色抑制用組成物]
本発明に係る衣料の処理方法においては、化合物(B’)を効果的に衣料に付着させて、柔軟基剤(A)に起因する衣料の着色(黄色に着色)を抑制する観点から、以下の着色抑制用組成物を用いることが好適である。
本発明において用いる衣料の着色抑制用組成物は、化合物(B’)を0.1〜10質量%の量にて含有し、更に水と、有機溶剤(C)及び/又は界面活性剤(D)から実質的になる。ここで、「実質的に」とは本発明の効果を損なわない限りにおいて、その他の成分を含んでいても良いことを表す。
(B’)成分はそれ自身で水に乳化、分散又は可溶化しにくい性質を有している。(B’)成分を衣料に均一に付着させて(B’)成分の作用効果を十分に得る観点から、本願の着色抑制用組成物は、(B’)成分を乳化、分散又は可溶化させ得る有機溶剤(C)及び/又は界面活性剤(D)を含有する。
有機溶剤(C)〔以下、単に(C)成分ともいう〕としては、炭素数2又は3の鎖状の1価アルコール、炭素数2〜10の多価アルコール、分子内に芳香族炭化水素基を有するアルコール、炭素数2〜8のジオールのアルキル(炭素数1〜6)エーテル誘導体、及び炭素数4〜10の炭化水素基を有するグリセリルエーテルから選ばれる1種以上が好適である。
炭素数2又は3の鎖状の1価アルコールの好適な例としては、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
炭素数2〜10の多価アルコールの好適な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール等の糖アルコール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、及び2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等が挙げられる。
分子内に芳香族炭化水素基を有するアルコールの好適な例としては、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
炭素数2〜8のジオールのアルキル(炭素数1〜6)エーテル誘導体の好適な例としては、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、及びジエチレングリコールモノ−2−メチルプロピルエーテル等が挙げられる。
炭素数4〜10の炭化水素基を有するグリセリルエーテルの好適な例としては、ペンチルグリセリルエーテル、ヘキシルグリセリルエーテル、及びオクチルグリセリルエーテル等が挙げられる。
中でも、炭素数2又は3の鎖状の1価アルコール、炭素数2〜10の多価アルコール、分子内に芳香族炭化水素基を有するアルコール、又は炭素数2〜8のジオールのアルキル(炭素数1〜6)エーテル誘導体が好ましく、前記(A)成分と(B’)成分との相溶性を高くし、本願記載の効果をより享受できる点で、エタノール、プロピレングリゴール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、又はトリエチレングリコールモノフェニルエーテルがより好ましい。
界面活性剤(D)〔以下、単に(D)成分ともいう〕としては、例えば「界面活性剤入門」(三洋化成工業株式会社発行、第1刷:2007年6月11日)に記載されている化合物種から適宜選択することができる。
界面活性剤(D)としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤から選ばれる1種以上を用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、(i)アルキルベンゼンスルホン酸塩、(ii)アルキル硫酸エステル塩、(iii)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、(iv)α−オレフィンスルホン酸塩、(v)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、(vi)脂肪酸塩等が挙げられる。なお、ここでは便宜上「アルキル」という用語を用いているが、これは、アルキル基(即ち、飽和脂肪族炭化水素基)のみでなく、広義の「炭化水素基」を意味するものである。その炭素数は好ましくは8〜18、より好ましくは10〜16である。
カチオン性界面活性剤としては、炭素数10〜18のアルキル基等の炭化水素基を分子内に1〜2個有する第1級〜第3級アミン塩型界面活性剤及び第4級アンモニウム塩型界面活性剤が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤、炭素数10〜18のアルキル基等の炭化水素基を有するカルボベタイン型又はスルホベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、炭素数2〜3のオキシアルキレン基を分子内に10〜100モル有し且つ炭素数8〜20の炭化水素基を有する非イオン界面活性剤、及び炭素数8〜20の炭化水素基を有するアミンオキシドが挙げられる。
中でも、衣料用柔軟基剤(A)が多量に付着した衣料への化合物(B’)の浸透性を高め、衣料の着色抑制効果を更に高める観点から、非イオン界面活性剤が好ましく、炭素数8〜20の炭化水素基を有するアミンオキシドがより好ましい。
分散媒としての水は、市水又は市水をイオン交換して得られるイオン交換水を用いることができる。
着色抑制用組成物中の(B’)成分の含有量は、0.1〜10質量%であり、好ましくは0.1〜8質量%、より好ましくは0.2〜5質量%である。(B’)成分の含有量が0.1質量%以上であると、衣料に付着させる着色抑制用組成物の量(ひいては水の量)を抑えることができ、(B’)成分が衣料上で加水分解することにより生じた(B)成分が水と共に蒸散することを軽減させることができるため、本発明の効果を奏する上で好ましい。また、(B’)成分の含有量が10質量%以下であると、(B’)成分を均一に衣料に付着させることができるため、本発明の効果を奏する上で好ましい。
着色抑制用組成物中の有機溶剤(C)及び/又は界面活性剤(D)の含有量は、(B’)成分を組成物中に乳化、分散又は可溶化させ得る限り、特に限定されるものではないが、有機溶剤(C)の含有量は好ましくは0.1〜70質量%、より好ましくは1〜60質量%であることが好適であり、界面活性剤(D)の含有量は好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.02〜25質量%であることが好適である。
界面活性剤(D)は、(B’)成分に対し、(B’)/(D)の質量比が好ましくは50/1〜1/10、より好ましくは40/1〜1/5、更に好ましくは20/1〜1/1となる量にて含有することが好適である。
着色抑制用組成物はまた、衣料への噴霧直後から、高い着色抑制効果を実現する観点から、更に上記芳香族アルコール(B)を含有することが好ましい。着色抑制用組成物中の(B)成分の含有量は、(B’)成分/(B)成分の質量比が好ましくは95/5〜30/70、より好ましくは85/15〜50/50となる量であることが好適である。
着色抑制用組成物はまた、本発明の効果に影響を与えない限り、消泡シリコーン、酸化防止剤、防腐剤等の衣料処理剤に通常含まれる成分を含有することができる。但し、上記の柔軟基剤(A)のように、分子内の炭化水素基に不飽和基を有する柔軟基剤を含有することは、本発明の効果に悪影響を及ぼすため好ましくない。
本発明の着色抑制用組成物のpHは、3〜8であることが好ましい。pHは、JIS Z8802に準拠した測定方法を用いて、着色抑制用組成物そのものを20℃で測定した値である。本願実施例に記載したpHは、株式会社堀場製作所製のpHメータ「D−52S」(pH電極:6367−10D)を用いて測定した。pHを調整する剤としては、無機酸(例えば塩酸、硫酸等の鉱酸)、有機酸(例えば炭素数2〜6の1価〜3価のカルボン酸、好ましくはグリコール酸、乳酸、又はクエン酸等)、無機塩基(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、又は有機塩基(例えば炭素数2〜10のアルカノールアミン、好ましくはトリエタノールアミン、モノエタノールアミン等)が挙げられる。
実施例及び比較例で用いた各配合成分をまとめて以下に示す。
<(A)成分>
(A−1):下記合成例1で得られた衣料用柔軟基剤
(A−2):下記合成例2で得られた衣料用柔軟基剤
<(a’)成分:(A)成分の比較化合物>
(a’−1):下記合成例3で得られた衣料用柔軟基剤
<(B’)成分>
(B’−1):下記合成例4で得られた加水分解によりイソオイゲノールを発生するケイ酸エステル化合物
(B’−2):下記合成例5で得られた加水分解によりオイゲノールを発生するケイ酸エステル化合物
(B’−3):下記合成例6で得られた加水分解によりチモールを発生するケイ酸エステル化合物
(B’−4):下記合成例6で得られた加水分解によりプロペニルグアエトールを発生するケイ酸エステル化合物
<(b’)成分:(B’)成分の比較成分>
(b’−1):下記合成例7で得られた加水分解によりフェニルエチルアルコールを発生するケイ酸エステル化合物
<(B)成分>
(B−1):イソオイゲノール
(B−2):オイゲノール
(B−3):チモール
<(C)成分>
(C−1):エタノール
<(D)成分>
(D−1):ポリオキシエチレン(平均付加モル数20)モノドデシルエーテル
(D−2):N−ラウロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミンオキシド(ソフタゾリンLAO:川研ファインケミカル(株)製、30%水溶液中の有効成分)
合成例1:衣料用柔軟基剤(A−1)の合成
表1記載の原料脂肪酸1を172g(0.61モル、平均分子量282)と、トリエタノールアミン55.6g(0.37モル)を混合し、180〜185℃(760mmHg下)で3時間反応させた後、200mmHgまで減圧し、更に3時間熟成した。その後、窒素で常圧に戻し、100℃に冷却して脱水縮合物217gを得た。得られた脱水縮合物の酸価(JIS K0070準拠)は1.2mgKOH/g、全アミン価(JIS K2501準拠)は92mgKOH/gであった。次にエタノール44gを加え、70〜75℃に調温し、前記脱水縮合物のアミン価を基に、脱水縮合物のアミン当量に対して0.98当量に相当するジメチル硫酸を2.5時間かけて滴下した。滴下終了後、50〜55℃で更に3時間熟成し、目的の(A)成分を含有する化合物を得た。得られた化合物の酸価(JIS K0070準拠)を測定し、脂肪酸含有量を算出した。得られた衣料用柔軟基剤(A−1)中の(A)成分の含有量は85質量%、未反応脂肪酸の含有量は2質量%、エタノールの含有量は13質量%であった。
合成例2:衣料用柔軟基剤(A−2)の合成
表1記載の原料脂肪酸2の使用量を170g(0.61モル、平均分子量278)とした以外は前記合成例と同じ方法で合成した。得られた化合物の酸価(JIS K0070準拠)を測定し、脂肪酸含有量を算出した。得られた衣料用柔軟基剤(A−1)中の(A)成分の含有量は84質量%、未反応脂肪酸の含有量は1.8質量%、エタノールの含有量は14.2質量%であった。
合成例3:衣料用柔軟基剤(a’−1:比較化合物)の合成
表1記載の原料脂肪酸3を166g(0.61モル、平均分子量272)と、トリエタノールアミン55.6g(0.37モル)を混合し、180〜185℃(760mmHg下)で3時間反応させた後、200mmHgまで減圧し、更に3時間熟成した。その後、窒素で常圧に戻し、100℃に冷却して脱水縮合物210gを得た。得られた脱水縮合物の酸価(JIS K0070準拠)は1.2mgKOH/g、全アミン価(JIS K2501準拠)は92mgKOH/gであった。次にエタノール44gを加え、70〜75℃に調温し、前記脱水縮合物のアミン価を基に、脱水縮合物のアミン当量に対して0.98当量に相当するジメチル硫酸を2.5時間かけて滴下した。滴下終了後、60〜70℃で更に3時間熟成し、目的の(a’)成分を含有する化合物を得た。得られた化合物の酸価(JIS K0070準拠)を測定し、脂肪酸含有量を算出した。得られた衣料用柔軟基剤(a’−1)中の(a’)成分の含有量は84質量%、未反応脂肪酸の含有量は3質量%、エタノールの含有量は13質量%であった。
Figure 2011236517
合成例4:ケイ酸エステル化合物(B’−1)の合成
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン41.68g(0.20mol)、2−メトキシ−4−プロペニルフェノール(「イソオイゲノール」)118.2g(0.72mol)、2.8%ナトリウムメトキシドメタノール溶液1.85mLを入れ、窒素気流下、エタノールを留出させながら112℃〜118℃で約2時間攪拌した。2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながらさらに3時間攪拌した。3時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ケイ酸エステル化合物(B’−1)を得た。
合成例5:ケイ酸エステル化合物(B’−2)の合成
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン27.08g(0.13mol)、4−アリル−2−メトキシフェノール(「オイゲノール」)77.2g(0.47mol)、2.8%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.485mLを入れ、窒素気流下、エタノールを留出させながら110〜120℃で2時間攪拌した。2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら117〜120℃でさらに4時間攪拌した。4時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ケイ酸エステル化合物(B’−2)を得た。
合成例6:ケイ酸エステル化合物(B’−3)の合成
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン37.51g(0.18mol)、2−イソプロピル−5−メチルフェノール)(「チモール」)96.14g(0.64mol)、2.8%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.69mLを入れ、窒素気流下、エタノールを留出させながら109〜120℃で約2.5時間攪拌した。2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら約120℃でさらに4時間攪拌した。4時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ケイ酸エステル化合物(B’−3)を得た。
合成例7:ケイ酸エステル化合物(B’−4)の合成
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン37.51g(0.18mol)、2−エトキシ−5−プロペニル−フェノール(「プロペニルグアエトール」)114.07g(0.64mol)、2.8%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.671mLを入れ、窒素気流下、エタノールを留出させながら109〜120℃で約2時間攪拌した。2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら約120℃でさらに4時間攪拌した。4時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ケイ酸エステル化合物(B’−4)を得た。
合成例8:ケイ酸エステル化合物(b’−1)(比較化合物)の合成
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン41.68g(0.20mol)、2−フェニルエタノール(「フェニルエチルアルコール」)87.98g(0.72mol)、2.8%ナトリウムメトキシドメタノール溶液1.85mLを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら112℃〜118℃で約2時間攪拌した。2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながらさらに3時間攪拌した。3時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ケイ酸エステル化合物(b’−1)を得た。
<衣料用柔軟剤組成物の調製>
表2に示す成分を用い、以下に示す方法で、表2に示す組成の衣料用柔軟剤組成物(1)、(2)及び(3)(組成物(3)は比較組成物)を調製した。
300mLビーカーに、衣料用柔軟剤組成物の出来あがり質量が200gになるのに必要な量の95%相当量のイオン交換水を入れ、ウォーターバスで60℃に昇温した。一つの羽根の長さが1.5cmの攪拌羽根が3枚ついたタービン型の攪拌羽根で攪拌しながら(300r/m)、(A)成分又は(a’)成分を70℃で溶解させたものを投入した。10分間攪拌した後、所要量の塩化カルシウムの10質量%水溶液を投入し5分攪拌した。次に35%塩酸水溶液と48%水酸化ナトリウム水溶液を用いて所望のpHに調整し、出来あがり質量とするのに必要な量のイオン交換水(60℃)を添加した。その後10分間攪拌し、5℃の水を入れたウォーターバスにビーカーを移し、攪拌しながら20℃に冷却した。なお、表2に示すpHは、冷却後(20℃)のpHを記載した。
Figure 2011236517
実施例1〜7及び比較例1〜6
衣料用柔軟剤組成物(1)、(2)又は(3)を用いて、下記要領で衣料の柔軟処理を行い試験衣料を調製した後、試験衣料に付着している(A)成分又は(a’)成分の量(即ち、衣料1kgあたりの質量)を以下に示す方法で求めた。次いで、表3に示す成分を用い、以下に示す方法で、表3に示す組成の着色抑制用組成物(1)〜(9)、比較組成物(1’)、(2’)を調製した。得られた着色抑制用組成物(1)〜(4)、(8)、(9)、比較組成物(1’)又は(2’)を用いて、下記要領で試験衣料に噴霧し付着させて、色相の評価を行った(実施例1〜7、比較例1、2又は6)。なお、比較例3〜5では、柔軟処理後の衣料をそのまま色相の評価に用いた。結果を表4に示す。
<試験衣料の調製>
(1)衣料の前処理方法
あらかじめ、市販の弱アルカリ性洗剤(花王(株)製 アタック高活性バイオEX)を用いて、45×70cmの大きさに裁断した木綿メリヤス(色染社製、綿ニット未シル)24枚、及び木綿タオル(武井タオル製、TW220)24枚を各々、日立全自動洗濯機NW−6CYで一連の洗濯工程を5回繰り返した(洗剤使用量31.33g、標準コース、水量47L、水温20℃、洗浄時間10分、ため濯ぎ2回)。その後、25℃、43%RHの条件下で乾燥した。
(2)衣料の柔軟処理
National 電気バケツN-BK2-Aに、4000mLの水道水を注水し、木綿メリヤス1.0kgに対して(A)成分又は(a’)成分の投入質量が5gとなるように衣料用柔軟剤組成物(1)、(2)又は(3)を添加した(処理浴の調製)。上述の方法で前処理を行った2枚の木綿メリヤス(130g)を処理浴に入れ、3分間攪拌し処理した。処理した木綿メリヤスを前記全自動洗濯機で脱水工程のみを5分間行った。
<試験衣料に付着した(A)成分量又は(a’)成分量の算出>
上記の「(2)衣料の柔軟処理」にて3分間攪拌し処理した後の液を、400メッシュのステンレス金網でろ過し、ろ液2000mLを凍結乾燥機で凍結乾燥した。凍結乾燥した固形物をイオン交換水に分散させた(サンプルAとする。分散後の質量は20g)。このサンプルA中に含まれる衣料用柔軟基剤(A)の含有量を、当分野で慣用される陽イオン界面活性剤分析法であるメチレンブルー法(「界面活性剤分析法」界面活性剤分析研究会編、昭和50年10月1日、株式会社 幸書房発行)を用いて分析した。ここで、量の算出は衣料用柔軟基剤(A)を用いた検量線を予め用意し、かかる検量線から算出した。試験衣料に付着している衣料用柔軟基剤(A)の量は、サンプルA中に含まれる衣料用柔軟基剤(A)の含有量を用いて以下の式で算出した。結果を表4に示す。
なお、(a’)成分量も同様にして算出した(比較例5及び6;即ち、上記方法及び下記式において「A」を「a’」と置き換えて算出)。
衣料1kgあたりの衣料用柔軟基剤(A)の付着量(g)=[(X)−(Y)]×1000/130
[式中、
(X):衣料用柔軟基剤(A)の投入質量(g);
(Y):衣料に付着せずに水に残留した衣料用柔軟基剤(A)の質量(g);
ここで、(Y)は、サンプルA中の衣料用柔軟基剤(A)の質量(g)を(X’)とすると、(Y)=(X’)×(4000/2000)で算出される。]
<着色抑制用組成物の調製>
・着色抑制用組成物(1)〜(9)の調製
300mLのガラス製ビーカーに表3に示す(B’)成分を各2g投入し、(C)成分として95度合成エタノールをエタノール有効分が40質量%となるように投入した。必要に応じて(D)成分を投入した。次いで、組成物質量が200gとなるようにイオン交換水を投入した後、組成物温度を25℃に維持しつつ、一つの羽根の長さが1.5cmの攪拌羽根が3枚ついたタービン型の攪拌羽根で5分攪拌した(200r/min)。組成物のpHは、50質量%クエン酸水溶液及び10質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH5に調整した。
・比較組成物(1’)又は(2’)の調製
比較組成物(1’)は、(B’)成分を使用しなかった以外は、上記の組成物(1)〜(9)と同様の手順で調製した。また、比較組成物(2’)は、(B’)成分に代えて(b’)成分を使用した以外は、上記の組成物(1)〜(9)と同様の手順で調製した。
Figure 2011236517
<試験衣料への(B’)成分の付着>
脱水後の試験衣料を20cm×20cmの大きさに切り取り、かかる試験衣料片に、表3に示す着色抑制用組成物((B’)成分濃度1.0質量%)を、トリガー容器にて、試験衣料片50gあたり1.0gの量にて均一に噴霧し付着させた(衣料1kgあたり0.2gの(B’)成分が付着)。
<色相評価方法>
(B’)成分の噴霧処理後、試験衣料片をキセノンウェザーメーター(スガ試験機(株)製)内に取り付け、光暴露を行った。2MJ/m照射直後の試験衣料片の着色(黄色)の度合いを、JIS L 0805(2005)汚染用グレースケールを用いて目視で観察し、5人のパネラー(30代男性10人)により下記基準で判定し、平均点を求めた。対照衣料には、光照射を行わなず、暗所で保管した木綿メリヤスを使用した。評価は、対照の木綿メリヤス(白色)と光照射後の試験衣料片の色の差と、汚染用グレースケールの色の差を比較し、同程度の色の差の汚染用グレースケールに対応する評価点を付けた。評価点の平均値が3.0以下を合格とする。
評価基準:
1:汚染用グレースケール 5級に相当(着色なし)
2:汚染用グレースケール 5級と4級−5級の間に相当
3:汚染用グレースケール 4級−5級に相当
4:汚染用グレースケール 4級−5級と4級の間に相当
5:汚染用グレースケール 4級に相当
Figure 2011236517
実施例8〜11及び比較例7〜9
上記実施例1〜7及び比較例1〜6の「(2)衣料の柔軟処理」において、衣料用柔軟剤組成物の使用量を変え、木綿メリヤス1kgあたり衣料用柔軟基剤(A)が12g付着した試験衣料を用いた以外は、実施例1〜7及び比較例1〜6と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
実施例12〜14
上記実施例1〜7及び比較例1〜6の「(2)衣料の柔軟処理」において、衣料用柔軟剤組成物の使用量を変え、木綿メリヤス1kgあたり衣料用柔軟基剤(A)が12g付着した試験衣料を用い、表3に記載の着色抑制用組成物の試験衣料への付着量を変え、(B’)成分を試験衣料1kgあたり、0.7g付着させた試験衣料(実施例12)、0.15g付着させた試験衣料(実施例13)又は14.4g付着させた試験衣料(実施例14)を用いた以外は、実施例1〜7及び比較例1〜6と同様の方法で試験した。結果を表5に示す。
Figure 2011236517




Claims (3)

  1. 一般式(1)で表される第3級アミン、その酸塩及びその4級化物から選ばれる1種以上の衣料用柔軟基剤(A)が付着した衣料に、衣料上で加水分解することによりオイゲノール、イソオイゲノール、カルバクロール、チモール、オルシノールモノメチルエーテル及びプロペニルグアエトールから選ばれる1種以上の芳香族アルコール(B)を発生させる化合物(B’)を噴霧し付着させる、衣料の着色を抑制する衣料の処理方法。
    Figure 2011236517
    〔式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、式R−A−R−で表される総炭素数12〜29の炭化水素基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基又は炭素数1〜3のアルキル基であるが、R、R及びRのうち少なくとも1つは式R−A−R−で表される総炭素数12〜29の炭化水素基である(ここで、Rは飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、Aはエステル基又はアミド基、Rは炭素数1〜3のアルキレン基である)。但し、衣料用柔軟基剤(A)中、全Rの不飽和脂肪族炭化水素基/飽和脂肪族炭化水素基(質量比)は100/0〜20/80である。〕
  2. オイゲノール、イソオイゲノール、カルバクロール、チモール、オルシノールモノメチルエーテル及びプロペニルグアエトールから選ばれる1種以上の芳香族アルコール(B)を前記化合物(B’)と共に衣料に噴霧し付着させる、請求項1記載の処理方法。
  3. 請求項1又は2記載の処理方法に用いるための衣料の着色抑制用組成物であって、衣料上で加水分解することによりオイゲノール、イソオイゲノール、カルバクロール、チモール、オルシノールモノメチルエーテル及びプロペニルグアエトールから選ばれる1種以上の芳香族アルコール(B)を発生させる化合物(B’)を0.1〜10質量%の量にて含有し、更に水と、有機溶剤(C)及び/又は界面活性剤(D)から実質的になる、衣料の着色抑制用組成物。


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