JP2010001417A - 香り持続性マイクロカプセル - Google Patents

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Abstract

【課題】 マイクロカプセル壁の崩壊後、アルコール性香料の香りを持続させて、残香性を向上させ、しかも従来はマイクロカプセル化が困難であった親水性の高いアルコール性香料であっても、カプセル内への内包を可能にするマイクロカプセル及びそれを含有する組成物の提供。
【解決手段】 アルコール性香料のケイ酸エステルを含有するマイクロカプセル、及びこのマイクロカプセルを含有する組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、香気を有するアルコール(以下アルコール性香料という)の香り持続性、残香性に優れたマイクロカプセル、及びこのマイクロカプセルを含有する組成物に関する。
従来、乳液、化粧液、化粧水、美容液、クリーム、ジェル製剤、毛髪処理剤、医薬部外品等の香粧品組成物、柔軟剤、しわ防止スプレー等の繊維処理剤組成物、紙おむつ等の衛生用品組成物、芳香剤組成物などには芳香の賦与や不快臭のマスキングなどを目的として香料が使用されている。
このような組成物に使用される香料は、香りの持続性、残香性を目的として香料をマイクロカプセル化して配合する試みがなされている。
香料のマイクロカプセルは、芯物質の香料を壁材で包んだ球状物質であり、その役割は芯物質の香料を保護し、カプセルに物理的な力が加わった際にカプセルの壁が破れて芯物質の香料を放出するものである。
特許文献1には、芯物質として引火点が50〜130℃の範囲内の香料組成物を含有するカプセル化香料が記載されている。また、引用文献2には、高揮発性香料等の揮発成分と、それよりも高融点で相溶性がある添加剤を含有するマイクロカプセルが記載されている。
しかし、従来の香料を含有するマイクロカプセルはカプセル壁が崩壊した直後は香料の香り立ちに優れるが、速やかに揮散、消失するため残香性に課題があり、特に低分子量で親水性の高いアルコール性香料にその傾向が顕著であった。
更に親水性の高いアルコール性香料を用いて乳化系でマイクロカプセルを製造する場合、カプセル外の水相に香料が流出してしまい、アルコール性香料を内包するマイクロカプセルを製造できないという問題もあった。
特開2006−249326号公報 国際公開第2007/038570号パンフレット
本発明の課題は、マイクロカプセル壁の崩壊後、アルコール性香料の香りを持続させて、残香性を向上させ、しかも従来はマイクロカプセル化が困難であった親水性の高いアルコール性香料であっても、カプセル内への内包を可能にするマイクロカプセル及びそれを含有する組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、アルコール性香料をケイ酸エステル化した後にマイクロカプセル中に内包させることにより、水溶性の高いアルコール性香料であっても容易にマイクロカプセル化することが可能であり、更にはマイクロカプセルに物理的な力が加わって壁が崩壊した後に、アルコール性香料のケイ酸エステルが水分で徐々に分解し、アルコール性香料を放出することで香りを持続させ、残香性を向上させることを見出した。
即ち本発明は、アルコール性香料のケイ酸エステルを含有するマイクロカプセル、及びこのマイクロカプセルを含有する組成物を提供する。
本発明により、水溶性の高いアルコール性香料であっても容易にマイクロカプセル化することが可能となり、アルコール性香料の香りを持続させて、残香性に優れたマイクロカプセルを提供することができた。
[アルコール性香料のケイ酸エステル]
本発明のアルコール性香料のケイ酸エステルを構成するアルコール性香料は、「香料と調香の基礎知識,中島基貴 編著、産業図書」に例示される分子内に水酸基を含む香料であり、単品、混合物のどちらを用いてもよい。本発明に用いられるアルコール性香料としては、CLogP値が4以下のものが好ましい。CLogP値が4以下のアルコール性香料の例としては次の香料が挙げられる(括弧内はClogP値)。
フェニルエチルアルコール(1.33)、ゲラニオール(2.97)、ネロール(2.97)、シトロネロール(3.25)、テトラヒドロゲラニオール(3.74)、cis−3−ヘキセノール(1.40)、フェニルヘキサノール(3.17)、メントール(3.23)、アニスアルコール(1.10)、マヨール(2.53)。
なお、CLogP値は有機化合物の水と1−オクタノールに対する親和性を示す係数であり、この1−オクタノール/水分配係数Pは、1−オクタノールと水の2液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数LogPの形で示すのが一般的である。Daylight CISから入手できるプログラム“CLOGP”で計算すると最も便利である。このプログラムは、実測のLogP値がある場合にはそれと伴に、Hansch, Leoのフラグメントアプローチにより算出されるCLogPの値を出力する。フラグメントアプローチは化合物の化学構造に基づいており、原子の数及び化学結合のタイプを考慮している(cf. A. Leo, Comprehensive Medicinal Chemistry, Vol.4, C. Hansch, P.G. Sammens, J.B. Taylor and C.A. Ramsden, Eds., p.295, Pergamon Press, 1990)。このCLogP値は現在最も汎用的で信頼できる推定値であり、本発明ではプログラムCLOGP v4.01により計算したCLogP値を用いる。
本発明に用いられるアルコール性香料のケイ酸エステルとしては、下記式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010001417
〔式中、R1はアルコール性香料から水酸基1個を除いた残基、R2及びR3はそれぞれ独立に、置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数1〜22の炭化水素基、−OR4又は−OSi(R53を示し、R4は炭素数1〜22の炭化水素基又はアルコール性香料から水酸基1個を除いた残基、R5は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数1〜22の炭化水素基又は−OR4を示す。nは平均値を示す2以上の数、mは平均値を示す0以上の数であり、複数個のR1、R2、R3及びR5はそれぞれ同一でも異なっていても良い。〕
一般式(1)〜(3)において、アルコール性香料から水酸基1個を除いた残基を形成するアルコール性香料としては、上記のCLogP値が4以下のアルコール性香料が好ましい。
一般式(1)において、R2は、置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、あるいは−OR4が好ましく、総炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基としては、炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基等の炭素数6〜18の直鎖アルキル基が更に好ましく、炭素数8〜18の直鎖アルキル基が更により好ましい。R4は炭素数1〜6の炭化水素基又はアルコール性香料から水酸基1個を除いた残基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコール性香料から水酸基1個を除いた残基がより好ましい。
一般式(2)及び(3)において、R3は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、あるいは−OR4が好ましく、総炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基としては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。R4は炭素数1〜6の炭化水素基又はアルコール性香料から水酸基1個を除いた残基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコール性香料から水酸基1個を除いた残基がより好ましい。nは平均値を示す2以上の数、mは平均値を示す0以上の数であり、nとmの和が2〜16となる数が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜6が更に好ましい。
これらのアルコール性香料のケイ酸エステルは、公知の合成法により得ることができ、例えば下記の方法1,2等が挙げられる。
方法1:
テトラアルコキシ(アルコキシ基の炭素数1〜22)シラン、アルキル(アルキル基の炭素数1〜22)トリアルコキシ(アルコキシ基の炭素数1〜22)シラン、ジアルキル(アルキル基の炭素数1〜22)ジアルコキシ(アルコキシ基の炭素数1〜22)シラン等のアルコキシモノシラン類、あるいはアルコキシ基(アルコキシ基の炭素数1〜22)を有する直鎖状又は環状のポリシロキサン類と、アルコール性香料とのエステル交換反応。
方法2:
テトラクロロシラン、アルキル(アルキル基の炭素数1〜22)トリクロロシラン等のハロゲン化モノシラン類、あるいは直鎖状又は環状のハロゲン化ポリシロキサン類と、アルコール性香料とのエステル化反応。
これらの方法の中では方法1が好ましい。方法1において、エステル交換されるアルコキシ基としては、入手性等の点からメトキシ基又はエトキシ基が好ましく、エトキシ基がより好ましい。
方法1のアルコキシモノシラン又はポリシロキサンとアルコール性香料とのエステル交換反応において、アルコキシモノシラン又はポリシロキサンに対して加えるアルコール性香料のモル比により置換度が異なる反応物を与え、アルコキシモノシラン又はポリシロキサンのアルコキシ基1個に対するアルコール性香料の割合は、10〜500モル%が好ましく、50〜150モル%がより好ましい。
方法1におけるエステル交換反応の反応温度は、アルコキシモノシラン又はポリシロキサン及びアルコール性香料の沸点以下が好ましく、室温(20℃)〜200℃がより好ましく、50〜170℃が更に好ましく、70〜150℃が更により好ましく、90〜130℃が特に好ましい。
方法1におけるエステル交換反応は、減圧下で行うことが、反応を速やかに進行させることができる等の点から好ましい。減圧度は反応温度にもよるが、アルコキシモノシラン又はポリシロキサン及びアルコール性香料の沸点以下で行えばよく、1.3Pa〜常圧(0.1MPa)が好ましく、130Pa〜40kPaがより好ましく、1.3kPa〜13kPaが更に好ましい。反応は反応初期から減圧下で行っても、途中から減圧下で行っても良い。
方法1におけるエステル交換反応は、触媒を添加することが、反応を速やかに進行させることができる等の点から好ましい。触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ触媒や、アルミニウムテトライソプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド等のルイス酸触媒を用いることができる。
方法1のエステル交換反応、方法2のエステル化反応で得られるアルコール性香料のケイ酸エステルは、他に置換度の異なる混合物があっても、さらにシロキサンが縮合した鎖状または環状の重・縮合物との混合物であっても良い。また、方法1のエステル交換反応、方法2におけるエステル化反応は、2種以上のアルコール性香料を混合して用いても、2種以上のアルコキシモノシラン又はポリシロキサン、あるいはハロゲン化モノシラン又はポリシロキサンを用いても良い。
[マイクロカプセル]
本発明のマイクロカプセルは、芯剤としてアルコール性香料のケイ酸エステルを含有するものであり、香料そのもの、酸化防止剤、油剤等の他の任意成分を芯剤として含んでもよい。
本発明のマイクロカプセル中のアルコール性香料のケイ酸エステルの含有量は用途により変動するものであるが、通常は10〜99重量%の範囲が好ましい。
本発明のマイクロカプセルの調製法は特に制限されず、公知のマイクロカプセル化方法を採用することができる。具体的には化学的製法(界面重合法、in situ重合法、オリフィス法)、物理化学的方法(コアセルベーション法)、機械的・物理的方法(気中懸濁被覆法、噴霧乾燥法、高速気流中衝撃法)等が挙げられる。マイクロカプセルの壁材としてはポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン、アラビアゴム、デンプン等の各種高分子化合物が挙げられる。
本発明のマイクロカプセルの製造方法についてより具体的には、造る+使うマイクロカプセル(工業調査会)、特開2008−63575号公報、特開2006−249326号公報、特開平11−216354号公報、特開平5−222672号公報等に記載されている方法を採用することができる。
本発明のマイクロカプセルの好ましい製造方法としては、エチレン−無水マレイン酸共重合体等の乳化剤とアルコール性香料のケイ酸エステルを水中に分散させて乳化物を得た後、この乳化物にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂等の壁材を添加して撹拌することによりマイクロカプセルのスラリーを得る方法;予め壁材を形成するモノマーとエチレン−無水マレイン酸共重合体等の乳化剤を水中で混合して、壁材・乳化剤混合物を調製した後、この壁材・乳化剤混合物とアルコール性香料のケイ酸エステルとを乳化し、この乳化物にホルムアルデヒドを添加して撹拌することによりマイクロカプセルのスラリーを得る方法等が挙げられる。
本発明のマイクロカプセルは、乳液、化粧液、化粧水、美容液、クリーム、ジェル製剤、毛髪処理剤、医薬部外品等の香粧品、柔軟剤、しわ防止スプレー等の繊維処理剤、紙おむつのような衛生用品、芳香剤などの各種用途に好適に用いることができる。
[組成物]
本発明のマイクロカプセルを含有する組成物は、洗浄剤組成物、柔軟剤組成物等の繊維処理剤組成物、香粧品組成物、芳香剤組成物、消臭剤組成物等として用いることができ、繊維処理剤組成物として用いるのが好ましい。
本発明の組成物中のマイクロカプセルの含有量は、特に限定されずその用途により種々変えることができる。本発明の組成物を洗浄剤組成物や柔軟剤組成物等の繊維処理剤組成物として用いる場合、組成物中の本発明のマイクロカプセルの含有量は、本発明のマイクロカプセルの効果を十分に発揮させる観点から、0.1〜20重量%が好ましく、0.2〜10重量%がより好ましい。
実施例1:ゲラニオールケイ酸エステル含有マイクロカプセルの調製
工程1:ゲラニオールケイ酸エステルの調製
フラスコにテトラエトキシシランとエトキシ基に対して90モル%のゲラニオールとゲラニオールに対して0.044モル%のKOH(エタノール溶液)を仕込み、窒素置換した。次に120℃で2時間反応させた後に10.6 kPaに減圧し、4時間熟成することにより、テトラ(ゲラニルオキシ)シランを含むゲラニオールケイ酸エステルを得た。
工程2:マイクロカプセルの調製
15重量部のエチレン−無水マレイン酸共重合体(Scripset-520、モンサント製)と水85重量部を加え60℃で混合し、pHを4に調整することにより乳化剤Aを得た。
また、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(商品名Sumirez Resin 615K、住友化学製)15重量部に水85重量部を加え60℃で混合することにより壁材Bを得た。
100重量部の乳化剤Aと工程1で調製したゲラニオールケイ酸エステル100重量部を60℃でホモミキサーを用いて乳化した。次に50重量部の壁材Bをこの乳化物に加え、更に2時間攪拌することにより平均粒子径3μm、固形分約40%のゲラニオールケイ酸エステル含有マイクロカプセルスラリーを得た。
実施例2:フェニルエチルアルコールケイ酸エステル含有マイクロカプセルの調製
工程1:フェニルエチルアルコールケイ酸エステルの調製
フラスコにデシルトリエトキシシランとエトキシ基に対して95モル%のフェニルエチルアルコールとフェニルエチルアルコールに対して0.044モル%のNaOCH3を仕込み、窒素置換した。次に120℃で2時間反応させた後に10.6 kPaに減圧し、4時間熟成することにより、トリス(フェニルエチルオキシ)デシルシランを含むフェニルエチルアルコールケイ酸エステルを得た。
工程2:マイクロカプセルの調製
ゲラニオールケイ酸エステルの代わりに、工程1で調製したフェニルエチルアルコールケイ酸エステルを用いる以外は実施例1の工程2と同様にして、平均粒子径2μm、固形分約40%のフェニルエチルアルコールケイ酸エステル含有マイクロカプセルスラリーを得た。
実施例3:アニスアルコールケイ酸エステル含有マイクロカプセルの調製
工程1:アニスアルコールケイ酸エステルの調製
フラスコに1,3,5,7,9−ペンタエトキシ−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサンとエトキシ基に対して120モル%のアニスアルコールとアニスアルコールに対して0.044モル%のNaOCH2CH3を仕込み、窒素置換した。次に120℃で2時間反応させた後に10.6 kPaに減圧し、6時間熟成することにより、1,3,5,7,9−ペンタ(アニスアルコキシ)−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサンを含むアニスアルコールケイ酸エステルを得た。
工程2:マイクロカプセルの調製
尿素10重量部に、レゾルシン2重量部と3重量部のエチレン−無水マレイン酸共重合体(Scripset-520、モンサント製)と85重量部の水を混合し、pHを3に調整することにより壁材・乳化剤混合物Cを得た。
得られた壁材・乳化剤混合物C 50重量部と工程1で調製したアニスアルコールケイ酸エステル40重量部を60℃でホモミキサーを用いて乳化した。次に10重量部のホルムアルデヒドをこの乳化物に加え、更に2時間攪拌することにより平均粒子径3μm、固形分約40%のアニスアルコールケイ酸エステル含有マイクロカプセルスラリーを得た。
比較例1
実施例2の工程1で調製したフェニルエチルアルコールケイ酸エステルに代えて、フェニルエチルアルコールを用い、実施例2の工程2と同様の方法でカプセル化を試みた。しかしながら、壁材を加えた際に乳化状態が不良となり、フェニルエチルアルコール含有マイクロカプセルを得ることが出来なかった。
比較例2
15重量部のエチレン−無水マレイン酸共重合体(Scripset-520、モンサント製)と水85重量部を加え60℃で混合し、pHを4に調整することにより、乳化剤Aを得た。
また、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(商品名Sumirez Resin 615K、住友化学製)15重量部に水85重量部を加え60℃で混合することにより壁材Bを得た。
100重量部の乳化剤Aとゲラニオール100重量部を60℃でホモミキサーを用いて乳化した。次に50重量部の壁材Bをこの乳化物に加え、更に2時間攪拌することにより平均粒子径3μm、固形分約40%のゲラニオール含有マイクロカプセルスラリーを得た。
比較例3
フラスコにテトラエトキシシランとエトキシ基に対して90モル%のフェニルエチルアルコールとフェニルエチルアルコールに対して0.044モル%のKOH(エタノール溶液)を仕込み、窒素置換した。次に120℃で2時間反応させた後に10.6 kPaに減圧し、4時間熟成することにより、テトラ(フェニルエチルオキシ)シランを含むフェニルエチルアルコールケイ酸エステルを得た。
実施例1〜3及び比較例2で得られたケイ酸エステル含有マイクロカプセル又は比較例3で得られたケイ酸エステルを用い、下記方法に従って衣料用柔軟剤を調製し、柔軟処理を行い、香りの持続性(残香性)を評価した。結果を表1に示す。
<衣料用柔軟剤組成物の調製法>
攪拌器とジムロート冷却器のついた500mL四つ口フラスコにイオン交換水229.86gを仕込み、500rpmで攪拌しながらマントルヒーターで62℃まで昇温し、融解したTETRANYL L1/90S(Kao Corporation, S.A.製)13.89gを添加した。次に実施例1〜3及び比較例2で調製したマイクロカプセルスラリー6.25g、あるいは比較例3で調製したケイ酸エステル2.5gと水3.75gを添加し、5分間攪拌した後、5℃のウォーターバスで30℃まで冷却し、衣料用柔軟剤組成物を得た。
<衣料用柔軟剤組成物による繊維製品の処理と残香性評価>
(1) 前処理
あらかじめ、市販の弱アルカリ性洗剤(花王(株)アタック)を用いて、木綿タオル24枚を日立全自動洗濯機NW-6CYで5回洗浄を繰り返し、室内乾燥することによって、過分の薬剤を除去した(洗剤濃度0.0667重量%、水道水47L使用、水温20℃、洗浄10分、ため濯ぎ2回)。
(2) 繊維製品の処理
National 電気バケツN-BK2-Aに、5Lの水道水を注水し、衣料用柔軟剤組成物を15g/衣料1.0kgとなるように分散させ、上述の方法で前処理を行った2枚の木綿タオルを5分間浸漬した後に、処理タオルを日立全自動洗濯機に加えて3分間脱水を行ってから、24時間乾燥した。
(3) 残香性評価
上述の方法で処理乾燥したタオルを手で揉んで室内に放置し、乾燥・手揉み直後、3日後、1週間後、2週間後、4週間後の香りを香り強度専門パネラー10人により下記基準で官能評価し、平均値を求めた。
残香性の評価基準
3:用いた香料の強い香りがする。
2:用いた香料の香りが判別できる。
1:用いた香料の香りとは判別できないが、何か香りがする。
0:香りが無い
Figure 2010001417

Claims (5)

  1. 香気を有するアルコール(以下アルコール性香料という)のケイ酸エステルを含有するマイクロカプセル。
  2. アルコール性香料が、CLogP値が4以下のものである請求項1記載のマイクロカプセル。
  3. アルコール性香料のケイ酸エステルが下記式(1)〜(3)で表される化合物から選択される1種以上の化合物である請求項1又は2記載のマイクロカプセル。
    Figure 2010001417
    〔式中、R1はアルコール性香料から水酸基1個を除いた残基、R2及びR3はそれぞれ独立に、置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数1〜22の炭化水素基、−OR4又は−OSi(R53を示し、R4は炭素数1〜22の炭化水素基又はアルコール性香料から水酸基1個を除いた残基、R5は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数1〜22の炭化水素基又は−OR4を示す。nは平均値を示す2以上の数、mは平均値を示す0以上の数であり、複数個のR1、R2、R3及びR5はそれぞれ同一でも異なっていても良い。〕
  4. 請求項1〜3いずれかに記載のマイクロカプセルを含有する組成物。
  5. 繊維処理剤組成物である請求項4記載の組成物。
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