JP2015224273A - 衣料用臭気抑制剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】[1]特定の構造を有する(a)非イオン界面活性剤、(b)アニオン界面活性剤、(c)脂肪酸又はその塩、(d)環状カルボニル化合物、及び(e)プロテアーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼから選ばれる1種以上の酵素を含有する衣料用臭気抑制剤組成物であって、(a)成分と(b)成分の合計含有量が10〜70質量%、[(a)/(b)]の質量比が0.2〜8、(d)成分の含有量が0.02〜0.2質量%である衣料用臭気抑制剤組成物、及び[2]前記臭気抑制剤組成物と水からなり、該臭気抑制剤組成物の濃度が300〜6000mg/kg、温度が0〜35℃である処理液と、尿臭を有する衣料とを、浴比[処理液の量/衣料の質量]が3〜50L/kgの条件下で2〜120分間接触させる、尿臭を有する衣料の臭気抑制方法である。
【選択図】なし
Description
また一方、高齢化により介護対象者の数が増加している。介護に係る課題として、尿が下着等の衣料に付着すると、衣料から尿臭が発散することが挙げられる。また、介護対象者は皮脂や体臭の臭いも強いことが知られている。
尿臭、汗臭を抑制する組成物は種々提案されている。
例えば、特許文献1には、β−グルクロニダーゼ阻害剤を含有する尿臭生成抑制用組成物が開示されている。
特許文献2には、(a)特定のβ−グルクロニダーゼ阻害剤と、(b)界面活性剤及び溶剤から選ばれる1種以上とを含有する汗臭発生抑制剤組成物が開示されている。
本発明は、尿臭を含む臭気を抑制する効果に優れる衣料用臭気抑制剤組成物、及び尿臭を有する衣料の臭気抑制方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、次の[1]及び[2]を提供する。
[1]下記(a)非イオン界面活性剤、(b)アニオン界面活性剤、(c)脂肪酸又はその塩、(d)環状カルボニル化合物、及び(e)酵素を含有する衣料用臭気抑制剤組成物であって、
(a)成分と(b)成分の合計含有量が、10質量%以上、70質量%以下であり、
[(a)成分/(b)成分]の質量比が、0.2以上、8以下であり、
(e)成分の含有量が、0.1質量%以上、2質量%以下であり、
(d)成分の含有量が0.02質量%以上、0.2質量%以下である、衣料用臭気抑制剤組成物を提供する。
(a)成分:下記一般式(1)で表される非イオン界面活性剤
R1−(C=O)xO−(A1O)n1−R2 (1)
〔式中、R1は炭素数10以上、18以下の炭化水素基を示し、R2は炭素数1以上、3以下のアルキル基又は水素原子を示し、A1Oはエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基を示し、n1は平均付加モル数を示し、3以上、15以下の数であり、xは0又は1の数である。〕
(b)成分:下記(b1)〜(b3)成分から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤
(b1)成分:炭素数10以上、14以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩
(b2)成分:下記一般式(2)で表される硫酸エステル塩
R3O−(A2O)n2−SO3M (2)
〔式中、R3は炭素数10以上、18以下の炭化水素基を示し、A2Oはエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基を示し、n2は平均付モル数を示し、0以上、5以下の数であり、Mは陽イオンである。〕
(b3)成分:α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩
(c)成分:炭素数12以上、18以下の脂肪酸又はその塩
(d)成分:下記(d1)〜(d3)成分から選ばれる1種以上の環状カルボニル化合物
(d1):下記一般式(4)で表される化合物
(e)成分:プロテアーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼから選ばれる1種以上の酵素
本発明の衣料用臭気抑制剤組成物は、前記の特定の(a)非イオン界面活性剤、(b)アニオン界面活性剤、(c)脂肪酸又はその塩、(d)環状カルボニル化合物、及び(e)酵素を、特定割合で含有することを特徴とする。
本発明の衣料用臭気抑制剤組成物は、尿臭を有する衣料の臭気を抑制ないし臭気の強さを低減することができる。その理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。
尿自体は、通常不快な臭いを発するものでないが、微生物の作用によって不快臭を発するようになる。この不快臭としては、一般的に汗臭の原因と考えられているアンモニアや脂肪酸よりも、尿から発生するフェノール系化合物やインドール類の方が、尿臭を特徴付けるより主要な成分であることが分かってきた。フェノール系化合物やインドール類は、菌体由来のβ-グルクロニダーゼが尿に作用することによって顕著に増加するが、本発明の臭気抑制剤組成物においては、優れたβ−グルクロニダーゼ阻害効果を有する化合物として特定の(d)環状カルボニル化合物を用い、特定の界面活性剤、脂肪酸、及び酵素を組み合わせることにより、それらの成分が有機的に作用すると考えられる。その結果、効果的に尿臭を含む臭気を抑制ないし臭気の強さを低減することができると考えられる。
本発明において、「尿臭」とは、尿の乾燥や腐敗に伴って徐々に強くなっていく悪臭をいい、「尿臭を含む臭気」は、尿臭のみの臭い、及び尿臭と共に汗臭、皮脂臭、体臭等を含む臭いを意味する。また、「臭気抑制剤組成物」とは、尿臭を含む臭気抑制ないし低減する臭気抑制剤としての組成物であってもよいが、尿臭を含む臭気の抑制ないし低減と共に、衣料に付着した汚れを洗浄できる組成物であってもよい。
本発明で用いられる(a)非イオン界面活性剤は、下記一般式(1)で表される。
R1−(C=O)xO−(A1O)n1−R2 (1)
〔式中、R1は炭素数10以上、18以下の炭化水素基を示し、R2は炭素数1以上、3以下のアルキル基又は水素原子を示し、A1Oはエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基を示し、n1は平均付加モル数を示し、3以上、15以下の数であり、xは0又は1の数である。〕
また、尿が付着しやすい下着には尿以外にも皮脂汚れが付着していることが多く、尿が皮脂汚れと混ざることで、本発明の(d)環状カルボニル化合物が尿に届きにくいという問題があった。更には、衣料から発生する尿臭と皮脂臭を含む臭いが強く感じられるという問題があった。本発明の(a)非イオン界面活性剤は、皮脂汚れに浸透し(d)環状カルボニル化合物が尿に届きやすいように皮脂汚れを改質する結果、(d)環状カルボニル化合物の効果を高める作用を有すると考えられる。また、衣料上で尿から発生した上記化合物が付着した皮脂汚れを衣料から除去しやすくすることで、尿臭と皮脂臭を含む臭いの臭気低減効果が発現すると考えられる。
xは、尿臭を含む匂いの臭気抑制効果の観点から、0が好ましい。
R2は、製造の容易性の観点から、メチル基又は水素原子が好ましく、水素原子がより好ましい。
A1O基の平均付加モル数n1は、皮脂が付着した衣料に更に尿が付着し、尿臭と皮脂臭を含む臭いの臭気抑制効果の観点から、4以上が好ましく、5以上が更に好ましく、6以上が特に好ましく、そして14以下が好ましく、12以下が更に好ましい。
一般式(1)に含まれるA1O基はエチレンオキシ基のみでもよく、プロピレンオキシ基のみでもよい。また、(エチレンオキシ基の平均の数/プロピレンオキシ基の平均の数)の比は、好ましくは1/9以上であり、そして、好ましくは9/1である。
一般式(1)で表される化合物の製造方法は特に限定されない。例えば、炭素数10以上、18以下の炭化水素基を有するアルコールに、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基を付加反応することによって得ることができる。
なお、A1Oであるプロピレンオキシ基とは、プロパン−1,2−ジイルオキシ基又はトリメチレンオキシ基を意味し、プロパン−1,2−ジイルオキシ基がより好ましい。また、複数のプロピレンオキシ基は、その全てがプロパン−1,2−ジイルオキシ基又はトリメチレンオキシ基であってもよく、その両者がランダム結合又はブロック結合していてもよい。
本発明で用いられる(b)アニオン界面活性剤は、下記(b1)〜(b3)成分から選ばれる1種以上である。(b)アニオン界面活性剤は、前記(a)非イオン界面活性剤と特定比率で用いることで、皮脂汚れが付着した衣料に尿が更に付着した衣料の臭気抑制効果を向上させることができる。
(b1)成分:炭素数10以上、14以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩
(b2)成分:下記一般式(2)で表される硫酸エステル塩
R3O−(A2O)n2−SO3M (2)
〔式中、R3は炭素数10以上、18以下の炭化水素基を示し、A2Oはエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基を示し、n2は平均付モル数を示し、0以上、5以下の数であり、Mは陽イオンである。〕
(b3)成分:α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩
(b1)アルキルベンゼンスルホン酸塩は、炭素数10以上、14以下のアルキル基を有するものであればよく、その他は特に限定されない。
アルキル基としては、尿臭と皮脂臭を含む臭いの臭気抑制効果の観点から、直鎖アルキル基及び分岐アルキル基から選ばれる1種以上の基が好ましく、その炭素数は、好ましくは11以上、より好ましくは12以上、そして、18以下、好ましくは16以下である。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、入手性の観点から、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩等が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
本発明の臭気抑制剤組成物を調製する場合、アルキルベンゼンスルホン酸(酸型)を組成物中に添加し、粉体成分の混合系内でアルカリと中和反応させアルキルベンゼンスルホン酸塩としてもよいし、予め中和した後、組成物中に添加してもよい。
アルキルベンゼンスルホン酸の中和には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の塩基を用いることができる。
本発明で用いられる(b2)硫酸エステル塩は、下記一般式(2)で表される。
R3O−(A2O)n2−SO3M (2)
〔式中、R3は炭素数10以上、18以下の炭化水素基を示し、A2Oはエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基を示し、n2は平均付モル数を示し、0以上、5以下の数であり、Mは陽イオンである。〕
(b2)硫酸エステル塩は、皮脂と尿が共に付着した衣料に対する(d)環状カルボニル化合物による尿臭と皮脂臭いを含む臭気の抑制効果を向上させることが期待できる点で好ましい。
一般式(2)中のA2O基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基である。A2O基はエチレンオキシ基のみでもよく、プロピレンオキシ基のみでもよい。また(エチレンオキシ基の平均の数/プロピレンオキシ基の平均の数)の比は、好ましくは1/9以上であり、そして、好ましくは9/1以下である。
A2O基の平均付モル数であるn2は、皮脂が付着した衣料に更に尿が付着した場合の尿臭と皮脂臭を含む臭いの臭気抑制効果の観点から、0.5以上が好ましく、1以上が好ましく、1.5以上が好ましく、2以上が好ましく、そして4.5以下が好ましく、3.5以下がより好ましく、3以下がより好ましい。
なお、A2Oであるプロピレンオキシ基は、前記と同義であり、プロピレンオキシ基が複数である場合は、その全てがプロパン−1,2−ジイルオキシ基又はトリメチレンオキシ基であってもよく、その両者がランダム結合又はブロック結合していてもよい。
アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオンが挙げられ、アルカリ土類金属イオンとしては、マグネシウムイオンが挙げられ、炭素数1以上、6以下のアルカノールアンモニウムイオンとしては、モノエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン等が挙げられる。これらの中では、洗浄力の点で、ナトリウムイオン、カリウムイオンのアルカリ金属イオン又はモノエタノールアンモニウムイオンが好ましく、モノエタノールアンモニウムイオンがより好ましい。
(b3)α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩は、好ましくは下記一般式(3)で表される化合物である。
R4−CH(SO3M)COOCH3 (3)
〔式中、R4は炭素数11以上、19以下の炭化水素基であり、Mは陽イオンである。〕
一般式(3)中、R4である炭化水素基としては、尿臭と皮脂臭を含む臭いの臭気抑制効果の観点から、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる1種以上が好ましく、アルキル基がより好ましく、直鎖1級アルキル基がより好ましい。
R4の炭素数は、尿臭と皮脂臭を含む臭いの臭気抑制効果の観点から、12以上が好ましく、13以上がより好ましく、15以上がより好ましく、そして、18以下が好ましく、17以下がより好ましい。
一般式(3)におけるMは陽イオンである。Mの好適例としては、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、及び炭素数1以上、6以下のアルカノールアンモニウムイオンが挙げられる。
アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンの具体例、好適例は前記と同様である。
本発明で用いられる(c)脂肪酸又はその塩は、炭素数12以上、18以下の脂肪酸又はその塩である。
(c)脂肪酸又はその塩は、水道水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンとイオン対を形成することで、疎水性が高まり、後述する(d)環状カルボニル化合物を衣料に付着しやすくする役割を有することが期待できる。
(d)環状カルボニル化合物を衣料に付着しやすくする観点から、(c)成分は炭素数14以上、18以下の脂肪酸を(d)成分中に30質量%以上含む脂肪酸又はその塩であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上含む脂肪酸又はその塩であることが好ましい。
また、(d)成分を衣料に付着しやすくする点で、(c)成分中の、不飽和基を有する(c)成分の含有量が5質量%以上、80質量%以下である脂肪酸又はその塩であることが好ましい。
塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩等を挙げることができる。本発明の組成物を調製する場合、脂肪酸(酸型)とアルカリ剤を組成物中に別々に添加し、アルカリと中和反応させ脂肪酸塩としてもよいし、予め中和した後、組成物中に添加してもよい。脂肪酸の中和には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の塩基を用いることができる。(c)成分を構成する塩はナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
(d)環状カルボニル化合物は、下記(d1)〜(d3)成分から選ばれる1種以上の環状カルボニル化合物である。この環状カルボニル化合物は、優れたβ−グルクロニダーゼ阻害効果を有するため、悪臭の原因であるフェノール系化合物やインドール類が尿から生成するのを効果的に抑制することができる。
(d1)下記一般式(4)で表される化合物
(d1)化合物の具体例としては、3−メチル−4(5)−シクロペンタデセン-1-オン(Firmenich社製品名;ムセノンデルタ)、3−メチルシクロペンタデカノン(Firmenich社製品名;ムスコン)、4−シクロペンタデセン−1−オン(Firmenich社製品名;エギザルテノン、IFF社製品名:ムスクZ−4)、5−シクロヘキサデセン−1−オン(曽田香料(株)製品名;ムスクTM2)、8−シクロヘキサデセン−1−オン(Symrise社製品名;グロバノン)、9−シクロヘプタデセン−1−オン(Firmenich社製品名;シベトン)、シクロペンタデカノン(Firmenich社製品名;エグザルトン)等が挙げられる。
(d1)化合物の中では、環状構造内に二重結合を一つ含むものが好ましく、3−メチル−4(5)−シクロペンタデセン−1−オン、4−シクロペンタデセン−1−オン、5−シクロヘキサデセン−1−オン、8−シクロヘキサデセン−1−オン、及び9−シクロヘプタデセン−1−オンから選ばれる1種以上がより好ましい。また、この二重結合が、ケトンのカルボニル基から最も離れた位置の炭素−炭素結合、又はこれに隣接する炭素−炭素結合に存在することが好ましく、8−シクロヘキサデセン−1−オン及び9−シクロヘプタデセン−1−オンから選ばれる1種以上がより好ましく、8−シクロヘキサデセン−1−オンが更に好ましい。
(d2)化合物としては、4(5)−シクロペンタデセノリド(Firmenich社製品名:ハバノライド)、7−シクロヘキサデセノリド(アンブレットライド)等から選ばれる1種以上が好ましく、一般式(5)におけるbは12であるものが好ましく、特に7−シクロヘキサデセノリドが好ましい。
(d3)化合物としては、10−オキサ−16−ヘキサデカノリド(高砂香料工業(株)製品名;オキサライド)、11−オキサ−16−ヘキサデカノリド(Givaudan社製品名;ムスクR1)、12−オキサ−16−ヘキサデカノリド(Givaudan社製品名:セルボライド)等から選ばれる1種以上が好ましく、特に10−オキサ−16−ヘキサデカノリドが好ましい。
(e)成分は、(e1)プロテアーゼ、(e2)アミラーゼ、及び(e3)セルラーゼから選ばれる1種以上の酵素である。皮脂が付着した更に尿が付着した衣料から発生する、皮脂臭と尿臭の臭気抑制効果の観点から、(e1)プロテアーゼを含む酵素を用いることが好ましい。より尿臭の臭気抑制効果を高める観点から、(e1)プロテアーゼ並びに、(e2)アミラーゼ、及び(e3)セルラーゼから選ばれる1種以上の酵素を含む複数の酵素を用いることが好ましい。(e1)プロテアーゼを含む複数の酵素を使用する場合には、酵素全量中の(e1)プロテアーゼの含有量は40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
プロテアーゼとしては、中性又はアルカリ性の水溶液中で作用できるプロテアーゼが挙げられる。
好ましいプロテアーゼの具体例としては、国際公開第99/018218号に記載されているアルカリプロテアーゼであって、好ましくは配列番号1又は2で示されるアミノ酸配列の70%以上が保存されているもの、特開平5−25492に記載されているアルカリプロテアーゼであって、好ましくはアルカリプロテアーゼK−16又はアルカリプロテアーゼK−14等が挙げられる。その他に、ノボザイムズ社製のサビナーゼ(登録商標)、カンナーゼ(登録商標)、エバラーゼ(登録商標)、アルカラーゼ(登録商標)、ポラーザイム(登録商標)、エスペラーゼ(登録商標)の商品名で販売されているバチルス属ズブチリシン類が生産するプロテアーゼ、デュポン社製のFN2(登録商標)、FN3(登録商標)及びFN4(登録商標)、プラフェクト(登録商標)、プラフェクトプライム(登録商標)の商品名で供給されるプロテアーゼ類又はその変異型等が挙げられる。
これらの中でも、国際公開第99/018218号に記載されている配列番号1、又は2で示されるアミノ酸配列の80%以上が保存されている酵素、ノボザイムズ社製のサビナーゼ、エバラーゼ、アルカラーゼ、デュポン社製のプラフェクト、プラフェクトプライムがより好ましい。
アミラーゼの具体例としては、バチルス ズブチリス マーバーグ(Bacillus subtilis Marburg)、バチルス ズブチリス ナットウ(Bacillus subtilis natto)、バチルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス セレウス(Bacillus cereus)、バチルス マセランス(Bacillus macerans)、シュードモナス シュツッツェリ(Pseudomonas stutzeri)、クレブシェラ アエリゲネス(Klebusiella aerogenes)等の細菌、ストレプトマイセス グリセウス(Streptomyces griseus)等の放線菌、アスペルギウス オリザエ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)等のカビ類、イネ科及びマメ科植物の種子、ヒト及びブタ等の動物の消化腺等多くの生物から得られているものを使用することができる。
本発明に用いるアミラーゼは、前記微生物又はそれらの変異株、又はこれらの酵素若しくはその変異体をコードするDNA配列を有する組換えベクターで形質転換された宿主細胞等を、同化性の炭素源、窒素源その他の必須栄養素を含む培地に接種し、常法に従い培養し、一般の酵素の採取及び精製方法に準じて得ることができる。このようにして得られる酵素液はそのまま用いることもできるが、さらに公知の方法により精製、結晶化、粉末製剤化又は液体製剤化したものを用いることができる。
本発明に用いるアミラーゼは、α−アミラーゼが好ましく、使用できる市販の酵素としては、商標名ラピダーゼ(ギスト ブロカーズ社製)、商標名ターマミル、デュラミル及びステインザイム(ノボザイムズジャパン(株)製)、商標名プラスターST及びプラスターOxAm(ジェネンコア・インターナショナル社製)を挙げることができる。
セルラーゼとしては、バチルス属のエンド−β−1,4グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を示す微生物由来のエンドグルカナーゼを含み得る。市販品のセルザイム、ケアザイム、セルクリーン(ノボザイムズ社製);PuradaxHA1200E(ジェネンコア社製);アルカリセルラーゼKAC500(花王(株)製);アルカリセルラーゼK、アルカリセルラーゼK−344、アルカリセルラーゼK−534、アルカリセルラーゼK−539、アルカリセルラーゼK−577、アルカリセルラーゼK−425、アルカリセルラーゼK−521、アルカリセルラーゼK−580、アルカリセルラーゼK−588、アルカリセルラーゼK−597、アルカリセルラーゼK−522、CMCアーゼI、CMCアーゼII、アルカリセルラーゼE−II、及びアルカリセルラーゼE−III等が挙げられる。
本発明の臭気抑制剤組成物においては、更に(f)アルカリ剤を含有させることで、皮脂が付着した衣料に尿が付着した衣料から発生する、尿臭と皮脂臭を含む臭いの臭気抑制効果を向上させることができるため好ましい。
(f)アルカリ剤としては、炭素数2以上、6以下のアルカノールアミン及びアルカリ金属炭酸塩から選ばれる1種以上が好ましい。
炭素数2以上、6以下のアルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン及びN−メチルジエタノールアミンから選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムから選ばれる1種以上が挙げられる。より好ましい(f)アルカリ剤としては、炭酸ナトリウム、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれる1種以上が挙げられる。
本発明の臭気抑制剤組成物においては、更に(g)蛍光増白剤を含有させることで、尿臭を含む臭いの臭気抑制効果を消費者に、より実感させることができる。
(g)蛍光増白剤としては、スルホン酸基又はその塩を有する蛍光増白剤が好ましく、ビフェニル型蛍光増白剤及び/又はスチルベン型蛍光増白剤がより好ましい。
ビフェニル型蛍光増白剤としては、4,4'−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジアルカリ金属塩(好ましくはナトリウム)、4,4'−ビス(2−スルホ−4クロロスチリル)ビフェニルジアルカリ金属塩(好ましくはナトリウム)等が挙げられるが、特に4,4'−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウムが増白効果の点で好ましい。
スチルベン型蛍光増白剤としては、4,4'−ビス(4−アニリノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2、2'−ジスルホン酸ジナトリウムまたは、4,4'−ビス(4−トルイジノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2'−ジスルホン酸ジナトリウム等が挙げられる。
本発明の臭気抑制剤組成物は、任意成分として香料((d)環状カルボニル化合物を除く)、植物精油、植物抽出液、キレート剤、再汚染防止ポリマー、過炭酸ナトリウム等の漂白剤、粘土鉱物、ゼオライト、硫酸ナトリウム、水等の任意成分を含有することができる。香料、植物精油、植物抽出液としては、尿臭や皮脂臭のマスキング効果が高い香料化合物を用いることができる。
本発明の衣料用臭気抑制剤組成物は、前記(a)〜(e)成分を含有し、必要に応じて更に(f)、(g)成分を含有する。
本発明の液体組成物中の含有量に関し、(b)アニオン界面活性剤、(c)脂肪酸又はその塩に関しては、塩を形成する対イオン「M」の種類が変わると分子量が変わり含有量がことなるため、対イオン「M」をH(酸型)に置き換えた状態の含有量を表す。
本発明の液体組成物中の(a)成分と(b)成分の合計の含有量は、尿臭を含む臭いの臭気抑制効果、とりわけ皮脂が付着した衣料に更に尿臭が付着した衣料から発生する、皮脂臭と尿臭を含む臭いの臭気抑制効果の点から、臭気抑制剤組成物中に、15質量%以上が好ましく、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。経済性の点から60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
(c)脂肪酸又はその塩の含有量は、(d)環状カルボニル化合物の衣料への付着性を更に高める観点から、臭気抑制剤組成物中に、0.3質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、そして、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下がより好ましく、5質量%以下がより好ましい。
(e)酵素の含有量は、尿臭を含む臭いの臭気抑制効果の観点から、臭気抑制剤組成物中に0.1質量%以上であり、0.2質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、経済性の点で1.8質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましい。
臭気抑制剤組成物中の(e)酵素の含有量は、酵素タンパク量として算出された値を用いる。酵素タンパク量は、ローリーらの方法(Lowry, O.H.et. al., J. Biol. Chem., 193, 265 (1951))に準じ、牛血清アルブミン(Bovine Serum Albumin、SIGMA社製、製品番号A−7030)に換算して表わしたものとする。
(f)アルカリ剤がアルカリ金属炭酸塩である場合には、該アルカリ金属炭酸塩の含有量は、尿臭を含む臭いの臭気抑制効果の観点から、臭気抑制剤組成物中に10質量%以上である。皮脂が付着した衣料に更に尿が付着した衣料から発生する、尿臭と皮脂臭を含む臭いの臭気抑制効果の観点から、12質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、経済性の点から、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下がより好ましい。
(g)蛍光増白剤の含有量は、尿臭を含む臭いの臭気抑制効果を消費者に、より実感させることができる観点から、臭気抑制剤組成物中に0.1質量%以上が好ましく、0.13質量%以上がより好ましく、0.16質量%以上がより好ましく、そして経済性の観点から、0.4質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましい。
本発明の尿臭を有する衣料の臭気抑制方法は、本発明の衣料用臭気抑制剤組成物と水からなり、該臭気抑制剤組成物の濃度が300mg/kg以上、6000mg/kg以下であり、温度が0℃以上、45℃以下である処理液と、尿臭を有する衣料とを、浴比[処理液の量/衣料の質量]が3L/kg以上、50L/kg以下の条件下で、2分間以上、120分間以下接触させる、尿臭を有する衣料の臭気抑制方法である。
尿臭の臭気抑制効果を更に高める観点から、前記処理液中の臭気抑制剤組成物の濃度は、400mg/kg以上が好ましく、500mg/kg以上がより好ましく、経済性の観点から、5000mg/kg以下が好ましく、4000mg/kg以下がより好ましく、3000mg/kg以下がより好ましく、1500mg/kg以下がより好ましく、1000mg/kg以下がより好ましい。
処理液の温度は、乾燥した衣料から発生する尿臭をより低減する観点から、3℃以上が好ましく、5℃以上がより好ましく、脱水布から発生する尿臭の強さを低減する観点から、43℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましく、35℃以下が更に好ましく、30℃以下がより更に好ましく、20℃以下がより更に好ましく、15℃以下がより更に好ましい。また、乾燥させた衣料から発生する尿臭と皮脂臭を含む臭いを低減する視点から、30℃以上が好ましく、35℃以上がより好ましく、43℃以下が更に好ましい。
近年、洗濯機が大型化し、衣料の質量に対する処理液の量の比で表される浴比[処理液の量/衣料の質量]が、尿臭の低減効果をより実感できる点で、30L/kg以下が好ましく、20L/kg以下がより好ましく、15L/kg以下が更に好ましく、10L/kg以下がより更に好ましい。また、皮脂が付着した衣料に尿臭が更に付着し、尿臭と皮脂臭を含む衣料の臭気抑制効果の観点から、浴比は5L/kg以上が好ましく、7L/kg以上がより好ましい。
回転式の洗濯機としては、具体的には、ドラム式全自動洗濯機、パルセータ式全自動洗濯機、又はアジテータ式全自動洗濯機が挙げられる。これらの回転式洗濯機は、それぞれ、家庭用として市販されているものを使用することができる。
尿臭を有する衣料と、本発明の衣料用臭気抑制剤組成物及び水を含む処理液の接触時間は、臭気抑制効果の観点から、3分間以上が好ましく、5分間以上がより好ましく、臭気抑制方法の効率性の観点から、90分間以下が好ましく、60分間以下がより好ましく、50分間以下が更に好ましく、40分間以下がより更に好ましい。
表1に示す各成分を用意し、300mlのガラス製ビーカーに、直径60mmのスターラーピース(テフロン(登録商標)製)を入れ、でき上がり質量が200g、かつ表1に記載の含有量になるように(a)成分、(b)成分、(c)成分、及び必要量の95質量%の水(次亜塩素酸ナトリウムを3mg/kg含有する水)を投入した。投入後、100回転/分の回転数で20分間攪拌した。その後、(d)成分、(e)成分を投入し、(f)成分で組成物のpHを7に調整し、残分の水を用いて最終でき上がり質量(200g)になるように調整し、表1の衣料用臭気抑制剤組成物を得た。
表1中の成分の詳細は以下のとおりである。
(a−1):一般式(1)においてR1が炭素数12の直鎖1級アルキル基であり、xが0であり、n1が4であり、R2がHである化合物。
(a−2):一般式(1)においてR1が炭素数12の直鎖1級アルキル基であり、xが0であり、n1が9であり、R2がHである化合物。
(a−3):一般式(1)においてR1が炭素数11〜13のアルキル基であり、xが1であり、n1が15であり、R2がメチル基である化合物。
(b1−1): 炭素数10〜14のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(c−1):ラウリン酸35質量%、ミリスチン酸20質量%、パルミチン酸10質量%、ステアリン酸10質量%、オレイン酸20質量%、及びリノール酸5質量%の組成を有する混合脂肪酸
(d1−1):8−シクロヘキサデセン−1−オン
(e)成分:下記酵素を含む酵素造粒物を使用
(e−1):エバラーゼ16.0L−EX(商品名)(プロテアーゼ、ノボザイム社製)(e−2):ステインザイム(商品名)(アミラーゼ、ノボザイム社製)
(e−3):アルカリセルラーゼ「KAC500」(花王(株)製)
(f)成分:アルカリ剤
(f−1):モノエタノールアミン
(f−2):炭酸ナトリウム
(g)成分:蛍光増白剤
(g−1):4,4'−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム
(1)尿臭を有する衣料の調製
一辺が10cmの正方形に裁断した、綿メリヤス布(5g/1枚あたり、木綿2003、谷頭商店製)1枚の中心部に、p−クレゾール25質量%、フェノール5質量%、o−ジヒドロキシベンゼン5質量%、メトキシビニルフェノール5質量%、及びトリメチルアミン60質量%からなる尿臭によく似た臭気を有するモデル尿組成物0.5gを直径が30mmの円状に塗布した。同様にして合計5枚の試験布を調製し、25℃、50%RH環境下で12時間放置し乾燥させた。
表1の実施例1に記載の衣料用臭気抑制剤組成物とドイツ硬度で4°DHの水を混合して処理液を調製した。この処理液は、衣料用臭気抑制剤組成物を670mg/kgを含む。
500mLの前記処理液を500mL容量のステンレスビーカーに入れ、20℃に調整した。ここに、上記「(1)尿臭を有する衣料の調製」で得られた試験布5枚(計25g)を入れ(浴比25L/kg)、ステンレスビーカー内の処理液と試験布を、ターゴトメーターで120r/minの撹拌条件下で12分間撹拌した。次に処理液を排出し、試験前の試験布の重量の1.5倍程度の重量になるまで、処理液を含む試験布から処理液を手で絞って除去した。
得られた試験布(1)を用いて、下記の尿臭の評価(1)を行った。
評価終了後の試験布(1)を500mL容量のステンレスビーカーに入れ、すすぎ液として新しい水(ドイツ硬度で4°DH、20℃)を500mL入れた。ターゴトメーターで120r/minで6分間すすいだ後、2槽式洗濯機の脱水槽で、試験前の試験布の重量の1.5倍の重量になるまで、試験布からすすぎ液を除去した。得られた試験布を25℃、50%RHの環境下で12時間放置し乾燥させ、試験布(2)を得た。
上記と同様にして、(d)環状カルボニル化合物を含まない組成物(比較例1、2)を調製し、実施例1、2と同様にして、比較試験布(1)及び比較試験布(2)を得た。
比較試験布(1)から臭う尿臭を含む臭いの強さを0とし、試験布(1)から臭う尿臭を含む臭いの強さを以下のように評価した。また同様に、比較試験布(2)から臭う尿臭を含む臭いの強さを0とし、試験布(2)から臭う尿臭を含む臭いの強さを評価した。
評価は、尿臭の臭い評価に熟練した臭い評価パネラー5名が、試験布(1)又は(2)から臭う尿臭を含む臭いの強さが、比較試験布(1)又は(2)から臭う尿臭を含む臭いの強さよりも弱い場合は+1と評価し、比較試験布(1)又は(2)から臭う尿臭を含む臭いの強さと同程度であり差がない場合は0と評価し、5人の平均値を評価結果とした。0.2以上が合格であり、数値が高い程、尿臭の性能評価に優れることを示す。
本発明の尿臭を含む臭いの臭気抑制効果が期待できる配合例を示す。
(a−1)〜(a−3):表1で用いたものと同じ。
(b1−1):表1で用いたものと同じ。
(b2−1):一般式(2)において、R3が炭素数12の直鎖1級アルキル基/炭素数14の直鎖1級アルキル基=8/2の質量比である混合アルキル基であり、A2Oがエチレンオキシ基、Mがモノエタノールアンモニウムであり、n2が2.0の化合物である。
(b2−2):一般式(2)において、R3が炭素数12の直鎖1級アルキル基/炭素数14の直鎖1級アルキル基=8/2の質量比である混合アルキル基であり、A2Oが、プロパン−1,2−ジイルオキシ基が平均で2.5モル付加した後に、エチレンオキシ基が平均で1.5モル付加した基であり、Mがモノエタノールアンモニウムの化合物である。
(b2−3):一般式(2)において、R3が炭素数12の直鎖1級アルキル基/炭素数14の直鎖1級アルキル基=8/2の質量比である混合アルキル基であり、n2が0であり、Mがナトリウムイオンの化合物である。
(b3−4):前記一般式(3)において、R4が炭素数15の直鎖1級アルキル基/炭素数17の直鎖1級アルキル基=8/2の質量比である混合アルキル基である化合物
(c−2):ラウリン酸40質量%、ミリスチン酸20質量%、パルミチン酸30質量%、ステアリン酸8質量%、オレイン酸2質量%の組成を有する混合脂肪酸
(d1−1):8−シクロヘキサデセン−1−オン
(d1−2):9−シクロヘプタデセン−1−オン
(d2−1):7−シクロヘキサデセノリド
(d3−1):10−オキサ−16−ヘキサデカノリド
(e)成分:酵素
(e−1)〜(e−3):表1で用いたものと同じ。
(f)〜(g)成分:表1で用いたものと同じ。
配合例11の組成物は実施例1の組成物と同じであり、配合例12の組成物は実施例2の組成物と同じである。比較配合例11の組成物は比較例1の組成物と同じであり、比較配合例12の組成物は比較例2の組成物と同じである。
上記の配合例11〜12、比較例配合例11〜12を用いて、以下の方法により評価した。結果を表3に示す。
一辺が10cmの正方形に裁断した、綿メリヤス布(5g/1枚あたり、木綿2003、谷頭商店製)1枚の中心部に、モデル皮脂人工汚染液(組成:ラウリン酸0.4質量%、ミリスチン酸3.1質量%、ペンタデカン酸2.3質量%、パルミチン酸6.2質量%、ヘプタデカン酸0.4質量%、ステアリン酸1.6質量%、オレイン酸7.8質量%、トリオレイン13.0質量%、パルミチン酸n-ヘキサデシル2.2質量%、スクアレン6.5質量%、卵白レシチン液晶物1.9質量%、鹿沼赤土8.1質量%、カーボンブラック0.01質量%、水残部、合計100質量%)0.5gを、グラビアロールコーターを用いて、グラビアロールのセル容量58cm3/m2、塗布速度1.0m/min、乾燥温度100℃、乾燥時間1minの条件で、直径が30mmの円状に塗布し、モデル皮脂人工汚染布を調製した。同様にして合計5枚の汚染布を調製し、25℃、50%RH環境下で12時間放置し乾燥させた。
表3の配合例11又は12、比較配合例11又は12に記載の衣料用臭気抑制剤組成物とドイツ硬度で4°DHの水を混合して処理液を調製した。この処理液を用いて、前記の「(2)衣料用臭気抑制剤組成物による処理」と同様にして、試験布(3)、(4)と、比較試験布(3)、(4)を得た。
比較試験布(3)から臭う尿臭と皮脂臭を含む臭いの強さを0とし、試験布(3)から臭う尿臭と皮脂臭を含む臭いの強さを以下のように評価した。また同様に、比較試験布(4)から臭う尿臭と皮脂臭を含む臭いの強さを0とし、試験布(4)から臭う尿臭と皮脂臭を含む臭いの強さを評価した。
評価は、尿臭と皮脂臭の臭い評価に熟練した臭い評価パネラー5名が、試験布(3)又は(4)から臭う尿臭と皮脂臭を含む臭いの強さが、比較試験布(3)又は(4)から臭う尿臭と皮脂臭を含む臭いの強さよりも弱い場合は+1と評価し、比較試験布(3)又は(4)から臭う尿臭と皮脂臭を含む臭いの強さと同程度であり差がない場合は0と評価し、5人の平均値を評価結果とした。0.2以上が合格であり、数値が高い程、尿臭の性能評価に優れることを示す。
Claims (6)
- 下記(a)非イオン界面活性剤、(b)アニオン界面活性剤、(c)脂肪酸又はその塩、(d)環状カルボニル化合物、及び(e)酵素を含有する衣料用臭気抑制剤組成物であって、
(a)成分と(b)成分の合計含有量が、10質量%以上、70質量%以下であり、
[(a)成分/(b)成分]の質量比が、0.2以上、8以下であり、
(d)成分の含有量が0.02質量%以上、0.2質量%以下である、衣料用臭気抑制剤組成物。
(a)成分:下記一般式(1)で表される非イオン界面活性剤
R1−(C=O)xO−(A1O)n1−R2 (1)
〔式中、R1は炭素数10以上、18以下の炭化水素基を示し、R2は炭素数1以上、3以下のアルキル基又は水素原子を示し、A1Oはエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基を示し、n1は平均付加モル数を示し、3以上、15以下の数であり、xは0又は1の数である。〕
(b)成分:下記(b1)〜(b3)成分から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤
(b1)成分:炭素数10以上、14以下のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩
(b2)成分:下記一般式(2)で表される硫酸エステル塩
R3O−(A2O)n2−SO3M (2)
〔式中、R3は炭素数10以上、18以下の炭化水素基を示し、A2Oはエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基を示し、n2は平均付モル数を示し、0以上、5以下の数であり、Mは陽イオンである。〕
(b3)成分:α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩
(c)成分:炭素数12以上、18以下の脂肪酸又はその塩
(d)成分:下記(d1)〜(d3)成分から選ばれる1種以上の環状カルボニル化合物
(d1):下記一般式(4)で表される化合物
(d2)下記一般式(5)で表される化合物
(d3)下記一般式(6)で表される化合物
(e)成分:プロテアーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼから選ばれる1種以上の酵素 - (c)成分が不飽和脂肪酸を含む脂肪酸である、請求項1に記載の衣料用臭気抑制剤組成物。
- 更に(f)炭素数2以上、6以下のアルカノールアミン及びアルカリ金属炭酸塩から選ばれる1種以上のアルカリ剤を含有する、請求項1又は2に記載の衣料用臭気抑制剤組成物。
- 更に(g)蛍光増白剤を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の衣料用臭気抑制剤組成物。
- (e)成分の含有量が、0.1質量%以上、2質量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の衣料用臭気抑制剤組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の衣料用臭気抑制剤組成物と水からなり、該臭気抑制剤組成物の濃度が300mg/kg以上、6000mg/kg以下であり、温度が0℃以上、45℃以下である処理液と、尿臭を有する衣料とを、浴比[処理液の量/衣料の質量]が3L/kg以上、50L/kg以下の条件下で、2分間以上、120分間以下接触させる、尿臭を有する衣料の臭気抑制方法。
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