JP2004210833A - 石鹸組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】石鹸を35重量%以上含有する、常温で液状又は流動性を有する石鹸組成物。この石鹸組成物を製造する方法であって、 (i) 脂肪酸と、低級一価アルコール、多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤とアルカリとを混合することにより脂肪酸をケン化する工程と、(ii) 工程(i)で得られた混合液の溶剤濃度を1〜35重量%に調整する工程とを含む方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高濃度の石鹸組成物及びその製造方法に関する。本発明は、特に、手洗い石鹸、ボディシャンプー、ヘアシャンプーあるいは台所用液体石鹸や衣料用液体石鹸などとして用いるための高濃度の石鹸組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体石鹸の調製に供する石鹸としては、水への高い溶解性を確保し固化を防ぐために、対カチオンがカリウムイオン又はアミン塩等であり、脂肪酸が短鎖飽和脂肪酸のラウリン酸(C12)であるものが主に用いられている。
【0003】
しかし、このような、それ自体水への溶解性の高い石鹸を用いる場合でも、35重量%程度より高濃度の石鹸を含有する液体石鹸を製造するのは困難である。特に、冬季の気温の低下により、ゲル化又は結晶の析出が生じるため、実用上十分に液状又は流動性を保つことができる高濃度の液体石鹸を調製するのは困難である。
【0004】
このように、石鹸は水への溶解度が合成洗剤より低いために、液体石鹸として市販する際に容器が大きくなり、その分輸送及び保管コストが高くなる。従って、常温で高濃度の石鹸を含有する液状又は流動状の石鹸組成物が求められている。
【0005】
なお、特許文献1〜3には、洗浄剤成分が35重量%以上である液体洗浄剤が記載されているが、これらは全て石鹸と合成洗浄剤との混合組成物であり、他の洗浄剤成分を含まず石鹸濃度が35重量%以上の液状又は流動性を有する石鹸組成物は存在しない。
【0006】
【特許文献1】
特開平09-227359(請求項1等)
【0007】
【特許文献2】
特開平09-227358(請求項1等)
【0008】
【特許文献3】
特開平09-087671(請求項1等)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、常温下で従来より高濃度の石鹸を含有する液状又は流動状の石鹸組成物及びその製造方法を提供することを主目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明者は研究を重ね、以下の知見を得た。
▲1▼ 常温で液体状又は流動状の石鹸組成物において、低級一価アルコール、多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を含有させることにより、石鹸の結晶化又はゲル化を防止することができ、その結果、石鹸濃度を35重量%以上の高濃度にすることができる。
▲2▼ 石鹸を構成する脂肪酸として、結晶性の高い飽和脂肪酸の使用比率を少なくし、融点の低い不飽和脂肪酸の使用比率を高めることにより、液状又は流動状を保ちつつ石鹸濃度を向上させることができる。
▲3▼ 脂肪酸をアルカリを用いてケン化することにより、石鹸を35重量%以上含有する液体状又は流動状の石鹸組成物を製造するに当たっては、高濃度の脂肪酸とアルカリとを混合すると、高濃度の石鹸が生じて反応液がゲル化し、撹拌が困難になる。脂肪酸をアルカリを用いてケン化するにあたり、低級一価アルコール、多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を反応液に添加しておくことにより、反応液のゲル化を防止できる。
【0011】
本発明は前記知見に基づき完成されたものであり、以下の石鹸組成物及びその製造方法を提供する。
【0012】
項1. 石鹸を35重量%以上含有する、常温で液状又は流動性を有する石鹸組成物。
【0013】
項2. 低級一価アルコール、多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を1〜35重量%含有する項1に記載の石鹸組成物。
【0014】
項3. 少なくとも1種の低級一価アルコールからなる溶剤を1〜35重量%含有する項1に記載の石鹸組成物。
【0015】
項4. 多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を1〜35重量%含有する項1に記載の石鹸組成物。
【0016】
項5. 石鹸を構成する脂肪酸の65重量%以上が不飽和脂肪酸である項1から4のいずれかに記載の石鹸組成物。
【0017】
項6. 石鹸を構成する対カチオンの65モル%以上がカリウムイオンである項1から5のいずれかに記載の石鹸組成物。
【0018】
項7. (i) 脂肪酸と、低級一価アルコール、多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤と、アルカリとを混合することにより脂肪酸をケン化する工程と、
(ii) 工程(i)で得られた混合液の溶剤濃度を1〜35重量%に調整する工程と
を含む項1〜6のいずれかに記載の石鹸組成物の製造方法。
【0019】
項8. 工程(i)において、脂肪酸と、低級一価アルコール、多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤とを混合すると同時又はその後に、この混合物にアルカリを混合する項7に記載の石鹸組成物の製造方法。
【0020】
項9. 工程(i)において、溶剤を脂肪酸に対して25〜150重量%使用する項7又は8に記載の石鹸組成物の製造方法。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
( 1) 石鹸組成物
基本的構成
本発明の石鹸組成物は、石鹸を、組成物全体に対して35重量%以上含有する、常温(20〜25℃)で液状又は流動性を有する石鹸組成物である。
【0022】
本発明において石鹸とは、脂肪酸の塩をいう。
【0023】
本発明の石鹸組成物は、石鹸を36重量%以上、特に38重量%以上、さらに特に41重量%以上含有するものであることが好ましい。石鹸含有量の上限は、特に限定されないが、通常65重量%程度である。
【0024】
本発明において、常温(20〜25℃)で液状であるか否かは、「危険物確認試験実施マニュアル」(新日本法規出版株式会社、平成2年5月18日発行)の第91〜92頁に記載の方法に準じて確認することができる。
【0025】
また常温(20〜25℃)で流動性を有するか否かは、底面が直径15mmの円形をした20グラムの分銅を被験石鹸組成物上に載せ、5分後に1mm以上沈むものを流動性ありと判定することができる。
【0026】
本発明の石鹸組成物は各成分が均一に溶解しており、微小な結晶などの不溶物は認められないことが好ましい。
溶剤
本発明の石鹸組成物は、低級一価アルコール、多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を1重量%以上含有することが好ましく、これにより、石鹸組成物を液状又は流動性を有する状態に保ちつつ、石鹸濃度を35重量%以上の高濃度にすることができる。上記溶剤の濃度は、特に3重量%以上であることが好ましく、さらに特に5重量%以上であることが好ましい。
【0027】
溶剤濃度は、揮発による組成変化あるいは高濃度配合による製造原価の高価格化を防ぐ理由で、通常35重量%以下、特に33重量%以下、さらに特に32重量%以下とすることが好ましい。
【0028】
低級一価アルコールとしては、炭素数1〜3の脂肪族一価アルコールが挙げられる。炭素数1〜3の脂肪族一価アルコールとしては、メタノール、エタノール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコールが挙げられる。特に、沸点の点から、エタノール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコールが好ましく、臭気及び毒性がない点でエタノールがより好ましい。低級一価アルコールは1種を単独で又は2種以上混合して使用できる。
【0029】
多価アルコール又は多価アルコールエーテルとしては、炭素数2〜9の脂肪族多価アルコール又は多価アルコールエーテルが好ましい。このような多価アルコール又は多価アルコールエーテルとして、例えば以下のa)〜d)の化合物が挙げられる。
a) グリコール・ポリグリコール
エチレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールのようなポリエチレングリコール;プロピレングリコール;ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールのようなポリプロピレングリコール;1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコールのようなアルキレングリコール
b) グリセリン類
グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン
c) グリコールモノアルキルエーテル・ポリグリコールモノアルキルエーテル
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノノルマルプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルのようなエチレングリコールモノエーテル;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノノルマルプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルのようなジエチレングリコールモノアルキルエーテル;
トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノノルマルプロピルエーテルのようなトリエチレングリコールモノアルキルエーテル;
テトラエチレングリコールモノメチルエーテル
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノイロプロピルエーテル、プロピレングリコールモノノルマルプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルのようなプロピレングリコールモノアルキルエーテル
d) グリコールポリアルキルエーテル・ポリグリコールポリアルキルエーテル
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジノルマルプロピルエーテルのようなエチレングリコールジエーテル;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルのようなジエチレングリコールジアルキルエーテル;
プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジノルマルプロピルエーテルのようなプロピレングリコールジエーテル;
ジプロピレングリコールジメチルエーテルのようなジプロピレングリコールジアルキルエーテル、グリセリントリメチルエーテル、ジグリセリントリメチルエーテルなど。
【0030】
多価アルコール及び多価アルコールエーテルは1種を単独で又は2種以上を混合して使用できる。
【0031】
特に、グリコール又はポリグリコールが好ましい。溶剤の分子量が高いと、所定の石鹸溶解補助効果を得るために大量に添加することを要し、その分石鹸濃度が低下してしまう。従って、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等の炭素数2〜4のグリコール又はポリグリコールがより好ましい。エチレングリコール、プロピレングリコールが特に好ましい。
【0032】
溶剤は、低級一価アルコールのみを使用してもよく、多価アルコール及び/又は多価アルコールエーテルのみを使用してもよく、又は、両者を混合使用してもよい。
【0033】
溶剤として少なくとも1種の低級一価アルコールを使用する場合は、石鹸組成物中に1〜35重量%程度、特に3〜30重量%程度、さらに特に5〜28重量%程度含有させることが好ましい。
【0034】
低級一価アルコールは、分子量が小さいため、所定の石鹸溶解補助効果を得るのにそれほど高濃度で使用する必要がなく、十分に高濃度の石鹸組成物が得られる点で好ましい。しかし、アルコールは引火性を有するため、台所のような火を使う場所で余りに高濃度の低級一価アルコールを含む液状石鹸を用いることは好ましくない。また、後述する石鹸組成物の製造方法において、脂肪酸をアルカリでケン化する際には、ゲル化を防止し、粘度を低下させて反応液の撹拌を容易にするために溶剤を添加するが、高濃度の低級一価アルコールを存在させるとケン化時の中和熱でアルコールが揮発し、火災を招く恐れがあるとともに、アルコールのロスが生じる。従って、石鹸組成物中の低級一価アルコールの濃度が余りに高いのは好ましくない。
【0035】
また、溶剤として多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種を使用する場合は、石鹸組成物中に1〜35重量%程度、特に5〜35重量%程度、さらに特に10〜35重量%程度の濃度で含ませることが好ましい。多価アルコール又は多価アルコールエーテルは、引火は生じ難いが、分子量が大きい分、所定の石鹸溶解補助効果を得るために比較的高濃度に存在させる必要がある。そのため高濃度で使用せざるを得ずその分石鹸濃度を上げることができないという難点がある。上記濃度範囲であればこのような問題は生じない。
【0036】
上記の低級一価アルコールの利点と多価アルコール又は多価アルコールエーテルの利点とを兼ね備えた石鹸組成物とするためには、低級一価アルコールの一部を多価アルコール及び/又は多価アルコールエーテルで代替することが好ましい。
【0037】
低級一価アルコールと多価アルコール及び/又は多価アルコールエーテルとの比率は、重量比で、1:0.5〜20程度、特に1:1〜10程度とすることが好ましい。いずれにしても石鹸組成物中の溶剤濃度が全体として1〜35重量%となるように各溶剤の濃度を調整する。
脂肪酸
従来、液体石鹸に供される石鹸の構成脂肪酸としては、短鎖の飽和脂肪酸であるC12のラウリン酸が主に用いられている。これは、不飽和脂肪酸は、経時的に酸化して着色したり臭気が生じたりし易く、また高価であることから、飽和脂肪酸が好まれていたためである。しかし、飽和脂肪酸は融点が高く、また結晶化し易いために、高濃度の石鹸を含有する液状又は流動状の石鹸組成物を得難いという難点がある。
【0038】
従って、本発明では、石鹸を構成する脂肪酸の65重量%以上、特に70重量%以上、さらに特に75重量%以上を不飽和脂肪酸とすることが好ましい。石鹸を構成する脂肪酸の全部が不飽和脂肪酸であっても構わない。
【0039】
不飽和脂肪酸の種類は特に限定されないが、通常は、炭素数16〜22程度、好ましくは炭素数16〜18程度の不飽和脂肪酸を用いればよい。炭素数16〜22の不飽和脂肪酸としてパルミトオレイン酸(C16)、オレイン酸(C18)、エライジン酸(C18)、リノール酸(C18)、リノレン酸(C18)、アラキドン酸(C20)、セトレイン酸(C22)、エルカ酸(C22)、ブラシジン酸(C22)等が挙げられる。特に、パルミトオレイン酸、オレイン酸及びリノール酸が好ましく、オレイン酸及びリノール酸がより好ましい。不飽和脂肪酸は1種を単独で又は2種以上を混合して使用できる。
【0040】
本発明の組成物においては、特に構成脂肪酸に占めるオレイン酸及び/又はリノール酸の比率が65重量%以上、特に70重量%以上、さらに特に75重量%以上であることが好ましい。また、オレイン酸とリノール酸との比率は、酸化安定性や着色安定性の点からオレイン酸が多い方が好ましい。構成脂肪酸の全部がオレイン酸及び/又はリノール酸であっても構わない。構成脂肪酸の全部がオレイン酸であることが最も好ましい。
【0041】
また、脂肪酸のうち飽和脂肪酸の種類も特に限定されないが、通常は、炭素数6〜22程度、好ましくは炭素数10〜18程度の飽和脂肪酸を用いればよい。炭素数6〜22の飽和脂肪酸としては、カプロン酸(C6)、エナント酸(C7)、カプリル酸(C8)、ペラルゴン酸(C9)、カプリン酸(C10)、ウンデシル酸(C11)、ラウリン酸(C12)、トリデシル酸(C13)、ミリスチン酸(C14)、ペンタデシル酸(C15)、パルミチン酸(C16)、ヘプタデシル酸(C17)、ステアリン酸(C18)、ノナデカン酸(C19)、アラキジン酸(C20)、ベヘン酸(C22)等が挙げられる。
【0042】
これらの中ではラウリン酸(C12)やミリスチン酸(C14)等が好ましく、ラウリン酸(C12)がより好ましい。飽和脂肪酸は1種を単独で又は2種以上を混合して使用できる。
【0043】
脂肪酸の由来は特に限定されず、天然油脂由来の脂肪酸又は合成脂肪酸のいずれも使用できる。天然油脂としては、特に限定されないが、例えば大豆油、トウモロコシ油、米ぬか油、菜種油、綿実油、ヤシ油、パーム核油、パーム油、豚脂、牛脂、オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ油、アマニ油、ヒマワリ油、落花生油等が挙げられる。
【0044】
構成脂肪酸のうち不飽和脂肪酸が65重量%以上である天然油としては、大豆油、トウモロコシ油、米ぬか油、菜種油、綿実油等が挙げられる。従って、これらの油脂から調製した脂肪酸を用いることにより脂肪酸の65重量%以上が不飽和脂肪酸である石鹸を調製できる。大豆油及び菜種油は、1分子中に不飽和結合を3個有するリノレン酸を含むことから酸化に対してやや不安定である。従って、大豆油又は菜種油から調製された脂肪酸は、さらに部分水添することによりリノレン酸を減少させてから使用することが好ましい。
【0045】
また、大豆油、トウモロコシ油、米ぬか油、菜種油又は綿実油等に、不飽和脂肪酸の比率が65重量%未満の油脂を混合使用する場合は、両者の混合比率を調整することにより、全体として不飽和脂肪酸比率が65重量%以上になるようにすればよい。
【0046】
原料油脂としては、ヤシ油、パーム油、パーム核油、豚脂、牛脂等を用いることが好ましく、ヤシ油やパーム核油を用いることがより好ましい。
対カチオン
石鹸を構成する対カチオンとしては、石鹸の対カチオンとして通常使用されるものであればよく、例えばカリウムイオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。対カチオンは1種を単独で又は2種以上混合して使用できる。石鹸の溶解性を高める上で、カリウムイオン、アンモニウムイオンあるいはトリエタノールアンモニウムイオンなどの各種のアルカノールアンモニウムイオンが好ましい。さらに低コストである点でカリウムイオンがより好ましい。
その他の成分
本発明の石鹸組成物には、液体石鹸に通常添加される各種の添加剤が含まれていてよい。このような添加剤として、EDTA、ASDA、GLUDAのようなキレート化剤;香料;着色剤;pH調製剤;各種の加脂剤;参加による着色や酸化臭の防止剤等が挙げられる。添加剤の濃度は、目的とする石鹸濃度が得られる範囲とすればよい。
(II) 石鹸組成物の製造方法
本発明の石鹸組成物の製造方法は、
(i) 脂肪酸と、低級一価アルコール、多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤と、アルカリとを混合することにより脂肪酸をケン化する工程と、
(ii) 工程(i)で得られた混合液の溶剤濃度を1〜35重量%に調整する工程と
を含む方法である。
ケン化工程 (i)
石鹸含有量が35重量%以上である石鹸組成物を得るために、高濃度で脂肪酸をケン化すると、反応液中に高濃度の石鹸と脂肪酸とが生じてゲル化し、撹拌が困難になる。従って、本発明方法では、目的とする石鹸組成物中に存在させるべき溶剤の全部又は一部を、ケン化工程で添加する。
【0047】
工程(i)では、脂肪酸と、低級一価アルコール、多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤とを混合すると同時又はその後に、この混合物にアルカリを混合することが好ましい。例えば、脂肪酸、溶剤及びアルカリを一度に混合してもよく、又は、脂肪酸と溶剤との混合物にアルカリを混合してもよい。なお、高濃度の脂肪酸のケン化により反応液のゲル化が生じない範囲であれば、脂肪酸とアルカリとを混合した直後に溶剤を添加してもよい。
【0048】
また、工程(i)における混合液には、溶媒として水が含まれるが、水は、当初から脂肪酸に添加しておいてもよく、又は、アルカリ水溶液としてアルカリとともに添加してもよい。通常は、アルカリ水溶液として水を添加すればよい。
【0049】
工程(i)では、ケン化反応液中の脂肪酸濃度を29重量%以上とすることが好ましい。
【0050】
ケン化工程(i)における溶剤の使用量は、脂肪酸に対して通常3重量%以上、特に10重量%以上とすることが好ましい。
【0051】
また、アルカリの使用量は、その種類によって異なるが、脂肪酸に対してケン化等量を添加するのが好ましい。多量のアルカリの添加は肌荒れや手荒れの原因となる。一方、アルカリが少ないと、余分な脂肪酸により洗浄力が減少する要因となる。
【0052】
工程(i)では高濃度の脂肪酸をケン化するため、中和熱による温度上昇が激しい。従って、水分や溶剤の気化あるいは高温による着色や酸化臭の増加を防止するため、反応液を冷却することにより、40〜65℃程度の温度に保つことが好ましい。
溶剤濃度の調整工程 (ii)
工程(i)で、目的とする石鹸組成物中に含ませるべき溶剤の一部を添加した場合は、残余の溶剤を添加することにより、溶剤濃度を目的濃度に調製する。
【0053】
溶剤としてアルコールと多価アルコール及び/又は多価アルコールエーテルとを併用する場合は、中和熱によるアルコールの気化を抑えるために、工程(i)で主に多価アルコール及び/又は多価アルコールエーテルを添加し、工程(ii)で主に低級一価アルコールを添加することが好ましい。
【0054】
工程(i)及び工程(ii)により、石鹸濃度35重量%以上の、液状又は流動性を有する石鹸組成物が得られる。
【0055】
なお、工程(i)で目的とする石鹸組成物中に含まれるべき溶剤の全量を添加した場合は、溶剤濃度の調製工程(ii)は勿論不要である。
【0056】
また、キレート化剤、香料、着色剤、pH調製剤、各種の加脂剤、安定化剤等の添加剤は、工程(i)、工程(ii)及びその後のいずれの段階で添加してもよい。通常は、液状又は流動状の石鹸組成物が生成した後に添加すればよい。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、常温下で従来より高濃度の石鹸を含有する液状又は流動状の石鹸組成物及びその製造方法が提供される。
【0058】
さらにいえば、本発明の石鹸組成物は、低級一価アルコール、多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を1〜35重量%含有するために、液状又は流動状を保ちつつ35重量%以上という高濃度の石鹸を含有するものとなる。
【0059】
また、本発明の石鹸組成物は、脂肪酸中の不飽和脂肪酸比率を高めることにより、石鹸濃度を一層高くすることができる。特に不飽和脂肪酸比率を65重量%以上にすることにより、安価に製造できるカリウム石鹸を使用して、50重量%程度以上という高濃度の石鹸を含有する液状又は流動状石鹸組成物が得られる。
【0060】
高濃度の石鹸は、包装容器を小さくすることができるため、その分流通及び保管のコストが抑えられる。
【0061】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例で「部」とあるのは特に言及しない限り「重量部」を表す。
<液状の判定方法>
以下の実施例及び比較例において、各組成物が液状であるか否かは、25℃の温度下で、「危険物確認試験実施マニュアル」(新日本法規出版株式会社、平成2年5月18日発行)の第92〜93頁に記載の方法に従って判定した。簡単に説明すると、25℃下で、内径30mm、高さ120mmの平底円筒形試験管内に高さ55mmの位置まで被験物質を満たし、この試験管を水平に倒す。倒してから90秒以内に被験物質が、試験管の底部から85mmの位置まで到達する場合は、被験物質が液状であると判定する。
<流動性の判定方法>
以下の実施例及び比較例の各組成物は、以下に述べる方法で流動性の有無を判定した。すなわち、底面が直径15mmの円形をした20グラムの分銅を被験石鹸組成物上に載せ、5分後に1mm以上沈むものを流動性ありと判定した。
実施例1
米脂肪酸15部と溶剤としてのエタノール5部とを混合し、さらに水5.5部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより50℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、同温度下でエタノール2.3部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を55.5重量%、溶剤としてのエタノールを23.3重量%含有する液体状の石鹸組成物が得られた。
実施例2
米脂肪酸15部と溶剤としてのエチレングリコール6部とを混合し、さらに水5.5部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより60℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、温度を50℃程度に冷却し、エタノール6部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を48.3重量%、溶剤としてのエタノールを16.7重量%及びエチレングリコールを16.7重量%(合計33.3重量%)含有する液体状の石鹸組成物が得られた。
実施例3
米脂肪酸15部と溶剤としてのプロピレングリコール6部とを混合し、さらに水5.5部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより60℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、温度を50℃程度に冷却し、エタノール6部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を48.3重量%、溶剤としてのエタノールを16.7重量%及びプロピレングリコールを16.7重量%(合計33.3重量%)含有する液体状の石鹸組成物が得られた。
実施例4
米脂肪酸15部と溶剤としてのプロピレングリコール6部とを混合し、さらに水5.5部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより60℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、温度を50℃程度に冷却し、エタノール5部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を49.7重量%、溶剤としてのエタノールを14.3重量%及びプロピレングリコールを17.1重量%(合計31.4重量%)含有する液体状の石鹸組成物が得られた。
実施例5
米脂肪酸15部と溶剤としてのプロピレングリコール9部とを混合し、さらに水5.5部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより60℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、温度を50℃程度に冷却し、エタノール2部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を49.7重量%、溶剤としてのエタノールを5.7重量%及びプロピレングリコールを25.7重量%(合計31.4重量%)含有する液体状の石鹸組成物が得られた。
比較例1
溶剤を添加せずに高濃度の石鹸組成物を製造した。すなわち、米脂肪酸15部に、水15.8部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を60〜70℃に保ちつつ30分間撹拌した。これにより、石鹸純分を50.7重量%含有する石鹸組成物が得られたが、この組成物はゲル化していた。
実施例6
精製ヤシ油脂肪酸15部を加熱により液体とし、これに溶剤としてのエタノール7部を混合し溶解させた。この溶液に水5.5部及び水酸化カリウム4.3部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより50℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、同温度下でエタノール3部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を51.5重量%、溶剤としてのエタノールを28.7重量%含有する液体状の石鹸組成物が得られた。
【0062】
なお、使用した精製ヤシ油脂肪酸は、その殆どがラウリン酸である。
実施例7
精製ヤシ油脂肪酸15部を加熱により液体とし、これに溶剤としてのプロピレングリコール3部及びエタノール4部とを混合し溶解させた。この溶液に水5.5部及び水酸化カリウム4.3部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより50℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、同温度下でエタノール3部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を51.5重量%、溶剤としてのエタノールを20.1重量%及びプロピレングリコールを8.6重量%(合計28.7重量%)含有する液体状の石鹸組成物が得られた。
比較例2
溶剤を添加せずに高濃度の石鹸組成物を製造した。すなわち、精製ヤシ油脂肪酸15部を加熱により液体とし、これに、よく攪拌しながら水17.5部及び水酸化カリウム4.3部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を60〜70℃に保ちつつ30分間撹拌した。これにより、石鹸純分を48.7重量%含有する石鹸組成物が得られたが、この組成物はゲル化していた。
【0063】
実施例1〜5及び比較例1の組成及び結果を以下の表1に示し、実施例6、7及び比較例2の組成及び結果を以下の表2に示す。表中の状態は、常温(25℃)での状態を示した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
表1及び表2から明らかなように、溶剤を1〜35重量%の範囲で含む実施例1〜7の石鹸組成物では、50重量%程度の高濃度で石鹸を含有する液状の石鹸組成物が得られた。これに対して、溶剤を含まない比較例1及び2の石鹸組成物では、50重量%程度の石鹸を含有する石鹸組成物が得られたが、その状態は液状又は流動状ではなく、ゲル化しており、実用し難いものであった。
【0067】
また、表2から明らかなように、構成脂肪酸の殆どが飽和脂肪酸である場合も溶剤濃度を28.7重量%と比較的高くすることにより、50重量%程度の高濃度の石鹸を含有する液状組成物が得られた。
【0068】
実施例8
米脂肪酸15部と溶剤としてのエタノール3 部とを混合し、さらに水27部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより50℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、同温度下でエタノール1部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を35.1重量%、溶剤としてのエタノールを8.1重量%含有する流動状の石鹸組成物が得られた。
【0069】
なお、この石鹸組成物は、薬さじで撹拌したところ、後述する実施例10又は11の石鹸組成物が液状であるのに対して粘性ゲル状といえるものであった。
【0070】
実施例9
米脂肪酸15部と溶剤としてのエタノール4 部とを混合し、さらに水25部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより50℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、同温度下でエタノール2部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を35.1重量%、溶剤としてのエタノールを12.1重量%含有する流動状の石鹸組成物が得られた。
【0071】
なお、この石鹸組成物は、薬さじで撹拌したところ、後述する実施例10又は11の石鹸組成物が液状であるのに対して低粘性ゲル状といえるものであった。
【0072】
実施例 10
米脂肪酸15部と溶剤としてのエタノール4 部とを混合し、さらに水22部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより50℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、同温度下でエタノール5部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を35.1重量%、溶剤としてのエタノールを18.2重量%含有する液体状の石鹸組成物が得られた。
【0073】
実施例 11
米脂肪酸15部と溶剤としてのエタノール4 部とを混合し、さらに水21部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより50℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、同温度下でエタノール6部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を35.1重量%、溶剤としてのエタノールを20.2重量%含有する液体状の石鹸組成物が得られた。
【0074】
比較例3
溶剤を添加せずに高濃度の石鹸組成物を製造した。すなわち、米脂肪酸15部に、水31部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を60〜70℃に保ちつつ30分間撹拌した。これにより、石鹸純分を35.1重量%含有する石鹸組成物が得られたが、この組成物はゲル化していた。
【0075】
実施例8〜11及び比較例3の組成及び結果を以下の表3に示す。
【0076】
【表3】
【0077】
表3から明らかなように、溶剤濃度1〜35重量%の範囲内で、実施例8〜11の石鹸組成物の状態は流動状又は液状であった。
実施例 12
ラウリン酸5.3部及び米脂肪酸9.8部と溶剤としてのエタノール8部とを混合し、さらに水22部及び水酸化カリウム3.8部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより50℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、同温度下でエタノール1部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を35.4重量%、溶剤としてのエタノールを18.0重量%含有する液体状の石鹸組成物が得られた。
【0078】
実施例 13
ラウリン酸5.3部及び米脂肪酸9.8部と溶剤としてのエタノール8 部とを混合し、さらに水21部及び水酸化カリウム3.8部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより50℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、同温度下でエタノール2部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を35.4重量%、溶剤としてのエタノールを20.0重量%含有する液体状の石鹸組成物が得られた。
【0079】
比較例4
原料脂肪酸として飽和脂肪酸のみを使用するとともに、溶剤を添加せずに高濃度の石鹸組成物を製造した。すなわち、ラウリン酸14.8部に、水31部及び水酸化カリウム4.2部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を60〜70℃に保ちつつ30分間撹拌した。これにより、石鹸純分を35.3重量%含有する石鹸組成物が得られたが、この組成物は固化していた。
【0080】
実施例12、13及び比較例4の組成及び結果を以下の表4に示す。
【0081】
【表4】
【0082】
表4から明らかなように、溶剤濃度が20重量%程度の場合は、不飽和脂肪酸比率を52.2重量%と比較的低くしても、石鹸濃度35重量%程度の液状組成物が得られた。
【0083】
実施例 14
米脂肪酸15部と溶剤としてのプロピレングリコール8.5部とを混合し、さらに水5.5部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより50℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、同温度下でエタノール2部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を50.4重量%、溶剤を30.4重量%含有する液状の石鹸組成物が得られた。
【0084】
実施例 15
米脂肪酸15部と溶剤としてのプロピレングリコール7部とを混合し、さらに水5.5部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより50℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、同温度下でエタノール3部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を51.1重量%、溶剤を29.4重量%含有する液状の石鹸組成物が得られた。
【0085】
実施例 16
米脂肪酸15部と溶剤としてのエタール6部とを混合し、さらに水3.5部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより50℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、同温度下でエタノール1部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を59.9重量%、溶剤を24.1重量%含有する液状の石鹸組成物が得られた。
【0086】
実施例 17
米脂肪酸15部と溶剤としてのエタール5部とを混合し、さらに水3.5部及び水酸化カリウム3.5部からなる水溶液を徐々に添加した。反応液を冷却することより50℃程度に保ちつつ30分間撹拌した。さらに、同温度下でエタノール1部を添加し、撹拌した。これにより、石鹸純分を62.1重量%、溶剤を21.4重量%含有する、粘性を有する液状の石鹸組成物が得られた。
【0087】
実施例14〜17の組成及び結果を以下の表5に示す。
【0088】
【表5】
【0089】
表5から明らかなように、不飽和脂肪酸比率及び溶剤濃度を比較的高くすることにより、石鹸濃度50〜62重量%程度の極めて高濃度の液状組成物が得られた。
Claims (9)
- 石鹸を35重量%以上含有する、常温で液状又は流動性を有する石鹸組成物。
- 低級一価アルコール、多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を1〜35重量%含有する請求項1に記載の石鹸組成物。
- 少なくとも1種の低級一価アルコールからなる溶剤を1〜35重量%含有する請求項1に記載の石鹸組成物。
- 多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を1〜35重量%含有する請求項1に記載の石鹸組成物。
- 石鹸を構成する脂肪酸の65重量%以上が不飽和脂肪酸である請求項1から4のいずれかに記載の石鹸組成物。
- 石鹸を構成する対カチオンの65モル%以上がカリウムイオンである請求項1から5のいずれかに記載の石鹸組成物。
- (i) 脂肪酸と、低級一価アルコール、多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤と、アルカリとを混合することにより脂肪酸をケン化する工程と、
(ii) 工程(i)で得られた混合液の溶剤濃度を1〜35重量%に調整する工程と
を含む請求項1〜6のいずれかに記載の石鹸組成物の製造方法。 - 工程(i)において、脂肪酸と、低級一価アルコール、多価アルコール及び多価アルコールエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤とを混合すると同時又はその後に、この混合物にアルカリを混合する請求項7に記載の石鹸組成物の製造方法。
- 工程(i)において、溶剤を脂肪酸に対して25〜150重量%使用する請求項7又は8に記載の石鹸組成物の製造方法。
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-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002378915A patent/JP2004210833A/ja active Pending
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