JPH10265797A - タンパク質繊維からなる着色繊維材料用液体洗浄組成 物及び洗浄方法 - Google Patents

タンパク質繊維からなる着色繊維材料用液体洗浄組成 物及び洗浄方法

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JPH10265797A
JPH10265797A JP9109995A JP10999597A JPH10265797A JP H10265797 A JPH10265797 A JP H10265797A JP 9109995 A JP9109995 A JP 9109995A JP 10999597 A JP10999597 A JP 10999597A JP H10265797 A JPH10265797 A JP H10265797A
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washing
discoloration
silk
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colored
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Yoji Toma
洋二 当麻
Nahomi Uesugi
奈保美 上杉
Sadamitsu Mori
貞光 森
Yuki Konosu
由紀 鴻巣
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄時に、毛や絹等のタンパク質繊維からな
る着色繊維材料、着色衣料に対して、変退色、すなわ
ち、色落ちや移染を生じさせることがない、新規な液体
洗浄組成物及び洗浄方法を提供すること。 【解決手段】 着色繊維材料用洗浄組成物において、洗
浄液のpHを3〜5に維持することが可能なpH緩衝剤
を含有することを特徴とするタンパク質繊維からなる着
色繊維材料用液体洗浄組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色繊維材料を洗
濯したときに、色落ちや移染を生じさせることのない新
規な着色繊維材料、例えば着色衣料の洗浄剤および洗浄
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】洗浄の対象となる衣料を構成する繊維に
は、木綿、麻等のセルロース繊維、毛絹等のタンパク質
繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル等の合成繊維
等がある。
【0003】毛は、吸湿性、放湿性、弾性、可塑性等が
大きく、また保湿性、セット性に優れ、柔らかく、皺に
なり難い、結晶性の低い繊維であり、紳士婦人子供服
地、制服、裏地、和服地、下着、手編み毛糸、毛布敷物
及び帽子等に使用されている。
【0004】しかし、毛衣料は、水中で機械力を加える
と、繊維同士が絡まり合って縮充(フェルト化)や、表
面細胞が破壊されて、光沢低下の他、光によって黄変等
を促進し易いという欠点を有している。
【0005】毛衣料の洗濯においては、機械力を弱め、
40℃以下の温度の中性洗剤による短時間洗浄が良いと
されているが、濃色の染色物では、特に30℃以下で色
落ちに注意し、軽く洗うことが必要とされている。汚れ
のひどい毛の洗濯では、機械力を弱めた弱アルカリ性洗
剤で、30〜40℃の短時間洗浄若しくは柔らかいブラ
シによる刷毛洗いが適している。
【0006】このように、色落ちし易く、収縮や型くず
れし易い毛衣料では、ドライクリーニングが最適とされ
ている。しかし、毛衣料のドライクリーニングでは、油
性汚れは溶剤によって比較的除去され易いが、不溶性の
固体粒子の汚れは再汚染を引き起こし易く、また、水溶
性汚れは除去し難く、通常、ドライクリーニングで十分
汚れが除去されない場合、中性洗剤を用い、機械力の弱
い、低温〜中温のランドリーに準じたウェットクリーニ
ングを行なっている。
【0007】絹は、構成アミノ酸が毛と異なる結晶性の
高いフィブロインタンパク質で構成されており、優れた
吸湿性、放湿性、弾性、可塑性や、優雅な光沢と独特な
感触を持つ繊細な繊維であり、古くから高級な衣料用繊
維として、和服地、婦人子供服地、帯地、裏地、下着、
ネクタイ、マフラー、ショール、スカーフ及び真綿等に
使用されている。
【0008】絹衣料の洗濯においては、毛衣料と同様
に、機械力を弱めた中性洗剤による40℃以下の短時間
洗浄、ふり洗い、つかみ洗い、押し洗いが行われる。
【0009】しかし、絹衣料は、繊維の膨潤をともなう
家庭洗濯、洗い張り、生洗い及びウェットクリーニング
等の絹衣料の洗浄において、色落ちし易く、洗浄過程に
おける機械作用や布間の摩擦作用等で、布上にラウジネ
ス(lousiness)と呼ばれる毛羽状又は塊状の
糸屑のもつれが発生し、外観的な特性を著しく損失する
欠点を有している。
【0010】したがって、絹衣料の洗浄は、毛衣料と同
様に、水の代わりに、有機溶剤を用いるドライクリーニ
ングが適しているとされている。
【0011】一般に、衣料の目的には、審美的、装身的
性能の果たす役割が大きい。したがって、繊維、布とし
ての物性値がまだ実用に共し得る性能を有する衣料であ
っても、変退色、白度低下、黄変等主として表面的、外
観的性能の低下が衣料廃棄の誘因となっているので、そ
の対策は急務である。
【0012】ところで、衣料上の汚れに対する洗浴の洗
浄性能は、一方では、繊維上の衣料や加工剤の溶解性、
脱離性と深く関係する。したがって、染色加工製品の洗
濯においては、セルロース繊維衣料であっても、一般
に、汚れの除去よりも、変退色を考慮した洗濯方法で行
わなければならない。
【0013】すなわち、その方法としては、前述したよ
うに、中性洗剤を用い、低温で、機械力の小さい条件で
行うのが望ましいとされている。
【0014】このように、毛や絹からなる衣料は、水洗
いすると色落ちし易いが、その原因としては、次のこと
が考えられる。
【0015】毛、絹等のタンパク質繊維は、その化学構
造中にアミノ基(−NH)とカルボキシル基(−CO
OH)を有しているので、あるpHで等電点が存在し、
その等電点はpH4〜6付近である。
【0016】したがって、毛や絹等は、水溶液のpHに
よって電荷を異にし、等電点以下の酸性液では正(−N
・H)に、また、等電点以上では負(−CO
)に、電荷するという両性を示す。
【0017】そこで、この状態で反対荷電を持つ染料が
存在すれば、+と−のイオン結合(造塩結合)で染着す
るから、毛や絹の衣料の染料は、イオン結合による酸性
染料が多く使用されている。
【0018】よって、このような酸性染料による毛や絹
の染色機構からみて、酸性染料による毛や絹の染色は、
一般的に、湿潤堅牢度が低く、水洗いするだけで、色落
ちや移染を生ずるという問題を内蔵することになる。
【0019】以上のように、染色加工製品、特に、毛や
絹等のタンパク質繊維からなる衣料の洗濯においては、
変退色についての特段の注意が必要であるとされ、現在
では、前述したように、洗浄力を犠牲にした方法が採用
されている点に問題があり、洗浄力をあまり犠牲にしな
いで、変退色を防止する、新たな解決策が待たれている
のが現状である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、洗浄時に、
毛や絹等のタンパク質繊維からなる着色繊維材料、着色
衣料に対して、変退色、すなわち、色落ちや移染を生じ
させることがない、新規な液体洗浄組成物及び洗浄方法
を提供することを目的とするものである。
【0021】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、毛又は絹
からなる衣料の洗浄において、該洗浄を特定のpHの範
囲において行えば、洗濯機洗浄又は浸漬洗浄において
も、かかる問題を解決することを見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0022】本発明は、毛や絹等のタンパク質繊維から
なる着色繊維材料、例えば着色衣料を洗浄するに際し、
その洗浄液のpHを3〜5に維持することにより、該衣
料の変退色、すなわち、色落ちや移染を防止することを
特徴とするものである。
【0023】すなわち、本発明は、以下のとおりのもの
である。
【0024】(1) 着色繊維材料用洗浄組成物におい
て、洗浄液のpHを3〜5に維持することが可能なpH
緩衝剤を含有することを特徴とするタンパク質繊維から
なる着色繊維材料用液体洗浄組成物。
【0025】(2) 着色繊維材料を洗浄するに際し、
その洗浄液のpHを3〜5に維持することを特徴とする
タンパク質繊維からなる着色繊維材料の洗浄方法。
【0026】本発明は、毛や絹等のタンパク質繊維から
なる着色繊維材料、例えば着色衣料を洗浄するに際し、
該材料の変退色、すなわち、色落ちや移染を防止するた
めに、その洗浄液のpHを3〜5に維持するという手段
を採用したものである。
【0027】洗浄時の毛や絹等のタンパク質繊維からな
る着色繊維材料の変退色の防止手段として、洗浄液のp
Hに着目して、その解決を図ったのは、本発明が初めて
であり、その解決手段自体も、従来の常識を超えたもの
である。
【0028】すなわち、一般に、衣料等の洗浄時のpH
については、アルカリ性の時が洗浄力が大きいので、洗
浄はアルカリ性で行われるのが通常である。
【0029】したがって、このような一般的な洗浄常識
(洗液アルカリ性)からみても、本発明のpH(3〜
5)の採用は、予想外のことであることが分かる。
【0030】また、前述したように、染色加工製品の洗
濯においては、セルロース繊維衣料であっても、一般
に、汚れの除去よりも、変退色を考慮した洗濯方法で行
わなければならないとされていることからみても明らか
なように、染色加工製品が変退色し易い毛や絹等のタン
パク質繊維からなる着色繊維材料、例えば着色衣料の場
合、特段の注意が必要であり、その方法としては、前述
したように、中性洗剤を用い、低温で、機械力の小さい
条件で行う方法が採用されている。
【0031】したがって、染色加工製品の洗浄常識(洗
液中性)からみても、本発明のpH(3〜5)の採用
は、予想外のことであることが分かる。
【0032】そして、本発明のpH(3〜5)の規定に
は、後述するように、臨界的意義があるが、このことだ
けからみても、本発明のpH(3〜5)の規定に格別の
意義があることが分かる。
【0033】また、本発明のpH(3〜5)の規定に格
別の意義があることは、一般に、洗浄力はアルカリ性の
場合が最も強いことからみて、洗浄液のpHが3〜5で
は、洗浄力は低下することが予想されるが、本発明にお
いては、このようなpH(3〜5)の採用にもかかわら
ず、洗浄力は特に低下することもなく、毛や絹等のタン
パク質繊維からなる着色繊維材料、例えば着色衣料の変
退色が防止し得たことは、全く予想外の結果であること
からも認められる。
【0034】上述した、本発明における、毛や絹等のタ
ンパク質繊維からなる着色繊維材料、例えば着色衣料の
洗浄液のpH(3〜5)の採用により、特に洗浄力の低
下もなく、該材料の変退色が防止し得たことの原因は未
だ解明していないが、おそらく、本発明において、pH
(3〜5)を維持するために使用したpH緩衝剤が、該
特定pHの条件下で、繊維を構成するタンパク質と染料
の結合をより強固に、汚染物の離脱を促進するという二
面的な作用を発現することによるものと推察される。
【0035】また、本発明において、特に洗浄力の低下
がなかったのは、従来の弱い機械力による染色加工製品
の洗浄方法とは異なり、通常の洗濯機による洗浄方法を
使用することが可能となったことも、その要因の一つで
あると考えられる。
【0036】以上、本発明における、毛や絹等のタンパ
ク質繊維からなる着色繊維材料、例えば着色衣料の洗浄
液のpH(3〜5)の規定に、格別の意義があることが
分かるであろう。
【0037】以下、本発明について、更に詳細に説明す
る。
【0038】本発明が適用することが出来る洗浄方法と
しては、洗濯機洗浄、浸漬洗浄等が挙げられる。
【0039】洗濯機洗浄とは、洗濯機に水が供給され、
洗浄中に僅かな撹拌と停止を繰り返す方法をいう。例え
ば、松下電器産業社製の愛妻号(NA−F45Y2)の
手洗いコースや日立製作所社製お湯取物語(NW−7S
2)のおしゃれコース等が挙げられる。
【0040】また、洗濯機に水が供給され、洗浄中にポ
ンプで水が循環する、或いは、ごく僅かな撹拌と停止を
繰り返すドライマーク衣料方法をいう。例えば、松下電
器産業社製愛妻号(NA−F70VP1)のドライコー
ス、三洋電機社製すすぎ王(ASW−70Z2)のドラ
イコース、シャープ社製速洗力(ES−SS75)のド
ライコース及び東芝社製新・快速銀河(AW−60X8
(C))のドライコース等が挙げられる。
【0041】次に、浸漬洗浄としては、桶等に浸漬して
洗浄する方法等が挙げられる。
【0042】pH緩衝剤としては、洗浄時溶液のpHを
3〜5の範囲に維持するものであれば、特にその種類は
問わないが、例えば、以下のものが挙げられる。
【0043】1) 酸と塩との組合せ:0.2モルフタ
ル酸水素カリウム−塩酸、0.2モルフタル酸水素カリ
ウム−水酸化ナトリウム、0.1モルグリシン+塩化ナ
トリウム−塩酸、0.1モルクエン酸ナトリウム−塩
酸、0.1モルクエン酸二水素カリウム−クエン酸、
0.1モルクエン酸二水素カリウム−塩酸、0.1モル
クエン酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム、0.05
モルコハク酸−四ホウ酸ナトリウム、0.1モルクエン
酸二水素カリウム−四ホウ酸ナトリウム、0.1規定酒
石酸−酒石酸ナトリウム、0.1規定乳酸−乳酸ナトリ
ウム、0.1規定酢酸−酢酸ナトリウム、1/7モルジ
エチルバルビツル酸ナトリウム+1/7モル酢酸ナトリ
ウム−塩酸、0.2モルリン酸水素二ナトリウム−クエ
ン酸、又は0.2規定酢酸−酢酸ナトリウム等の組み合
わせ。
【0044】2) 酸性成分とアルカリ性成分の組み合
わせ:酸性成分としては、クエン酸、フタル酸、マロン
酸、リンゴ酸、ギ酸、フマール酸等の多価カルボン酸、
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸や、下記
の化1の一般式(1)〜(4)で示される化合物に代表
されるポリホスホン酸、フィチン酸に代表される有機リ
ン酸等が挙げられる。
【化1】 (式中、m=2〜6、n=1〜2を示す) アルカリ性成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム等の無機化合物、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン等の有機化合物が挙げら
れる。
【0045】本発明組成物における界面活性剤として
は、以下のノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、
カチオン界面活性剤等が使用される。
【0046】ノニオン界面活性剤は、炭素数8〜20の
直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有
し、好ましいエチレンオキサイド平均付加モル数は6〜
12、特に好ましくは7〜10の範囲である。
【0047】本発明においてノニオン界面活性剤の好ま
しい含有量としては、10〜50重量%、特に好ましく
は15〜40重量%の範囲である。
【0048】アニオン界面活性剤としては、以下のもの
が挙げられる。
【0049】1)炭素数8〜16のアルキルベンゼンス
ルホン酸塩 2)炭素数10〜20のオレフィンスルホン酸塩 3)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩 4)炭素数10〜20のアルキル基を有する、平均0.
5〜8モルのエチレンオキサイドを付加したポリオキシ
エチレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩 5)炭素数10〜20のアルキル基を有するα−スルホ
脂肪酸エステル塩 本発明組成物における好ましいアニオン界面活性剤は、
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩である。アニオン界
面活性剤の好ましい含有量としては、0.5〜10重量
%、特に好ましくは1〜5重量%の範囲である。
【0050】カチオン界面活性剤としては、下記の化2
の一般式(5)、(6)、(7)及び化3の一般式
(8)で示される第4級アンモニウム塩
【化2】 (R,R,R,R:炭素数6〜24のアルキル
基、アルケニル基、若しくはβ−ヒドロキシアルキル
基、又はエステル基、アミド基若しくはエーテル基で分
断された分断基も含めて炭素数が8〜25のアルキル基
若しくはアルケニル基、R,R,R:炭素数1〜
3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ベンジル基又
は下記化3の一般式(8)で示される基
【化3】
【化4】 16:炭素数6〜24のアルキル基、アルケニル基、
β−ヒドロキシアルキル基、又はエステル基、アミド基
或いはエーテル基で分断された分断基も含めて炭素数が
8〜25のアルキル基若しくはアルケニル基、 R17:炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキ
ル基、ベンジル基又は下記の化5の一般式(10)或い
は(11)で示される基
【化5】 (v、wは、それぞれ1〜3の数を示す) X:ハロゲン又は炭素数1〜3のアルキル基を有するモ
ノアルキル硫酸塩基) 本発明組成物における好ましいカチオン界面活性剤は、
モノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩である。
【0051】本発明においてカチオン界面活性剤の好ま
しい含有量としては、0.5〜10重量%、特に好まし
くは1〜5重量%の範囲である。
【0052】本発明は、前記成分の他に、高級脂肪酸、
再汚染防止剤、例えばポリエチレングリコール又はカル
ボキシメチルセルロース等、粘度低下剤、例えばエタノ
ール、イソプロパノール等の低級アルコール類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール等のグリコール
類、尿素、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸
塩、キシレンスルホン酸塩、安息香酸塩等のハイドロト
ロープ、乳濁剤、例えばポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルス
チレン重合体、ポリスチレン等も配合することができ
る。また、蛍光染料、香料、色素、酵素等も、必要に応
じ配合することができる。
【0053】本発明は、毛や絹等の衣料用液体洗浄組成
物及び洗浄方法であるが、当然、その他の衣料にも適用
することができる。例えば、綿、麻等のセルロース繊維
で出来た衣料、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、ア
クリル、ポリウレタン、ビニロン等の化学繊維で出来た
衣料又はこれらの混紡繊維から出来た衣料等も洗浄する
ことができる。
【0054】
【発明の実施の形態】次に、実施例によって、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
って限定されるものではない。なお、洗浄方法の性能
は、次の試験法に従って評価した。
【0055】(1)色落ち性評価方法 絹繊維は、TOMATO社より購入した絹100%で、
色調についてはワインレッドのものを用いた。このワイ
ンレッド絹繊維を2cm×2cmの大きさに切り、白地
の絹繊維(JIS染色堅ろう度試験用)8cm×6cm
の上にのせ、200mlビーカーに入れる。絹繊維の上
に50gの加重をかけた後、洗浄剤0.13gを溶解し
たpH調整液50mlを注ぐ。撹拌を行わずに、20℃
で3時間放置した後、布を取り出し、30秒のためすす
ぎを2回行い、風乾した。白地の絹繊維に移った色の状
態を下記基準による官能評価を行った。
【0056】 ○:色移りしない(元の白地の絹繊維と同等) △:やや色移りが認められる ×:色移りが激しく認められる (2)衣料の色落ち性評価方法 衣料は(株)タンダンス製の絹100%ブラウスである
メリレーンを用いた。
【0057】洗濯機洗浄は、全自動洗濯機(松下電器産
業社製NA−F70Y6)を用い、洗浄条件は、手洗い
相当水流コースを用い、水量33L、水温25℃、洗浄
時間3分、すすぎ時間1分×2回、脱水時間40秒とし
た。洗浄剤は44g添加した。
【0058】浸漬洗浄は、洗い桶を用い、洗浄条件は、
水量5L、水温25℃、洗浄時間15分、すすぎ時間1
分×2回、脱水時間15秒とした。洗浄剤は13g添加
し、浸漬洗浄中は衣料を撹拌などの機械力を加えること
なく静置した。
【0059】洗濯機洗浄および浸漬洗浄いずれの場合
も、脱水後直ちにドライアイロンにより乾燥処理を行っ
た。
【0060】アイロン処理後、衣料の色柄が他の部分に
移った状態を下記の基準による官能評価を行った。
【0061】 ○:色移りしない △:やや色移りが認められる ×:色移りが激しく認められる (3)洗浄力 L−ヒスチジン塩酸塩(1水化物)0.5g、塩化ナト
リウム5g、リン酸−ナトリウム2.2g及び色素(ア
シッドイエロー141)0.1gを蒸留水に溶かし、こ
れにN/10水酸化ナトリウム溶液約15mlと蒸留水
を加えてpHが5.5で全容を1Lとした。この溶液を
(株)タイダンス製の絹100%ブラウスであるメリレ
ーンに滴下して風乾後、汚染布とした。
【0062】洗浄方法は、色落ち性評価方法に準ずる。
【0063】汚染布の着色物資が除去された状態を下記
の基準による官能評価を行った。
【0064】○:汚れが除去されている △:やや汚れの残存が認められる ×:汚れの残存が著しく認められる なお、表中、洗浄組成物の数値は重量%を示す。
【0065】
【実施例1】pH緩衝剤(リン酸水素二ナトリウム0.
1重量%、クエン酸19重量%)、ノニオン界面活性剤
(アルキル基の総炭素鎖長が12〜14の第2級アルコ
ール1モル当たり平均9モルの酸化エチレンを付加させ
たアルコールエトキシレート)20重量%及び残部が水
からなる、洗浄剤組成物を調製し、この組成物44gを
水量33Lに溶解した時の洗浄液のpHが3のものを調
製し、上記の色落ち性評価方法により、絹繊維の色落ち
試験を行った。
【0066】
【実施例2】pH緩衝剤として、リン酸水素二ナトリウ
ム0.5重量%及びクエン酸16重量%からなるものを
使用した以外は、実施例1と同様に、pH4の洗浄液を
調製し、上記の色落ち性評価方法により、絹繊維の色落
ち試験を行った。
【0067】
【実施例3】pH緩衝剤として、リン酸水素二ナトリウ
ム1.1重量%及びクエン酸12重量%からなるものを
使用した以外は、実施例1と同様に、pH5の洗浄液を
調製し、上記の色落ち性評価方法により、絹繊維の色落
ち試験を行った。
【0068】
【比較例1】pH緩衝剤として、塩化カリウム37重量
%及び塩酸(36N)0.1重量%からなるものを使用
した以外は、実施例1と同様に、pH2の洗浄液を調製
し、上記の色落ち性評価方法により、絹繊維の色落ち試
験を行った。
【0069】
【比較例2】pH緩衝剤として、リン酸水素二ナトリウ
ム1.5重量%及びクエン酸9.6重量%からなるもの
を使用した以外は、実施例1と同様に、pH6の洗浄液
を調製し、上記の色落ち性評価方法により、絹繊維の色
落ち試験を行った。
【0070】
【比較例3】pH緩衝剤として、リン酸水素二ナトリウ
ム1.9重量%及びクエン酸7.3重量%からなるもの
を使用した以外は、実施例1と同様に、pH7の洗浄液
を調製し、上記の色落ち性評価方法により、絹繊維の色
落ち試験を行った。
【0071】上記の各試験結果は、以下の表1に示す。
【表1】 ノニオン(p=9):アルキル基の総炭素鎖長が12〜
14の第2級アルコール1モル当たり平均9モルの酸化
エチレンを付加させたアルコールエトキシレート以上の
結果から、洗浄液のpHが3〜5のものは、その範囲外
のものに比し、色落ち性の点において優れた効果を奏し
ており、本発明のpHの規定に臨界的意義があることが
分かる。
【0072】
【実施例4】pH緩衝剤(クエン酸10重量%)、ノニ
オン界面活性剤(アルキル基の総炭素鎖長が12〜14
の第2級アルコール1モル当たり平均9モルの酸化エチ
レンを付加させたアルコールエトキシレート)20重量
%、アニオン界面活性剤(直鎖アルキル(C12)ベン
ゼンスルホン酸ナトリウム(分子量=348)2.2重
量%、カチオン界面活性剤(モノ長鎖アルキル(C1
8)トリメチルアンモニウムクロライド(分子量=34
8))2.8重量%、及び残部が水からなる組成物を調
製し、洗浄時のpHが3になるように水酸化ナトリウム
を加えた。上記の衣料の色落ち性評価方法により、衣料
の色落ち試験を行った。
【0073】
【実施例5】pH緩衝剤として、クエン酸8重量%を使
用した以外は、実施例4と同様に、組成物を調製し、洗
浄時のpHが4になるように水酸化ナトリウムを加え
た。上記の衣料の色落ち性評価方法により、衣料の色落
ち試験を行った。
【0074】
【実施例6】pH緩衝剤として、クエン酸10重量%を
使用した以外は、実施例4と同様に組成物を調製し、洗
浄時のpHが3になるように水酸化ナトリウムを加え
た。上記の衣料の色落ち性評価方法により、衣料の色落
ち試験を行った。
【0075】
【実施例7】pH緩衝剤として、クエン酸8重量%を使
用した以外は、実施例4と同様に、組成物を調製し、洗
浄時のpHが4になるように水酸化ナトリウムを加え
た。上記の衣料の色落ち性評価方法により、衣料の色落
ち試験を行った。
【0076】
【実施例8】pH緩衝剤として、クエン酸6重量%を使
用した以外は、実施例4と同様に、組成物を調製し、洗
浄液のpHが5になるように水酸化ナトリウムを加え
た。上記の衣料の色落ち性評価方法により、衣料の色落
ち試験を行った。
【0077】上記の各試験結果は、以下の表2に示す。
【表2】 ノニオン(p=9):アルキル基の総炭素鎖長が12〜
14の第2級アルコール1モル当たり平均9モルの酸化
エチレンを付加させたアルコールエトキシレート LAS−Na:直鎖アルキル(C12)ベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム(分子量=348) カチオン:モノ長鎖アルキル(C18)トリメチルアン
モニウムクロライド(分子量=348) 以上の結果から、本発明のpH緩衝剤により、洗浄液の
pHを3〜5に維持したものは、実際の着色衣料に対し
て色落ち性の点で問題のないことが分かる。
【0078】
【発明の効果】本発明は、毛や絹等のタンパク質繊維か
らなる着色繊維材料、例えば着色衣料の洗浄液のpH
(3〜5)の採用により、特に洗浄力の低下もなく、該
材料の変退色、すなわち、色落ちや移染を生じさせるこ
とがないという点において、非常に優れている。
【0079】また、本発明では、変退色し易い、毛や絹
等のタンパク質繊維からなる着色繊維材料、例えば着色
衣料においても、従来の弱い機械力による洗浄方法より
も、通常の強い機械力による洗浄方法が可能になったの
で、洗浄力の向上も期待できるとともに、該材料につい
て、通常の洗濯機洗浄が可能となった点においても、格
別の価値を有する。
【0080】このように、洗浄時の、毛や絹等のタンパ
ク質繊維からなる着色繊維材料、例えば着色衣料の変退
色(色落ち、移染)の防止手段として、洗浄液のpHに
着目して、その解決を図ったのは、本発明が初めてであ
り、その解決手段自体も、従来の常識を超えたものであ
り、本発明は、洗浄技術として、極めて価値の高い技術
であると言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鴻巣 由紀 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色繊維材料用洗浄組成物において、洗
    浄液のpHを3〜5に維持することが可能なpH緩衝剤
    を含有することを特徴とするタンパク質繊維からなる着
    色繊維材料用液体洗浄組成物。
  2. 【請求項2】 着色繊維材料を洗浄するに際し、その洗
    浄液のpHを3〜5に維持することを特徴とするタンパ
    ク質繊維からなる着色繊維材料の洗浄方法。
JP9109995A 1997-03-25 1997-03-25 タンパク質繊維からなる着色繊維材料用液体洗浄組成 物及び洗浄方法 Pending JPH10265797A (ja)

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