JP2019098709A - 光プリントヘッドを備える画像形成装置 - Google Patents

光プリントヘッドを備える画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 作業者にとって、清掃部材572を画像形成装置1本体の外側から差し込み部700に差し込み、装置本体の内部に設けられた光プリントヘッド105の第1被係合部(間隙)579に清掃部材572の先端側に形成された係合部576を係合させることは容易でない。【解決手段】 作業者によって差し込み部700に差し込まれた清掃部材572の差し込み部700から第1被係合部579へと向かう方向への移動を案内し、係合部576を第1被係合部579に係合させるために、当該係合部576が係合する第2被係合部920を第1被係合部579と差し込み部700との間に設ける。【選択図】 図9

Description

本発明は、光プリントヘッドが備えるレンズアレイの光出射面を容易に清掃することができる画像形成装置に関する。
プリンタや複写機等の画像形成装置の中には、感光ドラムを露光するための複数の発光素子を備える光プリントヘッドを有するものがある。光プリントヘッドには、発光素子の例としてLED(Light Emitting Diode)や有機EL(Electro Luminescence)等を用いるものがあり、これらの発光素子が感光ドラムの回転軸線方向に沿って、例えば一列や千鳥状の二列に複数配列されたものが知られている。また、光プリントヘッドは、複数の発光素子から出射される光を感光ドラムに集光させるための複数のレンズを備える。複数のレンズは、複数の発光素子と感光ドラムとの間において、発光素子の配列方向に沿うように感光ドラム表面に対向して配置される。
画像形成装置において、光プリントヘッドのような露光手段は帯電器と現像器との間に設けられることがある。装置の小型化を実現するためには、感光ドラムや光プリントヘッド、帯電器、現像器等の相互間の距離を可能な限り近付けることが有効な手段である。このことから、光プリントヘッドが有するレンズアレイの光出射面が、感光ドラムや現像器から落下したトナーによって汚れるという問題があった。レンズアレイが汚れることで、発光素子から出射される光が部分的に遮光され、出力画像の画質低下が起こる虞がある。そこで、レンズアレイの光出射面が汚れることを防ぐため、特許文献1や特許文献2に記載のような清掃手段が提案されている。
特許文献1に記載の画像形成ユニット11は、感光体ドラム12とLPH14(光プリントヘッド)とを保持する匡体の一例としてハウジング19を備える。ハウジング19には、当該ハウジング19の外側から内側へと貫通する開口である挿入口60(差し込み部)が形成されている。ユーザやサービスマン等の作業者は、清掃部材50(清掃部材)を、挿入口60に通してLPH14と感光体ドラム12との間に挿入し、ロッドレンズアレイ43(レンズアレイ)の光射出面の清掃を行う。
また、特許文献2に記載のLEDプリントヘッド30(光プリントヘッド)は、ヘッド本体31に、清掃機構80(清掃部材)を備える。ヘッド本体31の左右両側には、清掃機構80の移動を案内するガイド溝37(被係合部)が形成されている。清掃機構80の先端には、ガイド溝37に係合する係合部82(係合部)と、ロッドレンズアレイ33(レンズアレイ)の光出射面38を清掃するクリーニングパッド80B(摺擦部)とが設けられている。作業者が清掃機構80を装置本体に対して抜き差しすると、係合部82がガイド溝37に沿って移動し、クリーニングパッド80Bが光出射面38を拭って汚れを除去する。
特開2010−230954号公報 特開2007−72321号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2の構成には以下のような課題があった。特許文献1に開示の構成のように、差し込み部とレンズアレイとは互いに離れて配置されている。差し込み部とレンズアレイとの間に、差し込み部に差し込まれた清掃部材の移動を案内する部分は存在しない。清掃部材は若干の遊びをもって差し込み部に差し込まれることに加え、清掃部材の移動は作業者の手作業で行われるため、清掃部材の移動経路は手の動作によって様々な経路を取り得る。ここで、特許文献2に開示の構成を参考にして、差し込み部に差し込まれた清掃部材が、光プリントヘッドに形成された被係合部に係合する構成を考える。このような構成では、差し込み部と被係合部との間に清掃部材の移動を案内する部分が存在しなかった場合、清掃部材の移動経路によっては、清掃部材が被係合部に係合しない虞がある。
上記課題に対して、本願発明の画像形成装置は、回転可能に支持された感光ドラムと、前記感光ドラムを露光するための光を出射する発光素子と、前記光を前記感光ドラムに集光するレンズアレイと、前記発光素子よりも前記感光ドラムが配置されている側で前記レンズアレイを保持する保持体と、前記レンズアレイよりも前記感光ドラムの回転軸線方向における画像形成装置本体の一方側に設けられた差し込み部であって、前記レンズアレイの光出射面を摺擦し清掃する摺擦部を有する棒状の清掃部材が画像形成装置本体の外側から差し込まれる前記差し込み部と、前記保持体に設けられ、前記摺擦部に前記レンズアレイの光出射面を摺擦させるために、前記清掃部材に形成された係合部が係合し前記清掃部材の移動を案内する第1被係合部と、前記回転軸線方向において前記第1被係合部と前記差し込み部との双方と間隙をあけて前記第1被係合部と前記差し込み部との間に設けられた第2被係合部であって、前記係合部を前記第1被係合部に係合させるために、前記係合部が係合し前記差し込み部から前記第1被係合部へと向かう方向への前記清掃部材の移動を案内する第2被係合部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、清掃部材に形成された係合部が第1被係合部に係合するように、第1被係合部と差し込み部との間に設けられた第2被係合部が、差し込み部に差し込まれた清掃部材の移動を案内する。
画像形成装置の概略断面図。 画像形成装置におけるドラムユニット周囲の斜視図。 露光ユニットの概略斜視図。 光プリントヘッドの基板、LEDチップ、およびレンズアレイを説明するための概略図。 レンズアレイ及び基板を不図示とした保持体を説明するための概略図。 支持部の形状の特徴を説明するための概略図。 清掃部材および清掃部材を差し込み部に差し込まれた状態を説明する図。 清掃部材の先端側の構造について説明するための図。 案内部について説明するための図。 支持部の構造について説明するための図。 比較例を説明するための図。
以下に本発明を実施するにあたり好ましい実施の形態を、添付の図面を用いて説明する。ただし、本説明に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明を本説明に記載した実施の形態だけに限るものではない。
(画像形成装置)
まず、画像形成装置1の概略構成を説明する。図1(a)は画像形成装置1の概略断面図である。図1(a)に示す画像形成装置1は読取装置を備えていないカラープリンタ(SFP:Singl Function Printer)であるが、実施の形態は読取装置を備える複写機であってもよい。また、実施の形態は、図1(a)に示すような複数の感光ドラム103を備えるカラー画像形成装置に限られず、1つの感光ドラム103を備えるカラー画像形成装置やモノクロ画像を形成する画像形成装置でも良い。
図1(a)に示す画像形成装置1は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する4基の画像形成部102Y、102M、102C、102K(以下、総称して単に「画像形成部102」とも称する)を備える。また、画像形成部102Y、102M、102C、102Kは、それぞれ感光ドラム103Y、103M、103C、103K(以下、総称して単に「感光ドラム103」とも称する)を備える。また、画像形成部102Y、102M、102C、102Kは、感光ドラム103Y、103M、103C、103Kをそれぞれ帯電させる帯電器104Y、104M、104C、104K(以下、総称して単に「帯電器104」とも称する)を備える。また、画像形成部102Y、102M、102C、102Kは、感光ドラム103Y、103M、103C、103Kを露光する光を出射する露光光源としてのLED(Light Emitting Diode、以下LEDと記載)露光ユニット500Y、500M、500C、500K(以下、総称して単に「露光ユニット500」とも称する)を備える。さらに、画像形成部102Y、102M、102C、102Kは、感光ドラム103上の静電潜像をトナーによって現像し、感光ドラム103上に各色のトナー像を現像する現像器106Y、106M、106C、106K(以下、総称して単に「現像器106」とも称する)を備える。なお、符号に付されたY、M、C、Kはトナーの色を示している。
図1(a)に示す画像形成装置1は感光ドラム103を下方から露光する、いわゆる「下面露光方式」を採用する画像形成装置である。以下、下面露光方式を採用する画像形成装置を前提として説明を進めるが、実施の形態としては図1(b)に示す画像形成装置2のような感光ドラム103を上方から露光する「上面露光方式」を採用する画像形成装置でも構わない。
画像形成装置1は、感光ドラム103に形成されたトナー像が転写される中間転写ベルト107と、感光ドラム103に形成されたトナー像を当該中間転写ベルトに順次転写させる一次転写ローラ108(Y、M、C、K)を備える。また、画像形成装置1は、中間転写ベルト107上のトナー像を給紙部101から搬送されてきた記録紙Pに転写させる二次転写ローラ109と、二次転写された画像を記録紙Pに定着させる定着器100を備える。
(画像形成プロセス)
露光ユニット500Yは帯電器104Yによって帯電された感光ドラム103Yの表面を露光する。これにより、感光ドラム103Yには静電潜像が形成される。次に、現像器106Yは感光ドラム103Yに形成された静電潜像をイエローのトナーによって現像する。感光ドラム103Yの表面に現像されたイエローのトナー像は、一次転写ローラ108Yによって中間転写ベルト107上に転写される。マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像も同様の画像形成プロセスで中間転写ベルト107に転写される。
中間転写ベルト107上に転写された各色のトナー像は、中間転写ベルト107によって二次転写部T2まで搬送される。二次転写部T2に配置された二次転写ローラ109にはトナー像を記録紙Pに転写するための転写バイアスが印加されている。二次転写部T2まで搬送されたトナー像は、二次転写ローラ109の転写バイアスによって、給紙部101から搬送されてきた記録紙Pに転写される。トナー像が転写された記録紙Pは定着器100に搬送される。定着器100は、熱と圧力によって記録紙Pにトナー像を定着させる。定着器100によって定着処理がなされた記録紙Pは、排紙部111に排出される。
(ドラムユニットおよび現像ユニット)
本実施例の画像形成装置1には交換可能な交換ユニットの一例であるドラムユニット518Y、518M、518C、518K(以下、総称して単に「ドラムユニット518」とも称する)が取り付けられる。ドラムユニット518は、ユーザやメンテナンス者等の作業者によって交換されるカートリッジである。本実施例のドラムユニット518は感光ドラム103を回転可能に支持している。具体的には、感光ドラム103は、ドラムユニット518の枠体に対して回転可能に支持されている。なお、ドラムユニット518は帯電器104やクリーニング装置を備えてない構成でも構わない。
また、本実施例の画像形成装置1にはドラムユニット518とは別体の現像ユニット641Y、641M、641C、641K(以下、総称して単に「現像ユニット641」とも称する)が取り付けられている。本実施例の現像ユニット641は、図1(a)に示す現像器106とトナー収容部とが一体化されたカートリッジである。現像器106は、現像剤を担持する現像剤担持体であるところの現像スリーブを備える。現像ユニット641にはトナーとキャリアを攪拌するためのスクリュを回転させるためのギアが複数設けられている。これらのギアが経年劣化等した際には、作業者が現像ユニット641を画像形成装置1の装置本体から取り外して交換する。なお、ドラムユニット518および現像ユニット641の実施の形態は、上記ドラムユニット518と現像ユニット641が一体化されたプロセスカートリッジでも構わない。
図2(a)は、画像形成装置1が備えるドラムユニット518周辺および現像ユニット641周辺の概略構造を示す斜視図である。また、図2(b)はドラムユニット518が装置本体の外側から画像形成装置1に挿入されている様子を示す図である。
図2(a)に示すように画像形成装置1は、板金で形成される前側板642と、同じく板金で形成される後側板643を備える。前側板642は画像形成装置1の前側に設けられた側壁である。後側板643は画像形成装置1の後ろ側に設けられた側壁である。図2(a)に示すように、前側板642と後側板643は対面して配置され、両者の間には梁としての不図示の板金が橋架されている。前側板642と後側板643と不図示の梁とはそれぞれ画像形成装置1の枠体の一部を構成する。
画像形成装置1の前側からドラムユニット518、および現像ユニット641を挿抜できるように、前側板642には開口が形成されている。ドラムユニット518、および現像ユニット641は、開口を介して画像形成装置1本体の所定の位置に装着される(装着位置)。また、画像形成装置1は、装着位置に装着されたドラムユニット518と現像ユニット641の双方の前側を覆うカバー558Y、558M、558C、558K(以下、総称して単に「カバー558」とも称する)を備える。カバー558は、一端がヒンジによって画像形成装置1本体に固定されており、ヒンジによって画像形成装置1本体に対して回動可能となっている。作業者がカバー558を開いて本体内のドラムユニット518あるいは現像ユニット641を取り出し、新しいドラムユニット518あるいは現像ユニット641を挿入してカバー558を閉じることによって交換作業が完了する。
ここで、図2(a)および図2(b)に示すように、以下の説明では装置本体に対して前側板642側を前側、後側板643側を後側と定義する。また、ブラックのトナー像に関する静電潜像が形成される感光ドラム103Kを基準としたとき、イエローのトナー像に関する静電潜像が形成される感光ドラム103Yが配置されている側を右側と定義する。イエローのトナー像に関する静電潜像が形成される感光ドラム103Yを基準としたとき、ブラックのトナー像に関する静電潜像が形成される感光ドラム103Kが配置されている側を左側と定義する。さらに、ここで定義した前後方向および左右方向に垂直な方向であって鉛直方向上向きを上方向、また、ここで定義した前後方向および左右方向に垂直な方向であって鉛直方向下向きを下方向と定義する。定義した前方向、後方向、右方向、左方向、上方向、下方向を図2に示す。また、以下の本文で記載する感光ドラム103の回転軸線方向とは、図2に示す前後方向と略一致する方向である。
(露光ユニット)
次に、光プリントヘッド105を含む露光ユニット500について説明する。ここで、電子写真方式の画像形成装置に採用される露光方式の一例として、半導体レーザの照射ビームを回転するポリゴンミラーなどで走査しf−θレンズ等を介して感光ドラムを露光するレーザビーム走査露光方式がある。本実施例で説明する「光プリントヘッド105」は、感光ドラム103の回転軸線方向に沿って配列されたLED等の発光素子を用いて感光ドラム103を露光するLED露光方式に用いられるものであって、上記に言うレーザビーム走査露光方式には用いられない。
本実施例で説明する露光ユニット500は、感光ドラム103の回転軸線よりも鉛直方向下側に設けられており、光プリントヘッド105が有するLED503が感光ドラム103を下方から露光する。ただし、露光ユニット500が感光ドラム103の回転軸線よりも鉛直方向上側に設けられ、感光ドラム103を上方から露光する構成でも構わない(図1(b)参照)。図3は、本実施例の画像形成装置1が備える露光ユニット500の概略斜視図である。
図3より、露光ユニット500は、光プリントヘッド105と移動機構640とを備える。光プリントヘッド105は、レンズアレイ506と支持部705と基板502(図3では不図示)を保持する保持体505と、第1当接部材514と、第2当接部材515とを備える。
第1当接部材514と第2当接部材515とがドラムユニット518に突き当たることでレンズアレイ506と感光ドラム103との間に間隙が形成され、画像形成時の光プリントヘッド105の位置が決まる。移動機構640は、第1リンク機構861と第2リンク機構862を備える。不図示のカバー558の開閉動作に連動して第1リンク機構861と第2リンク機構862とが駆動し、光プリントヘッド105が上下に移動する。ドラムユニット518の枠体のうち当接部材(514、515)が突き当たる部分には、例えばこれら当接部材(514、515)の先端が5mm程度嵌まる嵌合孔が設けられている。これにより、光プリントヘッド105は感光ドラム103に対して正確に位置決めされる。
光プリントヘッド105の構造を説明するにあたり、まず保持体505について説明する。保持体505は、後述する基板502とレンズアレイ506を保持するホルダーである。詳しくは後述するが、レンズアレイ506は保持体505が備える支持部705によって、感光ドラム103の回転軸線方向に亘って支持されている。本実施例においては、光プリントヘッド105自体の軽量化やコスト低減の観点から、保持体505の材質に樹脂を採用しているが、金属製でも構わない。
次に、保持体505に保持される基板502について説明する。図4(a)は基板502の概略斜視図である。図4(b1)は基板502に実装されているLEDチップ639を説明するための図である。図4(b2)は図4(b1)の拡大図であって、LEDチップ639が備える複数のLED503(発光素子の一例)を示す図である。
図4(a)に示すように、基板502の一方の面にはLEDチップ639が設けられ、他方の面(発光素子が並べられている側とは反対側の面)には長尺のコネクタ504が設けられている。当該コネクタ504は、その長手方向が基板502の長手方向に沿うように基板502の下側の面に取り付けられている。基板502には各LEDチップ639に信号を供給するための配線が設けられている。コネクタ504には、ケーブルの一例としてのフレキシブルフラットケーブル(FFC)(不図示)の一端が接続される。画像形成装置1本体には、制御部とコネクタとを備える基板が設けられている。FFCの他端は、当該コネクタに接続されている。すなわち、FFCは制御部と基板502とを電気的に接続している。基板502には、画像形成装置1本体の制御部からFFCおよびコネクタ504を介して制御信号(駆動信号)が入力される。LEDチップ639は、基板502に入力された制御信号によって駆動される。
基板502に実装されたLEDチップ639についてさらに詳しく説明する。図4(b1)および図4(b2)に示すように、基板502の一方の面には複数のLED503が配置された複数のLEDチップ639−1〜639−29(29個)が配列されている。各LEDチップ639−1〜639−29はそれぞれ、その長手方向に516個のLED503が一列に配列されている。LEDチップ639の長手方向において、隣り合うLED503の中心間距離k2は画像形成装置1の解像度に対応している。本実施例の画像形成装置1の解像度は1200dpiであるので、LEDチップ639−1〜639−29は。基板502の長手方向において、LED503は隣接するLED503の中心間距離が21.16μmとなるように一列に配列されている。そのため、本実施例の光プリントヘッド105の露光範囲は約314mmとなる。感光ドラム103の感光層は314mm以上の幅で形成されている。A4サイズの記録紙の長辺の長さおよびA3サイズの記録紙の短辺の長さは297mmであるため、本実施例の光プリントヘッド105は、A4サイズの記録紙およびA3サイズの記録紙に画像形成可能な露光範囲を有している。
LEDチップ639−1から639−29は、感光ドラム103の回転軸線方向に沿って二列となるよう交互に配置されている。すなわち、図4(b1)に示すように、左側から数えて奇数番目のLEDチップ639−1、639−3、・・・639−29が基板502の長手方向に一列に実装され、偶数番目のLEDチップ639−2、639−4、・・・639−28が基板502の長手方向に一列に実装されている。LEDチップ639をこのように配置することで、図4(b2)に示すように、LEDチップ639の長手方向において、隣り合う異なるLEDチップ639における一方のLEDチップ639の一端と他方のLEDチップ639の他端とに配置されたLEDの中心間距離k1を一つのLEDチップ639上における隣り合うLED503の中心間距離k2と等しくすることができる。なお、本実施例では露光光源にLED503を用いる構成を例示するが、露光光源として有機EL(Organic Electro Luminescence)を用いても構わない。
次に、レンズアレイ506について説明する。図4(c1)はレンズアレイ506を感光ドラム103側から見た時の概略図である。また、図4(c2)はレンズアレイ506の概略斜視図である。図4(c1)に示すように、複数のレンズが複数のLED503の配列方向に沿って二列に並べられている。各レンズは、一方の列のレンズの配列方向において隣り合う2つのレンズの両方に接するように他方の列のレンズの1つが配置されるよう交互に配置されている。各レンズは、円柱状の硝子製のロッドレンズである。なお、レンズの材質は硝子製に限らず、プラスチック製でも構わない。レンズの形状についても円柱状に限らず、例えば六角柱等の多角柱でも構わない。
図4(c2)に示す点線Zはレンズの光軸を示す。光プリントヘッド105は移動機構640によって点線Zで示すレンズの光軸に概ね沿った方向(上下方向)に移動可能である。ここで言うレンズの光軸とは、レンズの光出射面の中心と当該レンズの焦点とを結ぶ線を意味する。LED503から出射された放射光はレンズアレイ506が備えるレンズに入射する。レンズは入射した放射光を感光ドラム103の表面上に集光させる機能を有する。レンズアレイ506は、LED503の発光面とレンズの光入射面との距離と、レンズの光出射面と感光ドラム103の表面との距離と、が略等しくなるように光プリントヘッド105の組み立て時において、保持体505(図3参照)に対する取付位置が調整され、保持体505に接着剤にて接着される。
(光プリントヘッドの組み立て方法)
次に、図5から図8を用いて、保持体505への基板502の取り付け方法および保持体505へのレンズアレイ506の取り付け方法について詳しく説明する。
まず、保持体505へのレンズアレイ506の取り付け方法について説明する。図5(a)は、基板502およびレンズアレイ506を不図示とした保持体505の前側を下側から見た図である。図5(a)に示すように、保持体505には、貫通孔906が保持体505の前後方向に亘って形成されている。複数のLED503から出射された光は当該貫通孔906を通過する。言い換えれば、保持体505には、レンズアレイ506が嵌まる貫通孔906が設けられている。詳細は後述するが、レンズアレイ506は、当該貫通孔906に挿入され、保持体505に対する取り付け位置の調整がなされたうえで、保持体505に固定される。レンズアレイ506と保持体505との固定には接着剤907が用いられる。レンズアレイ506と保持体505との境界部分に接着剤907が塗付され、レンズアレイ506が保持体505に接着固定される。
図5(b1)は保持体505(レンズアレイ506は不図示)の前側の概略斜視図である。また、図5(b2)は保持体505(レンズアレイ506は不図示)を感光ドラム103の回転軸線方向に垂直な面で切断した断面図を前側から見た図である。また、図5(c1)はレンズアレイ506が接着固定された保持体505の前側の概略斜視図、図5(c2)はレンズアレイ506が接着固定された保持体505を感光ドラム103の回転軸線方向に垂直な面で切断した断面図を前側から見た図である。図5(b1)および(b2)に示すように、保持体505の上側にはレンズアレイ506が取り付けられる支持部705が形成されている。支持部705は第1対向部701と第2対向部702とを備える。第1対向部701と第2対向部702とは貫通孔906の縁に沿って前後方向に亘って形成されている。また、第1対向部701と第2対向部702は、レンズアレイ506が挿入される間隙を形成するために、貫通孔906を介して左右方向に関して対向している。第1対向部701は貫通孔906に挿入されたレンズアレイ506の右側壁面が対向する第1対向面507を備え、第2対向部702は貫通孔906に挿入されたレンズアレイ506の左側壁面が対向する第2対向面508を備える。レンズアレイ506が貫通孔906に挿入されていない状態において、第1対向面507と第2対向面508とは左右方向に関して対向している。ここで、レンズアレイ506の右側壁面は、感光ドラム103の回転軸線方向とレンズの光軸方向との双方に垂直な方向におけるレンズアレイ506の一方側の側壁面を意味し、レンズアレイ506の左側壁面は、感光ドラム103の回転軸線方向とレンズの光軸方向との双方に垂直な方向におけるレンズアレイ506の他方側の側壁面を意味する。
貫通孔906に挿入されたレンズアレイ506は、その一部が支持部705から上側に突出した状態で支持部705に接着固定される。第1対向面507の上側には、上側に向かうに従い右方向外側に傾斜した第1傾斜面703が設けられている。また、第2対向面508の上側には、上側に向かうに従い左方向外側に傾斜した第1傾斜面703および第2傾斜面704が設けられている。レンズアレイ506と保持体505の支持部705との接着は、レンズアレイ506が貫通孔906に挿入された状態において、第1傾斜面703および第2傾斜面704に接着剤907が塗付されることにより行われる。このように、接着剤907が塗付される面が下側に向かうに従ってレンズアレイ506の両側壁面(右側壁面と左側壁面)に近付くように傾斜していることで、塗付された接着剤907が自重により第1傾斜面703(第2傾斜面704)をつたってレンズアレイ506に向けて流れていく。よって、レンズアレイ506と支持部705とが容易に接着される。
図5(d)は、第1傾斜面703と第1対向面507との間に第1底面部715が設けられ、第2傾斜面704と第2対向面508との間に第2底面部716が設けられた構成を説明するための図である。第1底面部715はレンズの光軸方向に略垂直な面であって、第1対向面507と第1傾斜面703と連続した面である。また、第2底面部716もレンズの光軸方向に垂直な面であって、第2対向面508と第2傾斜面と連続した面である。レンズアレイ506が貫通孔906に挿入された状態において、第1底面部715および第2底面部716に接着剤907が塗付されることで、レンズアレイ506と支持部705とが接着固定される。このように、第1底面部715および第2底面部716を設けることで、これらを設けない場合と比べて、接着剤907を流し込むことが可能なスペースが広くなるため、容易に接着剤907を流し込むことが出来る。
次に、保持体505への基板502の取り付け方法について図5(a)および(b2)を用いて説明する。保持体505の下側には、基板502を挿入するための開口908が形成されている。保持体505は、基板502が保持体505の下側から開口908に挿入されていくと、基板502の一部が当接する第1被当接部911Aと第2被当接部911Bとを備える。第1被当接部911Aは第1対向部701に形成された第1対向面901の直上に形成され、第2被当接部911Bは第2対向部702に形成された第2対向面902の直上に形成されている。基板502が、保持体505の下側から開口908に挿入されると、基板502の右側の上面が第1被当接部911Aに当接し、基板502の左側の上面が第2被当接部911Bに当接する。これにより、保持体505に対する基板502の取り付け位置が決まる。
保持体505に対する取り付け位置が決まった基板502は、第1被当接部911Aと第2被当接部911Bとの双方に当接した状態で、基板502と第1対向面901との境界面および基板502と第2対向面902との境界面に接着剤907が塗付され、保持体505に接着固定される。
次に、図6(a)〜(c)を用いて、レンズアレイ506が保持体505に取り付けられる際における、レンズアレイ506の保持体505に対する取り付け位置の調整方法について説明する。図6(a)〜(c)は、レンズアレイ506が貫通孔906に挿入された状態の保持体505を左側から見た模式図である。
図6(a)は、本実施例における保持体505の模式図である。図6(a)より、支持部705の前側の端部から後側の端部までの距離は、レンズアレイ506の前側の端部から後側の端部までの距離よりも短い。これにより、保持体505の貫通孔906に挿入されたレンズアレイ506は、前側及び後側が支持部705から露出する(露出部912)。
基板502に設けられたLED503の光出射点から出射されたLED503の光が入射するレンズアレイ506の入射面までの距離をkとしたとき、距離kに対応するレンズアレイ506の焦点距離の値はレンズの製作完成時に決定する。その値は製作誤差等を考慮すると全てのレンズで同じ値になるとは言い難い。したがって、光プリントヘッド105の組み立て時に、LED503の光出射点からレンズアレイ506の入射面までの距離が適切な距離となるように、レンズアレイ506の取り付け位置を調整する必要がある。そこで、前述したレンズアレイ506の露出部912が、例えば組立装置等の把持機構に把持され、保持体505の貫通孔906に挿入された状態で、取り付け位置が調整される。本実施例に係る実施の形態では、支持部705上端からのレンズアレイ506の突出長さ(図6(a)におけるx[mm])は約2mmである。一方、保持体505の上端からの露出部912の突出長さ(図6(a)におけるy[mm])は4.3mmである。露出部912の存在により、レンズアレイ506を把持することが出来る領域が広くなるため、確実にレンズアレイ506を把持することが出来る。
以上の説明を基に、光プリントヘッド105の組み立て方法についてまとめる。まず、レンズアレイ506の露出部912が組立装置等の把持機構によって、左右方向から挟持される(把持工程)。把持機構によって挟持されたレンズアレイ506は、保持体505の貫通孔906に上側から挿入される(配置工程)。この時、露出部912は支持部705の前後両端から露出するため、把持機構と保持体505とが接触することはない。次に、レンズアレイ506が貫通孔906に挿入された状態で、基板502が被当接部911A(911B)に当接され、LED503が発光する。レンズアレイ506を通過した光を受光装置等によって受光し(受光工程)、その受光結果に基づいてレンズアレイ506を上下方向に移動させながら、レンズアレイ506と保持体505と位置関係を調整する(調整工程)。調整終了後、接着剤907によってレンズアレイ506と保持体505とが接着固定される。なお、基板502を被当接部911A(911B)に当接させる工程は、配置工程よりも前でも構わない。
露出部912は図6(a)に示す部分に限らず、図6(b)に点線で示す部分でも良い。図6(b)は、支持部705の前後両端側が階段状になっており、端部に近いほど支持部705の上面が感光ドラム103から離れている。このような構成にすることで、支持部705の前後両端側においてレンズアレイ506の一部が露出する(露出部922)。当該露出部922が、組立装置等の把持機構によって左右方向から把持され、レンズアレイ506の保持体505への取り付け位置が微調整され、調整後に接着剤907によってレンズアレイ506と保持体505とが接着固定される。
また、図6(c)は、支持部705の上側の面において左右方向に凹部が形成された構成である。このような構成とすることで、図6(c)に示すように、レンズアレイ506の左右両側の側壁面が当該凹部から露出する(露出部932)。当該露出部932が、組立装置等の把持機構によって左右方向から把持され、レンズアレイ506の保持体505への取り付け位置が微調整され、調整後に接着剤907によってレンズアレイ506と保持体505とが接着固定される。
(清掃機構)
画像形成装置1において、光プリントヘッド105のような露光手段は帯電器104と現像器106との間に設けられる。そのため、レンズアレイ506の光出射面が感光ドラム103や現像器106から落下したトナーによって汚れることがある。レンズアレイ506の汚れは、発光素子から出射される光を部分的に遮光する虞があり、出力画像の画質低下を生む一原因となり得る。よって、光プリントヘッド105の光出射面は定期的に清掃されることが望ましい。
図7(a)は、レンズアレイ506の清掃に用いられる棒状の清掃部材572の概略斜視図である。ここで、図7(a)に示すように、清掃部材572の長手方向および短手方向、先端側および後端側を定義する。清掃部材572は、その後端側に把持部575を備える。後述するが、清掃部材572の先端側であって、清掃部材572の下側には摺擦部574(不図示)が設けられている。また、清掃部材572は、その後端側において、把持部575より先端側にストッパー582を備える。当該ストッパー582は、清掃部材572から突出した突起で、摺擦部574(不図示)が設けられている側とは反対側に設けられている。
図7(b)は、清掃部材572が、保持体505の前側に設けられた差し込み部700に差し込まれた状態を示す。清掃部材572が差し込み部700に差し込まれた状態において、清掃部材572の長手方向と感光ドラム103の回転軸線方向とは、略等しい方向となる。作業者は、把持部575を把持して清掃部材572を操作(差し込み部700に対して抜き差し)し、レンズアレイ506の光出射面を清掃する。なお、作業者が清掃部材572を画像形成装置1本体の外側から差し込み部700に差し込み、装置本体の前側から後側へと向かう方向(差し込み部700から後述の第1被係合部579へと向かう方向)に移動させていくと、ストッパー582が、差し込み部700に設けられた被当接部777に突き当たり、清掃部材572の移動が制限される。なお、本実施例に係る実施の形態において、差し込み部700は保持体505の前側に設けられているが、保持体505に限らず、例えばドラムユニット518の前側の端部など、レンズアレイ506よりも感光ドラム103の回転軸線方向における画像形成装置1本体の前側(一方側)に固定されていれば構わない。また、本実施例において、差し込み部700は前後方向に貫通した開口であるが、例えば開口の上部に切り欠きがあるなどしても構わず、図7(a)に示すような孔である必要はない。
差し込み部700の開口は、清掃部材を清掃部材572の長手方向に垂直な方向で切断した断面よりも一回り大きい開口である。清掃部材572は、差し込み部700に差し込まれた状態で、差し込み部700に対して約0.5〜1mm程度、清掃部材572の長手方向に対して垂直な方向に揺動可能である。このように、差し込み部700に差し込まれた清掃部材572は、差し込み部700に対して若干の遊びがある。この遊びにより、作業者によって差し込み部700に差し込まれ操作される清掃部材572と、差し込み部700との接触に起因する摩擦力が抑制される。
図8(a)に清掃部材572の先端側を下側から見た図を示す。図8(b)に清掃部材572を感光ドラム103の回転軸線方向に垂直な面で切断した断面図を示す。図8(a)及び図8(b)に示すように、清掃部材572は、摺擦部574と、係合部576と、下側凸部577と、上側凸部578とを備える。
摺擦部574は、清掃部材572の先端側の下側に設けられている。摺擦部574は、例えば、綿やナイロン、ポリエステル等の繊維で構成された不織布であり、レンズアレイ506の光出射面に落下したトナー等の汚れを拭き取り清掃する。なお、摺擦部574は不織布に限らず、例えばスポンジやエラストマーのようなゴム製の弾性変形可能なブレードであって、レンズアレイ506の光出射面に落下したトナー等の汚れを掻き取ることで清掃しても構わない。
係合部576は、摺擦部574がレンズアレイ506の光出射面に接触するように、清掃部材572と保持体505とを係合させる機能を有する。係合部576は、清掃部材572の先端側において清掃部材572の左右両側それぞれから下側に向けて突出した突起である。更に、それぞれの突起の先端は内側に折り曲げられた形状を成している。作業者が清掃部材572を差し込み部700に差し込んでいくと、当該係合部576が凸部580によって形成された間隙579(溝、第1被係合部の一例。以下、第1被係合部と記載する。)に係合する。係合部576は第1被係合部579に係合した状態で、清掃部材572と共に第1被係合部579の長手方向に沿って移動可能である。
下側凸部577は、作業者によって清掃部材572が差し込み部700に差し込まれた際、保持体505の上側に対向するように、清掃部材572の長手方向に沿って清掃部材572に形成されている。当該下側凸部577が保持体505の凸部580の上側に接触することで、レンズアレイ506の光出射面と清掃部材572との間に間隙が形成される。これにより、清掃部材572の下側のうち摺擦部574以外の部分がレンズアレイ506に接触することはない。そのため、作業者による清掃部材572の操作によってレンズアレイ506の光出射面が損傷することを防ぐことが出来る。
図9(a)は保持体505に形成された案内部918の拡大斜視図である。また、図9(b)及び図9(c)は案内部918の機能について説明する図である。案内部918は、支持部705よりも前側において保持体505の上側に形成されている。案内部918は、前後方向(感光ドラム103の回転軸線方向)に関して支持部705の前側と間隙をあけて保持体505の前側に設けられている。そのため、保持体505に対するレンズアレイ506の取り付け位置の調整時、露出部912を把持した把持機構が案内部918と緩衝することはない。
案内部918は、例えば図9(a)に示すように、その左右両側から突出した凸部919を上部に有する。これにより、凸部919と保持体505の上面との間に間隙920(溝、第2被係合部の一例。以下、第2被係合部と記載する。)が形成される。作業者によって清掃部材572が差し込み部700に差し込まれていくと、係合部576が第2被係合部920に向けて進行する。本実施例に係る差し込み部700は、その孔の前後方向の全長が約40mmある。差し込み部700の後側の端部から案内部918に形成された凸部919の前側の端部までの距離は約36mmである。差し込み部700の孔の前後方向の全長が約40mmあるため、差し込み部700に差し込まれた清掃部材572は感光ドラム103の回転軸線方向に対して垂直な方向への移動がある程度制限される。なお、ここで言う、「感光ドラム103の回転軸線方向」は、作業者によって清掃部材572が差し込み部700に差し込まれ移動される方向と略等しい方向である。
作業者は、清掃部材572に形成された係合部576を容易に第2被係合部920に嵌めることが出来る。係合部576と凸部919とは上下方向にかみ合い、係合部576と第2被係合部920とが係合状態となる。凸部919は案内部918の前後方向に延びて形成されているため、凸部919と保持体505の上面との間に形成される第2被係合部920も前後方向(感光ドラム103の回転軸線方向)に延びて形成される。第2被係合部920の前後方向の全長は約8.7mmである。係合部576と第2被係合部920とが係合状態となることで、作業者によって移動される清掃部材572の移動方向は、感光ドラム103の回転軸線方向となるように第2被係合部920によって規制される。
ここで、仮に第2被係合部920が存在しなかった場合、すなわち画像形成装置1が案内部918を備えない構成であった場合を考える。前に述べたように、差し込み部700に差し込まれた清掃部材572と差し込み部700との間には若干の遊び(約0.5〜1mm程度)がある。そのため、清掃部材572は差し込み部700に差し込まれた状態であっても、清掃部材572の長手方向に垂直な方向に揺動可能である。清掃部材572は作業者の手作業によって操作されることを考慮すると、差し込み部700に差し込まれた清掃部材572と差し込み部700との間に遊びがあるが為に、清掃部材572は様々な移動経路を取り得る可能性がある。すなわち、差し込み部700と第1被係合部579との間が離れていれば離れているほど、作業者は清掃部材572を第1被係合部579に係合させることが困難となる。
第2被係合部920の長手方向延長線上には支持部705に設けられた凸部580と保持体505の上面との間に形成された第1被係合部579が位置する。すなわち、第1被係合部579と第2被係合部920は同一直線上に存在する。凸部919の後側の端部から凸部580の前側の端部までの距離は約6.5mmである。第1被係合部579は、前後方向に関して第2被係合部920と間隙をあけて支持部705に形成されている。係合部576が第2被係合部920に係合した状態で、清掃部材572が更に画像形成装置1本体の後方(差し込み部700から第1被係合部579へ向かう方向)に向けて移動されると、係合部576は第2被係合部920を抜けた後、凸部580と保持体505の上面との間に形成された第1被係合部579に嵌まる。そして、係合部576と凸部580とが上下方向にかみ合い、係合部576と第1被係合部579とが係合状態となる。すなわち、差し込み部700と第1被係合部579との間に設けられた第2被係合部920によって、差し込み部700に差し込まれた清掃部材572の移動が案内され、清掃部材572が第1被係合部579に係合する。係合部576と第1被係合部579とが係合状態にあり、摺擦部574がレンズアレイ506の上方に位置する時、摺擦部574は当該レンズアレイ506の光出射面と接触している。また、第1被係合部579は感光ドラム103の回転軸線方向における保持体505の他端側から一端側(支持部705の他端側から一端側)に亘って形成されている。そのため、係合部576と第1被係合部579とが係合状態にある場合に、清掃部材572が作業者によって操作されると、レンズアレイ506の光出射面は摺擦部574によって確実に清掃される。なお、作業者によって清掃部材572が差し込み部700に差し込まれ、係合部576が第1被係合部579に係合するまでの過程において、係合部576は第2被係合部920との係合が完全に解除されてから第1被係合部579と係合しても構わないし、第2被係合部920に係合した状態で第1被係合部579に係合しても構わない。
また、案内部918に形成された凸部919の前側の端部には、前側に向かうにつれて上方に傾斜した傾斜部926が形成されている。当該傾斜部926は、第1被係合部579が差し込み部700に近付くほど第1被係合部579の幅が広がるように傾斜している。これにより、作業者によって差し込み部700に差しこまれた清掃部材572は、係合部576が第2被係合部920内に進行するように、その先端が傾斜部926によって誘い込まれる。よって、作業者はより容易に清掃部材572の係合部576と第2被係合部920とを係合させることが出来る。
図10は案内部918を不図示とした光プリントヘッド105の前側の概略斜視図である。図10に示すように、保持体505の上側には、感光ドラム103の回転軸線方向に延び、右側および左側(感光ドラム103の回転軸線方向とレンズの光軸方向とに交差する方向の双方)に突出した凸部580を備えており、凸部580は保持体505の上面との間に第1被係合部579を形成している。
凸部580の前側の端部には、図10において色付きで示す傾斜部581が形成されている。当該傾斜部581は、第1被係合部579が第2被係合部920に近付くほど第1被係合部579の幅が広がるように傾斜している。これにより、作業者によって第2被係合部920に係合した状態から第1被係合部579に向けて移動してくる清掃部材572は、係合部576が第1被係合部579内に進行するように、その先端が傾斜部581によって誘い込まれる。よって、作業者はより容易に清掃部材572の係合部576と第1被係合部579とを係合させることが出来る。
また、案内部918が備える第2被係合部920の溝の幅の方が第1被係合部579の溝の幅よりも広い。すなわち、差し込み部700に差し込まれ、差し込み部700から第1被係合部579へと向かう方向に移動される清掃部材572は、第2被係合部920に緩く係合した状態で第1被係合部579に係合する。
(比較例)
図11は、本発明との比較例として、レンズアレイ506の前側の端部が支持部705の前側の端部から露出していない構成(例えば図6(c)の構成)である。斯かる構成の場合、本実施例の第1被係合部579に相当する間隙953を可能な限り保持体958の前側まで設けることが出来る。
図11(a)に示す光プリントヘッド963は、保持体958と、レンズアレイ952と、支持部955とを備える。支持部955は保持体958の長手方向に亘って形成されており、レンズアレイ952を左右方向から支持している。また、支持部955には、支持部955の長手方向に亘って間隙953が形成されている。この間隙953には、差し込み部960に差し込まれた清掃部材971の係合部973が嵌まる。これにより摺擦部972を確実にレンズアレイ952の光出射面に接触させることが出来る。支持部955を保持体958の前側の端部まで設けることにより、差し込み部960と支持部955に形成された間隙953との距離を短くすることが出来る。そのため、作業者は、清掃部材971を差し込み部960に差し込んだ後、容易に係合部973を間隙953に嵌めることが出来る。
ところで、レンズアレイ952の前側の端部は、画像形成に使用される領域である画像形成領域957の前側の端部よりも前側であれば十分である。図11(a)に示す光プリントヘッド963の場合、図中の点線で囲んだ支持部956の領域は間隙953を可能な限り保持体958の前側まで設けたいがために形成された領域であって、レンズアレイ952の支持には関与しない。すなわち、図11(b)に示すように、レンズアレイ952の前側の端部が支持部956の前側の端部から露出していなくとも、案内部918を設けることで、図11(a)にて点線で囲んだ部分を設ける必要が無くなる。これにより、支持部955の成形に必要な材料コストを抑えることが出来る。
505 保持体
506 レンズアレイ
572 清掃部材
579 間隙(第1被係合部)
580 凸部
700 差し込み部
918 案内部
919 凸部
920 間隙(第2被係合部)
926 傾斜部

Claims (12)

  1. 回転可能に支持された感光ドラムを備える画像形成装置において、
    前記感光ドラムを露光するための光を出射する発光素子と、
    前記光を前記感光ドラムに集光するレンズアレイと、
    前記発光素子よりも前記感光ドラムが配置されている側で前記レンズアレイを保持する保持体と、
    前記レンズアレイよりも前記感光ドラムの回転軸線方向における画像形成装置本体の一方側に設けられた差し込み部であって、前記レンズアレイの光出射面を摺擦し清掃する摺擦部を有する棒状の清掃部材が画像形成装置本体の外側から差し込まれる前記差し込み部と、
    前記保持体に設けられ、前記摺擦部に前記レンズアレイの光出射面を摺擦させるために、前記清掃部材に形成された係合部が係合し前記清掃部材の移動を案内する第1被係合部と、
    前記回転軸線方向において前記第1被係合部と前記差し込み部との双方と間隙をあけて前記第1被係合部と前記差し込み部との間に設けられた第2被係合部であって、前記係合部を前記第1被係合部に係合させるために、前記係合部が係合し前記差し込み部から前記第1被係合部へと向かう方向への前記清掃部材の移動を案内する第2被係合部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記保持体は、前記回転軸線方向と前記レンズアレイが備えるレンズの光軸方向との双方に垂直な方向における前記レンズアレイの一方側の側壁面に対向する対向面を有する第1対向部と、前記垂直な方向における前記レンズアレイの他方側の側壁面に対向する対向面を有する第2対向部と、を備え、
    前記レンズアレイを把持する把持機構に把持された状態で前記第1対向部と前記第2対向部との間に挿入され、前記保持体に固定される前記レンズアレイの前記保持体に対する位置が調整されるために、前記回転軸線方向における前記レンズアレイの一端側の両側壁面と他端側の両側壁面とは、前記第1対向部および前記第2対向部の双方の前記回転軸線方向における端部からそれぞれ露出していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1被係合部は前記第1対向部と前記第2対向部とに形成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第2被係合部は前記保持体に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記回転軸線方向における前記レンズアレイの一端側の端部は、前記回転軸線方向において前記第1被係合部と前記第2被係合部との間に位置することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記第1被係合部は前記回転軸線方向における前記保持体の一端側から他端側に亘って設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記差し込み部から前記第1被係合部へと向かう方向に移動される前記清掃部材において、前記係合部は前記第2被係合部に係合した状態で前記第1被係合部に係合することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第1被係合部と前記第2被係合部とは前記係合部が係合する溝であって、前記第1被係合部と前記第2被係合部とは前記回転軸線方向において同一直線上に位置することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記回転軸線方向における前記第1被係合部の一端側は、前記第2被係合部に近付くほど溝の幅が広くなるように傾斜していることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記回転軸線方向における前記第2被係合部の一端側は、前記差し込み部に近付くほど溝の幅が広くなるように傾斜していることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記差し込み部は前記清掃部材が差し込まれる開口であって、当該差し込み部に差し込まれた前記清掃部材は、前記回転軸線方向に対して垂直な方向への移動が制限された状態で前記差し込み部から前記第1被係合部へと向かう方向に移動され、前記係合部が前記第2被係合部に係合することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記差し込み部は画像形成装置本体に固定されていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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