JP2021067896A - 光プリントヘッドを備える画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 清掃ブレード(板状の清掃部材)の移動経路内にレンズアレイ以外の部品が存在せず、清掃ブレードがレンズアレイ以外の部品と接触する機会がない場合、レンズアレイ表面の清掃により清掃ブレードに付着した汚れが、清掃ブレードに付着し続けてしまう虞がある。汚れが付着した清掃ブレードではレンズアレイ表面を十分に清掃し難いことがある。【解決手段】 清掃棒と共に移動する清掃部材が突き当たる突当部をレンズアレイの手前に設けた。作業者によって清掃棒が移動され、清掃部材が突当部を乗り越えることで清掃部材に付着した付着物が落とされる。【選択図】 図18
Description
本発明は、光プリントヘッドを備える画像形成装置に関する。
プリンタや複写機等の画像形成装置において、感光ドラムを露光するための複数の発光素子を備える光プリントヘッドを用いるものがある。光プリントヘッドには、発光素子の例としてLED(Light Emitting Diode)や有機EL(Electro Luminescence)等を用いるものがある。これらの発光素子は、感光ドラムの回転軸線方向に沿って、例えば1列や千鳥状の2列に複数配列されている。また、光プリントヘッドは、発光素子から出射される光を感光ドラムに集光させるためのレンズアレイを備える。レンズアレイは、発光素子と感光ドラムとの間において、感光ドラム表面に対向して配置される。発光素子から出射された光は、レンズアレイを介し感光ドラム表面に集光される。このようにして、感光ドラム上に静電潜像が形成される。
光プリントヘッドが備えるレンズアレイは、感光ドラムに近接した位置にあるため、レンズアレイの光出射面にはトナーや紙粉等の異物が付着しやすい。レンズアレイの光出射面が異物により汚れると、画像むらが生じるなどして画像品質の低下が起こる虞がある。そこで、レンズアレイの光出射面を清掃する手段が提案されている。特許文献1には清掃手段の一例が開示されている。
特許文献1が開示する光プリントヘッドの筐体には凸部が形成されており、この凸部に清掃棒に形成された係合部が係合する。清掃棒に形成された係合部と保持体に形成された凸部とが係合することで、清掃棒に設けられた清掃ブレードとレンズアレイの光出射面との接触状態が維持される。この状態で清掃棒が画像形成装置に対して抜き差しされることで、清掃ブレードがレンズアレイの光出射面に付着した汚れを除去する。
引用文献1が開示する清掃ブレードの移動経路内にはレンズアレイ以外の部品は存在せず、清掃ブレードがレンズアレイ以外の部品と接触する機会はない。そのため、レンズアレイ表面の清掃により清掃ブレードに付着した汚れは、清掃ブレードに付着し続けてしまう虞がある。汚れが付着した清掃ブレードではレンズアレイ表面を十分に清掃し難いことがある。
上述した課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、感光ドラムと、前記感光ドラムを露光する光を出射する出射面を有する光プリントヘッドと、前記出射面を清掃する板状の清掃部材を有する清掃棒を前記画像形成装置の外側から挿入可能であって、挿入された前記清掃棒の前記光プリントヘッドへ向けての移動をガイドする挿入ガイドと、前記移動の方向において前記出射面よりも上流側に設けられ前記光プリントヘッドへ向けて移動する前記清掃部材が当該移動の方向へ向けて突き当たる突当部であって、前記清掃部材が乗り越える突当部と、を備えることを特徴とする。
清掃棒と共に移動する清掃ブレードが、突当部に突き当たり当該突当部を乗り越えることで、清掃ブレードに付着した付着物が落とされる。
以下にて、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(画像形成装置)
まず、画像形成装置1の概略構成を説明する。図1(a)は画像形成装置1の概略断面図である。図1(a)に示す画像形成装置1は読取装置を備えていないカラープリンタ(SFP:Singl Function Printer)であるが、実施の形態は読取装置を備える複写機であってもよい。また、実施の形態は、図1(a)に示すような複数の感光ドラム103を備えるカラー画像形成装置に限られず、1つの感光ドラム103を備えるカラー画像形成装置やモノクロ画像を形成する画像形成装置でも良い。
まず、画像形成装置1の概略構成を説明する。図1(a)は画像形成装置1の概略断面図である。図1(a)に示す画像形成装置1は読取装置を備えていないカラープリンタ(SFP:Singl Function Printer)であるが、実施の形態は読取装置を備える複写機であってもよい。また、実施の形態は、図1(a)に示すような複数の感光ドラム103を備えるカラー画像形成装置に限られず、1つの感光ドラム103を備えるカラー画像形成装置やモノクロ画像を形成する画像形成装置でも良い。
図1(a)に示す画像形成装置1は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する4基の画像形成部102Y、102M、102C、102K(以下、総称して単に「画像形成部102」とも称する)を備える。また、画像形成部102Y、102M、102C、102Kは、それぞれ感光ドラム103Y、103M、103C、103K(以下、総称して単に「感光ドラム103」とも称する)を備える。また、画像形成部102Y、102M、102C、102Kは、感光ドラム103Y、103M、103C、103Kをそれぞれ帯電させる帯電器104Y、104M、104C、104K(以下、総称して単に「帯電器104」とも称する)を備える。また、画像形成部102Y、102M、102C、102Kは、感光ドラム103Y、103M、103C、103Kを露光する光を出射する発光部としてのLED(Light Emitting Diode、以下LEDと記載)露光ユニット520Y、520M、520C、520K(以下、総称して単に「露光ユニット520」とも称する)を備える。さらに、画像形成部102Y、102M、102C、102Kは、感光ドラム103上の静電潜像をトナーによって現像し、感光ドラム103上に各色のトナー像を現像する現像手段としての現像器106Y、106M、106C、106K(以下、総称して単に「現像器106」とも称する)を備える。なお、符号に付されたY、M、C、Kはトナーの色を示している。
図1(a)に示す画像形成装置1は感光ドラム103を下方から露光する、いわゆる「下面露光方式」を採用する画像形成装置である。以下、下面露光方式を採用する画像形成装置を前提として説明を進めるが、実施の形態としては図1(b)に示す画像形成装置2のような感光ドラム103を上方から露光する「上面露光方式」を採用する画像形成装置でも構わない。図1(b)中において図1(a)と同じ構成を示す箇所には同符合を示す。
画像形成装置1は、感光ドラム103に形成されたトナー像が転写される中間転写ベルト107と、感光ドラム103に形成されたトナー像を当該中間転写ベルトに順次転写させる一次転写ローラ108(Y、M、C、K)を備える。また、画像形成装置1は、中間転写ベルト107上のトナー像を給紙部101から搬送されてきた記録紙Pに転写させる、転写手段としての二次転写ローラ109と、二次転写された画像を記録紙Pに定着させる定着器100を備える。
(画像形成プロセス)
露光ユニット520Yは帯電器104Yによって帯電された感光ドラム103Yの表面を露光する。これにより、感光ドラム103Yには静電潜像が形成される。次に、現像器106Yは感光ドラム103Yに形成された静電潜像をイエローのトナーによって現像する。感光ドラム103Yの表面に現像されたイエローのトナー像は、一次転写ローラ108Yによって中間転写ベルト107上に転写される。マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像も同様の画像形成プロセスで中間転写ベルト107に転写される。
露光ユニット520Yは帯電器104Yによって帯電された感光ドラム103Yの表面を露光する。これにより、感光ドラム103Yには静電潜像が形成される。次に、現像器106Yは感光ドラム103Yに形成された静電潜像をイエローのトナーによって現像する。感光ドラム103Yの表面に現像されたイエローのトナー像は、一次転写ローラ108Yによって中間転写ベルト107上に転写される。マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像も同様の画像形成プロセスで中間転写ベルト107に転写される。
中間転写ベルト107上に転写された各色のトナー像は、中間転写ベルト107によって二次転写部T2まで搬送される。二次転写部T2に配置された二次転写ローラ109にはトナー像を記録紙Pに転写するための転写バイアスが印加されている。二次転写部T2まで搬送されたトナー像は、二次転写ローラ109の転写バイアスによって、給紙部101から搬送されてきた記録紙Pに転写される。トナー像が転写された記録紙Pは定着器100に搬送される。定着器100は、熱と圧力によって記録紙Pにトナー像を定着させる。定着器100によって定着処理がなされた記録紙Pは、排紙部111に排出される。
(ドラムユニットおよび現像ユニット)
画像形成装置1には、感光ドラム103を備えるドラムユニット518Y、518M、518C、518K(以下、総称して単に「ドラムユニット518」とも称する)が取り付けられる。ドラムユニット518は、ユーザやメンテナンス者等の作業者によって交換されるカートリッジである。ドラムユニット518は感光ドラム103を回転可能に支持している。具体的には、感光ドラム103は、ドラムユニット518の枠体によって回転可能に支持されている。なお、ドラムユニット518は帯電器104やクリーニング装置を備えていない構成でも構わない。
画像形成装置1には、感光ドラム103を備えるドラムユニット518Y、518M、518C、518K(以下、総称して単に「ドラムユニット518」とも称する)が取り付けられる。ドラムユニット518は、ユーザやメンテナンス者等の作業者によって交換されるカートリッジである。ドラムユニット518は感光ドラム103を回転可能に支持している。具体的には、感光ドラム103は、ドラムユニット518の枠体によって回転可能に支持されている。なお、ドラムユニット518は帯電器104やクリーニング装置を備えていない構成でも構わない。
また、本実施例の画像形成装置1にはドラムユニット518とは別体の現像ユニット641Y、641M、641C、641K(以下、総称して単に「現像ユニット641」とも称する)が取り付けられている。本実施例の現像ユニット641は、図1(a)に示す現像器106とトナー収容部とが一体化されたカートリッジである。現像器106は、現像剤を担持する現像スリーブ(不図示)を備える。現像ユニット641にはトナーとキャリアを攪拌するためのスクリュを回転させるためのギアが複数設けられている。これらのギアが経年劣化等した際には、作業者が現像ユニット641を画像形成装置1の装置本体から取り外して交換する。なお、ドラムユニット518および現像ユニット641の実施の形態は、上記ドラムユニット518と現像ユニット641が一体化されたプロセスカートリッジでも構わない。
図2(a)は、画像形成装置1が備えるドラムユニット518(Y、M、C、K)周辺および現像ユニット641(Y、M、C、K)周辺の概略構造を示す斜視図である。また、図2(b)はドラムユニット518が装置本体の外側から画像形成装置1に挿入されている様子を示す図である。
図2(a)に示すように画像形成装置1は、板金で形成される前側板642と、同じく板金で形成される後側板643を備える。前側板642は画像形成装置1の手前側に設けられた側壁である。前側板642は画像形成装置1本体の手前側において装置本体の筐体の一部を成す。後側板643は画像形成装置1の後ろ側に設けられた側壁である。後側板643は画像形成装置1本体の奥側において装置本体の筐体の一部を成す。図2(a)に示すように、前側板642と後側板643は対面して配置され、両者の間には梁としての不図示の板金が橋架されている。前側板642と後側板643と不図示の梁とはそれぞれ画像形成装置1の枠体の一部を構成する。ここで、本実施例の画像形成装置1若しくはその構成部材に関して、正面側若しくは手前側とは、ドラムユニット518を装置本体に対して出し入れ(挿抜)する側である。
画像形成装置1の手前側からドラムユニット518、および現像ユニット641を挿抜できるように、前側板642には開口が形成されている。ドラムユニット518、および現像ユニット641は、開口を介して画像形成装置1本体の所定の位置に装着される(装着位置)。また、画像形成装置1は、装着位置に装着されたドラムユニット518と現像ユニット641の双方の手前側を覆うカバー558Y、558M、558C、558K(以下、総称して単に「カバー558」とも称する)を備える。カバー558は、一端がヒンジによって画像形成装置1本体に固定されており、ヒンジによって画像形成装置1本体に対して回動可能となっている。作業者がカバー558を開いて本体内のドラムユニット518あるいは現像ユニット641を取り出し、新しいドラムユニット518あるいは現像ユニット641を挿入してカバー558を閉じることによって交換作業が完了する。
ここで、図2(a)および図2(b)に示すように、以下の説明では装置本体に対して前側板642側を前側(手前側若しくは正面側)、後側板643側を後側(奥側若しくは背面側)と定義する。また、ブラックのトナー像に関する静電潜像が形成される感光ドラム103Kを基準としたとき、イエローのトナー像に関する静電潜像が形成される感光ドラム103Yが配置されている側を右側と定義する。イエローのトナー像に関する静電潜像が形成される感光ドラム103Yを基準としたとき、ブラックのトナー像に関する静電潜像が形成される感光ドラム103Kが配置されている側を左側と定義する。さらに、ここで定義した前後方向および左右方向に垂直な方向であって鉛直方向上向きを上方向、また、ここで定義した前後方向および左右方向に垂直な方向であって鉛直方向下向きを下方向と定義する。定義した前方向、後方向、右方向、左方向、上方向、下方向を図2に示す。また、以下の本文で記載する感光ドラム103の回転軸線方向とは、図2に示す前後方向と一致する方向である。また、光プリントヘッド105の長手方向についても図2に示す前後方向と一致する方向である。すなわち、感光ドラム103の回転軸線方向と光プリントヘッド105の長手方向とは一致する方向である。
(露光ユニット)
次に、光プリントヘッド105を含む露光ユニット520について説明する。光プリントヘッド105は感光ドラム103の回転軸線方向に延びる長手形状をなす。また、光プリントヘッド105は、保持体505と、レンズアレイ506と、不図示の基板と、を備える。レンズアレイ506と、不図示の基板と、は保持体505によって保持されている。保持体505は、例えば、亜鉛メッキ鋼板や冷間圧延鋼板にメッキ処理が施された板金を折り曲げて形成した金属製の部材である。なお、レンズアレイ506を備える保持体505のことを「光プリントヘッド」と称しても構わない。ここでは、「板金で形成された光プリントヘッド」と言ったときは「保持体505」のことを指すものとする。また、この保持体505は、磁場の中に置かれると磁化される磁性体である。ここで、電子写真方式の画像形成装置に採用される露光方式の一例として、半導体レーザの照射ビームを回転するポリゴンミラーなどで走査しf−θレンズ等を介して感光ドラムを露光するレーザビーム走査露光方式がある。本実施例で説明する「光プリントヘッド105」は、感光ドラム103の回転軸線方向に沿って配列されたLED等の発光素子を用いて感光ドラム103を露光するLED露光方式に用いられるものであって、上記に言うレーザビーム走査露光方式には用いられない。
次に、光プリントヘッド105を含む露光ユニット520について説明する。光プリントヘッド105は感光ドラム103の回転軸線方向に延びる長手形状をなす。また、光プリントヘッド105は、保持体505と、レンズアレイ506と、不図示の基板と、を備える。レンズアレイ506と、不図示の基板と、は保持体505によって保持されている。保持体505は、例えば、亜鉛メッキ鋼板や冷間圧延鋼板にメッキ処理が施された板金を折り曲げて形成した金属製の部材である。なお、レンズアレイ506を備える保持体505のことを「光プリントヘッド」と称しても構わない。ここでは、「板金で形成された光プリントヘッド」と言ったときは「保持体505」のことを指すものとする。また、この保持体505は、磁場の中に置かれると磁化される磁性体である。ここで、電子写真方式の画像形成装置に採用される露光方式の一例として、半導体レーザの照射ビームを回転するポリゴンミラーなどで走査しf−θレンズ等を介して感光ドラムを露光するレーザビーム走査露光方式がある。本実施例で説明する「光プリントヘッド105」は、感光ドラム103の回転軸線方向に沿って配列されたLED等の発光素子を用いて感光ドラム103を露光するLED露光方式に用いられるものであって、上記に言うレーザビーム走査露光方式には用いられない。
なお、本実施の形態において発光素子は発光ダイオードである半導体LEDであるが、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)でも構わない。このOLEDは、有機EL(Organic Electro−Luminescence)とも呼ばれており、電流駆動型の発光素子である。OLEDは例えばTFT(Thin Film Transister)基板上で主走査方向(感光ドラム103の回転軸線方向)に沿ってライン上に配置され、同じく主走査方向に沿って設けられた電源配線によって電気的に並列に接続される。
上述したように、本実施の形態において、保持体505は板金を加工して製造されたものであるため金属製であるが、保持体505は樹脂製であっても構わない。一般に樹脂材料の方が金属材料に比べて安価であることが多い。そのため、金属製の保持体505よりも安価に製造できることがある。
一方で、保持体505は発光素子が並べられた基板を有する。発光素子は発光に応じて発熱する。これにより、基板が熱変形してしまう可能性が無視できない。仮に発光素子が並べられた基板が熱変形すると発光素子同士の間隔や配列方向が変化してしまい、これらが画像形成不良の原因となる可能性がある。金属製の保持体505であれば樹脂製の保持体505に比べて伝熱性に優れているため、発光素子や駆動ICが発する熱を効率よく基板から放熱することができる。このように、金属製の保持体505と樹脂製の保持体505とには双方にメリット・デメリットがある。以下の実施例では、金属製の保持体505について主に説明をする。
本実施例で説明する露光ユニット520は、感光ドラム103の回転軸線よりも鉛直方向下側に設けられている。保持体505が有する不図示の基板には発光素子としてのLEDが設けられており、これら発光素子が感光ドラム103を下方から露光する。ただし、露光ユニット520が感光ドラム103の回転軸線よりも鉛直方向上側に設けられ、感光ドラム103を上方から露光する構成でも構わない(図1(b)参照)。図3は、本実施例の画像形成装置1が備える露光ユニット520の概略斜視図である。
図3より、露光ユニット520は、光プリントヘッド105と、支持部材526と、第1リンク機構530と、第2リンク機構540と、を備える。
図3に示すように、光プリントヘッド105の保持体505には、当接ピン514と、当接ピン515とが設けられている。当接ピン514と当接ピン515とがドラムユニット518に突き当たることでレンズアレイ506の光出射面(出射面の一例)と感光ドラム103との間に間隙が形成される。こうして、感光ドラム103に対する光プリントヘッド105の位置が決まる。本実施の形態において、当接ピン514および当接ピン515は共に金属製のストレートピンである。また、当接ピン514および当接ピン515とは、金属製の保持体505に溶接によって固定されている。このように、本実施の形態において、当接ピン514および当接ピン515は保持体505と一体化している。なお、当接ピン514および当接ピン515と保持体505との固定は、溶接に限らず、接着剤によって固定されていても構わない。また、当接ピン514および当接ピン515にネジが切られていて、保持体505に螺合することによって締結されていても構わない。
第1リンク機構530はリンク部材535とリンク部材536とを備える。第2リンク機構540はリンク部材537とリンク部材538とを備える。画像形成装置1の手前側に設けられたカバー558の開閉動作に伴い、後述するスライド部材525が前後方向にスライド移動する。スライド部材525のスライド移動に連動してリンク部材535〜538が回動し、光プリントヘッド105が上下に移動する。
本実施の形態において、光プリントヘッド105は感光ドラム103よりも鉛直方向下側に設けられている。すなわち、本実施の形態における画像形成装置1は、光プリントヘッド105が感光ドラム103を鉛直方向下方から露光する。
また、図3に示すように露光ユニット520は、支持部材526を備える。支持部材526は、第1リンク機構530と第2リンク機構540とを介して光プリントヘッド105を支持している。具体的には第1リンク機構530のリンク部材535が保持体505を支持し、第2リンク機構540のリンク部材537が保持体505を支持する。支持部材526は、板金をコの字型に折り曲げることにより形成されている。支持部材526は感光ドラム103の回転軸線方向に延びる長手形状の部材である。支持部材526の長手方向における支持部材526の一端側(手前側)が前側板642に対して固定され、支持部材526の長手方向における支持部材526の他端側(奥側)が後側板643に対して固定される。こうして、支持部材526は画像形成装置1の装置本体に対して固定される。
支持部材526は、支持部材526の長手方向に移動可能なスライド部材525を備える。スライド部材525が支持部材526に対して移動することに応じて、リンク部材535〜538が回動して光プリントヘッド105が支持部材526に対して移動する。
また、支持部材526には、後述する清掃棒600を挿入可能な差し込み部550(挿入ガイドの一例)が固定されている。支持部材526が画像形成装置1の装置本体に固定されるため、差し込み部550も画像形成装置1の装置本体に固定されていることになる。
次に、図4を用いて、光プリントヘッド105の保持体505が保持する基板502とレンズアレイ506について説明する。まず、基板502について説明する。図4(a)は基板502の概略斜視図である。図4(b1)は基板502に設けられた複数のLED503の配列を示し、図4(b2)は図4(b1)の拡大図を示している。
基板502にはLEDチップ639が実装されている。図4(a)に示すように、基板502の一方の面にはLEDチップ639が設けられ、裏面側にコネクタ504が設けられている。基板502には各LEDチップ639に信号を供給するための配線が設けられている。コネクタ504には、不図示のフレクシブルフラットケーブル(FFC)の一端が接続される。画像形成装置1本体には基板が設けられている。基板502は制御部とコネクタとを備える。FFCの他端は、当該コネクタに接続されている。基板502には、画像形成装置1本体の制御部からFFCおよびコネクタ504を介して制御信号が入力される。LEDチップ639は、基板502に入力された制御信号によって駆動される。
基板502に実装されたLEDチップ639についてさらに詳しく説明する。図4(b1)および図4(b2)に示すように、基板502の一方の面には複数のLED503が配置された複数のLEDチップ639−1〜639−29(29個)が配列されている。各LEDチップ639−1〜639−29はそれぞれ、その長手方向に516個のLED(発光素子)が一列に配列されている。LEDチップ639の長手方向において隣り合うLEDの中心間距離k2は画像形成装置1の解像度に対応している。本実施例の画像形成装置1の解像度は1200dpiであるので、LEDチップ639−1〜639−29LEDチップ639の長手方向において、LEDは隣接するLEDの中心間距離が21.16μmとなるように一列に配列されている。そのため、本実施例の光プリントヘッド105の露光範囲は約316mmとなる。感光ドラム103の感光層は316mm以上の幅で形成されている。A4サイズの記録紙の長辺の長さおよびA3サイズの記録紙の短辺の長さは297mmであるため、本実施例の光プリントヘッド105は、A4サイズの記録紙およびA3サイズの記録紙に画像形成可能な露光範囲を有している。
LEDチップ639−1から639−29は、感光ドラム103の回転軸線方向に沿って二列となるよう交互に配置されている。すなわち、図4(b1)に示すように、左側から数えて奇数番目のLEDチップ639−1、639−3、・・・639−29が基板502の長手方向に一列に実装され、偶数番目のLEDチップ639−2、639−4、・・・639−28が基板502の長手方向に一列に実装されている。LEDチップ639をこのように配置することで、図4(b2)に示すように、LEDチップ639の長手方向において、隣り合う異なるLEDチップ639における一方のLEDチップ639の一端と他方のLEDチップ639の他端とに配置されたLEDの中心間距離k1を一つのLEDチップ639上における隣り合うLEDの中心間距離k2と等しくすることができる。
なお、本実施例では露光光源にLEDを用いる構成を例示するが、露光光源として有機EL(Organic Electro Luminescence)を用いても良い。
次に、レンズアレイ506について説明する。図4(c1)はレンズアレイ506を感光ドラム103側から見た時の概略図である。また、図4(c2)はレンズアレイ506の概略斜視図である。図4(c1)に示すように、これら複数のレンズは複数のLED503の配列方向に沿って二列に並べられている。各レンズは、一方の列のレンズの配列方向において隣り合うレンズの両方に接するように他方の列のレンズの一つが配置されるよう交互に配置されている。各レンズは、円柱状の硝子製のロッドレンズであって、LED503から出射された光が入射する入射面と、入射面から入射した光が出射する出射面とを有する。なお、レンズの材質は硝子製に限らず、プラスチック製でも構わない。レンズの形状についても円柱状に限らず、例えば六角柱等の多角柱でも構わない。
図4(c2)に示す点線Zはレンズの光軸を示す。光プリントヘッド105は前述の移動機構640によって当該点線Zで示すレンズの光軸に概ね沿った方向に移動させられる。ここで言うレンズの光軸とは、レンズの光出射面の中心と当該レンズの焦点とを結ぶ線を意味する。レンズアレイ506はLED503から出射された光を感光ドラム103の表面に集光する役割をもつ。
図5は、光プリントヘッド105を光プリントヘッド105の長手方向に対して垂直に切断したときの断面図である。図5に示すように基板502とレンズアレイ506とが対向するように保持体505に保持されている。保持体505は、例えば、亜鉛メッキ鋼板や冷間圧延鋼板にメッキ処理を施した板材である。本実施の形態において、保持体505は板材をコの字形状に折り曲げることによって構成されている。金属製の板材を用いることでコストを抑制しつつ、曲げ加工を施すことで強度を出すことが出来る。
ただし、保持体505の構成としては、金属製の板材に曲げ加工を施す構成に限らず、例えば、いわゆるダイカストであっても構わない。ダイカストとは、金型(キャビティ)に注入した溶融金属を冷却して固めることによって製造した製品もしくはその製造方法のことを言う。製造方法としてダイカストを採用した場合、元となる金型次第で複雑な形状に対応することができる。一方で、金型作製のコストがかかるため、同じ物を大量に製造する必要が無い場合はコストメリットがない、というデメリットもある。本実施の形態において、保持体505は、板金に曲げ加工を施すことにより製造したものであっても、ダイカストを採用し製造したものであっても構わない。
レンズアレイ506は、LED503から出射した光束を等倍正立像として感光ドラム103上に結像する。このとき、LED503からレンズアレイ506の光入射面506bまでの距離とレンズアレイ506の光出射面506aから感光ドラム103表面までの距離はほぼ等しい。
(移動機構)
次に、図6を用いて、スライド部材525のスライド移動に連動して光プリントヘッド105が移動する仕組みについて説明する。図6は露光ユニット520を左側から見た図である。説明を簡単にするため、支持部材526は不図示としている。なお、図6(a)は、光プリントヘッド105が感光ドラム103を露光するときの位置である露光位置に位置する状態を示している。一方、図6(b)は、光プリントヘッド105が露光位置よりも感光ドラム103から離れた離間位置に位置する状態を示している。ここで、本実施の形態において、光プリントヘッド105が露光位置に位置するときの感光ドラム103とレンズアレイ506の光出射面との間隔は約3mmである。
次に、図6を用いて、スライド部材525のスライド移動に連動して光プリントヘッド105が移動する仕組みについて説明する。図6は露光ユニット520を左側から見た図である。説明を簡単にするため、支持部材526は不図示としている。なお、図6(a)は、光プリントヘッド105が感光ドラム103を露光するときの位置である露光位置に位置する状態を示している。一方、図6(b)は、光プリントヘッド105が露光位置よりも感光ドラム103から離れた離間位置に位置する状態を示している。ここで、本実施の形態において、光プリントヘッド105が露光位置に位置するときの感光ドラム103とレンズアレイ506の光出射面との間隔は約3mmである。
図6に示すように、スライド部材525の長手方向におけるスライド部材525の一端側にはリンク部材535が回動可能に接続されており、スライド部材525の長手方向におけるスライド部材525の他端側にはリンク部材537が回動可能に接続されている。不図示のカバー558を閉じた状態から開いた状態に回動させることに応じてスライド部材525が手前側から奥側にスライド移動する。スライド部材525が手前側から奥側にスライド移動すると、リンク部材535とリンク部材537は図6で言うところの反時計回りに回動する。また、リンク部材535とリンク部材536とは互いに回動可能に接続されている。リンク部材537とリンク部材538も互いに回動可能に接続されている。
リンク部材536は一端側が不図示の支持部材526に対して回動可能に接続されているため、リンク部材535の回動に連動してリンク部材536も支持部材526に対して回動する。また、リンク部材538は一端側が不図示の支持部材526に対して回動可能に接続されているため、リンク部材537の回動に連動してリンク部材538も支持部材526に対して回動する。スライド部材525が手前側から奥側へ向けて移動すると、リンク部材536およびリンク部材538は共に支持部材526に対して時計回りに回動する。ここで、リンク部材535の他端側は保持体505に対して回動可能に接続されており、リンク部材537の他端側は保持体505に対して回動可能に接続されている。そのため、スライド部材525が手前側から奥側に向けてスライド移動することに連動して、リンク部材535とリンク部材537とが反時計回りに回動することで、リンク部材535の他端側およびリンク部材537の他端側がそれぞれ感光ドラム103から離れる方向へ移動する。こうして、光プリントヘッド105は露光位置から離間位置へ向けて移動する。
次に、スライド部材525のスライド移動に連動して、光プリントヘッド105が図6(b)に示す状態から図6(a)に示す状態、すなわち離間位置から露光位置へ向けて移動する様子について説明する。
スライド部材525は、不図示のカバー558が開いた状態から閉じた状態へ回動することに連動して、奥側から手前側へ向けて移動する。スライド部材が奥側から手前側へ向けてスライド移動すると、リンク部材535およびリンク部材537は図6で言うところの時計回りに回動する。同時に、リンク部材536およびリンク部材538は反時計回りに回動する。スライド部材525が奥側から手前側に向けてスライド移動することに連動して、リンク部材535とリンク部材537とが時計回りに回動することで、リンク部材535の他端側およびリンク部材537の他端側がそれぞれ感光ドラム103へ近付く方向へ移動する。こうして、光プリントヘッド105は離間位置から露光位置へ向けて移動する。なお、本実施の形態において、離間位置と露光位置とを移動する光プリントヘッド105の移動方向はレンズアレイ506の光軸方向と略一致する方向である。
スライド部材525のスライド移動に連動して光プリントヘッド105の保持体505が離間位置から露光位置へ向けて移動していくと、保持体505の長手方向において保持体505の一端側に設けられた当接ピン514と、保持体505の他端側に設けられた当接ピン515と、がドラムユニット518に突き当たる。こうして、ドラムユニット518に対する保持体505の位置、すなわち光プリントヘッド105の位置が決まる。
以上のようにしてドラムユニット518に対する保持体505の位置が決まったとき、感光ドラム103とレンズアレイ506の光出射面との間隔も決まり、光プリントヘッド105の露光位置への移動が完了する。
図7および図8を用いて、リンク機構530およびリンク機構540の仕組みについて更に詳しく述べる。図7(a)は、支持部材526の前側を左側から見た概略斜視図である。また、図7(b)は、支持部材526の前側を右側から見た概略斜視図である。以下、支持部材526の手前側に設けられたリンク機構530について説明する。リンク機構540の構成については、リンク機構530の構成と実質的に同じであるため、その説明は省略する。
図7に示すように、支持部材526は、支持軸531と、E型止め輪533と、を備える。コの字型に加工された支持部材526の右側の側壁面と左側の側壁面とには、支持軸531が挿通される孔が形成されている。これらの孔に支持軸531が挿通された状態で、支持軸531はE型止め輪533によって支持部材526に対して固定されている。
スライド部材525は金属製の板状の部材である。図7(a)に示すように、スライド部材525には前後方向に延びる長孔691が形成されている。この長孔691に支持軸531が挿通されている。本実施の形態において、支持軸531は、長孔691に対し上下方向において0.1〜0.5mm程度の隙間を以て緩嵌している。また、長孔691の長手方向における径は約350mmである。これにより、スライド部材525は、支持部材526に対して前後方向に約350mmスライド移動することができる。
また、スライド部材525の長手方向におけるスライド部材の一端側(スライド部材525の手前側)には補助部材539が取り付けられている。補助部材539には収容スペース562が形成されている。収容スペース562には、カバー558に設けられた突起が収容される。カバー558が回動すると、回動するカバー558とともに移動する突起が収容スペース562の手前側の側壁もしくは奥側の側壁に突き当たる。突起が収容スペース562の手前側の側壁を押し込むことでスライド部材525は手前側に移動する。一方、突起が収容スペース562の奥側の側壁を押し込むことでスライド部材525は奥側に移動する。このようにして、カバー558の回動に連動してスライド部材525も前後方向に移動する。
リンク機構530は、リンク部材535と、リンク部材536と、を備える。リンク部材535およびリンク部材536はともに長手形状の板材である。本実施の形態においては、これらリンク部材535およびリンク部材536は樹脂成形されている。リンク部材535の長手方向においてリンク部材535の一端側(図7(a)で言うところの上側)には突起655が形成されている。一方、リンク部材535の長手方向においてリンク部材535の他端側(図7(a)で言うところの下側)には筒部610が形成されている。突起655は、保持体505の手前側に形成された開口に嵌合する。これにより、リンク部材536は突起655を回動中心として保持体505に対して回動することができる。筒部610は、中空の円筒である。図7において、筒部610にはスライド部材525から突出した突起が嵌合している。これにより、リンク部材536は、スライド部材525に対しても回動することができる。
また、リンク部材536の長手方向における一端側(図7(b)で言うところの上側)は、リンク部材535に対して回動可能に取り付けられている。すなわち、リンク部材535とリンク部材536とは互いに回動可能である。一方、リンク部材536の長手方向におけるリンク部材536の他端側(図7(b)で言うところの下側)は、支持部材526に対して回動可能に取り付けられている。具体的には、リンク部材536の下側と支持部材526の左側の側壁面とには、それぞれ孔が形成されており、この孔に挿通ピン532が挿通されている。こうして、リンク部材536は支持部材526に対して回動可能に固定されている。
図8は、リンク機構530が有するリンク部材535およびリンク部材536それぞれの回動の様子について説明するための図である。上で説明したように、リンク部材535に形成された筒部610は、支持部材526に形成された突起534に嵌合している。そのため、スライド部材525が手前側から奥側へ向けてスライド移動すると、リンク部材535が突起534を回動中心として、図8で言うところの時計回りに回動する。リンク部材535とリンク部材536とは互いに回動可能に接続されているため、リンク部材536は、リンク部材535の時計回りの回動に連動して、スライド部材525に対して反時計回りに回動する。このとき、リンク部材536は挿通ピン532を回動中心として支持部材526に対して回動する。リンク部材535は、リンク部材536によって回動可能に支えられながら回動することにより、リンク部材535の突起655が下側へ向けて移動する。
ここで、スライド部材525に対するリンク部材535の回動中心軸線とリンク部材535とリンク部材536との接続中心軸線との距離をL1、支持部材526に対するリンク部材536の回動中心軸線とリンク部材535とリンク部材536との接続中心軸線との距離をL2、保持体505に対するリンク部材535の回動中心軸線とリンク部材535とリンク部材536との接続中心軸線との距離をL3、とすると、L1〜L3は互いに等しい。一般に、このようなリンク機構はスコットラッセル機構とも称される。距離L1〜L3を等しくすることによって、スライド部材525のスライド移動に連動した突起655の移動方向は、垂直方向になる。具体的には、突起655は図8(b)で言うところの点線A上を移動する。これにより、スライド部材525のスライド移動に連動させて、保持体505を上下方向に移動させることができる。
また、光プリントヘッド105を露光位置および離間位置に移動させる構成は、第1リンク機構530や第2リンク機構540を用いた構成に限らず、図9に示す移動機構940を用いた構成であっても構わない。以下、図9を用いて移動機構940について説明する。なお、移動機構940を構成する部材と実質的に同じ機能を有する部材には同じ符合を付して説明し、重複する説明は省略する場合がある。
図9に示すように、スライド部材525の前側および後側には第1カム部112および第2カム部113が設けられている。また、光プリントヘッド105が有する保持体505の手前側および奥側には移動支持部114および移動支持部115が設けられている。第1カム部112および第2カム部113は、保持体505側に後側から前側に向けて下側に傾斜した傾斜面を備える。
図9(a)は、露光位置に位置する保持体505および移動機構940を右側から見た概略図である。光プリントヘッド105が有する保持体505が、露光位置に位置する際に、スライド部材525が支持部材526に対して前側から後側へスライド移動すると、スライド部材525と共にスライド部材525に設けられた第1カム部112および第2カム部113が支持部材526に対して前側から後側へ移動する。これにより、保持体505に設けられた移動支持部114および移動支持部115の下端が第1カム部112および第2カム部113に当接し、移動支持部114および移動支持部115が第1カム部112および第2カム部113に沿って露光位置から離間位置へと向かう方向へ移動する。
図9(b)は、離間位置に位置する保持体505および移動機構940を右側から見た概略図である。光プリントヘッド105が有する保持体505が、離間位置に位置する際に、スライド部材525が支持部材526に対して後側から前側へスライド移動すると、スライド部材525と共にスライド部材525に設けられた第1カム部112および第2カム部113が支持部材526に対して後側から前側へスライド移動する。これにより、保持体505に設けられた移動支持部114および移動支持部115の下端が第1カム部112および第2カム部113に沿って、離間位置から露光位置へと向かう方向へ押し上げられ移動する。
(清掃機構)
画像形成装置1において、光プリントヘッド105は、帯電器104と現像器106との間に設けられる。そのため、レンズアレイ506の光出射面が、感光ドラム103や現像器106から落下したトナーによって汚れることがある。レンズアレイ506が備える複数のレンズのうち、画像形成に使用される光が通過するレンズが汚れた場合、発光素子から出射される光が部分的に遮光される。これは、出力画像の画質低下を生む一原因である。そのため、光プリントヘッド105が有するレンズアレイ506の光出射面は、定期的に清掃されることが望ましい。
画像形成装置1において、光プリントヘッド105は、帯電器104と現像器106との間に設けられる。そのため、レンズアレイ506の光出射面が、感光ドラム103や現像器106から落下したトナーによって汚れることがある。レンズアレイ506が備える複数のレンズのうち、画像形成に使用される光が通過するレンズが汚れた場合、発光素子から出射される光が部分的に遮光される。これは、出力画像の画質低下を生む一原因である。そのため、光プリントヘッド105が有するレンズアレイ506の光出射面は、定期的に清掃されることが望ましい。
図10は、レンズアレイ506の光出射面の清掃に用いられる清掃棒600の概略斜視図である。図10に示すように、清掃棒600は、棒状の棒状体601と、磁石602と、把持部603と、を備える。本実施の形態において、棒状体601は長手形状の樹脂成形物である。棒状体601は、その長手方向に対して垂直に切断されたとき、コの字状の断面となる。また、磁石602は、アルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジム磁石などの永久磁石を用いているが、磁石の種類はこれらに限らないし、永久磁石でなくても構わない。棒状体601の長手方向における棒状体601の一端側には磁石602が設けられている。図示していないが、棒状体601の一端側にはレンズアレイ506の光出射面を摺擦して清掃するための清掃ブレード(板状の清掃部材の一例)も設けられている。また、棒状体601の長手方向における棒状体601の他端側には、作業者が把持するための把持部603が形成されている。詳しくは後述するが、ユーザやサービスマン等の作業者は、把持部603を把持して清掃棒600を装置本体に対して挿抜することにより、レンズアレイ506の光出射面を清掃する。
清掃棒600は、例えば、画像形成装置1の手前側に設けられたフロントカバーの内側に取り付けられている。ユーザやサービスマン等の作業者は、レンズアレイ506の光出射面を清掃する必要が生じたとき、画像形成装置1のフロントカバーの内側から清掃棒600を取り外す。そして、清掃棒600を用いてレンズアレイ506の光出射面の清掃を実施する。なお、清掃棒600は必ずしも画像形成装置1の一部に取り付けられた状態である必要はなく、清掃が必要になったとき、その都度サービスマンが持参しても構わない。
なお、ここで言うフロントカバーは画像形成装置1の手前側に設けられ、ドラムユニット518の交換時や清掃棒600を用いてレンズアレイ506の清掃を行う際に開ける扉である。
本実施の形態では、フロントカバーの内側に清掃棒600が設置されている。ユーザやサービスマン等の作業者がレンズアレイ506の清掃を行う際は、この清掃棒600をフロントカバーの内側から取り外す。当然ながら、清掃棒600はフロントカバーに設置されている構成に限らず、画像形成装置1のその他の部分に設置されていても構わない。また、清掃棒600自体が画像形成装置1に設置されておらず、レンズアレイ506の清掃時にサービスマンが清掃棒600を持参しても構わない。
図11は、清掃棒600の長手方向における清掃棒600の一端側(以降、単に清掃棒600の先端側と呼ぶ)すなわち棒状体601の先端側の拡大斜視図である。説明を簡単にするために、図11に示すように上側、下側、右側、左側、先端側、後端側をそれぞれ定義する。
図11に示すように、棒状体601の先端側において、棒状体601の上側には磁石602が設けられている。また、ヨーク605a(第1のヨーク片)とヨーク605b(第2のヨーク片)とが、左右方向において磁石602を挟むようにして、棒状体601の先端側に設けられている。ここで、ヨーク605aおよびヨーク605bは、磁性を有する金属製の板材であり、その材質は例えば鉄である。ヨーク605aとヨーク605bとは、ともに磁石602に接触しており、磁石602によって磁化された状態である。なお、ヨーク605aとヨーク605bとは互いに別体である必要はなく、これらを合わせて1つのヨーク(ヨーク部材605)として清掃棒600に設けても構わない。
ヨーク605aおよびヨーク605bそれぞれは、棒状体601の先端側において、棒状体601の上側を貫通している。言い換えれば、ヨーク605aは棒状体601から上側および下側の双方に露出している。ヨーク605bも棒状体601から上側および下側の双方に露出している。
ここで、ヨーク605a(605b)は、継鉄と称されることもあり、磁石から出る磁束を通しやすいという特徴がある。一般に、物質における磁束の通り易さを表す指標として透磁率という指標が知られている。ヨークとして広く用いられている磁性物質の透磁率と大気中の透磁率とを比較すると、大気中の透磁率を1とした場合、ヨークの透磁率はその数千倍という値である。この点を鑑みて、ヨークの材料としては、純鉄、低炭素鋼や珪素鉄などが用いられる。
図11において、仮に棒状体601にヨーク605aおよびヨーク605bが取り付けられていなかったとすると、磁石602の右側の側面および左側の側面から大気中に磁束が漏れてしまう。一方、ヨーク605aを磁石602の右側に接触するように取り付け、かつヨーク605bを磁石602の左側に接触するように取り付けた場合、磁石602から発せられた磁束はヨーク605aおよびヨーク605bを通過して、ヨーク605aの下側およびヨーク605bの下側から大気中に漏れだす。このように、磁石602が発する磁束は大気中には漏れずに透磁率の高いヨーク605aおよびヨーク605bに集中するため、磁石602を単体で用いるよりもヨーク605aおよびヨーク605bを用いた方が、棒状体601の先端側と保持体505との吸着力を高めることができる。このように、ヨーク605aやヨーク605bを用いることで、磁石602から発せられる磁束の向きおよび方向を制御することができる。
本実施の形態では、一例としてヨーク605aおよびヨーク605bは、磁石602よりも保持体505が配置されている側に突出して棒状体601に設けられている。具体的には、清掃棒600が差し込み部550に差し込まれた状態において、レンズアレイ506のレンズの光軸方向において磁石602と保持体505との間に棒状体601が位置する。このような構成の場合、磁石602と保持体505とが直接接触することはない。
また、棒状体601の先端側には清掃ブレード604が設けられている。清掃ブレード604は棒状体601に対して固定されているため、作業者によって差し込み部550に差し込まれて移動する棒状体601と共に移動する。本実施の形態において、清掃ブレード604は厚さ0.5mmの例えばウレタンゴム製の可撓性を有するブレード形状の部材である。清掃ブレード604は、棒状体601の先端側において、棒状体601から下方に突出するように設けられている。言い換えれば、清掃ブレード604は、その一部が棒状体601から下側に露出している。なお、清掃ブレード604はウレタンゴム製のブレードに限らず、樹脂製のブレードやスポンジ、不織布などでも構わない。本実施形態において、ブレード形状の清掃ブレード604は、棒状体601の下側から約3mm突出している。詳しくは後述するが、ヨーク605aおよびヨーク605bが棒状体601の上側と接触した状態のとき、清掃ブレード604の下側から約0.5mmがレンズアレイ506の光出射面に接触する。
図11に示すように、清掃ブレード604は、ヨーク605aとヨーク605bとの間に位置する。詳しくは後述するが、このように配置されることにより、ヨーク605aとヨーク605bとが保持体505と接触状態にあるときに、清掃ブレード604とレンズアレイ506の光出射面とを確実に接触させることができる。清掃ブレード604がレンズアレイ506の光出射面に接触した状態で、清掃棒600が画像形成装置1の手前側から奥側へ向けて移動することにより、ブレード形状の清掃ブレード604が撓みながらレンズアレイ506の光出射面を摺擦する。このようにして、レンズアレイ506の光出射面に堆積したトナーや埃などの異物が清掃ブレード604によって掻き取られる。
また、棒状体601の先端側には傾斜面601aおよび傾斜面601bが形成されている。傾斜面601aおよび傾斜面601bは、先端側ほど上方に傾斜した傾斜面である。このように、傾斜面601aおよび傾斜面601bが棒状体601の先端側に形成されていることにより、画像形成装置1に滑らかに差し込むことができる。清掃棒600を画像形成装置1の外側から差し込む構成については後で詳しく述べる。
清掃棒600の構成について図12を用いて更に詳しく述べる。図12は清掃棒600の分解斜視図である。棒状体601の先端側には取付面608を挟むようにして孔606aと孔606bとが形成されている。それぞれの孔606aおよび孔606bは、棒状体601の上面を貫通する貫通孔である。
本実施の形態において、清掃ブレード604はウレタンゴム製のシート状のブレードであって、その一部が取付面608の先端側に形成された不図示の孔を介して棒状体601より下側に露出する。清掃ブレード604が取付面608に載置された状態において、シール607が清掃ブレード604および取付面608に貼り付けられる。シール607は両面に粘着性を有している。
図11に示すように、ヨーク605aとヨーク605bとが清掃ブレード604よりも図11中で言うところの下側に突出している。ヨーク605aとヨーク605bとが保持体505の上面に接触するため、清掃ブレード604が保持体505の上面に接触することはない。
また、上でも述べたが、清掃ブレード604は棒状体601の先端側において棒状体601の下側から3mm突き出している。そして、後述する掻き取り部560は棒状体601から突き出した清掃ブレード604のうち、下端から約20%程度の部分と接触する。すなわち、本実施の形態では、清掃棒600を挿入していくと、清掃ブレード604の下端から0.6mmの領域が掻き取り部560と接触する。本実施の形態の清掃ブレード604のように、ウレタンゴム製のシート状のブレードであれば、棒状体601から突出した分のうち20%程度であれば、掻き取り部560に突き当たった場合でも撓んで乗り越えることができる。
図12に示すように、ヨーク605aおよびヨーク605bはいずれもT字型をなしている。そして、T字の突き出し部分すなわち図12で言うところのヨーク605a(605b)下側の突き出し部分が、孔606a(孔606b)から棒状体601の下側に突き出す。
ヨーク605aは棒状体601の先端側に形成された孔606aに挿入される。また、ヨーク605bは棒状体601の先端側に形成された孔606bに挿入される。孔606aは取付面608よりも右側、孔606bは取付面608よりも左側に形成されている。そのため、孔606aに挿入されたヨーク605aはその一部が清掃ブレード604よりも右側において棒状体601から下側に突出する。また、孔606bに挿入されたヨーク605bはその一部が清掃ブレード604よりも左側において棒状体601から下側に突出する。すわなち、清掃ブレード604を左右方向において挟むようにしてヨーク605aおよびヨーク605bが棒状体601から下側に突出する。言い換えれば、清掃棒600が差し込み部550に挿入された状態において、ヨーク605aおよびヨーク605bは磁石602よりも保持体505が配置されている側に突出している。
ヨーク605aとヨーク605bとの間には磁石602が挿入される。磁石602は、取付面608に貼り付けられたシール607の上面に載置される。こうして磁石602は棒状体601に対して固定される。棒状体601の先端側には、棒状体601に取り付けられる磁石602の前側面と対向する係合突起610aが設けられている。また、同じく棒状体601の先端側には、棒状体601に取り付けられる磁石602の後側面と対向する係合突起610bが設けられている。これら係合突起610aおよび係合突起610bと磁石602とはスナップフィット構造をなしている。これにより、棒状体601の先端側に取り付けられる磁石602は、係合突起610aと係合突起610bとによって棒状体601に固定される。なお、棒状体601に対する磁石602の固定は、上記したスナップフィットによるものに限らず、シール607の粘着力のみによってなされても構わないし、別途接着剤を塗布するなどしてなされても構わない。
磁石602の右側面にはヨーク605aが接触しており、磁石602の左側面にはヨーク605bが接触している。ヨーク605aおよびヨーク605bは磁石602に接触していることで磁化される。このようにヨーク605aおよびヨーク605bを配置することによって、磁石602の前側面、後側面、下面、上面から大気中に漏れだす磁束を減らして、磁石602が発する磁束をヨーク605aおよびヨーク605bに集中させることができる。
ここで、ヨーク605aおよびヨーク605bと、清掃ブレード604との位置関係について簡単に述べる。ヨーク605aの一部とヨーク605bの一部とは共に清掃ブレード604よりも棒状体601の長手方向における棒状体601の先端側に位置する。言い換えれば、ヨーク605aの一部とヨーク605bの一部とは共に棒状体601の長手方向における棒状体601の他端側(後端側)から棒状体601の長手方向における棒状体601の一端側(先端側)へと向かう方向に置いて清掃ブレード604よりも下流側に位置する。また、磁石602もその一部が棒状体601の長手方向における棒状体601の他端側(後端側)から棒状体601の長手方向における棒状体601の一端側(先端側)へと向かう方向に置いて清掃ブレード604よりも下流側に位置するように配置されている。清掃ブレード604よりも棒状体601の先端側にヨーク605aの一部およびヨーク605bの一部が位置することにより、清掃棒600のうち清掃ブレード604よりも先端側の部分が、磁力に基づく吸着力によって保持体505に引き付けられるため、レンズアレイ506の光出射面を清掃ブレード604によって十分に清掃することができる。
図13は、画像形成装置1の装置本体の外側から清掃棒600が差し込まれた状態を示す図である。図13に示すように、清掃棒600が差し込まれる差し込み部550が、露光ユニット520が備える支持部材526に対して一体的に設けられている。ここで、支持部材526は、画像形成装置1の装置本体に対して固定されている。そのため、支持部材526も装置本体に対して固定されていることになる。差し込み部550は支持部材526に設けられている必要はなく、例えば、装置本体に固定された部材に形成されていても構わないし、ドラムユニット518に形成されていても構わない。
図13に示すように、差し込み部550は、差し込み部550に差し込まれた清掃棒600が左右方向に移動することを制限するために、差し込まれた清掃棒600の右側の側面と左側の側面とのそれぞれに対向する壁を有する。これらの壁の上部は清掃棒600を加え込むようにL字型に折り曲げられている。これにより、差し込み部550に差し込まれた清掃棒600は上側へ向けて移動することを制限される。すなわち、差し込み部550に差し込まれた清掃棒600は、差し込み部550によって、差し込み部550に対して挿抜される方向(図13中の矢印方向)に対して垂直な方向へ移動することを制限される。言い換えれば、差し込み部550は、清掃棒600の図13中の矢印で示す方向への移動を案内する。
ここで、清掃棒600が差し込み部550に差し込まれた状態において、清掃棒600と差し込み部550との間には若干の隙間がある。本実施の形態においては、左右方向に関して差し込み部550に差し込まれた清掃棒600と差し込み部550との隙間は約2mmある。また、上下方向に関しても、差し込み部550に差し込まれて差し込み部550の底面に接触した状態の清掃棒600と差し込み部550の上部との隙間は約2mmある。このように、清掃棒600が差し込み部550に差し込まれた状態において、清掃棒600と差し込み部550との間には若干の隙間が設けられている。これにより、作業者は、清掃棒600を差し込み部550に対してスムーズに挿抜することができる。
しかしながら、清掃棒600が差し込み部550に差し込まれた状態において、上下方向に関して清掃棒600と差し込み部550との間に若干の隙間があると、作業者が把持部603に対して下向きに力を加えたときに、清掃棒600が差し込み部550を支点として、清掃棒600の先端側が上方へ移動し清掃ブレード604がレンズアレイ506の光出射面から離間してしまう可能性がある。この状態で作業者が清掃棒600を差し込み部550に対して挿抜すると清掃ブレード604がレンズアレイ506の光出射面を摺擦しない虞がある。
一方で、清掃棒600が差し込み部550に差し込まれた状態において、清掃棒600と差し込み部550と隙間が狭ければ狭いほど、清掃棒600を装置本体の外側から差し込み部550に差し込むときの操作性が低下する。具体的には、清掃棒600が差し込み部550に差し込まれた状態における清掃棒600と差し込み部550とのクリアランスをある程度確保することにより、作業者は清掃棒600を容易に差し込み部550に差し込むことができる。
そこで、本実施の形態においては、清掃棒600の先端側に磁石602を設けている。磁石602が発する磁力によって磁石602と保持体505とは互いに引き付け合おうとする。磁石602は棒状体601に設けられているため、棒状体601の先端側も保持体505に対して近付く方向へ移動しようとする。このように、磁石602と保持体505とに吸着力が生じることで、上下方向において清掃棒600の先端側が保持体505から離間してしまう可能性が低減される。このようにして、清掃ブレード604がレンズアレイ506の光出射面から離間してしまう可能性を低減しつつ、清掃棒600の操作性を維持している。
清掃棒600は差し込み部550に対して作業者によって矢印方向に挿抜される。差し込み部550は、清掃棒600の挿入方向において、レンズアレイ506の光出射面よりも上流側に設けられている。清掃棒600が作業者によって差し込み部550に差し込まれていくと不図示の清掃ブレード604がレンズアレイ506の光出射面に対向する。清掃ブレード604とレンズアレイ506の光出射面とが対向している状態において、棒状体601の先端側は設けられたヨーク605a(605b)と保持体505とには磁石602が発する磁力である吸着力が作用している。すなわち、ヨーク605a(605b)と保持体505とには互いに吸着し合う力が生じている。このとき、ヨーク605a(605b)が取り付けられている棒状体601の先端側にも保持体505へ向かう力が作用しているため、清掃ブレード604とレンズアレイ506の光出射面とが接触する。清掃ブレード604とレンズアレイ506の光出射面との接触が維持された状態で清掃棒600が矢印方向へ挿抜されることにより、清掃ブレード604がレンズアレイ506の光出射面を摺擦して清掃する。
棒状体601の先端側と保持体505との吸着力は、作業者が差し込み部550に差し込まれた状態の清掃棒600の把持部603を下方に押さえつけたときに、清掃ブレード604とレンズアレイ506の接触状態が維持される程度の大きさであることが望ましい。本実施の形態においては、棒状体601の先端側と保持体505とに作用する上下方向(レンズアレイ506の光軸方向)における吸着力は約100gfである。この値は、棒状体601の材質に起因するしなり具合によって変わってくるが、棒状体601を樹脂成形した場合は、100gf程度の吸着力が必要である。
なお、レンズアレイ506の光出射面を清掃するにあたり、作業者は清掃棒600を差し込み部550に対して複数回挿抜することもある。清掃棒600を差し込み部550に対して複数回挿抜して清掃するのであれば、仮に1回目の挿入時に清掃ブレード604とレンズアレイ506の光出射面とが離間してしまっても、抜き出すときや2回目の挿入時に清掃ブレード604がレンズアレイ506の光出射面を摺擦すればよい。以上を鑑みると、棒状体601の先端側に設けられた磁石602が、清掃ブレード604とレンズアレイ506の光出射面との接触状態を維持すべく磁力を発して、棒状体601の先端側と保持体505とに互いに吸着し合う吸着力が働いていれば、上述した吸着力は100gf以下であっても構わない。
図14は、ヨーク605aおよびヨーク605bが保持体505の上面に接触した状態を説明するための図である。図14に示すように、棒状体601の上側に設けられた磁石602の右側にはヨーク605aが、磁石602の左側にはヨーク605bが配置されている。なお、ここで言う磁石602の右側は、棒状体601の長手方向とレンズアレイ506のレンズの光軸方向との双方に垂直な垂直方向における一方側を指す。磁石602の左側は、棒状体601の長手方向とレンズアレイ506のレンズの光軸方向との双方に垂直な垂直方向における他方側を指す。垂直方向と左右方向とは同一の方向を表している。磁石602が発する磁束はヨーク605a内およびヨーク605b内を通過して保持体505へと向かう。これにより、ヨーク605aおよびヨーク605bと、保持体505とに吸着力が生じる。
レンズアレイ506の光出射面と清掃ブレード604とがレンズアレイ506の光軸方向において対向しているとき、ヨーク605aおよびヨーク605bと保持体505とは磁力によって吸着されて互いに接触している。
ヨーク605aおよびヨーク605bと保持体505とが接触し、磁力によって互いに吸着し合うことによって、棒状体601の先端側と保持体505とにも互いに引き付け合う力が作用する。言い換えれば、磁石602は、磁石602自身と保持体505とが引き付け合う力を生む磁力を発する。これにより、棒状体601の先端側に設けられた清掃ブレード604もレンズアレイ506の光軸方向において保持体505に対して近付くように移動する。図14に示すように、清掃ブレード604は、ヨーク605aおよびヨーク605bが保持体505に接触した状態のときにレンズアレイ506の光出射面と接触する程度まで棒状体601から下側に露出している。本実施の形態において、棒状体601の先端側から下側に突出する清掃ブレード604の突出量は約3mmである。ヨーク605aおよびヨーク605bが保持体505に接触した状態のとき、清掃ブレード604とレンズアレイ506の光出射面とは確実に接触した状態である。具体的には、清掃ブレード604の下端から0.5mmがレンズアレイ506の光出射面を清掃する。
清掃棒600が図14に示す状態にあるとき、清掃ブレード604はレンズアレイ506の光出射面に接触した状態である。このとき、清掃ブレード604は手前側もしくは奥側のいずれかに向けて撓んだ状態である。清掃ブレード604よりも右側と左側とでヨーク605と保持体505とが吸着し合おうとするため、清掃ブレード604はレンズアレイ506の光出射面に押し付けられる状態になる。こうして、清掃ブレード604とレンズアレイ506とが上下方向(レンズアレイ506のレンズの光軸方向)において接触した状態が維持される。
図14に示すように、棒状体601の右側側面601Rは保持体505よりも右側に位置し、棒状体601の左側側面601Lは保持体505よりも左側に位置する。言い換えれば、棒状体601の右側側面601Rと左側側面601Lとは、保持体505を左右方向において挟む。こうすることで、清掃棒600は保持体505に対する左右方向への移動、すなわち副走査方向への移動が制限される。棒状態601の右側側面601Rと保持体505との間、および棒状体601の左側側面601Lと保持体505との間には若干の間隙が形成されている。この間隙の分だけ、清掃棒600は保持体505に対する左右方向への移動が許容される。これにより、清掃棒600は左右方向において保持体505に接触しながらも滑らかな移動をすることができる。
ここで、本実施の形態において、左右方向における清掃ブレード604の幅は約2.5mmである。左右方向における棒状体601の右側側面601Rと保持体505との幅と、左右方向における棒状体601の左側側面601Lと保持体505との幅と、の和は2.5mm以下に設定されている。そのため、棒状体601が保持体505に対して左右方向へ移動しても、清掃ブレード604がレンズアレイ506の光出射面よりも右側あるいは左側へ移動することはない。こうして、左右方向における清掃ブレード604とレンズアレイ506の光出射面との接触状態が維持されている。
以上より、作業者によって清掃棒600が装置本体の外側から差し込み部550に挿入されて、清掃ブレード604とレンズアレイ506の光出射面とがレンズアレイ506の光軸方向において対向した状態のとき、清掃ブレード604とレンズアレイ506の光出射面との接触状態が維持される。清掃ブレード604とレンズアレイ506の光出射面との接触状態が維持された状態で清掃棒600が差し込み部550に挿抜されることによって、レンズアレイ506の光出射面が清掃される。
図14は、ヨーク605と保持体505との間のギャップdと、磁石602と保持体505とが引き付け合う力との関係について実験した結果を示すグラフである。このグラフより、ギャップdを小さくするに従い磁石602と保持体505とが引き付け合う力は指数関数的に上昇することが分かる。
磁石602と保持体505とが引き付け合う力は大きくなればなるほど、清掃ブレード604とレンズアレイ506の光出射面とを確実に接触させることができる。一方で、清掃棒600を差し込み部550に対して抜き差しするために要する力が大きくなる。
磁石602と保持体505とが引き付け合う力が小さくなればなるほど、差し込み部550に対しての清掃棒600の抜き差しに要する力は少なくて済むが、清掃ブレード604が容易に保持体505から離れてしまう可能性が無視できない。発明者の実験に基づき、本実施の形態においては、保持体505に対して作用する磁石602の吸着力が約100gfとなるように、ギャップdが0.5mmとなるように突起部630の棒状体601からの突出量を設定した。
(掻き取り部について)
図16は差し込み部550の拡大斜視図である。差し込み部550には、挿入された清掃棒600の清掃ブレード604に付着した汚れを掻き落とすための掻き取り部560(突当部の一例)が設けられている。図16に示すように、掻き取り部560は差し込み部550から上方へ向けて突出した突起である。本実施の形態において、掻き取り部560は差し込み部550と一体的に成形されている。しかしながら、掻き取り部560と差し込み部550とはそれぞれ別部材であっても構わない。例えば、掻き取り部560が接着剤やビスで差し込み部550に取り付けられていても構わない。
図16は差し込み部550の拡大斜視図である。差し込み部550には、挿入された清掃棒600の清掃ブレード604に付着した汚れを掻き落とすための掻き取り部560(突当部の一例)が設けられている。図16に示すように、掻き取り部560は差し込み部550から上方へ向けて突出した突起である。本実施の形態において、掻き取り部560は差し込み部550と一体的に成形されている。しかしながら、掻き取り部560と差し込み部550とはそれぞれ別部材であっても構わない。例えば、掻き取り部560が接着剤やビスで差し込み部550に取り付けられていても構わない。
ここで、保持体505が金属製ではなく樹脂製であれば、本実施の形態のように掻き取り部560を差し込み部550に設けるのではなく、掻き取り部560を保持体505に設けることも考えられる。上述したように、保持体505が樹脂製であれば掻き取り部560を保持体505に形成することもできるが、本実施の形態のように保持体505が板金を折り曲げてつくられたものである場合、掻き取り部560のような突起を設けることは困難である。保持体505にはレンズアレイ506や基板が設けられるため、高い加工精度が要求される。したがって、板金で保持体505を形成する際にも、曲げ加工を施す箇所が多くなればなるほど、レンズアレイ506や基板の取り付け精度が悪くなる虞がある。そのため、保持体505が金属製であれば、掻き取り部560のような突起を保持体505に形成することは難しく、仮に形成するとしてもコストアップは避けられない。以上のような理由から板金で保持体505を形成する場合には、掻き取り部560を保持体505に設けるのではなく、差し込み部550に設けることが望ましい。
一方で、保持体505が樹脂製であれば、掻き取り部560を保持体505と一体的に形成することができる。掻き取り部560を清掃棒600の挿入方向においてレンズアレイ506よりも上流に設けておけば、清掃ブレード604はまず掻き取り部560に突き当たってからレンズアレイ506の光出射面に到達する。言い換えれば、掻き取り部560は、清掃ブレード604の移動経路内であって、差し込み方向においてレンズアレイ506よりも上流側に配置されていれば、その位置は特に限定されない。掻き取り部560は、保持体505に設けられていても差し込み部550に設けられていてもよく、清掃棒600を差し込み部550に差し込んでいったときに、清掃ブレード604がレンズアレイ506に到達するよりも前に掻き取り部560に突き当たればよい。
図17は、掻き取り部565を保持体505に形成した構成について説明するための図である。上述したように、この場合の保持体505は樹脂製である。掻き取り部565が有する機能は、保持体505が金属製である場合における掻き取り部560の機能と実質的に同じである。
作業者が清掃棒600を差し込み部550に挿入していくと、清掃ブレード604の清掃面Aが保持体505に形成された掻き取り部565に接触する。この状態から清掃部600が更に挿入されると清掃ブレード604は掻き取り部565を乗り越えてレンズアレイ506へと移動する。清掃ブレード604が掻き取り部565を乗り越えるときに清掃ブレード604に付着したトナーや埃などの付着物が落ちる。また、清掃ブレード604は可撓性の板材であるため、掻き取り部565を乗り越えるときに撓んだ状態になる。そして、掻き取り部565を乗り越えたことに応じて、撓んだ状態から撓む前の状態に戻ろうとする復元力が清掃ブレード604に作用する。撓んだ状態から撓む前の状態に戻ったときに清掃ブレード604に付着していた付着物も振り落とされる。このように、清掃ブレード604は掻き取り部565を乗り越えることに応じて、清掃ブレード604に付着した付着物が除去される。清掃ブレード604の汚れが可能な限り落とされた状態でレンズアレイ506の清掃が開始されるため、レンズアレイ506の清掃性が向上する。
ここで、清掃ブレード604が掻き取り部565を「乗り越える」とは、本実施の形態のような下面露光方式の画像形成装置1では、(1)清掃面Aが掻き取り部565に当接した状態、(2)清掃ブレード604が撓んで掻き取り部565の鉛直方向上方を摺擦している状態、(3)清掃ブレード604が掻き取り部565よりも奥へ移動して撓み状態が解除された状態、の3つの一連の状態が完了することを言う。上面露光方式の場合、上記(2)の状態のとき、清掃ブレード604は掻き取り部565の鉛直方向下側を摺擦する。このように、清掃ブレード604が掻き取り部565の鉛直方向下側を通過する場合も、清掃ブレード604が掻き取り部565を「乗り越える」と言う。
また、清掃棒600が作業者によって引き抜かれる場合においても、掻き取り部565によって清掃ブレード604の汚れが落とされる。清掃ブレード604から汚れが除去される原理については上の説明と同様で、清掃ブレード604が掻き取り部565を乗り越えることに応じて、清掃ブレード604の汚れが掻き取り部565によって落とされる。具体的には、まず清掃ブレード604の清掃面Bが掻き取り部565に対して、奥側から手前側へと向かう方向に突き当たる。その後、清掃棒600が更に手前側に引き抜かれると清掃ブレード604は撓みながら掻き取り部565を乗り越える。清掃ブレード604が掻き取り部565を乗り越えたことに応じて、復元力が清掃ブレード604に作用し、清掃ブレード604に付着している付着物が振り落とされる。以上のようにして、清掃ブレード604に付着した汚れが掻き取り部565によって落とされる。
また、図17に示すように、掻き取り部565は画像形成装置1の手前側から奥側へと向かう方向において、レンズアレイ506よりも上流側に設けられている。言い換えれば、掻き取り部565はレンズアレイ506よりも手前側において保持体505に形成されている。ここで、掻き取り部565をレンズアレイ506よりも奥側において保持体505に形成した場合を考える。すなわち、清掃ブレード604はレンズアレイ506よりも奥で掻き取り部565に接触する構成を仮定する。
清掃棒600はユーザやサービスマン等の作業者によって操作される。したがって、掻き取り部565がレンズアレイ506よりも奥側に配置されていた場合、作業者は清掃ブレード604が掻き取り部565に到達するまで清掃棒600を差し込む必要がある。レンズアレイ506の清掃は清掃ブレード604がレンズアレイ506の奥まで到達すれば完了する。作業者は、清掃ブレード604を掻き取り部565に到達させるためには、これより更に奥まで清掃棒600を挿入する必要がある。
しかしながら、清掃棒600の操作はユーザやサービスマン等の人間によって行われる作業である。そのため、清掃ブレード604がレンズアレイ506よりも奥に設けられた掻き取り部565に到達するまで清掃棒600を挿入しないことも考えられる。清掃ブレード604が掻き取り部565に到達しなければ、清掃ブレード604に汚れが付着した状態が続いてしまう。
一方、本実施の形態のように、掻き取り部565をレンズアレイ506よりも手前側において保持体505に形成すれば、清掃ブレード604と掻き取り部565とを確実に接触させることができる。レンズアレイ506よりも手前側であって且つ清掃ブレード604の移動経路内に掻き取り部565が設けられていることで、清掃ブレード604はレンズアレイ506に到達するよりも前に掻き取り部565に接触する。こうすることで、作業者は清掃棒600を差し込み部550に挿入する際、特に意識せずとも、清掃ブレード604と掻き取り部565とを接触させることが可能である。
以上のように、掻き取り部565をレンズアレイ506の奥ではなく手前に設けることで、より確実に清掃ブレード604と掻き取り部565とを接触させることができる。
差し込み部550の上方には、差し込み部550に差し込まれた清掃棒600が鉛直方向上方へ移動することを規制する規制部563が設けられている。言い換えれば、規制部563は、レンズアレイ506の光出射面から感光ドラム103へと向かう方向へ向けて清掃棒600が移動することを規制する。清掃棒600が上方へ移動しようとしても清掃棒600が規制部550に当接して、清掃棒600の更なる移動が規制される。これにより、作業者が差し込み部550に対して清掃棒600を抜き差ししても、清掃棒600が感光ドラム103に接触することを防ぐことができる。
また、差し込み部550には、鉛直方向において規制部563と対向するように底部564が設けられている。掻き取り部560はこの底部564から上方へ向けて突出した突起である。言い換えれば、掻き取り部560は、レンズアレイ506の光出射面から感光ドラム103に向けて底部564から突出している。
また、掻き取り部560と規制部563とは鉛直方向において重なるように設けられている。これにより、清掃棒600の移動が規制部563に規制された状態で、清掃ブレード604が清掃棒600の挿入方向において掻き取り部560よりも上流側に位置するとき、清掃ブレード604と掻き取り部560とは挿入方向において重なっている。したがって、清掃棒600を差し込み部550に挿入していくと、清掃ブレード604の一部が確実に掻き取り部560に当接する。
清掃棒600が、規制部563によってレンズアレイ506の出射面から感光ドラム103へ向けての移動を規制された状態で差し込み部550に差し込まれていくと、清掃ブレード604の一部が盧き取り部560に当接する。言い換えれば、規制部563によって清掃棒600の移動が規制されることで、清掃ブレード604と盧き取り部560とを確実に接触させることができる。
図18は掻き取り部560によって清掃ブレード604に付着した汚れを掻き取る構成について説明するための図である。例えば図18(a)に示すように、差し込み部550の手前側には傾斜面561が形成されている。傾斜面561が設けられていることで作業者は容易に清掃棒600を差し込み部550に挿入することができる。
図18(a)は、清掃棒600が差し込み部550に差し込まれた状態であるものの清掃ブレード604が未だ掻き取り部560に到達していない状態を示す。図18(b)は、清掃棒600が図18(a)の状態から更に光プリントヘッド105へ向けて進行、すなわち挿入方向に進行し、清掃ブレード604が掻き取り部560によって撓まされた状態を示す。清掃棒600がユーザによって図18(b)の状態から更に光プリントヘッド105へ向けて移動させられることで、掻き取り部560が清掃ブレード604の表面を摺擦する。言い換えれば、清掃ブレード604が掻き取り部560を摺擦する。このように、清掃ブレード604が掻き取り部560を乗り越えることにより、清掃ブレード604に付着した汚れが掻き取り部560によって掻き取られる。ユーザが繰り返し清掃棒600を用いてレンズアレイ506の清掃を実施していると、清掃ブレード604はトナー等により次第に汚れてくる。ユーザが定期的に清掃ブレード604の汚れを確認し、汚れを認識した場合は綿や布を用いて清掃ブレード604の汚れを除去していればよいが、そこまでのメンテナンスは面倒なものである。また、ユーザが清掃棒600の使用前に清掃ブレード604の汚れを確認するとも限らないため、清掃ブレード604が汚れている状態で清掃作業が実施されることも考えられる。したがって、本実施の形態のように掻き取り部560を差し込み部550に設けることで、清掃ブレード604は清掃作業時に必ず掻き取り部560によって清掃される。これにより、ユーザは清掃ブレード604に付着した汚れが掻き取られた状態でレンズアレイ506を清掃することができる。
また、掻き取り部560は清掃棒600が差し込み部550から引き抜かれる際にも清掃ブレード604に付着した汚れを掻き取る。図18(c)は、清掃ブレード604が掻き取り部560よりも光プリントヘッド105側に位置する状態を示す図である。図18(d)は、清掃棒600が図18(c)の状態から更にユーザによって引き抜かれ、掻き取り部560が清掃ブレード604を撓ませている状態を示す図である。清掃棒600が図18(d)の状態から更に引き抜かれることで、清掃ブレード604は掻き取り部560を乗り越え、清掃ブレード604に付着した汚れが掻き取り部560によって掻き落とされる。このように、清掃ブレード604は、清掃棒600が挿入されるときと引き抜かれるときのそれぞれのタイミングで掻き取り部560を乗り越える。そして、清掃ブレード604に付着した付着物は、清掃ブレード604が掻き取り部560を乗り越えることに応じて、掻き取り部560によって清掃される。
ここで、図18(a)に示すように、清掃棒600の棒状体601の先端部分において、棒状体601からの清掃ブレード604の突出量w1は、鉛直方向における規制部563と掻き取り部560との間隔w2よりも大きい。そのため、図18(a)に示す清掃棒600が差し込まれた直後の状態から図18(b)の状態まで清掃棒600が移動したとき、清掃ブレード604はその先端が掻き取り部560に突き当たる。
図19は清掃ブレード604に付着した汚れが掻き取り部560によって掻き落とされるフローを説明するための図である。説明を簡単にするため、清掃ブレード606のうち、清掃棒600の挿入方向下流側の面を清掃面A、挿入方向上流側の面を清掃面Bと仮定する(図19(a)を参照)。図19(b)〜(i)では清掃面Aおよび清掃面Bの符号を割愛する。また、レンズアレイ506の出射面に付着した汚れを汚れ700と定義する。汚れ700はトナー等の粉塵を総称した汚れである。
以下、掻き取り部560が清掃ブレード604の汚れを掻き落とすフローについて図19を用いて説明していく。図19(a)および図19(b)は、清掃ブレード606がレンズアレイ506の出射面を清掃している状態を説明するための図である。図19(a)および図19(b)に示すように、清掃ブレード604が図中の矢印で示す方向に移動していくことで、レンズアレイ506の出射面に付着した汚れ700が清掃ブレード604によって掃かれていく。こうして、レンズアレイ506の出射面上に積もっていた汚れの大半が出射面外に掃き落される。
図19(c)は、清掃棒600が図19(b)の状態よりも更に挿入方向へ移動され、清掃ブレード604がレンズアレイ506の出射面を清掃仕切った状態を示す。このとき、掻き取った汚れ700の一部が清掃ブレード606の清掃面Aに付着し続けてしまうことがある。
図19(d)は、図19(c)の状態から清掃棒600がユーザに挿入方向とは反対方向へ移動している状態を示す。すなわち、清掃棒600がユーザによって差し込み部550から引き抜かれている状態である。図19(d)に示すように、清掃ブレード604は、清掃面Aに若干の汚れ700が付着した状態で移動する。そして、図19(e)に示すように、清掃ブレード604は、清掃面Bによってレンズアレイ506の出射面を摺擦して清掃する。
図19(f)は、清掃棒600がユーザによって図19(e)の状態から更に引き抜かれ、清掃面Bが掻き取り部560に接触した状態を示す図である。清掃ブレード604の先端が掻き取り部560に接触した状態で、図19(f)中の矢印方向に清掃ブレード604が移動されることで、清掃ブレード604は撓む。このとき、清掃ブレード604はレンズアレイ506の出射面から離れているものの清掃面Bに汚れ700の一部が付着し続けてしまうことがある。図19(d)および図19(e)に示すように、清掃ブレード604は清掃棒600が引き抜かれるときにもレンズアレイ506の出射面を清掃する。すなわち、挿入時に清掃仕切れずにレンズアレイ506の出射面に残った汚れ700の一部を引き抜き時に清掃する。そのため、図19(f)に示すように、清掃面Bに汚れ700の一部が残ることがある。
図19(g)は、清掃棒600が図19(f)の状態から更に移動し清掃面Bに付着していた汚れ700の一部が掻き取り部560によって掻き落とされた状態を示す図である。このように、清掃ブレード604は挿入時のみならず、引き抜き時にも掻き取り部560によって清掃される。
また、図19(g)は清掃棒600が差し込み部550から引き抜かれた状態でもある。そのため、このまま清掃棒600は例えばフロントカバーの内側に収納される。あるいは、再び差し込み部550に挿入され、再度レンズアレイ506が清掃される。
図19(h)は、例えば、一度フロントカバーの内側などに収納された清掃棒600が取り出され、再度清掃棒600が差し込み部550に差し込まれるときの状態を示す。このとき、前回の清掃時に清掃面Aに付着した汚れ700の一部が、未だに付着し続けていることがある。この状態で清掃作業が開始されると、汚れ700が清掃面に付着した状態でレンズアレイ560の清掃が行われてしまう、とも考えられる。しかしながら、本実施の形態では、清掃棒600を差し込み部550に差し込んだときに掻き取り部560が清掃ブレード604を撓ませ、清掃面Aに付着し続けている汚れ700を掻き落とす(図19(i))。
以上のように、掻き取り部560を差し込み部550に設けたことで、清掃面Aおよび清掃面Bに付着している汚れ700を可能な限り少なくした状態で清掃作業を開始することができる。
図20は、清掃棒600が差し込み部550に差し込まれ、清掃棒600と共に移動する清掃ブレード604の移動経路と掻き取り部560との位置関係について説明するための図である。
図20(a)は清掃棒600が差し込み部550に差し込まれた状態ではあるが清掃ブレード604が掻き取り部560まで到達していない状態を示す。また、図20(b)は清掃棒600が差し込み部550に差し込まれた状態であって清掃ブレード604が掻き取り部560に乗り上げているときの状態を示す。
図20(a)および図20(b)において、色を付した領域580は清掃ブレード604の移動経路580である。ここで定義する移動経路580は、掻き取り部560が存在しないと仮定したときに清掃ブレード604が移動する経路である。
図20(b)に示すように、掻き取り部560は清掃ブレード604の移動経路外から移動経路内に突き出している。このように、清掃ブレード604の移動経路内に掻き取り部560の一部が位置するため、清掃棒600を差し込み部550に差し込んでいくと、清掃ブレード604と掻き取り部560とが接触する。
また、上でも述べたが、掻き取り部560の突き出し量は、棒状体601から突き出した清掃ブレード604の突き出し量との関係で決まっている。本実施の形態において、清掃ブレード604は清掃棒600の棒状体601から3mm突き出している。そのうち0.6mmの領域が掻き取り部560と接触する領域である。言い換えれば、移動経路580のうち下部20%の領域に掻き取り部560の一部が位置する。移動経路580の外部から移動経路580の内部に突き出した掻き取り部560の突き出し量が移動経路580の上下幅の20%程度であれば、掻き取り部560に当接した清掃ブレード604は掻き取り部560を滑らかに乗り越えることができる。ただし、移動経路580の内部に突き出した掻き取り部560の突き出し量は、清掃ブレード604の材質によっても変動するため、実施の形態は上述した突き出し量に限らない。例えば、清掃ブレード604の材質が本実施の形態のウレタンゴム製ではなく、これよりも柔らかい材質であれば、掻き取り部560の突き出し量を増加させても構わない。逆に清掃ブレード604の材質をウレタンゴム製のものに比べて固くした場合、掻き取り部560の突き出し量は更に減らす必要がある。このように、掻き取り部560の突き出し量は本実施の形態に示す値に限定されない。
以上説明したように、掻き取り部560は、差し込み部550に差し込まれて保持体505に向けて移動する清掃棒600の移動方向において、レンズアレイ506よりも上流側に位置する。また、この掻き取り部560は清掃ブレード604の移動経路外から移動経路内に突き出している。これにより、清掃棒600を差し込み部550に差し込んでいくと清掃ブレード604が掻き取り部560を乗り越えてレンズアレイ506へ向けて移動する。また、清掃棒600を差し込み部550から引き抜いていくと、清掃ブレード604は掻き取り部560を乗り越えて差し込み部550の外側に移動する。作業者が清掃棒600を差し込むとき及び引き抜くときの双方において、清掃ブレード604に付着した汚れが掻き取り部560によって落とされる。
1 画像形成装置
103 感光ドラム
105 光プリントヘッド
505 保持体
506 レンズアレイ
520 露光ユニット
530 第1リンク機構
540 第2リンク機構
550 差し込み部
600 清掃棒
601 棒状体
602 磁石
603 把持部
604 清掃ブレード
605a ヨーク(第1のヨーク片)
605b ヨーク(第2のヨーク片)
630a 突起部
630b 突起部
103 感光ドラム
105 光プリントヘッド
505 保持体
506 レンズアレイ
520 露光ユニット
530 第1リンク機構
540 第2リンク機構
550 差し込み部
600 清掃棒
601 棒状体
602 磁石
603 把持部
604 清掃ブレード
605a ヨーク(第1のヨーク片)
605b ヨーク(第2のヨーク片)
630a 突起部
630b 突起部
Claims (14)
- 画像形成装置であって、
感光ドラムと、
前記感光ドラムを露光する光を出射する出射面を有する光プリントヘッドと、
前記出射面を清掃する板状の清掃部材を有する清掃棒を前記画像形成装置の外側から挿入可能であって、挿入された前記清掃棒の前記光プリントヘッドへ向けての移動をガイドする挿入ガイドと、
前記移動の方向において前記出射面よりも上流側に設けられ前記光プリントヘッドへ向けて移動する前記清掃部材が当該移動の方向へ向けて突き当たる突当部であって、前記清掃部材が乗り越える突当部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記清掃棒が前記挿入ガイドによってガイドされた状態で前記移動の方向において前記清掃部材が前記突当部よりも上流側に位置するとき、前記移動の方向において前記突当部よりも下流から前記突当部を見た場合に前記突当部は前記清掃部材に重なるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記挿入ガイドは、前記挿入された前記清掃棒が前記出射面から前記感光ドラムへ向けて移動することを規制する規制部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記規制部は前記挿入ガイドに挿入された前記清掃棒と前記感光ドラムとの間に位置することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記突当部は鉛直方向において前記規制部と対向して設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記清掃棒の移動が前記規制部によって規制された状態において、鉛直方向における前記清掃部材の前記清掃棒からの突出量は前記規制部と前記突当部との間隔よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記光プリントヘッドは前記感光ドラムよりも鉛直方向下側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記突当部は前記挿入ガイドに設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記挿入ガイドは樹脂製であって、前記突当部が一体的に成形されていることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記光プリントヘッドを、前記感光ドラムを露光する露光位置と、前記露光位置よりも前記感光ドラムから離れた離間位置と、に移動させる移動機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記光プリントヘッドは金属製の磁性体であることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記清掃棒は、
前記挿入ガイドに挿入された状態において、前記出射面に対向する前記清掃部材と前記出射面との接触状態を維持するべく、前記光プリントヘッドと引き付けあう力を生む磁力を発する磁石と、
前記清掃部材と前記磁石とを有する棒状体と、を備えることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。 - 前記光プリントヘッドは、前記感光ドラムを露光するための光を発する発光部を有し、当該発光部はLEDで構成されていることを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記光プリントヘッドは、前記感光ドラムを露光するための光を発する発光部を有し、当該発光部はOLEDで構成されていることを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2019194807A JP2021067896A (ja) | 2019-10-25 | 2019-10-25 | 光プリントヘッドを備える画像形成装置 |
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JP2019194807A Pending JP2021067896A (ja) | 2019-10-25 | 2019-10-25 | 光プリントヘッドを備える画像形成装置 |
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